JP2022144264A - 乳酸菌又はその培養物を含む豆乳発酵物 - Google Patents

乳酸菌又はその培養物を含む豆乳発酵物 Download PDF

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Abstract

【課題】健康効果を発揮し得るヨーグルト菌種を用いて発酵した豆乳発酵物を提供すること。【解決手段】受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及び受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)又はその培養物を含む豆乳発酵物。【選択図】なし

Description

本発明は、乳酸菌又はその培養物を含む豆乳発酵物に関する。
腸内で有益な働きをする細菌をプロバイオティクスといい、近年、健康への意識の高まりから、プロバイオティクス入りの飲料や食品が数多く製造・販売されている。
プロバイオティクスは、整腸作用、免疫賦活作用、メタボリックシンドロームの改善作用等の幅広い健康効果が期待されている。
プロバイオティクス入りの飲食品として、ヨーグルト様飲食品が広く販売されている。
そして、ストレプトコッカス・サーモフィラス及びラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスに属する2種の乳酸菌(以下、総称して「ヨーグルト菌種」という)は、古くから伝統的にヨーグルト製造に使用されており、国際政府間機関コーデックス委員会が提示するヨーグルトの規格には、ヨーグルト菌種を用いて発酵することが定められている。ヨーグルト菌種を用いて動物性の乳を発酵したヨーグルトでは、これまでヒトへの様々な健康効果が報告されており(非特許文献1)、整腸作用についても報告がある(非特許文献2)。
Guarner F, Perdigon G, Corthier G, Salminen S, Koletzko B, Morelli L. Should yoghurt cultures be considered probiotic? Br J Nutr. 2005;93(6):783-6. 森崎信尋、斉藤康、寺田厚、原宏佳、長部康司、村石賢也ほか 高齢者の糞便菌叢および腐敗産物生成に及ぼすヨーグルト投与の影響 ビフィズス 1993;6(2):161-8.
一方、近年は動物性の肉や乳に替えて植物性の素材を使用した食品や飲料に注目が集まっており、ヨーグルト様飲食品の市場でも、豆乳に乳酸菌を加えて発酵した豆乳ヨーグルトや豆乳発酵飲料が発売されている。
しかしながら、ヨーグルト菌種で豆乳を発酵した豆乳発酵物において、動物性の乳を発酵した場合と同様に、整腸作用をはじめとした健康効果が認められることはこれまでに報告されていない。
本発明は、健康効果を発揮し得るヨーグルト菌種を用いて発酵した豆乳発酵物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヨーグルト菌種として、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)AK株及びラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)KD株を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の(1)~(7)に関する。
(1)
受領番号がNITE AP-03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及び受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)又はその培養物を含む豆乳発酵物。
(2)
整腸作用を有する、(1)に記載の豆乳発酵物。
(3)
便通回数増加用又はビフィズス菌数の増加用の、(1)又は(2)に記載の豆乳発酵物。
(4)
肌状態改善作用をさらに有する、(1)~(3)のいずれかに記載の豆乳発酵物。
(5)
ヨーグルト様の飲食品である、(1)~(4)のいずれかに記載の豆乳発酵物。
(6)
受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス。
(7)
受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス。
本発明によれば、健康効果を発揮し得るヨーグルト菌種を用いて発酵した豆乳発酵物を提供することができる。
本発明は、受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及び受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)又はその培養物を含む豆乳発酵物に関する。
(乳酸菌及びその培養物)
本発明の豆乳発酵物は、受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及び受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)又はその培養物を含む。
受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス及び受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスを合わせて、本明細書では、T-1乳酸菌という。
受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラスは、ストレプトコッカス・サーモフィラスAK株(以下、単に「AK株」と記載する場合がある。)とも呼ばれる。本株は、2021年3月5日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、NITE AP―03429(受領番号)として寄託されている。
受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスは、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスKD株(以下、単に「KD株」と記載する場合がある。)とも呼ばれる。本株は、2021年3月5日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、NITE AP―03430(受領番号)として寄託されている。
本発明の豆乳発酵物においては、T-1乳酸菌による豆乳の発酵に影響を与えない限り、T-1乳酸菌以外の乳酸菌、又は乳酸菌以外の菌種をさらに含んでよい。T-1乳酸菌以外の乳酸菌、又は乳酸菌以外の菌は、プロバイオティクスとして知られる乳酸菌やそれ以外の菌であってよい。
本発明の豆乳発酵物は、T-1乳酸菌を含んでいてよい。T-1乳酸菌を含む場合、T-1乳酸菌は、死菌であっても生菌であってよく、また、T-1乳酸菌の破砕物であってよい。
T-1乳酸菌を含む場合、本発明の豆乳発酵物は、豆乳類をT-1乳酸菌を用いて発酵させて得られるものであるため、T-1乳酸菌は、当該発酵において用いられたT-1乳酸菌に由来するものであってよい。
豆乳発酵物が、T-1乳酸菌を含むかは、豆乳発酵物中に、T-1乳酸菌に由来する物質が含まれていることで確認することができる。T-1乳酸菌に由来する物質としては、特に限定されないが、例えば、T-1乳酸菌に特有の遺伝子(DNAやRNA)が挙げられる。
本発明の豆乳発酵物は、T-1乳酸菌の培養物を含んでいてよい。T-1乳酸菌の培養物とは、T-1乳酸菌を別途培養して得られた培養液であってよいが、T-1乳酸菌を豆乳類中で培養した後の培養液であってよい。当該培養液は、そのまま豆乳発酵物の原料として用いてよいが、培養液からT-1乳酸菌を除去したり、死活させたものをT-1乳酸菌の培養物として用いてよい。
T-1乳酸菌の培養物には、T-1乳酸菌の培養によって培養液中に滲出してきた有用物質を含むものであってよい。
(豆乳発酵物)
本発明の豆乳発酵物とは、豆乳類を、ヨーグルト菌種を用いて発酵して得られる発酵物を意味する。
豆乳発酵物の製造のための原料として使用する豆乳類としては、日本農林規格における豆乳、調製豆乳及び豆乳飲料に分類される豆乳類を用いてよく、従来の方法により得られる豆乳類であれば特に限定されない。
豆乳としては、市販の豆乳を使用してもよいが、全粒大豆粉、脱脂大豆粉等を溶解した液を用いてもよい。
豆乳発酵物の製造のための原料として使用する豆乳類としては、豆乳の様に大豆の繊維分(オカラ)を除くことなく、大豆をそのまま又は繊維分を含んだ状態で液状化した飲料(まるごと大豆飲料等)や豆乳に大豆の繊維分を加えた飲料(豆乳おから飲料)等、大豆由来のタンパクを含む飲料を用いてもよい。大豆に由来するタンパク濃度は、乳酸菌が酸生成可能な限りにおいて0.5質量%~6質量%の範囲で自由に設定できる。
また、豆乳発酵物の製造のための原料として使用する豆乳類は、例えば、大豆に由来するタンパクの濃度を所定の濃度になるように、上記豆乳類を調整したものを用いてもよい。
豆乳発酵物は、豆乳類を発酵して、必要に応じて発酵処理以外の追加処理を行って製造される。
豆乳類のT-1乳酸菌を用いた発酵方法としては、一般的に知られているヨーグルトや乳酸菌飲料の製法に基づいて行うことができる。
AK株を、例えば、1×104~1×108cfu/mLの濃度範囲で、KD株を、例えば、1×102~1×107cfu/mLの濃度範囲で、豆乳類に接種して、発酵を行ってよい。
発酵の際の反応条件については、特に限定されないが、例えば、発酵温度を30~45℃の温度範囲で、発酵時間を4~24時間の範囲で行ってよい。
豆乳発酵物として、T-1乳酸菌を用いた発酵の結果得られる培養物をそのまま用いてもよく、希釈若しくは濃縮して用いてもよく、又は培養物から回収した菌体を用いてもよい。豆乳発酵物として、遠心分離等行って培養物の固形分を一部又は全部除いて得られる培養上清を用いてもよい。
T-1乳酸菌を培養物に、別途添加してもよい。
豆乳発酵物を得るためには、培養後に加熱や凍結乾燥等の種々の追加処理を行ってもよい。培養物を菌液凍結法、凍結乾燥法、オイルドロップ法等により処理することにより、培養物中にT-1乳酸菌を生菌として存在させることができ、また、加熱や凍結破砕法、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、ドラム乾燥法等により培養物中のT-1乳酸菌を殺菌させ、T-1乳酸菌を死菌として存在させてもよい。
追加処理としては、例えば、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、レトルト殺菌法、凍結乾燥法、UHT殺菌法、加圧殺菌法、高圧蒸気滅菌法、乾熱滅菌法、電磁波殺菌法、高周波滅菌法、紫外線殺菌法、化学的殺菌法(アルコール殺菌法、電解水処理法)等といった従来公知の培養物の処理方法による処理が挙げられる。
T-1乳酸菌を破砕物とすることで、豆乳発酵物中にT-1乳酸菌の培養物が存在していてもよい。
破砕物は、生菌を破砕したものでも死菌を破砕したものでもよく、破砕後に加熱や凍結乾燥等の処理を行ってもよい。
破砕処理としては、例えば、物理的破砕、酵素溶解処理、薬品処理、自己溶解処理等といった従来公知の破砕方法による破砕を行ってもよい。
本発明の豆乳発酵物は、好ましくは、ヨーグルト様飲食品の形態を取る。
ヨーグルト様飲食品とは、ヨーグルト状の物性に調整した状態を意味する。
豆乳発酵物の形態は、ヨーグルト様飲食品の形態に限られず、調味料やチーズ、飲料形態等、大豆関連飲食品のいずれかの製品の形態としてもよく、例えば、粉末状、ペースト状、液状等であってもよい。またそれらを凍結したもの、例えば、アイスやフローズンヨーグルト等であってもよい。
本発明の豆乳発酵物におけるT-1乳酸菌の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、適宜設定することができる。
豆乳発酵物中におけるT-1乳酸菌の含有量としては、例えば、cfu/gを単位として、105~1011のオーダーの範囲内であってよい。
豆乳発酵物中のAK株とKD株の存在比は、例えば、1000:1から1:1の範囲内であってよく、好ましくは100:1から10:1、より好ましくは50:1から10:1の範囲内である。
本発明の豆乳発酵物のpHは、例えば、3~9の範囲内であってよく、好ましくは3.5~6.0の範囲内である。
(健康効果)
本明細書における健康効果とは、便通回数の増加をはじめとした整腸作用や、肌状態改善作用を含む。
本明細書における「整腸作用」とは、腸内環境を本発明の豆乳発酵物の摂取前よりも良好な状態にすることをいい、摂取前よりも悪化することを抑制することも含む。
整腸作用を有するとは、例えば、腸内フローラの正常化、腸内のビフィズス菌数の増加、排便促進、便通回数の増加、便状態改善、腸管内圧の正常化、便量の増加による大腸内の有害物質の希釈又は腸壁に付着している油状汚物を除去することによる吸収作用の正常化等が挙げられる。
ヒトや哺乳動物の腸内には、多種多様の細菌や真菌等の菌が常在しており、これらの菌の集まりを腸内菌叢(腸内フローラ)という。
腸内細菌の例としては、一般的に宿主に有益な菌種(善玉菌)として、ビフィズス菌(Bifidobacterium属細菌)やラクトバチルス属細菌などの乳酸菌等が挙げられ、一般的に宿主に有害な菌種(悪玉菌)として、ウエルシュ菌やディフィシル菌などの有害なクロストリジウム属細菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌等が挙げられる。
腸内フローラの正常化とは、善玉菌と悪玉菌の菌群間での個体数のバランスを正常化することが挙げられる。腸内フローラを正常化することで、善玉菌の増殖を促進し悪玉菌の増殖の抑制につながり、腐敗産物を含む特定の代謝物の腸内への蓄積の予防、改善又は防止につながる。
中でも、善玉菌の一種であるビフィズス菌を増殖、活性化させることによって、端的には、腸内のビフィズス菌数の増加により、ウエルシュ菌や大腸菌等の悪玉菌を減少させ、整腸作用を示すことができる。
また、整腸作用は、例えば、排便促進、便通回数の増加、便状態改善、腸管内圧の正常化、便量の増加による大腸内の有害物質の希釈又は腸壁に付着している油状汚物を除去することによる吸収作用の正常化を確認してもよい。
これらを評価するにあたり、その一つの評価手法として、例えば、身体的変調の自覚を含む便秘の評価尺度である日本語版便秘評価尺度(CAS-MT)を用いてもよい。
日本語版便秘評価尺度(CAS-MT)は、(1)お腹が膨れた感じ、張った感じ、(2)排ガス量、(3)排便の回数、(4)直腸に便が充満している感じ、(5)排便時の肛門の痛み、(6)便の量、(7)便の硬度による排泄状態、(8)にじみ出る水便様、の8項目で評価する。各評価内容の自覚症状の有無を点数化して(0~2点)、便秘傾向が強いほど合計点数が高くなる(最高16点)。
また、便の色や形に基づき便状態を分類するブリストルスケールを用いてもよく、腸内細菌の占有率の評価手段として、細菌群集構造の解析が可能である公知の方法を採用してもよい。細菌群集構造の解析のためには、特に限定されないが、例えば、DGGE法、T-RFLP法又はメタゲノム法を用いてもよい。
本発明における「肌状態改善作用」とは、肌状態を本発明の豆乳発酵物の摂取前よりも良好な状態にすることをいい、摂取前よりも悪化することを抑制することも含む。
本発明において、「肌状態改善作用」における「肌状態」とは、毛穴の数、目立つ毛穴、開きが目立つ毛穴、黒ずみが目立つ毛穴、色素沈着数、色素沈着面積、しわ数、しわ長、しわ面積、明るさ、油分値、きめ、皮膚水分量、経皮水分蒸散量等から選択される1項目又は複数項目であってよく、肌状態改善の対象となる「肌」としては、顔面、四肢、頸部、胴部等、特に限定されないが、通常は顔面を指標とする。
肌状態の改善は、種々の公知の手段により評価してよい。限定されるものではないが、評価手段として、ロボスキンアナライザーCS50((株)インフォワード、東京都渋谷区)を例示することができる。
本発明の豆乳発酵物の投与対象としては、ヒト又は非ヒト動物が例示される。非ヒト動物としては、例えば、ペット(愛玩動物)、実験動物、動物園や水族館で飼育されている動物や魚類等が挙げられる。本発明の豆乳発酵物をヒト又は非ヒト動物が摂取することにより、当該ヒト又は非ヒト動物において健康効果が得られる。
ヒト又は非ヒト動物における摂取量や、摂取回数は、特に限定されないが、例えば、ヒトの場合1日量として、豆乳発酵物として、例えば、10~500g摂取してよく、好ましくは、100~300g摂取してもよい。非ヒト動物については、例えば、ヒトとの体重換算で摂取量を決めてよい。
また、摂取回数としては、1日量を、1日1回で又は複数回に分けて摂取してもよく、毎日、隔日、1週間に1~複数日摂取してもよい。
本発明の豆乳発酵物は、例えば、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等であってもよい。
また、プロバイオティクス等の用途(保健用途を含む)が表示された飲食品としてもよい。例えば、飲食品の摂取対象として、「腸内環境を改善したい方」、「お腹の調子を整えたい方」、「良好な腸内環境を形成したい方」等と表示して販売してもよい。
「表示」を付した飲食品としては、例えば、特別用途食品、特定保健用食品、機能性表示食品等が挙げられる。
本発明の豆乳発酵物には、豆乳類を発酵させて得られる培養物に含まれる成分以外の成分を含んでよく、そのような成分は、発酵前に添加してもよく、発酵中に添加してもよく、発酵後の追加処理時に添加してもよい。
飲食品の添加物として用いられる成分であれば、特に限定されず用いてよく、当該添加物としては、食品添加物としての保存料、甘味料、酸味料、着色料、香料、安定剤、ゲル化剤、増粘剤、pH調整剤として知られるものを用いてもよい。
本発明の豆乳発酵物は、1種又は2種以上の添加物を含んでよい。
本発明の豆乳発酵物には、食物繊維、オリゴ糖(例えば、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース、ヒトミルクオリゴ糖(HMO)など)、単糖及び二糖(例えば、グルコース、フラクトース、シュークロース、マルトースなど)、糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールなど)、タンパク質(例えば、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質(ピープロテイン)など)又はその分解物、アミノ酸(例えば、ロイシン、バリン、イソロイシン、グルタミンなど)、ビタミン類(例えば、ビタミンB6、ビタミンCなど)、クレアチン、クエン酸、フィッシュオイル等を含んでもよい。
本発明の豆乳発酵物は、1種又は2種以上のこれら成分を含んでよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
(1)試験デザイン
本試験は、ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で実施し、割付比は1:1であった。本試験は、UMIN-CTRに登録されている(登録番号UMIN000038362)。
試験のプロトコルは、以下のURLにおいて開示されているとおりである。
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000043720
(2)試験参加者
本試験の対象者は、試験参加登録時に週の排便回数が3~5回の健常な日本人成人男女とした。本試験においては、本被験食品をヒトに2週間摂取させ、1週間あたりの排便回数を評価するための症例数を、効果量をCohen’s d(=1.0)を採用して求め、加えて、試験期間中の脱落やプロトコルの遵守違反等を見込み実施症例数を44名(各群22名)とした。
(3)被験食品及びプラセボ食品
以下のようにして調製した豆乳発酵物を被験食品として用いた。
T-1乳酸菌は、豆乳又は大豆を主成分とする培地で継代培養を行って活性化したものを種菌として用いた。原料となる豆乳として、大豆から搾った豆乳中の大豆タンパク濃度が3.5質量%になるように調整したものを用いた。原料となる豆乳に種菌を接種して攪拌混合した後、プラスチック製の容器に100gずつ分注してpH4.5になるように発酵した。また、豆乳発酵物100g中の乳酸菌数は、S.thermophilus AK株50億個以上、L.delbrueckii subsp. bulgaricus KD株1億個以上であった。
プラセボ食品として、被験食品に使用した豆乳と同じ豆乳に、乳酸を加えて被験食品と同じpHに調整し、被験食品と同等のヨーグルト状の粘度及び滑らかさになるようにゼラチンを加えて物性を調整したものを用いた。
試験参加者には、被験食品又はプラセボ食品を1日当たり100g摂取させた。介入期間は2週間とした。試験食品の形状はいずれもヨーグルト状の物性であり、試験開始前の倫理審査時に、被験食品とプラセボ食品は色、匂い、又は風味によって判別できないことが確認された。
(4)評価項目
(a)1週間あたりの排便回数、1週間あたりの排便日数、1週間あたりの排便量
排便日誌には、被験食品又はプラセボ食品の摂取開始日の1週間前から最終検査の前日まで試験参加者に排便のあるごとに記録させた。
排便日誌に基づいて、1週間あたりの排便回数及び1週間あたりの排便日数を得た。
1週間あたりの排便量は、フィルムケース型容器No.7(昆虫文献 六本脚、東京都千代田)の大きさを基準に、試験参加者自身が自身の1週間あたりの糞便量をフィルムケース型容器No.7の何個分に相当するか概算した値とした。
(b)Bifidobacterium属細菌の実数(リアルタイムPCR)
リアルタイムPCRを用いて、Bifidobacterium属細菌の実数を調査した。
(c)肌評価
ロボスキンアナライザーCS50((株)インフォワード、東京都渋谷区)を用いて、目立つ毛穴の総数、目立つ毛穴、開きが目立つ毛穴、黒ずみが目立つ毛穴、色素沈着数(合計)、色素沈着数(平均)、色素沈着 小(数)、色素沈着 大(数)、色素沈着面積(合計)、色素沈着面積(平均)、色素沈着 小(面積)、色素沈着 大(面積)、眼下のしわ数(右左合計)、眼下のしわ数(右左平均)、眼下のしわ 本数(右)、眼下のしわ 本数(左)、目尻のしわの総長さ、目尻のしわの総面積、明るさ、油分値、きめを測定した。
(d)皮膚水分量
皮膚水分量はCorneometer CM825(Courage+Khazaka electronic GmbH,Cologne,Germany)を用いて測定した。
(e)経皮水分蒸散量
経皮水分蒸散量はTewameter TM300(Courage+Khazaka electronic GmbH,Cologne,Germany) を用いて測定した。
すべての統計解析は両側検定で行うものとし、有意水準は5%に設定した。
(5)結果
(a)解析対象者
44名(23歳~74歳)を本試験に組み入れ、被験食品群とプラセボ群に22名ずつ割り付けた。最終的な解析対象は、被験食品群は計21名(男性9名、女性12名、47.1±13.2歳)、プラセボ群は計21名(男性9名、女性12名、49.1±12.1歳)であった。試験参加者の背景因子に、群間での有意差がある項目はなかった。
(b)1週間あたりの排便回数、1週間あたりの排便日数、1週間あたりの排便量
1週間あたりの排便回数、1週間あたりの排便日数、1週間あたりの排便量の結果を表1に示した。
1週間あたりの排便回数では、有意な交互作用が認められ(P=0.007)、被験食品群の2週目(8~14日)の排便回数はプラセボ群よりも有意に高値を示した(被験食品群6.0±1.6回/週、プラセボ群5.0±1.1回/週、P=0.025)。
1週間あたりの排便日数でも、被験食品群の2週目(8~14日)の排便日数はプラセボ群よりも有意に高値を示した(被験食品群5.4±0.9日/週、プラセボ群4.8±1.0日/週、P=0.042)。
Figure 2022144264000001
(c)Bifidobacterium属の実数(リアルタイムPCR)
Bifidobacterium属の実数をそれぞれ表2に示した。2wのBifidobacterium属の実数では被験食品群が高い傾向が認められた(被験食品群368.0±527.0×106cell/g、プラセボ群135.8±152.9×106cell/g、P=0.056)。
Figure 2022144264000002
(d)肌評価、皮膚水分量、経皮水分蒸散量
肌評価、皮膚水分量、経皮水分蒸散量の結果を表3に示した。
肌評価において、2wの色素沈着面積(合計)(被験食品群1074.9±651.0mm2、プラセボ群1158.3±687.6mm2、P=0.047)、色素沈着面積(平均)(被験食品群537.5±325.5mm2、プラセボ群579.2±343.8mm2、P=0.047)、色素沈着大(面積)(被験食品群1007.8±635.6mm2、プラセボ群1084.4±663.9mm2、P=0.048)、目尻のしわ 総長さ(被験食品群90.4±52.8mm、プラセボ群102.6±55.8mm、P=0.038)、目尻のしわ 総面積(被験食品群126.2±66.1mm2、プラセボ群146.8±70.1mm2、P=0.040)は被験食品群の方がプラセボ群よりも有意に低値を示した。
皮膚水分量及び経皮水分蒸散量については、群間に有意差は認められなかった。
Figure 2022144264000003
(6)安全性項目
安全性評価項目として、身体測定、理学検査、尿検査及び末梢血液検査を実施したが、被験食品の継続摂取に伴う医学的に問題のある変化は認められなかった。
本結果により、本発明の豆乳発酵物が整腸作用及び肌状態改善作用を有することが示された。

Claims (7)

  1. 受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及び受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)又はその培養物を含む豆乳発酵物。
  2. 整腸作用を有する、請求項1に記載の豆乳発酵物。
  3. 便通回数増加用又はビフィズス菌数の増加用の、請求項1又は2に記載の豆乳発酵物。
  4. 肌状態改善作用をさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の豆乳発酵物。
  5. ヨーグルト様の飲食品である、請求項1~4のいずれか一項に記載の豆乳発酵物。
  6. 受領番号がNITE AP―03429であるストレプトコッカス・サーモフィラス。
  7. 受領番号がNITE AP-03430であるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス。
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