JP2022146759A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気的な突極性を持たない回転子を備える回転電機であっても、永久磁石を初期位置に位置合わせすることなく回転角を推定できる回転電機を提供すること。【解決手段】回転電機10は、磁気的な突極性を持たない回転子20と、固定子14と、を有する。回転電機10は、q軸のインダクタンスに対する回転電機10のd軸のインダクタンスの比率である突極比が1.03以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機に関する。
高速回転可能な回転電機は、永久磁石を有する回転子と、回転子を囲む固定子とを有する。高速回転可能な回転電機の一例として例えば特許文献1に開示される高速回転電機がある。このような高速回転電機では、回転位置センサを用いないで回転子の回転角を推定する位置センサレス制御が行われている。
特開平10-285838号公報
ところが、回転電機では、ゼロ速域又は低速域で位置センサレス制御を行うには、位置センサレス制御の開始時に、回転電機に電流を流し、永久磁石を初期位置に強制的に位置合わせする必要がある。
上記問題点を解決するための回転電機は、永久磁石を有し、かつ磁気的な突極性を持たない回転子と、固定子と、を有する回転電機であって、q軸のインダクタンスに対する、前記回転電機のd軸のインダクタンスの比率である突極比が1.03以上であることを要旨とする。
これによれば、磁気的な突極性を持たない回転子を備える回転電機であっても、回転電機としては突極性を持つため、ゼロ速域又は低速域であっても突極性を用いて位置センサレス制御における回転角の推定を行うことができる。したがって、ゼロ速域又は低速域であっても、永久磁石を初期位置に位置合わせすることなく回転角を推定できる。
回転電機について、前記固定子は、ヨークと、前記ヨークの周方向に複数設けられたティースを有し、前記固定子の軸線方向から当該固定子を見て、前記ヨークの径方向に沿った前記ヨークの寸法をヨーク幅とし、前記固定子の前記軸線方向から前記ティースを見て、前記ティースの短辺方向の寸法をティース幅とし、前記突極比が1.00となる前記固定子の形状を初期形状とした場合、前記ヨーク幅及び前記ティース幅の少なくとも一つを前記初期形状より狭くして前記突極比を1.03以上にした。
これによれば、固定子のヨーク及びティースの少なくとも一方の形状を調節することで、磁気的な突極性を持たない回転子を備える回転電機であっても、ゼロ速域又は低速域で位置センサレス制御における回転角の推定を行うことができる。
回転電機について、前記ティース幅を前記初期形状に対し10%以上狭くする、又は前記ヨーク幅を前記初期形状に対し13%以上狭くするのが好ましい。
これによれば、永久磁石の種類を変えたり、固定子の材質を変えたりして、突極比を1.03以上にする場合と比べると、容易に突極比を1.03以上にできる。
本発明によれば、磁気的な突極性を持たない回転子を備える回転電機であっても、永久磁石を初期位置に位置合わせすることなく回転角を推定できる。
回転電機を示す図。 回転電機を示す断面図。 制御システムを示す図。 ティース幅及びヨーク幅を狭くしたときの誘起電圧を示すグラフ。 突極比と推定精度の関係を示す表。
以下、回転電機を具体化した一実施形態を図1~図5にしたがって説明する。
図1に示すように、回転電機10は、筒状のハウジング11内に収容されている。ハウジング11は、筒状の第1ハウジング構成体12と、第1ハウジング構成体12に連結される板状の第2ハウジング構成体13と、を備える。第1ハウジング構成体12及び第2ハウジング構成体13は金属製である。
第1ハウジング構成体12は、板状の底壁12aと、底壁12aの外周部から筒状に延びる周壁12bと、底壁12aから張り出す筒状のボス部12cと、を有している。ボス部12cの軸線は、第1ハウジング構成体12の周壁12bの軸線と一致している。
第2ハウジング構成体13は、周壁12bにおける底壁12aとは反対側の開口を閉塞した状態で第1ハウジング構成体12に連結されている。第2ハウジング構成体13は、内面から円筒状に張り出すボス部13aを有する。ボス部13aの軸線は、第1ハウジング構成体12の周壁12bの軸線と一致している。両方のボス部12c,13aの軸線は一致している。
回転電機10は、固定子14と、回転子20と、を備える。
固定子14は、固定子コア15と、固定子コア15に巻装されるコイル18と、を有する。固定子コア15は、電磁鋼板を複数積層して形成されている。
図2に示すように、固定子コア15は、円筒状のヨーク16と、ヨーク16の内周面から、ヨーク16の中心軸線Lに向けて延びる複数のティース17と、を有する。なお、ヨーク16の中心軸線Lの延びる方向を、固定子14の軸線方向とする。複数のティース17の各々は、ヨーク16の内周面から中心軸線Lに向けて延びている。複数のティース17は、ヨーク16の周方向に等間隔おきに配置されている。固定子14は、全部で6個のコイル18を有する。コイル18は、2極で、U相、V相、及びW相の3相に割り当てられている。コイル18は、集中巻きでティース17に巻かれている。
図1に示すように、回転子20は、保護管21と、永久磁石22と、第1軸部材23及び第2軸部材24と、を有する。回転子20は、全体で回転軸を構成している。保護管21は、炭素繊維強化プラスチックから構成されているため、空気と同程度の透磁率を有する。保護管21は円筒状である。なお、保護管21の材質は、空気と同程度の透磁率を有するのであれば、炭素繊維強化プラスチック以外であってもよい。
永久磁石22は、円柱状である。永久磁石22の片側の半円柱部はN極に着磁されるとともに、残りの片側の半円柱部はS極に着磁されている。なお、図1及び図2では、永久磁石22がN極とS極に着磁されていることを示すため、永久磁石22に異なるハッチングを付しているが、永久磁石22は1本の円柱状である。永久磁石22は保護管21内に配置されている。永久磁石22の軸線方向の長さは、保護管21の軸線方向の長さよりも短い。
保護管21は、回転子20の回転時の永久磁石22の飛び出しを防止するために永久磁石22を覆う状態で第1軸部材23及び第2軸部材24に嵌合されている。ただし、保護管21は空気と同程度の透磁率を有するため、永久磁石22の磁気的な特性は保護管21によってほとんど低減していない。したがって、永久磁石22の表面は保護管21によって覆われているものの、回転子20の表面には永久磁石22の表面が配置されている状態とほぼ同じといえる。したがって、本実施形態の回転電機10は、表面に永久磁石22が配置されたSPM(Surface Permanent Magnet)モータであるといえる。
また、SPMモータに対してIPM(Interior Permanent Magnet)モータがある。このIPMモータの回転子では、永久磁石が回転子の内部に埋め込まれている。このため、IPMモータの回転子の表面には、永久磁石は配置されていない。また、回転子の内部に永久磁石が埋め込まれている構成上、IPMモータの回転子には突極が形成され、突極性を有している。
上記したように、実施形態の回転電機10の回転子20は、回転子20への永久磁石22の埋め込みはなく、磁石間の突極もないことから、IPMモータではなく、SPMモータであるといえる。
図1に示すように、第1軸部材23は、保護管21の軸線方向の第1端部に設けられている。第1軸部材23は、保護管21の第1端部に挿入された状態で保護管21の内周面に固定されている。第1軸部材23は、ボス部12c内の軸受31によって第1ハウジング構成体12に回転可能に支持されている。
第2軸部材24は、保護管21の軸線方向の第2端部に設けられている。第2軸部材24は、保護管21の第2端部に挿入された状態で保護管21の内周面に固定されている。第2軸部材24は、ボス部13a内の軸受32によって第2ハウジング構成体13に回転可能に支持されている。
図2に示すように、d軸は、回転子20の磁極が作る磁束の方向を表す。q軸は、d軸と電気的及び磁気的に直交する軸を表す。
図3に示すように、回転電機10の制御システム40は、回転電機10を駆動させるインバータ回路41と、インバータ回路41の制御に用いられるコントローラ42と、を有する。また、回転電機10の制御システム40は、回転子20の回転角を推定するために用いられるオブザーバ43と、回転子20の回転角を推定する位置推定部44と、電流検出部45と、電圧検出部46と、を有する。
コントローラ42は、図示しない上位制御装置からの指令により、インバータ回路41を制御する。インバータ回路41は、電源47から入力される直流電力を交流電力に変換することにより、回転電機10を駆動させる。
電流検出部45は、回転電機10に流れる電流を検出する。
電圧検出部46は、インバータ回路41への入力電圧を検出する。
オブザーバ43には、電流検出部45によって検出された電流値と、電圧検出部46によって検出された電圧値が入力される。オブザーバ43は、電流検出部45によって検出された各相の電流をd軸電流及びq軸電流に変換する。d軸電流は、回転子20の磁束軸方向成分の電流、すなわち励磁成分電流ともいえ、q軸電流は、回転電機10のトルクに寄与するトルク成分電流ともいえる。検出された各相の電流をd軸電流及びq軸電流に変換するのはオブザーバ43でなくてもよく、オブザーバ43とは別に変換回路を設けてもよい。
オブザーバ43は、d軸電流値及びq軸電流値に基づいて、d軸のインダクタンスLd及びq軸のインダクタンスLqを演算する。オブザーバ43は、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqとの差と、電流値及び電圧値と、から誘起電圧を演算する。一般にSPMモータでは、ゼロ速域又は低速域での回転角を推定する場合、SPMモータを回転させる電流に加え、推定用電流を重畳させる。位置推定部44は、オブザーバ43によって算出された誘起電圧値に基づいて回転角を推定する。
d軸のインダクタンスLdは、d軸の磁気抵抗の逆数として表され、q軸のインダクタンスLqは、q軸の磁気抵抗の逆数として表される。磁気抵抗が大きいほど、d軸のインダクタンスLd及びq軸のインダクタンスLqは小さくなる。したがって、固定子コア15が磁気飽和するほど、固定子コア15の磁気抵抗が大きくなり、d軸のインダクタンスLd及びq軸のインダクタンスLqは小さくなる。q軸のインダクタンスLqに対する、回転電機10のd軸のインダクタンスLdの比率であるLq/Ldを突極比とする。
本発明を適用しない一般的なSPMモータについて、以下、一般的なSPMモータと記載する。一般的なSPMモータは、原理的には突極性が無く、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqの違いが基本的にはない。このため、一般的なSPMモータの突極比は「1」である。よって、一般的なSPMモータのゼロ速域又は低速域では、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqの差がゼロになり、誘起電圧を算出できない。その結果として、一般的なSPMモータでは、ゼロ速域又は低速域での回転角の推定ができない。
また、突極比が1より大きくても、ある程度の突極比の大きさがないと、回転角の推定精度が低くなることが知られている。このため、一般的なSPMモータのゼロ速域又は低速域では、d軸電流を流し、永久磁石を強制的に初期位置に位置合わせして回転角の推定を行っている。なお、一般的なSPMモータの高速域では、突極性が無くても誘起電圧による回転角の推定が可能であることが知られている。このため、一般的なSPMモータの高速域では、突極性がなくなっても回転角の推定は可能である。
これに対し、本実施形態では、磁気的な突極性を持たない回転子20を備える回転電機10において、ゼロ速域又は低速域であっても制御システム40による回転角の推定を可能にしている。
具体的には、固定子14のヨーク16及びティース17の少なくとも一方の寸法を調節することで、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqに差を持たせつつ、突極比を1.03以上にすることで回転角の推定を可能にしている。
電流の流れていない無負荷のとき、永久磁石22の起磁力により、d軸磁束が発生するが、このd軸磁束は、回転子20の回転位相に対して変化しない。このd軸磁束で固定子コア15の磁気特性における磁気飽和が僅かでも発生すると、d軸のインダクタンスLdが減少し、d軸のインダクタンスLdが小さくなる。その一方で、q軸のインダクタンスLqは変化しない。このため、突極比が大きくなり、回転電機10に突極性が出現する。磁気飽和をさせる方法として、固定子コア15に以下の方法を採用している。
図2に示すように、固定子14を軸線方向から見たとき、ヨーク16の径方向に沿ったヨーク16の寸法をヨーク幅Wyとする。また、固定子14を軸線方向から見たとき、ティース17の短辺方向の寸法をティース幅Wtとする。突極比が1の固定子コア15の形状を初期形状とする。なお、初期形状の固定子コア15は、実施形態の固定子コア15と同じ材質の電磁鋼板を同じ枚数積層して形成されている。
固定子14において、ヨーク幅Wyを初期形状よりも狭くすると、同じ回転子20を用いても磁気飽和しやすくなり、ティース幅Wtを初期形状よりも狭くすると、同じ回転子20を用いても磁気飽和しやすくなる。これは、永久磁石22と固定子コア15の間に形成される磁路を狭くすることで、磁気飽和する状態を作り出すことで達成される。
本実施形態では、位置センサレス制御を可能にするため、無負荷のときでも突極比が1.03以上となるように固定子コア15を設計している。このように、突極比を1.03以上にすることで、磁気的に突極性を持たない回転子20を備える回転電機10であっても回転角の推定を可能にしている。
図4の実線に示すグラフに、初期形状の固定子コア15を用いた回転電機10に電流を流したときの誘起電圧と電気角との関係を示す。永久磁石22がコイル18に直交したときを電気角0°とする。このとき、永久磁石22と固定子コア15の間に形成される磁路での磁束は最大となり、誘起電圧も最大となる。電気角が増えていくと、誘起電圧も徐々に小さくなっていく。そして、電気角が180°ずれると、誘起電圧は最小になる。初期形状の固定子コア15を用いた場合に発生する誘起電圧は正弦波状である。
図4の1点鎖線に示すグラフに、ティース幅Wtを初期形状より狭くした固定子コア15を用いた場合を示す。ティース幅Wtを狭くした固定子コア15を用いた場合、誘起電圧は正弦波と異なる波形を示し、歪みが生じていることがわかる。特に、電気角が0°及び180°のときに歪みが最も大きくなる。誘起電圧の波形に歪みが生じていることは、磁気飽和が生じていることを示す。
図4の2点鎖線に示すグラフに、ヨーク幅Wyを初期形状より狭くした固定子コア15を用いた場合を示す。ヨーク幅Wyを狭くした固定子コア15を用いた場合、誘起電圧は正弦波と異なる波形を示し、歪みが生じていることがわかる。特に、電気角が0°及び180°のときに歪みが最も大きくなる。誘起電圧の波形に歪みが生じていることは、磁気飽和が生じていることを示す。
上記のように、ティース幅Wt及びヨーク幅Wyを初期形状より狭くすることで固定子コア15が磁気飽和することが示された。磁気飽和によって突極比を1.03以上にするには、ティース幅Wtを初期形状から10%以上減少させることが好ましく、ティース幅Wtを初期形状から10%以上30%未満の間で減少させるのがより好ましい。これは、ティース幅Wtを初期形状から30%以上減少させると、固定子コア15の磁気特性が低下して好ましくないためである。また、ティース幅Wtを初期形状から30%以上減少させると、コイル18を巻き付けるための強度をティース17に確保できなくなって好ましくないためである。
また、ヨーク幅Wyは、初期形状から13%以上減少させることが好ましく、ヨーク幅Wyを初期形状から13%以上30%未満の間で減少させるのがより好ましい。これは、ヨーク幅Wyを初期形状から30%以上減少させると、固定子コア15を第1ハウジング構成体12に固定するための強度をヨーク16に確保できなくなって好ましくないためである。
ティース幅Wtの減少量を大きくすればするほど、インダクタンスLdは小さくなり、突極比は大きくなる。同じく、ヨーク幅Wyの減少量を大きくすればするほど、インダクタンスLdは小さくなり、突極比は大きくなる。
このようにティース幅Wt及びヨーク幅Wyを初期形状より狭くすることで、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqの差を持たせることができる。その結果、インダクタンスの差を用いて誘起電圧を算出することができるため、回転角の推定が可能になる。磁気的に突極性を持たない回転子20を備える回転電機10のゼロ速域又は低速域で回転角の推定を可能にするには、ティース幅Wt及びヨーク幅Wyの少なくとも一方を初期形状より狭くすればよい。当然、磁気的に突極性を持たない回転子20を備える回転電機10のゼロ速域又は低速域で回転角の推定を可能にするにはティース幅Wt及びヨーク幅Wyの両方を初期形状より狭くしてもよい。
ゼロ速域又は低速域で回転角の推定を行う際、制御システム40のオブザーバ43は、d軸電流値及びq軸電流値に基づいて、d軸のインダクタンスLd及びq軸のインダクタンスLqを演算する。このとき、磁気的な突極性を持たない回転子20を備える回転電機10であっても、回転電機10としては突極性を持つため、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqとの差が生じている。オブザーバ43は、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqとの差と、電流値及び電圧値と、から誘起電圧を演算する。位置推定部44は、オブザーバ43によって算出された誘起電圧値に基づいて回転角を推定する。
回転電機10の高速域では、永久磁石22の回転により、コイル18に起電力が誘起され、この起電力とインバータ回路41に印加される電圧とがバランスするところで、最高回転数が決定される。この最高回転数を高めるには、この誘起される起電力を弱めることが必要である。このため、回転電機10の高速域では、コントローラ42は弱め界磁制御を行う。
コントローラ42によって弱め界磁制御が行われると、突極比は小さくなる。そして、弱め界磁制御ではd軸のインダクタンスLdと、q軸のインダクタンスLqが等しくなるときがあり、このときは回転角の推定ができなくなる。しかし、回転電機10の高速域及び中速域では、誘起電圧による回転角の推定が可能であるため、突極性はなくなっても問題はない。
上記実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)突極比が1.03以上となるようにティース幅Wt及びヨーク幅Wyの少なくとも一方を初期形状より狭くした。これにより、磁気的な突極性を持たない回転子20を備える回転電機10であっても、位置センサレス制御における回転角の推定を行うことができる。このため、ゼロ速域又は低速域での回転角の推定を行うときに、永久磁石22を初期位置に位置合わせすることなく回転角を推定できる。その結果、磁気的な突極性を持たない回転子20を備える回転電機10であっても、回転角推定の応答性を向上できる。また、ゼロ速域又は低速域での回転角の推定を行うために、回転角推定用に電流を重畳する必要がなく、電流ロスを減らすことができる。
(2)突極比を1.03以上とするため、ヨーク幅Wy及びティース幅Wtの少なくとも一方を初期形状より狭くした。固定子コア15の寸法調節だけで、突極性を用いて位置センサレス制御における回転角の推定を行うことができる。
(3)ティース幅Wtを初期形状に対し10%以上狭くする、又はヨーク幅Wyを初期形状に対し13%以上狭くすることで、永久磁石22の種類を変えたり、電磁鋼板の材質を変えたりする場合に比べて容易に突極比を変更しやすい。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 突極比を1.03以上にする方法として、永久磁石22を残留磁束密度の大きい永久磁石に変えたり、ティース17の先端面と固定子コア15の外周面との間隔を調節したり、固定子コア15の材料として飽和磁束密度の低い材料を用いたりしてもよい。
○ ティース幅Wt及びヨーク幅Wyの少なくとも一方を初期形状より狭くすることに加え、永久磁石22として残留磁束密度の大きい永久磁石を用いたり、ティース17の先端面と固定子コア15の外周面との間隔を調節したり、固定子コア15の材料として飽和磁束密度の低い材料を用いたりしてもよい。
○ 回転電機10の極数は変更してもよい。また、コイル18の巻き方は集中巻き以外でもよい。
以下に、上記実施形態をさらに具体化した実施例について図5を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1は、ティース幅Wtが、初期形状に対して寸法比0.88、突極比1.04となるようにティース幅Wtを減少させた回転子20を用いて、回転電機10の回転角の位置を推定した。そのときの推定精度を評価した。
(実施例2)
実施例2は、ティース幅Wtが、初期形状に対して寸法比0.81、突極比1.08となるようにティース幅Wtを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(実施例3)
実施例3は、ティース幅Wtが、初期形状に対して寸法比0.75、突極比1.15となるようにティース幅Wtを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(実施例4)
実施例4は、ティース幅Wtが、初期形状に対して寸法比0.69、突極比1.21となるようにティース幅Wtを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(比較例1)
比較例1は、初期形状の回転子を用いて実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。初期形状での寸法比はティース幅Wt及びヨーク幅Wy共に1であり、突極比は1である。
(比較例2)
比較例2は、ティース幅Wtが、初期形状に対して寸法比0.94、突極比1.02となるようにティース幅Wtを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(実施例5)
実施例5は、ヨーク幅Wyが、初期形状に対して寸法比0.88、突極比1.03となるようにヨーク幅Wyを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(実施例6)
実施例6は、ヨーク幅Wyが、初期形状に対して寸法比0.82、突極比1.06となるようにヨーク幅Wyを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(実施例7)
実施例7は、ヨーク幅Wyが、初期形状に対して寸法比0.76、突極比1.13となるようにヨーク幅Wyを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(実施例8)
実施例8は、ヨーク幅Wyが、初期形状に対して寸法比0.71、突極比1.18となるようにヨーク幅Wyを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
(比較例3)
比較例3は、ヨーク幅Wyが、初期形状に対して寸法比0.94、突極比1.01となるようにヨーク幅Wyを減少させた回転子20を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法により推定精度を評価した。
図5に示すように、比較例1~3では、推定精度が低いことが示された。これに対し、実施例1~4及び実施例5~8では、推定精度が高いことが確認された。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)ティース幅を初期形状から10%以上30%未満の間で減少させるのが好ましい。
(ロ)ヨーク幅を初期形状から13%以上30%未満の間で減少させるのが好ましい。
Ld…インダクタンス、Lq…インダクタンス、Wt…ティース幅、Wy…ヨーク幅、10…回転電機、14…固定子、16…ヨーク、17…ティース、20…回転子、22…永久磁石。

Claims (3)

  1. 永久磁石を有し、かつ磁気的な突極性を持たない回転子と、
    固定子と、を有する回転電機であって、
    q軸のインダクタンスに対する、前記回転電機のd軸のインダクタンスの比率である突極比が1.03以上であることを特徴とする回転電機。
  2. 前記固定子は、ヨークと、前記ヨークの周方向に複数設けられたティースを有し、
    前記固定子の軸線方向から当該固定子を見て、前記ヨークの径方向に沿った前記ヨークの寸法をヨーク幅とし、前記固定子の前記軸線方向から前記ティースを見て、前記ティースの短辺方向の寸法をティース幅とし、
    前記突極比が1.00となる前記固定子の形状を初期形状とした場合、
    前記ヨーク幅及び前記ティース幅の少なくとも一つを前記初期形状より狭くして前記突極比を1.03以上にした請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ティース幅を前記初期形状に対し10%以上狭くする、又は前記ヨーク幅を前記初期形状に対し13%以上狭くする請求項2に記載の回転電機。
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