JP2022143527A - 支保材引抜き装置及び既設管の更生方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記構成によれば、支保材に軸線方向の引抜き力を加えることにより、更生管の貫通穴を傷つけずに、円滑に支保材を引き抜くことができる。
上記構成によれば、ナットとボルトのネジ作用により、小さな操作力で支保材を強くクランプすることができる。
上記構成によれば、雌ネジ部とネジ棒のネジ作用により、小さな操作力で支保材に大きな引抜き力を付与することができる。
更生管のライニング工程
図1Aに示す下水管等の既設管1は地中に埋設され、2つのマンホール間にわたって延びている。老朽化した既設管1は、その内側に更生管2をライニングすることにより、更生される。更生管2は、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製の帯状部材を螺旋状に巻き、隣接する巻き部分の縁どうしを嵌合することにより構成されるが、例えば他の製管工法で形成される更生管など種々の形態を採用可能である。
更生管2のライニングが完了した後、図1Bに示すように、支保工5が更生管2の管軸方向に間隔をおいて複数設置される。本実施形態の支保工5は、直管形状のパイプ10(真直の支保材)と、このパイプ10の下端部に設けられたジャッキ20とを備えている。図2に示すようにジャッキ20は、ネジ棒21と、このネジ棒21の下端に溶接された断面コ字形の押さえ部材22と、ネジ棒21に螺合されたレバー23a付きのナット23とを備えている。
ジャッキ20の押さえ部材22が腹起し材6に嵌合状態で載り、ネジ棒21が垂直に起立し、ネジ棒21の上部がパイプ10に挿入される。パイプ10は垂直に起立し、その下端がナット23の上面に載り、その上端が更生管2の貫通穴2aに接近して対向する。
この状態で、ジャッキ20のナット23を回してパイプ10を上方へ移動させると、パイプ10の上端が貫通穴2aを通って既設管1の管頂部に当たる。一方、更生管2の管底部は腹起し材6により下方に押され、既設管1の管底部に押し付けられる。
上記支保工5の設置が完了した後、図1Bに示すように、既設管1と更生管2との間にモルタル等からなる裏込め材3が充填される。この裏込め材3の充填により更生管2には浮力が働くが、支保工5のパイプ10の上端が既設管1の管頂部に当たり、更生管2の管底部が腹起し材6により押さえられているので、更生管2の浮上を防止することができる。
上記のようにして裏込め材3が充填され硬化した後、支保工5および腹起し材6を撤去する。ジャッキ20のナット23を緩めて、腹起し材6をジャッキ20の押さえ部材22から外すとともに、ジャッキ20のネジ棒21をパイプ10の下端部から抜き取る。これにより、図1Cに示すように、パイプ10が残される。パイプ10の上端部は硬化した裏込め材3に埋没しており、裏込め材3により保持されている。そこで、パイプ10の上端部近傍に本願発明に係る引抜き装置7を取り付け、この引抜き装置7を用いてパイプ10をその軸線方向に引き抜く。その結果、図1Dに示すように、支保工5がパイプ10を含めて撤去される。
最後に、更生管2の貫通穴2aをキャップ等で封止することにより、既設管1の更生作業が完了する。
次に、引抜き装置7の構成を図3、図4を参照しながら説明する。引抜き装置7は、本体30とクランプ機構40と押圧機構50とを主たる構成として備えている。
本体30は、L字形の平板からなる水平のベース板31と、細長い平板からなる垂直の支持板32とを有している。支持板32は、その上端がベース板31の屈曲部に形成された取付穴に挿入されて溶接され、下方に延びている。
図4に示すように、引抜き装置7のクランプ機構40によりパイプ10の上端部をクランプした状態で、押圧機構50のネジ棒52はパイプ10と平行をなしている。一対のネジ棒52は、パイプ10の管軸に対し対称の位置に設けられている。ネジ棒52を回して上方へ移動させると、図1Cに概略的に示すように当接部材54が更生管2の管頂部に当たる。さらにネジ棒52を回すと、ネジ棒52が更生管2の管頂部により上方への変位を禁じられているため、本体10が下方へ移動し、これに伴いクランプ機構40にクランプされているパイプ10も下方へ移動する。このようにして、裏込め材3に付着したパイプ10を、ネジの作用による小さな力で、その軸線方向に円滑に引き抜くことができる。
パイプ10が軸線方向に引き抜かれるので、貫通穴2aの周縁は傷つかず、封止作業も簡単に行うことができる。
図5に示す支保工8は、環状フレーム60と、この環状フレーム60の周方向に間隔をおいて設けられた複数のサポート70(構造体)と、環状フレーム60に支持された2本のパイプ10(支保材)と、パイプ10の下端部に設けられたジャッキ(図示しない)を備えている。
サポート70は、環状フレーム60に螺合されたネジ棒71と、ネジ棒71の先端に回転可能に連結されたコ字形の押さえ部材72とを有している。パイプ10は、環状フレーム60に上下方向に移動可能に貫通支持されている。
パイプは、斜めに設置してもよいし、更生管の変形を防止する目的で水平に設置してもよい。
更生される既設管は下水管に限らず、上水管やその他の導水管等であってもよい。また、トンネルであってもよい。
2 更生管
3 裏込め材
5 支保工
6 腹起し材
7 支保材引抜き装置
8 支保工
10 パイプ(支保材)
20 ジャッキ
30 本体
40 クランプ機構
41 第1挟持部材
42 第2挟持部材
43 ボルト
44 ナット
50 押圧機構
51 ナット(雌ネジ部)
52 ネジ棒
54 当接部材
60 環状フレーム(構造体)
70 サポート
Claims (5)
- 既設管と前記既設管の内側の更生管との間に裏込め材を充填する際に前記更生管内に設置される支保工において、前記更生管の貫通穴を通り前記既設管の内面に当たるとともに前記裏込め材に埋没している支保材を、前記裏込め材の硬化後に引き抜く装置であって、
本体と、
前記本体に設けられ、前記支保材をクランプするクランプ機構と、
前記本体に設けられ、前記更生管または前記更生管内に配置された構造体を、前記支保材の軸線方向に押圧することにより、前記本体を前記更生管から離間する方向に移動させ、前記クランプ機構によりクランプされた前記支保材を、前記裏込め材との付着力に抗して引き抜く押圧機構と、
を備えたことを特徴とする支保材引抜き装置。 - 前記クランプ機構は、前記本体に基端部が固定された第1挟持部材と、前記第1挟持部材の基端部に回動可能に連結された第2挟持部材と、前記第1挟持部材に一端部が回動可能に連結されたボルトと、前記ボルトの他端部に螺合されたナットと、を有し、
前記ナットを前記第2挟持部材の先端部に係止させた状態で締め付けることにより、前記第1、第2挟持部材の内周が前記支保材の外周に圧接し、前記支保材をクランプすることを特徴とする請求項1に記載の支保材引抜き装置。 - 前記押圧機構は、前記本体に設けられた雌ネジ部と、前記雌ネジ部に螺合され前記支保材と平行に延びるネジ棒と、このネジ棒の先端に設けられ前記更生管または前記構造体に当接する当接部材と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の支保材引抜き装置。
- 真直の支保材とジャッキを含む支保工を用意する工程と、
既設管の内側に更生管を設置する工程と、
前記更生管を設置した後、前記更生管内にその管軸方向に間隔をおいて前記支保工を設置する工程であって、前記支保材の一端部に設けたジャッキにより前記支保材を軸線方向に移動させることにより、前記支保材の他端部が前記更生管に形成された貫通穴に通して前記既設管の内面に当たり、前記ジャッキが腹起し材を介して前記更生管を前記既設管に向けて押さえ付ける工程と、
前記支保工の設置状態で前記既設管と前記更生管との間に裏込め材を充填する工程と、
前記裏込め材の充填硬化後に、前記ジャッキを前記支保材から外す工程と、
請求項1~3のいずれかに記載の支保材引抜き装置を前記支保材に設置し、前記支保材を前記クランプ機構によりクランプした状態で前記押圧機構により前記更生管を押圧することにより、前記裏込め材から前記支保材を引き抜く工程と、
を備えたことを特徴とする既設管の更生方法。 - 真直の支保材と、ジャッキと、前記支保材をその軸線に沿って上下方向に移動可能に支持する環状フレームと、前記環状フレームに周方向に間隔をおいて設けられたサポートと、を含む支保工を用意する工程と、
既設管の内側に更生管を設置する工程と、
前記更生管を設置した後、前記更生管内にその管軸方向に間隔をおいて前記支保工を設置する工程であって、前記サポートを腹起し材を介して前記更生管に当てることにより前記環状フレームを保持し、前記支保材の下端部に設けたジャッキにより前記支保材を上方に移動させることにより、前記支保材の上端部が前記更生管の管頂部に形成された貫通穴に通して前記既設管の内面に当たり、前記ジャッキが腹起し材を介して前記更生管の管底部を下方に向けて押さえ付ける工程と、
前記支保工の設置状態で前記既設管と前記更生管との間に裏込め材を充填する工程と、
前記裏込め材の充填硬化後に、前記ジャッキを前記支保材から外す工程と、
請求項1~3のいずれかに記載の支保材引抜き装置を前記支保材に設置し、前記支保材を前記クランプ機構によりクランプした状態で前記押圧機構により前記環状フレームを押圧することにより、前記裏込め材を引き抜く工程と、
を備えたことを特徴とする既設管の更生方法。
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