JP2022142613A - 音板及び打楽器 - Google Patents

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Yuichi Tadano
歩未 入佐
Ayumi Irisa
一樹 曽我
Kazuki Soga
純之助 加世田
Junnosuke KASEDA
久明 向井
Hisaaki MUKAI
絵里 平井
Eri Hirai
一郎 大須賀
Ichiro Osuga
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Abstract

【課題】本発明は、強度を高めると共に素材本来の音を発することが可能な音板を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る音板10は、打面1aを有する表層1と、表層1の打面1aと反対側の面に直接又は間接的に積層される基層2とを備え、表層1は木材に樹脂が含浸されており、基層2は樹脂が含浸されていない。【選択図】図1

Description

本発明は、音板及び打楽器に関する。
マリンバ、シロフォン等の打楽器は、発音体として複数の音板を備えている。この音板は、マレットに叩かれて音を発する。この音板の材料としては、例えばローズウッド、オノオレカバ、パドック、カリン等の木材が用いられている。この音板には、木材等の素材本来の音を発することが望まれる。
一方で、この音板は、マレットに叩かれることで凹みや割れが生じることがある。そのため、今日では、木質音板の表層に細孔を設け、その細孔から樹脂を含浸させることで、演奏時の打撃に対する耐久性を高めることが提案されている(特許文献1参照)。
特許第6614098号公報 特開2004-58416号公報
特許文献1には、木質音板の表層に細孔を設け、その細孔から樹脂を含浸させることで、演奏時の打撃に対する耐久性を向上できることが記載されている。しかしながら、特許文献1では、表層の打撃面側からしか樹脂を含浸できず、表層の樹脂含浸の深さを均一にする点で、また、細孔を穿孔することで木材の繊維も切られ、打撃面の均一な強度向上の観点で改良の余地がある。
なお、特許文献2には、樹脂が塗布又は含浸された複数の木材単板を積層して得られた楽器用木質材料が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載されている楽器用木質材料は、クラリネット等の木管楽器に用いられるものであり、打楽器用の音板とは異なる。すなわち、この楽器用木質材料には、打撃に対する耐久性を高める課題は存在していない。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、本発明の目的は、強度を高めると共に素材本来の音を発することが可能な音板を提供することにある。
本発明の一態様に係る音板は、打面を有する表層と、前記表層の前記打面と反対側の面に直接又は間接的に積層される基層とを備え、前記表層は木材に樹脂が含浸されており、前記基層は樹脂が含浸されていない。
前記基層が木材であるとよい。
前記表層の木材が柾目板であるとよい。
前記打面が長尺状であり、前記表層の木材の木理が前記打面の長手方向に沿っているとよい。
当該音板は、前記表層と前記基層との間に配置される中間層をさらに備えており、前記中間層が配向性のある繊維を含んでおり、前記中間層の繊維の方向が前記表層の木材の木理と平面視で直交しているとよい。
本発明の別の一態様に係る打楽器は、複数の音板を備え、前記複数の音板の少なくとも1つが当該音板である。
全ての前記音板において、打面側の最表層の材質が同じであるとよい。
なお、本発明において、「中間層の繊維の方向が表層の木材の木理と平面視で直交している」とは、中間層の繊維の沿う方向(例えば中間層が木材を含んでいる場合であれば、木材の樹心に沿う方向)と表層の木材の木理の沿う方向とが平面視で略直交していることをいい、中間層の繊維の方向と表層の木材の木理とが厳密に直交している構成に限定されない。
本発明の一態様に係る音板は、前記表層に樹脂が含浸されており、かつ前記基層には樹脂が含浸されていないので、凹みや割れの原因となりやすい打面側の強度を集中的に高めることができる。また、当該音板は、樹脂が含浸することで表層の強度が高められているので、樹脂が含浸されていない基層に加えて、前記表層においても素材本来の音を発しやすい。そのため、当該音板は、打面の強度を高めると共に素材本来の音色の音を発することができる。また、剛性が低い素材でも音板に適用でき、素材本来の音色の音を発することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る音板を示す模式的断面図である。 図2は、図1の音板の模式的平面図である。 図3は、図1の音板とは異なる形態に係る音板を示す模式的断面図である。 図4は、図3の音板の模式的平面図である。 図5は、図3の音板の中間層の打面側の表面を示す模式図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る打楽器を示す模式的平面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。なお、本明細書に記載されている数値については、記載された上限値と下限値とを任意に組み合わせることが可能である。本明細書では、組み合わせ可能な上限値から下限値までの数値範囲が好適な範囲として全て記載されているものとする。
[第一実施形態]
<音板>
図1の音板10は、打面1aを有する表層1と、表層1の打面1aとは反対側の面に直接又は間接的に積層される基層2とを備える。表層1は木材に樹脂が含浸されている。基層2は樹脂が含浸されていない。
当該音板10は、表層1及び基層2が直接積層されている。表層1及び基層2は、例えば接着剤を用いて固定されている。当該音板10は、表層1及び基層2以外の層を備えていない。
当該音板10は、例えばマリンバ、シロフォン、ビブラフォン等の打楽器に用いられる。通常、打楽器は、長尺状の複数の音板を備えている。これらの音板は、マレットで叩かれる打面を有しており、かつこの打面の反対側の面には凹部が設けられている。一般に、高音域用の音板は、低音域用の音板よりも長手方向の長さが小さく、かつ全体の肉厚が大きい。図1の音板10は、特に限定されるものではないが、例えば高音域用の音板として用いることができる。
(表層)
表層1は、木材に樹脂が含浸された樹脂含浸層である。表層1は、前記樹脂の含浸によって強度が高められている。表層1は、前記樹脂の含浸によって強度を補強するものであるため、素材本来の音を発しやすい。打面1aは、当該音板10のマレットで叩かれる最表面を構成している。打面1aは、平坦面から構成されていてもよい。
一般に、木材は内部の空隙にばらつきがあるため、特定の面のみからの含浸では樹脂の含浸深さを制御し難く、ひいては所望の品質を保ち難くなる。これに対し、表層1は、基層2とは別部材にして表層単体で樹脂を含浸させて制御することで、厚さ方向の全領域に亘って前記樹脂を含浸させやすい。当該音板10は、表層1のみに前記樹脂が含浸されている(つまり、当該音板10では、表層1以外には樹脂含浸層は存在していない)。そのため、当該音板10は、表層1の厚さ方向の全領域に前記樹脂が含浸されていることで、表層1の厚さによって当該音板10全体における前記樹脂の含浸深さを容易かつ確実に制御することができる。この構成によると、当該音板10全体において、前記樹脂を必要な範囲で打面1a側に選択的に配置しやすい。その結果、当該音板10全体として、素材本来の音を発しやすい。
前述のように表層1は木材を含んでいる。当該音板10は、表層1が木材を含むことで、木質音を発しやすい。また、表層1は、木材を含むことで前記樹脂を十分に含浸させやすい。表層1は、複数の木材の積層体であってもよいが、前記樹脂が含浸された単板であることが好ましい。また、表層1の木材は、表面に細孔や細溝を設けていないものとしているが、樹脂含侵の効率のために細孔や細溝を設けることを除外しない。但し、木材の繊維の維持から細孔や細溝を設ける場合には極めて径の小さい微細な孔にしたり深さを浅くする等、極力木材の繊維を傷つけないようにして設けられる。
前記木材としては、特に限定されるものではないが、例えばローズウッド、パドック、カリン、カエデ、ハードメープル、シデ、ブナ、ナラ、マトワ、マホガニー、カバ等が挙げられる。
前記木材は、例えば板目板であってもよい。但し、図2に示すように、前記木材は、柾目板であることが好ましい。前記木材が柾目板であることで、当該音板10の外観を向上することができる。また、当該音板10の外観を向上する観点から、前記木材の木理は打面1aの長手方向に沿っていることが好ましい。なお、ここでいう「柾目」とは、木口視(年輪が同心円状に見える断面)で年輪の平均角度が垂直(表層の厚さ方向)に対して±45°の範囲内で木取りされた音板材のことを指す。
前記樹脂は、前記木材の全領域に亘って含浸していることが好ましい。前記樹脂としては、使用する木材よりも比重の大きいものが好適に用いられる。前記樹脂としては、特に限定されないが、前記木材に低粘度で含浸させやすい熱硬化性樹脂が好ましい。この熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、シリケート樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。
前記樹脂には、充填材(微粒子)が含まれていてもよい。この充填材としては、例えばタルク、ガラス繊維等が挙げられる。前記樹脂に前記充填材が含まれていることで、表層1の強度をより高めることができる。
(基層)
基層2は、表層1を裏面側から支持する。また、基層2は、当該音板10から発せられる音質を制御する。図1に示すように、基層2の裏面には凹部2aが設けられている。凹部2aは、基層2の長手方向の中央部分に形成されている。凹部2aは、基層2の裏面を短手方向に横断している。基層2は、凹部2aによって陥没した薄肉部2bを有する。当該音板10は、基層2の裏面に凹部2aが設けられていることで、基本モード及び高次モードの各モードにおける振動数の比が略整数倍となるように調律されている。
基層2の厚さ(凹部2aが形成されていない部分の厚さ)の下限としては、例えば当該音板10がマリンバに用いられる場合であれば、10.0mmが好ましく、15.0mmがより好ましく、17.5mmがさらに好ましい。一方、基層2の厚さの上限としては、例えば当該音板10がマリンバに用いられる場合であれば、29.9mmが好ましく、29.5mmがより好ましく、28.5mmがさらに好ましい。基層2は、当該音板10の音質を制御できるよう、当該音板10全体に占める存在割合が大きいことが望まれる。前記厚さが前記下限に満たないと、当該音板10に占める基層2の存在割合が不十分になるおそれがある。一方、前記厚さが前記上限を超えると、当該音板10の全体の厚さが大きくなり過ぎるおそれがある。なお、当該音板10の全体の厚さは、当該音板をどの音域用に使用するかで変化し得る。例えば基層2の厚さは、当該音板10を高音域用に使用する場合であれば、前記範囲内における上限値寄りの値を採用することができ、当該音板10を低音域用に使用する場合であれば、前記範囲内における下限値寄りの値を採用することができる。
基層2は、前述のように樹脂が含浸されていない。そのため、基層2は、樹脂に起因する音質の変化を防止することができる。
基層2は木材であることが好ましい。基層2を構成する木材としては、表層1について例示した木材が挙げられる。当該音板10は、基層2が木材であることで、木質音を発しやすい。基層2を構成する木材の種類は、表層1と同様であってもよく、異なっていてもよい。
基層2は、単一の木材(つまり、単一の木片)から構成されていてもよい。この場合、当該音板10は、例えば基層2を構成する単一の木材に、表層1を構成する単板が積層された構成を有する。
<製造方法>
次に、当該音板10の製造方法の一例について説明する。当該音板の製造方法は、樹脂が含浸された表層1を形成する工程(形成工程)と、前記形成工程で形成された表層1と基層2とを積層する工程(積層工程)とを備える。
(形成工程)
前記形成工程では、表層1の主体となる木材に前記樹脂を含浸させる。前記形成工程では、前記樹脂を含む溶液中に前記木材を浸漬した後に、加熱等によって前記樹脂を硬化させる。
前記形成工程では、前記木材と前記溶液とをチャンバに入れ、このチャンバ内を減圧したうえで、前記木材を前記溶液に浸漬することが好ましい。また、前記形成工程では、前記木材を前記溶液に浸漬した状態で、前記チャンバ内を大気圧以上に加圧することも好ましい。前記形成工程で前記チャンバ内を減圧することで、前記木材中に存在している空気を取り除くことができ、前記木材内の空隙に前記樹脂を導入しやすくなる。さらに、前記木材を前記溶液に浸漬した状態で前記チャンバ内を加圧することで、前記木材に前記樹脂を容易に押し込むことができる。この手順によると、前記木材の内部まで前記樹脂を均等に含浸させやすく、前記樹脂を前記木材の全領域に亘って容易に含浸させることができる。その結果、表層1全体の品質を均等に制御し、表層1内における強度のバラツキを抑制することができる。このため、当該音板10に割れや凹みが発生することを抑制しつつ、振動伝達率を向上しやすい。なお、前記形成工程では、前記手順を2回以上繰り返し行ってもよい。
(積層工程)
前記積層工程では、前記形成工程で形成された表層1と、別途用意した基層2とを接着剤で固定する。
<利点>
当該音板10は、表層1に樹脂が含浸されており、かつ基層2には樹脂が含浸されていないので、凹みや割れの原因となりやすい打面1a側の強度を集中的に高めることができる。また、当該音板10は、前記樹脂が含浸されることで表層1の強度が高められているので、表層1においても素材本来の音を発しやすい。より詳しくは、当該音板10は、打面1a側の強度を高めるために表層1の主体となる木材を他の材料に置き換えることを要しないので、所望の音を発しやすい。そのため、当該音板10は、強度を高めると共に素材本来の音を発することができる。また、剛性が低い素材でも音板に適用でき、素材本来の音色の音を発することができる。
当該音板10は、表層1及び基層2がいずれも木材を含んでおり、木材層以外の層を備えていない。そのため、当該音板10は、木質音を発しやすい。
前述のように、当該音板10は、打楽器の高音域用の音板として用いることができる。高音域用の音板は、基層の厚さが比較的厚いので、音板全体の割れは抑制しやすい。一方で、高音域用の音板には、マレットに叩かれることで生じ得る部分的な凹みの発生を抑制できることが求められる。この点において、当該音板10は、前記樹脂が含浸された表層1を備えることで、部分的な凹みの発生を抑制することができる。
[第二実施形態]
<音板>
図3の音板20は、打面1aを有する表層1と、表層1の打面1aとは反対側の面に間接的に積層される基層22とを備える。また、当該音板20は、表層1と基層22との間に配置される中間層23を備える。表層1は樹脂が含浸されている。基層22は樹脂が含浸されていない。表層1としては、長手方向長さを除いて図1の表層1と同様に構成することができるため、同一符号を付して説明を省略する。
表層1、中間層23及び基層22は、例えば接着剤を用いて固定されている。表層1、中間層23及び基層22は、打面1a側から裏面側に向けてこの順で配置されている。当該音板20は、表層1、中間層23及び基層22以外の層を備えていない。当該音板20は、特に限定されないが、例えば低音域用の音板として用いることができる。
(基層)
基層22は、表層1及び中間層23を裏面側から支持する。また、基層22は、当該音板20から発せられる音質を制御する。
基層22の裏面には凹部22aが設けられている。凹部22aは、基層22の長手方向の中央部分に形成されている。凹部22aは、基層22の裏面を短手方向に横断している。基層22は、凹部22aによって陥没した薄肉部22bを有する。基層22の薄肉部22bの厚さは、図1の基層2の薄肉部2bの厚さよりも小さい。また、基層22の長手方向長さは、図1の基層2の長手方向長さよりも大きい。基層22は、薄肉部22bの厚さが小さく、かつ長手方向長さが大きいこと以外、図1の基層2と同様の構成とすることができる。
(中間層)
中間層23は樹脂が含浸されていてもよい。但し、中間層23は樹脂が含浸されていないことが好ましい。当該音板20は、表層1に選択的に樹脂を含浸させることで、マレットに叩かれることで生じ得る部分的な凹みの発生を抑制できる。そのため、素材本来の音を発することができるよう、表層1以外には樹脂は含浸されていないことが好ましい。
中間層23は、配向性のある繊維を含んでいる。中間層23は、配向性のある繊維を含む素材として木材を含んでいることが好ましい。より詳しくは、中間層23は木材から構成されていることが好ましい。当該音板20は、中間層23が木材を含んでいることで、表層1、中間層23及び基層22の全ての主体を木材とすることができる。中間層23に含まれる木材としては、表層1について例示した木材が挙げられる。中間層23は、当該音板20の割れを防止する観点からは、当該音板20の強度を高められるよう、基層22を構成する木材よりも比重の大きい木材を含むことが好ましい。
中間層23は、複数の単板を厚さ方向に積層して構成されていてもよいが、1枚の単板から構成されていることが好ましい。中間層23の厚さの下限としては、例えば当該音板20をマリンバに用いる場合であれば、0.1mmが好ましく、0.3mmがより好ましく、0.5mmがさらに好ましい。一方、中間層23の厚さの上限としては、例えば当該音板20をマリンバに用いる場合であれば、3mmが好ましく、1.5mmがより好ましく、1.0mmがさらに好ましい。当該音板20は、基層22の薄肉部22bの厚さが小さいことに起因して割れが生じやすくなっている。中間層23は、主としてこの割れを抑制するために設けられている。この点、前記厚さが前記下限に満たないと、中間層23の強度が不十分となり、当該音板20の割れを十分に抑制できないおそれがある。逆に、前記厚さが前記上限を超えると、当該音板20の製造コストが嵩むおそれや、当該音板20全体の厚さが大きくなり過ぎるおそれがある。
中間層23の繊維の方向は表層1の木材の木理と平面視で直交していることが好ましい。より詳しくは、図4及び図5に示すように、中間層23の木材の木理23bは表層1の木材の木理1bと平面視で直交していることが好ましい。この構成によると、当該音板20の割れをより確実に抑制することができる。また、中間層23の木材の木理23bを表層1の木材の木理1bと平面視で直交させることで、中間層23の木材の木理23bを割れ進展方向とクロスさせやすくなる。このため、例えば中間層23に比較的比重の小さい木材を用いた場合でも当該音板20の割れを抑制しやすくなる。その結果、中間層23の厚さの自由度や木種の選択の自由度が高くなり、当該音板20の音質を高めやすくなる。
<製造方法>
当該音板20の製造方法は、例えば樹脂が含浸された表層1を形成する工程(形成工程)と、前記形成工程で形成された表層1と、中間層23と、基層22とをこの順で積層する工程(積層工程)とを備える。
前記形成工程は、図1の音板10の製造方法における形成工程と同様の手順で行うことができる。前記積層工程では、例えば表層1、中間層23及び基層22を接着剤で固定する。
<利点>
当該音板20は、表層1と基層22との間に中間層23を備えているので、例えば低音域用の音板として用いられた場合でも、当該音板20の割れを十分に抑制することができる。
[第三実施形態]
<打楽器>
図6の打楽器40は、複数の音板を備えている。当該打楽器40は、少なくとも1つの音板として、図1の音板10又は図3の音板20を備えている(以下、図1の音板10を「第1音板10」、図3の音板20を「第2音板20」ともいう。)。当該打楽器40は、複数の音板として、第1音板10及び第2音板20のみを含んでいてもよく、第1音板10及び第2音板20以外の第3音板30をさらに含んでいてもよい。加えて、当該打楽器40が、複数の音板として第1音板10及び第2音板20のみを含んでいる場合、当該打楽器40は、第1音板10及び第2音板20のいずれか一方のみを含んでいてもよく、第1音板10及び第2音板20の両方を含んでいてもよい。当該打楽器40は、例えばマリンバ、シロフォン、ビブラフォン等である。
当該打楽器40は、全ての音板において、打面側の最表層の材質が同じであることが好ましい。具体的には、当該打楽器40において、第1音板10及び第2音板20は、いずれも樹脂が含浸された表層1を備えている。また、第1音板10の表層1及び第2音板20の表層1は、いずれも木材を含んでいる。そのため、全ての音板が第1音板10及び第2音板20からなる場合、当該打楽器40は、全ての音板において、打面側の最表層の材質が同じである。一方、当該打楽器40は、第1音板10及び第2音板20以外に第3音板30を備えている場合、第3音板30の最表層として、木材に樹脂が含浸された構成を採用することで、全ての音板において、打面側の最表層の材質を同じにすることができる。当該打楽器40は、全ての音板において、打面側の最表層の材質を同じとすることで、全ての音板の品質の均一化を図りやすい。なお、全ての音板の品質の均一化を促進する観点からは、打面側の最表層に配置される木材の種類を同じにすることが好ましい。また、打面側の最表層に配置される木材の木理や、この木材に含浸される樹脂の種類を同じにすることも好ましい。また、コーティングや塗料の種類も同じにすることが望ましい。
<利点>
当該打楽器40は、第1音板10及び第2音板20の少なくとも一方を備えているので、音板の強度を高めると共に素材本来の音を発することができる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
例えば当該音板が適用される打楽器は、前記記載の打楽器に限定されるものではない。当該音板は、例えばカスタネット、ウッドブロック、カホン、木魚、チャイム等に用いられてもよい。
当該音板は、表層と基層、又は表層と中間層と基層との積層体であることが好ましい。但し、当該音板は、前記表層と前記基層との間に、前記中間層以外の層を備えることも可能である。
前記基層を構成する材料は、求められる音質に応じて適宜設定可能であり、木材以外であってもよい。また、前記中間層を構成する材料としては、例えば炭素繊維強化樹脂(CFRP)等の繊維強化樹脂を用いることも可能である。
前記表層に含まれる木材の木理は打面の長手方向に沿っていなくてもよい。また、前記表層の木材の木理と前記中間層の繊維の方向とは平面視で直交していなくてもよい。例えば前記表層の木材の木理と前記中間層の繊維とは平面視で平行に配置されていてもよい。
前述の第1音板及び第2音板は、打楽器の仕様に応じて任意に配置することができる。また、例えば前記基層に設けられる凹部の深さ等を調整することで、前記第1音板を低音域用の音板として用いてもよく、前記第2音板を高音域用の音板として用いてもよい。
以上説明したように、本発明の一態様に係る音板は、強度を高めつつ、素材本来の音を発するのに適している。
1 表層
1a 打面
1b、23b 木理
2、22 基層
2a、22a 凹部
2b、22b 薄肉部
10、20 音板
23 中間層
30 第3音板
40 打楽器

Claims (7)

  1. 打面を有する表層と、
    前記表層の前記打面と反対側の面に直接又は間接的に積層される基層と
    を備え、
    前記表層は木材に樹脂が含浸されており、
    前記基層は樹脂が含浸されていない音板。
  2. 前記基層が木材である請求項1に記載の音板。
  3. 前記表層の木材が柾目板である請求項1又は請求項2に記載の音板。
  4. 前記打面が長尺状であり、前記表層の木材の木理が前記打面の長手方向に沿っている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の音板。
  5. 前記表層と前記基層との間に配置される中間層をさらに備え、
    前記中間層が配向性のある繊維を含んでおり、
    前記中間層の繊維の方向が前記表層の木材の木理と平面視で直交している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の音板。
  6. 複数の音板を備え、
    前記複数の音板の少なくとも1つが請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の音板である打楽器。
  7. 全ての前記音板において、打面側の最表層の材質が同じである請求項6に記載の打楽器。
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