JP2022152665A - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】透明な終点検出用窓にスラリーや研磨屑が滞留するのを防止し、終点検出用窓による研磨加工の終点検出の精度低下を防止する。【解決手段】研磨パッド3は、検査光L1が透過可能な終点検出用窓3Bを有する研磨層3Cを備えており、その研磨面3Aには複数の同心円状の環状溝3Aaが形成されている。終点検出用窓3Bの上面3Baは、研磨面3Aよりも低くなっており、そこは凹部3Caとなっている。終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caから研磨面3Aの外周縁まで半径方向の排出溝3Eが形成されている。研磨加工中にスラリーや加工屑が終点検出用窓3Bの上面3Baや凹部3Caに流入しても、排出溝3Eを介して研磨面3Aの外方へ排出される。そのため、終点検出用窓3Bの上面3Baにスラリーや研磨屑が滞留することを防止することができる。【選択図】図2
Description
本発明は研磨パッドに関し、より詳しくは、研磨加工の終点を検出するための透明な終点検出用窓を備えるとともに、該終点検出用窓の検出精度の低下を防止する排出溝が研磨面に形成された研磨パッドに関する。
従来、研磨加工の終点を検出するための透明な終点検出用窓を備えるとともに、スラリーや研磨屑をするための排出溝を研磨面等に設けた研磨パッドは公知である(例えば特許文献1~特許文献2)。
特許文献1の研磨パッドにおいては、終点検出用窓の一面(上面)は、研磨面に形成された排出溝の底部よりも低い位置に位置している。他方、特許文献2の研磨パッドにおいては、終点検出用窓の上面に凹面が形成されるとともに、該凹面に排出溝が形成されている。
特許文献1の研磨パッドにおいては、終点検出用窓の一面(上面)は、研磨面に形成された排出溝の底部よりも低い位置に位置している。他方、特許文献2の研磨パッドにおいては、終点検出用窓の上面に凹面が形成されるとともに、該凹面に排出溝が形成されている。
ところで、特許文献1の研磨パッドにおいては、終点検出用窓の一面(上面)が研磨面よりも低い位置にあるため、研磨加工中にスラリーや研磨屑が終点検出用窓に滞留して該終点検出用窓による終点検出精度が低下する恐れがあった。
他方、特許文献2の研磨パッドは、終点検出用窓の上面に凹面が形成され、かつ該凹面に排出溝が形成されているので、排出溝とそれ以外の部分とで検査光の透過量が異なるために、終点検出用窓による終点検出精度が低下するという問題があった。
また、排出溝以外の部分に検査光を通す場合、終点検出用窓を大きくする必要があり、終点検出用窓が研磨性能に影響を与える可能性がある。
他方、特許文献2の研磨パッドは、終点検出用窓の上面に凹面が形成され、かつ該凹面に排出溝が形成されているので、排出溝とそれ以外の部分とで検査光の透過量が異なるために、終点検出用窓による終点検出精度が低下するという問題があった。
また、排出溝以外の部分に検査光を通す場合、終点検出用窓を大きくする必要があり、終点検出用窓が研磨性能に影響を与える可能性がある。
上述した事情に鑑み、本発明は、被研磨物を研磨する研磨面を有する研磨層と、この研磨層に設けられて研磨加工中の終点を検出するための透明な終点検出用窓とを備えた研磨パッドにおいて、
上記終点検出用窓における研磨面側となる一面は、上記研磨面よりも高さが低くなるように形成されて、上記研磨面との間に凹部が形成されており、
さらに上記研磨面に、上記凹部から研磨面の外周縁に連通する少なくとも一つの排出溝が形成されており、
研磨加工中のスラリー及び研磨屑は上記凹部から排出溝を介して研磨面の外方へ排出されることを特徴とするものである。
上記終点検出用窓における研磨面側となる一面は、上記研磨面よりも高さが低くなるように形成されて、上記研磨面との間に凹部が形成されており、
さらに上記研磨面に、上記凹部から研磨面の外周縁に連通する少なくとも一つの排出溝が形成されており、
研磨加工中のスラリー及び研磨屑は上記凹部から排出溝を介して研磨面の外方へ排出されることを特徴とするものである。
このような構成によれば、終点検出用窓にスラリーや研磨屑が滞留するのを防止できるので、検査光が終点検出用窓を透過する際の透過具合が変わることがなく、したがって、終点検出精度の低下を防止することができる。また、終点検出用窓における研磨面側となる一面が研磨面よりも高さが低くなるように形成されているため、終点検出用窓が研磨に及ぼす影響を可及的に小さくすることができる。
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図2において、1は研磨装置であり、この研磨装置1は、薄板状の被研磨物2(例えば半導体ウエハ)を研磨パッド3によって研磨するようになっている。この研磨装置1は、被研磨物2に対して研磨加工を行う際に、被研磨物2の被研磨面2Aに向けて検査光L1を照射することで、研磨加工の進捗状況と加工終了となる終点を検出できるようになっている。
研磨装置1は、下方側に位置して上面に研磨パッド3が固定される研磨定盤4と、上方側に位置して下面に被研磨物2を保持する保持定盤5と、被研磨物2と研磨パッド3との間にスラリーS(研磨液)を供給するスラリー供給機構6と、検査光L1を用いて被研磨物2の研磨加工の進捗状況と加工の終点を検出する検出機構7を備えている。
研磨装置1による研磨加工の対象となる被研磨物2は、光学材料、シリコンウェハ、液晶用ガラス基板、半導体基板の他、ガラス、金属、セラミック等の板状物である。また、スラリー供給機構6が供給するスラリーSとしては、対象となる被研磨物2および求められる加工精度に応じて従来公知の好適な物を使用することができる。
上記研磨定盤4および保持定盤5はそれぞれ略円盤状となっており、それぞれ図示しない駆動機構によって矢印方向に回転するようになっており、また、上記保持定盤5は昇降可能に設けられている。
被研磨物2に研磨加工を行う際には、保持定盤5によって被研磨物2の被研磨面2A(下面)を研磨パッド3の研磨面3Aに設定圧力で押し当てた状態で、それらが相対的に回転されるとともに、スラリー供給機構6からスラリーSが被研磨物2の被研磨面2Aと研磨パッド3の研磨面3Aとの間に供給されるようになっている。
研磨パッド3の研磨面3Aには、研磨パッド3の中心(回転中心)を囲繞して同心円状に複数の環状溝3Aaが半径方向において等ピッチで形成されている。これら複数の環状溝3AaがスラリーSを保持するスラリー保持溝となっており、スラリー供給機構6から吐出されたスラリーSはこれら複数の環状溝3Aa内に流入して研磨面3Aの全域に供給されるようになっている(図2~図4参照)。
研磨装置1は、下方側に位置して上面に研磨パッド3が固定される研磨定盤4と、上方側に位置して下面に被研磨物2を保持する保持定盤5と、被研磨物2と研磨パッド3との間にスラリーS(研磨液)を供給するスラリー供給機構6と、検査光L1を用いて被研磨物2の研磨加工の進捗状況と加工の終点を検出する検出機構7を備えている。
研磨装置1による研磨加工の対象となる被研磨物2は、光学材料、シリコンウェハ、液晶用ガラス基板、半導体基板の他、ガラス、金属、セラミック等の板状物である。また、スラリー供給機構6が供給するスラリーSとしては、対象となる被研磨物2および求められる加工精度に応じて従来公知の好適な物を使用することができる。
上記研磨定盤4および保持定盤5はそれぞれ略円盤状となっており、それぞれ図示しない駆動機構によって矢印方向に回転するようになっており、また、上記保持定盤5は昇降可能に設けられている。
被研磨物2に研磨加工を行う際には、保持定盤5によって被研磨物2の被研磨面2A(下面)を研磨パッド3の研磨面3Aに設定圧力で押し当てた状態で、それらが相対的に回転されるとともに、スラリー供給機構6からスラリーSが被研磨物2の被研磨面2Aと研磨パッド3の研磨面3Aとの間に供給されるようになっている。
研磨パッド3の研磨面3Aには、研磨パッド3の中心(回転中心)を囲繞して同心円状に複数の環状溝3Aaが半径方向において等ピッチで形成されている。これら複数の環状溝3AaがスラリーSを保持するスラリー保持溝となっており、スラリー供給機構6から吐出されたスラリーSはこれら複数の環状溝3Aa内に流入して研磨面3Aの全域に供給されるようになっている(図2~図4参照)。
ところで、被研磨物2の研磨加工を行う際には、該被研磨物2の研磨加工の進捗状況と加工終了となる終点を検出する必要がある。そこで、この研磨装置1は、下方側から上方に向けて検査光L1を照射して、被研磨物2の被研磨面2Aからの反射光L2を基にして研磨加工の進捗状況と加工終点を検出する検出機構7を備えている。
研磨パッド3の所定位置には、上記検査光L1を透過させ、かつ被研磨物2の被研磨面2Aからの反射光L2を透過させる透明な終点検出用窓3Bが設けられている。
研磨パッド3は、上方側に位置する円板状の研磨層3Cと、研磨層3Cの下面に接着剤や両面テープで接着された円板状の支持層3D(クッション層)とを備えている。研磨層3Cの所定位置に透明な終点検出用窓3Bが設けられており、その下方側となる支持層3Dの位置には、検査光L1及び被研磨物2からの反射光を通過させるための貫通孔3Daが穿設されている。
終点検出用窓3Bの平坦な上面3Baは、研磨層3Cの上面である研磨面3Aよりも少し低くなっている。具体的には、上面3Baは、環状溝3Aaの底部よりも低い位置にあり、研磨面3Aよりも0.9mm程度低くなっており、それにより上面3Baの上方位置に円形の凹部3Caが生じている。
前述したように、研磨面3Aには、同心円状に複数の環状溝3Aaが形成されており、それらの数本の環状溝3Aaは、終点検出用窓3Bの隣接上方位置の凹部3Caと交差している。つまり、図3ないし図4に示すように、凹部3Caの内周面に複数の環状溝3Aaが開口し、該環状溝3Aaと凹部3Caとが連通した状態となっている。
他方、終点検出用窓3Bの下面3Bbと研磨層3Cの下面は同一平面となっており、研磨層3Cの下面に支持層3Dの上面が接着剤や両面テープによって接着されている。そして、上下で一体となった研磨層3Cと支持層3Dからなる研磨パッド3は、その下面(支持層3Dの下面)を接着剤や両面テープによって研磨定盤4の上面4Aに固定されている。
研磨定盤4には、上記研磨パッド3の終点検出用窓3B及び支持層3Dの貫通孔3Daの下方位置に、検査光L1を上方へ照射する発光部7A及び被研磨物2からの反射光を受光する受光部7Bが設けられている。検出機構7は、これら発光部7A及び受光部7Bと、それらの作動を制御し、かつ、研磨加工中における加工の進捗状況と加工終了となる終点を検出する制御部7Cを備えている。
被研磨物2に対する研磨加工中においては、検出機構7の発光部7Aから検査光L1が上方に向けて照射されるので、該検査光L1は透明な終点検出用窓3Bを透過して被研磨物2の被研磨面2Aに照射される。すると、検査光L1は被研磨物2の被研磨面2Aによって下方に向けて反射され、その反射光L2は透明な終点検出用窓3Bを透過して受光部7Bによって検出される。受光部7Bで検出した反射光L2は制御部7Cへ伝達されるようになっている。
そして、被研磨物2の研磨加工が進行して、被研磨物2の被研磨面2Aが徐々に研磨されることに伴って、受光部7Bによって検出される反射光L2の強度等が変化する。制御部7Cは、受光部7Bによって検出された反射光L2の強度等が、予め登録された強度等になると、被研磨面2Aが加工終点になったものと判定して、研磨加工を停止させる。すると、駆動機構が停止されるので研磨定盤4及び保持定盤5の回転が停止するとともに、スラリー供給機構6からのスラリーSの供給も停止されるようになっている。
このように、検出機構7の検査光L1を用いて被研磨物2の研磨加工が行われる際に研磨加工の終点を検出できるようになっている。なお、このような検査光L1を用いた検出機構7の構成は既に公知である。
研磨パッド3の所定位置には、上記検査光L1を透過させ、かつ被研磨物2の被研磨面2Aからの反射光L2を透過させる透明な終点検出用窓3Bが設けられている。
研磨パッド3は、上方側に位置する円板状の研磨層3Cと、研磨層3Cの下面に接着剤や両面テープで接着された円板状の支持層3D(クッション層)とを備えている。研磨層3Cの所定位置に透明な終点検出用窓3Bが設けられており、その下方側となる支持層3Dの位置には、検査光L1及び被研磨物2からの反射光を通過させるための貫通孔3Daが穿設されている。
終点検出用窓3Bの平坦な上面3Baは、研磨層3Cの上面である研磨面3Aよりも少し低くなっている。具体的には、上面3Baは、環状溝3Aaの底部よりも低い位置にあり、研磨面3Aよりも0.9mm程度低くなっており、それにより上面3Baの上方位置に円形の凹部3Caが生じている。
前述したように、研磨面3Aには、同心円状に複数の環状溝3Aaが形成されており、それらの数本の環状溝3Aaは、終点検出用窓3Bの隣接上方位置の凹部3Caと交差している。つまり、図3ないし図4に示すように、凹部3Caの内周面に複数の環状溝3Aaが開口し、該環状溝3Aaと凹部3Caとが連通した状態となっている。
他方、終点検出用窓3Bの下面3Bbと研磨層3Cの下面は同一平面となっており、研磨層3Cの下面に支持層3Dの上面が接着剤や両面テープによって接着されている。そして、上下で一体となった研磨層3Cと支持層3Dからなる研磨パッド3は、その下面(支持層3Dの下面)を接着剤や両面テープによって研磨定盤4の上面4Aに固定されている。
研磨定盤4には、上記研磨パッド3の終点検出用窓3B及び支持層3Dの貫通孔3Daの下方位置に、検査光L1を上方へ照射する発光部7A及び被研磨物2からの反射光を受光する受光部7Bが設けられている。検出機構7は、これら発光部7A及び受光部7Bと、それらの作動を制御し、かつ、研磨加工中における加工の進捗状況と加工終了となる終点を検出する制御部7Cを備えている。
被研磨物2に対する研磨加工中においては、検出機構7の発光部7Aから検査光L1が上方に向けて照射されるので、該検査光L1は透明な終点検出用窓3Bを透過して被研磨物2の被研磨面2Aに照射される。すると、検査光L1は被研磨物2の被研磨面2Aによって下方に向けて反射され、その反射光L2は透明な終点検出用窓3Bを透過して受光部7Bによって検出される。受光部7Bで検出した反射光L2は制御部7Cへ伝達されるようになっている。
そして、被研磨物2の研磨加工が進行して、被研磨物2の被研磨面2Aが徐々に研磨されることに伴って、受光部7Bによって検出される反射光L2の強度等が変化する。制御部7Cは、受光部7Bによって検出された反射光L2の強度等が、予め登録された強度等になると、被研磨面2Aが加工終点になったものと判定して、研磨加工を停止させる。すると、駆動機構が停止されるので研磨定盤4及び保持定盤5の回転が停止するとともに、スラリー供給機構6からのスラリーSの供給も停止されるようになっている。
このように、検出機構7の検査光L1を用いて被研磨物2の研磨加工が行われる際に研磨加工の終点を検出できるようになっている。なお、このような検査光L1を用いた検出機構7の構成は既に公知である。
しかして、図3ないし図4に示すように、本実施例の研磨パッド3は、研磨層3Cの研磨面3Aに、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caの位置から研磨面3Aの外周縁まで到達する半径方向の排出溝3Eが形成されていることが特徴となっている。
終点検出用窓3Bは検査光L1及び反射光L2を透過させる透明な材料によって円板状に形成されており、この終点検出用窓3Bは、研磨層3Cの所定位置に形成された貫通孔に隙間なく嵌合されている。終点検出用窓3Bの直径は9mmに設定されており、軸方向寸法(上下方向寸法)は研磨層3Cの厚さよりも短い寸法となっている。
なお、終点検出用窓3Bの材料としては、ポリウレタン等の弾性樹脂を用いることができる。終点検出用窓3Bは検査光L1及び反射光L2の妨げとなるような発泡を避けた構造とする必要がある。より具体的には内部に空隙が形成されないポリウレタン等の弾性樹脂体が好ましい。
本実施例では、終点検出用窓3Bが円形となっているが、これ以外に例えば長方形、正方形、多角形、楕円形等の様々な形状とすることもできる。また、終点検出用窓3Bは少なくとも1つ設けられていれば良い。
研磨面3Aと終点検出用窓3Bの上面3Baの高さの差(凹部3Caの深さ)は、0.9mm程度に設定されている。さらに、上記各環状溝3Aaの幅は0.4mmに設定されており、隣り合う環状溝3Aaのピッチは2.8mmに設定されている。
また、各環状溝3Aaの深さは0.6mmに設定されている。これにより、スラリー等が環状溝3Aaから凹部3Caに流れる。
排出溝3Eは、研磨層3Cの半径方向に直線状に形成されており、この排出溝3Eの外方側の端部は図示しない研磨層3Cの外周縁(外周面)に開口し、排出溝3Eの内方側の端部は凹部3Caの内周面に開口している。この排出溝3Eは、研磨面3Aに形成された複数の環状溝3Aaとも交差して、それらと連通した状態となっている。排出溝3Eの深さは、0.8mmに設定されており、排出溝3Eの底部は終点検出用窓3Bの上面3Baよりも高く、かつ環状溝3Aaの底部と同じかより低い位置に位置している。これにより、スラリー等は、排出溝3Eから排出されるまでに終点検出用窓3Bの上面3Baに一定量溜まった状態が維持されるようになり、スラリー等の流れに伴って検査光L1及び反射光L2の強度が低下するのを防止することができ、ひいては、検出機構7による終点検出精度が低下するのを防止することができる。
そして、終点検出用窓3Bの上面3Baに隣接する排出溝3Eにも、複数の環状溝3Aaが交差して、該複数の環状溝3Aaと排出溝3Eとが連通した状態となっている(図2ないし図4参照)。
終点検出用窓3Bは検査光L1及び反射光L2を透過させる透明な材料によって円板状に形成されており、この終点検出用窓3Bは、研磨層3Cの所定位置に形成された貫通孔に隙間なく嵌合されている。終点検出用窓3Bの直径は9mmに設定されており、軸方向寸法(上下方向寸法)は研磨層3Cの厚さよりも短い寸法となっている。
なお、終点検出用窓3Bの材料としては、ポリウレタン等の弾性樹脂を用いることができる。終点検出用窓3Bは検査光L1及び反射光L2の妨げとなるような発泡を避けた構造とする必要がある。より具体的には内部に空隙が形成されないポリウレタン等の弾性樹脂体が好ましい。
本実施例では、終点検出用窓3Bが円形となっているが、これ以外に例えば長方形、正方形、多角形、楕円形等の様々な形状とすることもできる。また、終点検出用窓3Bは少なくとも1つ設けられていれば良い。
研磨面3Aと終点検出用窓3Bの上面3Baの高さの差(凹部3Caの深さ)は、0.9mm程度に設定されている。さらに、上記各環状溝3Aaの幅は0.4mmに設定されており、隣り合う環状溝3Aaのピッチは2.8mmに設定されている。
また、各環状溝3Aaの深さは0.6mmに設定されている。これにより、スラリー等が環状溝3Aaから凹部3Caに流れる。
排出溝3Eは、研磨層3Cの半径方向に直線状に形成されており、この排出溝3Eの外方側の端部は図示しない研磨層3Cの外周縁(外周面)に開口し、排出溝3Eの内方側の端部は凹部3Caの内周面に開口している。この排出溝3Eは、研磨面3Aに形成された複数の環状溝3Aaとも交差して、それらと連通した状態となっている。排出溝3Eの深さは、0.8mmに設定されており、排出溝3Eの底部は終点検出用窓3Bの上面3Baよりも高く、かつ環状溝3Aaの底部と同じかより低い位置に位置している。これにより、スラリー等は、排出溝3Eから排出されるまでに終点検出用窓3Bの上面3Baに一定量溜まった状態が維持されるようになり、スラリー等の流れに伴って検査光L1及び反射光L2の強度が低下するのを防止することができ、ひいては、検出機構7による終点検出精度が低下するのを防止することができる。
そして、終点検出用窓3Bの上面3Baに隣接する排出溝3Eにも、複数の環状溝3Aaが交差して、該複数の環状溝3Aaと排出溝3Eとが連通した状態となっている(図2ないし図4参照)。
このように、本実施例の研磨パッド3は、研磨面3Aに終点検出用窓3Bの上面3Ba(凹部3Ca)の位置から研磨面3Aの外周縁まで到達する半径方向の排出溝3Eが形成されている。
そのため、研磨パッド3による被研磨物2の研磨加工中に、スラリーSや研磨屑が上面3Ba(凹部3Ca)に流れ込んだとしても、凹部3Caから半径方向の排出溝3Eを介して研磨面3Aの外部へ排出される(図4の想像線の矢印参照)。これにより、終点検出用窓3Bの上面3Baおよび凹部3Caに、スラリーSや研磨屑が滞留することを防止することができる。したがって、終点検出用窓3Bを透過する検査光L1及び反射光L2の強度が低下するのを防止することができ、ひいては、検出機構7による終点検出精度が低下するのを防止することができる。
また、終点検出用窓3の上面3Baは、排出溝3Eの底部よりも低く設けられており、研磨面3Aから上面3Ba及び排出溝3Eの底部までの深さの差は0.05~0.20mmが好ましい。これにより、スラリー等は、排出溝3Eから排出されるまでに終点検出用窓3Bの上面3Baに適度に溜まった状態が維持されるようになり、スラリー等の流れに伴って検査光L1及び反射光L2の強度が低下するのを防止することができ、ひいては、検出機構7による終点検出精度が低下するのを防止することができる。
そのため、研磨パッド3による被研磨物2の研磨加工中に、スラリーSや研磨屑が上面3Ba(凹部3Ca)に流れ込んだとしても、凹部3Caから半径方向の排出溝3Eを介して研磨面3Aの外部へ排出される(図4の想像線の矢印参照)。これにより、終点検出用窓3Bの上面3Baおよび凹部3Caに、スラリーSや研磨屑が滞留することを防止することができる。したがって、終点検出用窓3Bを透過する検査光L1及び反射光L2の強度が低下するのを防止することができ、ひいては、検出機構7による終点検出精度が低下するのを防止することができる。
また、終点検出用窓3の上面3Baは、排出溝3Eの底部よりも低く設けられており、研磨面3Aから上面3Ba及び排出溝3Eの底部までの深さの差は0.05~0.20mmが好ましい。これにより、スラリー等は、排出溝3Eから排出されるまでに終点検出用窓3Bの上面3Baに適度に溜まった状態が維持されるようになり、スラリー等の流れに伴って検査光L1及び反射光L2の強度が低下するのを防止することができ、ひいては、検出機構7による終点検出精度が低下するのを防止することができる。
次に、以上のように構成された研磨パッド3の製造方法の一態様について図5により説明する。
すなわち、先ず、終点検出用窓3Bの材料となるポリイソシアネートと硬化剤を混合し遠心脱泡した混合物を準備し、円筒状の型枠に流し入れて硬化させ、円柱部102を形成する。続いて当該円柱部102を長方形の箱型をした型枠101の所定位置に軸心が鉛直方向となるように配置する。
次に、上記研磨層3Cの材料となるポリイソシアネートと硬化剤と発泡構造を形成するための中空微粒子を混合して混合物103を作製し、該混合物103を上記型枠101内に流し入れて固める(図5(a)参照)ことで、型枠101の内部空間に倣ったブロック状のポリウレタンポリウレア樹脂成形体104が形成される(図5(b)参照)。このポリウレタンポリウレア樹脂成形体104が前述した研磨層3Cの部分となる。
この後、上記ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104を型枠101から取り外した後に、該ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104における円柱部102が埋設された箇所を、所要の厚さとなるように水平面に沿って薄く切断してシート状部材107として切り出す(図5(c)参照)。
この後、シート状部材107を必要に応じて研磨面3Aとなる面を厚み修正および微細な凹凸形成(目立て)の観点から、研削(バフィング)する。そしてシート状部材107(研磨層3C)の研磨面3Aと反対側となる研磨層3Cの下面に両面テープ等を貼り付ける。その後、研磨層3C(シート状部材107)の研磨面3Aの同心円上となる位置に上記複数の環状溝3Aaを切削加工で形成する。この後、円柱部102の上面の箇所を該円柱部102の直径と同一寸法で所定深さとなるように座繰り加工を施す。そして、終点検出用窓3Bから半径方向外方に向けて研磨層3Cの外周縁(外周部)まで到達する直線状の排出溝3Eを切削加工で形成する。
そして、予め貫通孔3Daを穿設した支持層3D(クッション層)を研磨層3Cの下面に接着剤や両面テープで接着する。最後に、シート状部材107(研磨層3C)及び支持層3Dを積層したものを円板状に切断する。これにより、本実施例の研磨パッド3が完成する(図5(d)参照)。
このようにして製造された研磨パッド3は、その下面(支持層3Dの下面)が両面テープや接着剤等によって上記研磨定盤4の上面4Aに固着されるようになっている。
なお、本実施例では、後に終点検出用窓3Bとなる円柱部102を予め作製した製造方法であるが、これに限定されない。他の例としては、穴が開いたポリウレタンポリウレア樹脂成形体104に終点検出用窓3Bを構成する材料を流し入れて固めることによっても所望の研磨層を作製することができる。
具体的には、型枠101の所定位置に円柱状の抜き取り部材を軸心が鉛直方向となるように配置し、上記研磨層3Cの材料となるポリイソシアネートと硬化剤を混合して作製した混合物103を上記型枠101内に流し入れて固め、ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104を形成する。
続いて、形成されたポリウレタンポリウレア樹脂成形体104から上記円柱状抜き取り部材を上方へ抜き取り、円柱状の有底穴を形成するとともに、当該有低穴に上記終点検出用窓3Bの材料となるポリイソシアネートと硬化剤を混合した混合物を流し入れて硬化させる。硬化した混合物によって、後に終点検出用窓3Bとなる透明な円柱部102が形成される。
これにより、有底穴内に円柱部102が隙間なく埋設された状態のポリウレタンポリウレア樹脂成形体104が完成する。ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104からシート状部材を切り出す工程以降は上記と同様の方法で作製することができる。
その他の例として、円柱部102を所定の厚みに切断し、その切断した円柱部を研磨層3Cに円柱部102と同じ大きさに穿設して形成した貫通孔に嵌め込むことによっても所望の研磨層を作製することができる。
具体的には、円柱部102とポリウレタンポリウレア樹脂成形体104を予め作製しておく。ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104からシート状部材107を切り出す。切り出したシート状部材107に対して、表面の研削し、裏面に両面テープを貼り付け、環状溝3Aaを形成する。そして、シート状部材107に円柱部102と同じ大きさの貫通孔を形成する。一方、円柱部102を所定の厚みに切断して、その円柱部102をシート状部材107の貫通孔に嵌め込む。これにより、終点検出用窓3Bを有する研磨層3Cを作製することができる。支持層3Dを研磨層3Cに貼り合わせる工程以降は上記と同様の方法で作製することができる。この例では、座繰り加工をすることなく、所望の研磨層を作製することができる。
さらに、他の例として、この第3実施例の研磨層3Cおよび終点検出用窓3Bの材料は、上記図5で示した上記第1の実施例と基本的に同じであるが、次のようにして研磨層3Cと支持層3Dからなる研磨パッド3を製造する。すなわち、研磨層3Cと支持層3Dとを重ねた状態となるように研磨パッドを製作した後に、研磨パッドの表面側(上面側)から貫通孔を穿設し、研磨パッドの裏面側(下面側)から支持層3Dまで貫通孔を座繰り加工により拡径させて穴を形成し、この穴と貫通孔が連通するようにする。その後に、研磨パッドの表面に環状溝3Aa及び排出溝3Eを形成する。そして、別途、製作済みの段付円柱状の終点検出窓3Bを裏面側(下面側)から隙間なく穴及び貫通孔に嵌合させる。その後、全体を熱プレスして、全体を圧着させた後に、終点検出用窓3Bの上面を所定寸法だけ座繰り加工して凹部3Caを形成する。
また、本実施例における終点検出用窓3Bは、ポリイソシアネートと硬化剤を用いて作製したが、ポリイソシアネートは予めポリオール等によってウレタンプレポリマーとしたものを用いることもできる。さらに、硬化剤としては、公知のジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミンを用いることができる。発泡構造を形成するために、中空微粒子を用いたが、水等の化学発泡剤や不活性ガス等を用いることができる。
さらに、本実施例では、環状溝3Aaを形成した後、座繰り加工を施して凹部3Caを形成して、その後排出溝3Eを形成する工程としているが、凹部3Caを形成する工程と排出溝3Eを形成する工程の順序が逆になっていてもよい。
すなわち、先ず、終点検出用窓3Bの材料となるポリイソシアネートと硬化剤を混合し遠心脱泡した混合物を準備し、円筒状の型枠に流し入れて硬化させ、円柱部102を形成する。続いて当該円柱部102を長方形の箱型をした型枠101の所定位置に軸心が鉛直方向となるように配置する。
次に、上記研磨層3Cの材料となるポリイソシアネートと硬化剤と発泡構造を形成するための中空微粒子を混合して混合物103を作製し、該混合物103を上記型枠101内に流し入れて固める(図5(a)参照)ことで、型枠101の内部空間に倣ったブロック状のポリウレタンポリウレア樹脂成形体104が形成される(図5(b)参照)。このポリウレタンポリウレア樹脂成形体104が前述した研磨層3Cの部分となる。
この後、上記ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104を型枠101から取り外した後に、該ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104における円柱部102が埋設された箇所を、所要の厚さとなるように水平面に沿って薄く切断してシート状部材107として切り出す(図5(c)参照)。
この後、シート状部材107を必要に応じて研磨面3Aとなる面を厚み修正および微細な凹凸形成(目立て)の観点から、研削(バフィング)する。そしてシート状部材107(研磨層3C)の研磨面3Aと反対側となる研磨層3Cの下面に両面テープ等を貼り付ける。その後、研磨層3C(シート状部材107)の研磨面3Aの同心円上となる位置に上記複数の環状溝3Aaを切削加工で形成する。この後、円柱部102の上面の箇所を該円柱部102の直径と同一寸法で所定深さとなるように座繰り加工を施す。そして、終点検出用窓3Bから半径方向外方に向けて研磨層3Cの外周縁(外周部)まで到達する直線状の排出溝3Eを切削加工で形成する。
そして、予め貫通孔3Daを穿設した支持層3D(クッション層)を研磨層3Cの下面に接着剤や両面テープで接着する。最後に、シート状部材107(研磨層3C)及び支持層3Dを積層したものを円板状に切断する。これにより、本実施例の研磨パッド3が完成する(図5(d)参照)。
このようにして製造された研磨パッド3は、その下面(支持層3Dの下面)が両面テープや接着剤等によって上記研磨定盤4の上面4Aに固着されるようになっている。
なお、本実施例では、後に終点検出用窓3Bとなる円柱部102を予め作製した製造方法であるが、これに限定されない。他の例としては、穴が開いたポリウレタンポリウレア樹脂成形体104に終点検出用窓3Bを構成する材料を流し入れて固めることによっても所望の研磨層を作製することができる。
具体的には、型枠101の所定位置に円柱状の抜き取り部材を軸心が鉛直方向となるように配置し、上記研磨層3Cの材料となるポリイソシアネートと硬化剤を混合して作製した混合物103を上記型枠101内に流し入れて固め、ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104を形成する。
続いて、形成されたポリウレタンポリウレア樹脂成形体104から上記円柱状抜き取り部材を上方へ抜き取り、円柱状の有底穴を形成するとともに、当該有低穴に上記終点検出用窓3Bの材料となるポリイソシアネートと硬化剤を混合した混合物を流し入れて硬化させる。硬化した混合物によって、後に終点検出用窓3Bとなる透明な円柱部102が形成される。
これにより、有底穴内に円柱部102が隙間なく埋設された状態のポリウレタンポリウレア樹脂成形体104が完成する。ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104からシート状部材を切り出す工程以降は上記と同様の方法で作製することができる。
その他の例として、円柱部102を所定の厚みに切断し、その切断した円柱部を研磨層3Cに円柱部102と同じ大きさに穿設して形成した貫通孔に嵌め込むことによっても所望の研磨層を作製することができる。
具体的には、円柱部102とポリウレタンポリウレア樹脂成形体104を予め作製しておく。ポリウレタンポリウレア樹脂成形体104からシート状部材107を切り出す。切り出したシート状部材107に対して、表面の研削し、裏面に両面テープを貼り付け、環状溝3Aaを形成する。そして、シート状部材107に円柱部102と同じ大きさの貫通孔を形成する。一方、円柱部102を所定の厚みに切断して、その円柱部102をシート状部材107の貫通孔に嵌め込む。これにより、終点検出用窓3Bを有する研磨層3Cを作製することができる。支持層3Dを研磨層3Cに貼り合わせる工程以降は上記と同様の方法で作製することができる。この例では、座繰り加工をすることなく、所望の研磨層を作製することができる。
さらに、他の例として、この第3実施例の研磨層3Cおよび終点検出用窓3Bの材料は、上記図5で示した上記第1の実施例と基本的に同じであるが、次のようにして研磨層3Cと支持層3Dからなる研磨パッド3を製造する。すなわち、研磨層3Cと支持層3Dとを重ねた状態となるように研磨パッドを製作した後に、研磨パッドの表面側(上面側)から貫通孔を穿設し、研磨パッドの裏面側(下面側)から支持層3Dまで貫通孔を座繰り加工により拡径させて穴を形成し、この穴と貫通孔が連通するようにする。その後に、研磨パッドの表面に環状溝3Aa及び排出溝3Eを形成する。そして、別途、製作済みの段付円柱状の終点検出窓3Bを裏面側(下面側)から隙間なく穴及び貫通孔に嵌合させる。その後、全体を熱プレスして、全体を圧着させた後に、終点検出用窓3Bの上面を所定寸法だけ座繰り加工して凹部3Caを形成する。
また、本実施例における終点検出用窓3Bは、ポリイソシアネートと硬化剤を用いて作製したが、ポリイソシアネートは予めポリオール等によってウレタンプレポリマーとしたものを用いることもできる。さらに、硬化剤としては、公知のジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミンを用いることができる。発泡構造を形成するために、中空微粒子を用いたが、水等の化学発泡剤や不活性ガス等を用いることができる。
さらに、本実施例では、環状溝3Aaを形成した後、座繰り加工を施して凹部3Caを形成して、その後排出溝3Eを形成する工程としているが、凹部3Caを形成する工程と排出溝3Eを形成する工程の順序が逆になっていてもよい。
以上のように本実施例の研磨パッド3は、研磨面3Aに終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caから半径方向の外方へ延びる排出溝3Eが形成されている。
そのため、研磨加工中にスラリーや研磨屑が終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caから排出溝3Eに排出され、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caにスラリーや研磨屑が滞留するのを防止することができ、検出機構7から照射される検査光L1及び反射光L2が終点検出用窓3Bを透過する際の透過具合が変わることを抑制することができる。したがって、スラリー等によって検出機構7による終点検出の精度が低下するのを防止することができる。
そのため、研磨加工中にスラリーや研磨屑が終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caから排出溝3Eに排出され、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caにスラリーや研磨屑が滞留するのを防止することができ、検出機構7から照射される検査光L1及び反射光L2が終点検出用窓3Bを透過する際の透過具合が変わることを抑制することができる。したがって、スラリー等によって検出機構7による終点検出の精度が低下するのを防止することができる。
次に、図6は、本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は、研磨面3Aの全域にわたって縦横等ピッチ(35mm)で格子状の排出溝13Eが形成されている。そして、縦横の排出溝13Eが終点検出用窓3Bの上面3Baの位置(凹部3Ca)で交差するようになっている。格子状となった直線状の各排出溝13Eは、それらの両端が研磨層3Cの外周縁(外周部)に開口しているので、排出溝13Eを介して終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caは外周縁とを連通している。排出溝13Eの幅は2.0mmに設定されており、深さは0.6mmに設定されている。また、研磨面3Aから終点検出用窓3Bの上面3Baまでの深さは、0.8mmに設定されている。
その他の構成は、上記第1の実施例の研磨パッド3と同じであり、第1の実施例と対応する各部分には同じ部材番号を付している。
なお、この第2実施例の研磨層3Cおよび終点検出用窓3Bの材料および研磨パッド3の製造工程は、上記図5で説明した上記第1実施例と基本的に同じである。
この第2実施例においても、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caが排出溝13Eによって研磨面3Aの外周縁に連通していることにより、研磨加工中のスラリーや研磨屑は、排出溝13Eを介して研磨面3Aの外方へ排出される。したがって、この第2実施例の研磨パッド3によっても、上記第1の実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、第2実施例では、排出溝13Eが環状溝3Aaとほぼ直交やほぼ平行に形成されているが、これに限定されない。排出溝13Eが、環状溝3Aaに対して、例えば30°、45°、60°等の所定の角度がなされて形成されていてもよい。
その他の構成は、上記第1の実施例の研磨パッド3と同じであり、第1の実施例と対応する各部分には同じ部材番号を付している。
なお、この第2実施例の研磨層3Cおよび終点検出用窓3Bの材料および研磨パッド3の製造工程は、上記図5で説明した上記第1実施例と基本的に同じである。
この第2実施例においても、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caが排出溝13Eによって研磨面3Aの外周縁に連通していることにより、研磨加工中のスラリーや研磨屑は、排出溝13Eを介して研磨面3Aの外方へ排出される。したがって、この第2実施例の研磨パッド3によっても、上記第1の実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、第2実施例では、排出溝13Eが環状溝3Aaとほぼ直交やほぼ平行に形成されているが、これに限定されない。排出溝13Eが、環状溝3Aaに対して、例えば30°、45°、60°等の所定の角度がなされて形成されていてもよい。
次に、図7は本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例においては、上記図3及び図4に示した第1の実施例を前提として、半径方向の排出溝3Eの円周方向の両隣に直線状の排出溝23Eを追加したものである。
これらの排出溝23Eは、半径方向の排出溝3Eに対して45°の角度をなして形成されており、各排出溝23Eの内方側の端部は、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caと連通し、外方側の端部は、研磨層3Cの外周縁(外周部)に開口している。また、排出溝23Eの幅と深さは、半径方向の排出溝3Eの幅と深さと同じ寸法に設定されている。
その他の構成は上記第1の実施例の研磨パッド3と同じであり、第1の実施例と対応する各部分には同じ部材番号を付している。
この第3実施例の研磨パッド3においては、3か所の排出溝3E、23Eにより終点検出用窓3Bの上面3Baと凹部3Caと研磨面3Aの外周縁とが連通していることにより、研磨加工中におけるスラリーや研磨屑は、排出溝3E、23Eを介して研磨面3Aの外方へ効率的に排出される。そのため、終点検出用窓3Bの上面3Baにスラリーや研磨屑が滞留することを防止できる。したがって、この第3実施例の研磨パッド3によっても、上記第1の実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
これらの排出溝23Eは、半径方向の排出溝3Eに対して45°の角度をなして形成されており、各排出溝23Eの内方側の端部は、終点検出用窓3Bの上面3Ba及び凹部3Caと連通し、外方側の端部は、研磨層3Cの外周縁(外周部)に開口している。また、排出溝23Eの幅と深さは、半径方向の排出溝3Eの幅と深さと同じ寸法に設定されている。
その他の構成は上記第1の実施例の研磨パッド3と同じであり、第1の実施例と対応する各部分には同じ部材番号を付している。
この第3実施例の研磨パッド3においては、3か所の排出溝3E、23Eにより終点検出用窓3Bの上面3Baと凹部3Caと研磨面3Aの外周縁とが連通していることにより、研磨加工中におけるスラリーや研磨屑は、排出溝3E、23Eを介して研磨面3Aの外方へ効率的に排出される。そのため、終点検出用窓3Bの上面3Baにスラリーや研磨屑が滞留することを防止できる。したがって、この第3実施例の研磨パッド3によっても、上記第1の実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、上記各実施例においては、同心円上の位置に設けた複数の環状溝3Aaの中心と研磨面3Aの中心が一致した構成を前提に説明したが、研磨面3Aの中心に対して環状溝3Aaの中心が偏心した構成であっても良い。
1…研磨装置 2…被研磨物(ウエハ)
3…研磨パッド 3A…研磨面
3B…終点検出用窓 3C…研磨層
3Ba…上面 3E、13E、23E…排出溝
7…検出機構 L1…検査光
3…研磨パッド 3A…研磨面
3B…終点検出用窓 3C…研磨層
3Ba…上面 3E、13E、23E…排出溝
7…検出機構 L1…検査光
Claims (6)
- 被研磨物を研磨する研磨面を有する研磨層と、この研磨層に設けられて研磨加工中の終点を検出するための透明な終点検出用窓とを備えた研磨パッドにおいて、
上記終点検出用窓における研磨面側となる一面は、上記研磨面よりも高さが低くなるように形成されて、上記研磨面との間に凹部が形成されており、
さらに上記研磨面に、上記凹部から研磨面の外周縁に連通する少なくとも一つの排出溝が形成されており、
研磨加工中のスラリー及び研磨屑は上記凹部から排出溝を介して研磨面の外方へ排出されることを特徴とする研磨パッド。 - 上記研磨面の同心円上の位置に複数の環状溝が形成されており、
上記排出溝は、上記環状溝と交差して設けられており、
上記終点検出用窓における研磨面側の一面は、環状溝の底部よりも高さが低いことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。 - 上記排出溝の底部は、上記環状溝の底部と高さが同じ又は底部より低く、上記終点検出用窓における研磨面側の一面よりも高さが高くなっていることを特徴とする請求項2に記載の研磨パッド。
- 上記研磨面から上記終点検出用窓における研磨面側となる一面までの深さと上記排出溝の深さとの差は、0.05から0.20mmであることを特徴とする請求項3に記載の研磨パッド。
- 上記研磨面の上記排出溝は、上記凹部から半径方向に形成された第1排出溝と、当該第1排出溝に対して所定角度をなして形成された第2排出溝とを有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の研磨パッド。
- 上記研磨面に複数の直線状の溝を交差させた格子状溝が形成されており、
上記格子状溝を構成する少なくとも1つの直線状の溝は、上記終点検出用窓の凹部と交差して設けられており、該1つの直線状の溝が上記排出溝となっていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の研磨パッド。
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A621 | Written request for application examination |
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