JP2022143739A - リチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置 - Google Patents

リチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン2次電池の内部短絡に基づく発火の抑制における安全性を向上した、安全性維持制御装置を提供する。【解決手段】2次電池管理装置100において、充放制御回路140の計測回路162~168は、電力を蓄えるための複数のリチウムイオン2次電池の各セル132~138について端子電圧や充放電電流値や温度を計測する。2次電池制御装置110、120は、計測結果に基づく計算値とリチウムイオン2次電池の内部短絡状態を検知するための基準値とを比較して、リチウムイオン2次電池の内部短絡状態の発生の有無を検知し、リチウムイオン2次電池の内、内部短絡状態が検知されたリチウムイオン2次電池に対して設けられた充放電回路172~178を動作させて、内部短絡状態が検知されたリチウムイオン2次電池に蓄えられた電力を放電する。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン2次電池の内部に発生する電気的な短絡が原因となって生じる発火状態を回避して安全性を維持する安全性維持制御装置に関する。
リチウムイオン2次電池は正極材と負極材との間に設けられたセパレータに微小な短絡電流が流れると、短絡電流が急激に増大し、発火することが知られている。このため上記微小な短絡電流の発生を検知して発火に備え事前に消火のための対応を行う技術が知られている。また発火が生じにくいリチウムイオン2次電池の内部構造に関する技術がいろいろ発表されている。
例えば微小な短絡電流が生じたことを検出する技術は以下に記載の特許文献1や特許文献2、特許文献3に記載されている。また事故等によるリチウムイオン2次電池の損傷により、大きな短絡電流が流れた場合における対応策について、以下に記載の特許文献4に記載されている。
特開2020-167069号公報 特開2020-136149号公報し 特開2020-071054号公報 特許6711455号公報
リチウムイオン2次電池の内部に微小短絡が発生すると、短時間に短絡電流が増大し、発火に至る。この発火に至る過程を回避できれば安全性が格段に向上する。しかし内部短絡が発生すると極めて短時間に発火にいたることが多く、発火した場合の損傷が極めて甚大である。この発火に至る過程を回避し、発火を防止することが極めて重要である。しかし発火を防止できる材料やリチウムイオン2次電池の構造に研究開発の重点がおかれてきた。このため、内部短絡の検知の後、発火を防止するためにどのように制御したらよいか、またその回避制御で発火が本当に回避できるのかについて、十分な研究がなされていない。
特許文献1~特許文献3には、リチウムイオン2次電池の内部短絡の発生を検知する技術が開示されている。しかし、上記内部短絡の発生の後の発火の回避するための回避方法について何ら提示されていない。
発明者は、リチウムイオン2次電池の内部に微小な短絡を人工的に発生し、この微小短絡電流がもとで発生する発火状態を回避する方法について、いろいろ工夫しながら実験を繰り返した。特許文献4には、リチウムイオン2次電池の内部に微小な短絡が生じた場合にそこに蓄えられていた蓄積電力を正常な電池に移動して蓄積エネルギーを有効に利用することが記載されている。しかし、特許文献4に記載の方法では、リチウムイオン2次電池の内部に微小な短絡を生じたリチウムイオン2次電池を含むリチウムイオン2次電池全体の電力に対して対応しているので、このような考え方では、発火防止のための対応は困難である。もともとこの文献に記載されている発明の目的は、発火の回避に重点が置かれているのではなく、内部に短絡が生じたリチウムイオン2次電池を含むリチウムイオン2次電池ユニットに蓄えられた電力を有効に利用できるようにすることに重点が置かれている。従って発火の回避を目的としたものではない。
本発明の目的は、リチウムイオン2次電池の内部に微小短絡が発生した場合に、この短絡電流がもとで発火状態にいたるのを回避でき、リチウムイオン2次電池の制御における安全性を向上した、安全性維持制御装置を提供することである。
〔第1の発明〕
本発明の課題を解決する第1の発明は、電力を蓄えるための複数のリチウムイオン2次電池のそれぞれの端子電圧や充放電電流値や温度を計測するための計測回路と、演算および制御を行うための制御回路と、前記複数のリチウムイオン2次電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記リチウムイオン2次電池にそれぞれ電流を供給する複数の充電回路と、前記リチウムイオン2次電池のそれぞれに蓄えられた電力を放電するためにそれぞれの前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた複数の放電回路と、を有し、前記制御回路は、前記リチウムイオン2次電池の前記計測回路による計測結果に基づく値と、前記リチウムイオン2次電池の内部短絡状態を検知するための基準値と、を比較して、前記リチウムイオン2次電池の内部短絡状態の発生を検知し、前記制御回路は、前記複数のリチウムイオン2次電池の内、前記内部短絡状態が検知されたリチウムイオン2次電池に対応して設けられた放電回路を動作させて、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に蓄えられた電力を放電する、ことを特徴とする、リチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置、である。
〔第2の発明〕
本発明の課題を解決する第2の発明は、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の放電電流は、0.01Cから10Cの範囲の値であることを特徴とする、第1の発明に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置、である。
〔第3の発明〕
本発明の課題を解決する第3の発明は、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の放電電流は、0.01Cから1Cの範囲の値であることを特徴とする、第1の発明に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置、である。
〔第4の発明〕
本発明の課題を解決する第4の発明は、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の放電電流は、0.01Cから0.5Cの範囲の値であることを特徴とする、第1の発明に記載のリチウムイオン2次電池の安全性制維持制御装置、である。
〔第5の発明〕
本発明の課題を解決する第5の発明は、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池の危険度について複数のランクを設け、前記計測回路(162)で計測した前記計測結果に基づく値により前記複数のランクから対応するランクを決定し、前記危険度の前記決定した対応するランクに基づき、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の前記放電電流の値を決定することを特徴とする、第1の発明乃至第4の発明の内の一に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置、である。
〔第6の発明〕
本発明の課題を解決する第6の発明は、リチウムイオン2次電池の型式に対応して、内部短絡状態が発生した場合の放電電流の値をあらかじめ記憶しておくメモリ装置を有し、前記内部短絡状態の発生の検知に基づき、前記制御回路は、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池の前記型式に基づいて前記メモリ装置から放電電流の値を読み出し、前記制御回路は、前記内部短絡状態の発生が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられている前記前記放電回路の前記放電電流の値を決定することを特徴とする、第1の発明乃至第5の発明の内の一に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置、である。
〔第7の発明〕
本発明の課題を解決する第6の発明は、前記内部短絡が検知された前記リチウムイオン2次電池の表面温度を前記計測回路で計測し、計測した前記表面温度の値があらかじめ定めていた減少幅を超えて減少したことに基づいて、前記制御回路は、前記内部短絡による発火が回避されたことを判断することを特徴とする、第1の発明乃至第6の発明の内の一に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置、である。
本発明によれば、リチウムイオン2次電池の内部に微小短絡が発生した場合に、この短絡電流がもとで発火状態にいたるのを回避できる、リチウムイオン2次電池の制御における安全性を向上した、安全性維持制御装置を得ることができる。
本発明が適用された車両の駆動装置の構成を示すブロック回路図である。 図1に記載の統合制御装置および計測回路や充放電回路の詳細回路を説明するブロック回路図である。 図2に示すコンピュータ500の基本動作を説明するフローチャートである。 第2図に記載の第1メモリ装置60に保持されているデータを説明する説明図である。 セル制御回路212の基本動作を説明するフローチャートである。 電池セル内部に発生した内部短絡の検知と発火回避制御を説明する説明図である。 第2図に記載の第4メモリ装置80に保持されているデータを説明する説明図である。 第3図のステップS532および第5図のステップS632の詳細を説明する説明図である。
図1は、本発明を車両の駆動装置に適用した場合の回路構成を説明するブロック回路図である。なお車両の駆動制御装置への本発明の適用は一例であって、リチウムイオン2次電池等の2次電池に電力を蓄える装置に関して、本発明は広く適用できる。例えばリチウムイオン2次電池の診断装置に対しても広く適用できる。以下の説明は、一例として車両の走行用の駆動制御装置に本発明を適用した実施例について説明する。
1.車両の駆動制御装置の基本構成
図1において、電源10は例えば商用電源等の電力供給装置である。なお商用電源以外の車両に搭載された発電機を電源10としても良い。電源10から供給された交流電力は、交流直流変換器20により直流に変換される。交流直流変換器20から供給された直流電力は、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120がそれぞれ有するリチウムイオン2次電池の組141に蓄えられる。2次電池制御装置110や2次電池制御装置120のリチウムイオン2次電池の組141に蓄えられた直流電力は、電力線32や電力線34を介して、直流交流変換器30に送られ、直流交流変換器30で交流電力に変換されて走行用電動機40に供給される。なお、説明を簡単にするために2次電池制御装置110と2次電池制御装置120の二組の2次電池制御装置を有することとしたが、さらに多くの2次電池制御装置を有していても良い。
走行用電動機40は車両の車輪を駆動するための回転電機であり、例えば同期電動機である。2次電池管理装置100から供給される直流電力が直流交流変換器30により交流電力に変換され、走行用電動機40へ供給される。走行用電動機40は例えば回転同期電動機であり、回転磁界とロータとの位相の関係を制御することにより、モータとしての機能と発電機としての機能を持たせられるように制御することができる。発電機として動作させた場合には、走行用電動機40により車両の車輪に発電制動が掛かり、走行用電動機40は交流電力を発電し、直流交流変換器30へ供給され、直流電力に変換されて2次電池管理装置100へ発電電力が戻される。図1では図示していないが、入出力回路95へ運転者のアクセル操作量やブレーキ操作量が送られてくると、統合制御装置50は直流交流変換器30を制御して走行用電動機40のロータと回転磁界の位相などを制御し、走行用電動機40の電動機や発電機の機能やその時々の回転速度を制御する。
2次電池管理装置100は、この実施例では、2次電池制御装置110と2次電池制御装置120とを備えている。2次電池制御装置110と2次電池制御装置120とは、同じ構成であり、同じ動作をする。これらはそれぞれ、複数の直列に接続されたリチウムイオン2次電池(以下電池セルと記す)からなるリチウムイオン2次電池の組141を有している。リチウムイオン2次電池の組141は電池セル132から電池セル138で構成されており、これら電池セル132から電池セル138の各々に対して充電および放電を行うための充放制御回路140が上記各電池セルに対応して設けられている。さらに2次電池制御装置110や2次電池制御装置120にはそれぞれ、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120のチウムイオン2次電池の組141を、個別に、電力線32や電力線34に接続したり、あるいは電力線32や電力線34から切り離したりするための開閉器122や開閉器124が設けられている。上述のとおり、2次電池制御装置110と2次電池制御装置120は同じ構成で同じ動作をするので、2次電池制御装置120はやや簡略化したブロック回路図で示している。
走行用電動機40を駆動するための直流電力は、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120が有するリチウムイオン2次電池の組141にそれぞれ蓄えられる。開閉器122や開閉器124が閉じた状態でリチウムイオン2次電池の組141はそれぞれ、電力線32や電力線34を介して直流交流変換器30に接続される。電池セルに内部短絡が生じるなどの異常事態が発生したときに、開閉器122や開閉器124が開放されることにより電気的に完全に、電力線32や電力線34から切り離され、他のリチウムイオン2次電池の組から切り離される。
2次電池制御装置110や2次電池制御装置120に設けられている充放電回路172から充放電回路178は、電池セル132から電池セル138にそれぞれ対しており、さらに各充放電回路172から充放電回路178に対して、それぞれに直流電力を供給するDC/DC変換器152~158が設けられている。DC/DC変換器152~158はそれぞれ、入力側の電位と出力側の電位が異なることに対応するために、例えば内部に設けられたトランス等で入力回路と出力回路とが電気的に切り離されている。電池セル132から電池セル138は直列に接続されているため、電位がそれぞれ異なる。このため充放電回路172~178の電位もまたそれぞれ異なっている。従ってDC/DC変換器152からDC/DC変換器158の入力側である入力回路と出力側である出力回路との電位が異なってくる。上述のように例えば内部に設けられたトランス等を設けることでこの課題に対応できる。
電池セル132~電池セル138は色々な構造や形状のものが存在するし、これは将来に渡っても同様のことが言える。例えばラミネート型と言われているタイプは、平板形状の陽極板や負極板とを電解質を含有するセパレータ板を挟んで配置している。また巻回型と言われるタイプは、セパレータを挟んだ陽極や陰極からなる3層構造の帯状の材料を巻回した構造となっている。その他、色々なタイプがあり、また将来においていろいろなタイプの電池セルが新たに出てくると思われる。さらに同じタイプのようであっても、陽極や陰極、セパレータの材質が異なるものが、いろいろ生産され販売される。これらは直流電力を蓄える点では同じ作用であるが、蓄電能力や充電特性、放電特性、等、電気的な特性が少しずつ異なる。さらにこれらの劣化の状態も異なり、また内部に微小な短絡が生じた場合の短絡の状態と電気的な特性の変化との関係も異なる。このようにいろいろな二次電池の全体を対象にしようとすると、寿命の診断推定制度や、異常状態の発生の検知制度が著しく低下する。また異常状態が発生した場合の対応策も電池セル132から電池セル138の種類等により異なってくる。上記いろいろな特性の違いを有する各電池セルを分類し、分類されたそれぞれをセル型式と記すことにする。構造や材料が異なる電池セルに関しては、互いにセル型式が異なると記す。逆に同じ製品型式は構造や材料がほぼ共通していて、蓄電能力もほぼ同じである電池セルを意味する。
以下で説明するようにいろいろな型式により検知判断のための基準レベルが異なってくる。以下の図7ではセル型式と検知判断のための基準値や制御値を予め計測して記憶している。これらの値を使用することで正確に判断でき、正確に制御できる。この点は以下で説明する。
2.2次電池管理装置100の基本制御
2次電池管理装置100は、複数のリチウムイオン2次電池の組141に対して管理機能すなわち制御機能を備えている。ここで管理機能としては、電池セルの寿命等を診断する診断機能や、個々の電池セルおよび2次電池制御装置110の回路自身の異常状態を検査する診断機能、各電池セルについての計測結果である電池セルの個別データを保持する保持機能、保持していた各電池セルに関するデータを要求に応じて提供する提供機能、必要に応じて危険性を知らせる警報機能、等、である。また制御機能としては、充放制御回路140の制御機能や直流交流変換器30の制御機能、等である。
統合制御装置50はバス52を介して2次電池制御装置110や2次電池制御装置120を構成する各回路、および図示しないが直流交流変換器30に繋がっており、互いに指令を含めた情報のやり取りを行っている。
図1の統合制御装置50や充放制御回路140のより詳細なブロック回路を図2に示す。図1で、2次電池制御装置110の計測回路162と充放電回路172とDC/DC変換器152の回路構成やその動作は、2次電池制御装置110の計測回路164から計測回路168や充放電回路174から充放電回路178やDC/DC変換器154からDC/DC変換器158の回路と同じであり、また2次電池制御装置120の計測回路162から計測回路168や充放電回路172から充放電回路178やDC/DC変換器152からDC/DC変換器158と同じであり、これらを代表して2次電池制御装置110のセル制御回路212や計測回路162や充放電回路172について図2を用いて説明する。
図2において、統合制御装置50は、マイクロコンピュータで構成されるコンピュータ500と第1メモリ装置60と第2メモリ装置64と第3メモリ装置70と第4メモリ装置80とを有しており、これらとはバス52で接続されている。またコンピュータ500は外部に設けられている入出力回路95や警報回路90とバス52で接続されている。
さらに2次電池制御装置110や2次電池制御装置120はそれぞれの電池セル132から電池セル138にそれぞれ対応して設けられたセル制御回路を有している。図2に電池セル132に対応して設けられたセル制御回路212を示すが、他の電池セルに対しても同様であり、代表してセル制御回路212について説明する。セル制御回路212はバス52を介してコンピュータ500と接続されており、コンピュータ500と間でデータをやり取りしたり、コンピュータ500に対して割り込み処理を要求したりする。セル制御回路212を無くして、セル制御回路212を含む各電池セル132~138に対応したセル制御回路全体の処理を、コンピュータ500で行うようにしても良い。この実施例ではコンピュータ500とは別に各電池セルに対応してセル制御回路をそれぞれ設けている。これにより、各電池セル132~138の診断制御やこれら各電池セルの寿命の推定など、時間がかかる処理を、コンピュータ500とは別に設けたセル制御回路212で行うことができる。処理が速くなり、各電池セルに対して、それぞれのセル制御回路212が平行して異常診断や寿命や短絡の予測を行うことができ、安全性が大きく改善される。
この実施例では、電池セル132に対応のセル制御回路212で代表して示すようにセル制御回路212がそれぞれ専用のバス54を有している。セル制御回路212は、このバス54を介して、電池セル132の表面の温度を計測する温度計測回路1624や、電池セル132の充放電電流を計測する電流計測回路1622や、電池セル132の端子132Pと端子132Mとの間の端子電圧を計測する電圧計測回路1626や、電池セル132の端子132Pと端子132Mとの間に設けられた放電回路222および充電回路230や、充電回路230へ直流電力を供給するDC/DC変換器152と、接続されており、計測結果のデータや制御のための指令値をやり取りする。なお放電回路222は定電流回路で構成されており、電池セル132の端子間電圧に影響されない状態でセル制御回路212から指示された電流値で、電池セル132の蓄電電力を放電する。
3.統合制御装置50のコンピュータ500の基本制御
図3に、統合制御装置50に設けられているコンピュータ500の基本動作を表すフローチャートを示す。この実施例では、セル制御回路212が行っている各電池セルの診断や各計測回路や各充放電回路の診断を、さらにコンピュータ500でも平行して行っている。セル制御回路212とコンピュータ500との両方で行うことで、信頼性を向上している。コンピュータ500のみで診断を行っても良いが、合わせて各セル制御回路212で診断を行うことにより、各セル制御回路は自分が担当する回路や電池セルの診断を並行して行うことができるので、異常状態をより早く検知でき、より早く対策することができる。さらに各セル制御回路に加えてコンピュータ500で診断を行うことにより、例えば特定の電池セルが内部短絡により発熱で、その電池セルに対応したセル制御回路212が故障することが考えられる。この場合にこの電池セルに対して距離をおいて設けられているコンピュータ500で診断を行うことにより、2次電池管理装置100の全体的な損傷の状況を正確に把握でき、正常な回路のみで退避のための車両の走行を行うなどの対応が可能となる。
図2に示すセル制御回路212を代表例として、コンピュータ500の基本制御を図3により説明する。コンピュータ500は一定時間間隔、例えば0.01秒毎に図3のステップS510を実行し、動作がステップS500からステップS510を介してスデップS512を実行する。スデップS512の実行により、各電池セル132から138に対応したセル制御回路212による計測値がコンピュータ500に集められ、図4に示す第1メモリ装置60のそれぞれの項目に記憶される。例えば以下で説明するが、セル制御回路212は、電圧計測回路1626や電流計測回路1622や温度計測回路1642を用いて、電池セル132の端子電圧や電流値や温度を計測して、セル制御回路212が有するデータ用メモリ214に一時的に記憶する。
セル制御回路212のデータ用メモリ214に一時的に保持された計測データは、図3のステップS512の実行により、コンピュータ500にバス52を介して取り込まれ、図4に示す組項目602の組110に対応して、セル型式の列604のセル132の行において、端子電圧項目の列605最新列や充放電電流項目の列606の最新列や電池セル温度項目の列607の最新列に、1320V1や1320I1や1320T1としてそれぞれ記録される。すべてのセル制御回路からデータが集められて、図4の最新欄が全て記録されると、これらのデータから、例えば電池セル132の最新の端子電圧1320V1と電池セル132の最新の電流値1320I1とから最新の内部抵抗値が演算される。例えば2次電池制御装置110の電池セル132に関する演算結果は、内部抵抗列608の最新列に内部抵抗値1320R1として入力される。同様に2次電池制御装置110の電池セル134から電池セル138の演算された内部抵抗は、内部抵抗項目の列608の最新列に、それぞれ内部抵抗値1340R1から内部抵抗値1380R1として記録され、保持される。また2次電池制御装置120の電池セル132から電池セル138の演算された内部抵抗は、内部抵抗項目の列608の最新列に、それぞれ内部抵抗値1321R1から内部抵抗値1381R1として記録され、保持される。
計測した最新データを基にステップS520で、別に設けられた診断プログラムを実行することにより、各計測回路や各放電回路や充電回路の診断を行う。2次電池制御装置110や2次電池制御装置120がそれぞれ有する電池セル132から電池セル138の異常診断を行うことは極めて重要であるが、この診断結果はまた大変重い意味を持つ。この結果は装置全体や車両の運転に大きな影響を与える。仮に電池セル132から138の異常診断結果が間違っていると、大変大きな弊害を引き起こすこととなる。電池セル132から電池セル138のそれぞれの異常の診断を行う前に、計測した計測値が信頼できるかどうかの診断を行うことがたいへん重要である。このためステップS520やステップS530で、セル制御回路212を含め計測回路162の電流計測回路1622や温度計測回路1624や電圧計測回路1626の診断を行う。合わせて電池セル132から電池セル138に異常があった場合の退避制御ができるかどうかも大事であり、ステップS520やステップS530で充放電回路172から充放電回路178の放電回路222や充電回路230、さらにDC/DC変換器152からDC/DC変換器158の診断も行う。
これらの診断で異常があると判断されると、ステップS530の後ステップS610が実行され、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の内異常を発生した方の、例えば2次電池制御装置120の回路のどこかに異常があると、開閉器122と開閉器124を開放して、2次電池制御装置120を電力線32や電力線34から切り離し、正常な2次電池制御装置110で走行用電動機40を動作させ、車両を安全な場所や修理工場へ移動させるなどの退避運転がステップS610で行われる。この異常への対応は、ステップS530で異常が判断されたのち、ステップS531で、異常内容と対応について、警報回路90へ警報内容として伝えられ、警報回路90から繰り返し運転者等に伝えられる。
ステップS520やステップS530で正常と判断されると、ステップS532やステップS540で、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120にそれぞれ設けられている電池セル132から電池セル138の異常診断、例えば以下で詳述する電池セルの内部短絡の有無の診断を行う。ステップS532やステップS540については、以下の図8に示す詳細なフローチャートにより説明する。2次電池制御装置110や2次電池制御装置120にそれぞれ設けられている電池セル132から電池セル138が正常である場合、ステップS542で運転操作の情報を入出力回路95から入手する。例えば加速操作であるアクセルペタルが踏み込まれた場合には、統合制御装置50は直流交流変換器30を制御して、走行用電動機40へ供給する回転磁界を進め方向に制御する。
これにより走行用電動機40の回転数が増大する。また入出力回路95からブレーキ操作の上方が入力されると、統合制御装置50は直流交流変換器30に対して走行用電動機40へ供給する回転磁界を遅れ方法に制御する。走行用電動機40には発電制動が掛かり、車輪の回転速度を減速する。車両の運動エネルギーは電力に変換され、直流交流変換器30を介して2次電池制御装置110や2次電池制御装置120に戻される。また車両の運転状態に応じて、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の電池セル132から電池セル138の充電率を、コンピュータ500から2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の各電池セル132から電池セル138に対応するセル制御回路212へ指示する。この指示に応じて、セル制御回路212電池セル132の放電回路222や充電回路230を動作させて、指示された充電率に近づける。
ステップS550からステップS580は、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の電池セル132乃至電池セル138に内部短絡などの異常が発生した場合の、発火防止制御であり、以下の図6で発火防止の考え方を説明し、その後上記ステップについて説明する。
4.セル制御回路212の基本動作
2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の電池セル132から電池セル138のそれぞれに対応して設けられた、図2に記載のセル制御回路212の基本制御を、図5を用いて説明する。図2に記載の電池セル132に対応したセル制御回路212は代表例として示しており、他の電池セル134から電池セル138に対応して設けられたセル制御回路212も、動作や作用、効果が同じである。
図5のステップS620において、セル制御回路212は2つの方法で実行を開始する。その一つの実行開始動作は、ステップS622による一定時間間隔での実行動作の開始である。他の実行動作の開始は割り込み制御要求に基づいて動作するステップS650による高優先度の実行開始である。他の制御装置である例えばコンピュータ500から割り込み制御が要求されるとステップS650が実行され、ステップS652からのプログラムの実行が開始される。
一定時間間隔でステップS622が実行されると、ステップS624で図2に示す電流計測回路1622や温度計測回路1624や電圧計測回路1626の計測値がそれぞれ取り込まれ、データ用メモリ214に新たな計測値として記憶され保持される。さらにこのステップS624で対応する電池セル132の内部抵抗も演算される。これらの計測値や演算値は図3に示すコンピュータ500の動作フローチャートのステップS512により、コンピュータ500に取り込まれ、上述したように第1メモリ装置60に最新データとして記憶される。具体的には、コンピュータ500からセル制御回路212に割り込み処理の要求が掛けられ、ステップS650が実行され、ステップS652からステップS654に実行が移り、ステップS624でセル制御回路212により取り込まれデータ用メモリ214に保持された計測値がバス52を介してコンピュータ500へ送信される。
ステップS624のあとステップS626で、上記各計測回路である電流計測回路1622や温度計測回路1624や電圧計測回路1626の診断を行う。各計測回路の診断を行う理由は、次のとおりである。この後ステップS624の計測値に基づいて、電池セル132の異常診断が行われるが、この診断結果はたいへん大きな意味を持ち、全体の装置や車両の運転に大きな影響を与える。仮に電池セル132から電池セル138の異常診断結果が間違っていると、大変大きな弊害を引き起こすこととなる。この電池セル132の異常の診断を行う前に、計測した計測値が信頼できるかどうかの判断を行うことがたいへん重要である。このためステップS626やステップS628で、計測回路162の電流計測回路1622や温度計測回路1624や電圧計測回路1626の診断を行う。ステップS626で計測回路の異常を検出するとステップS628の後ステップS634が実行され、コンピュータ500に割り込み制御を掛ける。この場合コンピュータ500は図3に記載のステップS550を実行することになる。このコンピュータ500の動作は以下で説明する。
次に計測回路が正常と判断されるとステップS628からステップS630に実行が移る。ステップS624による計測データに基づいてステップS630で、電池セル132の診断を行う。ステップS630の動作は、図3のステップS532の動作と基本的に同じである。ステップS532ではコンピュータ500が2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の電池セル132から電池セル138について順に診断を実施するのに対し、ステップS630はセル制御回路212が制御対象としている電池セル132に対して診断を行う。従って診断を短期間で行うことができるメリットがある。仮にステップS630の診断で電池セル132の異常が検知されると、ステップS632からセル制御回路212の実行がステップS634に移り、コンピュータ500に対して割り込み処理の要求を行い、上述した図3のステップS550を実行することになる。ステップS630については以下で説明する。
ステップS630で電池セル132が正常と診断されると、ステップS632から実行がステップS640に移り、図3のステップS544でコンピュータ500からセル制御回路212に指示された目標充電率となるように電池セル132を制御する。電池セル132の充電率が目標充電率に達していない場合には。充電回路230から電池セル132へ充電電流が供給される。逆に電池セル132の充電率が目標充電率を超えている場合には、放電回路222により、電池セル132に蓄えられた電荷が放電される。このようにして2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の電池セル132から電池セル138がそれぞれ、統合制御装置50から指示された充電率に維持される。ステップS640の後ステップS670が実行され、プログラムの実行終了報告がなされ、次の周期で再びステップS620からステップS622を介してステップS624が実行される。
5.電池セルの内部短絡の検知と発火回避制御の説明
発明者が行った実験に基づき、電池セルの内部短絡とそれによる発火の発生の回避制御について、図6を用いて説明する。図6の説明は、ラミネート型リチウムイオン2次電池を使用して行った実験結果に基づいている。図6により、内部抵抗グラフ692や温度グラフ694や放電電流グラフ696の変化と、内部短絡の検知および発火回避制御について説明する。
時点S0で電池セル132の充電率を製品規格に基づく範囲内の所定値に維持するように制御している。この時の電池セル132の内部抵抗の値をR0Ωとする。実測事例の一つでは内部抵抗R0は0.7mΩであった。電池セル132の表面温度をT0とする。実際には室温の温度で決まり、T0は25℃であった。時点S1で細い縫い針を電池セル132に突き刺して人工的に内部短絡を引き起こし、すぐに縫い針を引き抜いた。
この結果、内部抵抗グラフ692に示すように時点S2でR0ΩからR1Ωの値だけ内部抵抗値が減少し、温度グラフ694に示すように表面温度Tが温度値T1度上昇した。このまま放置すると短時間で内部の短絡部分が発光するのが表面から観察でき、その後すぐに発火した。この実験で、上述のように電池セル132の内部が局地的に発光したのは、内部短絡により短絡電流が流れると共に拡大し、部分的に数百度の高温になったためと考える。またグラフ692に示すように、電池セル132の内部抵抗R0が減少した。具体的な数値では例えば0.7mΩから0.3mΩへと減少した。数値は一例であるが、内部抵抗の減少は、電池セル132の内部短絡により、内部にバイパス回路が生じたためと考えられる。
時点S2での温度上昇値T1℃、あるいは内部抵抗Rの減少値R1Ωを、セル制御回路212やコンピュータ500が検知することにより、例えば時点S2で内部短絡の発生を検知することができる。この検知に基づいて、時点S3で内部短絡が検知された電池セル132を含む2次電池制御装置のリチウムイオン2次電池の組を切り離す。例えば2次電池制御装置110の電池セル132において内部短絡が検知されると、時点S3で2次電池制御装置110の開閉器122や開閉器124を開放し、2次電池制御装置110のリチウムイオン2次電池の組141を切り離す。この動作を図6に制御706として示す。この結果制御708で記載のとおり、2次電池制御装置110のリチウムイオン2次電池の組141からの直流交流変換器30への電流供給が停止される。実際の制御においては、制御706や制御708に続けて、制御704による内部短絡の検知に基づき、制御710に示す如く、図1に記載の警報回路90から警告を行う。
さらに発火を防止するために、時点S3で、内部短絡を生じた電池セル132に蓄えられた電力を、電池セル132の端子132Pと端子132Mとに接続された放電回路222を介して放電する。この放電制御を制御720として示す。実験では、0.1C(単位Cレート)の放電電流を流すことで、時点S5や時点S6、時点S7に実線で示す如く、温度上昇が抑えられるだけでなく、温度が減少し、発火が発生しなかった。
発火現象を抑制できることを、電池セル132の表面温度の減少から時点6で制御722として示す如く検知でき、この後退避制御に入る。例えば正常状態と同様の運転を行うと危険であり、今おかれている状況である道路走行状態から、安全に停止やできる場所や修理や検査を受けられる場所に移動することが必要となる。このため、制御724で示す如く、電池セル132による内部短絡とそれに伴う発熱により被った回路等の損傷状況を診断する。次に制御728で示す如く、正常なリチウムイオン2次電池の組141を選択し、正常な充放制御回路140選択し、これら正常なリチウムイオン2次電池の組141や充放制御回路140を有する2次電池制御装置110あるいは2次電池制御装置120を選択し、退避運転モードに移る。制御722の後必要に応じて状況を警報回路90を介して通知する。
しかし最悪の状態も考慮することが必要である。内部短絡の後、鎮静化しないで発火に至る場合、電池セル132の温度が、上昇感度T1度を超え温度上昇値T2度昇したことを、時点S7で検知し、制御740に示す如く、発火に至ることを判断する。それに基づき、制御728で発火の発生と非難、発煙筒の使用等を指示する。
図6に示す制御を、図3や図5に示すフローチャートに記載しており、図3のステップS532およびステップS540と、図5のステップS630およびステップS632は、制御を行う回路が図3の場合コンピュータ500であり、図5の場合セル制御回路212である点の違いがあるが、制御内容は同じである。図3のステップS532およびステップS540と、図5のステップS630およびステップS632の詳細を、図8のステップS802からステップS812に示す。また図5に示すステップS630およびステップS632は、2次電池制御装置110や2次電池制御装置120の電池セル132から電池セル138にそれぞれ対応して設けられた各セル制御回路212に対して共通の動作であるが、代表して上述したとおり、2次電池制御装置110のセル制御回路212に関して説明する。
ステップS802で第4メモリ装置80から、内部短絡発生を判断する基準値を読み出す。この判断基準値は電池セル132の型式により異なる。すなわち電池セル132の構造や使用されているセパレータなどの材料が異なると判断するための基準値が違ってくる。予め試験に基づいて判断基準となる値、即ち表面温度の基準時間に基づく上昇値や上昇率、さらに抵抗の低下値や低下率を求め、セル型式802の型式A804あるいは型式B806あるいは型式その他808の欄に記憶する。温度による判断基準値は列810で、温度上昇値は列812、上昇率は列820に記憶する。内部抵抗の場合は列830であり抵抗値の低下幅は列832、低下率は列842に保持される。
ステップS804で図3のステップS512や図5のステップS624で計測した値に基づく電池セル132の温度上昇幅や温度上昇率を演算し、ステップS806で温度パラメータから内部短絡の有無を判断する。ステップS806で内部短絡が検知された場合は、図3のフローチャートでは、図3のステップS554に実行が移る。また図5フローチャートでは、図5のステップS643に実行が移る。ステップS806で異常が検知されない場合には、ステップS808では、内部抵抗パラメータから内部シュートの有無を判断するために、判断基準となる内部抵抗の減少値や内部抵抗の減少率を図7に示す列830から読み出す。型式A804の場合は、欄834に記載のとおり、内部抵抗の減少値RA1や内部抵抗の減少率ΔRA1が内部短絡有無の判断値となる。
ステップS810で図3のステップS512や図5のステップS624で計測した値に基づく電池セル132の内部抵抗減少幅や内部抵抗減少率を演算し、ステップS812で内部抵抗パラメータから内部短絡の発生の有無を判断する。内部短絡が発生したと判断される場合には、図3に示すフローチャートでは、図3のステップS554にコンピュータ500の実行が移る。また図5フローチャートでは、図5のステップS643にセル制御回路212の実行が移る。一方内部短絡が検知されない場合には、図3に示すフローチャートでは、図3のステップS542へコンピュータ500の実行が移る。また図5フローチャートでは、図5のステップS640へセル制御回路212の実行が移る。
内部短絡の発生による電池セル132の発火を回避するための動作はコンピュータ500の指令に基づいて行われる。従って図5のステップS632で内部短絡が検知された場合、ステップS632でコンピュータ500にセル制御回路212から割り込み処理の要求が行われる。
コンピュータ500に割り込み処理の要求が行われると、図3の今までの処理が中断され、ステップS550が実行され、ステップS552で電池セル132の内部短絡による割り込み要求かどうかが判断され、例えば電池セル132の内部短絡ではなくステップS628に基づく回路の異常の場合には、ステップS552からコンピュータ500の実行がステップS610へ移る。一方電池セル132の内部短絡による割り込み要求の場合には、内部短絡を起こした電池セル132を含むリチウムイオン2次電池の組141の切り離しが行われる。図6の制御706と制御708に対応する。
次の内部短絡の程度に基づいて危険度のランク分けが行われる。内部短絡の危険度とは、微小電流による短絡なのか、より短絡電流か増加した状態なのかで定まる。型式A804の電池セル132の場合、温度上昇幅あるいは温度の上昇率により、列850の列851で示す危険度のランク1なのか、列870で示す危険度のランク2なのか、列890で示す危険度のランク3なのかを判断し、ランク分けを行う。危険度のランクが高いほど発火し易く、蓄積されている電力を放出するための放電電流を大きくすることが望ましい。しかし、放電電流をあまり大きくすると、大きな放電電流により発熱し、内部短絡による発火を助長する可能性があり、放電電流をできるだけ小さくして、発火を抑制することが好ましい。
ステップS555で危険度のランク分けを行うために、セル制御回路212に割り込み処理要求をステップS555で行い、最新の計測データをセル制御回路212に要求する。この割り込み処理要求をステップS555に基づいて、セル制御回路212は図5に示すステップS650の後ステップS652で最新の計測データの要求と判断し、ステップS654で計測データをセル制御回路212からステップS550へ送る。このデータに基づいてステップS555で危険度のランクを決定する。本実施例では、ステップS555で危険度のランクを決定し、それに基づいて放電電流を設定しているが、例えば危険度を見ないで、一定の電流で放電するようにしても、かなりの場合発火を防止することができる。
本日指令ではステップS556で危険度に応じた放電電流を図7に示す列900の危険度な応じた危険度ランク1の列902や危険度ランク2の列912や危険度ランク3の列922から電池セル132の型式に対応した放電電流値を読出し、割り込み処理要求をセル制御回路212に行う。上述のとおり、セル制御回路212は内部短絡を発生した電池セル132に対応している。
ここでセル型式が型式Aの製品場合、列902の危険度ランク1の場合、放電電流値は0.01C(単位Cレート)から0.5C(単位Cレート)の範囲の電流値となる。また列902の危険度ランク2の場合、放電電流値は0.1C(単位Cレート)から1C(単位Cレート)の範囲の電流値となる。また列902の危険度ランク3の場合、放電電流値は1C(単位Cレート)から10C(単位Cレート)の範囲の電量地となる。セル型式が型式Bの製品の場合は、セル型式Bの行に記録されている放電電流値となる。
コンピュータ500がステップS556で、内部短絡を生じた電池セル132の放電電流値をセル制御回路212へ送信する。セル制御回路212は図5のステップS660から実行をステップS662に移し、放電電流値を受信して一時的に保持し、ステップS664で放電回路222に放電値をセットする。放電回路222は指示された放電電流値で電池セル132に蓄えられた電力を放電により放出する。その後セル制御回路212はステップS666で、割り込み要求により中断された位置に戻り以前の制御を続ける。実験では、0.1C程度の放電電量で蓄えられた電池セル132の電力を放出することで、発火を抑制することができた。
図3で、ステップS556の実行の後、危険度のランクに応じた警告をステップS558で行う。次にステップS560で発火が回避できたかどうかを判断する。図6の制御722で説明したごとく、電池セル132の温度が鎮静化判断基準幅T3を超えて低下し、しかも温度上昇が温度上昇値T2度を超えていない場合に発火を回避できたとして、ステップS610で退避運転モードに入る。このステップS610の内容は既に図6で説明した、制御724や制御728、制御726で説明した制御である。
ステップS560で発火が鎮静化していない場合、ステップS564であらたなデータをセル制御回路212に指示してセル制御回路212から新たな計測結果を受け取り、ステップS566で発火回避困難かどうかを判断する。図6で説明した電池セル132の温度上昇値T2度を超えたかどうかを判断し、電池セル132の温度上昇値T2度を超えていない場合、出火回避の制御中と判断して、再びステップS555を実行する。ステップS555で危険度のランクが高くなった場合に、図7に示す第4メモリ装置80に基づいて、放電回路222の放電電流値を増加させる指示をステップS556でセル制御回路212に対して行う。このように放電電流を制御することで、実験では多くのケースで発火を回避することができた。
ステップS566の実行で電池セル132の温度上昇幅が図6に示す温度上昇値T2度を超えた場合、発火の回避が困難であるとして、実行がステップS570に移る。ここで発火の危険性を警告するとともに、車両から退避するように指示を出す。さらに最後の手段として電池セル132の端子間を短絡する。
上述したように繰り返しの実験において、微細な内部短絡では、Cレート値で0.01Cから0.5Cの一定電流で放電回路222により放電し、内部短絡が検知された電池セル132の蓄積電荷を放出ことにより、ほぼ発火に至るのを回避できた。わずかな内部短絡の状態で、内部短絡状態を検知できることが理想である。この時の放電電流は図7に列900の危険度ランク1の列902に示すとおりである。また内部短絡の検知がやや遅れても、危険度ランク2の列912に示す放電電流を流すことにより、ほぼ発火を回避することができた。
電池セル132の中には使用年月の長いものもある。この場合、比較的短時間に内部短絡電流が増加し、発火に至り易い。しかし、危険度3の列922に示す電流を流すことで発火が避けられる割合が増大する。好ましくは安全性の点から危険度ランク1の列902の値で放電回路222により蓄積電荷を放出することが最も望ましく、次に危険度ランク2の列912に記載の値で放電回路222により蓄積電荷を放出することが望ましい。
上述の実施例では、発火を回避できたことを検知して、回路の診断を行い、異常な回路を含む2次電池制御装置110あるいは2次電池制御装置120を電気負荷に繋がる電力線32や電力線34から速やかに切り離し、逆に正常な2次電池制御装置110あるいは2次電池制御装置120のみを電力線32や電力線34に接続して、安全な場所絵の移動を行う。
上記実施例は、車両を走行させる走行用電動機の制御として説明したが、リチウムイオン2次電池セルの診断や寿命予測装置にも同様に本願発明は適用可能である。
10:電源
20:交流直流変換器
30:直流交流変換器
32:電力線
34:電力線
40:走行用電動機
50:統合制御装置
52:バス
60:第1メモリ装置
64:第2メモリ装置
70:第3メモリ装置
80:第4メモリ装置
90:警報回路
95:入出力回路
100:2次電池管理装置
110:2次電池制御装置
120:2次電池制御装置
122:開閉器
124:開閉器
132:電池セル
134:電池セル
138:電池セル
140:充放制御回路
152:DC/DC変換器
158:DC/DC変換器
162:計測回路
168:計測回路
172:充放電回路
212:セル制御回路
214:データ用メモリ
222:放電回路
230:充電回路

Claims (7)

  1. 電力を蓄えるための複数のリチウムイオン2次電池のそれぞれの端子電圧や充放電電流値や温度を計測するための計測回路と、
    演算および制御を行うための制御回路と、
    前記複数のリチウムイオン2次電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記リチウムイオン2次電池にそれぞれ電流を供給する複数の充電回路と、
    前記リチウムイオン2次電池のそれぞれに蓄えられた電力を放電するためにそれぞれの前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた複数の放電回路と、を有し、
    前記制御回路は、前記リチウムイオン2次電池の前記計測回路による計測結果に基づく値と、前記リチウムイオン2次電池の内部短絡状態を検知するための基準値と、を比較して、前記リチウムイオン2次電池の内部短絡状態の発生を検知し、
    前記制御回路は、前記複数のリチウムイオン2次電池の内、前記内部短絡状態が検知されたリチウムイオン2次電池に対応して設けられた放電回路を動作させて、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に蓄えられた電力を放電する、ことを特徴とする、リチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
  2. 前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の放電電流は、0.01Cから10Cの範囲の値であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
  3. 前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の放電電流は、0.01Cから1Cの範囲の値であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
  4. 前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の放電電流は、0.01Cから0.5Cの範囲の値であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
  5. 前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池の危険度について複数のランクを設け、前記計測回路で計測した前記計測結果に基づく値により前記複数のランクから対応するランクを決定し、前記危険度の前記決定した対応するランクに基づき、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられた前記放電回路の前記放電電流の値を決定することを特徴とする、請求項1乃至請求項4の内の一に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
  6. リチウムイオン2次電池の型式に対応して、内部短絡状態が発生した場合の放電電流の値をあらかじめ記憶しておくメモリ装置を有し、
    前記内部短絡状態の発生の検知に基づき、前記制御回路は、前記内部短絡状態が検知された前記リチウムイオン2次電池の前記型式に基づいて前記メモリ装置から放電電流の値を読み出し、
    前記制御回路は、前記内部短絡状態の発生が検知された前記リチウムイオン2次電池に対応して設けられている前記前記放電回路の前記放電電流の値を決定することを特徴とする、請求項1乃至請求項5の内の一に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
  7. 前記内部短絡が検知された前記リチウムイオン2次電池の表面温度を前記計測回路で計測し、計測した前記表面温度の値があらかじめ定めていた減少幅を超えて減少したことに基づいて、前記制御回路は、前記内部短絡による発火が回避されたことを判断することを特徴とする、請求項1乃至請求項6の内の一に記載のリチウムイオン2次電池の安全性維持制御装置。
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