JP2022152131A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃液が流れる面の勾配を増加させると、記録装置の高さ寸法が増加する虞がある。【解決手段】プリンター10は、記録ユニット14と、プラテンユニット16と、メンテナンスタンク22と、誘導部24とを備える。記録ユニット14は、メディアMにインクQを吐出する。プラテンユニット16は、メディアMを支持する支持面17と、廃インクQWが打ち捨てられる打捨部18とを有する。メンテナンスタンク22は廃インクQWを回収する。誘導部24は、受け面25を有し、廃インクQWをメンテナンスタンク22に誘導する。受け面25の第1位置P1における廃インクQWに対する第1表面エネルギーE1とし、第1位置P1よりもメンテナンスタンク22に近い第2位置P2における第2表面エネルギーE2とした場合、第2表面エネルギーE2は、第1表面エネルギーE1より大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、記録装置に関する。
特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、第1の斜面及び廃インク受け面が形成された廃インク受け部を備える。第1の斜面に着地した廃インクは、その自重により廃インク受け面に流れ、廃インク受け面に両面テープなどで貼り付けられた多孔質体シートに吸収される。
特開2018-86423号公報
特許文献1の記録装置は、斜面を流れた廃インクを回収する機構であるので、斜面に着地した廃インクを確実に流動させるには、斜面の勾配を増加させる必要がある。
しかし、斜面の勾配を増加させると、記録装置の高さ寸法が増加する虞がある。
上記課題を解決する為の、本発明に係る記録装置は、搬送方向に搬送されるメディアに液体を吐出することによって前記メディアに記録する記録部と、前記メディアを支持する支持面と、前記支持面に支持される前記メディアの前記搬送方向と交差する幅方向における端縁に対応する位置に設けられ、前記メディアの記録に用いられない前記液体である廃液が打ち捨てられる打捨部と、を有する支持部と、前記廃液を回収可能な回収部と、前記打捨部から流出する前記廃液を受けるとともに前記回収部に向かって前記廃液が流れるように前記廃液を誘導する誘導部と、を備え、前記誘導部は、前記廃液を受けるための受け面を有し、前記受け面の第1位置における前記廃液に対する表面エネルギーを第1表面エネルギーとし、前記第1位置よりも前記回収部に近い前記受け面の第2位置における前記廃液に対する表面エネルギーを第2表面エネルギーとした場合、前記第2表面エネルギーは、前記第1表面エネルギーより大きいことを特徴とする。
実施形態1のプリンターの斜視図。 実施形態1の誘導部の平面図。 実施形態1の誘導部におけるインク滴の濡れ性を示す概略図。 実施形態1の誘導部のインク滴進行位置に対する表面エネルギー及び累積UV照射時間の関係を示すグラフ。 実施形態2の誘導部の側面図。 実施形態2の変形例に係る誘導部の側面図。 実施形態3のプリンターの概略を示す正面図。 実施形態4の誘導部の平面図。
以下、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様に係る記録装置は、搬送方向に搬送されるメディアに液体を吐出することによって前記メディアに記録する記録部と、前記メディアを支持する支持面と、前記支持面に支持される前記メディアの前記搬送方向と交差する幅方向における端縁に対応する位置に設けられ、前記メディアの記録に用いられない前記液体である廃液が打ち捨てられる打捨部と、を有する支持部と、前記廃液を回収可能な回収部と、前記打捨部から流出する前記廃液を受けるとともに前記回収部に向かって前記廃液が流れるように前記廃液を誘導する誘導部と、を備え、前記誘導部は、前記廃液を受けるための受け面を有し、前記受け面の第1位置における前記廃液に対する表面エネルギーを第1表面エネルギーとし、前記第1位置よりも前記回収部に近い前記受け面の第2位置における前記廃液に対する表面エネルギーを第2表面エネルギーとした場合、前記第2表面エネルギーは、前記第1表面エネルギーより大きいことを特徴とする。
本態様によれば、前記メディアの記録に用いられない前記廃液が、前記打捨部に打ち捨てられる。前記打捨部から流出して前記受け面に到達した前記廃液は、前記受け面において表面エネルギーが小さい前記第1位置から表面エネルギーが大きい前記第2位置に向かって駆動力が作用することで誘導され易くなる。これにより、水平方向に対する前記誘導部の傾きを小さくしても、前記回収部に向けて前記廃液を誘導できるので、前記誘導部の傾斜角度を大きくすることで前記廃液を誘導する場合と比べて、前記記録装置の高さ寸法を小さくできる。
第2の態様に係る記録装置は、第1の態様において、前記誘導部を第1の誘導部とし、前記受け面を第1の受け面としたとき、前記廃液を受けるための第2の受け面を有する第2の誘導部をさらに備え、前記廃液に働く重力の方向を重力方向としたとき、前記重力方向において前記第2の誘導部は前記第1の誘導部の下方に位置し、前記第1位置から前記第2位置へ前記廃液が誘導される方向を誘導方向としたとき、前記誘導方向における前記第1の誘導部の下流の縁端部は、前記重力方向に平面視して、前記第2の受け面と重なることを特徴とする。
前記第1の誘導部による前記廃液の誘導作用は、前記廃液の濡れ拡がりが増大することによって弱まる可能性がある。
本態様によれば、前記第2の誘導部によって再び前記廃液に誘導作用を与えられるので、前記廃液が前記誘導部の途中で滞留することを抑制できる。
第3の態様に係る記録装置は、第2の態様において、前記誘導方向における前記第1の誘導部の下流の縁端部は、前記第2の受け面に向かって曲がる曲がり部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の誘導部の下流の縁端部に到達した前記廃液は、前記曲がり部を伝って前記第2の受け面へ流れる。これにより、前記誘導方向における前記第1の誘導部の下流の縁端部からの前記廃液を前記第2の受け面に導入し易くなる。
第4の態様に係る記録装置は、第3の態様において、前記曲がり部の先端は、前記第2の受け面から離れた位置にあることを特徴とする。
本態様によれば、前記曲がり部と前記第2の受け面とが離れていることで、前記第2の受け面に落下した前記廃液が、互いに交差する複数の面と接触することがなくなる。これにより、前記第2の受け面に落下した前記廃液の移動が抑制され難くなるので、前記誘導方向における前記第1の誘導部からの前記廃液を前記第2の受け面に導入し易くなる。
第5の態様に係る記録装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つにおいて、前記受け面に対する前記廃液の濡れ性は、温度が増加すると増加し、前記第1位置における前記受け面の温度を第1温度とし、前記第2位置における前記受け面の温度を第2温度とした場合、前記第2温度が前記第1温度よりも高くなるように前記誘導部を加熱可能な加熱部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記廃液は、温度が増加すると前記受け面に対する濡れ性が増加する特性を有する。ここで、前記誘導部が前記加熱部によって加熱された場合、前記回収部に近い前記第2位置の温度が前記回収部から遠い前記第1位置の温度よりも高くなることで、前記回収部に近づくほど前記廃液が前記受け面に対して濡れ易くなるので、前記廃液を前記回収部に導入し易くなる。
第6の態様に係る記録装置は、第5の態様において、前記記録部を制御する制御部が設けられる電装部を備え、前記加熱部は、前記電装部からの排熱の少なくとも一部を前記誘導部に付与する付与部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記電装部において前記制御部が前記記録部を制御するとき、前記制御部の発熱によって前記電装部の温度が上昇する。ここで、前記加熱部の前記付与部が前記電装部からの排熱の少なくとも一部を前記誘導部に付与することで、前記誘導部が加熱される。これにより、前記誘導部の加熱において、別途、加熱源を用いる必要がなくなるので、前記記録装置において使用するエネルギーを減らすことができる。
第7の態様に係る記録装置は、第1の態様から第6の態様のいずれか一つにおいて、前記廃液が流れる方向と交差する方向を交差方向としたとき、前記第2位置における前記交差方向の前記受け面の幅は、前記第1位置における前記交差方向の前記受け面の幅より小さいことを特徴とする。
本態様によれば、前記受け面を流れる前記廃液は、前記受け面の下流端に向かうほど集約されて流れ易くなる。これにより、前記受け面の外形が矩形状の構成に比べて、前記受け面の一部に前記廃液が滞留することを抑制できる。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1に係るプリンター10について具体的に説明する。
図1には、プリンター10の全体構成が示される。
プリンター10は、記録装置の一例であり、一方向に長尺のメディアMに記録を行う。メディアMの例として、布帛や用紙がある。なお、各図において示すX-Y-Z座標系は、直交座標系である。
X方向は、プリンター10の装置幅方向であり、一例として、水平方向である。方向を示す矢印の基端側を-X方向、方向を示す矢印の先端側を+X方向とする。また、X方向は、メディアMの幅方向である。
Y方向は、プリンター10の奥行き方向であり、水平方向である。方向を示す矢印の先端側を+Y方向、方向を示す矢印の基端側を-Y方向とする。+Y方向は、後述するプラテンユニット16の支持面17に支持されたメディアMが搬送及び排出される方向である。
Z方向は、X方向とY方向との両方に直交する方向である。方向を示す矢印の先端側を+Z方向、方向を示す矢印の基端側を-Z方向とする。+Z方向は、プリンター10の装置高さ方向であり、Y方向及びX方向の両方と直交する。
プリンター10は、一例として、装置本体12と、インクタンク13と、記録ユニット14と、プラテンユニット16と、メンテナンスタンク22と、誘導部24と、誘導部28とを備える。
装置本体12は、メディアMを搬送方向の一例としての+Y方向に移動させる不図示の搬送ローラー対と、プリンター10の各部の動作を制御する不図示の制御部とを備える。
インクタンク13は、液体の一例としてのインクQを収容する。なお、インクQのうち、後述する打捨部18に打ち捨てられ、記録に用いられないインクQを、廃液の一例である廃インクQWとして区別する。さらに、廃インクQWのうちの1滴をインク滴D(図3)として、廃インクQWと区別する。
記録ユニット14は、記録部の一例である。記録ユニット14は、装置本体12において、X方向に移動可能に支持される。記録ユニット14は、複数のノズルを含む不図示の吐出ヘッドを備える。記録ユニット14は、+Y方向に搬送されるメディアMに対してX方向に移動されながら、吐出ヘッドからメディアMにインクQを吐出することで、メディアMに記録する。
プラテンユニット16は、X方向に延びる長尺部材として構成される。プラテンユニット16は、メディアMのX方向の長さより長い幅を有する。プラテンユニット16は、支持部の一例であり、メディアMに対する-Z方向に配置され、メディアMを支持する。具体的には、プラテンユニット16は、支持面17と、打捨部18とを有する。
支持面17は、プラテンユニット16の+Z方向の上面の一部を構成し、メディアMを支持する。
打捨部18は、支持面17に支持されるメディアMの+Y方向と交差するX方向における端縁に対応する位置に設けられる。そして、打捨部18は、メディアMに対して縁無し記録が行われる場合、メディアMのX方向の端部より外側において記録ユニット14から吐出された廃インクQWを受ける。換言すると、打捨部18は、プラテンユニット16のうち、廃インクQWが打ち捨てられる部位である。
打捨部18は、網目状の構造を有し、廃インクQWが-Z方向に通過可能となっている。また、打捨部18には、不図示のインク吸収材が設けられる。インク吸収材に吸収された廃インクQWは、一時的にインク吸収材に保持されるが、やがて、後述する誘導部24、28に向けて流下する。
メンテナンスタンク22は、回収部の一例であり、廃インクQWを回収可能である。具体的には、メンテナンスタンク22は、直方体の箱状に形成され、プラテンユニット16の+X方向の端部に対して、-Z方向の位置に配置される。メンテナンスタンク22の+Z方向の上端部には、Z方向に開口する回収口22Aが形成される。後述する誘導部24、28から流れる廃インクQWは、回収口22Aを通ってメンテナンスタンク22の内部に回収される。なお、回収部は、上記構成に限らない。例えば、後述する誘導部24の+X方向の端部と一体的に形成された、底部を有する筒状の部材でもよい。
誘導部24は、プラテンユニット16に対する-Z方向の位置であり且つ回収口22Aに対する-X方向の位置にある。そして、誘導部24は、打捨部18から流下する廃インクQWを受けるとともに、メンテナンスタンク22に向かって廃インクQWが流れるように、廃インクQWを誘導する。
誘導部28は、プラテンユニット16に対する-Z方向の位置であり且つ回収口22Aに対する+X方向の位置にある。そして、誘導部28は、打捨部18から流出する廃インクQWを受けるとともに、メンテナンスタンク22に向かって廃インクQWが流れるように、廃インクQWを誘導する。
図1では、分り易く示すために、誘導部24及び誘導部28をX方向に対して僅かに傾斜させているが、誘導部24及び誘導部28は、X方向に沿って配置されてもよい。なお、誘導部24と誘導部28とは、一例として、X方向の長さの違いを除いて同様の構成を有する。このため、以後の説明では、誘導部24について説明し、誘導部28の説明を省略する。
図2に示されるように、誘導部24は、一例として、X方向の寸法がY方向の寸法より長い矩形状の外形を有する。また、誘導部24は、一例として、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。誘導部24は、X-Y面に沿って、即ちほぼ水平状態で配置することが可能であるが、メンテナンスタンク22(図1)に向けて高さが下がるように、X方向に対して-1°あるいは-2°程度傾いてもよい。
誘導部24が金属により構成される場合の例として、銅、アルミニウム、ステンレスなどが用いられてもよい。誘導部が樹脂により構成される場合の例として、アクリル、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)などが用いられてもよい。なお、本実施形態では、一例として、誘導部24、28をABS射出成型により形成している。また、誘導部24の基材として金属が用いられ、当該金属の表面に樹脂がコーティングされてもよい。
また、誘導部24は、一例として、+Z方向の端に位置する上面としての受け面25及び2つの縁面26を有する。
受け面25は、廃インクQWを受けるための面である。受け面25は、X方向の寸法がY方向の寸法より長い矩形状の外形を有する。
受け面25のX方向の第1位置P1における廃インクQWに対する表面エネルギーを第1表面エネルギーE1とする。また、第1位置P1よりもメンテナンスタンク22(図1)に近い受け面25の第2位置P2における廃インクQWに対する表面エネルギーを第2表面エネルギーE2とする。この場合、第2表面エネルギーE2は、第1表面エネルギーE1より大きい。受け面25において、Y方向の各位置における表面エネルギーは、一例として、ほぼ同じ大きさである。つまり、受け面25において、表面エネルギーは、+X方向に向けて連続的に大きくなっているが、Y方向にはほぼ変わらない。なお、受け面25の表面エネルギーについては後述する。
図2では、第1位置P1と第2位置P2を分かり易く示すために、第1位置P1と第2位置P2とのX方向の間隔ΔLを拡大して示している。間隔ΔLの長さは、インク滴D(図3)のX方向の長さ以下となるように設定されている。間隔ΔLの長さがインク滴DのX方向の長さ以下となる状態が続く範囲を、「受け面25の表面エネルギーが連続的に変化する範囲」とする。本実施形態では、一例として、受け面25のX方向の全体に亘って、受け面25の表面エネルギーが連続的に変化している。
2つの縁面26のうち一方は、受け面25に対して、+Y方向の外側に位置し、2つの縁面26のうち他方は、受け面25に対して、-Y方向の外側に位置する。換言すると、2つの縁面26は、誘導部24のY方向の両端部を構成する。2つの縁面26は、それぞれ、X方向の寸法がY方向の寸法より長い矩形状の外形を有する。縁面26のY方向の長さは、受け面25のY方向の長さより短い。縁面26の表面エネルギーは、受け面25の表面エネルギーより小さい。
図3には、受け面25に接触したインク滴Dの状態が模式的に示される。
受け面25の表面エネルギーとは、受け面25自体が持つ分子エネルギーを指す。単位はmN/mである。受け面25におけるインク滴Dの濡れ現象は、受け面25の表面エネルギーと、インク滴Dの表面張力とのバランスによって決まり、接触角θを含むYOUNG式で表される。
インク滴Dの-X方向の端点Aにおいて、受け面25と気体との間の表面エネルギーをγA、インク滴Dと気体との間の表面エネルギーをγB、受け面25とインク滴Dとの間の表面エネルギーをγC、接触角θAとすると、(1)式が成り立つ。
γA=γB×cosθA+γC・・・(1)
インク滴Dの+X方向の端点Bにおいて、受け面25と気体との間の表面エネルギーをγD、インク滴Dと気体との間の表面エネルギーをγE、受け面25とインク滴Dとの間の表面エネルギーをγF、接触角θBとすると、(2)式が成り立つ。
γD=γE×cosθB+γF・・・(2)
ここで、端点Bは端点Aより+X方向に位置するので、端点Bにおける表面エネルギーの方が、端点Aにおける表面エネルギーより大きい。このため、インク滴Dにおける境界面のバランスが端点Aと端点Bとで異なる。この場合、γA<γDとなるため、インク滴Dに対して、インク滴Dを+X方向に移動させる駆動力Fが作用する。なお、図3においては、図示が容易となるようにインク滴Dと気体との間の表面エネルギーγBとインク滴Dと気体との間の表面エネルギーγEとは異なる大きさに図示されているが、実際はγB=γEが成り立つ。
このように、誘導部24では、受け面25のX方向の表面エネルギーの差を用いて、インク滴Dを+X方向に移動可能となっている。なお、受け面25の各部の表面エネルギーは、一例として、受け面25の各部におけるUV照射時間を変えることで、変更可能である。誘導部24がABSにより構成される場合、UV照射時間に応じて、受け面25に生成される親水基の数密度を調整することで、受け面25の各部の表面エネルギーを変更できる。
図4には、グラフG1、グラフG2、グラフG3が示される。
グラフG1は、インク滴Dの進行位置が+X方向に変わるほど、受け面25(図3)の表面エネルギーが大きくなることを表す。
グラフG2は、インク滴Dの進行位置が+X方向に変わるほど、受け面25における累積のUV照射時間が長くなることを表す。
グラフG3は、インク滴Dの進行位置が+X方向に変わるほど、インク滴Dと受け面25との接触角θが小さくなることを表す。
このように、受け面25に対するUV照射時間を長くした部位ほど、表面エネルギーが大きくなり、接触角θが小さくなる、即ち濡れ性が高くなる。
次に、プリンター10の作用について、図1から図4までを参照して説明する。
プリンター10によれば、メディアMの記録に用いられない廃インクQWが、打捨部18に打ち捨てられる。打捨部18から流出して受け面25に到達した廃インクQWは、受け面25において表面エネルギーが小さい第1位置P1から表面エネルギーが大きい第2位置P2に向かって駆動力Fが作用することで、+X方向に誘導され易くなる。換言すると、廃インクQWは、受け面25の-X方向の端部から+X方向の端部まで駆動力Fを受ける。これにより、X方向に対する誘導部24の傾きを小さくしても、メンテナンスタンク22に向けて廃インクQWを誘導できるので、誘導部24の傾斜角度を大きくすることで廃インクQWを誘導する場合と比べて、Z方向におけるプリンター10の寸法を小さくできる。
さらに、プリンター10によれば、受け面25に対してY方向の両外側に縁面26が位置する。そして、縁面26の表面エネルギーは、受け面25の表面エネルギーより小さい。ここで、誘導部24の取り付け誤差などにより受け面25がY方向と交差する方向に傾いていた場合、受け面25上の廃インクQWは、自重の作用により、+X方向と交差する方向に移動する可能性がある。つまり、+X方向と交差する方向に移動する廃インクQWの一部は、縁面26に向けて移動する可能性がある。
ここで、縁面26の表面エネルギーが受け面25の表面エネルギーより小さいので、受け面25と縁面26との境界に到達した廃インクQWの一部には、縁面26を越えるだけの駆動力Fは作用しなくなる。これにより、受け面25のY方向の両端部に+Z方向に延びるリブなどを立てなくても、廃インクQWが、誘導部24からY方向の外側へ流れ落ちることを抑制できる。従って、受け面25から+Z方向に延びるリブなどが設けられる場合と比べて、Z方向における誘導部24の寸法が小さくなり、Z方向におけるプリンター10の寸法を更に小さくできる。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2のプリンター30について、添付図面を参照して説明する。なお、実施形態1のプリンター10の各部と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
実施形態2のプリンター30は、実施形態1のプリンター10において、誘導部24(図1)に代えて誘導部32が設けられる。誘導部32以外の構成については、基本的に実施形態1の構成と同様である。
図5に示されるように、誘導部32は、一例として、X方向に並ぶ第1の誘導部材34、第2の誘導部材38及び第3の誘導部材44を備える。
+X方向は、第1位置P1から第2位置P2(図2)へ廃インクQWが誘導される誘導方向の一例である。-Z方向は、廃インクQWに働く重力の方向である重力方向の一例である。
第2の誘導部材38は、Z方向において、第1の誘導部材34の下方に位置する。第3の誘導部材44は、Z方向において、第2の誘導部材38の下方に位置する。
第1の誘導部材34は、打捨部18(図1)から廃インクQWを受ける。第3の誘導部材44は、メンテナンスタンク22へ廃インクQWを移動させる。なお、一例として、第2の誘導部材38と第3の誘導部材44は、配置を除いて同様の構成とされている。このため、第1の誘導部材34の構成と第2の誘導部材38の構成とについて説明し、第3の誘導部材44の構成の説明を省略する。
第1の誘導部材34は、第1の誘導部の一例である。第1の誘導部材34は、平坦部34Aと、縦壁部34Bと、縁端部34Cとを有する。
平坦部34Aは、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。平坦部34Aは、X方向の寸法がY方向の寸法よりも長い矩形状の外形を有する。平坦部34Aにおける+Z方向の端部には、受け面35が形成される。
受け面35は、第1の受け面の一例である。また、受け面35は、X方向の長さを除いて、受け面25(図2)と同様の構成である。
縦壁部34Bは、平坦部34Aの-X方向の端部において+Z方向に直立する。縦壁部34Bは、平坦部34Aに流下してきた廃インクQWの一部が-X方向に流出することを抑制する。
縁端部34Cは、第1の誘導部材34の+X方向の下流の端部を構成する。また、縁端部34Cは、曲がり部36を備える。
曲がり部36は、平坦部34Aの+X方向の端部から後述する受け面39に向かって曲がる部位である。曲がり部36は、一例として、+X方向の位置且つ-Z方向の位置に向けて延びる。つまり、曲がり部36は、Z方向と交差する斜め方向に延びる。
曲がり部36における+Z方向の端部には、受け面37が形成される。受け面37は、配置を除いて受け面35と同様の構成であり、受け面35と繋がっている。また、受け面37は、X方向に対して傾斜する傾斜面である。
曲がり部36の先端36Aは、曲がり部36において-Z方向の端に位置する。先端36Aは、受け面39から+Z方向に離れた位置にある。換言すると、第1の誘導部材34と第2の誘導部材38とは、Z方向に間隔をあけて位置する。
第2の誘導部材38は、第2の誘導部の一例である。第2の誘導部材38は、平坦部38Aと、縦壁部38Bと、縁端部38Cとを有する。
平坦部38Aは、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。平坦部38Aは、X方向の寸法がY方向の寸法よりも長い矩形状の外形を有する。平坦部38Aにおける+Z方向の端部には、受け面39が形成される。
受け面39は、第2の受け面の一例である。また、受け面39は、X方向の長さを除いて受け面25(図2)と同様の構成である。
縦壁部38Bは、平坦部38Aの-X方向の端部において+Z方向に直立する。縦壁部38Bは、平坦部38Aに流下してきた廃インクQWの一部が-X方向に流出することを抑制する。
縁端部38Cは、第2の誘導部材38の+X方向の下流の端部を構成する。また、縁端部38Cは、曲がり部42を備える。
曲がり部42は、平坦部38Aの+X方向の端部から第3の誘導部材44に向かって曲がる部位である。曲がり部42は、一例として、+X方向且つ-Z方向の位置に向けて延びる。つまり、曲がり部42は、Z方向と交差する斜め方向に延びる。
曲がり部42における+Z方向の端部には、受け面43が形成される。受け面43は、廃インクQWを受けるための面である。また、受け面43は、配置を除いて受け面39と同様の構成であり、受け面39と繋がっている。さらに、受け面43は、X方向に対して傾斜する傾斜面である。
曲がり部42の先端42Aは、曲がり部42において-Z方向の端に位置する。先端42Aは、第3の誘導部材44から+Z方向に離れた位置にある。換言すると、第2の誘導部材38と第3の誘導部材44とは、Z方向に間隔をあけて位置する。
縁端部34Cは、-Z方向に平面視して、受け面39と重なる。同様に、縁端部38Cは、-Z方向に平面視して、第3の誘導部材44の一部と重なる。
換言すると、第1の誘導部材34と第2の誘導部材38とは、X方向において長さL1の範囲でオーバーラップする。第2の誘導部材38と第3の誘導部材44とは、X方向において長さL2の範囲でオーバーラップする。一例として、L1=L2である。なお、本実施形態では、第2の誘導部材38と第3の誘導部材44とは、Y方向において全ての範囲でオーバーラップする。
このように、第1の誘導部材34、第2の誘導部材38及び第3の誘導部材44を階段状に配置してもよい。なお、第1の誘導部材34、第2の誘導部材38及び第3の誘導部材44は、Z方向に間隔をあけて位置していなくてもよい。すなわち、第1の誘導部材34、第2の誘導部材38及び第3の誘導部材44は、互いに同一の材料で一体的に構成されてもよい。
次に、プリンター30の作用について説明する。
打捨部18(図1)から受け面35へ流れた廃インクQWには、表面エネルギーの差に基づいて+X方向の駆動力F(図3)が作用する。これにより、廃インクQWは、受け面35、37、39、43、39、43を通ってメンテナンスタンク22へ流れる。
受け面37、43は、X方向と交差する方向に延びる傾斜面である。このため、受け面37、43では、廃インクQWが流れるとき、廃インクQWに作用する重力が、廃インクQWを移動させる駆動力Fに加わることとなる。
プリンター30によれば、第2の誘導部材38及び第3の誘導部材44によって再び廃インクQWに誘導作用を与えられるので、廃インクQWが誘導部32の途中で滞留することを抑制できる。
プリンター30によれば、第1の誘導部材34の下流の縁端部34Cに到達した廃インクQWは、曲がり部36を伝って受け面39へ流れる。これにより、+X方向における第1の誘導部材34の下流の縁端部34Cからの廃インクQWを受け面39に導入し易くなる。
プリンター30によれば、曲がり部36と受け面39、曲がり部42と受け面39とが離れていることで、受け面39に落下した廃インクQWが、互いに交差する複数の面と接触することがなくなる。例えば、廃インクQWが、縁端部34CのZ方向に沿う面と受け面39との両方に跨って接触することが抑制される。具体的には、例えば縁端部34CのZ方向に沿う面と受け面39とが接触することにより形成される角部に滞留したインク滴Dに毛細管力が働くと、当該毛細管力の大きさが駆動力Fより大きくなり、インク滴Dが+X方向に移動しにくくなる。或いは、インク滴Dが第2の誘導部材38に着弾した瞬間において、縁端部34CのZ方向に沿う面と受け面39とを含む面の方が受け面39よりもインク滴Dに対する接触面積が大きい場合、インク滴Dが、受け面39よりも縁端部34CのZ方向に沿う面と受け面39とを含む面に対して濡れやすくなり、インク滴Dが+X方向に移動しにくくなる。曲がり部36と受け面39、曲がり部42と受け面39とが離れていることにより、受け面39に落下した廃インクQWの移動が抑制され難くなるので、+X方向における第1の誘導部材34からの廃インクQWを受け面39に導入し易くなる。
<変形例>
次に、実施形態2の変形例のプリンター50について、添付図面を参照して説明する。なお、実施形態1、2のプリンター10、30の各部と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
変形例のプリンター50は、実施形態2のプリンター30において、誘導部32(図5)に代えて誘導部52が設けられる。誘導部52以外の構成については、基本的に実施形態2の構成と同様である。
図6に示されるように、誘導部52は、一例として、X方向に並ぶ第1の誘導部材54、第2の誘導部材56及び第3の誘導部材58を備える。第2の誘導部材56は、Z方向において、第1の誘導部材54の下方に位置する。第3の誘導部材58は、Z方向において、第2の誘導部材56の下方に位置する。
第1の誘導部材54は、打捨部18(図1)から廃インクQWを受ける。第3の誘導部材58は、メンテナンスタンク22へ廃インクQWを移動させる。なお、一例として、第2の誘導部材56と第3の誘導部材58は、配置を除いて同様の構成とされている。このため、第1の誘導部材54の構成と第2の誘導部材56の構成とについて説明し、第3の誘導部材58の構成の説明を省略する。
第1の誘導部材54は、第1の誘導部の一例であり、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。Z方向から見て、第1の誘導部材54は、X方向の寸法がY方向の寸法よりも長い矩形状の外形を有する。第1の誘導部材54における+Z方向の端部には、受け面55が形成される。受け面55は、第1の受け面の一例である。また、受け面55は、受け面35(図5)と同様の構成である。第1の誘導部材54と第2の誘導部材56とは、Z方向に僅かに間隔をあけて位置する。
第2の誘導部材56は、第2の誘導部の一例であり、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。Z方向から見て、第2の誘導部材56は、X方向の寸法がY方向の寸法よりも長い矩形状の外形を有する。第2の誘導部材56における+Z方向の端部には、受け面57が形成される。受け面57は、第2の受け面の一例である。また、受け面57は、受け面39と同様の構成である。第2の誘導部材56と第3の誘導部材58とは、Z方向に僅かに間隔をあけて位置する。
第1の誘導部材54と第2の誘導部材56とは、X方向において長さL1の範囲でオーバーラップする。第2の誘導部材56と第3の誘導部材58とは、X方向において長さL2の範囲でオーバーラップする。このように、それぞれ平板状の第1の誘導部材54、第2の誘導部材56及び第3の誘導部材58を階段状に配置してもよい。
プリンター50によれば、第2の誘導部材56及び第3の誘導部材58によって再び廃インクQWに誘導作用を与えられるので、廃インクQWが誘導部52の途中で滞留することを抑制できる。
なお、第1の誘導部材54、第2の誘導部材56及び第3の誘導部材58は、Z方向に間隔をあけて位置していなくてもよい。すなわち、第1の誘導部材54、第2の誘導部材56及び第3の誘導部材58は、互いに同一の材料で一体的に構成されてもよい。
〔実施形態3〕
次に、実施形態3のプリンター60について、添付図面を参照して説明する。なお、実施形態1のプリンター10の各部と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
実施形態3のプリンター60は、実施形態1のプリンター10において、さらに、電装部62と、加熱部66とを備える点が異なる。電装部62及び加熱部66以外の構成については、基本的に実施形態1の構成と同様である。なお、受け面25に対する廃インクQWの濡れ性は、温度が増加すると受け面25に対する濡れ性が増加する特性を有する。
図7に示されるように、電装部62は、一例として、プラテンユニット16及び誘導部24に対して-X方向の位置に配置される。また、電装部62は、制御部64が設けられる。
制御部64は、記録ユニット14を含むプリンター60の各部の動作を電気的に制御する。制御部64は、不図示の電子部品及び回路部材を含んで構成されており、通電されることで発熱する。換言すると、電装部62は、動作に伴って電装部62の外側へ熱を排出する。
加熱部66は、一例として、送風ファン68と、ダクト部72とを備える。
送風ファン68は、制御部64により回転動作の有無が制御される。また、送風ファン68は、一例として、回転によって-X方向に送風を行う。
ダクト部72は、第1ダクト74と、第2ダクト76とを備える。
第1ダクト74は、送風ファン68から制御部64まで-X方向に延びる案内ダクト74Aと、案内ダクト74Aの-X方向の端部から+Z方向に延び、制御部64と接触される冷却ダクト74Bとを有する。つまり、第1ダクト74は、送風ファン68の回転によって送り込まれた空気を、制御部64へ向けて案内する。
第1ダクト74の内部を流れる空気の温度は、制御部64の発熱温度より低い。このため、冷却ダクト74Bと接触する制御部64は、冷却される。換言すると、冷却ダクト74Bの内部の空気は、制御部64からの熱伝達によって加熱される。ここで、送風ファン68の回転が継続されることで、加熱された空気は第2ダクト76へ送り込まれる。
なお、図7では、制御部64を冷却する空気の流れが点線の矢印で示され、誘導部24を加熱する空気の流れが実線の矢印で示される。
第2ダクト76は、付与部の一例である。また、第2ダクト76は、冷却ダクト74Bの+Z方向の端部から誘導部24の+X方向の端部に向けて延びる。第2ダクト76は、一例として、誘導部24の+X方向の端部に近づくほど、誘導部24とのZ方向の間隔が狭くなるように、X方向と交差する方向に傾斜配置される。第2ダクト76の+X方向の端部には、排気口77が形成される。
第2ダクト76の内部を流れる空気の温度は、+X方向に移動するほど自然冷却によって低下していくが、+X方向に位置が変わるほど、第2ダクト76と誘導部24とのZ方向の間隔が狭くなっている。このため、誘導部24は、第2ダクト76によって加熱され、+X方向の上流から下流に向けて徐々に温度が上昇するようになっている。このように、第2ダクト76は、電装部62からの排熱の少なくとも一部を誘導部24に付与する。
つまり、加熱部66は、第1位置P1における受け面25の温度を第1温度T1〔℃〕とし、第2位置P2における受け面25の温度を第2温度T2〔℃〕とした場合、第2温度T2が第1温度T1よりも高くなるように、誘導部24を加熱可能である。なお、加熱部66は、上記構成に限らない。例えば、チューブヒーターなどを含む加熱部を設け、第2温度T2が第1温度T1よりも高くなるように、当該加熱部が誘導部24を加熱する構成でもよい。また、付与部は、第2ダクト76に限らない。例えば、誘導部24の+X方向の端部よりも-Z方向の位置に電装部62を配置するとともに、電装部62に金属製のヒートシンクが設けられてもよい。この場合、ヒートシンクを誘導部24の+X方向の端部に-Z方向から接触させれば、当該ヒートシンクが付与部として機能する。
次に、プリンター60の作用について説明する。
プリンター60の動作中において、送風ファン68が回転されることで、制御部64が冷却される。そして、制御部64からの排熱によって加熱された空気が、第2ダクト76を+X方向に流れることで、誘導部24の受け面25が徐々に加熱される。
受け面25は、+X方向に向かうほど温度が高くなる。このため、受け面25と接触している廃インクQWのインク滴D(図3)では、+X方向の部位が-X方向の部位より表面張力が低下され、即ち濡れ性が高くなることで、インク滴Dに作用する+X方向の駆動力F(図3)が大きくなるので、廃インクQWが+X方向に流れ易くなる。
このように、プリンター60によれば、廃インクQWは、温度が増加すると受け面25に対する濡れ性が増加する特性を有する。ここで、誘導部24が加熱部66によって加熱された場合、メンテナンスタンク22に近い第2位置P2の第2温度T2が、メンテナンスタンク22から遠い第1位置P1の第1温度T1よりも高くなることで、メンテナンスタンク22に近づくほど廃インクQWが受け面25に対して濡れ易くなるので、廃インクQWをメンテナンスタンク22に導入し易くなる。
プリンター60によれば、電装部62において制御部64が記録ユニット14を制御するとき、制御部64の発熱によって電装部62の温度が上昇する。ここで、加熱部66の第2ダクト76が電装部62からの排熱の少なくとも一部を誘導部24に付与することで、誘導部24が加熱される。これにより、誘導部24の加熱において、別途、加熱源を用いる必要がなくなるので、プリンター60において使用するエネルギーを減らすことができる。
〔実施形態4〕
次に、実施形態4のプリンター80について、添付図面を参照して説明する。なお、実施形態1のプリンター10の各部と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
実施形態4のプリンター80は、実施形態1のプリンター10において、誘導部24に代えて誘導部82を備える点が異なる。誘導部82以外の構成については、基本的に実施形態1の構成と同様である。
図8に示されるように、誘導部82は、一例として、Z方向から見て等脚台形状に形成される。また、誘導部82は、+Z方向の端に位置する受け面84及び2つの縁面86を有する。なお、Y方向は、廃インクQWが流れる+X方向と交差する交差方向の一例である。具体的には、受け面84のY方向の幅は、+X方向の上流よりも下流において狭い。つまり、受け面84の-X方向端部におけるY方向の幅W1、受け面84の+X方向の端部におけるY方向の幅W2とすると、W1>W2である。受け面84の材質は、受け面25(図2)と同様である。換言すれば、第2位置P2におけるY方向の受け面25の幅W2は、第1位置P1におけるY方向の受け面25の幅W1より小さい。
2つの縁面86は、受け面84に対して、+Y方向の外側と-Y方向の外側とに位置する。換言すると、2つの縁面86は、誘導部82のY方向の両端部を構成する。2つの縁面86は、それぞれ、Z方向から見て平行四辺形状に形成される。縁面86のY方向の幅は、受け面84のY方向の幅より短い。縁面86の材質は、縁面26(図2)と同様である。
次に、プリンター80の作用について説明する。
プリンター80によれば、受け面84を流れる廃インクQWは、受け面84の+X方向の下流端に向かうほど集約されて大きなまとまりとなるため、流れ易くなる。これにより、受け面84の外形が矩形状の構成に比べて、受け面84の一部に廃インクQWが滞留することをさらに抑制できる。
本発明の各実施形態及び変形例に係るプリンター10、30、50、60、80は、以上のべたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
プリンター10、30、50、60、80において、打捨部18は、使用されるメディアMのサイズが複数ある場合、2箇所に限らず、3箇所以上設けられてもよい。
プリンター10において、メンテナンスタンク22が、誘導部24の+X方向の2つの角部のうちの1つと対向する位置にある場合、受け面25において表面エネルギーを変化させる方向を、+X方向ではなく、例えば、対角線方向としてもよい。また、受け面25は、平面に限らず、廃インクQWをまとめるための傾斜面や湾曲面が一部に形成されてもよい。
プリンター30において、誘導部32を複数の誘導部材に分ける場合、誘導部材の数は3つに限らず、2つ又は4つ以上あってもよい。あるいは、誘導部32は、複数の誘導部材に分けずに、傾斜面を介して複数の受け面を繋ぐことで、1つの誘導部材として構成してもよい。縦壁部34B、38Bは、誘導部32におけるY方向の両端部に設けられてもよい。
プリンター60において、加熱部は排熱を利用する構成に限らず、伝熱シートなど直接的に加熱を行う構成であってもよい。
受け面25、35、37、39、43、55、57、74に電極を設けて、電源から電極に電圧を印加して静電気力を発生させることで、駆動力Fを増加させてもよい。
10…プリンター、12…装置本体、13…インクタンク、14…記録ユニット、
16…プラテンユニット、17…支持面、18…打捨部、22…メンテナンスタンク、
22A…回収口、24…誘導部、25…受け面、26…縁面、28…誘導部、
30…プリンター、32…誘導部、34…第1の誘導部材、34A…平坦部、
34B…縦壁部、34C…縁端部、35…受け面、36…曲がり部、36A…先端、
37…受け面、38…第2の誘導部材、38A…平坦部、38B…縦壁部、
38C…縁端部、39…受け面、42…曲がり部、42A…先端、43…受け面、
44…第3の誘導部材、50…プリンター、52…誘導部、54…第1の誘導部材、
55…受け面、56…第2の誘導部材、57…受け面、58…第3の誘導部材、
60…プリンター、62…電装部、64…制御部、66…加熱部、68…送風ファン、
72…ダクト部、74…第1ダクト、74A…案内ダクト、74B…冷却ダクト、
76…第2ダクト、77…排気口、80…プリンター、82…誘導部、84…受け面、
86…縁面、A…端点、B…端点、D…インク滴、E1…第1表面エネルギー、
E2…第2表面エネルギー、G1…グラフ、G2…グラフ、G3…グラフ、
L1…長さ、L2…長さ、P1…第1位置、P2…第2位置、Q…インク、
QW…廃インク、T1…第1温度、T2…第2温度、W1…幅、W2…幅、ΔL…間隔

Claims (7)

  1. 搬送方向に搬送されるメディアに液体を吐出することによって前記メディアに記録する記録部と、
    前記メディアを支持する支持面と、前記支持面に支持される前記メディアの前記搬送方向と交差する幅方向における端縁に対応する位置に設けられ、前記メディアの記録に用いられない前記液体である廃液が打ち捨てられる打捨部と、を有する支持部と、
    前記廃液を回収可能な回収部と、
    前記打捨部から流出する前記廃液を受けるとともに前記回収部に向かって前記廃液が流れるように前記廃液を誘導する誘導部と、
    を備え、
    前記誘導部は、前記廃液を受けるための受け面を有し、
    前記受け面の第1位置における前記廃液に対する表面エネルギーを第1表面エネルギーとし、前記第1位置よりも前記回収部に近い前記受け面の第2位置における前記廃液に対する表面エネルギーを第2表面エネルギーとした場合、前記第2表面エネルギーは、前記第1表面エネルギーより大きいことを特徴とする記録装置。
  2. 前記誘導部を第1の誘導部とし、前記受け面を第1の受け面としたとき、前記廃液を受けるための第2の受け面を有する第2の誘導部をさらに備え、
    前記廃液に働く重力の方向を重力方向としたとき、前記重力方向において前記第2の誘導部は前記第1の誘導部の下方に位置し、
    前記第1位置から前記第2位置へ前記廃液が誘導される方向を誘導方向としたとき、前記誘導方向における前記第1の誘導部の下流の縁端部は、前記重力方向に平面視して、前記第2の受け面と重なることを特徴とする、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記誘導方向における前記第1の誘導部の下流の縁端部は、前記第2の受け面に向かって曲がる曲がり部を備えることを特徴とする、請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記曲がり部の先端は、前記第2の受け面から離れた位置にあることを特徴とする、請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記受け面に対する前記廃液の濡れ性は、温度が増加すると増加し、
    前記第1位置における前記受け面の温度を第1温度とし、前記第2位置における前記受け面の温度を第2温度とした場合、
    前記第2温度が前記第1温度よりも高くなるように前記誘導部を加熱可能な加熱部を備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の記録装置。
  6. 前記記録部を制御する制御部が設けられる電装部を備え、
    前記加熱部は、前記電装部からの排熱の少なくとも一部を前記誘導部に付与する付与部を備えることを特徴とする、請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記廃液が流れる方向と交差する方向を交差方向としたとき、前記第2位置における前記交差方向の前記受け面の幅は、前記第1位置における前記交差方向の前記受け面の幅より小さいことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置。
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