本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による位置推定装置の概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による位置推定装置10は、測定器1,2と、カメラ3と、処理手段4と、推定手段5とを備える。
測定器1は、端末装置から送信された電波を遮蔽物を介して受信し、電波を受信したときの受信信号強度RSSIの経過時間依存性を示す受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1を測定する。そして、測定器1は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1を処理手段4へ出力する。
測定器2は、測定器1と異なる位置に配置されるとともに、端末装置から送信された電波を遮蔽物を介して受信し、電波を受信したときの受信信号強度RSSIの経過時間依存性を示す受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2を測定する。そして、測定器1は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2を処理手段4へ出力する。
カメラ3は、例えば、GRB-Dカメラからなり、3次元座標からなる遮蔽物の位置の経過時間依存性を示す位置タイミングチャートPS_CHTを検出し、その検出した位置タイミングチャートPS_CHTを推定手段5へ出力する。
処理手段4は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1を測定器1から受け、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2を測定器2から受ける。
そして、処理手段4は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1に基づいて、後述する方法によって、電波が遮蔽物によって遮られた状態である遮蔽状態と電波が遮蔽物によって遮られていない状態である非遮蔽状態との経過時間依存性を示す遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1を生成する。
また、処理手段4は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2に基づいて、後述する方法によって、遮蔽状態と非遮蔽状態との経過時間依存性を示す遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_2を生成する。
そうすると、処理手段4は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1,SHD/UNSHD_CHT_2を推定手段5へ出力する。
推定手段5は、測定器1の位置を示す座標(x1,z1)と、測定器2の位置を示す座標(x2,z2)とを予め保持する。推定手段5は、カメラ3から位置タイミングチャートPS_CHTを受け、処理手段4から遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1,SHD/UNSHD_CHT_2を受ける。
そして、推定手段5は、位置タイミングチャートPS_CHTおよび遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1,SHD/UNSHD_CHT_2に基づいて、後述する方法によって、端末装置の位置を推定する。
図2は、図1に示す測定器1,2およびカメラ3が配置される部屋の概略図である。図2においては、x-y-z軸を規定する。x軸は、図2の紙面において、上側から下側に向かう方向が正の方法である。y軸は、部屋20の高さ方向に沿って設定される。y軸は、図2の紙面において、奥側から手前に向かう方向が正の方向である。x-z平面が部屋20の底面である。従って、図2は、上側から部屋20を見たときの測定器1,2、カメラ3、端末装置30および基地局40の配置関係を示す平面図である。
図2を参照して、測定器1,2は、部屋20の壁21からz軸方向に所定の距離だけ離れた位置において、x軸方向の相互に異なる位置に配置される。カメラ3は、部屋20の底面から所定の高さにおいて壁21に固定される。
図3は、図1に示す測定器1,2およびカメラ3が配置される部屋の別の概略図である。図3においても、x-y-z軸を規定する。図3において、x軸は、図3の紙面上、奥側から手前に向かう方向が正である。
図3を参照して、測定器1,2、端末装置30および基地局40は、部屋20の底面22から所定の高さに配置される。カメラ3は、測定器1,2よりも高い位置において壁21に固定される。なお、図3においては、端末装置30が図示されていないが、端末装置30は、図3の紙面において基地局40の奥側に配置される。従って、図3は、側面から部屋20を見たときの測定器1,2、カメラ3、端末装置30および基地局40の配置関係を示す平面図である。
部屋20は、例えば、z軸方向の長さが7mであり、y軸方向の長さが6mであり、x軸方向の長さが6mである。
端末装置30は、基地局40への上りリンクにおいて電波を基地局40へ送信する。測定器1,2と端末装置30との間には、移動する遮蔽物50が存在する。遮蔽物50は、例えば、人間である。
その結果、測定器1は、端末装置30が上りリンクにおいて基地局40へ送信した電波を遮蔽物50を介して傍受し、受信信号強度タイミングチャートSHD/UNSHD_CHT_1を測定する。また、測定器2は、測定器1と異なる位置において、端末装置30が上りリンクにおいて基地局40へ送信した電波を遮蔽物50を介して傍受し、受信信号強度タイミングチャートSHD/UNSHD_CHT_2を測定する。更に、カメラ3は、遮蔽物50を撮影し、位置タイミングチャートPS_CHTを取得する。
図2および図3に示す測定器1,2、カメラ3、端末装置30および基地局40の配置関係において、遮蔽物50としてホワイトボードを用いて測定器1,2における受信信号強度RSSIを測定する実験を行ったときの結果について説明する。
実験においては、人間によってホワイトボードを移動させた。測定器1,2および端末装置30として、MacBook Proを用い、カメラ3として、ZED Stereo Cameraを用いた。また、通信環境は、周波数が5GHzであり、チャネルが44である。
図4は、実験における受信信号強度と経過時間との関係を示す図である。図4において、縦軸は、受信信号強度RSSIを表し、横軸は、経過時間を表す。
また、曲線k1は、測定器1における受信信号強度と経過時間との関係を示し、曲線k2は、測定器2における受信信号強度と経過時間との関係を示す。
図4を参照して、受信信号RSSIは、複数の時間区間において減衰する。そして、曲線k1において、受信信号強度RSSIが減衰する時間区間は、曲線k2において、受信信号強度RSSIが減衰する時間区間と異なる(曲線k1,k2参照)。
なお、曲線k1によって示す受信信号強度RSSIと経過時間との関係は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1を構成し、曲線k2によって示す受信信号強度RSSIと経過時間との関係は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2を構成する。
図5は、x-z平面における測定器1,2、カメラ3および端末装置30と遮蔽物50との相互の位置関係を示す図である。
図5において、縦軸は、z軸方向の位置を表し、横軸は、x軸方向の位置を表す。なお、x軸は、カメラ3の配置位置を原点とする。
図5を参照して、遮蔽物50の位置は、カメラ3によって検出された遮蔽物50の3次元座標における(x,z)座標からなる。そして、遮蔽物50は、x軸方向において、約-2m~約1.6mの範囲、z軸方向において、約1.9m~約3.7mの範囲で移動したことが分かる。また、遮蔽物50の移動範囲は、端末装置30と測定器1,2との間の領域に存在する。
従って、測定器1,2は、移動する遮蔽物50を介して、端末装置30から基地局40へ送信された電波を受信し、電波を受信したときの受信信号強度RSSIを測定したことが分かる。
図6は、カットオフ周波数を算出する方法を説明するための図である。図6の(a),(b)において、縦軸は、受信信号強度RSSIを表し、横軸は、経過時間を表す。曲線k1は、測定器1によって測定された受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示し、曲線k2は、測定器2によって測定された受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示す。
図6の(a)を参照して、処理手段4は、曲線k1に基づいて、電波の受信信号強度RSSIが減衰し始める時間t1,t2,t3,t4と電波の受信信号強度RSSIが減衰し終わる時間t5,t6,t7,t8とを検出する。
そして、処理手段4は、時間t5から時間t1を減算して受信信号強度RSSIが減衰している時間区間Titv_1を算出する。処理手段4は、同様にして、時間t2,t6に基づいて時間区間Titv_2を算出し、時間t3,t7に基づいて時間区間Titv_3を算出し、時間t4,t8に基づいて時間区間Titv_4を算出する。
そうすると、処理手段4は、4個の時間区間Titv_1~Titv_4の平均時間を算出し、その算出した平均時間の逆数の2倍をカットオフ周波数fOFF_1として算出する。
図6の(b)を参照して、処理手段4は、曲線k2に基づいて、電波の受信信号強度RSSIが減衰し始める時間t9,t10,t11,t12と電波の受信信号強度RSSIが減衰し終わる時間t13,t14,t15,t16とを検出する。そして、処理手段4は、図6の(a)において説明した方法と同じ方法によって、時間t9~t16に基づいて4個の時間区間Titv_5~Titv_8を算出し、4個の時間区間Titv_5~Titv_8の平均時間の逆数の2倍をカットオフ周波数fOFF_2として算出する。
このように、処理手段4は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1(=曲線k1)または受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2(=曲線k2)に基づいて、受信信号強度RSSIが減衰している複数の時間区間を検出し、標本化定理に基づいて、複数の時間区間の平均時間の逆数の2倍をカットオフ周波数として算出する。
図7は、受信信号強度と経過時間との関係を示す図である。図7において、縦軸は、受信信号強度RSSIを表し、横軸は、経過時間を表す。曲線k1は、測定器1によって測定された受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示し、曲線k2は、測定器2によって測定された受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示す。曲線k3は、曲線k1をローパスフィルタLPF1で処理した後の受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示し、曲線k4は、曲線k2をローパスフィルタLPF2で処理した後の受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示す。
図7を参照して、処理手段4は、カットオフ周波数fOFF_1を有するローパスフィルタLPF1で曲線k1を処理してカットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を曲線k1から除去し、曲線k3を生成する。また、処理手段4は、カットオフ周波数fOFF_2を有するローパスフィルタLPF2で曲線k2を処理してカットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を曲線k2から除去し、曲線k4を生成する。
その結果、曲線k3は、曲線k1よりも受信信号強度RSSIのばらつきが小さい受信信号強度RSSIの経過時間依存性からなり、曲線k4は、曲線k2よりも受信信号強度RSSIのばらつきが小さい受信信号強度RSSIの経過時間依存性からなる。
図8は、遮蔽状態と非遮蔽状態とを分類する方法を説明するための図である。図8において、曲線k3は、ローパスフィルタLPF1によってカットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を曲線k1から除去した後の受信信号強度の経過時間依存性を示す。
処理手段4は、曲線k3によって示される受信信号強度の経過時間依存性に基づいて、曲線k3の各点をk-means法によって遮蔽状態と非遮蔽状態とに分類する。
より具体的には、処理手段4は、時間区間SECにおいて一定の時間毎に曲線k3上のN個の点P1~PNを検出する。ここで、N個は、受信信号強度RSSIが減衰している少なくとも1つの領域と受信信号強度RSSIが殆ど減衰していない少なくとも1つの領域とを含むように決定された個数からなる。
点P1~PNの各々は、(時間t,受信信号強度RSSI)からなる。処理手段4は、次の工程(I)~(IV)を実行することによって、k-means法によってN個の点P1~PNを遮蔽状態からなるクラスタAと非遮蔽状態からなるクラスタBとに分類する。
(I)N個の点P1~PNをランダムにクラスタA,Bに割り振る。
(II)クラスタA,Bの各々に割り振られた点について重心を算出する。
(III)各点について、算出された重心からの距離を算出し、各点を距離が一番近い重心のクラスタに割り振り直す。
(IV)各点に割り振られるクラスタが変化しなくなるまで工程(II),(III)を繰り返し実行する。
図9は、k-means法によって遮蔽状態と非遮蔽状態とに分類した結果を示す図である。図9の(a)は、曲線k3に基づいて曲線k3上の各点をk-means法によって遮蔽状態と非遮蔽状態とに分類した結果を示し、図9の(b)は、曲線k4に基づいて曲線k4上の各点をk-means法によって遮蔽状態と非遮蔽状態とに分類した結果を示す。
図9の(a)を参照して、処理手段4は、曲線k3に基づいてクラスタAに分類された点(点P1~PNのうちの一部の点からなる。)に基づいて遮蔽状態SHL_1,SHL_2,SHL_3,SHL_4を検出し、クラスタBに分類された点(点P1~PNのうちの残りの点からなる。)に基づいて非遮蔽状態UNSHL_1,UNSHL_2,UNSHL_3,UNSHL_4,UNSHL_5を検出する。ここで、k-means法によって分類された2つのクラスタのうち、受信信号強度RSSIの最小値または平均値が小さい方のクラスタが遮蔽状態SHL_1,SHL_2,SHL_3,SHL_4を示すクラスタAであり、受信信号強度RSSIの最小値または平均値が大きい方のクラスタが非遮蔽状態UNSHL_1,UNSHL_2,UNSHL_3,UNSHL_4,UNSHL_5を示すクラスタBである。
そして、処理手段4は、遮蔽状態SHL_1が始まる点の時間を遮蔽状態SHL_1の開始時間Tstart_1として検出し、遮蔽状態SHL_1が終わる点の時間を遮蔽状態SHL_1の終了時間Tend_1として検出する。同様にして、処理手段4は、遮蔽状態SHL_2の開始時間Tstart_2と遮蔽状態SHL_2の終了時間Tend_2とを検出し、遮蔽状態SHL_3の開始時間Tstart_3と遮蔽状態SHL_3の終了時間Tend_3とを検出し、遮蔽状態SHL_4の開始時間Tstart_4と遮蔽状態SHL_4の終了時間Tend_4とを検出する。
図9の(b)を参照して、処理手段4は、曲線k4に基づいてクラスタAに分類された点(点P1~PNのうちの一部の点からなる。)に基づいて遮蔽状態SHL_5,SHL_6,SHL_7,SHL_8を検出し、クラスタBに分類された点(点P1~PNのうちの残りの点からなる。)に基づいて非遮蔽状態UNSHL_6,UNSHL_7,UNSHL_8,UNSHL_9,UNSHL_10を検出する。
そして、処理手段4は、図9の(a)において説明した方法によって、遮蔽状態SHL_5の開始時間Tstart_5と遮蔽状態SHL_5の終了時間Tend_5とを検出し、遮蔽状態SHL_6の開始時間Tstart_6と遮蔽状態SHL_6の終了時間Tend_6とを検出し、遮蔽状態SHL_7の開始時間Tstart_7と遮蔽状態SHL_7の終了時間Tend_7とを検出し、遮蔽状態SHL_8の開始時間Tstart_8と遮蔽状態SHL_8の終了時間Tend_8とを検出する。
なお、図9の(a)に示す遮蔽状態SHL_1,SHL_2,SHL_3,SHL_4および非遮蔽状態UNSHL_1,UNSHL_2,UNSHL_3,UNSHL_4,UNSHL_5の経過時間依存性は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1を構成し、図9の(b)に示す遮蔽状態SHL_5,SHL_6,SHL_7,SHL_8および非遮蔽状態UNSHL_6,UNSHL_7,UNSHL_8,UNSHL_9,UNSHL_10の経過時間依存性は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_2を構成する。
従って、処理手段4は、測定器1によって測定された受信信号強度タイミングチャート(=図4に示す曲線k1)に基づいて遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1を生成し、測定器2によって測定された受信信号強度タイミングチャート(=図4に示す曲線k2)に基づいて遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_2を生成する。
図10は、遮蔽物50の位置の経過時間依存性を示す図である。図10において、縦軸は、遮蔽物50の位置を表し、横軸は、経過時間を表す。遮蔽物50の位置は、3次元座標(x,y,z)からなる。
カメラ3は、例えば、図10に示す遮蔽物50の位置の経過時間依存性を検出する。この遮蔽物50の位置の経過時間依存性は、位置タイミングチャートPS_CHTを構成する。
図10の(a)を参照して、推定手段5は、図9の(a)に示す遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1(曲線k3参照)を処理手段4から受けると、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1(曲線k3参照)における遮蔽状態SHL_1~SHL_4の開始時間Tstart_1~Tstart_4を検出し、その検出した開始時間Tstart_1~Tstart_4と同じ時間における位置PSstart_1~PSstart_4を位置タイミングチャートPS_CHTから検出する(図10の(a)参照)。
また、推定手段5は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_1(曲線k3参照)における遮蔽状態SHL_1~SHL_4の終了時間Tend_1~Tend_4を検出し、その検出した終了時間Tend_1~Tend_4と同じ時間における位置PSend_1~PSend_4を位置タイミングチャートPS_CHTから検出する(図10の(a)参照)。
図10の(b)を参照して、推定手段5は、図9の(b)に示す遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_2(曲線k4参照)を処理手段4から受けると、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_2(曲線k4参照)における遮蔽状態SHL_5~SHL_8の開始時間Tstart_5~Tstart_8を検出し、その検出した開始時間Tstart_5~Tstart_8と同じ時間における位置PSstart_5~PSstart_8を位置タイミングチャートPS_CHTから検出する(図10の(b)参照)。
また、推定手段5は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_2(曲線k4参照)における遮蔽状態SHL_5~SHL_8の終了時間Tend_5~Tend_8を検出し、その検出した終了時間Tend_5~Tend_8と同じ時間における位置PSend_5~PSend_8を位置タイミングチャートPS_CHTから検出する(図10の(b)参照)。
図11は、遮蔽物50の位置(x座標およびz座標からなる。)および受信信号強度の経過時間依存性を示す図である。
図11において、縦軸は、受信信号強度RSSIおよび遮蔽物50の位置のx座標およびz座標を表し、横軸は、経過時間を表す。また、図11の(a)は、図9の(a)に示す受信信号強度RSSIの経過時間依存性(曲線k3参照)と、遮蔽物50の位置のx座標およびz座標の経過時間依存性を示し、図11の(b)は、図9の(b)に示す受信信号強度RSSIの経過時間依存性(曲線k4参照)と、遮蔽物50の位置のx座標およびz座標の経過時間依存性を示す。
図11の(a)を参照して、推定手段5は、図10の(a)に示す遮蔽物50の位置と経過時間との関係に基づいて、各経過時間における遮蔽物50の位置のx座標およびz座標を検出して遮蔽物50の位置のx座標の経過時間依存性k5を作成するとともに遮蔽物50の位置のz座標の経過時間依存性k6を生成する。また、推定手段5は、図9の(a)に示す受信信号強度RSSIの経過時間依存性を図11の(a)に示す受信信号強度RSSIの経過時間依存性とする。
そうすると、推定手段5は、遮蔽状態SHL_1の開始時間Tstart_1におけるx座標xstart_1および遮蔽状態SHL_1の終了時間Tend_1におけるx座標xend_1を図11の(a)に示すx座標の経過時間依存性k5から検出する。また、推定手段5は、遮蔽状態SHL_1の開始時間Tstart_1におけるz座標zstart_1および遮蔽状態SHL_1の終了時間Tend_1におけるz座標zend_1を図11の(a)に示すz座標の経過時間依存性k6から検出する。
以下、同様にして、推定手段5は、遮蔽状態SHL_2,SHL_3,SHL_4の開始時間Tstart_2,Tstart_3,Tstart_4におけるx座標xstart_2,xstart_3,xstartd_4および遮蔽状態SHL_2,SHL_3,SHL_4の終了時間Tend_2,Tend_3,Tend_4におけるx座標xend_2,xend_3,xend_4を検出する。また、推定手段5は、遮蔽状態SHL_2,SHL_3,SHL_4の開始時間Tstart_2,Tstart_3,Tstart_4におけるz座標zstart_2,zstart_3,zstart_4および遮蔽状態SHL_2,SHL_3,SHL_4の終了時間Tend_2,Tend_3,Tend_4におけるz座標zend_2,zend_3,zend_4を検出する。
図11の(b)を参照して、推定手段5は、図11の(a)において説明した方法によって、図10に示す遮蔽物50の位置と経過時間との関係に基づいて、各経過時間における遮蔽物50の位置のx座標およびz座標を検出して遮蔽物50の位置のx座標の経過時間依存性(曲線k7)を作成するとともに遮蔽物50の位置のz座標の経過時間依存性(曲線k8)を生成する。また、推定手段5は、図9の(b)に示す受信信号強度RSSIの経過時間依存性を図11の(b)に示す受信信号強度RSSIの経過時間依存性とする。
そして、推定手段5は、図11の(a)において説明した方法によって、遮蔽状態SHL_5,SHL_6,SHL_7,SHL_8の開始時間Tstart_5,Tstart_6,Tstart_7,Tstart_8におけるx座標xstart_5,xstart_6,xstart_7,xstart_8および遮蔽状態SHL_5,SHL_6,SHL_7,SHL_8の終了時間Tend_5,Tend_6,Tend_7,Tend_8におけるx座標xend_5,xend_6,xend_7,xend_8を検出する。また、推定手段5は、図11の(a)において説明した方法によって、遮蔽状態SHL_5,SHL_6,SHL_7,SHL_8の開始時間Tstart_5,Tstart_6,Tstart_7,Tstart_8におけるz座標zstart_5,zstart_6,zstart_7,zstart_8および遮蔽状態SHL_5,SHL_6,SHL_7,SHL_8の終了時間Tend_5,Tend_6,Tend_7,Tend_8におけるz座標zend_5,zend_6,zend_7,zend_8を検出する。
測定器1,2と、遮蔽状態SHL_1~SHL_8と、遮蔽状態SHL_1~SHL_8の開始時間Tstart_1~Tstart_8/終了時間Tend_1~Tend_8と、遮蔽状態SHL_1~SHL_8の開始時間Tstart_1~Tstart_8における遮蔽物50の位置(xstart_1,zstart_1)~(xstart_8,zstart_8)および遮蔽状態SHL_1~SHL_8の終了時間Tend_1~Tend_8における遮蔽物50の位置(xend_1,zend_1)~(xend_8,zend_8)との対応関係を表1に示す。
表1においては、遮蔽状態SHL_1~SHL_4は、測定器1が測定した受信信号強度RSSIの経過時間依存性(図4の曲線k1参照)に基づいて検出されるので、測定器1に対応付けられる。そして、開始時間Tstart_1および終了時間Tend_1は、遮蔽状態SHL_1に対応付けられ、位置(xstart_1,zstart_1)は、開始時間Tstart_1に対応付けられ、位置(xend_1,zend_1)は、終了時間Tend_1に対応付けられる。
また、開始時間Tstart_2および終了時間Tend_2は、遮蔽状態SHL_2に対応付けられ、位置(xstart_2,zstart_2)は、開始時間Tstart_2に対応付けられ、位置(xend_2,zend_2)は、終了時間Tend_2に対応付けられる。
更に、開始時間Tstart_3および終了時間Tend_3は、遮蔽状態SHL_3に対応付けられ、位置(xstart_3,zstart_3)は、開始時間Tstart_3に対応付けられ、位置(xend_3,zend_3)は、終了時間Tend_3に対応付けられる。
更に、開始時間Tstart_4および終了時間Tend_4は、遮蔽状態SHL_4に対応付けられ、位置(xstart_4,zstart_4)は、開始時間Tstart_4に対応付けられ、位置(xend_4,zend_4)は、終了時間Tend_4に対応付けられる。
また、表1においては、遮蔽状態SHL_5~SHL_8は、測定器2が測定した受信信号強度RSSIの経過時間依存性(図4の曲線k2参照)に基づいて検出されるので、測定器2に対応付けられる。そして、開始時間Tstart_5および終了時間Tend_5は、遮蔽状態SHL_5に対応付けられ、位置(xstart_5,zstart_5)は、開始時間Tstart_5に対応付けられ、位置(xend_5,zend_5)は、終了時間Tend_5に対応付けられる。
また、開始時間Tstart_6および終了時間Tend_6は、遮蔽状態SHL_6に対応付けられ、位置(xstart_6,zstart_6)は、開始時間Tstart_6に対応付けられ、位置(xend_6,zend_6)は、終了時間Tend_6に対応付けられる。
更に、開始時間Tstart_7および終了時間Tend_7は、遮蔽状態SHL_7に対応付けられ、位置(xstart_7,zstart_7)は、開始時間Tstart_7に対応付けられ、位置(xend_7,zend_7)は、終了時間Tend_7に対応付けられる。
更に、開始時間Tstart_8および終了時間Tend_8は、遮蔽状態SHL_8に対応付けられ、位置(xstart_8,zstart_8)は、開始時間Tstart_8に対応付けられ、位置(xend_8,zend_8)は、終了時間Tend_8に対応付けられる。
従って、推定手段5は、表1によれば、遮蔽状態SHL_1~SHL_8の開始時間Tstart_1~Tstart_8における遮蔽物50の位置(xstart_1,zstart_1)~(xstart_8,zstart_8)および終了時間Tend_1~Tend_8における遮蔽物50の位置(xend_1,zend_1)~(xend_8,zend_8)を検出する。
図12は、表1に示す遮蔽物50のx座標xstart_1~xstart_8およびz座標zstart_1~zstart_8をプロットした図である。
図12を参照して、推定手段5は、表1に示す遮蔽物50の位置(xstart_1,zstart_1),(xend_1,zend_1);(xstart_2,zstart_2),(xend_2,zend_2);(xstart_3,zstart_3),(xend_3,zend_3);(xstart_4,zstart_4),(xend_4,zend_4)をx-z平面にプロットする。その結果、領域REG1に含まれる五角形およびREG2に含まれる五角形がx-z平面にプロットされる。なお、図12においては、五角形は、領域REG1内に3個しか存在しないが、これは、遮蔽状態SHL_1~SHL_4のうちの2つの遮蔽状態の開始時間における位置(x座標,z座標)が同じであるからである。
また、推定手段5は、表1に示す遮蔽物50の位置(xstart_5,zstart_5),(xend_5,zend_5);(xstart_6,zstart_6),(xend_6,zend_6);(xstart_7,zstart_7),(xend_7,zend_7);(xstart_8,zstart_8),(xend_8,zend_8)をx-z平面にプロットする。その結果、領域REG3に含まれる円形およびREG4に含まれる円形がx-z平面にプロットされる。
領域REG1に含まれる3個の五角形は、遮蔽状態SHL_1~SHL_4の開始時間Tstart_1~Tstart_4における遮蔽物50の位置(xstart_1,zstart_1)~(xstart_4,zstart_4)を表す。
また、領域REG2に含まれる4個の五角形は、遮蔽状態SHL_1~SHL_4の終了時間Tend_1~Tend_4における遮蔽物50の位置(xend_1,zend_1)~(xend_4,zend_4)を表す。
更に、領域REG3に含まれる4個の円形は、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の開始時間Tstart_5~Tstart_8における遮蔽物50の位置(xstart_5,zstart_5)~(xstart_8,zstart_8)を表す。
更に、領域REG4に含まれる4個の円形は、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の終了時間Tend_5~Tend_8における遮蔽物50の位置(xend_1,zend_1)~(xend_4,zend_4)を表す。
図13は、図12においてプロットした遮蔽物50の位置と測定器1の位置を通過する直線を示す図である。
図13を参照して、直線L1は、図12に示す領域REG1に含まれる遮蔽物50の位置の1つ(即ち、1つの遮蔽状態SHL_1の開始時間における遮蔽物50の位置)と測定器1とを通過する直線であり、直線L2は、図12に示す領域REG2に含まれる遮蔽物50の位置の1つ(即ち、1つの遮蔽状態SHL_1の終了時間における遮蔽物50の位置)と測定器1とを通過する直線である。
推定手段5は、1つの遮蔽状態SHL_1の開始時間における遮蔽物50の位置と測定器1の位置とに基づいて直線L1を求め、1つの遮蔽状態SHL_1の終了時間における遮蔽物50の位置と測定器1の位置とに基づいて直線L2を求める。
図14は、図12においてプロットした遮蔽物50の位置と測定器1の位置を通過する直線を示す他の図である。
図14を参照して、推定手段5は、他の3つの遮蔽状態SHL_2~SHL_4の開始時間における遮蔽物50の3つの位置と測定器1の位置とに基づいて直線L3,L5,L7を求め、他の3つの遮蔽状態SHL_2~SHL_4の終了時間における遮蔽物50の3つの位置と測定器1の位置とに基づいて直線L4,L6,L8を求める。この場合、直線L3,L4が、それぞれ、1つの遮蔽状態SHL_2の開始時間における遮蔽物50の位置および終了時間における遮蔽物50の位置を通過する直線であり、直線L5,L6が、それぞれ、1つの遮蔽状態SHL_3の開始時間における遮蔽物50の位置および終了時間における遮蔽物50の位置を通過する直線であり、直線L7,L8が、それぞれ、1つの遮蔽状態SHL_4の開始時間における遮蔽物50の位置および終了時間における遮蔽物50の位置を通過する直線である。
推定手段5は、8本の直線L1~L8を求めると、8本の直線L1~L8を平均した直線Lave_1を求める。直線L1~L8の傾きをそれぞれa1,a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8とすると、8個の傾きa1,a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8の平均aave_1(=(a1+a2+a3+a4+a5+a6+a7+a8)/8)を算出し、その算出した平均aave_1を直線Lave_1の傾きとし、z=aave_1・x+bの式に測定器1の位置のx座標x1およびz座標z1を代入して切片bを算出し、直線Lave_1を求める。
図15は、図12においてプロットした遮蔽物50の位置と測定器1,2の位置を通過する直線を示す図である。
図15を参照して、推定手段5は、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の開始時間における遮蔽物50の4個の位置および終了時間における遮蔽物50の4個の位置と測定器2の位置とに基づいて、上述した方法によって8本の直線を求め、その求めた8本の直線を平均した直線Lave_2を求める。
図16は、端末装置30の位置を推定する方法を説明するための図である。図16を参照して、推定手段5は、直線Lave_1,Lave_2を求めると、2つの直線Lave_1,Lave_2の交点INTSECの位置を端末装置30の位置として推定する。
図17は、図1に示す位置推定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図17を参照して、位置推定装置10の動作が開始されると、カメラ3は、遮蔽物50の位置タイミングチャートPS_CHTを検出し(ステップS1)、その検出した位置タイミングチャートPS_CHTを推定手段5へ出力する。そして、推定手段5は、位置タイミングチャートPS_CHTをカメラ3から受ける。
そして、測定器M_1,M_2は、端末装置30が基地局40へ電波を送信する通信環境において、移動する遮蔽物50を介して、それぞれ、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を測定する(ステップS2)。そして、測定器M_1,M_2は、それぞれ、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を処理手段4へ出力する。処理手段4は、測定器M_1,M_2からそれぞれ受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を受ける。
引き続いて、推定手段5は、i=1を設定する(ステップS3)。そして、処理手段4は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_iに基づいて、標本化定理によって、上述した方法によってカットオフ周波数fOFF_iを算出する(ステップS4)。
その後、処理手段4は、カットオフ周波数fOFF_iを有するローパスフィルタLPF_iによって受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_iのカットオフ周波数fOFF_i以上の周波数成分を除去する(ステップS5)。
引き続いて、処理手段4は、ローパスフィルタLPF_iによって処理した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_iに基づいて、k-means法によって受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_i上の各点を遮蔽状態および非遮蔽状態の2つにクラスタリングし(ステップS6)、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_iを生成する。そして、処理手段4は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_iを推定手段5へ出力する。
推定手段5は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_iを処理手段4から受ける。そして、推定手段5は、位置タイミングチャートPS_CHTを用いて、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_iのJ(Jは、1以上の整数)個の遮蔽状態1~Jの各々について、遮蔽状態SHL_jの開始時間における遮蔽物50の位置PSstart_j_iと、遮蔽状態SHL_jの終了時間における遮蔽物50の位置PSend_j_iとを検出する(ステップS7)。
その後、推定手段5は、J個の位置PSstart_1_i~PSstart_J_iとJ個の位置PSend_1_i~PSend_J_iとをx-z平面にプロットする(ステップS8)。そして、推定手段5は、測定器M_iの位置とJ個の位置PSstart_1_i~PSstart_J_iとを通過するJ個の直線Lstart_1_i~Lstart_J_iを求め、測定器M_iの位置とJ個の位置PSend_1_i~PSend_J_iとを通過するJ個の直線Lend_1_i~Lend_J_iを求める(ステップS9)。
そうすると、推定手段5は、J個の直線Lstart_1_i~Lstart_J_iとJ個の直線Lend_1_i~Lend_J_iとを平均した直線Lave_iを求める(ステップS10)。
その後、推定手段5は、i=2であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、i=2でないと判定されたとき、推定手段5は、i=i+1を設定する(ステップS12)。その後、一連の動作は、ステップS4へ移行し、ステップS11において、i=2であると判定されるまで、ステップS4~ステップS12が繰り返し実行される。
そして、ステップS11において、i=2であると判定されると、推定手段5は、2本の直線Lave_1,Lave_2の交点の位置を求め、その求めた交点の位置を端末装置30の位置と推定する(ステップS13)。これによって、位置推定装置10の動作が終了する。
図18は、図17に示すフローチャートのステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図18を参照して、推定手段5は、図17のステップS6の後、j=1を設定する(ステップS71)。ここで、jは、遮蔽状態SHL_1~SHL_4の引数1,2,3,4のいずれかを表し、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の引数5,6,7,8をそれぞれ引数1,2,3,4に読み替え、その読み替えた引数1,2,3,4のいずれかを表す。
ステップS71の後、推定手段5は、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHL/UNSHL_CHT_iの遮蔽状態SHL_jにおける開始時間Tstart_j_iおよび終了時間Tend_j_iを検出する(ステップS72)。
そして、推定手段5は、位置タイミングチャートPS_CHTにおいて、開始時間Tstart_j_iと同じ時間における遮蔽物50の位置PSstart_j_iと、終了時間Tend_j_iと同じ時間における遮蔽物50の位置PSend_j_iとを検出する(ステップS73)。
その後、推定手段5は、j=Jであるか否かを判定する(ステップS74)。ここで、Jは、例えば、J=4である。
ステップS74において、j=Jでないと判定されたとき、推定手段5は、j=j+1を設定する(ステップS75)。その後、一連の動作は、ステップS72へ移行し、ステップS74において、j=Jであると判定されるまでステップS72~ステップS75が繰り返し実行される。
そして、ステップS74において、j=Jであると判定されると、一連の動作は、図17のステップS8へ移行する。
図18に示すフローチャートにおいては、図17のステップS3が実行された後に、ステップS74においてj=J(=4)であると判定されるまでステップS72~ステップS75が繰り返し実行されることによって、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1(図9の(a)に示す曲線k3参照)の4個の遮蔽状態SHL_1~SHL_4における開始時間Tstart_1~Tstart_4および終了時間Tend_1~Tend_4が検出され(ステップS72参照)、位置タイミングチャートPS_CHTにおいて、開始時間Tstart_1~Tstart_4と同じ時間における遮蔽物50の位置PSstart_1~PSstart_4と(図10の(a)参照)、終了時間Tend_1~Tend_4と同じ時間における遮蔽物50の位置PSend_1~PSend_4と(図10の(a)参照)が検出される(ステップS73参照)。
また、図18に示すフローチャートにおいては、図17のステップS12が実行された後に、ステップS74においてj=J(=4)であると判定されるまでステップS72~ステップS75が繰り返し実行されることによって、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2(図9の(b)に示す曲線k4参照)の4個の遮蔽状態SHL_5~SHL_8における開始時間Tstart_5~Tstart_8および終了時間Tend_5~Tend_8が検出され(ステップS72参照)、位置タイミングチャートPS_CHTにおいて、開始時間Tstart_5~Tstart_8と同じ時間における遮蔽物50の位置PSstart_5~PSstart_8と(図10の(b)参照)、終了時間Tend_5~Tend_8と同じ時間における遮蔽物50の位置PSend_5~PSend_8と(図10の(b)参照)が検出される(ステップS73参照)。
図19は、図17に示すフローチャートのステップS9の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図19を参照して、推定手段5は、図17のステップS8の後、j=1を設定する(ステップS91)。ここで、jは、図18のステップS71において説明した通りである。
ステップS91の後、推定手段5は、遮蔽状態SHL_jの開始時間Tstart_j_iにおける遮蔽物50の位置PSstart_j_iのx座標xstart_j_iおよびz座標zstart_j_iと、測定器M_iの位置のx座標xMD_iおよびz座標zMD_iとに基づいて遮蔽物50の位置PSstart_j_iおよび測定器M_iの位置を通過する直線の傾きastart_j_iを算出する(ステップS92)。
そして、推定手段5は、z=astart_j_i・x+bstart_j_iの式に測定器M_iの位置のx座標xMD_iおよびz座標zMD_iを代入して切片bstart_j_iを算出する(ステップS93)。これによって、遮蔽状態SHL_jの開始時間Tstart_j_iにおける遮蔽物50の位置PSstart_j_iおよび測定器M_iの位置を通過する直線が得られる。
ステップS93の後、推定手段5は、遮蔽状態SHL_jの終了時間Tend_j_iにおける遮蔽物50の位置PSend_j_iのx座標xend_j_iおよびz座標zend_j_iと、測定器M_iの位置のx座標xMD_iおよびz座標zMD_iとに基づいて遮蔽物50の位置PSend_j_iおよび測定器M_iの位置を通過する直線の傾きaend_j_iを算出する(ステップS94)。
そして、推定手段5は、z=aend_j_i・x+bend_j_iの式に測定器M_iの位置のx座標xMD_iおよびz座標zMD_iを代入して切片bend_j_iを算出する(ステップS95)。これによって、遮蔽状態SHL_jの終了時間Tend_j_iにおける遮蔽物50の位置PSend_j_iおよび測定器M_iの位置を通過する直線が得られる。
ステップS95の後、推定手段5は、j=Jであるか否かを判定する(ステップS96)。ここで、Jは、例えば、J=4である。
ステップS96において、j=Jでないと判定されたとき、推定手段5は、j=j+1を設定する(ステップS97)。その後、一連の動作は、ステップS92へ移行し、ステップS96において、j=Jであると判定されるまでステップS92~ステップS97が繰り返し実行される。
そして、ステップS96において、j=Jであると判定されると、一連の動作は、図17のステップS10へ移行する。
図19に示すフローチャートにおいては、図17のステップS3が実行された後に、ステップS96においてj=J(=4)であると判定されるまでステップS92~ステップS97が繰り返し実行されることによって、遮蔽状態SHL_1~SHL_4の開始時間Tstart_j_iにおける遮蔽物50の位置PSstart_1_i~PSstart_4_iと測定器M_i(=測定器1)の位置を通過する直線L1,L3,L5,L7(図14参照)の傾きa1,a3,a5,a7が算出され(ステップS92参照)、直線L1,L3,L5,L7(図14参照)の切片b1,b3,b5,b7が算出され(ステップS93参照)、遮蔽状態SHL_1~SHL_4の終了時間Tend_j_iにおける遮蔽物50の位置PSend_1_i~PSend_4_iと測定器M_i(=測定器1)の位置を通過する直線L2,L4,L6,L8(図14参照)の傾きa2,a4,a6,a8が算出され(ステップS94参照)、直線L2,L4,L6,L8(図14参照)の切片b2,b4,b6,b8が算出される(ステップS95参照)。
また、図19に示すフローチャートにおいては、図17のステップS12が実行された後に、ステップS96においてj=J(=4)であると判定されるまでステップS92~ステップS97が繰り返し実行されることによって、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の開始時間Tstart_j_iにおける遮蔽物50の位置PSstart_5_i~PSstart_8_iと測定器M_i(=測定器2)の位置を通過する直線L9,L11,L13,L15(図15参照)の傾きa9,a11,a13,a15が算出され(ステップS92参照)、直線L9,L11,L13,L15(図15参照)の切片b9,b11,b13,b15が算出され(ステップS93参照)、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の終了時間Tend_j_iにおける遮蔽物50の位置PSend_5_i~PSend_8_iと測定器M_i(=測定器2)の位置を通過する直線L10,L12,L14,L16(図15参照)の傾きa10,a12,a14,a16が算出され(ステップS94参照)、直線L10,L12,L14,L16(図15参照)の切片b10,b12,b14,b16が算出される(ステップS95参照)。
従って、ステップS96において、j=Jであると判定された後の図17のステップS10において、i=1であるとき、4本の直線L1,L3,L5,L7と4本の直線L2,L4,L6,L8を平均した直線Lave_1を求め、i=2であるとき、4本の直線L9,L11,L13,L15と4本の直線L10,L12,L14,L16を平均した直線Lave_2を求める(図15参照)。
その後、図17のステップS13において、直線Lave_1と直線Lave_2との交点を求め、その求めた交点の位置を端末装置30の位置と推定する(図16参照)。
図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)のステップS6は、遮蔽状態を判定するステップであり、教師無し学習によってクラスタリングするステップである。
また、図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)のステップS11において、i=2であるか否かを判定するのは、ステップS4~ステップS10が2個の測定器M_1,M_2によって測定された2個の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2の各々に基づいて実行されるからである。
更に、図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)においては、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1に基づいてクラスタリングされた遮蔽状態の個数は、カットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2に基づいてクラスタリングされた遮蔽状態の個数と同じJ個であるとしているが(ステップS7参照)、この発明の実施の形態においては、これに限らず、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1に基づいてクラスタリングされた遮蔽状態の個数は、カットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2に基づいてクラスタリングされた遮蔽状態の個数と異なっていてもよい。
更に、図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)においては、Jを1以上の整数としているのは、1個の測定器M_1によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1に基づいて少なくとも1個の遮蔽状態SHLを検出すれば、直線Lave_1を求めるができ、1個の測定器M_2によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2に基づいて少なくとも1個の遮蔽状態SHLを検出すれば、直線Lave_2を求めるができ、2本の直線Lave_1,Lave_2に基づいて端末装置30の位置を推定できるからである。
更に、図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)に従って推定した端末装置30の位置は、(-0.01,4.0)であり、真値(0.0,4.5)との誤差は、0.51mであった。その結果、2個の測定器1,2を用いて図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)に従って精度良く端末装置30の位置を推定できることが分かった。
図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)によれば、2個の測定器M_1,M_2によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2に基づいて端末装置30の位置を推定するので、3個未満の測定器を用いて端末装置30の位置を推定できる。
なお、この発明の実施の形態においては、処理手段4および推定手段5の動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、位置推定装置10は、測定器1,2と、カメラ3と、パーソナルコンピュータPCとを備える。パーソナルコンピュータPCは、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。
ROMは、図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)のステップS3~ステップS13を備えるプログラムProg_Aを記憶する。RAMは、カットオフ周波数fOFF_1,fOFF_2、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1、カットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2、J個の直線Lstart_1_1~Lstart_J_1、J個の直線Lend_1_1~Lend_J_1および直線Lave_1,Lave_2を一時的に記憶する。
そして、CPUは、測定器1,2からそれぞれ受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を受け、カメラ3から位置タイミングチャートPS_CHTを受ける。そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出して実行し、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
また、プログラムProg_Aは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Aを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行して、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
従って、プログラムProg_Aを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
上記においては、k-means法によって遮蔽状態SHLと非遮蔽状態UNSHLとを分類すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、内的結合(internal cohesion)と外的分離(external isolation)とが達成されるような部分集合に分類対象の集合を分割する方法であるクラスタリング手法を用いて遮蔽状態SHLと非遮蔽状態UNSHLとを分類してもよく、遮蔽状態の受信信号強度RSSIの減衰パターンを用いたパターンマッチングによって遮蔽状態SHLと非遮蔽状態UNSHLとを分類してもよい。
クラスタリング手法には、上述したk-means法の他に、最短距離法(nearest neighbor method)、最長距離法(furthest neighbor method)、群平均法(group average method)およびウォード法(Ward’s method)等がある。
また、パターンマッチングによって遮蔽状態SHLと非遮蔽状態UNSHLとを分類する場合、遮蔽状態の受信信号強度RSSIの減衰パターンを予め検出しておき、上述した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2において、予め検出した受信信号強度RSSIの減衰パターンにマッチングする受信信号強度の減衰パターンと、予め検出した受信信号強度RSSIの減衰パターンにマッチングしない受信信号強度の減衰パターンとを検出することによって遮蔽状態SHLと非遮蔽状態UNSHLとを分類する。
[実施の形態2]
図20は、実施の形態2による位置推定装置の概略図である。図20を参照して、実施の形態2による位置推定装置10Aは、図1に示す位置推定装置10に遮蔽/非遮蔽装置6を追加し、推定手段5を推定手段5Aに変えたものであり、その他は、位置推定装置10と同じである。
推定手段5Aは、遮蔽/非遮蔽装置6を駆動する。推定手段5Aは、その他、推定手段5と同じ機能を実行する。
遮蔽/非遮蔽装置6は、推定手段5Aによって駆動されると、端末装置30と測定器1,2との間で移動しながら端末装置30から送信された電波を遮蔽および透過(非遮蔽)する。
図21は、図20に示す遮蔽/非遮蔽装置6の概略図である。図21を参照して、遮蔽/非遮蔽装置6は、本体部61と、支持部材62と、制御装置63と、電源64と、モータ65と、駆動装置66と、車輪67,68と、遮蔽部材69とを備える。
制御装置63、電源64、モータ65および駆動装置66は、本体部61に内蔵される。遮蔽部材69は、支持部材62によって本体部61に固定される。
制御装置63は、推定手段5Aから駆動信号を受けると、モータ65に電力を供給するように電源64を制御する。また、制御装置63は、所定の回転数で駆動輪(車輪67)を回転させるようにモータ65を制御する。即ち、制御装置63は、遮蔽/非遮蔽装置6の移動速度を制御する。更に、制御装置63は、遮蔽/非遮蔽装置6が前進または後進するように回転方向を切り替えるようにモータ65を制御する。更に、制御装置63は、遮蔽/非遮蔽装置6が進行方向に対して右方向または左方向に移動するように駆動輪(車輪67)の方向を変えるための制御信号を駆動装置66へ出力する。
電源64は、充電可能な電池からなり、制御装置63からの制御に従って電力をモータ65に供給する。
モータ65は、電源64から電力を受け、制御装置63からの制御に従って駆動輪(車輪67)を回転させるための動力を駆動装置66に供給する。
駆動装置66は、モータ65から動力を受け、その受けた動力によって遮蔽/非遮蔽装置6が前進または後進するように駆動輪(車輪67)を回転する。また、駆動装置66は、制御装置63からの制御信号に従って駆動輪(車輪67)の方向を変える。
図21においては、A方向から見た遮蔽部材69の平面図が図示されている。遮蔽部材69は、円形の平面形状を有し、遮蔽部691と、軸部材692とを含む。遮蔽部691は、軸部材692の外周側に配置される。遮蔽部691は、端末装置30から送信された電波を遮蔽する。そして、遮蔽部691は、電波を遮蔽できるものであれば、どのような材料からなっていてもよく、例えば、金属からなる。軸部材692は、支持部材62の一方端に連結される。
駆動装置66には、遮蔽/非遮蔽装置6が移動する範囲が予め設定されている。即ち、駆動装置66には、x-z平面において、x軸方向へ移動可能な範囲とz軸方向へ移動可能な範囲とが予め設定されている。
駆動装置66は、駆動輪(車輪67)の回転速度および向きを検知し、その検知した回転速度および向きに基づいて遮蔽/非遮蔽装置6が移動したx軸方向の距離およびz軸方向の距離を算出する。そして、駆動装置66は、算出したx軸方向の距離が予め設定されたx軸方向へ移動可能な範囲内になり、算出したz軸方向の距離が予め設定されたz軸方向へ移動可能な範囲内になるように駆動輪(車輪67)を駆動する。
位置推定装置10Aにおいては、測定器1,2は、端末装置30から送信された電波を遮蔽/非遮蔽装置6の遮蔽部材69を介して受信し、それぞれ、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を測定する。
また、位置推定装置10Aにおいては、カメラ3は、3次元座標からなる遮蔽/非遮蔽装置6の位置の経過時間依存性を示す位置タイミングチャートPS_CHTを検出する。
図22は、図20に示す位置推定装置10Aの動作を説明するためのフローチャートである。
図22に示すフローチャートは、図17に示すフローチャートにステップS20を追加し、ステップS2をステップS2Aに変えたものであり、その他は、図17に示すフローチャートと同じである。その結果、図22に示すフローチャートのステップS7の詳細な動作は、図18に示すフローチャートに従って実行され、図22に示すフローチャートのステップS9の詳細な動作は、図19に示すフローチャートに従って実行される。従って、図22に示すフローチャートは、図18および図19に示すフローチャートを含む。
図22を参照して、位置推定装置10Aの動作が開始されると、推定手段5Aは、遮蔽/非遮蔽装置6を駆動するための駆動信号を遮蔽/非遮蔽装置6の制御装置63へ出力し、遮蔽/非遮蔽装置6の制御装置63は、駆動信号を推定手段5Aから受けると、遮蔽/非遮蔽装置6を駆動する。そして、駆動装置66は、予め設定された範囲内で移動するように駆動輪(車輪67)を駆動する。その結果、遮蔽/非遮蔽装置6は、予め設定された範囲内で移動する(ステップS20)。
その後、上述したステップS1が実行された後、端末装置30が基地局40へ電波を送信する通信環境において、測定器M_1,M_2は、移動する遮蔽/非遮蔽装置6を介して、それぞれ、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を測定する(ステップS2A)。
ステップS2Aの後、上述したステップS3~ステップS13が順次実行され、推定手段5Aは、上述した方法によって、端末装置30の位置を推定する。これによって、位置推定装置10Aの動作が終了する。
図22に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)によれば、遮蔽/非遮蔽装置6の移動速度を制御できるので、端末装置30から送信された電波を遮蔽するときの遮蔽/非遮蔽装置6のx軸方向への移動速度を端末装置30から送信された電波を遮蔽しないときの遮蔽/非遮蔽装置6のx軸方向への移動速度よりも低速に制御することによって受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2において受信信号強度RSSIが減衰する領域の経過時間がより長くなり、受信信号強度RSSIが減衰する領域におけるより多くの点(各点は、経過時間および受信信号強度RSSIからなる。)をk-menas法によって遮蔽状態SHLに分類できる。その結果、遮蔽状態SHLの開始時間Tstartおよび終了時間Tendをより正確に決定でき、最終的に端末装置30の位置をより正確に推定できる。
図23は、実施の形態2による別の位置推定装置の概略図である。実施の形態2による位置推定装置は、図23に示す位置推定装置10Bであってもよい。
図23を参照して、位置推定装置10Bは、図20に示す位置推定装置10Aの遮蔽/非遮蔽装置6を遮蔽/非遮蔽装置6Aに変えたものであり、その他は、位置推定装置10Aと同じである。
遮蔽/非遮蔽装置6Aは、推定手段5Aからの駆動信号に応じて駆動され、z軸方向に移動しながら端末装置30から送信された電波を遮蔽および透過(非遮蔽)する。
図24は、図23に示す遮蔽/非遮蔽装置6Aの概略図である。図24を参照して、遮蔽/非遮蔽装置6Aは、図21に示す遮蔽/非遮蔽装置6の制御装置63を制御装置63Aに変え、遮蔽部材69を遮蔽/非遮蔽部材76に変え、支持部材62を支持部材72に変え、モータ75を追加したものであり、その他は、遮蔽/非遮蔽装置6と同じである。
支持部材72は、モータ75を本体部61に固定する。遮蔽/非遮蔽部材76は、モータ75の軸751の一方端に連結される。
制御装置63Aは、モータ75にも電力を供給するように電源64を制御する。また、制御装置63Aは、軸751を所定の回転数で回転するようにモータ75を制御する。更に、制御装置63Aは、遮蔽/非遮蔽装置6Aをz軸方向において往復するように駆動装置66を制御する。制御装置63Aは、その他、制御装置63と同じ機能を果たす。
モータ75は、制御装置63Aからの制御に従って軸751を所定の回転数で回転する。遮蔽/非遮蔽部材76は、カバー部材76-1と、回転部材76-2とを備える。カバー部材76-1は、図示しない支持部材によって本体部61に固定される。回転部材76-2は、カバー部材76-1の内部に配置される。そして、回転部材76-2は、軸部材761を有し、軸部材761によってモータ75の軸751の一方端に固定される。
図25は、図24に示す遮蔽/非遮蔽部材76の各部を示す平面図である。図25の(a)は、図24に示すA方向から見たカバー部材76-1の平面図を示し、図25の(b)は、図24に示すモータ75側から見たカバー部材76-1の平面図を示し、図25の(c)は、図24に示すA方向から見た回転部材76-2の平面図を示す。
図25の(a)を参照して、カバー部材76-1は、円形の平面形状を有し、開口部762と、遮蔽部763とを有する。2つの開口部762および2つの遮蔽部763の各々は、扇形の平面形状を有する。2つの開口部762は、水平方向に沿って配置され、2つの遮蔽部763は、垂直方向に沿って配置される。そして、2つの開口部762は、カバー部材76-1の円周方向において、2つの遮蔽部763と交互に配置される。
図25の(b)を参照して、カバー部材76-1は、モータ75側において、開口部764と、支持部765とを有する。4個の開口部764の各々は、扇形の平面形状をする。4個の開口部764のうち、2個の開口部764は、水平方向に沿って配置され、残りの2個の開口部764は、垂直方向に沿って配置される。
そして、各支持部765は、カバー部材76-1の円周方向において隣接する2つの開口部764間に配置される。
図25の(c)を参照して、回転部材76-2は、円形の平面形状を有し、軸部材761と、遮蔽部766~769と非遮蔽部770~773とを備える。回転部材76-2は、x軸方向における測定器1と測定器2との距離よりも大きい直径を有する。x軸方向における測定器1と測定器2との距離は、約2mであるので(図12参照)、回転部材76-2は、例えば、2.5mの直径を有する。
遮蔽部766~769および非遮蔽部770~773は、軸部材761の周囲に配置される。遮蔽部766~769および非遮蔽部770~773の各々は、扇形の平面形状を有する。遮蔽部766~769および非遮蔽部770~773は、円弧の長さが相互に同じである。遮蔽部766~769は、回転部材76-2の円周方向において非遮蔽部770~773と交互に配置される。遮蔽部766~769の各々は、例えば、金属からなり、非遮蔽部770~773の各々は、貫通孔からなる。
遮蔽部766~769の各々は、端末装置30から送信された電波を遮蔽し、非遮蔽部770~773の各々は、端末装置30から送信された電波を透過する(非遮蔽する)。
なお、図25の(a)に示す開口部762の円弧の長さは、遮蔽部766~769および非遮蔽部770~773の円弧よりも長い。
回転部材76-2は、モータ75の軸751が回転することによって、時計方向ARW1または反時計方向ARW2に所定の回転数で回転する。
回転部材76-2は、図24に示すA方向側が図25の(a)に示すカバー部材76-1によってカバーされ、モータ75側が図25の(b)に示すカバー部材76-1によってカバーされる。
その結果、回転部材76-2の遮蔽部(遮蔽部766~769のいずれか2つ)が図25の(a)に示すカバー部材76-1の2つの開口部762を通過するときに電波を遮蔽し、回転部材76-2の非遮蔽部(非遮蔽部770~773のいずれか2つ)が図25の(a)に示すカバー部材76-1の2つの開口部762を通過するときに電波を透過する。
図26は、測定器1,2と遮蔽/非遮蔽部材76との配置関係を示す平面図である。図26を参照して、遮蔽/非遮蔽部材76は、z軸方向において、測定器1,2と端末装置30との間に配置される。また、遮蔽/非遮蔽部材76は、例えば、回転部材76-2の軸部材761の中心がx軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点を通過するように配置される。そして、遮蔽/非遮蔽部材76は、z軸方向において往復運動する。
上述したように、回転部材76-2は、x軸方向における測定器1と測定器2との距離よりも大きい直径を有するので、2つの遮蔽部766,768(または2つの遮蔽部767,769)が2つの開口部762(図25の(a)参照)を通過するとき、端末装置30から測定器1,2の方向へ伝搬する電波を遮蔽し、2つの非遮蔽部770,772(または2つの非遮蔽部771,773)が2つの開口部762(図25の(a)参照)を通過するとき、端末装置30から測定器1,2の方向へ伝搬する電波を透過する。
従って、測定器1は、回転する回転部材76-2を介して端末装置30から送信された電波を受信し、電波を受信したときの受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1を測定でき、測定器2は、回転する回転部材76-2を介して端末装置30から送信された電波を受信し、電波を受信したときの受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2を測定できる。
カメラ3は、z軸方向において往復運動する遮蔽/非遮蔽装置6Aの遮蔽/非遮蔽部材76の位置の経過時間依存性を位置タイミングチャートPS_CHTとして検出する。
図27は、図23に示す位置推定装置10Bによって端末装置30の位置を推定する方法を説明するための図である。
図27においては、測定器1が測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1に基づいて3つの遮蔽状態が判定され、測定器2が測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2に基づいて3つの遮蔽状態が判定されたときの端末装置30の位置を推定する方法を説明する。
図27を参照して、遮蔽/非遮蔽装置6Aは、z軸方向に移動するので、3個の遮蔽状態の各々において、遮蔽状態が開始する開始時間における位置(〇)および遮蔽状態が終了する終了時間における位置(●)は、z軸方向の直線上に交互に位置する。
そして、推定手段5Aは、3個の遮蔽状態の3個の開始時間における3個の位置のそれぞれと測定器1の位置とを通過する3本の直線L17,L19,L21を求め、3個の遮蔽状態の3個の終了時間における3個の位置のそれぞれと測定器1の位置とを通過する3本の直線L18,L20,L22を求める。
また、推定手段5Aは、3個の遮蔽状態の3個の開始時間における3個の位置のそれぞれと測定器2の位置とを通過する3本の直線L23,L25,L27を求め、3個の遮蔽状態の3個の終了時間における3個の位置のそれぞれと測定器2の位置とを通過する3本の直線L24,L26,L28を求める。
そして、推定手段5Aは、実施の形態1において説明した方法によって6本の直線L17~L22を平均した直線Lave_3を求め、6本の直線L23~L28を平均した直線Lave_4を求める。そうすると、推定手段5Aは、直線Lave_3と直線Lave_4との交点を端末装置30の位置として推定する。
位置推定装置10Bの動作は、図22に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)に従って実行される。この場合、ステップS20において、遮蔽/非遮蔽装置6Aは、駆動され、回転部材76-2を所定の回転速度で時計方向ARW1または反時計方向ARW2に回転しながらz軸方向に移動する。
また、ステップS2Aにおいて、端末装置30が基地局40へ電波を送信する通信環境において、測定器1,2は、回転部材76-2を介して電波を受信し、それぞれ、電波を受信したときの受信信号強度RSSIの経過時間依存性を示す受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を測定する。
その後、ステップS3~ステップS13が順次実行され、端末装置30の位置が推定される。
なお、この発明の実施の形態においては、処理手段4および推定手段5Aの動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、位置推定装置10A(または位置推定装置10B)は、測定器1,2と、カメラ3と、遮蔽/非遮蔽装置6(または遮蔽/非遮蔽装置6A)と、パーソナルコンピュータPCとを備える。パーソナルコンピュータPCは、CPUと、ROMと、RAMとを備える。
ROMは、図22に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む。)のステップS3~ステップS13を備えるプログラムProg_Aを記憶する。RAMは、カットオフ周波数fOFF_1,fOFF_2、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1、カットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2、J個の直線Lstart_1_1~Lstart_J_1、J個の直線Lend_1_1~Lend_J_1および直線Lave_1,Lave_2を一時的に記憶する。
そして、CPUは、測定器1,2からそれぞれ受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を受け、カメラ3から位置タイミングチャートPS_CHTを受ける。そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出して実行し、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
また、プログラムProg_Aは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Aを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行して、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
従って、プログラムProg_Aを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
図28は、実施の形態2による更に別の位置推定装置の概略図である。実施の形態2による位置推定装置は、図28に示す位置推定装置10Cであってもよい。
図28を参照して、位置推定装置10Cは、図20に示す位置推定装置10Aの推定手段5Aを推定手段5Bに変え、遮蔽/非遮蔽装置6を遮蔽/非遮蔽装置6Bに変えたものであり、その他は、図20に示す位置推定装置10Aと同じである。
推定手段5Bは、遮蔽/非遮蔽装置6Bを駆動する。推定手段5Bは、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1とカットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2とを処理手段4から受ける。また、推定手段5Bは、位置タイミングチャートPS_CHTをカメラ3から受ける。
そして、推定手段5Bは、カットオフ周波数以上の周波数成分を除去した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて、後述する方法によって、端末装置30の位置を推定する。
遮蔽/非遮蔽装置6Bは、推定手段5Bによって駆動されると、端末装置30と測定器1,2との間でx軸方向に移動しながらz軸方向に往復運動を行い、端末装置30から送信された電波を遮蔽および透過(非遮蔽)する。
図29は、図28に示す遮蔽/非遮蔽装置6Bの概略図である。図29を参照して、遮蔽/非遮蔽装置6Bは、図24に示す遮蔽/非遮蔽装置6Aの回転部材76-2を回転部材76-3に変えたものであり、その他は、遮蔽/非遮蔽装置6Aと同じである。
回転部材76-3は、軸部材781と、遮蔽部材782と、遮蔽/非遮蔽部材783とを備える。
軸部材781は、モータ75の軸751の一方端に連結される。遮蔽部材782は、軸部材781の外周側に配置される。遮蔽/非遮蔽部材783は、遮蔽部材782の外周側に配置される。
図30は、図29に示す回転部材76-3の平面図である。図30を参照して、回転部材76-3の遮蔽/非遮蔽部材783は、遮蔽部783-1~783-4と非遮蔽部783-5~783-8とを備える。
遮蔽部783-1~783-4および非遮蔽部783-5~783-8の各々は、扇形の平面形状を有する。遮蔽部783-1~783-4および非遮蔽部783-5~783-8は、円弧の長さが相互に同じである。そして、遮蔽部783-1~783-4および非遮蔽部783-5~783-8の各々は、円弧の長さがカバー部材76-1の開口部762(図25の(a)参照)の円弧の長さよりも短い。
遮蔽部783-1~783-4は、回転部材76-3の円周方向において非遮蔽部783-5~783-8と交互に配置される。
遮蔽部783-1~783-4の各々は、例えば、金属からなる。非遮蔽部783-5~783-8の各々は、貫通孔からなる。
回転部材76-3の直径は、x軸方向における測定器1と測定器2との距離よりも大きい直径(例えば、2.5m)を有する。そして、回転部材76-3は、時計方向ARW1または反時計方向ARW2に回転する。
回転部材76-3が時計方向ARW1または反時計方向ARW2に回転すると、遮蔽部材782、遮蔽部783-1~783-4および非遮蔽部783-5~783-8は、カバー部材76-1の開口部762(図25の(a)参照)を通過する。
その結果、遮蔽部材782は、端末装置30から送信された電波を遮蔽し、遮蔽/非遮蔽部材783は、端末装置30から送信された電波を遮蔽部783-1~783-4によって遮蔽し、端末装置30から送信された電波を非遮蔽部783-5~783-8によって透過する。
このように、回転部材76-3は、端末装置30から送信された電波を常に遮蔽する遮蔽部材782と、端末装置30から送信された電波を遮蔽および透過(非遮蔽)する遮蔽/非遮蔽部材783とを備える。
図31は、図28に示す位置推定装置10Cによって端末装置30の位置を推定する方法を説明するための図である。
図31においては、x軸方向における端末装置30の位置が測定器1の位置と測定器2の位置との中点である場合について端末装置30の位置を推定する方法を説明する。
図31を参照して、遮蔽/非遮蔽装置6Bの回転部材76-3は、軸部材781の中心がx軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点を通過するように配置される。そして、遮蔽/非遮蔽装置6Bは、z軸方向に移動する。また、x軸方向における測定器1と測定器2との距離は、cであり、回転部材76-3の遮蔽部材782の半径は、aである。距離cは、測定器1の位置と測定器2の位置とに基づいて算出可能であるので、既知である。また、遮蔽部材782の半径aは、例えば、0.5mに設定され、既知である。
回転部材76-3が位置zr1に存在するとき、端末装置30から送信された電波は、回転部材76-3の遮蔽/非遮蔽部材783の非遮蔽部(非遮蔽部783-5~783-8のうちのいずれか2つ)を透過してそれぞれ測定器1,2に直接入射可能である。
また、回転部材76-3が位置zr2に存在するとき、端末装置30から測定器1,2に直接入射する電波は、遮蔽部材782によって遮蔽され始める。
更に、回転部材76-3が位置zr3に存在するとき、端末装置30から測定器1,2に直接入射する電波は、遮蔽部材782によって遮蔽される。
その結果、測定器1,2で電波を受信したときの受信信号強度RSSIは、回転部材76-3が位置zr1から端末装置30側に移動するに伴って低下する。
回転部材76-3が位置zr2に存在するとき、端末装置30、回転部材76-3の点Aおよび測定器1(点C)は、1つの直線上に存在し、端末装置30、回転部材76-3の点Dおよび測定器2(点E)は、1つの直線上に存在する。
そして、点Aのx座標と同じx座標を有する点Bを設定すると、△ABCは、直角三角形になる。同様に、点Dのx座標と同じx座標を有する点Fを設定すると、△DEFは、直角三角形になる。
そうすると、点Bと点Cとの距離および点Eと点Fとの距離は、c/2-aによって表される。また、点Aと点Bとの距離は、d1であり、点Dと点Fとの距離は、d2(=d1)である。そして、d1,d2は、それぞれ、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2と、カメラ3によって検出される回転部材76-3の位置の経過時間依存性を示す位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて検出される。
従って、∠CABは、θ1と同じであり、tan(θ1)は、次式によって表される。
また、∠EDFは、θ2と同じであり、tan(θ2)は、次式によって表される。
θ1は、端末装置30からの電波が測定器1に直接入射するときのz軸方向と電波の入射方向との成す角度を表し、θ2は、端末装置30からの電波が測定器2に直接入射するときのz軸方向と電波の入射方向との成す角度を表す。
式(1)におけるcは、x軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との距離であり、既知である。また、aは、遮蔽部材782の半径であり、既知である。更に、点Aの位置および点Dの位置は、カメラ3によって検出される位置タイミングチャートPS_CHTから求めることができるので、d1,d2は、既知である。推定手段5Bは、測定器1の位置(x1,z1)、測定器2の位置(x2,z2)および遮蔽部材782の半径aを予め保持しているので、x軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との距離cを算出でき、c/2-aを算出できる。従って、推定手段5Bは、式(1),(2)によってそれぞれθ1,θ2を算出することができる。
[推定方法1]
推定手段5Bは、θ1,θ2を算出すると、次の方法によって端末装置30の位置を推定する。
∠ACBは、(π/2-θ1)であるので、点Aの位置と測定器1の位置とを結ぶ直線L29の傾きaSLP1は、aSLP1=-tan(π/2-θ1)=-d1/(c/2-a)となる。直線L29の切片をb1とすると、直線L29は、次式によって表される。
推定手段5Bは、傾きaSLP1を算出し、その後、測定器1の位置のx座標およびz座標をそれぞれ式(3)のx,zに代入して切片b1を算出する。
また、∠DEFは、(π/2-θ2)であるので、端末装置30の位置と測定器2の位置とを結ぶ直線L30の傾きaSLP2は、aSLP2=tan(π/2-θ2)=d2/(c/2-a)となる。直線L30の切片をb2とすると、直線L30は、次式によって表される。
推定手段5Bは、傾きaSLP2を算出し、その後、測定器2の位置のx座標およびz座標をそれぞれ式(4)のx,zに代入して切片b2を算出する。
そうすると、推定手段5Bは、2つの直線L29,L30の交点を求め、その求めた交点の位置を端末装置30の位置と推定する。
[推定方法2]
推定方法2においては、推定手段5Bは、次の方法によって端末装置30の位置を推定する。
推定手段5Bは、式(1),(2)によってそれぞれθ1,θ2を算出する。そして、推定手段5Bは、x軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点を点Gとし、点Gの位置と端末装置30の位置との距離をdzと仮定する。そうすると、測定器1の位置と点Gとの距離は、c/2であるので、dzは、次式によって表される。
式(5)においては、式(5A)から式(5B)が得られ、式(5B)から式(5C)が得られる。
式(5C)の右辺におけるc,d1,aは、既知であるので、推定手段5Bは、c,d1,aを式(5C)に代入して距離dzを算出する。なお、a=0.5mであり、c=約2mであるので、式(5C)の分母(=c-2a)は、正である。
端末装置30の位置を示すx座標x30は、点Gのx座標と同じであり、点Gのx座標は、測定器1の位置のx座標からc/2を減算したものであるので、測定器1の位置のx座標x1を用いると、x30=x1-c/2となる。また、点Gのz座標は、測定器1の位置のz座標z1と同じであるので、点Gのz座標は、z1となる。
端末装置30の位置のz座標z30は、点Gのz座標z1に式(5C)の距離dzを加算したものであるので、z30=z1+cd1/(c-2a)となる。
従って、推定手段5Bは、上述した方法によって、x座標x30およびz座標z30を求め、その求めたx座標x30およびz座標z30によって表された位置を端末装置30の位置と推定する。x座標x30およびz座標z30は、次式によって表される。
式(6)において、x1は、測定器1の位置のx座標であり、z1は、測定器1の位置のz座標である。
測定器2の位置のx座標x2およびz座標z2を用いて、上記と同様にして端末装置30の位置のx座標x’30およびz座標z’30を求めると、x座標x’30およびz座標z’30は、次式によって表される。
式(7)において、x2は、測定器2の位置のx座標であり、z2は、測定器2の位置のz座標である。
測定器2の位置のz座標z2は、測定器1の位置のz座標z1と同じであり、d2は、d1と同じであるので、式(7B)のz’30は、式(6B)のz30に一致する。
推定手段5Bは、式(6)によって表されるx座標x30およびz座標z30を端末装置30の位置と推定してもよく、式(7)によって表されるx座標x’30およびz座標z’30を端末装置30の位置と推定してもよい。
また、推定手段5Bは、位置(x30,z30)と位置(x’30,z’30)との距離Δdを算出し、その算出した距離Δdがしきい値Δd_th以下であるとき、位置(x30,z30)または位置(x’30,z’30)を端末装置30の位置と推定してもよい。つまり、推定手段5Bは、位置(x30,z30)と位置(x’30,z’30)との誤差がしきい値Δd_th以下であるとき、位置(x30,z30)または位置(x’30,z’30)を端末装置30の位置と推定してもよい。しきい値Δd_thは、例えば、0.5mに設定される。
なお、位置(x30,z30)と位置(x’30,z’30)との誤差がしきい値よりも大きいとき、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および位置タイミングチャートPS_CHTを測定し直す。
図32は、図28に示す位置推定装置10Cによって端末装置30の位置を推定する方法を説明するための別の図である。
図32においては、端末装置30の位置のx座標がx軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点と測定器1との間に存在する場合について端末装置30の位置を推定する方法について説明する。そして、図32において、以下に説明する方法によって端末装置30の位置を推定する場合、端末装置30と測定器1のx座標が同一にならないことを前提とする。
回転部材76-3が位置zr1に存在するとき、端末装置30から送信された電波は、回転部材76-3の遮蔽/非遮蔽部材783の非遮蔽部(非遮蔽部783-5~783-8のうちのいずれか2つ)を透過してそれぞれ測定器1,2に直接入射可能である。
また、回転部材76-3が位置zr4に存在するとき、端末装置30から送信された電波は、回転部材76-3の遮蔽/非遮蔽部材783の非遮蔽部(非遮蔽部783-5~783-8のうちのいずれか2つ)を透過して測定器1に直接入射可能であるが、測定器2に直接入射する電波は、遮蔽部材782によって遮蔽され始める。
更に、回転部材76-3が位置zr5に存在するとき、端末装置30から測定器1に直接入射する電波は、遮蔽部材782によって遮蔽され始め、端末装置30から測定器2に直接入射する電波は、遮蔽部材782によって遮蔽される。
更に、回転部材76-3が位置zr6に存在するとき、端末装置30から測定器1,2に直接入射する電波は、遮蔽部材782によって遮蔽される。
その結果、端末装置30から測定器1,2に直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときの回転部材76-3の位置が測定器1,2間で異なる。そして、測定器1,2で電波を受信したときの受信信号強度RSSIは、回転部材76-3が位置z1から端末装置30側に移動するに伴って低下する。
回転部材76-3が位置zr4に存在するとき、端末装置30、回転部材76-3の点Dおよび測定器2(点E)は、1つの直線上に存在し、回転部材76-3が位置zr5に存在するとき、端末装置30、回転部材76-3の点Aおよび測定器1(点C)は、1つの直線上に存在する。
そして、点Aのx座標と同じx座標を有する点Bを設定すると、△ABCは、直角三角形になり、点Dのx座標と同じx座標を有する点Fを設定すると、△DEFは、直角三角形になる。
そうすると、点Bと点Cとの距離および点Eと点Fとの距離は、c/2-aによって表される。また、点Aと点Bとの距離は、d1であり、点Dと点Fとの距離は、d2である。そして、距離d2は、距離d1よりも小さい(d1>d2)。
図32に示す場合においても、∠CABは、θ1と同じであり、tan(θ1)は、式(1)によって表され、∠EDFは、θ2と同じであり、tan(θ2)は、式(2)によって表される。
従って、推定手段5Bは、式(1),(2)によってそれぞれθ1,θ2を算出することができる。
[推定方法1]
推定手段5Bは、θ1,θ2を算出すると、上述した式(3)によって直線L29を求め、上述した式(4)によって直線L30を求める。そして、推定手段5Bは、直線L29と直線L30との交点を算出し、その算出した交点の位置を端末装置30の位置と推定する。
[推定方法2]
推定方法2においては、推定手段5Bは、次の方法によって端末装置30の位置を推定する。
推定手段5Bは、式(1),(2)によってそれぞれθ1,θ2を算出する。図32においては、端末装置30の位置のx座標が分からないが、d1>d2であるので、推定手段5Bは、端末装置30の位置のx座標がx軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点Gよりも測定器1側に存在することを検知する。
そこで、推定手段5Bは、中点Gよりも測定器1側の点H,Iを設定し、点Cと点Hとの距離をdx1と仮定し、点Eと点Iとの距離をdx2と仮定する。
そして、推定手段5Bは、端末装置30の位置を示す点Sを設定し、△SHCおよび△SEIが直角三角形であると仮定し、△SHCにおける点Hと点Sとの距離をdz1と仮定し、△SEIにおける点Iと点Sとの距離をdz2と仮定する。
その結果、次式が得られる。
式(8A)は、△ABCと△SHCとが相似であると仮定したことによって得られ、式(8B)は、△DEFと△SEIとが相似であると仮定したことによって得られる。
式(8A)および式(8B)からそれぞれdz1,dz2を算出すると、dz1,dz2は、次式によって表される。
端末装置30の位置のx座標と同じx座標を有する点を点Kと仮定すると、△ABCと△SKCとが相似になり、△DEFと△SEKとが相似になる。この場合、式(9A)におけるdz1と式(9B)におけるdz2とが一致するので、式(9A)の右辺と式(9B)の右辺とが等しくなるので、dx2は、dx1を用いて次式によって表わされる。
式(8C)と式(10)とによってdx1,dx2を求めると、dx1,dx2は、次式によって表される。
推定手段5Bは、式(11A)によって表されるdx1を式(9A)に代入してdz1を算出し、式(11B)によって表されるdx2を式(9B)に代入してdz2を算出する。その結果、dz1,dz2は、次式によって表される。
式(12)に示すように、dz1は、dz2に一致する。推定手段5Bは、dz1,dz2を算出すると、dz1がdz2に一致することを確認する。
端末装置30の位置を示すx座標x30は、点Kのx座標と同じであり、点Kのx座標は、測定器1の位置のx座標x1からdx1を減算したものであるので、x30=x1-dx1=x1-(d2c/(d1+d2))となる。また、点Kのz座標は、測定器1の位置のz座標z1と同じであるので、点Kのz座標は、z1となる。
端末装置30の位置のz座標z30は、点Kのz座標z1に式(12A)のdz1を加算したものであるので、z30=z1+dz1=z1+d1d2c/{(c/2-a)(d1+d2)}となる。
従って、推定手段5Bは、上述した方法によって、x座標x30およびz座標z30を求め、その求めたx座標x30およびz座標z30によって表された位置を端末装置30の位置と推定する。x座標x30およびz座標z30は、次式によって表される。
式(13)において、x1は、測定器1の位置のx座標であり、z1は、測定器1の位置のz座標である。そして、x1,z1,c,aは、既知であり、d1,d2は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて検出されるので、推定手段5Bは、x座標x30およびz座標z30を算出できる。
測定器2の位置のx座標x2およびz座標z2を用いて、上記と同様にして端末装置30の位置のx座標x’30およびz座標z’30を求めると、x座標x’30およびz座標z’30は、次式によって表される。
式(14)において、x2は、測定器2の位置のx座標であり、z2は、測定器2の位置のz座標である。そして、x2,z2,c,aは、既知であり、d1,d2は、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて検出されるので、推定手段5Bは、x座標x’30およびz座標z’30を算出できる。
測定器2の位置のz座標z2は、測定器1の位置のz座標z1と同じであるので、z座標z’30は、z座標z30に一致する。
なお、図32は、端末装置30の位置のx座標がx軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点よりも測定器1側に存在する場合を示すが、端末装置30の位置のx座標がx軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点よりも測定器2側に存在する場合も、推定手段5Bは、上述した方法によって端末装置30の位置を推定できる。
この場合、点H,Iは、x軸方向において点Fと点Gとの間に設定され、点Kは、x軸方向において点Iと点Hとの間に設定される。また、d1<d2となる。
図33は、図28に示す位置推定装置10Cによって端末装置30の位置を推定する方法を説明するための更に別の図である。
図33においては、端末装置30の位置のx座標が測定器2から測定器1へ向かう方向において測定器2から見て測定器1の位置より遠い位置に存在する場合について端末装置30の位置を推定する方法を説明する。
回転部材76-3が位置zr7に存在するとき、端末装置30から送信された電波は、回転部材76-3の遮蔽部材782によって遮蔽されずに測定器1に直接入射可能である。
また、回転部材76-3が位置zr8に存在するとき、端末装置30から測定器1に直接入射する電波は、回転部材76-3の遮蔽部材782によって遮蔽され始める。
更に、回転部材76-3が位置zr10に存在するとき、端末装置30から送信された電波は、回転部材76-3によって遮蔽されずに測定器2に直接入射可能である。
更に、回転部材76-3が位置zr9に存在するとき、端末装置30から測定器2に直接入射する電波は、回転部材76-3の遮蔽部材782によって遮蔽され始める。
その結果、測定器1で電波を直接受信したときの受信信号強度RSSI1は、回転部材76-3が位置zr7から測定器1,2側に移動するに伴って低下し、測定器2で電波を直接受信したときの受信信号強度RSSI2は、回転部材76-3が位置zr9から測定器2側に移動するに伴って大きくなる。
回転部材76-3が位置zr8に存在するとき、端末装置30、回転部材76-3の点Aおよび測定器1(点C)は、1つの直線上に存在する。
また、回転部材76-3が位置zr9に存在するとき、端末装置30、回転部材76-3の点Dおよび測定器2(点E)は、1つの直線上に存在する。
そして、点Aのx座標と同じx座標を有する点Bを設定すると、△ABCは、直角三角形になり、点Dのx座標と同じx座標を有する点Fを設定すると、△DEFは、直角三角形になる。
そうすると、点Bと点Cとの距離は、点Aのx座標xAから点Cのx座標x1を減算した距離(xA-x1)になり、点Eと点Fとの距離は、点Dのx座標xDから点Eのx座標x2を減算した距離(xD-x2)になる。点A,Dの位置は、カメラ3によって検出された位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて決定される。
従って、∠CABは、θ1と同じであり、tan(θ1)は、次式によって表される。
また、∠EDFは、θ2と同じであり、tan(θ2)は、次式によって表される。
従って、推定手段5Bは、式(15),(16)によってそれぞれθ1,θ2を算出することができる。
[推定方法1]
推定手段5Bは、θ1,θ2を算出すると、次の方法によって端末装置30の位置を推定する。
∠ACBは、(π/2-θ1)であるので、端末装置30の位置と測定器1の位置とを結ぶ直線L31の傾きaSLP3は、aSLP3=tan(π/2-θ1)=d1/(xA-x1)となる。直線L31の切片をb3とすると、直線L31は、次式によって表される。
推定手段5Bは、傾きaSLP3を算出し、その後、測定器1の位置のx座標x1およびz座標z1をそれぞれ式(17)のx,zに代入して切片b3を算出する。
また、∠DEFは、(π/2-θ2)であるので、端末装置30の位置と測定器2の位置とを結ぶ直線L32の傾きaSLP4は、aSLP4=tan(π/2-θ2)=d2/(xD-x2)となる。直線L32の切片をb4とすると、直線L32は、次式によって表される。
推定手段5Bは、傾きaSLP4を算出し、その後、測定器2の位置のx座標x2およびz座標z2をそれぞれ式(18)のx,zに代入して切片b4を算出する。
そうすると、推定手段5Bは、2つの直線L31,L32の交点を算出し、その算出した交点の位置を端末装置30の位置と推定する。
[推定方法2]
推定方法2においては、推定手段5Bは、次の方法によって端末装置30の位置を推定する。
推定手段5Bは、式(15),(16)によってそれぞれθ1,θ2を算出する。図33においては、端末装置30の位置のx座標が分からないが、d1>d2であり、回転部材76-3が位置zr8から測定器1,2側に移動するに伴って測定器1で測定した受信信号強度RSSI1が低下した状態を維持するので、推定手段5Bは、端末装置30の位置のx座標がx軸方向において測定器1の位置よりも遠い位置に存在することを検知する。
そこで、推定手段5Bは、測定器1からの距離が点Bよりも長くなる点M,Nを設定し、点Cと点Mとの距離をdx3とし、点Eと点Nとの距離をdx4とする。
そして、推定手段5Bは、端末装置30の位置を示す点Sを設定し、△SCMおよび△SENが直角三角形であると仮定し、△SCMにおける点Mと点Sとの距離をdz3と仮定し、△SENにおける点Nと点Sとの距離をdz4と仮定する。
その結果、次式が得られる。
式(19A)は、△ACBと△SCMとが相似であると仮定したことによって得られ、式(19B)は、△DEFと△SENとが相似であると仮定したことによって得られる。
式(19A)および式(19B)からそれぞれdz3,dz4を算出すると、dz3,dz4は、次式によって表される。
端末装置30の位置のx座標と同じx座標を有する点Pを仮定すると、△ACBと△SCPとが相似になり、△DEFと△SEPとが相似になる。この場合、式(20A)におけるdz3と式(20B)におけるdz4とが一致するので、式(20A)の右辺と式(20B)の右辺とが等しくなり、dx4は、dx3を用いて次式によって表わされる。
式(21)において、xAは、点Aのx座標であり、xDは、点Dのx座標である。
式(19C)と式(21)とによってdx3,dx4を求めると、dx3,dx4は、次式によって表される。
推定手段5Bは、式(22A)によって表されるdx3を式(20A)に代入してdz3を算出し、式(22B)によって表されるdx4を式(20B)に代入してdz4を算出する。その結果、dz3,dz4は、次式によって表される。
式(23)に示すように、dz3は、dz4に一致する。推定手段5Bは、dz3,dz4を算出すると、dz3がdz4に一致することを確認する。
端末装置30の位置を示すx座標x30は、点Pのx座標と同じであり、点Pのx座標は、測定器1の位置のx座標x1にdx3を加算したものであるので、x30=x1+dx3となる。また、点Pのz座標は、測定器1の位置のz座標と同じであるので、点Pのz座標は、z1となる。
端末装置30の位置のz座標z30は、点Pのz座標に式(23A)のdz3を加算したものであるので、z30=z1+dz3となる。
従って、推定手段5Bは、上述した方法によって、x座標x30およびz座標z30を求め、その求めたx座標x30およびz座標z30によって表された位置を端末装置30の位置と推定する。x座標x30およびz座標z30は、次式によって表される。
式(24)において、x1は、測定器1の位置のx座標であり、z1は、測定器1の位置のz座標であり、xAは、点Aのx座標であり、xDは、点Dのx座標である。
測定器2の位置のx座標x2およびz座標z2を用いて、上記と同様にして端末装置30の位置のx座標x’30およびz座標z’30を求めると、x座標x’30およびz座標z’30は、次式によって表される。
式(25)において、x2は、測定器2の位置のx座標であり、z2は、測定器2の位置のz座標であり、xAは、点Aのx座標であり、xDは、点Dのx座標である。
測定器2の位置のz座標z2は、測定器1の位置のz座標z1と同じであるので、z座標z’30は、z座標z30に一致する。
なお、図33は、端末装置30の位置のx座標が測定器2から測定器1へ向かう方向において測定器2から見て測定器1の位置より遠い位置に存在する場合を示すが、端末装置30の位置のx座標が測定器1から測定器2へ向かう方向において測定器1から見て測定器2の位置より遠い位置に存在する場合も、推定手段5Bは、上述した方法によって端末装置30の位置を推定できる。
この場合、点Mは、測定器1から測定器2へ向かう方向において測定器1から見て点Eよりも遠い位置に設定され、点Nは、x軸方向において点Mよりも遠い位置に設定される。また、d2>d1となる。更に、図33の直線L31,L32に相当する2つの直線の傾きは、マイナスの値になる。
図31から図33に示すように、x軸方向における端末装置30の位置と測定器1,2の位置との関係によって、端末装置30から送信された電波が測定器1,2に直接入射するときの入射方向のz軸方向に対する角度θ1,θ2の相互の関係が異なる。
x軸方向において、端末装置30の位置が測定器1の位置と測定器2の位置との間に存在するとき、角度θ1,θ2は、相互に独立した角度であるが(図31および図32参照)、x軸方向において、測定器2から見て端末装置30が測定器1よりも遠い位置に存在するとき、θ1は、θ2の一部であり、θ2に包含される(図33参照)。
従って、角度θ1,θ2の相互の関係によって、x軸方向において、端末装置30の位置と測定器1,2の位置との関係を判定することができる。
より具体的には、2つの角度θ1,θ2が相互に独立であれば、x軸方向における端末装置30の位置は、x軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との間であると判定され、2つの角度θ1,θ2の一方が他方に包含されていれば、x軸方向における端末装置30の位置は、x軸方向において、測定器1,2の一方から見て他方よりも遠い位置であると判定される。ここで、「測定器1,2の一方から見て他方よりも遠い位置」と記載しているのは、図33に示す場合と異なり、x軸方向における端末装置30の位置が測定器1から見て測定器2よりも遠い位置である場合もあるからである。
図31から図33においては、測定器1の位置のz座標z1が測定器2の位置のz座標z2に一致すると図示されているが、図31から図33において説明した推定方法1を用いて端末装置30の位置を推定する場合、θ1,θ2を算出できれば、端末装置30の位置を推定できるので、測定器1の位置のz座標z1は、測定器2の位置のz座標z2に一致していなくてもよい。
図34は、受信信号強度と経過時間との関係を示す図である。図34において、縦軸は、受信信号強度RSSIを表し、横軸は、経過時間を表す。また、曲線k9は、受信信号強度RSSIと経過時間との関係を示す。なお、図34に示す受信信号強度と経過時間との関係は、カットオフ周波数以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度と経過時間との関係を示す。
図34を参照して、回転部材76-3が図31に示す位置zr2に到達すると、時刻Tstart_9において、受信信号強度RSSIが低下し始め、回転部材76-3が位置zr2から更に端末装置30側に移動すると、測定器1に直接入射する電波が遮蔽部材782によって更に遮蔽されるので、受信信号強度RSSIが更に低下しながら遮蔽/非遮蔽部材783によって電波が遮蔽および透過され、受信信号強度RSSIが上下する(曲線k9参照)。
従って、カメラ3によって検出された位置タイミングチャートPS_CHTを参照して時刻Tstart_9における3次元座標を検出することによって回転部材76-3の点Aの位置を示す座標を取得することができる。
図31に示す点Dの位置、図32に示す点A,Dの位置および図33に示す点A,Dの位置についても、同様に取得することができる。
図35は、図29に示す遮蔽/非遮蔽装置6Bの移動方向を示す図である。図35を参照して、遮蔽/非遮蔽装置6Bは、矢印で示すように、x-z平面においてx軸方向に移動しながらz軸方向に往復運動を行うように移動する。
遮蔽/非遮蔽装置6Bが図35に示すように移動することによって、図31から図33に示す点A,Dの位置を検出することができると共に、図31および図32に示す端末装置30の位置と図33に示す端末装置30の位置との違いを識別できる。
位置推定装置10Cにおける遮蔽/非遮蔽装置6Bの駆動装置66は、遮蔽/非遮蔽装置6Bがx軸方向に移動する範囲と遮蔽/非遮蔽装置6Bがz軸方向に移動する範囲とを予め保持しており、遮蔽/非遮蔽装置6Bがx-z平面においてx軸方向に移動しながらz軸方向に往復運動を行うように駆動輪(車輪67)を駆動する。この場合、駆動装置66は、駆動輪(車輪67)の回転速度と駆動輪(車輪67)の方向と遮蔽/非遮蔽装置6Bの走行時間とによって、遮蔽/非遮蔽装置6Bがx軸方向またはz軸方向に移動した距離を検出し、x軸方向の移動距離が予め設定されたx軸方向に移動する範囲内になり、z軸方向の移動距離が予め設定されたz軸方向に移動する範囲内になるように駆動輪(車輪67)を駆動する。
図36は、図28に示す位置推定装置10Cの動作を説明するためのフローチャートである。
図36に示すフローチャートは、図22に示すフローチャートのステップS7~S10をステップS7A,S8Aに変え、図22に示すフローチャートのステップS13をステップS13Aに変えたものであり、その他は、図22に示すフローチャートと同じである。
図36を参照して、位置推定装置10Cの動作が開始されると、上述したステップS20,S1,S2A,S3~S6が順次実行される。
そして、ステップS6の後、推定手段5Bは、測定器M_iに直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始め、遮蔽/非遮蔽タイミングチャートSHD/UNSHD_CHT_iの受信信号強度RSSIが低下し始めるときの遮蔽部材782の位置PDown_iを位置タイミングチャートPS_CHTを用いて検出する(ステップS7A)。
その後、推定手段5Bは、測定器M_iの位置と位置PDown_iとを通過する直線LDown_iを求める(ステップS8A)。
ステップS8Aの後、上述したステップS11が実行され、ステップS11において、i=2でないと判定されたとき、上述したステップS12が実行され、一連の動作は、ステップS4へ移行する。
その後、ステップS11において、i=2であると判定されるまで、ステップS4~S6,S7A,S8A,S11,S12が繰り返し実行される。
そして、ステップS11において、i=2であると判定されると、推定手段5Bは、2本の直線LDown_1,LDown_2の交点の位置を算出し、その算出した交点の位置を端末装置30の位置と推定する(ステップS13A)。これによって、位置推定装置10Cの動作が終了する。
図36に示すフローチャートにおいては、ステップS4~S6,S7A,S8Aが1回目に実行されると、測定器1の位置と位置PDown_1(=図31から図33に示す点Aの位置)とを通過する直線LDown_1が求められる。
そして、ステップS4~S6,S7A,S8Aが2回目に実行されると、測定器2の位置と位置PDown_2(=図31から図33に示す点Dの位置)とを通過する直線LDown_2が求められる。
直線LDown_1は、式(3)または式(17)によって表わされ、直線LDown_2は、式(4)または式(18)によって表わされる。
このように、図36に示すフローチャートによれば、2つの直線LDown_1,LDown_2を求め、その求めた直線LDown_1,LDown_2の交点の位置を端末装置30の位置と推定する(ステップS13A参照)。従って、2つの測定器1,2を用いて端末装置30の位置を推定できる。
図37は、図28に示す位置推定装置10Cの動作を説明するための別のフローチャートである。
図37に示すフローチャートは、図22に示すフローチャートのステップS7~S10をステップS7Bに変え、ステップS13をステップS21~ステップS26に変えたものであり、その他は、図22に示すフローチャートと同じである。
図37を参照して、位置推定装置10Cの動作が開始されると、上述したステップS20,S1,S2A,S3~S6が順次実行される。
そして、ステップS6の後、推定手段5Bは、位置タイミングチャートPS_CHTおよびローパスフィルタLPF_iによって処理した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_iに基づいて、測定器M_iに直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときのz軸方向における遮蔽部材782の最外周の位置と測定器M_iの位置との距離diを検出する(ステップS7B)。
ステップS7Bの後、上述したステップS11が実行され、ステップS11において、i=2でないと判定されたとき、上述したステップS12が実行され、一連の動作は、ステップS4へ移行する。
その後、ステップS11において、i=2であると判定されるまで、ステップS4~S6,S7B,S11,S12が繰り返し実行される。
そして、ステップS11において、i=2であると判定されると、推定手段5Bは、電波が測定器1に直接入射するときの電波の入射方向がz軸方向と成す角度θ1を式(1)または式(15)によって算出し、電波が測定器2に直接入射するときの電波の入射方向がz軸方向と成す角度θ2と式(2)または式(16)によって算出する(ステップS21)。
その後、推定手段5Bは、θ1,θ2の一方が他方に包含されるか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、θ1,θ2の一方が他方に包含されないと判定されたとき、推定手段5Bは、d1=d2であるか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、d1=d2であると判定されたとき、推定手段5Bは、式(5)~(7)を用いて端末装置30の位置を推定する(ステップS24)。
一方、ステップS23において、d1=d2でないと判定されたとき、推定手段5Bは、式(8)~(14)を用いて端末装置30の位置を推定する(ステップS25)。
また、ステップS22において、θ1,θ2の一方が他方に包含されると判定されたとき、推定手段5Bは、式(19)~(25)を用いて端末装置30の位置を推定する(ステップS26)。
そして、ステップS24,S25,S26のいずれかの後、位置推定装置10Cの動作が終了する。
図38は、図37に示すステップS24の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図38を参照して、図37のステップS23において、d1=d2であると判定されたとき、推定手段5Bは、測定器1の位置を示すx座標と測定器2の位置を示すx座標とに基づいて、x軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点MPを算出する(ステップS241)。
そして、推定手段5Bは、測定器1の位置を示すx座標と中点MPの位置を示すx座標とに基づいて、測定器1の位置と中点MPとの距離c/2を算出する(ステップS242)。
その後、推定手段5Bは、式(5)によって、z軸方向における中点MPと端末装置30との距離dzを算出する(ステップS243)。
引き続いて、推定手段5Bは、測定器1の位置のx座標x1から距離c/2を減算して端末装置30の位置のx座標x30を算出する(ステップS244)。
そして、推定手段5Bは、測定器1の位置のz座標z1に距離dzを加算して端末装置30の位置のz座標z30を算出する(ステップS245)。
その後、推定手段5Bは、測定器2の位置のx座標x2に距離c/2を加算して端末装置30の位置のx座標x’30を算出し(ステップS246)、測定器2の位置のz座標z2に距離dzを加算して端末装置30の位置のz座標z’30を算出する(ステップS247)。
そうすると、推定手段5Bは、点(x30,z30)と点(x’30,z’30)との距離Δdを算出する(ステップS248)。
そして、推定手段5Bは、距離Δdがしきい値Δd_th以下であるか否かを判定する(ステップS249)。
ステップS249において、距離Δdがしきい値Δd_th以下でないと判定されたとき、一連の動作は、図37のステップS20へ移行する。これによって、端末装置30の位置は、再度、推定される。
一方、ステップS249において、距離Δdがしきい値Δd_th以下であると判定されたとき、点(x30,z30)と点(x’30,z’30)とのいずれかを端末装置30の位置と推定する(ステップS250)。そして、ステップS250の後、一連の動作は、図37の“終了”へ移行する。
なお、図38に示すフローチャートにおいては、ステップS248,S249を実行せずに、ステップS247の後、ステップS250を実行するようにしてもよい。
また、図38に示すフローチャートにおいては、ステップS246~ステップS249を実行せずに、ステップS250において、ステップS244,S245で算出したx座標x30およびz座標z30からなる位置を端末装置30の位置と推定してもよい。この場合、1つの測定器1を用いて端末装置30の位置を推定できる。
図39は、図37に示すステップS25の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図39を参照して、図37のステップS23において、d1=d2でないと判定されたとき、推定手段5Bは、x軸方向における測定器1の位置と測定器2の位置との中点MPよりも測定器1側または測定器2側に第1の点Point_1および第2の点Point_2を設定する(ステップS251)。
そして、推定手段5Bは、x軸方向において、測定器1の位置と第1の点Point_1との距離をdx1と仮定し、測定器2の位置と第2の点Point_1との距離をdx2と仮定する(ステップS252)。
その後、推定手段5Bは、i=1を設定し(ステップS253)、受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_iおよび位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて、端末装置30から測定器M_iに直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときのz軸方向における遮蔽部材782と測定器M_iとの距離diを検出する(ステップS254)。
引き続いて、推定手段Bは、端末装置30から測定器M_iに直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときのx軸方向における遮蔽部材782と測定器M_iとの距離dDown_iを遮蔽部材782の半径aを用いて算出する(ステップS255)。
そして、推定手段5Bは、測定器M_iの位置、点Point_i、および仮定した端末装置30の位置によって直角三角形が形成されると仮定し、その仮定した直角三角形において、仮定した端末装置30の位置と点Point_iとの距離をdziと仮定する(ステップS256)。
そうすると、推定手段5Bは、i=2であるか否かを判定する(ステップS257)。
ステップS257において、i=2でないと判定されたとき、推定手段5Bは、i=i+1を設定する(ステップS258)。その後、一連の動作は、ステップS254へ移行し、ステップS257において、i=2であると判定されるまで、ステップS254~ステップS258が繰り返し実行される。
そして、ステップS257において、i=2であると判定されると、推定手段5Bは、距離dDown_1と距離dx1との比が距離d1と距離dz1との比に等しく、距離dDown_2と距離dx2との比が距離d2と距離dz2との比に等しく、距離dz1が距離dz2に等しいことを用いて距離dx1,dx2,dz1,dz2を算出する(ステップS259)。即ち、推定手段5Bは、式(8)~式(12)によって距離dx1,dx2,dz1,dz2を算出する(ステップS259)。この場合、推定手段5Bは、式(10)の右辺を式(8C)のdx2に代入してdx1を算出し、その算出したdx1を式(10)のdx1に代入してdx2を算出し、算出したdx1を式(9A)のdx1に代入してdz1を算出し、算出したdx2を式(9B)のdx2に代入してdz2を算出する。
そうすると推定手段5Bは、測定器1の位置(x1,z1)と距離dx1,dz1とを用いて端末装置30の位置(x30,z30)を算出する(ステップS260)。即ち、推定手段5Bは、測定器1の位置のx座標x1から距離dx1を減算して端末装置30の位置のx座標x30を算出し、測定器1の位置のz座標z1に距離dz1を加算して端末装置30の位置のz座標z30を算出する。
その後、推定手段5Bは、同様にして、測定器2の位置(x2,z2)と距離dx2,dz2とを用いて端末装置30の位置(x’30,z’30)を算出する(ステップS261)。
そして、推定手段5Bは、点(x30,z30)と点(x’30,z’30)との距離Δdを算出し(ステップS262)、距離Δdがしきい値Δd_th以下であるか否かを判定する(ステップS263)。
ステップS263において、距離Δdがしきい値Δd_th以下でないと判定されたとき、一連の動作は、図37のステップS20へ移行する。これによって、端末装置30の位置は、再度、推定される。
一方、ステップS263において、距離Δdがしきい値Δd_th以下であると判定されたとき、点(x30,z30)と点(x’30,z’30)とのいずれかを端末装置30の位置と推定する(ステップS264)。そして、ステップS264の後、一連の動作は、図37の“終了”へ移行する。
なお、図39に示すフローチャートにおいては、ステップS262,S263を実行せずに、ステップS261の後、ステップS264を実行するようにしてもよい。
また、図39に示すフローチャートにおいては、ステップS261~ステップS263を実行せずに、ステップS264において、ステップS260で算出したx座標x30およびz座標z30からなる位置を端末装置30の位置と推定してもよい。
図40は、図37に示すステップS26の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図40に示すフローチャートは、図39に示すフローチャートのステップS251,S255をそれぞれステップS251A,S255Aに変えたものであり、その他は、図39に示すフローチャートと同じである。
図40を参照して、図37のステップS22において、θ1,θ2の一方が他方を包含すると判定されたとき、推定手段5Bは、x軸方向において、測定器1,2の一方から見て他方よりも遠い位置に第1の点Point_1および第2の点Point_2を設定する(ステップS251A)。
その後、上述したステップS252~ステップS254が順次実行され、ステップS254の後、推定手段5Bは、端末装置30から測定器M_iに直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときのx軸方向における遮蔽部材782と測定器M_iとの距離dDown_iを遮蔽部材782の最外周の位置を用いて算出する(ステップS255A)。
ステップS255Aの後、上述したステップS256~ステップS264が順次実行され、ステップS264の後、一連の動作は、図37の“終了”へ移行する。
図40に示すフローチャートにおいても、ステップS262,S263を実行せずに、ステップS261の後、ステップS264を実行するようにしてもよい。
また、図39に示すフローチャートにおいても、ステップS261~ステップS263を実行せずに、ステップS264において、ステップS260で算出したx座標x30およびz座標z30からなる位置を端末装置30の位置と推定してもよい。
なお、この発明の実施の形態においては、処理手段4および推定手段5Bの動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、位置推定装置10Cは、測定器1,2と、カメラ3と、遮蔽/非遮蔽装置6Bと、パーソナルコンピュータPCとを備える。パーソナルコンピュータPCは、CPUと、ROMと、RAMとを備える。
ROMは、図36に示すフローチャートのステップS3~ステップS6,S7A,S8A,S11,S12,S13Aを備えるプログラムProg_Bを記憶する。RAMは、カットオフ周波数fOFF_1,fOFF_2、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1、カットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2、2個の直線LDown_1,LDown_2を一時的に記憶する。
そして、CPUは、測定器1,2からそれぞれ受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2を受け、カメラ3から位置タイミングチャートPS_CHTを受ける。そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Bを読み出して実行し、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
また、プログラムProg_Bは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Bを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Bを読み出して実行して、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
従って、プログラムProg_Bを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また、ROMは、図37に示すフローチャート(図38から図40に示すフローチャートを含む。)のステップS3~ステップS6,S7B,S11,S12,S21~S26を備えるプログラムProg_Cを記憶する。
そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Cを読み出して実行し、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
また、プログラムProg_Cは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Cを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Cを読み出して実行して、測定器1,2がそれぞれ測定した受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2とカメラ3が検出した位置タイミングチャートPS_CHTとに基づいて端末装置30の位置を推定する。
従って、プログラムProg_Cを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
実施の形態2についてのその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
上述した実施の形態1においては、遮蔽物50が移動しながら測定器1,2によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および遮蔽物50の位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて、遮蔽状態SHLが開始する位置PSstartと遮蔽状態SHLが終了する位置PSendとを求め、測定器の位置と位置PSstartとを通過する直線と、測定器の位置と位置PSendとを通過する直線とを平均した直線Laveを求めることを2つの測定器1,2の各々について実行し、2つの測定器1,2について求めた2つの直線Lave_1,Lave_2の交点の位置を端末装置30の位置と推定することを説明した。
また、上述した実施の形態2においては、遮蔽/非遮蔽装置6,6Aが移動しながら測定器1,2によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および遮蔽/非遮蔽装置6,6Aの位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて、遮蔽状態SHLが開始する位置PSstartと遮蔽状態SHLが終了する位置PSendとを求め、測定器の位置と位置PSstartとを通過する直線と、測定器の位置と位置PSendとを通過する直線とを平均した直線Laveを求めることを2つの測定器1,2の各々について実行し、2つの測定器1,2について求めた2つの直線Lave_1,Lave_2の交点の位置を端末装置30の位置と推定することを説明した。
更に、上述した実施の形態2においては、遮蔽/非遮蔽装置6Bが移動しながら測定器1,2によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および遮蔽/非遮蔽装置6Bの位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて、端末装置30から測定器1に直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときの遮蔽部材782の位置(点A)と端末装置30から測定器2に直接入射する電波が遮蔽部材782によって遮蔽され始めるときの遮蔽部材782の位置(点D)とを求め、その求めた2つの遮蔽部材782の位置(点Aおよび点D)を用いて端末装置30の位置を推定することを説明した。
従って、この発明の実施の形態による位置推定装置は、端末装置30から送信された電波が遮蔽/非遮蔽される通信環境において測定器1,2によって測定された受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1,RSSI_CHT_2および遮蔽物50(または遮蔽/非遮蔽装置6,6A,6B)の位置タイミングチャートPS_CHTに基づいて、端末装置30から送信された電波が遮蔽される遮蔽位置を求め、その求めた遮蔽位置に基づいて端末装置30の位置を推定するものであればよい。
ここで、遮蔽位置は、実施の形態1による遮蔽物50によって遮蔽された位置PSstart_1~PSstart_8,PSend_1~PSend_8、実施の形態2による遮蔽/非遮蔽装置6,6Aによって遮蔽された位置PSstart_1~PSstart_8,PSend_1~PSend_8および実施の形態2による遮蔽/非遮蔽装置6Bによって遮蔽された点Aおよび点Dからなる。
この発明の実施の形態においては、測定器1は、「第1の測定器」を構成し、測定器2は、「第2の測定器」を構成し、カメラ3は、「検出器」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、カットオフ周波数fOFF_1以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_1は、「第1の低周波受信信号強度タイミングチャート」を構成し、カットオフ周波数fOFF_2以上の周波数成分を除去した後の受信信号強度タイミングチャートRSSI_CHT_2は、「第2の低周波受信信号強度タイミングチャート」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、遮蔽状態SHL_1~SHL_4の経過時間依存性は、「第1の遮蔽タイミングチャート」を構成し、遮蔽状態SHL_5~SHL_8の経過時間依存性は、「第2の遮蔽タイミングチャート」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、遮蔽状態SHL_1~SHL_4または遮蔽状態SHL_5~SHL_8は、「複数の遮蔽状態」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、直線Lave_1は、「第1の直線」を構成し、直線Lave_2は、「第2の直線」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、直線L1,L3,L5,L7または直線L9,L11,L13,L15は、「第3の直線」を構成し、直線L2,L4,L6,L8または直線L10,L12,L14,L16は、「第4の直線」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、直線L1,L3,L5,L7および直線L2,L4,L6,L8は、「複数組の第3および第4の直線」を構成し、直線L9,L11,L13,L15および直線L10,L12,L14,L16は、「複数組の第3および第4の直線」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、座標(x30,z30)または座標(x’30,z’30)は、「推定配置座標」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。