JP2022142660A - 半導体基板および半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射防止膜を備えた半導体基板を提供する。【解決手段】半導体基板は反射防止膜を備えている。半導体基板は、可視光に対して透明である。反射防止膜は、半導体基板の裏面に配置されており、金属を含んでいる第1膜を備える。反射防止膜は、第1膜の表面に配置されている第2膜を備える。第2膜は、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有する。【選択図】図1
Description
本明細書に開示の技術は、半導体基板および半導体基板の製造方法に関する。
特許文献1には、透明な化合物半導体基板を用いてフォトリソグラフィ加工をする技術が開示されている。この技術では、金属を含んだ膜を、基板の裏面に反射防止膜として成膜する。これにより、センサ光や露光光が裏面から反射することを抑制している。
特許文献1の技術では、半導体製造プロセス中に、基板裏面の反射防止膜に含まれている金属によって、装置内のウェハステージやチャックが金属汚染されてしまうおそれがある。
本明細書が開示する半導体基板は、反射防止膜を備えた半導体基板である。半導体基板は、可視光に対して透明である。反射防止膜は、半導体基板の裏面に配置されており、金属を含んでいる第1膜を備える。反射防止膜は、第1膜の表面に配置されている第2膜を備える。第2膜は、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有する。
上記の半導体基板では、金属の拡散のバリア性を有する第2膜によって、半導体基板の裏面を保護することができる。これにより、半導体製造プロセス中に、第1膜に含まれている金属が拡散し、装置内が金属汚染されてしまうことを防止できる。
本明細書が開示する技術要素を、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
本明細書が開示する一例の半導体基板では、第1膜および第2膜の融点は、1100℃以上であってもよい。
この構成によれば、半導体基板を用いた半導体製造プロセス中に第1膜および第2膜が損傷を受けることが防止できる。
本明細書が開示する一例の半導体基板では、第1膜の消衰係数が2.0以上であってもよい。
この構成によれば、半導体基板の表面から入射された光を、第1膜で高効率で吸収することができる。入射光の反射を抑制することが可能となる。
本明細書が開示する一例の半導体基板では、半導体基板は、4.5eV以上のバンドギャップエネルギを有していてもよい。第1膜は、可視光を吸収する膜と、紫外光を吸収する膜との積層構造を備えていてもよい。
4.5eV以上のバンドギャップエネルギを有する半導体基板では、紫外光に対しても透明となる。この構成によれば、可視光を吸収する膜と、紫外光を吸収する膜とを別々に備えているため、可視光および紫外光の両方に対して、反射を抑制することが可能となる。
本明細書が開示する一例の半導体基板では、反射防止膜は、半導体基板の裏面と第1膜との間に配置されている第3膜をさらに備えていてもよい。第3膜は、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有していてもよい。
この構成によれば、金属の拡散のバリア性を有する第3膜によって、第1膜に含まれている金属が半導体基板へ拡散することを抑制することが可能となる。また、第3膜と半導体基板との界面において、反射防止効果を得ることが可能となる。
本明細書が開示する一例の半導体基板では、第3膜はSiCであってもよい。第1膜はWであってもよい。
本明細書が開示する一例の半導体基板では、第3膜はAlNであってもよい。第1膜はTaであってもよい。
本明細書が開示する一例の半導体基板の製造方法は、反射防止膜を備えた半導体基板の製造方法である。製造方法は、可視光に対して透明な半導体基板を準備する工程を備える。製造方法は、金属を含む第1膜を半導体基板の裏面に成膜する第1成膜工程を備える。製造方法は、金属を含まない第2膜であって、金属の拡散のバリア性を有する第2膜を、第1膜の表面に成膜する第2成膜工程を備える。
この製造方法によれば、金属の拡散のバリア性を有する第2膜によって、半導体基板の裏面を保護することができる。これにより、半導体製造プロセス中に、第1膜に含まれている金属が拡散し、装置内が金属汚染されてしまうことを防止できる。
本明細書が開示する一例の半導体基板の製造方法では、金属を含まない第3膜であって金属の拡散のバリア性を有する第3膜を、第1成膜工程の前に半導体基板の裏面に成膜する第3成膜工程をさらに備えていてもよい。第1成膜工程では、半導体基板の裏面に第3膜を介して第1膜を成膜してもよい。
この製造方法によれば、金属の拡散のバリア性を有する第3膜によって、第1膜に含まれている金属が半導体基板へ拡散することを抑制することが可能となる。また、第3膜と半導体基板との界面において、反射防止効果を得ることが可能となる。
(半導体基板1および反射防止膜2の構造)
図1に、反射防止膜2を備えた半導体基板1の断面図を示す。半導体基板1は、可視光に対して透明な基板である。このような半導体基板としては、ワイドギャップ半導体(例:SiC、GaN、Ga2O3)で形成された基板が挙げられる。本実施例では、半導体基板1の材料はGaNである。
図1に、反射防止膜2を備えた半導体基板1の断面図を示す。半導体基板1は、可視光に対して透明な基板である。このような半導体基板としては、ワイドギャップ半導体(例:SiC、GaN、Ga2O3)で形成された基板が挙げられる。本実施例では、半導体基板1の材料はGaNである。
反射防止膜2は、半導体基板1の裏面1rの全体に配置されている。反射防止膜2は、中間膜11、吸収膜12、保護膜13、を備えている。中間膜11は、半導体基板1の裏面1rに配置されている。換言すると、中間膜11は、裏面1rと吸収膜12との中間に配置されている膜である。中間膜11は、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有する膜である。吸収膜12は、中間膜11の表面に配置されており、金属を含んでいる膜である。「金属を含んでいる膜」とは、単一金属膜、合金膜、金属窒化膜、などを包含する概念である。吸収膜12は、消衰係数が2.0以上の膜である。保護膜13は、吸収膜12の表面に配置されている。保護膜13は、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有する膜である。
半導体基板1と中間膜11との間には、界面IF1が形成されている。中間膜11と吸収膜12との間には、界面IF2が形成されている。吸収膜12と保護膜13との間には、界面IF3が形成されている。
中間膜11、吸収膜12、保護膜13の融点は、1100℃以上であることが好ましい。半導体基板1を用いた半導体製造プロセス中には、GaNの活性化アニールが行われる。この活性化アニールは、1100℃以上が必要である。従って、中間膜11、吸収膜12、保護膜13の融点を1100℃以上とすることで、製造プロセス中にこれらの膜が損傷を受けることが防止できる。
(中間膜11の機能)
中間膜11は、半導体基板1の表面1sから入射された光の、界面IF1および界面IF2での反射を抑制する機能を有する。また、吸収膜12に含まれている金属が、半導体基板1へ拡散することを抑制する機能を有する。具体的に説明する。
中間膜11は、半導体基板1の表面1sから入射された光の、界面IF1および界面IF2での反射を抑制する機能を有する。また、吸収膜12に含まれている金属が、半導体基板1へ拡散することを抑制する機能を有する。具体的に説明する。
半導体基板1の裏面1rに膜が配置されておらず、裏面1rが大気に開放されている場合には、表面1sから入射した光が裏面1rで反射する。このときの反射率は、フレネルの式から算出すると16.7%となり、高い値となる。一方、裏面1rに中間膜11が配置されている場合、半導体基板1と中間膜11との屈折率差に起因する光学的干渉作用が得られる。その結果、半導体基板1と中間膜11との界面IF1での反射率を、例えば3%以下に低減することが可能になる。
また、中間膜11の膜厚dを適切に調整することにより、中間膜11と吸収膜12との界面IF2からの反射光を打ち消すことができる。図2を用いて説明する。半導体基板1の屈折率をnG、中間膜11の屈折率をn11、吸収膜12の屈折率をn12とする。半導体基板1を通ってくる入射光の角度をθとし、中間膜11中の光の角度をθ’とする。半導体基板1と中間膜11との界面IF1で反射する光をAとし、中間膜11と吸収膜12との界面IF2で反射する光をBとする。任意の角度θに対する光路L1~L3の一般式は、下式(1)~(3)で表される。
L1=d/cosθ’ ・・・式(1)
L2=2×L1sinθ’ ・・・式(2)
L3=L2×sinθ ・・・式(3)
従って、光AとBの光路差ODは、下式(4)で表される。
光路差OD=2×L1×n11-L3×nG ・・・式(4)
L1=d/cosθ’ ・・・式(1)
L2=2×L1sinθ’ ・・・式(2)
L3=L2×sinθ ・・・式(3)
従って、光AとBの光路差ODは、下式(4)で表される。
光路差OD=2×L1×n11-L3×nG ・・・式(4)
入射光が垂直光である場合、入射光の角度は0°とみなせる。この場合、式(4)より光路差ODは、2n11dとなる。そして、光路差ODが下式(5)を満たす場合、光AとBとは弱め合う。
2n11d=λ/2×(2m+1) ・・・式(5)
ここでλは、入射光の波長である。またmは任意の数である。従って、式(5)を満たすように中間膜11の膜厚dを調整することで、反射率をさらに低く抑えることが可能となる。
2n11d=λ/2×(2m+1) ・・・式(5)
ここでλは、入射光の波長である。またmは任意の数である。従って、式(5)を満たすように中間膜11の膜厚dを調整することで、反射率をさらに低く抑えることが可能となる。
(吸収膜12の機能)
吸収膜12は、消衰係数が2.0以上である膜である。従って、半導体基板1の表面1sからの入射光を、吸収膜12で効率よく吸収することができる。また消衰係数が2.0以上であるため、吸収膜12の膜厚を薄くすることができる。本実施形態では、数十nmとすることができた。
吸収膜12は、消衰係数が2.0以上である膜である。従って、半導体基板1の表面1sからの入射光を、吸収膜12で効率よく吸収することができる。また消衰係数が2.0以上であるため、吸収膜12の膜厚を薄くすることができる。本実施形態では、数十nmとすることができた。
(保護膜13の機能)
保護膜13は、吸収膜12に含まれている金属が、半導体製造装置のウェハステージやチャックを汚染してしまうことを抑制する機能を有する。また吸収膜12は金属を含んでいるため、半導体製造プロセス中に酸化しやすく、表面粗さが大きくなりやすい。そこで保護膜13で吸収膜12の表面を保護することにより、吸収膜12の表面荒れを防止することができる。反射防止膜2の平坦性を維持することができる。露光時のデフォーカス等を抑制できるため、微細パターンを精度よく加工することが可能となる。
保護膜13は、吸収膜12に含まれている金属が、半導体製造装置のウェハステージやチャックを汚染してしまうことを抑制する機能を有する。また吸収膜12は金属を含んでいるため、半導体製造プロセス中に酸化しやすく、表面粗さが大きくなりやすい。そこで保護膜13で吸収膜12の表面を保護することにより、吸収膜12の表面荒れを防止することができる。反射防止膜2の平坦性を維持することができる。露光時のデフォーカス等を抑制できるため、微細パターンを精度よく加工することが可能となる。
(中間膜11、吸収膜12、保護膜13の具体例)
中間膜11として用いることができる膜種類としては、以下の例が挙げられる。ここでnは633nmの波長での屈折率である。AlN(n:2.165、融点:2200℃)、SiN(n:2.023、融点:1900℃)、SiC(n:2.635、融点:2730℃)、AlON(n:1.791、融点:2150℃)、SiON(n:2.023、融点:1702℃)、Ta2O5(n:2.165、融点:1872℃)、TiN(n:1.351、融点:2930℃)、TiO2(n:2.493、融点:1843℃)、Al2O3(n:1.77、融点:2072℃)、ZrO2(n:2.208、融点:2715℃)、HfO2(n:1.910、融点:2758℃)。
中間膜11として用いることができる膜種類としては、以下の例が挙げられる。ここでnは633nmの波長での屈折率である。AlN(n:2.165、融点:2200℃)、SiN(n:2.023、融点:1900℃)、SiC(n:2.635、融点:2730℃)、AlON(n:1.791、融点:2150℃)、SiON(n:2.023、融点:1702℃)、Ta2O5(n:2.165、融点:1872℃)、TiN(n:1.351、融点:2930℃)、TiO2(n:2.493、融点:1843℃)、Al2O3(n:1.77、融点:2072℃)、ZrO2(n:2.208、融点:2715℃)、HfO2(n:1.910、融点:2758℃)。
吸収膜12として用いることができる膜種類としては、以下の例が挙げられる。ここでkは633nmの波長での消衰係数である。W(n:3.637、融点:3407℃、k:2.917)、Ta(n:1.724、融点:2985℃、k:2.075)、Mo(n:3.7、融点:3548℃、k:3.548)、TiN(n:1.351、融点:2930℃、k:2.76)、Cr(n:3.136、融点:1907℃、k:3.312)、Nb(n:2.827、融点:2477℃、k:2.861)。
保護膜13として用いることができる膜種類としては、以下の例が挙げられる。
SiN(融点:1900℃)、SiON(融点:1702℃)、SiC(融点:2730℃)。
SiN(融点:1900℃)、SiON(融点:1702℃)、SiC(融点:2730℃)。
上で列挙した中間膜11、吸収膜12、保護膜13は、自由に組み合わせることが可能である。本実施例では、第1の組み合わせ例として、「中間膜11:SiC、吸収膜12:W、保護膜13:SiC」を用いた。この場合の、半導体基板1の裏面1rからの反射率は、3%以下となった。また第2の組み合わせ例として、「中間膜11:AlN、吸収膜12:Ta、保護膜13:SiC」を用いた。この場合の裏面1rからの反射率は、2%以下となった。
(半導体デバイスの製造方法)
半導体基板1を用いた半導体デバイスの製造方法を説明する。ステップS1において、半導体基板1を準備する。
半導体基板1を用いた半導体デバイスの製造方法を説明する。ステップS1において、半導体基板1を準備する。
ステップS2において、半導体基板1の裏面1rに反射防止膜2を形成する。具体的には、半導体基板1の裏面1rに、中間膜11を成膜する。中間膜11の表面に、吸収膜12を成膜する。吸収膜12の表面に、保護膜13を成膜する。中間膜11、吸収膜12、保護膜13は、PVD法やCVD法など、様々な方法を用いて成膜することができる。反射防止膜2の形成は、半導体基板1の表面1s側にデバイス構造を製造する前に、予め行うことができる。
ステップS3において、既知の半導体製造プロセスを用いて、表面1s側にデバイスを形成する。ステップS4において、半導体基板1の裏面1rの研削および研磨を行う。これにより、反射防止膜2を除去するとともに、半導体基板1を薄化できる。ステップS5において、裏面電極を形成する。これにより、半導体デバイスが完成する。
(効果)
半導体基板1の表面1sにフォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成する際の露光時には、フォーカスセンサ等のセンサ光や露光光が、表面1sから入射される。反射防止膜2を半導体基板1の裏面1rに成膜することで、センサ光や露光光の裏面1rからの反射を抑制することができる。反射光によって引き起こされる、フォーカスの誤計測や露光時のフォトレジスト形状の変形を、抑制することが可能となる。
半導体基板1の表面1sにフォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成する際の露光時には、フォーカスセンサ等のセンサ光や露光光が、表面1sから入射される。反射防止膜2を半導体基板1の裏面1rに成膜することで、センサ光や露光光の裏面1rからの反射を抑制することができる。反射光によって引き起こされる、フォーカスの誤計測や露光時のフォトレジスト形状の変形を、抑制することが可能となる。
(反射防止膜2aの構造)
実施例2に係る反射防止膜2a(図3)は、実施例1の反射防止膜2(図1)に比して、中間膜11を有していない点が異なっている。実施例1と共通する部位には同一符号を付すことで、説明を省略する。
実施例2に係る反射防止膜2a(図3)は、実施例1の反射防止膜2(図1)に比して、中間膜11を有していない点が異なっている。実施例1と共通する部位には同一符号を付すことで、説明を省略する。
吸収膜12は、半導体基板1の裏面1rに配置されている。保護膜13は、吸収膜12の表面に配置されている。半導体基板1と吸収膜12との間には、界面IF2aが形成されている。吸収膜12と保護膜13との間には、界面IF3が形成されている。
吸収膜12に含まれている金属は、半導体基板1に拡散しにくい金属である。具体的には、半導体製造プロセス中に界面IF2aから半導体基板1中に金属拡散する距離が、前述したステップS4の裏面研削で除去される膜厚よりも小さくなるように、金属の種類を選択すればよい。これにより、半導体基板1を用いて完成させたデバイス中に金属が残留しないため、デバイス特性が悪化することがない。
半導体基板1がGaNである場合には、例えば、吸収膜12に含まれている金属として、MgよりもGaN中に拡散しにくい金属を選択すればよい。
(効果)
吸収膜12および保護膜13の2層構造によって、反射光を抑制することが可能となる。反射防止膜2aの構造を簡易化することができるため、工程削減が可能となる。
吸収膜12および保護膜13の2層構造によって、反射光を抑制することが可能となる。反射防止膜2aの構造を簡易化することができるため、工程削減が可能となる。
(反射防止膜2bの構造)
実施例3に係る反射防止膜2b(図4)は、実施例1の反射防止膜2(図1)に比して、吸収膜12が積層構造である点が異なっている。実施例1と共通する部位には同一符号を付すことで、説明を省略する。
実施例3に係る反射防止膜2b(図4)は、実施例1の反射防止膜2(図1)に比して、吸収膜12が積層構造である点が異なっている。実施例1と共通する部位には同一符号を付すことで、説明を省略する。
半導体基板1は、4.5eV以上のバンドギャップエネルギを有する材料で形成されている。本実施例では、半導体基板1はGa2O3であり、バンドギャップは4.5~4.9eVである。吸収膜12は、第1吸収膜12Uおよび第2吸収膜12Lを備えている。第1吸収膜12Uは、波長400~750nmの可視光を吸収可能な膜である。第2吸収膜12Lは、波長100~400nmの紫外光を吸収可能な膜である。
(効果)
半導体基板1が4.5eV以上のバンドギャップエネルギを有する半導体(例:Ga2O3)である場合には、紫外域の露光光(例:i線(365nm))に対して半導体基板1が透明となる。この場合、吸収膜12は、可視光(センサ光)および紫外光(露光光)の両方を吸収する必要がある。実施例3の吸収膜12では、可視光を吸収可能な第1吸収膜12Uと、紫外光を吸収可能な第2吸収膜12Lと、を個別に備えている。よって、可視光(センサ光)および紫外光(露光光)の両方に対して、反射を抑制することが可能となる。
半導体基板1が4.5eV以上のバンドギャップエネルギを有する半導体(例:Ga2O3)である場合には、紫外域の露光光(例:i線(365nm))に対して半導体基板1が透明となる。この場合、吸収膜12は、可視光(センサ光)および紫外光(露光光)の両方を吸収する必要がある。実施例3の吸収膜12では、可視光を吸収可能な第1吸収膜12Uと、紫外光を吸収可能な第2吸収膜12Lと、を個別に備えている。よって、可視光(センサ光)および紫外光(露光光)の両方に対して、反射を抑制することが可能となる。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
吸収膜12は、第1膜の一例である。保護膜13は、第2膜の一例である。中間膜11は、第3膜の一例である。
1:半導体基板 1s:表面 1r:裏面 2、2a、2b:反射防止膜
11:中間膜 12:吸収膜 13:保護膜 IF1~IF3:界面
11:中間膜 12:吸収膜 13:保護膜 IF1~IF3:界面
Claims (9)
- 反射防止膜を備えた半導体基板であって、
前記半導体基板は、可視光に対して透明であり、
前記反射防止膜は、
前記半導体基板の裏面に配置されており、金属を含んでいる第1膜と、
前記第1膜の表面に配置されている第2膜であって、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有する前記第2膜と、
を備える、半導体基板。 - 前記第1膜および前記第2膜の融点は、1100℃以上である、請求項1に記載の半導体基板。
- 前記第1膜の消衰係数が2.0以上である、請求項1または2に記載の半導体基板。
- 前記半導体基板は、4.5eV以上のバンドギャップエネルギを有しており、
前記第1膜は、可視光を吸収する膜と、紫外光を吸収する膜との積層構造を備えている、請求項1~3の何れか1項に記載の半導体基板。 - 前記反射防止膜は、
前記半導体基板の裏面と前記第1膜との間に配置されている第3膜であって、金属を含んでいないとともに金属の拡散のバリア性を有する前記第3膜をさらに備える、請求項1~4の何れか1項に記載の半導体基板。 - 前記第3膜はSiCであり、
前記第1膜はWである、請求項5に記載の半導体基板。 - 前記第3膜はAlNであり、
前記第1膜はTaである、請求項5に記載の半導体基板。 - 反射防止膜を備えた半導体基板の製造方法であって、
可視光に対して透明な半導体基板を準備する工程と、
金属を含む第1膜を前記半導体基板の裏面に成膜する第1成膜工程と、
金属を含まない第2膜であって、金属の拡散のバリア性を有する前記第2膜を、前記第1膜の表面に成膜する第2成膜工程と、
を備える、半導体基板の製造方法。 - 金属を含まない第3膜であって前記金属の拡散のバリア性を有する前記第3膜を、前記第1成膜工程の前に前記半導体基板の裏面に成膜する第3成膜工程をさらに備え、
前記第1成膜工程では、前記半導体基板の裏面に前記第3膜を介して前記第1膜を成膜する、請求項8に記載の半導体基板の製造方法。
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