JP2022152234A - 内燃機関のco2分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクト性及び省エネルギ性に優れるとともに、圧損を低減して内燃機関の背圧の上昇を抑制することが可能な内燃機関のCO2分離装置を提供する。【解決手段】内燃機関1のCO2分離装置3は、所定方向に延びる軸線を中心に所定の回転方向に回転可能に設けられ、CO2を吸着可能なCO2吸着材を担持するハニカムロータ32と、前記ハニカムロータの回転通過領域に設けられ、ハニカムロータ32に内燃機関1の排気ガスに含まれるCO2を吸着して分離する吸着エリア32Aと、ハニカムロータ32から吸着したCO2を脱離する脱離エリア32Bとを有する。ハニカムロータ32は、排気ガスが通過する複数の排気ガス通路104を備え、複数の排気ガス通路104は軸線に対し回転方向と逆方向にねじれた形状に構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気系に設けられ、排気ガスからCO2を分離する内燃機関のCO2分離装置に関する。
自動車などに搭載される内燃機関の排気ガスに含まれるCO2(二酸化炭素)は、地球温暖化の一因であるといわれており、排気ガスからCO2を分離、回収し、自動車から排出されるCO2濃度を低減することが求められている。
従来、排気ガスのガス分離技術としては、プラント等において、PSA法(圧力変動吸収法)、TSA法(温度変動吸収法)、アミン吸着法等のバッチ式のシステムが多用されている。主に小型プラントにおいては、分離膜方式のような連続処理システムも使用されている。
また、従来、発電機の排気ガスを外気と混合し、所定の速度で回転する吸着ハニカムロータの吸着ゾーンに導入してCO2を吸着し、吸着ハニカムロータの脱着ゾーンにおいて脱着したCO2を含むガスを植物工場に供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6578492号公報
自動車の内燃機関の排気ガスを処理する場合、上記のPSA法やTSA法等のバッチ式のシステムでは、CO2の吸着工程と脱離工程の切替えに複雑な制御システムが必要である。さらに、二酸化酸素の吸着及び脱離に際して、圧力又は温度の変動を繰り返す必要があるため、運用に多大なエネルギが必要である。しかも、そもそも、上記のシステムは、車両への搭載性が低い。
これに対して、分離膜方式の場合は、分離膜によって連続処理が可能であり、上記のバッチ式のシステムに比べて車両への搭載性に優れると考えられる。分離膜の容量は、内燃機関からの排気ガスの最大流量(内燃機関の最大出力時の排気ガスの流量)を処理可能となるように設定される必要がある。
しかしながら、自動車の内燃機関の運転は定点運転ではなく、ドライバーの要求に応じて、停車から最大出力時まで頻繁且つ大きく変動し、それに応じて、内燃機関からの排気ガスの流量は常に大幅に変動する。その上、一般的なドライバーは、内燃機関の最大出力を必要とするような運転を行うことは少ない。したがって、内燃機関からの排気ガスの最大流量を処理する容量を持つ分離膜を車両に設置するということは、通常運転時に過剰な能力を持つシステムを搭載することになる。そのため、分離膜方式では、コンパクト性及び省エネルギの面で課題がある。
特許文献1に記載されるハニカムロータを用いる場合は、ハニカムロータを所定の速度で回転させるための動力源を新たに設ける必要がある。しかも、ハニカムロータは所定の速度で回転するため、ハニカムロータの容量及び回転速度は、内燃機関からの排気ガスの流量の変動に関わらず、最大流量を処理可能となるような容量及び速度に設定される必要がある。そのため、特許文献1に記載されるハニカムロータを使用する場合も、通常運転時に過剰な能力を持つシステムを搭載することになることに変わりはなく、分離膜方式と同様に、コンパクト性及び省エネルギの面で課題がある。
また、内燃機関の排気ガス流路上にハニカムロータを設置した場合、排気ガスが回転するハニカムロータを通過する際に大きな流路抵抗が生じ、それにより大きな圧力損失(圧損)が生じる。これにより、内燃機関の背圧が上昇して負荷が上がり、内燃機関の出力を低下させるという課題もある。
そこで、本発明は、コンパクト性及び省エネルギ性に優れるとともに、圧損を低減して内燃機関の背圧の上昇を抑制することが可能な内燃機関のCO2分離装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る内燃機関のCO2分離装置(実施形態における(以下、本項において同じ)CO2分離装置3)は、所定方向に延びる軸線を中心に所定の回転方向に回転可能に設けられ、CO2を吸着可能なCO2吸着材を担持するハニカムロータ(ハニカムロータ32、42)と、ハニカムロータの回転通過領域に設けられ、ハニカムロータに対して内燃機関(エンジン1)の排気ガスに含まれるCO2を吸着させて分離する吸着エリア(吸着エリア32A)と、ハニカムロータに吸着したCO2を脱離する脱離エリア(脱離エリア32B)とを有し、ハニカムロータは、排気ガスが通過する複数の排気ガス通路(孔104、204)を備え、複数の排気ガス通路の各々は、軸線に対し回転方向と逆方向にねじれた形状に構成されていることを特徴とする。
この内燃機関のCO2分離装置では、ハニカムロータが備える複数の排気ガス通路をねじれ形状とすることにより、排気ガスが回転しているハニカムロータの排気ガス通路を通過する際の流路抵抗が低減するため圧損を低減するとともに、ハニカムロータを回転させるための駆動エネルギを削減することが可能になる。したがって、装置の省エネルギ性が向上するとともに、圧損を低減して内燃機関の背圧の上昇を抑制することができる。また、複数の排気ガス通路をねじれ形状としない場合と比較して流路長を長く設定できるので、CO2吸着材の塗布面積を増加でき、ハニカムロータを大型化することなく効率よくCO2を吸着することが可能となるので、コンパクト性も向上する。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置において、複数の排気ガス通路の前記形状に係るねじれ角は、通過する排気ガスの流速と単位時間当たりのハニカムロータの回転数とに基づいて設定されることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関の仕様等に応じてねじれ角を適切に設定することが可能になるため、流路抵抗をさらに低減させることができる。したがって、内燃機関の背圧の上昇をより抑制することが可能となる。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内燃機関のCO2分離装置において、ねじれ角は、
ねじれ角=(ハニカムロータ回転角速度)×(ハニカムロータ長手方向長さ)/(通過する排気ガスの流速)
の関係を満たすように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関の仕様等に応じてねじれ角をより適切に設定することが可能になるため、流路抵抗をさらに低減させることができる。したがって、内燃機関の背圧の上昇をさらに抑制することが可能となる。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置において、ハニカムロータを内燃機関の回転に同期させて回転させる同期機構33を備えることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関の回転を利用してハニカムロータを回転させるため、ハニカムロータを回転させるための動力源を新たに設ける必要はないので、装置のコンパクト性がより向上する。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置において、ハニカムロータは、排気ガスがねじれ形状の複数の排気ガス通路を通過することにより発生する回転力により回転することを特徴とする。
この構成によれば、ハニカムロータを回転させるための動力源を新たに設ける必要はないので、装置のコンパクト性がより向上する。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置において、複数の排気ガス通路は、軸線より外側に向かうにつれてハニカムロータの回転方向と反対側に湾曲する回転羽根形状の複数の仕切り壁と、軸線を中心とする同心の円弧状の複数の仕切り壁によって画成されていることを特徴とする。
この構成によれば、排気ガスがハニカムロータを通過する際の流路抵抗がさらに低減するので、効率よく排気ガスを通過させて、ハニカムロータを回転させることができるので、装置の省エネルギ性がさらに向上する。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置において、ハニカムロータの下流側における吸着エリアと脱離エリアとの境界は、ハニカムロータの上流側における吸着エリアと脱離エリアとの境界に対して、ねじれ角に相当する位相をもって設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の排気ガス通路のねじれた形状に沿うように吸着エリアと脱離エリアとを適切に区画することができるので、CO2の吸着/脱離を良好に行うことができ、装置の省エネルギ性がさらに向上する。
本発明によれば、コンパクト性及び省エネルギ性に優れるとともに、圧損を低減して内燃機関の背圧の上昇を抑制することが可能な内燃機関のCO2分離装置を提供することができる。
本発明に係る内燃機関のCO2分離装置を搭載した車両の構成の一実施形態を示す図である。 本発明に係る内燃機関のCO2分離装置の第1実施形態を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るハニカムロータ(a)及び従来のハニカムロータ(b)の構造を示す図である。 本発明に係る内燃機関のCO2分離装置の第2実施形態を示す模式図である。 本発明に係る内燃機関のCO2分離装置の第3実施形態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る内燃機関のCO2分離装置を搭載した車両Vの構成の一実施形態を示す図である。本実施形態に示す車両Vは、液体の炭化水素燃料を燃焼させることによって発生する熱エネルギを機械エネルギに変換する内燃機関1(以下、「エンジン」という)を備え、このエンジン1によって得られた機械エネルギを利用して駆動輪(図示せず)を駆動することにより走行する。
車両Vは、エンジン1と、エンジン1に燃料を供給する燃料供給装置2と、エンジン1の排気管16を流れる排気ガスからCO2を分離して回収するCO2分離装置3と、排気管16を流れる排気ガスを浄化する排気浄化装置4と、CO2分離装置3によって分離されたCO2を圧縮する圧縮機5と、圧縮機5により圧縮されたCO2を貯蔵するための耐圧タンク6とを備える。耐圧タンク6は着脱可能に車両Vに装着されている。
エンジン1は、例えば、複数の気筒と、各気筒内に往復動自在に設けられたピストンと、各気筒内においてピストンによって区画された燃焼室に設けられた点火プラグと、ピストンの往復運動によって回転するクランクシャフトと、を備える多気筒レシプロエンジンである。これら点火プラグは、図示しない制御装置からの指令に応じて点火し、各気筒内に供給された燃料と空気の混合気を燃焼させる。
吸気管15は、エンジン1の各気筒に連通する吸気ポートと車外とを接続し、車外の空気を各気筒へ導く配管である。排気管16は、エンジン1の各気筒に連通する排気ポートと車外とを接続する配管である。排気管16には、排気上流側から下流側へ向かって順に、排気浄化装置4と、CO2分離装置3と、が設けられている。エンジン1の各気筒内で混合気を燃焼させることによって生じる排気ガスは、排気浄化装置4、及びCO2分離装置3を経て車外に排出される。
燃料供給装置2は、燃料を貯留する燃料タンク20と、エンジン1の各気筒に連通する吸気ポートに設けられた燃料噴射弁21と、燃料タンク20と燃料噴射弁21とを接続する燃料供給管24と、を備える。
燃料タンク20は、ガソリン、メタノール、又はこれらガソリンとメタノールとを混合した混合燃料等の液体の炭化水素燃料を貯留する。燃料供給管24は、燃料タンク20内に貯留されている燃料を図示しない高圧ポンプによって圧縮し、燃料噴射弁21に供給する。燃料噴射弁21は、図示しない制御装置からの指令に応じて開弁し、燃料供給管24から供給される燃料を噴射する。燃料噴射弁21から噴射される燃料と吸気管15から供給される空気とを混合した混合気は、エンジン1の各気筒内に供給される。
排気浄化装置4は、排気浄化触媒(例えば、三元触媒)を備え、この排気浄化触媒の作用下で、エンジン1の排気ガスに含まれる未燃炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)等を浄化する。
CO2分離装置3は、CO2配管31によって圧縮機5と接続されている。CO2分離装置3は、排気管16を流れる排気ガスからCO2を分離、回収し、CO2配管31を介して圧縮機5に供給する。より具体的には、CO2分離装置3は、排気管16を流れる排気ガスを、CO2を主成分とする回収ガスと、窒素(N2)を主成分とする脱CO2排気ガスとに分離し、回収ガスをCO2配管31へ排出し、脱CO2排気ガスを図示しないテールパイプを介して車外へ排出する。このCO2分離装置3の具体的な構成については、後述する。また、CO2配管31へ排出されたCO2は圧縮機5により圧縮されたのち耐圧タンク6に回収される。耐圧タンク6が回収されたCO2により満杯になると、別の耐圧タンクに交換される。
次に、CO2分離装置3の具体的な構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、CO2分離装置3の第1実施形態を示す模式図、図3(a)は本実施形態におけるハニカムロータ32の構成を示す斜視図である。CO2分離装置3は、CO2吸着材を担持し、排気ガスが通過する流路である複数の孔104がハニカム状に配列された円筒形状のハニカムロータ32を用いることによって、エンジン1の排気ガスを回収ガスと脱CO2排気ガスとに分離する。CO2吸着材は、例えば、所定の吸着条件下で排気管16を流れる排気ガス中のCO2を選択的に吸着し、吸着したCO2を所定の脱離条件下で脱離する。CO2吸着材としては、例えばリチウム複合酸化物、ゼオライト等が用いられる。しかし、ハニカムロータ32に担持される具体的なCO2吸着材は、これらに限定されない。
本実施形態においては、複数の孔104を長手方向(回転軸方向)にねじれ形状としている。従来のハニカムロータは、図3(b)に示す様に、排気ガスの流路である複数の孔301の各々が、ハニカムロータ300の回転軸方向に対して略平行で直線状に延びる形状の貫通孔となっている。これに対し、本実施形態におけるハニカムロータ32は、図3(a)に示すように、複数の孔104の各々が、回転軸方向(長手方向)に関してハニカムロータ32の前面から後面に貫通する貫通孔であり、更に複数の孔104の長手方向の形状が、前面から後面に向かってハニカムロータ32の回転方向Aと逆方向にねじれた形状で、更にそのねじれ量が前面から後面に向かう程大きくなるような直線形状となっている。
孔104の形状のねじれ量に係るねじれ角は、エンジンの仕様等に応じて適切に設定することができる。本実施形態においては、孔104を通過する排気ガスの流速とハニカムロータ32の回転数に基づいて以下のように設定されている。
ねじれ角=(ハニカムロータ回転角速度)×(ハニカムロータ長手方向長さ)/(通過する排気ガスの流速)
ハニカムロータ32は、回転軸101周りに回転可能に設けられている。CO2分離装置3の内部は、排気管16から導入される排気ガスからCO2をCO2吸着材によって選択的に吸着して分離する吸着エリア32Aと、吸着したCO2をCO2吸着材から脱離する脱離エリア32Bとの少なくとも2つのエリアに分割されている。吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとは、ハニカムロータ32が図示しないケーシング等によってそれぞれ覆われることによって、実質的に排気ガスがエリア間を直接行き来しないように物理的に区画されている。本実施形態においては、ハニカムロータ32の複数の孔104のねじれた形状に沿った形状の仕切り壁で吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとが区画されている。ハニカムロータ32は回転軸101周りに回転することにより、各々ハニカムロータ32の回転通過領域に配置された吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとを繰り返し通過する。
エンジン1の始動によって排出され、排気管16からCO2分離装置3に流入する排気ガスは、吸着エリア32Aに導入される。吸着エリア32Aでは、ハニカムロータ32に担持されるCO2吸着材によって、排気ガスからCO2を選択的に吸着して分離し、CO2濃度が低下した窒素を主成分とする脱CO2排気ガスを図示しないテールパイプを介して車外へ排出する。
脱離エリア32Bでは、ハニカムロータ32のCO2吸着材に吸着されたCO2を脱離させ、ポンプ34によってエンジンルーム内、車外等のCO2分離装置3の外部の空気を導入して、CO2濃度の高い回収ガスをCO2配管31へ排出する。ポンプ34は、ファン、ブロア等によって構成される。
CO2分離装置3において、吸着エリア32A及び脱離エリア32Bは、ハニカムロータ32に担持されるCO2吸着材の特性に合わせた定常環境にそれぞれ設定されている。
具体的には、CO2吸着材の吸着特性及び脱離特性が環境温度に依存し、CO2の吸着が低温環境下で進行し、CO2の脱離が高温環境下で進行する場合には、吸着エリア32Aは、CO2吸着材の吸着特性に応じた所定の低温環境に設定され、脱離エリア32Bは、CO2吸着材の脱離特性に応じた所定の高温環境に設定される。これらの温度環境の設定に要する熱源には、例えばエンジン1からの廃熱を利用することができる。
例えばゼオライト等のように、CO2吸着材の吸着特性及び脱離特性がCO2分圧に依存し、CO2の吸着が高CO2分圧の環境下で進行し、CO2の脱離が低CO2分圧の環境下で進行する場合には、吸着エリア32Aは、CO2吸着材の吸着特性に応じた所定の高CO2分圧環境に設定され、脱離エリア32Bは、CO2吸着材の脱離特性に応じた所定の低CO2分圧環境に設定される。
CO2吸着材の吸着特性及び脱離特性が電気エネルギの有無に依存し、CO2の吸着が電気エネルギの印加環境下で進行し、CO2の脱離が電気エネルギの非印加環境下で進行する場合には、吸着エリア32Aは、CO2吸着材の吸着特性に応じた所定電圧の通電が行われるように設定され、脱離エリア32Bは絶縁環境に設定される。CO2の脱離に要する電気エネルギには、例えば車両Vに搭載されるバッテリ(図示せず)に蓄えられる電力を利用することができる。
CO2分離装置3は、ハニカムロータ32をエンジン1の回転に同期させて回転させる同期機構33を有する。同期機構33は、エンジン1の回転によって回転するクランクシャフト11の回転を、例えば複数のギヤ、ベルト等の動力伝達機構331を介して、CO2分離装置3に配置される駆動シャフト332に伝達し、さらにベルト333やギヤ等を介して、駆動シャフト332の回転をハニカムロータ32に伝達するように構成される。エンジン1の始動によってクランクシャフト11が回転すると、クランクシャフト11の回転が同期機構33を介してハニカムロータ32に伝達され、クランクシャフト11の回転数に対応する回転数でハニカムロータ32が回転する。エンジン1の回転数が高低に変化すると、それに応じてハニカムロータ32の回転数も高低に変化する。エンジン1が停止すると、ハニカムロータ32の回転も停止する。
ハニカムロータ32は、回転によって吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとに交互に配置され、CO2の吸着及び脱離を行う。具体的には、吸着エリア32AにおいてCO2を吸着したハニカムロータ32は、回転によって脱離エリア32Bに移動し、脱離エリア32BにおいてCO2の脱離を行う。脱離エリア32BにおいてCO2を脱離したハニカムロータ32は、回転によって再び吸着エリア32Aに移動し、吸着エリア32AにおいてCO2の吸着を行う。
ハニカムロータ32の回転数は、エンジン1の回転数に応じた排気ガスの流量に対して、ハニカムロータ32が所定のCO2の吸着及び脱離性能を発揮し得るように設定される。具体的には、ハニカムロータ32のCO2の吸着及び脱離性能が、エンジン1の1回転当たりの排気ガスに対してある程度の時間を要する性能である場合には、同期機構33は、ハニカムロータ32の回転数がエンジン1の回転数に対して低い回転数になるように減速させる減速機構によって構成される。ハニカムロータ32のCO2の吸着及び脱離性能が、エンジン1の1回転当たりの排気ガスに対して十分に高い性能を有する場合には、同期機構33は、ハニカムロータ32の回転数がエンジン1の回転数に対して高い回転数になるように増速させる増速機構によって構成されてもよい。
ハニカムロータ32のCO2の吸着及び脱離性能は、エンジン1の1回転当たりのハニカムロータ32の回転におけるCO2の吸着及び脱離性能が、エンジン1の1回転当たりの最大排気量を処理可能な性能を有するものとなるように設定される。これによって、CO2分離装置3は、ハニカムロータ32による効率的なCO2の処理を行うことが可能である。
ハニカムロータ32が、エンジン1の1回転当たりの最大排気量を処理可能なCO2の吸着及び脱離性能を有するようにするための具体的な手段としては、エンジン1の回転数に対するハニカムロータ32の回転数を適宜設定すること、ハニカムロータ32に担持されるCO2吸着材の種類を適宜選択すること、ハニカムロータ32の外径を適宜設定すること、ハニカムロータ32の軸方向の長さを適宜設定すること等を例示することができる。これらの手段は、いずれか一つを採用してもよいし、二つ以上の手段を組み合わせて採用してもよい。
このように構成されるCO2分離装置3は、エンジン1の回転に同期してハニカムロータ32が回転することによって、排気ガスからのCO2の吸着、分離と、吸着したCO2の脱離とを連続して行うことができる。ハニカムロータ32は、エンジン1の回転を利用して回転するため、ハニカムロータ32を回転させるための動力源を新たに設ける必要はない。エンジン1に対して同期機構33を一括で設計できるため、部品の共用等も可能である。そのため、コンパクト性が向上する。ハニカムロータ32の回転は、同期機構33によってエンジン1の回転に同期するため、頻繁に変動するエンジン1の運転に自動的に対応することができる。例えば、車両Vが、アイドルストップ機能を有する場合や図示しない電動モータを搭載するハイブリッド車両である場合には、車両Vの停車及び電動モータ駆動等によるエンジン1の停止時等のように排気ガスが排出されないときには、ハニカムロータ32の回転は停止し、CO2の処理は行われない。そのため、CO2分離装置3は、通常運転時に過剰な能力を持つ必要はなく、省エネルギ性が向上する。
また本実施形態においては、複数の孔104を長手方向にねじれ形状としている。排気ガスはこのねじれ形状の孔104を矢印B方向に通過するため、ハニカムロータ32には回転力が発生する。図3(b)に示す様な従来のハニカムロータを用いた構成では、排気ガスが回転するハニカムロータを通過することで圧損が生じ、エンジン1の背圧上昇が生じて負荷が上がり、エンジン1の出力低下が生じていたが、本実施形態によれば排気ガスを効率よくハニカムロータ32に取り込むことが可能になる。これにより、従来のハニカムロータを用いた構成に比べ排気ガスがハニカムロータを通過する際の圧損を低減でき、エンジンの出力低下等の発生を抑制することが可能となり、またハニカムロータ32を回転させるための駆動エネルギを低減することが可能になる。更に、流路長をハニカムロータ32の長手方向の長さよりも長く設定できるので、CO2吸着材の塗布面積を増加でき、ハニカムロータ32を大型化することなく効率よくCO2を吸着することが可能になる。
次に本発明の第2の実施形態のCO2分離装置について図4を参照して説明する。図4(a)は本発明の第2実施形態であるCO2分離装置3の構成を示す模式図、図4(b)はハニカムロータ32の正面図、図4(C)はハニカムロータ42の斜視図である。図4において、図2に示す第1実施形態と同一符号の部位は同一部位を示すため、それらの説明は上記の説明を援用し以下においては省略する。ハニカムロータ42は回転軸201を中心にしてA方向に回転する。吸着エリア32AにおいてCO2を吸着したハニカムロータ42は、回転によって脱離エリア32Bに移動し、脱離エリア32BにおいてCO2の脱離を行う。脱離エリア32BにおいてCO2を脱離したハニカムロータ42は、回転によって再び吸着エリア32Aに移動し、吸着エリア32AにおいてCO2の吸着を行う。尚、本実施形態においては、ハニカムロータ42の下流側における吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとの境界は、ハニカムロータ42の上流側における吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとの境界に対して、ハニカムロータ42の孔204のねじれ角に相当する位相をもって設定されている。
ハニカムロータ42は、前方回転軸方向から見て回転軸201より外側に向かうにつれてハニカムロータ42の回転方向と反対側に湾曲する回転羽根形状の複数の仕切り壁202と、回転軸201を中心とする同心の円弧状の複数の仕切り壁203によって画成されることで形成される複数の孔204を有する。複数の孔204の各々は、ハニカムロータ42を回転軸方向(長手方向)に関して前面から後面に貫通する貫通孔であり、更に複数の孔204の長手方向の形状は、前面から後面に向かってハニカムロータ204の回転方向Aと逆方向にねじれた形状で、更にそのねじれ量が前面から後面に向かう程大きくなるような曲線形状となっている(図4(C)参照)。
ハニカムロータ42の複数の孔の形状をこのようにすることで、排気ガスが複数の孔104を矢印Bの方向に通過することにより発生するハニカムロータ42の回転力を第1実施形態よりも大きくすることができるため、排気ガスをより効率よくハニカムロータ42に取り込むことができ、複数の孔204を通過する際の圧損をより低減するとともに、ハニカムロータ42を回転させるための駆動エネルギをより低減することができる。
次に、図5は、本発明の第3実施形態のCO2分離装置3の構成を示す模式図である。図5において、図2に示す第1実施形態及び図4に示す第2実施形態と同一符号の部位は同一部位を示すため、それらの説明は上記の説明を援用し以下においては省略する。第2実施形態において上述したように、排気ガスが孔204を矢印B方向に通過することによりハニカムロータ42に回転力が発生する。第3実施形態においては、エンジンやモータ等からの動力を用いることなく、この回転力のみを用いてハニカムロータ42の回転駆動を行う。
本実施形態において、ハニカムロータ42の回転は、排気ガスの流量に応じて自動的に同期することとなる。このため本実施形態では、ハニカムロータ42の中央に軸受け200を設置し、ハニカムロータ42の自転によるフリクションを低減するようにして、排気ガスの流路上に配置している。吸着エリア32AにおいてCO2を吸着したハニカムロータ42は、排気ガスの通過による回転力により回転して脱離エリア32Bに移動し、脱離エリア32BにおいてCO2の脱離を行う。脱離エリア32BにおいてCO2を脱離したハニカムロータ42は、排気ガスの通過による回転力により回転して再び吸着エリア32Aに移動し、吸着エリア32AにおいてCO2の吸着を行う。尚、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、ハニカムロータ42の下流側における吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとの境界は、ハニカムロータ42の上流側における吸着エリア32Aと脱離エリア32Bとの境界に対してハニカムロータ42の孔204のねじれ角に相当する位相をもって設定されている。
このように構成することにより、ハニカムロータを回転させるための機構が不要となり、その動力エネルギの削減とシステムのコンパクト化が可能になる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。また、実施形態は、本発明を車両に搭載された炭化水素燃料エンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの他の種類のエンジンに適用してもよく、また、車両用以外のエンジンにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 内燃機関
3 CO2分離装置
5 圧縮機
6 耐圧タンク
32,42 ハニカムロータ
32A 吸着エリア
32B 脱離エリア
33 同期機構
104,204 孔

Claims (7)

  1. 所定方向に延びる軸線を中心に所定の回転方向に回転可能に設けられ、CO2を吸着可能なCO2吸着材を担持するハニカムロータと、前記ハニカムロータの回転通過領域に設けられ、前記ハニカムロータに対して内燃機関の排気ガスに含まれるCO2を吸着させて分離する吸着エリアと、前記ハニカムロータに吸着したCO2を脱離する脱離エリアとを有し、
    前記ハニカムロータは、排気ガスが通過する複数の排気ガス通路を備え、前記複数の排気ガス通路の各々は、前記軸線に対し前記回転方向と逆方向にねじれた形状に構成されていることを特徴とする、内燃機関のCO2分離装置。
  2. 前記複数の排気ガス通路の前記形状に係るねじれ角は、通過する排気ガスの流速と単位時間当たりの前記ハニカムロータの回転数とに基づいて設定されることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置。
  3. 前記ねじれ角は、
    ねじれ角=(ハニカムロータ回転角速度)×(ハニカムロータ長手方向長さ)/(通過する排気ガスの流速)
    の関係を満たすように設定されていることを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関のCO2分離装置。
  4. 前記ハニカムロータを前記内燃機関の回転に同期させて回転させる同期機構を備えることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置。
  5. 前記ハニカムロータは、排気ガスが前記形状の前記複数の排気ガス通路を通過することにより発生する回転力により回転することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置。
  6. 前記複数の排気ガス通路は、前記軸線より外側に向かうにつれて前記ハニカムロータの前記回転方向と反対側に湾曲する回転羽根形状の複数の仕切り壁と、前記軸線を中心とする同心の円弧状の複数の仕切り壁によって画成されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置。
  7. 前記ハニカムロータの下流側における前記吸着エリアと前記脱離エリアとの境界は、前記ハニカムロータの上流側における前記吸着エリアと前記脱離エリアとの境界に対して、前記ねじれ角に相当する位相をもって設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のCO2分離装置。
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