JP2022150153A - 磁気センサ - Google Patents

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彰 坂脇
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Abstract

【課題】磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサの感度を向上させる。【解決手段】磁気センサは、非磁性の基板と、前記基板上に設けられ、軟磁性体を含み、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子と、軟磁性体を含み、前記感受素子の前記長手方向の端部から突出する突出部とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気センサに関する。
公報記載の従来技術として、非磁性体からなる基板と、該基板上に形成され、その長手方向両端に電極が設けられた薄膜磁気コアとからなる磁気インピーダンス素子において、前記薄膜磁気コアは少なくとも2個以上、並列配置されてなり、かつ、前記それぞれの薄膜磁気コアは互いに電気的に直列接続されていることを特徴とする磁気インピーダンス素子が存在する(特許文献1参照)。
特開2000-292506号公報
ところで、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を備えた磁気センサは、感受素子にかかる磁界(内部磁界)によってインピーダンスが変化することを利用する。従って、磁気センサの感度を向上させるためには、一定の外部磁界を印加した際の内部磁界をより大きくすることが求められる。
本発明は、磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサの感度を向上させることを目的とする。
本発明が適用される磁気センサは、非磁性の基板と、前記基板上に設けられ、軟磁性体を含み、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子と、軟磁性体を含み、前記感受素子の前記長手方向の端部から突出する突出部とを備える。
また、前記突出部は、前記長手方向に突出していることを特徴とすることができる。
さらに、前記感受素子は、前記長手方向の端部に、当該長手方向の中央部よりも前記短手方向の幅が広い幅広形状を有することを特徴とすることができる。
さらにまた、前記感受素子は、前記幅広形状から前記中央部に向けて幅が狭まるテーパ形状を有することを特徴とすることができる。
また、前記突出部は、前記感受素子の前記短手方向における最大幅と等しい幅を有することを特徴とすることができる。
本発明が適用される磁気センサは、非磁性の基板と、前記基板上に設けられ、軟磁性体を含み、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受し、当該短手方向へ間隙を介して並ぶ複数の感受素子と、前記短手方向に隣接する前記感受素子の前記長手方向の端部を接続する接続部と、少なくとも1つの前記感受素子にて、軟磁性体を含み、当該感受素子の前記長手方向の端部から突出する突出部とを備えることを特徴とすることができる。
また、このような磁気センサにおいて、前記接続部を複数有し、複数の前記感受素子は、複数の前記接続部によってつづら折り状に直列接続されることを特徴とすることができる。
本発明によれば、磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサの感度を向上させることができる。
第1の実施の形態が適用される磁気センサの例を説明する図である。 感受素子の長手方向に印加された磁界Hと感受素子のインピーダンスZとの関係を説明する図である。 突出部を有しない従来の磁気センサの平面形状を示す図である。 磁気センサに対し予め定めた大きさの外部磁界を印加した場合の、感受部における内部磁界の大きさのシミュレーション結果を示す図である。 突出部の効果について説明する図である。 第2の実施の形態が適用される磁気センサの例を説明する図である。 突出部を有しない従来の磁気センサの平面形状を示す図である。 磁気センサに対し予め定めた大きさの外部磁界を印加した場合の、感受部における内部磁界の大きさのシミュレーション結果を示す図である。 1つの感受素子を備える磁気センサの例を示す図である。 磁気センサの変形例1~4について説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
(第1の実施形態が適用される磁気センサ1の構成)
図1は、第1の実施の形態(以下、第1の実施形態と表記する)が適用される磁気センサ1の例を説明する図である。
図1は磁気センサの第1の実施形態を説明する図であり、(A)は磁気センサの平面図、(B)は(A)におけるII-II線での断面図である。
図1(A)に示すように、第1の実施形態が適用される磁気センサ1は、非磁性の基板10と、基板10上に設けられ、磁界を感受する軟磁性体層を含む感受部30と、軟磁性体層を含む突出部40とを備える。
図1(A)により、磁気センサ1の平面構造を説明する。磁気センサ1は、一例として四角形の平面形状を有する。磁気センサ1の平面形状は、数mm角である。例えば、長手方向の長さが4mm~6mm、短手方向の長さが3mm~5mmである。なお、磁気センサ1の平面形状の大きさは、他の値であってよい。
まず、磁気センサ1に形成された感受部30を説明する。感受部30は、平面形状が長手方向と短手方向とを有する矩形形状である複数の感受素子31と、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する接続部32と、電流供給のための電線が接続される端子部33とを備える。なお、長手方向は図1(A)の左右方向、短手方向は上下方向に夫々対応する。また、磁気センサ1では、感受素子31が、磁界または磁界の変化を感受する磁気インピーダンス効果素子である。つまり、感受素子31が直列接続された感受部30のインピーダンス変化により磁界又は磁界の変化が計測される。以下では、感受部30のインピーダンスを、磁気センサ1のインピーダンスと表記することがある。なお、磁界を磁場と呼ぶことがある。
ここで、図1(A)に示すように、磁気センサ1における複数の感受素子31は、短手方向の幅がW1、長手方向の長さがL1の矩形形状にて構成されている。この複数の感受素子31は、短手方向に間隙G1を介して並んでいる。なお、このように短手方向に並ぶ複数の感受素子31の紙面下から数えて1本目、2本目、3本目、…を、夫々、ライン1、ライン2、ライン3、…と記載することがある。
ところで、図1(A)には複数の感受素子31を図示しているが、感受素子31は1本であってもよい。また、図示した8本より多く設けてもよい。
接続部32は、感受素子31の端部に設けられ、隣接する感受素子31を長手方向の端部にてつづら折りに直列接続する。例えば、後述する表1にて示す磁気センサの実施例1では、感受素子31を24本有するため、接続部32を23個有する。
なお、他の実施形態において感受素子31を1本とした場合、接続部32を有しない場合もある。
端子部33は、接続部32で接続されていない感受素子31の2個の端部にそれぞれ設けられている。端子部33は、電流を供給する電線を接続するパッド部として機能する。端子部33は、電線を接続しうる大きさであればよい。なお、図1(A)において、2つの端子部33は何れも紙面右側に設けられているが、左側に設けてもよく、左右側に分けて設けてもよい。
さらに、磁気センサ1は、感受素子31の長手方向の両端部に突出部40を備える。より詳しくは、感受素子31の長手方向の両端部から長手方向側に突出した突出部40を備える。つまり、突出部40は、感受素子31の長手方向に向けて突出している。突出部40は、短手方向の幅が感受素子31の幅と等しいW1であり、長手方向の長さがL2である矩形形状にて設けられている。
外部から磁力線が入力する側の突出部40は、感受素子31に対し外部から磁力線を誘導する。また、磁力線が感受素子31から出力する側の突出部40は、感受素子31を通過した磁力線が、そのまま突出部40を通過するように誘導する。つまり、突出部40は、磁力線を誘導するヨークとして機能する。このため、突出部40は、磁力線が透過しやすい軟磁性体(後述する軟磁性体層101)を含んでいる。
ここでは、突出部40は、感受素子31の長手方向に向けて突出している。しかし、突出部40は長手方向と異なる(交差する)方向に突出させてもよいが、突出部40を長手方向に突出させることで、後述するように磁力線を誘導し易くなる。そして、磁気センサ1が感受素子31を複数備える場合には、突出部40は、感受部30から櫛歯状に突出している。
次に、図1(B)により、磁気センサ1の断面構造を詳述する。磁気センサ1は、一例として、基板10側から4層の軟磁性体層101a、101b、101c、101dを備える。そして、軟磁性体層101aと軟磁性体層101bとの間に、軟磁性体層101aと軟磁性体層101bとに還流磁区の発生を抑制する磁区抑制層102aを備える。さらに、感受部30は、軟磁性体層101cと軟磁性体層101dとの間に、軟磁性体層101cと軟磁性体層101dとに還流磁区の発生を抑制する磁区抑制層102bを備える。そしてまた、感受部30は、軟磁性体層101bと軟磁性体層101cとの間に、感受部30の抵抗(ここでは、電気抵抗をいう)を低減させる導電体層103を備える。軟磁性体層101a、101b、101c、101dをそれぞれ区別しない場合は、軟磁性体層101と表記する。磁区抑制層102a、102bをそれぞれ区別しない場合には、磁区抑制層102と表記する。
基板10は、非磁性体からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコンなどの半導体基板、あるいは、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキを施した金属等の金属基板等が挙げられる。以下では、基板10がガラスであるとして説明する。
軟磁性体層101は、磁気インピーダンス効果を示すアモルファス合金の軟磁性体で構成される。軟磁性体層101を構成する軟磁性体としては、Coを主成分とした合金に高融点金属Nb、Ta、W等を添加したアモルファス合金を用いるのがよい。このようなCoを主成分とした合金としては、CoNbZr、CoFeTa、CoWZr、CoFeCrMnSiB等が挙げられる。軟磁性体層101の厚さは、例えば100nm~1μmである。
ここで軟磁性体とは、外部磁界によって容易に磁化されるが、外部磁界を取り除くと速やかに磁化がない状態または磁化が小さい状態に戻る、いわゆる保磁力の小さい材料である。
また、本明細書において、アモルファス合金、アモルファス金属とは、結晶のような原子の規則的な配列を有しない構造を有し、スパッタリング法などで形成されるものをいう。
磁区抑制層102は、磁区抑制層102を挟む上下の軟磁性体層101に還流磁区の発生を抑制する。
一般に、軟磁性体層101には、それぞれの磁化の向きが異なる複数の磁区が形成されやすい。この場合、磁化の向きが環状を呈する還流磁区が形成される。外部磁界が大きくなると、磁壁が移動し、外部磁界の向きと磁化の向きとが同じ磁区の面積が大きくなり、外部磁界の向きと磁化の向きとが逆の磁区の面積が小さくなる。そして、さらに外部磁界が大きくなると、磁化の向きが外部磁界の向きと異なる磁区において、磁化の向きが外部磁界の向きと同じ向きを向くように磁化回転が生じる。そして、ついには隣接する磁区同士の間に存在していた磁壁が消滅し、1つの磁区(単磁区)となる。つまり、還流磁区が形成されていると、外部磁界の変化に伴って、還流磁区を構成する磁壁が階段状に不連続に移動するバルクハウゼン効果が生じる。この磁壁の不連続な移動は、磁気センサ1におけるノイズとなり、磁気センサ1から得られる出力におけるS/Nの低下を生じるおそれがある。磁区抑制層102は、磁区抑制層102の上下に設けられた軟磁性体層101に面積の小さな複数の磁区が形成されるのを抑制する。これにより、還流磁区が形成されることが抑制され、磁壁が不連続に移動することによるノイズの発生を抑制する。なお、磁区抑制層102は、磁区抑制層102を含まない場合に比べて、形成される磁区の数が少なく、つまり磁区の大きさが大きくなる効果が得られればよい。
このような磁区抑制層102としては、Ru、SiO等の非磁性体や、CrTi、AlTi、CrB、CrTa、CoW等の非磁性アモルファス金属が挙げられる。このような磁区抑制層102の厚さは、例えば10nm~100nmである。
導電体層103は、感受部30の抵抗を低減する。より詳しくは、導電体層103は、軟磁性体層101より導電性が高く、導電体層103を含まない場合に比べて、感受部30の抵抗を小さくする。磁気センサ1は、磁界又は磁界の変化を、2つの端子部33の間に交流電流を流した際におけるインピーダンス(以下では、インピーダンスZと表記する)の変化(ΔZと表記する)として計測する。この際、交流電流の周波数が高いほど、外部磁界の変化(ここでは、ΔHと表記する)に対するインピーダンスZの変化率ΔZ/ΔH(以下ではインピーダンス変化率ΔZ/ΔH)が大きくなる。しかし、導電体層103を含まない状態で交流電流の周波数を高くすると、磁気センサ1とした状態における浮遊容量により、逆にインピーダンス変化率ΔZ/ΔHが小さくなってしまう。感受部30の抵抗をR、浮遊容量をCとし、磁気センサ1を抵抗Rと浮遊容量Cとの並列回路とすると、磁気センサ1の緩和周波数fは、式(1)で表せる。
Figure 2022150153000002
式(1)から分かるように、浮遊容量Cが大きいと、緩和周波数fが小さくなり、緩和周波数fより交流電流の周波数を高くすると、逆にインピーダンス変化率ΔZ/ΔHが低下する。そこで、導電体層103を設けて、感受部30の抵抗Rを低減させることで、緩和周波数fを高くしている。
このような導電体層103としては、導電性が高い金属または合金を用いることが好ましく、導電性が高く且つ非磁性の金属または合金を用いることがより好ましい。このような導電体層103としては、Al、Cu、Ag、Au等の金属が挙げられる。導電体層103の厚さは、例えば、10nm~1μmである。導電体層103は、導電体層103を含まない場合に比べて、感受部30の抵抗が低減されるものであればよい。
なお、磁区抑制層102を挟む上下の軟磁性体層101、及び導電体層103を挟む上下の軟磁性体層101は、互いに反強磁性結合(AFC:Antiferromagnetically Coupled)している。上下の軟磁性体層101が反強磁性結合することで、反磁界が抑制され、磁気センサ1の感度が向上する。
(磁気センサの製造)
本発明の実施の形態が適用される磁気センサ1は、次のようにして製造される。
まず、基板10上に、基板10の表面において、感受部30および突出部40の平面形状の部分を除いた部分を覆うフォトレジストのパターンを公知のフォトリソグラフィ技術により形成する。ついで、基板10上に、軟磁性体層101a、磁区抑制層102a、軟磁性体層101b、導電体層103、軟磁性体層101c、磁区抑制層102b、軟磁性体層101dを順に、例えばスパッタリング法により堆積する。そして、フォトレジスト上に堆積された軟磁性体層101a、磁区抑制層102a、軟磁性体層101b、導電体層103、軟磁性体層101c、磁区抑制層102b、軟磁性体層101dを、フォトレジストとともに除去する。すると、基板10上に、感受部30および突出部40の平面形状に加工された、軟磁性体層101a、磁区抑制層102a、軟磁性体層101b、導電体層103、軟磁性体層101c、磁区抑制層102b、軟磁性体層101dからなる積層体が残る。このようにして、図1(B)に示す積層構造が形成される。
軟磁性体層101は、長手方向と交差する方向、例えば短手方向に一軸磁気異方性が付与されている。なお、長手方向と交差する方向とは、長手方向に対して45°を超え、且つ90°以下の角度を有すればよい。一軸磁気異方性は、基板10上に形成された感受素子31を、例えば3kG(0.3T)の回転磁界中における400℃での熱処理(回転磁界中熱処理)と、それに引き続く3kG(0.3T)の静磁界中における400℃での熱処理(静磁界中熱処理)とを行うことで付与できる。一軸磁気異方性の付与を回転磁界中熱処理及び静磁界中熱処理で行う代わりに、感受素子31を構成する軟磁性体層101の堆積時にマグネトロンスパッタリング法を用いて行ってもよい。つまり、マグネトロンスパッタリング法に用いられる磁石(マグネット)が形成する磁界により、軟磁性体層101の堆積と同時に、軟磁性体層101に一軸磁気異方性が付与される。
以上に説明した製造方法では、接続部32、端子部33、突出部40は、感受素子31と同時に一体として形成される。
接続部32、端子部33は、導電性のAl、Cu、Ag、Au等の金属で形成してもよい。また、感受素子31と同時に一体に形成された接続部32、端子部33上に、導電性のAl、Cu、Ag、Au等の金属を積層してもよい。
さらに、突出部40は、感受素子31とは異なる種類の軟磁性体により構成されてもよい。
(磁界とインピーダンスとの関係)
ここで、図2を用いて、磁気センサの感受素子31の長手方向に印加された磁界と感受部30のインピーダンスとの関係を説明する。図2において、横軸が磁界H、縦軸がインピーダンスZである。
図2に示すように、感受部30のインピーダンスZは、感受素子31の長手方向に印加される磁界Hが0のとき値Z0をとる。そして、インピーダンスZは、磁界Hが大きくなるにしたがい大きくなり、磁界Hが異方性磁界Hkとなったとき最大値Zkとなる。そして、磁界Hが異方性磁界Hkより大きくなると逆に小さくなる。なお、インピーダンスZ0からインピーダンスZの最大値Zkへの変化量Zk-Z0を、インピーダンス変化量ΔZmaxと記載する。
磁界Hが異方性磁界Hkより小さい範囲において、磁界Hの変化量ΔHに対してインピーダンスZの変化量ΔZが大きい部分、つまりインピーダンス変化率ΔZ/ΔHが大きい部分を用いると、磁界Hの微弱な変化ΔHをインピーダンスZの変化量ΔZとして取り出すことができる。図2では、インピーダンス変化率ΔZ/ΔHが大きい磁界Hの中心を磁界Hbとして示している。つまり、磁界Hbの近傍(図2でΔHの矢印で示す範囲)における磁界Hの変化量ΔHが高精度に計測できる。
ここで、インピーダンス変化率ΔZ/ΔHが最も大きい部分、つまり磁界Hbにおける単位磁界当たりのインピーダンスの変化量Zmaxを、磁界HbでのインピーダンスZbで割ったもの(Zmax/Zb)が感度である。感度Zmax/Zbが高いほど、磁気インピーダンス効果が大きく、磁界又は磁界の変化を計測しやすい。換言すれば、磁界Hに対するインピーダンスZの変化が急峻なほど感度Zmax/Zbが高くなる。これには、異方性磁界Hkが小さいほどよい。また、インピーダンスの変化量ΔZmaxが大きいほどよい。
つまり、磁気センサにおいては、感度Zmax/Zbが高いことが好ましく、これには、異方性磁界Hkが小さいことが好ましい。また、インピーダンスの変化量ΔZmaxが大きいことが好ましい。
なお、以下の説明において、感度Zmax/Zbを感度Smaxと記載する。また、磁界Hbは、バイアス磁界Hbと呼ばれることがある。
(磁気センサ1の作用)
続いて、第1の実施形態が適用される磁気センサ1の作用を、突出部40を有しない従来の磁気センサ(以下、従来の磁気センサと表記する)1’と比較しながら説明する。
図3は、突出部40を有しない従来の磁気センサ1’の平面形状を示した図である。
従来の磁気センサ1’は、突出部40を有しないことを除いて図1(A)に示した磁気センサ1と同様の構成を有している。より詳しくは、従来の磁気センサ1’は、複数の感受素子31および接続部32、端子部33からなる感受部30と、非磁性の基板10とにより構成されている。
図4は、磁気センサ1,1’に対し予め定めた大きさの外部磁界を印加した場合の、感受部30における内部磁界の大きさのシミュレーション結果を示した図である。図4(A)は感受部30における内部磁界の大きさを長手方向に沿った分布として示し、図4(B)は磁気センサ1,1’の各ラインにおける内部磁界を示している。なお、図4(A)には、感受部30に係る磁界の大きさに加えて、磁気センサ1,1’について、感受素子31および接続部32、突出部40の形状を示している。
なお、このシミュレーションでは、磁気センサ1,1’に印加する外部磁界を10Oeとしている。また、磁気センサ1,1’における感受素子31の本数を24本(ライン1~ライン24)とし、感受素子31の幅W1が0.1mm、長さL1が4.2mm、隣接する感受素子31同士の間隙G1が0.05mmであり、さらに磁気センサ1の突出部40の長さL2を1.0mmとしている。
まず、図4(A)では、磁気センサ1,1’の感受部30における内部磁界の大きさを、長手方向に沿った分布として示している。横軸は、感受部30の長手方向の位置X(mm)、縦軸は、位置Xにおける内部磁界の大きさ(Oe)である。なお、感受部30の長手方向全体ではなく、破線で示す領域IVの結果のみを示している。
図4(A)に示すように、磁気センサ1では、従来の磁気センサ1’と比べて、感受部30における内部磁界の大きさが大きくなっている。そして、従来の磁気センサ1’で認められる長手方向の端部での急激な磁界の低下が、磁気センサ1では抑制されている。これにより、内部磁界は、長手方向に亘って均一になっている。
次に、図4(B)では、磁気センサ1,1’が備える感受素子31のライン1~24夫々における内部磁界の大きさを示している。横軸は、対応するラインの番号Nであり、縦軸は、ラインNにおける内部磁界の大きさの平均値(Oe)である。なお、エラーバーは、ラインNにおける内部磁界の大きさの分布を示す。
図4(B)に示すように、磁気センサ1では、従来の磁気センサ1’と比べて、感受部30のすべてのライン(ライン1~24)で内部磁界の大きさが大きくなっている。また、すべてのラインで内部磁界の大きさの分布(エラーバー)が小さくなっている。すなわち、磁気センサ1は、従来の磁気センサ1’と比べ、すべてのラインにおける内部磁界が長手方向に亘ってより均一になっている。
この結果、磁気センサ1では、図4(A),(B)に示すように、感受素子31に磁界が集中して、磁束密度が高くなる。また、感受素子31の端部における磁束密度の低下が抑制される。そして、従来の磁気センサ1’に比べ、感受素子31に係る磁界の大きさが長手方向に亘って均一になるとともに、感受素子31に係る磁界が大きくなる。
ここで、突出部40の効果について説明する。図5は、外部磁場を印加した場合の内部磁界の大きさを、磁気センサの長手方向全域に亘って示した図である。図5(A)は突出部を有しない従来の磁気センサ1’、図5(B)は突出部を有する磁気センサ1に対応する。なお、図5における矢印は、磁気センサを動作させる際に印加される電流を示している。
図5(A)に示す従来の磁気センサ1’では、感受素子31の中央部においては内部磁界が強くなるが、長手方向の両端においては内部磁界が急激に低下する。また、図5(A)に示すように、この従来の磁気センサ1’に電流を印加すると、内部磁界の弱い両端を電流が流れることになる。この結果、磁気センサ1’では、生じるインピーダンス変化が小さくなり、感度が低下する恐れがある。
一方、図5(B)に示す磁気センサ1では、突出部40を有することで、外部の広い範囲からの磁力線が感受素子31へ誘導される。また、感受素子31を通過した磁力線がそのまま突出部40を通過するように誘導される。従って、感受素子31の長手方向の両端における内部磁界の急激な低下が抑制される。言い換えると、内部磁界の弱い領域が、感受素子31の両端から、突出部40の端へ押し付けられる。そして、この磁気センサ1においては、電流が流れる部分の内部磁界が強く、且つ長手方向に亘って均一となる。この結果、磁気センサ1では、磁気センサ1’に比べ、生じるインピーダンス変化が大きくなり、感度が向上する。
表1に、本発明の実施の形態が適用される磁気センサ1および従来の磁気センサ1’について、平均磁界、異方性磁界Hk、インピーダンスの変化量ΔZmax、感度Smaxの値を示す。
表1における形状は、図1,3にて説明した磁気センサ1,1’の何れの構成に対応するかを示す。形状1は図1(A)に示す第1の実施形態が適用される磁気センサ1、形状1’は図3に示す従来の磁気センサ1’に夫々対応している。
表1に記載の実施例1~3および比較例1,2は、基板10がガラス基板、軟磁性体層101a~101dが厚さ500nmのCo17Nb3Zr層、磁区抑制層102a,102bが厚さ25nmのCrTi層、導電体層103が厚さ400nmのAg層である磁気センサである。
表1における平均磁界は、先述したコンピュータによるシミュレーション結果により求めた。より具体的には、磁気センサに対し10Oeの外部磁界を印加した場合に、磁気センサの各感受素子31における内部磁界の長さ方向における平均値を磁気センサが有するすべての感受素子31(すべてのライン)で平均した値である。
表1における異方性磁界Hk、インピーダンスの変化量ΔZmax、感度Smaxの各値は、各磁気センサにおいて、2つの端子部33の間に100MHzの高周波電流を流して測定して求めた。
Figure 2022150153000003
比較例1および実施例1は、何れも、幅W1=0.1mm、長さL1=4.2mmである24本の感受素子31が、間隙G1=0.05mmを介して並んだ構成を有している。また、実施例1は、長さL2=1.0mmの突出部40を備えている。
表1に示すように、実施例1では、比較例1に比べ、平均磁界が大きくなっている。さらに、異方性磁界Hkが低下し、インピーダンスの変化量ΔZmaxおよび感度Smaxが向上している。
比較例2および実施例2,3は、感受素子31の長さL1=3.2mmである点が比較例1および実施例1とは異なっている。また、実施例2は長さL2=1.0mm、実施例3は長さL2=1.5mmの突出部40を夫々備えている。
表1に示すように、実施例2,3では、比較例2に比べ、平均磁界が大きくなっている。また、異方性磁界Hkが低下し、インピーダンスの変化量ΔZmaxおよび感度Smaxが向上している。より長い突出部40を有する実施例3では、実施例2に比べ、平均磁界が大きくなっている。また、異方性磁界Hkが低下し、インピーダンスの変化量ΔZmaxおよび感度Smaxが向上している。
以上のように、本発明の実施の形態が適用される磁気センサ1(実施例1~3)では、突出部40を有することにより、従来の磁気センサ1’(比較例1,2)に対し感度が向上する。
また、突出部40の長さL2を長くすることにより感度の向上が認められたことから、磁気センサ1においては、突出部40の寸法を調整することで、所望の感度を得ることができる。
[第2の実施の形態]
(第2の実施形態が適用される磁気センサ2の構成)
次に、第2の実施の形態(以下、第2の実施形態と表記する)が適用される磁気センサ2の例について説明する。
図6は磁気センサの第2の実施形態を説明する図であり、(A)は磁気センサ2の平面図、(B)は(A)における領域IIIの拡大図である。
なお、以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態(図1)と同様の構成については、同一の符号を用い、説明を省略することがある。
図6(A)に示すように、磁気センサ2は、第1の実施形態が適用される磁気センサ1と同様に、非磁性の基板10と、基板10上に設けられ、磁界を感受する軟磁性体層を含む感受部30と、軟磁性体層を含む突出部40とを備える。
なお、磁気センサ2は、例えば、第1の実施形態が適用される磁気センサ1と同様の断面構造(図1(B)参照)を有する。
磁気センサ2の感受部30は、磁気センサ1と同様に、複数の感受素子31と、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する接続部32と、電流供給のための電線が接続される端子部33とを備える。
図6(B)に示すように、磁気センサ2の感受素子31は、長手方向の両端部の夫々に、中央部よりも短手方向の幅が広い幅広部311と、中央部から幅広部311に徐々に幅が広がるテーパ部312とを有する。テーパ部312は、長手方向に沿って伸びる2つの辺312a、312bを有し、2つの辺312a、312b同士の間隔が感受素子31の中央部に近づくに従い狭くなっている。
また、図6(B)の例では、テーパ部312のそれぞれの辺312a、312bと長手方向とがなす傾斜角θa、θbが、135度となっている。傾斜角θa、θbは、幅広部311や感受素子31の中央部の短手方向の幅等によっても異なるが、例えば110度以上且つ150度以下の範囲とすることができる。
ここで、図6(A)に示すように、磁気センサ2における複数の感受素子31は、長手方向の中央部における幅がW1、端部の幅広部311の幅がW2、長手方向の長さがL1の大きさで構成されている。なお、幅W2は、幅W1よりも大きくなっている。
この複数の感受素子31は、短手方向に間隙を介して並んでおり、この間隙は、感受素子31の幅がW2の部分(長手方向の端部の幅広部311の部分)ではG1、感受素子31の幅がW1の部分(長手方向の中央部)ではG2となっている。なお、磁気センサ1と同様に、短手方向に並ぶ複数の感受素子31の紙面下から数えて1本目、2本目、3本目、…を、夫々、ライン1、ライン2、ライン3、…と記載することがある。
接続部32は、感受素子31の長手方向の端部間に設けられ、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する。磁気センサ2では、感受素子31の端部が幅広部311を有しているので、この幅広部311の部分にて隣接する感受素子31を接続する。
突出部40は、感受素子31の幅広部311における短手方向の幅と等しい幅の矩形形状で構成されている。突出部40は、磁気センサ1と同様に、長手方向に向けて突出している。さらに、突出部40は、短手方向の幅が幅広部311の幅と等しいW2であり、長手方向の長さがL2である矩形形状である。これにより、突出部40の幅が感受素子31の幅よりも小さい場合に比べ、外部からの磁力線を感受素子31に誘導し易くなる。また、感受素子31を通過した磁力線を突出部40に誘導し易くなる。
(磁気センサ2の作用)
続いて、第2の実施形態が適用される磁気センサ2の作用を、突出部40を有しない従来の磁気センサ2’と比較しながら説明する。
図7は、突出部40を有しない従来の磁気センサ2’の平面形状を示した図である。
図7に示す従来の磁気センサ2’は、突出部40を有しないことを除いて図6(A)に示した磁気センサ2と同様の構成を有している。より詳しくは、従来の磁気センサ2’は、幅広部311およびテーパ部312を有する複数の感受素子31、接続部32、端子部33からなる感受部30と、非磁性の基板10とにより構成されている。
図8は、磁気センサ2,2’に対し予め定めた大きさの外部磁界を印加した場合の、感受部30における内部磁界の大きさのシミュレーション結果を示した図である。図8(A)は感受部30における内部磁界の大きさを長手方向に沿った分布として示し、図8(B)は磁気センサ2,2’の各ラインにおける内部磁界を示している。なお、図8(A)には、感受部30に係る磁界の大きさに加えて、磁気センサ2,2’について、感受素子31および接続部32、突出部40の形状を示している。
なお、このシミュレーションでは、磁気センサ2,2’に印加する外部磁界を10Oeとしている。また、磁気センサ2,2’における感受素子31の本数を8本(ライン1~ライン8)とし、感受素子31の幅W1が0.08mmかつW2が0.38mm、長さL1が3.9mm、隣接する感受素子31同士の間隙G1が0.12mmかつG2が0.42mm、傾斜角θa=θb=135度であり、さらに磁気センサ2の突出部40の長さL2を1.0mmとしている。
図8(A)に示すように、突出部40を有する磁気センサ2は、突出部40を有しない従来の磁気センサ2’と比べて、内部磁界が大きくなっている。また、長手方向の端部での磁界の低下が抑制されている。
次に、図8(B)では、磁気センサ2,2’が備える感受素子31のライン1~8夫々における内部磁界の大きさを示している。横軸は、対応するラインの番号Nであり、縦軸は、ラインNにおける内部磁界の大きさの平均値(Oe)である。なお、エラーバーは、ラインNにおける内部磁界の大きさの分布を示す。
図8(B)に示すように、磁気センサ2では、従来の磁気センサ2’と比べて、感受部30のすべてのライン(ライン1~8)で内部磁界の大きさが大きくなっている。
第2の実施形態が適用される磁気センサ2では、感受素子31の幅広部311における短手方向の幅と等しい幅の突出部40を有することで、外部の広い範囲からの磁力線が感受素子31へ誘導される。また、感受素子31を通過した磁力線がそのまま突出部40を通過するように誘導する。
この結果、磁気センサ2では、従来の磁気センサ2’に比べ、感受素子31に磁界が集中して、磁束密度が高くなる。また、感受素子31の端部における磁束密度の低下が抑制される。そして、従来の磁気センサ2’に比べ、感受素子31に係る磁界が大きくなる。
さらに、図4と図8とを参照すると、磁気センサ2は、磁気センサ1と比べて、感受素子31の内部磁界が大きくなっている。
磁気センサ2では、感受素子31の端部に幅広部311およびテーパ部312を有するため、感受素子31が矩形形状である磁気センサ1に比べ、上記した磁力線を誘導する作用がより大きくなる。この結果、磁気センサ2では、磁気センサ1に比べ、感受素子31に係る磁界が大きくなる。
表2に、本発明の実施の形態が適用される磁気センサ2および従来の磁気センサ2’について、平均磁界、異方性磁界Hk、インピーダンスの変化量ΔZmax、感度Smaxの値を示す。
表2における形状は、図6,7にて説明した磁気センサ2,2’の何れの構成に対応するかを示す。形状2は図6(A)に示す第2の実施形態が適用される磁気センサ2、形状2’は図7に示す従来の磁気センサ2’に夫々対応している。
表2に記載の実施例4および比較例3は、表1に記載の実施例1~3および比較例1,2と同様に、基板10がガラス基板、軟磁性体層101a~101dが厚さ500nmのCo17Nb3Zr層、磁区抑制層102a,102bが厚さ25nmのCrTi層、導電体層103が厚さ400nmのAg層である磁気センサである。
また、表2における平均磁界、異方性磁界Hk、インピーダンスの変化量ΔZmax、感度Smaxの各値は、表1に記載の各値と同様にして求めた。
Figure 2022150153000004
比較例3および実施例4は、何れも、幅W1=0.08mm、W2=0.38mm、長さL1=3.9mmであり、テーパ部312の傾斜角θa=θb=135度である8本の感受素子31が、間隙G1=0.12mm、G2=0.42mmを介して並んだ構成を有している。また、実施例4のみ長さL2=1.0mmの突出部40を備えている。
表2に示すように、実施例4では、比較例3に比べ、平均磁界が大きくなっている。また、異方性磁界Hkが低下し、感度Smaxが向上している。
さらに、幅広部311およびテーパ部312を有する感受素子31を備えた実施例4では、矩形形状の感受素子31を備えた実施例1~3(表1参照)に比べ、平均磁界が大きくなっている。また、異方性磁界Hkが低下し、感度Smaxが向上している。
以上のように、本発明の実施の形態が適用される磁気センサ2(実施例4)では、突出部40を有することにより、従来の磁気センサ2’(比較例3)に対し感度が向上する。
また、幅広部311およびテーパ部312を有する感受素子31を備えた磁気センサ2(実施例4)では、矩形形状の感受素子31を備えた磁気センサ1(実施例1~3)に対し、感度が向上する。このように、幅広部311およびテーパ部312の付加により感度の向上が認められたことから、感受素子31の形状を調整することで、所望の感度を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。
例えば、第1の実施形態および第2の実施形態では、複数の感受素子31を備えた磁気センサ1,2について説明したが、図9に示すように、感受素子31が1本である磁気センサ3においても、突出部40を備えることにより、突出部40を有しない場合に比べ、感度が向上する。
また例えば、磁気センサ1,2,3において、接続部32の幅を調整してもよい。
ここで、図10は、表1の実施例1に対し、接続部32の幅を調整した変形例について説明する図である。図10(A)は実施例1、図10(B)~(D)は変形例1~4の平面形状を示す。なお、図10では、基板10等、磁気センサの構造の一部を省略している。
図10(B),(C)には、実施例1に対し接続部32の長手方向の幅を広くした変形例1と、さらに幅を広くした変形例2とを夫々示す。
ここで、接続部32の長手方向の幅が広くなるに従って感受素子31の長さL1が大きくなる。変形例1,2では、長さL1が大きくなった分、突出部40の長さL2を小さくしており、長さの和L1+L2が実施例1と変形例1,2とで等しくなるように構成している。なお、図示するように、変形例1,2の複数の感受素子31のうち、短手方向の端に並ぶ感受素子31′は、長手方向の一端(図中右側)において接続部32と接続されていない。従って、この感受素子31′の一端から突出する突出部40′の長さL2′は、実施例1における長さL2と等しくなっている。
また、図10(D)に示す変形例3は、長さの和L1+L2が実施例1と等しく、且つ接続部32の幅がさらに大きくなるように構成した結果、感受素子31の端部から突出する突出部40を有しない(L2=0)。しかしながら、短手方向の端に並ぶ感受素子31′では、長手方向の一端(図中右側)から、実施例1の突出部の長さL2と等しい長さL2′にて、突出部40′が突出している。
このように複数の感受素子を備える磁気センサにおいては、少なくとも1つの感受素子にて、長手方向の端部から突出した突出部を備えていればよい。
さらに、図10(E)に示す変形例4は、変形例3に対し、感受素子31′の長手方向の端部の形状および突出部40′の形状のみ異なっている。より詳しくは、感受素子31′は、長手方向の端部のうち、突出部40′が突出する端部とは異なる側(図中左側)において、短手方向に延びる台形形状の羽根部41aを有している。また、感受素子31′の突出部40′は、短手方向に延びる略台形形状の羽根部41bを有している。
このように、接続部32の幅を大きくすることに加えて、感受素子31(31′)および突出部40(40′)を矩形形状とは異なる形状へ変更してもよい。
上記した変形例1~4においても、実施例1と略同等の効果を得ることができる。より詳しくは、変形例1~4は、平均磁界およびHk,ΔZmax,Smaxの値が実施例1と略同等の磁気センサとして機能する。
また、磁気センサ1,2,3では、感受素子31の長手方向の端部から長手方向(長手方向と平行な向き)に突出する突出部40を例示したが、突出部40が長手方向とは異なる方向(長手方向と交差する向き)に突出してもよい。言い換えると、突出部40は、長手方向に対し傾斜するように設けられていてもよい。
さらに、磁気センサ1,2,3では、感受素子31の長手方向の両端に同じ長さ、同じ形状の突出部40を有する例を説明したが、両端の突出部40の長さや形状を異ならせてもよい。また、上記した変形例3,4における突出部40′のように、長手方向の何れか一端のみに突出部を備えてもよい。
1,2…磁気センサ、1’,2’…従来の磁気センサ、10…基板、30…感受部、31…感受素子、32…接続部、33…端子部、40…突出部、101…軟磁性体層、102…磁区抑制層、103…導電体層、311…幅広部、312…テーパ部

Claims (7)

  1. 非磁性の基板と、
    前記基板上に設けられ、軟磁性体を含み、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子と、
    軟磁性体を含み、前記感受素子の前記長手方向の端部から突出する突出部とを備える
    ことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記突出部は、前記長手方向に突出していることを特徴とする、請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記感受素子は、前記長手方向の端部に、当該長手方向の中央部よりも前記短手方向の幅が広い幅広形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の磁気センサ。
  4. 前記感受素子は、前記幅広形状から前記中央部に向けて幅が狭まるテーパ形状を有することを特徴とする、請求項3に記載の磁気センサ。
  5. 前記突出部は、前記感受素子の前記短手方向における最大幅と等しい幅を有することを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気センサ。
  6. 非磁性の基板と、
    前記基板上に設けられ、軟磁性体を含み、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受し、当該短手方向へ間隙を介して並ぶ複数の感受素子と、
    前記短手方向に隣接する前記感受素子の前記長手方向の端部を接続する接続部と、
    少なくとも1つの前記感受素子にて、軟磁性体を含み、当該感受素子の前記長手方向の端部から突出する突出部とを備える
    ことを特徴とする、磁気センサ。
  7. 前記接続部を複数有し、
    複数の前記感受素子は、複数の前記接続部によってつづら折り状に直列接続される
    ことを特徴とする、請求項6に記載の磁気センサ。
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