JP2022151245A - 空調制御装置及び空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和機を集中管理する際の専用の通信ケーブルの敷設コストを削減できると共に、既存の通信網における空気調和機に関わるデータ通信に要する通信負荷を軽減できる空調制御装置を提供する。【解決手段】空調制御装置は、複数の空気調和機を集中制御する。空調制御装置は、通信部と、判定部と、通信制御部とを有する。通信部は、空気調和機との間でデータを通信する。判定部は、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する。通信制御部は、送信対象のデータを暗号化通信する場合に送信対象のデータを暗号化通信すべく、通信部を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、空調制御装置及び空気調和システムに関する。
近年、有線LANや無線LAN(Local Area Network)によるインターネット接続サービスが普及しており、例えば、宿泊施設や公共施設等を収容した建築物(以下、建屋ということがある)には無線LAN等のインターネット接続サービス(例えば、フリーWi-Fi(登録商標)を提供するための通信網が整備、敷設されている場合がある。一方、このような建屋に数多く配置される空気調和機を集中管理するには、専用の通信ケーブルが敷設されることが一般的である。
特開2020-68469号公報 特開2015-017768号公報
そこで、例えば、このような建屋に数多く配置される空気調和機の集中管理に、こういった既存の通信網を流用し、専用の通信ケーブルの敷設をなくすことで、配線コストを削減することが考えられる。しかし、建屋内の通信網は、建屋内にいる不特定多数のユーザが接続する通信網であるため、空調に関する通信データの内容には秘匿性を持たせる場合がある。しかし、秘匿性を担保するために通信データを暗号化すると、例えば、ハンドシェイクや鍵の交換等の暗号化のための通信手順が複雑になる。このため、空気調和機では、通信部の暗号化/復号化処理の負荷が大きくなるおそれがある。また、建屋内の通信網はインターネットを利用する際に用いられるため、空気調和機に関わるデータ通信に建屋内の通信網を利用した場合に、空気調和機に関わるデータ通信がインターネット接続サービス側の通信に影響を及ぼさないことが求められる。
本発明ではこのような問題に鑑み、空気調和機を集中管理する際の専用の通信ケーブルの敷設コストを削減できると共に、既存の通信網における空気調和機に関わるデータ通信に要する通信負荷を軽減できる空調制御装置及び空気調和システムを提供することを目的とする。
一つの態様の空調制御装置は、複数の空気調和機を集中制御する。空調制御装置は、通信部と、判定部と、通信制御部とを有する。通信部は、空気調和機との間でデータを通信する。判定部は、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する。通信制御部は、送信対象のデータを暗号化通信する場合に送信対象のデータを暗号化通信すべく、通信部を制御する。
一つの側面として、空調制御装置と空気調和機からなる空気調和システムのコストと、構成機器間のデータ通信に要する通信負荷を軽減できる。
図1は、本実施例の空気調和システムの一例を示す説明図である。 図2は、空気調和機の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、実施例1の通信アダプタの構成の一例を示すブロック図である。 図4は、データ種別テーブルの一例を示す説明図である。 図5は、実施例1の空調制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、第1のデータ送信処理に関わる通信アダプタ又は空調制御装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施例2の空調制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図8は、切替テーブルの一例を示す説明図である。 図9は、実施例2の通信アダプタの構成の一例を示すブロック図である。 図10は、第2のデータ送信処理に関わる通信アダプタ又は空調制御装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図11は、実施例3の空調制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図12は、切替テーブルの一例を示す説明図である。 図13は、実施例3の通信アダプタの構成の一例を示すブロック図である。 図14は、第3のデータ送信処理に関わる通信アダプタ又は空調制御装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本願の開示する空調制御装置及び空気調和システムの実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜変形しても良い。
<空気調和システムの構成>
図1は、実施例1の空気調和システム1の一例を示す説明図である。図1に示す空気調和システム1は、例えば、宿泊施設や公共施設等の建屋内の空気調和機2と、同空気調和機2を管理する空調制御装置6などからなるシステムである。空気調和システム1は、空気調和機2と、通信アダプタ3と、アクセスポイント4と、ハブ5と、空調制御装置6とを有する。空気調和機2は、いくつかの異なる種類の室内機21を備えており、例えば、壁掛け型空気調和機2A、ダクト型空気調和機2B及び天井型空気調和機2Cがある。壁掛け型空気調和機2Aは、室内機21が部屋の壁に掛けられた空気調和機である。ダクト型空気調和機2Bは、ダクトを通じて各部屋に室内機21からの空気を供給する空気調和機である。天井型空気調和機2Cは、例えば、大部屋の天井に室内機21を設置した空気調和機である。尚、空気調和システム1内の空気調和機2の台数は任意であり、例えば、壁掛け型空気調和機2A、ダクト型空気調和機2B及び天井型空気調和機2Cの台数は適宜変更可能である。また、通信アダプタ3は、壁掛け型空気調和機2A、ダクト型空気調和機2B及び天井型空気調和機2Cにそれぞれ内蔵されてもよい。
<空気調和機の構成>
図2は、空気調和機2の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す空気調和機2は、室内機21と、室外機22とを有する。室内機21は、例えば、室内に配置され、空調空間である室内の空気を加熱又は冷却する空気調和機2の一部である。室内機21は、例えば、部屋等の空調空間に備えられているものとする。室内機21は、本体21Aと、室内機側通信部21Bと、操作部21Cと、CPU21Dと、メモリ21Eとを有する。本体21Aは、図示せぬ室内ファンや室内熱交換器などが備えられ、室内熱交換器で室外機22から供給される冷媒と熱交換を行った室内空気が室内ファンによって吹き出されることで、部屋の暖房、冷房、除湿等が行われる。室内機側通信部21Bは、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)方式で通信アダプタ3との間で通信するインタフェースである。操作部21Cは、室内機21に対して各種コマンドを入力するインタフェースである。CPU21Dは、室内機21全体を制御する。メモリ21Eは、各種情報を記憶する。CPU21Dは、コマンド信号に基づき、各種コマンドを実行する。室外機22は、例えば、室外ファンや圧縮機等が備えられている。
通信アダプタ3は、空気調和機2内の室内機21との間をURAT方式で通信する通信機能と、ハブ5との間を無線LAN(Local Area Network)で通信する通信機能とを有する。尚、無線LANは、例えば、フリーWi-Fi等の、建屋内にいる不特定多数のユーザが接続可能な通信網である。通信アダプタ3は、室内機21毎に配置するものである。尚、通信アダプタ3は、室内機21と無線LANとの間の通信を中継するため、空気調和機2の一部である。アクセスポイント4は、例えば、無線LAN等を使用して通信アダプタ3との間を無線通信で接続する通信機能と、ハブ5との間を有線通信で接続する通信機能とを有する。ハブ5は、複数のアクセスポイント4と空調制御装置6との間を有線通信で接続する通信機能を有する。空調制御装置6は、空気調和システム1内の各空気調和機2を監視制御するコントローラである。
<通信アダプタの構成>
図3は、実施例1の通信アダプタ3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す通信アダプタ3は、第1の通信部31と、第2の通信部32と、記憶部33と、CPU(Central Processing Unit)34とを有する。第1の通信部31は、アクセスポイント4とCPU34との間を通信接続する、例えば、WLAN等の通信IF等の通信部である。第2の通信部32は、室内機21内のCPU21DとCPU34とを通信接続する、例えば、UART等の通信IF(Interface)である。記憶部33は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する。CPU34は、通信アダプタ3全体を制御する。
第1の通信部31は、暗号化通信又は非暗号化通信を用いてハブ5経由で空調制御装置6との間のデータ通信を実行する機能を有する。第1の通信部31は、暗号化通信の機能を実行する暗号化通信部31Aを有する。暗号化通信としては、例えば、HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)のTLS(Transport Layer Security)を使用してデータを暗号化し、暗号化したデータを送信する機能と、暗号化されたデータをHTTPSのTLSを使用して復号化して受信する機能とを有する。尚、HTTPSのTLSは、公開鍵及び共通鍵等を使用して複数のハンドシェイクを機器間で実行する。非暗号化通信としては、暗号化通信をすることなく、例えば、UDP(User Data Protocol)を使用してデータを送信する機能と、UDPを使用してデータを受信する機能とを有する。尚、UDPは、機器間のハンドシェイクが不要な通信である。第2の通信部32は、UART通信を用いて室内機21の室内機側通信部21Bとの間でデータ通信を実行する機能を有する。
記憶部33は、データ種別テーブル35と、機種メモリ36とを有する。データ種別テーブル35は、各種データを通信する際に、そのデータを暗号化するか否かを決定するためのテーブルである。図4は、データ種別テーブル35の一例を示す説明図である。図4に示すデータ種別テーブル35は、データ種別毎にデータ内容を管理するテーブルである。データ種別テーブル35は、空気調和機2を利用する利用者に関わるデータを暗号化対象のデータ種別として管理すると共に、暗号化対象のデータ種別のデータと異なるデータを非暗号化対象のデータ種別として管理する。データ種別は、暗号化対象及び非暗号化対象である。暗号化対象とは、暗号化通信を実行するデータである。非暗号化対象とは、データの暗号化を行わない非暗号化通信を実行するデータである。データ内容として、空調ON/OFF、運転モード、設定温度及び風向・風量、空気調和機2の機種名、空気調和機2のIPアドレス、故障検知情報、空調制御装置6からの制御情報等がある。また、これらデータ内容の中には、秘匿性が求められる空調に関する通信データの内容がある。
次に、各々のデータの内容について説明する。空調ON/OFFは、空気調和機2の運転または停止の状態を示すデータである。運転モードは、空気調和機2の暖房運転または冷房運転等の運転モードを示すデータである。設定温度は、空気調和機2の設定温度のデータである。風向・風量は、空気調和機2の風量や風向の設定データである。空気調和機2の機種名は、空気調和機2の機種を識別するためのデータである。空気調和機2のIPアドレスは、空調制御装置6から通信アダプタ3IPアドレスを設定するためのデータである。故障検知情報は、空気調和機2の故障内容を通知するためのデータである。空調制御装置6からの制御情報は、空調制御装置6から各空気調和機2を制御、設定等を行うコマンドデータである。
空調ON/OFF、運転モード、設定温度及び風向・風量は、室内機21が設置された室内に利用者が存在することや、利用者の室内環境に関する嗜好など利用者個人に関わる情報が特定できることから秘匿性の高いデータとして扱われる。これに対して、空気調和機2の機種名、空気調和機2のIPアドレス、故障検知情報や空調制御装置6からの制御情報は、空気調和機2の利用者個人とは無関係な情報のため、秘匿性の低いデータとして扱われる。
データ種別テーブル35には、前述の秘匿性の高いデータが暗号化対象として、前述の秘匿性の低いデータが非暗号化対象としてテーブル化され格納されている。
機種メモリ36は、通信アダプタ3のIPアドレスと、通信アダプタ3が接続される空気調和機2の機器名を記憶している。機器名は、例えば、壁掛け型空気調和機2A、ダクト型空気調和機2Bや天井型空気調和機2C等である。IPアドレスは、通信アダプタ3に付与されたIPアドレスである。尚、IPアドレスは、空調制御装置6内の後述するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)制御部65Dから付与されたIPアドレスである。
CPU34は、検出部34Aと、判定部34Bと、通信制御部34Cと、制御部34Dとを有する。検出部34Aは、通信アダプタ3が送信しようとする送信対象のデータを検出する。送信対象データは、通信アダプタ3が送信するデータである。判定部34Bは、送信対象データのデータ種別に基づき、データ種別テーブル35を参照し、送信対象のデータに対して暗号化通信を使用するか否かを判定する。判定部34Bは、送信対象のデータのデータ種別が暗号化対象である場合に、送信対象のデータを暗号化通信すると判定する。判定部34Bは、送信対象のデータのデータ種別が暗号化対象のデータ種別と異なる非暗号化対象である場合に、送信対象のデータを暗号化通信しないと判定する。
通信制御部34Cは、第1の通信部31を制御する第1の制御部である。通信制御部34Cは、送信対象データが暗号化対象の場合、暗号化通信を使用して送信対象データを送信すべく、第1の通信部31を制御する。また、通信制御部34Cは、送信対象データが非暗号化対象の場合、非暗号化通信を使用して送信対象データを送信すべく、第1の通信部31を制御する。制御部34Dは、通信アダプタ3全体を制御する。
<空調制御装置の構成>
図5は、実施例1の空調制御装置6の構成の一例を示すブロック図である。図5に示す空調制御装置6は、通信部61と、表示部62と、操作部63と、記憶部64と、CPU65とを有する。通信部61は、暗号化通信又は非暗号化通信を用いて通信アダプタ3とデータ通信を行う。通信部61は、暗号化通信の機能を実行する暗号化通信部61Aを有する。表示部62は、例えば複数の空気調和機の運転や設定状況などの各種情報を表示する。操作部63は、操作者からの空調制御装置6への操作入力を受け付ける。記憶部64は、各種情報を記憶する。CPU65は、空調制御装置6全体を制御する。
記憶部64は、データ種別テーブル66と、機器管理テーブル67とを有する。データ種別テーブル66は、データ種別毎のデータ内容を管理するテーブルである。データ種別テーブル66は、通信アダプタ3内のデータ種別テーブル35と同一内容である。データ種別テーブル66は、空気調和機2を利用する利用者個人に関わるデータを暗号化対象のデータ種別として管理すると共に、暗号化対象のデータ種別のデータと異なるデータを非暗号化対象のデータ種別として管理する。機器管理テーブル67は、各通信アダプタ3と接続する空気調和機2の機器種別及びIPアドレスを管理するテーブルである。空気調和機2の機器種別は、例えば、例えば、壁掛け型空気調和機2A、ダクト型空気調和機2Bや天井型空気調和機2C等である。IPアドレスは、空気調和機2と接続する通信アダプタ3に付与したIPアドレスである。
CPU65は、検出部65Aと、判定部65Bと、通信制御部65Cと、DHCP制御部65Dと、制御部65Eとを有する。検出部65Aは、空調制御装置6が送信しようとする送信対象のデータを検出する。送信対象データは、空調制御装置6が送信するデータである。判定部65Bは、送信対象データのデータ種別に基づき、データ種別テーブル66を参照し、送信対象のデータに対して暗号化通信を使用するか否かを判定する。判定部65Bは、送信対象のデータのデータ種別が暗号化対象である場合に、送信対象のデータを暗号化通信すると判定する。判定部65Bは、送信対象のデータのデータ種別が暗号化対象と異なる非暗号化対象である場合に、送信対象のデータを暗号化通信しないと判定する。
通信制御部65Cは、通信部61を制御する第2の制御部である。DHCP制御部65Dは、例えば、無線LAN内の各通信アダプタ3に対して、通信に使用するIPアドレスを付与するDHCP機能を有する。尚、DHCP機能は、ON/OFF切替え可能である。制御部66Eは、空調制御装置6全体を制御する。通信制御部65CがDHCP制御部65Dを備えることで、通信制御部65Cは空気調和機2(壁掛け型空気調和機2A、ダクト型空気調和機2Bや天井型空気調和機2C等)と接続される通信アダプタ3にIPアドレスを付与する。従って、通信制御部65Cは、通信アダプタ3に付与されるIPアドレスをホストアドレスとして、通信アダプタ3(空気調和機2)とサブネットワークを形成する。
<空気調和システムの動作>
次に実施例1の空気調和システム1の動作について説明する。図6は、第1のデータ送信処理に関わる通信アダプタ3又は空調制御装置6の処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、説明の便宜上、第1のデータ送信処理は、通信アダプタ3で実行する場合を例示するが、通信アダプタ3の代わりに空調制御装置6で実行しても良く、適宜変更可能である。
図6に示す通信アダプタ3内のCPU34の検出部34Aは、送信対象のデータを検出したか否かを判定する(ステップS11)。尚、検出部34Aは、送信対象のデータの発生を検出するものである。CPU34内の判定部34Bは、送信対象のデータを検出した場合(ステップS11:Yes)、データ種別テーブル35を参照して送信対象データのデータ種別を特定する(ステップS12)。尚、データ種別は、例えば、暗号化対象又は非暗号化対象である。
判定部34Bは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象であるか否かを判定する(ステップS13)。通信制御部34Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合(ステップS13:Yes)、暗号化通信を用いて送信対象データを送信すべく、第1の通信部31を制御し(ステップS14)、図6に示す処理動作を終了する。尚、暗号化通信は、HTTPのTLS方式を用いてデータ通信を実行する。そして、空調制御装置6は、暗号化通信によるデータを通信アダプタ3から受信した場合、暗号化したデータを復号化する。その結果、通信アダプタ3は、空調制御装置6との間で送信対象データを暗号化して通信することになるため、通信アダプタ3と接続する空気調和機2の利用者個人に関わる情報を保護し、利用者のプライバシー保護を確保できる。
通信制御部34Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象でない場合(ステップS13:No)、非暗号化通信を用いて送信対象データを送信し(ステップS15)、図6に示す処理動作を終了する。尚、非暗号化通信は、UDP方式を用いてデータ通信を実行する。そして、空調制御装置6は、非暗号化通信によるデータを通信アダプタ3から受信した場合、非暗号化したデータを受信する。その結果、通信アダプタ3は、空調制御装置6との間で送信対象データを暗号化しないため、送信対象データの送信に要する通信負荷を軽減できる。
また、空調制御装置6内のCPU65の検出部65Aは、送信対象のデータを検出したか否かを判定する(ステップS11)。CPU65内の判定部65Bは、送信対象のデータを検出した場合(ステップS11:Yes)、データ種別テーブル66を参照して送信対象データのデータ種別を特定する(ステップS12)。尚、データ種別は、例えば、暗号化対象又は非暗号化対象である。
判定部65Bは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象であるか否かを判定する(ステップS13)。通信制御部65Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合(ステップS13:Yes)、暗号化通信を用いて送信対象データを送信すべく、通信部61を制御し(ステップS14)、図6に示す処理動作を終了する。尚、暗号化通信は、HTTPのTLS方式を用いてデータ通信を実行することになる。そして、通信アダプタ3は、暗号化通信によるデータを空調制御装置6から受信した場合、暗号化したデータを復号化する。その結果、空調制御装置6は、通信アダプタ3との間で送信対象データを暗号化して通信することになるため、通信アダプタ3と接続する空気調和機2の利用者個人に関わる情報を保護し、利用者のプライバシー保護を確保できる。
通信制御部65Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象でない場合(ステップS13:No)、非暗号化通信を用いて送信対象データを送信し(ステップS15)、図6に示す処理動作を終了する。尚、非暗号化通信は、UDP方式を用いてデータ通信を実行することになる。そして、通信アダプタ3は、非暗号化通信によるデータを空調制御装置6から受信した場合、非暗号化したデータを受信する。その結果、空調制御装置6は、通信アダプタ3との間で送信対象データを暗号化しないため、送信対象データの送信に要する通信負荷を軽減できる。
<実施例1の効果>
空気調和機2の利用者個人とは無関係な情報は非暗号化通信が用いられるため、空気調和機2のデータ通信に要する通信アダプタ3側の通信負荷や無線LAN内の通信トラヒックを軽減できる。つまり、暗号化通信が用いられる場合には、例えば、ハンドシェイクや鍵交換等の暗号化通信のデータ量を増え、鍵交換等の通信回数が増える。これに対して、非暗号化通信が用いられる場合には、例えば、ハンドシェイクや鍵交換等の暗号化通信のデータ量や通信回数が無くなるため、通信アダプタ3側の通信負荷や無線LAN内の通信トラヒックを軽減できる。
また、空気調和機2の運転に関するデータのうち、利用者が存在することや、利用者の室内環境に関する嗜好など利用者個人に関わる情報は暗号化通信を用いて通信するため、利用者のプライバシーを保護することができる。
送信対象データのデータ内容に応じて、暗号化するデータと、暗号化しないデータとを分け、暗号化するデータのデータ量や暗号化通信に関わるハンドシェイクの回数を減らすことで第1の通信部31(通信部61)の負荷を軽減できる。更に、暗号化するデータのデータ量や暗号化通信時に実行するハンドシェイクの回数を減らすことで、無線LANの通信負荷を抑制できる。更に、第1の通信部31(通信部61)に対して負荷のかかる暗号化通信のデータ量を減らすことで、第1の通信部31(通信部61)等のハードウェアを安価に構成できる。また、無線LAN等のオープンネットワークを使用した場合でも、空気調和機2を利用する利用者のプライバシーが保たれる。
尚、実施例1の空気調和システム1では、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合に暗号化通信を用いて送信対象データを送信し、送信対象データのデータ種別が非暗号化対象である場合に非暗号化通信を用いて送信対象データを送信する場合を例示した。しかしながら、送信対象データのデータ種別ではなく、空気調和システム1内の空気調和機2と接続する通信アダプタ3の接続台数に基づき、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定するようにしても良く、その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。尚、実施例1の空気調和システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
<空調制御装置の構成>
図7は、実施例2の空調制御装置6Aの構成の一例を示すブロック図である。図7に示す空調制御装置6Aは、通信部61、表示部62、操作部63、記憶部64及びCPU65の他に、台数監視部69を有する。台数監視部69は、空気調和システム1内の各空気調和機2の通信アダプタ3Aの台数を監視する。台数監視部69は、例えば、DHCP制御部65Dを通じて各通信アダプタ3Aとの初期通信で各通信アダプタ3AにIPアドレスを付与するため、空気調和システム1内の通信アダプタ3AへのIPアドレス付与回数で空気調和システム1内の通信アダプタ3Aの台数nを把握するものとする。記憶部64は、データ種別テーブル66の代わりに、切替テーブル68を有する。尚、図1に示す通り、1台の通信アダプタに対し1台の空気調和機が接続される。したがって、通信アダプタ3Aの台数nは空気調和機2の台数と等しく、空気調和機2の台数もnである。
切替テーブル68は、空気調和システム1内の通信アダプタ3Aの台数に応じて、送信対象のデータを暗号化通信から非暗号化通信に切替えるデータ種別を記憶しているテーブルである。図8は、切替テーブル68の一例を示す説明図である。尚、説明の便宜上、接続台数nは、空気調和システム1内の通信アダプタ3Aの台数、例えば、128台とする。図8に示す台数nが110<n≦128では、送信対象のデータに対して暗号化通信から非暗号化通信に切替える非暗号化対象のデータ種別を、例えば、空調ON/OFF及び風向・風量とする。接続台数nが100<n≦128では、非暗号化対象のデータ種別を、例えば、運転モード及び設定温度とする。接続台数nが80<n≦128では、非暗号化対象のデータ種別を、例えば、機種名、機種タイプ及び故障検知情報とする。総じて言うと、通信アダプタ3Aの台数nが所定の閾値(ここでは80、100および110)より大きい場合に、暗号化通信が非暗号化通信に切替えられていくこととなる。
尚、データ種別は、利用者の個人情報に関連する度合いに応じてデータの秘匿性を3段階のレベル(高中低)に区分し、その区分に応じ通信アダプタ3Aの台数nの範囲を割り付けている。例えば、空調ON/OFF及び風向・風量は、利用者個人の情報である在不在情報と直接関連する項目のため秘匿性は高とし、例えば、運転モード及び設定温度は、利用者の嗜好を反映するものであるが、空調OFF時でも値を保持しているもののため、利用者個人の情報との関連性はそれほど高くないと考え、秘匿性を中とし、例えば、機種名、機種タイプ及び故障検知情報は、利用者個人とは無関係な情報のため秘匿性を低に設定している。こういった考え方により通信アダプタ3Aの台数nの増加に応じ、秘匿性が低いデータ種別から高いデータ種別へと順番に、暗号化通信を非暗号化通信に切替えていく切替テーブル68が作成される。
さらに、CPU65は、判定部65Bの代わりに判定部651Bを有する。判定部651Bは、通信アダプタ3Aの台数nの増加に応じて、送信対象のデータに対する暗号化通信を非暗号化通信に切替えるべく、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する。そして、判定部651Bは、切替テーブル68を参照し、現在の通信アダプタ3Aの台数nに応じて非暗号化通信とするデータを特定する。
判定部651Bは、通信アダプタ3Aの台数nがn<80の場合、全ての送信対象のデータのデータ種別を暗号化通信とする。判定部651Bは、通信アダプタ3Aの台数nが80<n≦128の場合、切替テーブル68を参照し、非暗号化対象のデータ種別として、機種名、機種タイプ及び故障検知情報のデータを非暗号化通信とする。判定部651Bは、通信アダプタ3Aの台数nが100<n≦128の場合、非暗号化対象のデータ種別として、運転モード及び設定温度のデータを非暗号化通信とする。判定部651Bは、接続台数nが110<n≦128の場合、非暗号化対象のデータ種別として、空調ON/OFF及び風向・風量のデータを非暗号化通信とする。
また、通信部61は、接続台数監視部69の監視結果である通信アダプタ3Aの台数nを各空気調和機2の通信アダプタ3Aに定期的に送信する。
<通信アダプタの構成>
図9は、実施例2の通信アダプタ3Aの構成の一例を示すブロック図である。図9に示す通信アダプタ3Aは、第1の通信部31、第2の通信部32、記憶部33及びCPU34を有する。記憶部33は、データ種別テーブル35の代わりに切替テーブル38を有する。切替テーブル38は、通信アダプタ3Aの台数nに応じて、送信対象のデータを暗号化通信から非暗号化通信に切替える、非暗号化対象のデータ種別を管理するテーブルである。切替テーブル38は、空調制御装置6A内の切替テーブル68と同一内容である。
CPU34は、第1の通信部31を通じて空調制御装置6Aからの通信アダプタ3Aの台数nを取得する。CPU34は、判定部34Bの代わりに判定部341Bを有する。判定部341Bは、接続台数nがn<80の場合、全ての送信対象のデータのデータ種別を暗号化通信とする。判定部341Bは、接続台数nが80<n≦128の場合、切替テーブル38を参照し、機種名、機種タイプ及び故障検知情報のデータを非暗号化通信とする。判定部341Bは、接続台数nが100<n≦128の場合、切替テーブル38を参照し、運転モード及び設定温度のデータを非暗号化通信とする。判定部341Bは、接続台数nが110<n≦128の場合、空調ON/OFF及び風向・風量のデータを非暗号化通信とする。
<空気調和システムの動作>
次に実施例2の空気調和システム1の動作について説明する。図10は、第2のデータ送信処理に関わる空調制御装置6A又は通信アダプタ3Aの処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、説明の便宜上、第2のデータ送信処理は、空調制御装置6Aで実行する場合を例示するが、空調制御装置6Aの代わりに通信アダプタ3Aで実行しても良く、適宜変更可能である。
図10に示す空調制御装置6A内のCPU65の検出部65Aは、送信対象のデータを検出したか否かを判定する(ステップS21)。尚、検出部65Aは、送信対象のデータの発生を検出するものである。CPU65内の判定部651Bは、送信対象のデータを検出した場合(ステップS21:Yes)、台数監視部69から現在の通信アダプタ3Aの台数nを取得する(ステップS22)。
判定部651Bは、切替テーブル68を参照し、現在の通信アダプタ3Aの台数nに応じた非暗号化対象のデータ種別を特定する(ステップS23)。尚、データ種別は、例えば、暗号化対象又は非暗号化対象のデータの種別である。判定部651Bは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象であるか否かを判定する(ステップS24)。
通信制御部64Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合(ステップS24:Yes)、暗号化通信を用いて送信対象データを送信すべく、通信部61を制御し(ステップS25)、図10に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、例えば、HTTPのTLSのような暗号化プロトコルを用いる。そして、通信アダプタ3Aは、暗号化通信によるデータを空調制御装置6Aから受信した場合、暗号化したデータを復号化する。その結果、空調制御装置6Aは、通信アダプタ3Aとの間で送信対象データを暗号化して通信することになるため、空調制御装置6Aと接続する空気調和機2の利用者個人に関わる情報を保護し、利用者のプライバシー保護を確保できる。
通信制御部64Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象でない場合(ステップS24:No)、非暗号化通信を用いて送信対象データを送信する(ステップS26)。そして、図10に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、例えば、UDPのような非暗号化プロトコルを用いる。そして、通信アダプタ3Aは、非暗号化通信によるデータを通信アダプタ3Aから受信した場合、非暗号化したデータを受信する。その結果、空調制御装置6Aは、通信アダプタ3Aとの間で送信対象データを暗号化しないため、通信データ量は減少し、通信トラフィックと通信負荷を軽減され、輻輳の発生は抑制される。
つまり、切替テーブル68を使用し、通信アダプタ3Aの台数nに基づき、非暗号対象のデータ種別を特定する。通信アダプタ3Aの台数nが80<n≦128の場合は秘匿性が低のデータ、例えば、機種名、機種タイプ及び故障検知情報を非暗号化することにより、通信データ量は減少し、通信トラフィックと通信負荷は軽減され、輻輳の発生は抑制される。
また、通信アダプタ3Aの台数nが100<n≦128の場合は秘匿性が低のデータの暗号化に加え、秘匿性が中のデータ、例えば、運転モード及び設定温度を非暗号化するため、暗号化通信のデータ量は更に減少し、通信トラフィックと通信負荷はより軽減され、輻輳の発生は抑制される。
更に、例えば、通信アダプタ3Aの台数nが110<n≦128の場合は、秘匿性が低のデータ、中のデータに加え、秘匿性が高のデータ、例えば、空調ON/OFF及び風向・風量も非暗号化する。これにより全ての通信は非暗号化通信となり、通信トラフィックと通信負荷は最大限に軽減され、輻輳の発生は抑制される。
更に、通信アダプタ3Aの台数nがn<80の場合は、全てのデータを暗号化する。通信アダプタ3Aの台数nの値が小さいさめ、輻輳は発生しない。
また、通信アダプタ3A内のCPU34の検出部34Aは、送信対象のデータを検出したか否かを判定する(ステップS21)。CPU34内の判定部341Bは、送信対象のデータを検出した場合(ステップS21:Yes)、空調制御装置6Aから取得した現在の接続台数を取得する(ステップS22)。
判定部341Bは、切替テーブル38を参照し、通信アダプタ3Aの台数nに基づき、非暗号化対象のデータ種別を特定する(ステップS23)。尚、データ種別は、例えば、暗号化対象又は非暗号化対象である。判定部341Bは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象であるか否かを判定する(ステップS24)。
通信制御部34Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合(ステップS24:Yes)、暗号化通信を用いて送信対象データを送信すべく、第1の通信部31を制御し(ステップS25)、図10に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、暗号化通信であるHTTPのTLSを用いてデータ通信を実行することになる。そして、空調制御装置6Aは、暗号化通信によるデータを通信アダプタ3Aから受信した場合、暗号化したデータを復号化する。その結果、通信アダプタ3Aは、空調制御装置6Aとの間で送信対象データを暗号化して通信することになるため、空調制御装置6Aと接続する空気調和機2の利用者個人に関わる情報を保護し、利用者のプライバシー保護を確保できる。
通信制御部34Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象でない場合(ステップS24:No)、非暗号化通信を用いて送信対象データを送信し(ステップS26)、図10に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、非暗号化通信であるUDPを用いてデータ通信を実行することになる。そして、空調制御装置6Aは、非暗号化通信によるデータを通信アダプタ3Aから受信した場合、非暗号化したデータを受信する。その結果、通信アダプタ3Aは空調制御装置6Aとの間で送信対象データを暗号化しないため、送信対象データの送信に要する通信負荷を軽減できる。
<実施例2の効果>
通信アダプタ3Aの台数nの値に応じて、通信データをその種別毎に順に非暗号化していくことにより、データの秘匿性を維持しつつ、空調制御装置6Aの通信負荷を軽減することができる。また、ネットワーク内の通信トラヒックを軽減し、輻輳の発生を抑制することができる。
空気調和システム1内の通信アダプタ3Aの接続台数に応じて送信対象データを暗号化対象と非暗号化対象とに分け、暗号化するデータのデータ量や暗号化通信の開始の度に行われるハンドシェイクの回数を減らすことで第1の通信部31(通信部61)の負荷を軽減できる。更に、暗号化するデータのデータ量や暗号化通信時に実行するハンドシェイクの回数を減らすことで、有線LANや無線LANの通信負荷を抑制できる。更に、第1の通信部31(通信部61)に対して負荷のかかる暗号化通信のデータ量を減らすことで、第1の通信部31(通信部61)等のハードウェアを安価に構成できる。また、オープンネットワークとして利用されている有線LANや無線LANを通信に使用した場合でも、空気調和機2を利用する利用者のプライバシーを保つことができる。
尚、説明の便宜上、台数監視部69は、DHCP制御部65Dの通信アダプタ3Aに対するIPアドレスの付与回数に基づき、空気調和システム1内の通信アダプタ3Aの接続台数を把握する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、空調制御装置6Aが各通信アダプタ3Aに対して、機種名の返信を求めるコマンドをマルチキャスト通信で送信し、各通信アダプタ3Aの機種名の返信数に基づき、空気調和システム1内の通信アダプタ3Aの接続台数を把握しても良く、適宜変更可能である。
尚、実施例2の空気調和システム1では、空気調和システム1内の空気調和機2の接続台数に基づき、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する場合を例示した。しかしながら、接続台数の限定されるものではなく、空調制御装置6Bの処理負荷に基づき、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定するようにしても良く、その実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。尚、実施例2の空気調和システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
<空調制御装置の構成>
図11は、実施例3の空調制御装置6Bの構成の一例を示すブロック図である。図11に示す空調制御装置6Bは、通信部61、表示部62、操作部63、記憶部64及びCPU65を有し、台数監視部69の代わりに処理負荷監視部69Aを有する。処理負荷監視部69Aは、空調制御装置6B内の通信部61の処理負荷Iを監視する。処理負荷監視部69Aは、例えば、通信部61の単位時間当たりに送受信するデータのパケット数から処理負荷Iを算出する。単位時間当たりに送受信するデータのパケット数と処理負荷Iは比例関係にある。記憶部64は、切替テーブル68の代わりに切替テーブル68Aを有する。
切替テーブル68Aは、処理負荷量に応じた処理負荷Iに応じて、送信対象のデータを暗号化通信から非暗号化通信に切替えるデータ種別を記憶しているテーブルである。図12は、切替テーブル68Aの一例を示す説明図である。尚、説明の便宜上、処理負荷Iは、例えば、0~4の範囲で変動するものとする。図12に示す処理負荷量Iが3≦I≦4では、送信対象のデータに対して暗号化通信から非暗号化通信に切替える非暗号化対象のデータ種別を、例えば、空調ON/OFF及び風向・風量とする。処理負荷量Iが2≦I≦4では、非暗号化対象のデータ種別を、例えば、運転モード及び設定温度とする。処理負荷量Iが1≦I≦4では、非暗号化対象のデータ種別を、例えば、機種名、機種タイプ及び故障検知情報とする。総じて言うと、処理負荷量Iが所定の閾値(ここでは1~3の整数)より大きい場合に、暗号化通信が非暗号化通信に切替えられていくこととなる。
尚、データ種別は、利用者の個人情報に関連する度合いに応じてデータの秘匿性を3段階のレベル(高中低)に区分し、その区分に応じ処理負荷Iの範囲を割り付けている。例えば、空調ON/OFF及び風向・風量は、利用者個人の情報である在不在情報と直接関連する項目のため秘匿性は高とし、例えば、運転モード及び設定温度は、利用者の嗜好を反映するものであるが、空調OFF時でも値を保持しているもののため、利用者個人の情報との関連性はそれほど高くないと考え、秘匿性を中とし、例えば、機種名、機種タイプ及び故障検知情報は、利用者個人とは無関係な情報のため秘匿性を低に設定している。こういった考え方により処理負荷量Iの上昇に応じ、秘匿性が低いデータ種別から高いデータ種別へと順番に、暗号化通信を非暗号化通信に切替えていく切替テーブル68Aが作成される。
さらに、CPU65は、判定部651Bの代わりに判定部651B1を有する。判定部651B1は、通信部61の処理負荷Iの増加に応じて、送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する。具体的には、判定部651B1は、切替テーブル68Aを参照し、処理負荷量Iに応じて、送信対象のデータを暗号化通信から非暗号化通信に切替えるか否かを判定する。そして、判定部651B1は、切替テーブル68Aを参照し、現在の処理負荷Iに応じて非暗号化通信とするデータを特定する。
判定部651B1は、処理負荷IがI<1の場合、全てのデータ種別送信対象のデータを暗号化対象とする。判定部651B1は、処理負荷量Iが1≦I≦4の場合、切替テーブル68Aを参照し、機種名、機種タイプ及び故障検知情報のデータを非暗号化通信とする。判定部651B1は、処理負荷Iが2≦I≦4の場合、運転モード及び設定温度のデータを非暗号化通信とする。判定部651B1は、処理負荷Iが3≦I≦4の場合、空調ON/OFF及び風向・風量のデータを非暗号化通信とする。
また、通信部61は、処理負荷監視部69Aの監視結果である処理負荷量を各空気調和機2の通信アダプタ3Bに定期的に送信する。
<通信アダプタの構成>
図13は、実施例3の通信アダプタ3Bの構成の一例を示すブロック図である。図13に示す通信アダプタ3Bは、第1の通信部31、第2の通信部32、記憶部33及びCPU34を有する。記憶部33は、切替テーブル38の代わりに切替テーブル38Aを有する。切替テーブル38Aは、処理負荷Iの値に応じて、送信対象のデータを暗号化通信から非暗号化通信に切替える、例えば、非暗号化対象のデータ種別を管理するテーブルである。
CPU34は、第1の通信部31を通じて空調制御装置6Bからの処理負荷Iを取得する。CPU34は、判定部341Bの代わりに判定部341B1を有する。判定部341B1は、処理負荷IがI<1の場合、全てのデータ種別の送信対象のデータを暗号化する。判定部341B1は、処理負荷Iが1≦I≦4の場合、切替テーブル38Aを参照し、機種名、機種タイプ及び故障検知情報のデータを非暗号化通信とする。判定部341B1は、処理負荷Iが2≦I≦4の場合、運転モード及び設定温度のデータを非暗号化通信とする。判定部341B1は、処理負荷Iが3≦I≦4の場合、空調ON/OFF及び風向・風量のデータを非暗号化通信とする。
<空気調和システムの動作>
次に実施例3の空気調和システム1の動作について説明する。図14は、第3のデータ送信処理に関わる空調制御装置6B又は通信アダプタ3Bの処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、説明の便宜上、第3のデータ送信処理は、空調制御装置6Bで実行する場合を例示するが、空調制御装置6Bの代わりに通信アダプタ3Bで実行しても良く、適宜変更可能である。
図14に示す空調制御装置6B内のCPU65の検出部65Aは、送信対象のデータを検出したか否かを判定する(ステップS31)。尚、検出部65Aは、送信対象のデータの発生を検出するものである。CPU65内の判定部651B1は、送信対象のデータを検出した場合(ステップS31:Yes)、処理負荷監視部69Aから現在の通信部61の処理負荷量を取得する(ステップS32)。
判定部651B1は、切替テーブル68Aを参照し、現在の処理負荷量に応じた非暗号化対象データ種別を特定する(ステップS33)。尚、データ種別は、例えば、暗号化対象又は非暗号化対象のデータの種別である。判定部651B1は、送信対象データのデータ種別が暗号化対象であるか否かを判定する(ステップS34)。
通信制御部64Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合(ステップS34:Yes)、暗号化通信を用いて送信対象データを送信すべく、通信部61を制御し(ステップS35)、図14に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、例えば、HTTPのTLSのような暗号化プロトコルを用いる。そして、通信アダプタ3Bは、暗号化通信によるデータを空調制御装置6Bから受信した場合、暗号化したデータを復号化する。その結果、空調制御装置6Bは、通信アダプタ3Bとの間で送信対象データを暗号化して通信することになるため、空調制御装置6Bと接続する空気調和機2の利用者個人に関わる情報を保護し、利用者のプライバシー保護を確保できる。
通信制御部64Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象でない場合(ステップS34:No)、非暗号化通信を用いて送信対象データを送信する(ステップS36)。そして、図14に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、例えば、UDPのような非暗号化プロトコルを用いる。そして、通信アダプタ3Bは、非暗号化通信によるデータを通信アダプタ3Bから受信した場合、非暗号化したデータを受信する。その結果、空調制御装置6Bは、通信アダプタ3Bとの間で送信対象データを暗号化しないため、通信データ量は減少し、通信トラフィックと通信負荷を軽減され、輻輳の発生は抑制される。
つまり、切替テーブル68Aを使用し、処理負荷量Iに基づき、非暗号対象のデータ種別を特定する。処理負荷量Iが1≦I≦4の場合は秘匿性が低のデータ、例えば、機種名、機種タイプ及び故障検知情報を非暗号化することにより、通信データ量は減少し、通信トラフィックと通信負荷は軽減され、輻輳の発生は抑制される。
また、処理負荷量Iが2≦I≦4の場合は秘匿性が低のデータの暗号化に加え、秘匿性が中のデータ、例えば、運転モード及び設定温度を非暗号化するため、暗号化通信のデータ量は更に減少し、通信トラフィックと通信負荷はより軽減され、輻輳の発生は抑制される。
更に、例えば、処理負荷量Iが3≦I≦4の場合は、秘匿性が高のデータ、例えば、空調ON/OFF及び風向・風量も非暗号化する。これにより全ての通信は非暗号化通信となり、通信トラフィックと通信負荷は最大限に軽減され、輻輳の発生は抑制される。
更に、処理負荷量IがI<1の場合は、全てのデータを暗号化する。処理負荷量Iの値が小さいさめ、輻輳は発生しない。
また、通信アダプタ3B内のCPU34の検出部34Aは、送信対象のデータを検出したか否かを判定する(ステップS31)。CPU34内の判定部341B1は、送信対象のデータを検出した場合(ステップS31:Yes)、空調制御装置6Bから取得した現在の処理負荷量を取得する(ステップS32)。
判定部341B1は、切替テーブル38Aを参照し、現在の処理負荷量Iに応じた非暗号化対象のデータ種別を特定する(ステップS33)。尚、データ種別は、例えば、暗号化対象又は非暗号化対象のデータの種別である。判定部341B1は、送信対象データのデータ種別が暗号化対象であるか否かを判定する(ステップS34)。
通信制御部34Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象である場合(ステップS34:Yes)、暗号化通信を用いて送信対象データを送信すべく、第1の通信部31を制御し(ステップS35)、図14に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、例えば、HTTPのTLSのような暗号化プロトコルを用いる。そして、空調制御装置6Bは、暗号化通信によるデータを通信アダプタ3Bから受信した場合、暗号化したデータを復号化する。その結果、通信アダプタ3Bは、空調制御装置6Bとの間で送信対象データを暗号化して通信することになるため、空調制御装置6Bと接続する空気調和機2の利用者個人に関わる情報を保護し、利用者のプライバシー保護を確保できる。
通信制御部34Cは、送信対象データのデータ種別が暗号化対象でない場合(ステップS34:No)、非暗号化通信を用いて送信対象データを送信し(ステップS36)、図14に示す処理動作を終了する。尚、データ通信には、例えば、UDPのような非暗号化プロトコルを用いる。そして、空調制御装置6Bは、非暗号化通信によるデータを通信アダプタ3Bから受信した場合、非暗号化したデータを受信する。その結果、通信アダプタ3Bは、空調制御装置6Bとの間で送信対象データを暗号化しないため、送信対象データの送信に要する通信負荷を軽減できる。
<実施例3の効果>
処理負荷量Iの値に応じて、通信データをその種別毎に順に非暗号化していくことにより、データの秘匿性を維持しつつ、空調制御装置6Aの通信負荷を軽減することができる。また、ネットワーク内の通信トラヒックを軽減し、輻輳の発生を抑制することができる。
空気調和システム1の処理負荷量に応じて送信対象データを暗号化対象と非暗号化対象とに分け、暗号化するデータのデータ量や暗号化通信の開始の度に行われるハンドシェイクの回数を減らすことで第1の通信部31(通信部61)の負荷を軽減できる。更に、暗号化するデータのデータ量や暗号化通信時に実行するハンドシェイクの回数を減らすことで、有線LANや無線LANの通信負荷を抑制できる。更に、第1の通信部31(通信部61)に対して負荷のかかる暗号化通信のデータ量を減らすことで、第1の通信部31(通信部61)等のハードウェアを安価に構成できる。オープンネットワークとして利用されている有線LANや無線LANを通信に使用した場合でも、空気調和機2を利用する利用者のプライバシーを保つことができる。
尚、説明の便宜上、処理負荷監視部69Aは、例えば、通信部61の単位時間当たりに送受信するデータのパケット数から処理負荷量として算出する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、処理負荷監視部69Aは、例えば、空調制御装置6BのOS上で動作しているプログラムからCPU使用率負荷をOSに問い合わせることで処理負荷量を把握しても良く、適宜変更可能である。
また、説明の便宜上、空調制御装置6(6A、6B)とアクセスポイント4との間にハブ5を配置する場合を例示したが、空調制御装置6(6A、6B)とアクセスポイント4との間を直接接続しても良い。また、空調制御装置6(6A、6B)とアクセスポイント4との間は有線で接続する場合を例示したが、無線で接続しても良い。また、通信アダプタ3(3A、3B)とアクセスポイント4との間を無線LANで接続する場合を例示したが、例えば、有線LAN等の有線通信網で接続しても良く、適宜変更可能である。
1 空気調和システム
2 空気調和機
3,3A、3B 通信アダプタ
6,6A、6B 空調制御装置
21 室内機
31 第1の通信部
34B 判定部
34C 通信制御部
61 通信部
65B 判定部
65C 通信制御部
341B 判定部
651B 判定部
341B1 判定部
651B1 判定部

Claims (12)

  1. 複数の空気調和機を集中制御する空調制御装置であって、
    前記空気調和機との間でデータを通信する通信部と、
    送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する判定部と、
    前記送信対象のデータを前記暗号化通信する場合に前記送信対象のデータを暗号化通信すべく、前記通信部を制御する通信制御部と
    を有することを特徴とする空調制御装置。
  2. 前記空気調和機の台数を監視する台数監視部を有し、
    前記判定部は、
    前記台数に基づき、前記送信対象のデータを暗号化通信とするか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
  3. 前記判定部は、
    前記台数が所定の閾値より大きい場合に、前記送信対象のデータを前記暗号化通信から非暗号化通信に切替える判定をすることを特徴とする請求項2に記載の空調制御装置。
  4. 前記台数の複数の範囲毎に、前記送信対象のデータに対する通信を前記暗号化通信を前記非暗号通信に切替えるか否かを示すデータ種別を管理する切替テーブルを備え、
    前記判定部は、
    前記切替テーブルを参照し、前記台数に基づき、前記送信対象のデータを前記暗号化通信を前記非暗号化通信に切替えるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の空調制御装置。
  5. 前記切替テーブルは、前記台数が所定の閾値より大きい場合に、予め定められた秘匿度が低のデータ種別から高のデータ種別へと順番に、前記暗号化通信を前記非暗号化通信に切替えるように構成されていること特徴とする請求項4に記載の空調制御装置。
  6. 前記通信部の処理負荷量を監視する処理負荷監視部を有し、
    前記判定部は、
    前記処理負荷量に基づき、前記送信対象のデータを前記暗号化通信から前記非暗号化通信に切替えるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
  7. 前記判定部は、
    前記処理負荷量が所定の閾値より大きい場合に、前記送信対象のデータを前記暗号化通信から非暗号化通信に切替える判定をすることを特徴とする請求項6に記載の空調制御装置。
  8. 前記処理負荷量の複数の範囲毎に、前記送信対象のデータに対する前記暗号化通信を前記非暗号通信に切替えるか否かを示すデータ種別を管理する切替テーブルを備え、
    前記判定部は、
    前記切替テーブルを参照し、前記送信対象のデータを前記暗号化通信から前記非暗号化通信に切替えるか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の空調制御装置。
  9. 前記切替テーブルは、前記処理負荷量が所定の閾値より大きくなる度に、予め定められた秘匿度が低のデータ種別から高のデータ種別へと順番に、前記暗号化通信を前記非暗号化通信に切替えるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の空調制御装置。
  10. 空気調和機と、前記空気調和機を監視する空調制御装置とを有する空気調和システムであって、
    前記空気調和機は、
    前記空調制御装置との間でデータを通信する第1の通信部と、
    前記第1の通信部にて送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する第1の判定部と、
    前記送信対象のデータを前記暗号化通信する場合に前記送信対象のデータを暗号化通信すべく、前記第1の通信部を制御する第1の制御部とを有し、
    前記空調制御装置は、
    前記空気調和機との間でデータを通信する第2の通信部と、
    前記第2の通信部にて送信対象のデータを暗号化通信するか否かを判定する第2の判定部と、
    前記送信対象のデータを前記暗号化通信する場合に前記送信対象のデータを暗号化通信すべく、前記第2の通信部を制御する第2の制御部とを有することを特徴とする空気調和システム。
  11. 前記空調制御装置は、
    前記空気調和機の台数を監視する台数監視部を有し、
    前記第2の判定部は、
    前記台数の増加に基づき、前記送信対象のデータを前記暗号化通信から非暗号化通信に切替えるか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の空気調和システム。
  12. 前記空調制御装置は、
    前記第2の通信部の処理負荷量を監視する処理負荷監視部を有し、
    前記第2の判定部は、
    前記処理負荷量に基づき、前記送信対象のデータを前記暗号化通信から非前記暗号化通信に切替えるか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の空気調和システム。
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