JP2022143935A - カテーテルシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】カテーテルを生体管腔内に留置する手技の作業性を向上させることができるカテーテルシステムを提供すること。【解決手段】カテーテルシステム1は、カテーテル10と、カテーテル10の先端11に設けられた弁30と、内腔40Rを有し弁30を貫通可能なスタイレット40と、弁30を貫通したスタイレット40の内腔40Rに挿通されるガイドワイヤ20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、弁が先端に設けられたカテーテルを備えたカテーテルシステムに関する。
静脈や動脈等の生体管腔内に留置されるカテーテルの中には、先端に弁を有するカテーテルがある。カテーテルの先端の弁は、投薬や採血が行われないときには閉じている。医療従事者は、カテーテルを用いて投薬や採血を行うときには、カテーテルの内腔に陽圧または陰圧をかける。これにより、弁が開放する。投薬や採血が終了すると、カテーテルの先端の弁は、再び閉じる。従って、カテーテルの内腔に血液が流入して固まってしまうことを防ぐことができる。このようなカテーテルの一例として、特許文献1には、薬液注入用カテーテルが開示されている。特許文献1に記載された薬液注入用カテーテルでは、カテーテル本体の先端壁には、孔又は切り込みが設けられている。カテーテル本体の先端壁の孔は、常時は閉塞しているが、ガイドワイヤを通過させることができる。
カテーテルの留置法として、セルジンガー法が用いられる。セルジンガー法とは、ガイドワイヤを生体管腔内に挿入して留置し、次にガイドワイヤに沿わせてカテーテルを生体管腔内に挿入して留置し、最後にガイドワイヤを抜去する方法である。ここで、ガイドワイヤに沿わせてカテーテルを生体管腔内に挿入する際や、最後にカテーテルを生体管腔内に残してガイドワイヤを生体管腔内から抜去する際に、ガイドワイヤとカテーテルの先端の弁との間に摺動抵抗が生ずる。ガイドワイヤとカテーテルの先端の弁との間に生ずる摺動抵抗は、比較的大きい。そのために、手技者がカテーテルを生体管腔内に留置しにくいという問題がある。
特許第4295667号公報
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、カテーテルを生体管腔内に留置する手技の作業性を向上させることができるカテーテルシステムを提供することを目的とする。
前記課題は、カテーテルと、前記カテーテルの先端に設けられた弁と、内腔を有し前記弁を貫通可能なスタイレットと、前記弁を貫通した前記スタイレットの前記内腔に挿通されるガイドワイヤと、を備えたことを特徴とする本発明に係るカテーテルシステムにより解決される。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、内腔を有するスタイレットは、カテーテルの先端に設けられた弁を貫通することができる。そして、ガイドワイヤは、弁を貫通したスタイレットの内腔に挿通される。これにより、カテーテルの先端に設けられた弁と、ガイドワイヤと、の間に生ずる摺動抵抗を低減することができる。そのため、手技者等は、ガイドワイヤに沿わせてカテーテルを生体管腔内に容易に挿入し留置したり、カテーテルを生体管腔内に残してガイドワイヤを生体管腔内から容易に抜去したりすることができる。これにより、本発明に係るカテーテルシステムは、カテーテルを生体管腔内に留置する手技の作業性を向上させることができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記スタイレットは、前記弁へ導入される側の端部に取り外し可能に設けられた導入部材を有することを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、スタイレットは、導入部材を先導させながら、弁を貫通できる。これにより、スタイレットが弁を貫通する際に、弁が破壊されることを抑えることができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記導入部材のうち前記弁に導入される側の端部は、先細りになっていることを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、導入部材のうち弁に導入される側の端部が先細りになっているため、スタイレットは、導入部材を用いて弁を容易に貫通できる。これにより、スタイレットが弁を貫通する際に、弁が破壊されることをより一層確実に抑えることができる。
本発明に係るカテーテルシステムは、好ましくは、前記カテーテルの前記先端に着脱可能に設けられ、前記スタイレットが前記弁を貫通しやすいように構成された貫通案内部材をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、貫通案内部材は、カテーテルの先端に着脱可能に設けられており、スタイレットが弁を貫通しやすいように構成されている。そのため、スタイレットは、貫通案内部材を用いて弁を容易に貫通できる。これにより、スタイレットが弁を貫通する際に、弁が破壊されることを抑えることができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記貫通案内部材は、前記貫通案内部材が前記カテーテルの前記先端に接続されやすいように構成されたカテーテル導入部と、前記貫通案内部材が前記弁を開放しやすいように構成された弁開放部と、前記スタイレットが前記弁へ挿入されやすいように構成されたスタイレット導入部と、の少なくとも1つを有することを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、貫通案内部材は、カテーテル導入部と、弁開放部と、スタイレット導入部と、の少なくとも1つを有する。カテーテル導入部は、貫通案内部材がカテーテルの先端に接続されやすいように構成されている。弁開放部は、貫通案内部材が弁を開放しやすいように構成されている。スタイレット導入部は、スタイレットが弁へ挿入されやすいように構成されている。そのため、貫通案内部材は、カテーテルの先端に容易に接続される。あるいは、スタイレットは、貫通案内部材を用いて弁を容易に貫通できる。これにより、スタイレットが弁を貫通する際に、弁が破壊されることをより一層確実に抑えることができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記カテーテルの前記弁は、第1の弁であり、前記カテーテルは、前記第1の弁とは異なる第2の弁をさらに有し、前記第2の弁は、前記第1の弁と比較して、陰圧および陽圧が前記カテーテルの内腔にかかった場合に開閉しやすいことを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、スタイレットは、第1の弁を容易に貫通できる。一方で、第2の弁は、例えば薬液の流路として利用される。第2の弁は、陰圧および陽圧がカテーテルの内腔にかかった場合に、第1の弁と比較して開閉しやすい。これにより、使用目的に応じた設計を容易に行うことができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記スタイレットの少なくとも一部は、ブレードまたはワイヤを有することを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、スタイレットの少なくとも一部がブレードを有する場合には、スタイレットの径方向の強度が補強される。これにより、スタイレットが弁を通過する際に弁から受ける圧力により潰れることを抑えることができる。また、スタイレットの少なくとも一部がワイヤを有する場合には、スタイレットのプッシャビリティが向上する。スタイレットの長さが比較的長い場合であっても、比較的長いスタイレットは、弁を貫通することができ、比較的長いカテーテルに挿入可能とされる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記スタイレットの少なくとも一部の硬さは、前記少なくとも一部以外の他の部分の硬さとは異なることを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、例えば、スタイレットの少なくとも一部の硬さを、スタイレットの少なくとも一部以外の他の部分の硬さよりも硬くすることができる。この場合には、スタイレットの少なくとも一部が補強される。これにより、スタイレットの少なくとも一部が弁を通過する際に弁から受ける圧力により潰れることを抑えることができる。一方で、スタイレットの少なくとも一部以外の他の部分は、スタイレットの少なくとも一部よりも柔軟である。これにより、スタイレットの少なくとも一部以外の他の部分が生体管腔の屈曲部に与える負荷を低減することができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記スタイレットは、前記スタイレットの先端から軸方向に突出した突出部を有し、前記突出部は、前記弁を貫通可能であることを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、スタイレットは、突出部を有する。突出部は、スタイレットの先端から軸方向に突出しており、弁を貫通可能である。そのため、例えば、スタイレットの突出部が予め弁を貫通している場合には、手技者等がスタイレットをカテーテルの全長にわたって挿入する手間を省くことができる。また、突出部がスタイレットの本体よりも細い場合には、スタイレットの突出部が予め弁を貫通している場合であっても、例えばスタイレットがカテーテルおよび弁から抜去された後に弁が閉じないなどといったクリープ変形が生ずることを抑えることができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記スタイレットは、前記ガイドワイヤを取り囲む空間領域を確保することを特徴とする。
本発明に係るカテーテルシステムによれば、スタイレットがガイドワイヤを取り囲む空間領域を確保するため、カテーテルの先端に設けられた弁と、ガイドワイヤと、の間に生ずる摺動抵抗をより一層低減することができる。そのため、手技者等は、ガイドワイヤに沿わせてカテーテルを生体管腔内により一層容易に挿入し留置したり、カテーテルを生体管腔内に残してガイドワイヤを生体管腔内からより一層容易に抜去したりすることができる。これにより、本発明に係るカテーテルシステムは、カテーテルを生体管腔内に留置する手技の作業性をより一層向上させることができる。また、スタイレットがガイドワイヤを取り囲む空間領域を確保するため、スタイレットが弁を貫通する際の弁の変形量を抑えることができ、弁が破壊されることをより一層確実に抑えることができる。
本発明に係るカテーテルシステムにおいて、好ましくは、前記スタイレットの前記内腔は、断面円形状または断面半円形状を有することを特徴とする。
スタイレットは、断面円形状または断面半円形状の内腔を有することで、ガイドワイヤを取り囲む空間領域を確保する。そのため、カテーテルの先端に設けられた弁と、ガイドワイヤと、の間に生ずる摺動抵抗をより一層確実に低減することができる。これにより、本発明に係るカテーテルシステムは、カテーテルを生体管腔内に留置する手技の作業性をより一層確実に向上させることができる。
本発明によれば、カテーテルを生体管腔内に留置する手技の作業性を向上させることができるカテーテルシステムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本実施形態に係るカテーテルシステムの利用形態の一例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第7実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第8実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第9実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本発明の第10実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。 本実施形態のカテーテルの先端に設けられた弁の形状例を示す模式図である。 本実施形態のスタイレットの内面の構造例を示す模式図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
<カテーテルシステム1の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
本実施形態に係るカテーテルシステム1は、例えば静脈輸液用カテーテルなどに用いられる。静脈輸液用カテーテルとして、例えば、留置針、ミッドラインカテーテル、中心静脈カテーテル(CICC(Centrally Inserted Central Catheter):内頸静脈,鎖骨下静脈,大腿静脈などより穿刺する中心静脈カテーテル、PICC(Peripherally Inserted Central Catheter):上腕の静脈を穿刺して留置する末梢挿入式中心静脈カテーテル、ポート(皮下埋め込み型ポート))などが挙げられる。但し、本実施形態に係るカテーテルシステム1の適用可能範囲は、静脈輸液用カテーテルだけに限定されるわけではない。本実施形態に係るカテーテルシステム1は、動脈用カテーテル等に用いられてもよい。
図1に示すカテーテルシステム1では、手技者等は、ガイドワイヤ20により、カテーテル10を低摺動で静脈や動脈等の生体管腔内に挿入できる。カテーテルシステム1は、カテーテル10と、ガイドワイヤ20と、カテーテル10の先端11に設けられた弁30と、スタイレット40と、を備える。カテーテルシステム1は、カテーテルハブ90をさらに備えていてもよい。
<カテーテル10>
カテーテル10は、手技の際に、患者の静脈や動脈等の生体管腔内に挿入されて留置され、輸液や輸血、採血等の際に用いられる。カテーテル10は、可撓性を有し、断面円形状の内腔(ルーメン)10Rを有する中空管であり、先端11と、基端12と、を有する。カテーテルハブ90は、カテーテル10の基端12に固定されている。カテーテル10の先端11は、患者の生体管腔内に挿入される側の端部である。カテーテル10の基端12は、先端11とは反対側の端部である。カテーテル10の先端11は、例えば一文字型状に切り込まれた弁30を有している。
カテーテル10の材料としては、例えば可撓性および透明性を有する軟質樹脂材料が挙げられ、具体的には例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン―テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。但し、カテーテル10の材料は、これだけに限定されるわけではない。
<スタイレット40>
図1に示すように、スタイレット40は、カテーテル10の先端11に設けられた弁30を貫通可能になっている。スタイレット40は、中空部材であり、例えば断面円形状の内腔(ルーメン)40Rを有する。内腔40Rは、スタイレット40の軸方向CLに沿って形成されている。スタイレット40は、先端41と、基端42と、を有する。スタイレット40は、ガイドワイヤ20を取り囲み、ガイドワイヤ20の断面積よりも広い空間領域である内腔40Rを確保している。スタイレット40の先端41および基端42は、開放端である。スタイレット40の先端41は、患者の生体管腔内に挿入される側の端部である。スタイレット40の基端42は、先端41とは反対側の端部である。スタイレット40の突出部分40Tは、カテーテル10の先端11から軸方向CLに沿ってカテーテル10の外側に突出した部分である。
図1に示すように、スタイレット40の外径寸法S1は、カテーテル10の内径寸法S2に比べて小さい。スタイレット40は、カテーテル10の内腔10R内を通過可能である。スタイレット40がカテーテル10の内腔10R内を低摺動で通過できるように、好ましくは、シリコーン油等の潤滑剤がカテーテル10の内腔10Rに塗布されている。スタイレット40の内腔40Rの空間領域は、ガイドワイヤ20の断面積よりも大きく設定されている。そのため、ガイドワイヤ20は、摺動抵抗が抑えられた状態でスタイレット40の内腔40R内を通過することができる。
スタイレット40の材料としては、弾性変形可能な例えば透明性を有するポリウレタン(PU)等の軟質樹脂や、ニッケルチタン(Ni-Ti)やステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。但し、スタイレット40の材料は、これだけに限定されるわけではない。弾性変形可能な透明性を有する軟質樹脂は、上述したカテーテル10の材料と同様な材料であってもよい。
<ガイドワイヤ20>
図1に示すガイドワイヤ20は、カテーテル10の先端11から弁30を貫通し、スタイレット40の内腔40Rに挿通される。ガイドワイヤ20の材料および構造としては、公知の材料および構造が挙げられ、例えば超弾性合金や、ステンレス鋼の芯線に合成樹脂膜が被覆されたものや、ステンレス鋼の芯線の外周にコイルが配置されたものや、ステンレス鋼の芯線に配置されたコイルの外周に合成樹脂膜が被覆されたものなどが挙げられる。ガイドワイヤ20の外径寸法S3は、スタイレット40の内径寸法S4よりも小さい。スタイレット40の内径寸法S4とガイドワイヤ20の外径寸法S3との片側の差の範囲は、例えば約0.1mm以上、0.3mm以下程度である。
好ましくは、血液等に触れると低摺動性を発揮するための表面コーティング処理が、ガイドワイヤ20の表面に施されている。また、好ましくは、ガイドワイヤ20がスタイレット40の内腔40R内を低摺動で通過できるように、シリコーン油等の潤滑剤がスタイレット40の内腔40Rに塗布されている。
<カテーテルシステム1の利用形態の例>
次に、図2を参照して、上述したカテーテルシステム1の利用形態の例を説明する。
図2は、本実施形態に係るカテーテルシステムの利用形態の一例を示す断面図である。
図2(A)では、まず、カテーテル10とスタイレット40とが用意される。図2(B)に示すように、スタイレット40の基端42が、X2方向に沿ってカテーテル10の弁30を貫通して、カテーテル10の先端11からカテーテル10の内腔10Rに挿入される。
図2(C)に示すように、穿刺針95はX1方向に沿って患者の皮膚97に穿刺された後、静脈や動脈等の生体管腔(不図示)に挿入される。ガイドワイヤ20は、穿刺針95の内側からX1方向に沿って生体管腔内に挿入される。その後、穿刺針95は、X2方向に沿って生体管腔内から抜去される。
次に、図2(D)に示すように、ガイドワイヤ20がスタイレット40の先端41からスタイレット40の内腔40Rに挿入される。そして、カテーテル10およびスタイレット40が、ガイドワイヤ20に沿って、すなわちガイドワイヤ20に案内されて、一体的に生体管腔内に挿入される。その後、図2(E)に示すように、ガイドワイヤ20およびスタイレット40が、X2方向に沿って一体的に、生体管腔内から抜去される。これにより、カテーテル10は、患者の生体管腔内に挿入され留置される。
なお、図2(A)および図2(B)において、スタイレット40の先端41が、カテーテル10の基端12からX1方向に沿ってカテーテル10の内腔10R内を通過してカテーテル10の弁30を貫通し、カテーテル10の先端11から突き出ても良い。
ここで、本実施形態のスタイレット40が存在しない場合には、手技者等がガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル10を生体管腔内に挿入する際や、カテーテル10を生体管腔内に残してガイドワイヤ20を生体管腔内から抜去する際に、ガイドワイヤ20とカテーテル10の先端11に設けられた弁30との間に摺動抵抗が生ずる。本発明者が得た知見によれば、ガイドワイヤ20とカテーテル10の先端11に設けられた弁30との間に生ずる摺動抵抗は、比較的大きい。そのため、本実施形態のスタイレット40が存在しない場合には、手技者がカテーテル10を生体管腔内に留置しにくいことがある。
これに対して、本実施形態に係るカテーテルシステム1は、スタイレット40を備える。前述したように、スタイレット40は、カテーテル10の先端11に設けられた弁30を貫通可能であり、ガイドワイヤ20が通過可能な内腔40Rを有する。そして、手技者等がカテーテル10を患者の生体管腔内に挿入し留置する際には、ガイドワイヤ20は、弁30を貫通したスタイレット40の内腔40Rに挿通される。これにより、カテーテル10の先端11に設けられた弁30と、ガイドワイヤ20と、の間に生ずる摺動抵抗を低減することができる。そのため、手技者等は、ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル10を生体管腔内に容易に挿入し留置したり、カテーテル10を生体管腔内に残してガイドワイヤ20を生体管腔内から容易に抜去したりすることができる。これにより、本実施形態に係るカテーテルシステム1は、カテーテル10を生体管腔内に留置する手技の作業性を向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態を、図面を参照して説明する。本発明の他の実施形態の要素が、図1および図2に示す第1実施形態の対応する要素と実質的に同じである場合には、同じ符号を記してその説明を用いる。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図3は、カテーテル10の先端11と、スタイレット40の基端42と、を示している。スタイレット40の基端42には、導入部材45が設けられている。本実施形態において、スタイレット40の基端42は、スタイレット40が弁30へ導入される側の端部に相当する。導入部材45は、カテーテル10が弁30へ導入される部分に設けられ、基端42に対して着脱可能に取り付けられている。例えば、導入部材45は、オス部分45Pを有する。オス部分45Pは、基端42のメス部分42Rにはめ込まれている。
導入部材45の先端部47は、弁30に向けて先細りになるように形成されており、図示例では例えば断面半円形状になっている。また、導入部材45の外周面と基端42の外周面との継ぎ目部分46には段差がない。
図3(A)に示すように、スタイレット40の基端42は、導入部材45を先導役として先導させながら、X2方向に沿ってカテーテル10の弁30を貫通する。そして、スタイレット40は、カテーテル10の内腔10R内に挿入される。次に、スタイレット40の基端42がカテーテル10の基端12から突出した際に、導入部材45がスタイレット40の基端42から取り外される。次に、図3(B)に示すように、ガイドワイヤ20が、スタイレット40の内腔40R内に挿入される。
本実施形態によれば、スタイレット40は、導入部材45を先導させながら、弁30を貫通できる。これにより、スタイレット40が弁30を貫通する際に、弁30が破壊されることを抑えることができる。また、導入部材45のうち弁30に導入される側の端部が先細りになっているため、スタイレット40は、導入部材45を用いて弁30を容易に貫通できる。これにより、スタイレット40が弁30を貫通する際に、弁30が破壊されることをより一層確実に抑えることができる。また、第1実施形態に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図4(A)に示すように、貫通案内部材60が、カテーテル10の先端11に着脱可能に設けられている。貫通案内部材60は、スタイレット40がカテーテル10の弁30を容易に貫通してカテーテル10の内腔10Rに挿入しやすいように構成されている。貫通案内部材60は、カテーテル導入部61と、弁開放部62と、スタイレット導入部63と、の少なくとも1つを有する。
図4(A)から図4(C)に示すように、カテーテル導入部61は、貫通案内部材60がカテーテル10の先端11に対して着脱可能に接続されやすいように構成されており、先細りになったテーパ部分61Tを有する。図4(C)に示すように、弁開放部62は、先端11の弁30を半径方向内側に押圧力Nで押圧して、貫通案内部材60が弁30を開放しやすいように構成されている。弁開放部62は、半径方向内側に突出して形成されており、例えば断面半円形状になっている。図4(C)から図4(D)に示すように、スタイレット導入部63は、スタイレット40が弁30に挿入されやすいように構成されている。スタイレット導入部63は、貫通案内部材60の先端側に向けて開口半径が大きくなるように形成されたテーパ部分63Tを有する。
図4(B)から図4(E)は、スタイレット40が、カテーテル導入部61を用いて、カテーテル10の内腔10Rに挿入される様子を示している。まず、図4(B)から図4(C)に示すように、カテーテル導入部61が、カテーテル10の先端11に対して、X2方向に取り付けられる。この場合には、カテーテル導入部61のテーパ部分61Tは、カテーテル10の先端11をスムーズに導入できる。そのため、カテーテル導入部61は、先端11の外周部分に簡単にしかも確実に取り付けられる。図4(C)に示すように、弁開放部62は、先端11の弁30を半径方向内側に押圧力Nで押圧して潰して、例えばスリット状の弁30を弾性変形させて、弁30を開放しやすいようにする。
そして、図4(C)に示すように、スタイレット40の基端42は、スタイレット導入部63のテーパ部分63Tにより弁30に向けてX2方向に沿ってガイドされながら、弁30に対して確実に突き当たる。続いて、図4(D)に示すように、スタイレット40の基端42は、弁開放部62により予め開放された弁30を貫通し、カテーテル10の内腔10Rに挿入される。最後に、図4(E)に示すように、貫通案内部材60が、カテーテル10の先端11からを取り外される。そして、ガイドワイヤ20が、スタイレット40の内腔40Rに挿入される。
本実施形態によれば、作業補助部材としての貫通案内部材60が、カテーテル10の先端11に着脱可能に設けられており、スタイレット40が弁30を貫通しやすいように構成されている。そのため、スタイレット40は、貫通案内部材60を用いて弁30を容易に貫通できる。これにより、スタイレット40が弁30を貫通する際に、弁30が破壊されることを抑えることができる。
また、前述したように、貫通案内部材60は、カテーテル導入部61と、弁開放部62と、スタイレット導入部63と、の少なくとも1つを有する。そのため、貫通案内部材60は、カテーテル10の先端11に容易に接続される。あるいは、スタイレット40は、貫通案内部材60を用いて弁30を容易に貫通できる。これにより、スタイレット40が弁30を貫通する際に、弁30が破壊されることをより一層確実に抑えることができる。
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態のカテーテル10は、カテーテル10の先端11に設けられた弁30と、カテーテル10の周囲面に設けられた別の弁130と、を有する。本実施形態の弁30は、本発明の「第1の弁」の一例である。本実施形態の別の弁130は、本発明の「第2の弁」の一例である。弁30は、第1~3実施形態に関して前述した弁30と同様に、スタイレットを通すためのものである。別の弁130は、例えば薬液の流路として利用されて開閉する。
陰圧および陽圧がカテーテル10の内腔10Rにかかった場合に、別の弁130は、弁30に比べて、開きやすくなっている。弁30は、スタイレット40の基端42を通し易く、スタイレット40が弁30から抜去されると閉じる。これに対して、別の弁130は、陰圧および陽圧がカテーテル10の内腔10Rにかかった場合に開き、陰圧および陽圧がカテーテル10の内腔10Rにかからないときには閉じるようになっている。
本実施形態によれば、使用目的に応じた設計を容易に行うことができる。
(第5実施形態)
図6は、本発明の第5実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図6(A)に示すように、カテーテル10は、先端11に設けられた弁30Sと、カテーテル10の周囲面に設けられた別の弁130と、を有する。本実施形態のスタイレット40は、「第1のスタイレット」の一例であり、スタイレット40の先端41に設けられた弁部材30Tを有する。本実施形態の弁30Sは、本発明の「第1の弁」の一例である。本実施形態の別の弁130は、本発明の「第2の弁」の一例である。弁30Sは、スタイレット40を通すためのものである。別の弁130は、薬液の流路として用いられて開閉する。スタイレット40は、先端部に貫通孔48を有する。
弁部材30Tは、円柱状の部材であり、例えば一文字状のスリット30Hを有している。図6(A)および図6(B)に表したように、別のスタイレット140が、スタイレット40の貫通孔48を通過して、弁部材30Tのスリット30Hを貫通可能である。本実施形態の別のスタイレット140は、「第2のスタイレット」の一例である。弁部材30Tの材料は、例えば軟質の樹脂であり、スタイレット40の材料よりも軟質である。弁部材30Tとスタイレット40と別のスタイレット140とは、互いに異なる硬度のポリウレタン、ポリウレタン、あるいはシリコーン等により作られている。弁部材30Tは、スタイレット40の内面により圧縮されている。そのため、弁部材30Tのスリット30Hは、比較的閉じ易い。また、スタイレット40は、カテーテル10の先端11に設けられた弁30Sを貫通可能な強度を有している。
図6(B)に表したように、別のスタイレット140は、弁部材30Tを貫通し、スタイレット40の内腔40Rに挿入される。別のスタイレット140は、スタイレット40の先端41に設けられた弁部材30Tのスリット30Hを開放できる強度を有している。別のスタイレット140の外径寸法は、スタイレット40の貫通孔48の内径寸法およびスタイレット40の内径寸法よりも小さい。図6(B)に表したように、ガイドワイヤ20が、別のスタイレット140の内腔140Rに挿入される。別のスタイレット140とガイドワイヤ20との摺動抵抗を低減できるように、好ましくは、シリコーン油等の潤滑剤が別のスタイレット140の内腔140Rに塗布されている。
このようにして、カテーテル10、スタイレット40およびスタイレット140が、ガイドワイヤ20に沿って、すなわちガイドワイヤ20に案内されて、一体的に生体管腔内に挿入される。その後、ガイドワイヤ20およびスタイレット140が、一体的に生体管腔内から抜去される。これにより、カテーテル10およびスタイレット40は、患者の生体管腔内に挿入され留置される。
本実施形態によれば、手技者等がカテーテル10およびスタイレット40を患者の生体管腔内に挿入し留置する際には、ガイドワイヤ20は、スタイレット40の弁部材30Tを貫通したスタイレット140の内腔140Rに挿通される。これにより、カテーテル10の先端11に設けられた弁30およびスタイレット40の先端41に設けられた弁部材30Tと、ガイドワイヤ20と、の間に生ずる摺動抵抗を低減することができる。そのため、手技者等は、ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル10およびスタイレット40を生体管腔内に容易に挿入し留置したり、カテーテル10およびスタイレット40を生体管腔内に残してガイドワイヤ20を生体管腔内から容易に抜去したりすることができる。これにより、本実施形態に係るカテーテルシステム1は、カテーテル10およびスタイレット40を生体管腔内に留置する手技の作業性を向上させることができる。
また、カテーテル10の内腔10R、すなわちカテーテル10とスタイレット40との間の空間は、ある種類の薬液を導くことができる。また、スタイレット40の内腔40Rは別の種類の薬液を導くことができる。つまり、カテーテル10の内腔10Rとスタイレット40の内腔40Rは、互いに異なる2種の薬液を別々に案内して生体組織に投与することができるダブルルーメンとして利用される。
なお、ダブルルーメン構造が不要になった場合、すなわち2種の薬液の投与ではなく1種の薬液の投与が行われる場合には、手技者等は、カテーテル10からスタイレット40を抜去することで、カテーテル10の内腔10Rだけのシングルルーメンに変更できる。これにより、不要になった薬液用のスタイレットをカテーテルから取り除いて必要最小限の構造に変更することができ、清潔さを向上させることができ、不要な薬剤の感染リスクを低減することができる。
(第6実施形態から第8実施形態)
図7は、本発明の第6実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図8は、本発明の第7実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図9は、本発明の第8実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図7に示す本発明の第6実施形態では、スタイレット40が弾性変形可能な例えば透明性を有する熱可塑性樹脂で形成されている。スタイレット40の全部または一部に、強度を高めてキンク防止等とプッシャビリティ向上とを図るためにステンレス鋼等の金属製の細線により形成されたブレード(編組体)が補強部材として入っている。図7に表した例では、スタイレット40の先端41の部分49の肉厚が、スタイレット40の残部(胴部ともいう)43の肉厚に比べて厚い。そして、スタイレット40の先端41の部分49に、ステンレス鋼等の金属製の細線により形成されたブレード(編組体)が補強部材として入っている。そのため、スタイレット40の径方向の強度が補強される。これにより、スタイレット40が弁30を通過する際に弁30から受ける圧力により潰れることを抑えることができる。また、ガイドワイヤ20が、スタイレット40の内腔40Rに確実に挿入される。なお、強度を高めるためのブレードは、スタイレット40の全長にわたって配置されていてもよい。
図8に示す本発明の第7実施形態では、スタイレット40が弾性変形可能な例えば透明性を有する熱可塑性樹脂で形成されている。スタイレット40の全部または一部に、強度を高めて、キンク防止等とプッシャビリティ向上とを図るためにステンレス鋼等の金属製の細線により形成されたワイヤ44または薄い板状部材が補強部材として入っている。図8に表した例では、スタイレット40の先端41の部分49の肉厚が、スタイレット40の残部(胴部ともいう)43の肉厚に比べて厚い。そして、スタイレット40の先端41の部分49に、ワイヤ44または薄い板状部材が補強部材として長手方向(軸方向CL)に沿って円周方向において所定間隔で複数本入っている。そのため、スタイレット40の強度が高くなり、プッシャビリティが向上する。スタイレット40の長さが比較的長い場合であっても、比較的長いスタイレット40は、弁30を貫通することができ、比較的長いカテーテル10に挿入可能とされる。また、ガイドワイヤ20がスタイレット40の内腔40Rに確実に挿入される。なお、強度を高めるためのワイヤ44または薄い板状部材は、スタイレット40の全長にわたって配置されていてもよい。
図9に示す本発明の第8実施形態では、スタイレット40の少なくとも一部の硬さは、スタイレット40の少なくとも一部以外の他の部分の硬さとは異なる。図9に表した例では、スタイレット40の先端41の部分49の肉厚が、スタイレット40の残部43の肉厚に比べて厚い。あるいは、スタイレット40の部分49の材料の硬さは、スタイレット40の残部43の材料の硬さよりも硬い。これにより、スタイレット40は、軸方向CLについて、強度の異なる部分を有している。つまり、スタイレット40の部分49の硬さを、スタイレット40の残部43の硬さよりも硬くすることができる。そのため、スタイレット40の部分49が補強される。これにより、スタイレット40の部分49が弁30を通過する際に弁30から受ける圧力により潰れることを抑えることができる。一方で、スタイレット40の残部43は、スタイレット40の部分49よりも柔軟である。これにより、スタイレット40の残部43が生体管腔の屈曲部に与える負荷を低減することができる。
スタイレット40の残部43の内径寸法を大きくすることで、ガイドワイヤ20とスタイレット40との間の摺動抵抗が小さくなる。スタイレット40の残部43の外径寸法を小さくすることで、カテーテル10とスタイレット40との間の摺動抵抗が小さくなる。スタイレット40の部分49の外径寸法を小さくすることで、弁30の破壊を防止できる。上述したように、スタイレット40の少なくとも一部に相当する部分49の強度を高めることは、スタイレット40がカテーテル10の基端12から挿入される場合に、部分49が弁30の圧力により潰れることを抑えることができる点で有効である。
(第9実施形態)
図10は、本発明の第9実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図10(C)に示すように、スタイレット40の先端41には、棒状の突出部40Nが軸方向CLに沿って設けられている。突出部40Nは、スタイレット40の先端41から軸方向CLに突出しており、スタイレット40の本体よりも細い。好ましくは、先端41は、軸方向CLに対して傾斜角θで傾斜して形成され傾斜面になっている。
本実施形態に係るカテーテルシステム1の使用に際して、初期状態では、図10(A)に示すように、スタイレット40の突出部40Nが、先導役として先行してカテーテル10の弁30を貫通している。そして、図10(B)に示すように、手技者等がスタイレット40をX1方向に移動させると、スタイレット40自体が弁30を貫通する。そして、図10(B)に表したように、ガイドワイヤ20がスタイレット40の内腔40Rに挿入される。
本実施形態によれば、スタイレット40の突出部40Nが予め弁30を貫通しているため、手技者等がスタイレット40をカテーテル10の全長にわたって挿入する手間を省くことができる。また、スタイレット40の突出部40Nが予め弁30を貫通していても、突出部40Nがスタイレット40の本体よりも細いので、例えばスタイレット40がカテーテル10および弁30から抜去された後に弁30が閉じないなどといったクリープ変形が生ずることを抑えることができる。
(第10実施形態)
図11は、本発明の第10実施形態に係るカテーテルシステムを示す断面図である。
図11は、本実施形態に係るカテーテルシステム1をカテーテル10の先端11から基端12に向かって軸方向CLに沿って眺めた断面図である。
上述した本発明の各実施形態では、スタイレット40は、断面円形状を有するパイプあるいはチューブである。これに対して、図11に示す本発明の第10実施形態では、スタイレット40Aは、例えば円筒を軸方向で割った半割状の断面半円形状を有している。言い換えれば、スタイレット40Aの内腔40Mは、断面半円形状を有する。スタイレット40Aの内腔40Mとカテーテル10の内面とが形成する空間領域10Mの断面積は、ガイドワイヤ20の断面積よりも大きい。このようにして、本実施形態のスタイレット40Aは、ガイドワイヤ20を取り囲む空間領域10Mを確保している。
本実施形態によれば、スタイレット40Aがガイドワイヤ20を取り囲む空間領域10Mを確保するため、カテーテル10の先端11に設けられた弁30と、ガイドワイヤ20と、の間に生ずる摺動抵抗をより一層低減することができる。そのため、手技者等は、ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル10を生体管腔内により一層容易に挿入し留置したり、カテーテル10を生体管腔内に残してガイドワイヤ20を生体管腔内からより一層容易に抜去したりすることができる。これにより、本実施形態に係るカテーテルシステム1は、カテーテル10を生体管腔内に留置する手技の作業性をより一層向上させることができる。また、スタイレット40Aがガイドワイヤ20を取り囲む空間領域10Mを確保するため、スタイレット40Aが弁30を貫通する際の弁30の変形量を抑えることができ、弁30が破壊されることをより一層確実に抑えることができる。
図12は、本実施形態のカテーテルの先端に設けられた弁の形状例を示す模式図である。
図12(A)は、一文字型のスリットを有する弁30を示している。図12(B)は、Y字型のスリットを有する弁30を示している。図12(C)は、十字型のスリットを有する弁30を示している。図12(D)は、クロスカット型のスリットを有する弁30を示している。クロスカット型のスリットを有する弁30は、先端表面11L側から形成されたI型の第1スリット部分30Wと、内腔10R側から形成され第1スリット部分30Wに対して90度傾いたI型の第2スリット部分30Vと、を有している。第1スリット部分30Wの一部分と、第2スリット部分30Vの一部分と、は、互いに直交するようにして交差している。図12(D)に示すクロスカット型のスリットを有する弁30は、構造が簡単であるにもかかわらず、カテーテル10に対してスタイレット40を通すことを容易とする。また、スタイレット40がカテーテル10から抜去されると、クロスカット型のスリットを有する弁30がしっかりと閉じる。そのため、薬液が弁30から漏れることを抑えることができる。なお、カテーテル10の弁30は、ダックビル型のスリット(図示せず)を有していてもよい。
図13は、本実施形態のスタイレットの内面の構造例を示す模式図である。
図13(A)および図13(B)に示すスタイレット40は、例えばステンレス製である。図13(A)に示すスタイレット40の内面40Jは、滑らかになっている。スタイレット40は、ステンレス板の曲げ加工により形成される。ステンレス板の端部同士は、溶接部分40Zで接続されている。
図13(B)に示すスタイレット40の内面には、例えば引き抜き加工により皺(しわ)状の凹凸部40Kが形成されている。
図13(A)および図13(B)に表したスタイレット40によれば、ガイドワイヤ20の外周面とスタイレット40の内面との間の摺動性が良くなる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
図示した本発明の実施形態では、スタイレットは、断面円形状または断面半円形状を有し、ガイドワイヤを取り囲む空間領域を確保する。但し、スタイレットの断面形状は、これに限らず、例えば断面楕円形状、断面五角形等の断面多角形状等であっても良い。
1:カテーテルシステム、 10:カテーテル、 10M:空間領域、 10R:内腔、 11:先端、 11L:先端表面、 12:基端、 20:ガイドワイヤ、 30:弁、 30H:スリット、 30S:弁、 30T:弁部材、 30V:第2スリット部分、 30W:第1スリット部分、 40、40A:スタイレット、 40J:内面、 40K:凹凸部、 40M:内腔、 40N:突出部、 40R:内腔、 40T:突出部分、 40Z:溶接部分、 41:先端、 42:基端、 42R:メス部分、 43:残部、 44:ワイヤ、 45:導入部材、 45P:オス部分、 46:継ぎ目部分、 47:先端部、 48:貫通孔、 49:部分、 60:貫通案内部材、 61:カテーテル導入部、 61T:テーパ部分、 62:弁開放部、 63:スタイレット導入部、 63T:テーパ部分、 90:カテーテルハブ、 95:穿刺針、 97:皮膚、 130:弁、 140:スタイレット、 140R:内腔、 CL:軸方向、 N:押圧力、 S1:外径寸法、 S2:内径寸法、 S3:外径寸法、 S4:内径寸法、 θ:傾斜角

Claims (11)

  1. カテーテルと、
    前記カテーテルの先端に設けられた弁と、
    内腔を有し前記弁を貫通可能なスタイレットと、
    前記弁を貫通した前記スタイレットの前記内腔に挿通されるガイドワイヤと、
    を備えたことを特徴とするカテーテルシステム。
  2. 前記スタイレットは、前記弁へ導入される側の端部に取り外し可能に設けられた導入部材を有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
  3. 前記導入部材のうち前記弁に導入される側の端部は、先細りになっていることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルシステム。
  4. 前記カテーテルの前記先端に着脱可能に設けられ、前記スタイレットが前記弁を貫通しやすいように構成された貫通案内部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。
  5. 前記貫通案内部材は、
    前記貫通案内部材が前記カテーテルの前記先端に接続されやすいように構成されたカテーテル導入部と、
    前記貫通案内部材が前記弁を開放しやすいように構成された弁開放部と、
    前記スタイレットが前記弁へ挿入されやすいように構成されたスタイレット導入部と、
    の少なくとも1つを有することを特徴とする請求項4に記載のカテーテルシステム。
  6. 前記カテーテルの前記弁は、第1の弁であり、
    前記カテーテルは、前記第1の弁とは異なる第2の弁をさらに有し、
    前記第2の弁は、前記第1の弁と比較して、陰圧および陽圧が前記カテーテルの内腔にかかった場合に開閉しやすいことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。
  7. 前記スタイレットの少なくとも一部は、ブレードまたはワイヤを有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。
  8. 前記スタイレットの少なくとも一部の硬さは、前記少なくとも一部以外の他の部分の硬さとは異なることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。
  9. 前記スタイレットは、前記スタイレットの先端から軸方向に突出した突出部を有し、
    前記突出部は、前記弁を貫通可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。
  10. 前記スタイレットは、前記ガイドワイヤを取り囲む空間領域を確保することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。
  11. 前記スタイレットの前記内腔は、断面円形状または断面半円形状を有することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のカテーテルシステム。

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