JP2022142490A - 挿入実装型部品、回路基板の製造方法および回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】スルーホールに挿入された挿入実装型部品のリードとスルーホール間に、十分な量の接合部材を供給し、リードとスルーホールの接合部におけるはんだ付け不良を抑制することで、信頼性の高い回路基板を得ることを目的とする。【解決手段】フラックス入りのはんだを用いて、貫通孔を形成するように円環形状に加工された外付け状接合部材4が、リード3を貫通孔に貫通させ、リード3の根元部において電子部品2の表面部に保持部材5により保持するように設けられた挿入実装型部品1を用いる。また、プリント配線基板10に、表面実装部品と挿入実装型部品1を実装する回路基板100の製造方法において、挿入実装型部品1を用いることにより、プリント配線基板10に設けられたスルーホール14とリード3の接合に必要な十分な量の接合部材16を供給し、信頼性の高い回路基板100を得ることができる。【選択図】図1
Description
本開示は、挿入実装型部品、挿入実装型部品を用いた回路基板の製造方法、およびそれらを用いて製造された回路基板に関するものである。
プリント基板に実装される電子部品として、たとえば、表面実装部品や挿入実装型部品がある。表面実装部品は、プリント基板の両面に実装される。また、挿入実装型部品は、プリント基板に設けられたスルーホールに、電子部品のリード端子を挿入した後に、フローはんだ付けを用いて実装される。さらに、同一のプリント基板に、挿入実装型部品の他に、表面実装部品が実装されることがある。しかし、表面実装部品の耐熱温度は、フローはんだ付け時において部品が加熱される温度以下である。そのため、表面実装部品はフローはんだ付けを用いると、熱によるダメージを受けやすい。そこで、表面実装部品を搭載した状態ではんだ付けを行う手法として、スルーホールリフロー(THR)を用いたはんだ付け(THR実装)が知られている。
THR実装では、プリント基板の上にメタルマスクを置き、その上からはんだとフラックスを含むはんだペーストをスキージで塗布する。続いて、挿入実装型部品のリードをスルーホールに挿入した後、プリント基板を高温の炉に導入し、はんだを溶融させる。ここで、プリント基板の厚さが厚い場合や、挿入実装型部品の熱容量が大きい場合、スルーホール内で温度分布が生じることがある。この場合、スルーホール内に、はんだが十分に入り込まなかったり、はんだが偏ったり、ボイドが発生することがある。これにより、挿入実装型部品の接合強度バラツキが生じ易くなる。
そこで、はんだが塗布されたプリント基板において、スルーホールに挿入された挿入実装型部品のリードの先端に、リードを加熱する熱源と、熱源を振動させる振動機構を備えたはんだ付け装置を用いることが知られている(たとえば、文献1を参照)。
特許文献1のはんだ付け装置を用いた場合、スルーホールに挿入された挿入実装型部品のリードとスルーホールの間に、はんだが侵入しやすくなる。そのため、はんだの偏りや、ボイドの発生が抑制されることが記載されている。しかし、メタルマスクを用いてはんだペーストを塗布する手法では、スルーホール内へ接合に必要な十分な量のはんだを供給することができない場合がある。これにより、スルーホールとリードの接合部において、はんだ付け不良が発生し、信頼性の高い回路基板を得ることができない課題があった。
本開示は、上記した課題に着目してなされたものである。フラックス入りのはんだにより形成された外付け接合部材を、電子部品におけるリードの根元部に設けた挿入実装型部品を用いることで、はんだ量不足に起因するはんだ付け不良の発生を抑制し、信頼性の高い回路基板を得ることを目的とする。
本開示に係る挿入実装型部品は、第1の電子部品と、第1の電子部品に接続されたリードと、リードを囲い、リードの根元部に配置された第1接合部材と、第1の電子部品の表面部に設けられ、第1接合部材を保持する保持部材とを備えることを特徴とするものである。
本開示に係る回路基板は、第1面および第1面に対向する第2面を備えるプリント配線基板と、第1面から第2面に貫通するように設けられ、第1面に沿う任意の方向において3個以上のスルーホールが並んで配置されたスルーホール群と、第1面に設けられた電極パッドと、3本以上のリードが並ぶリード群が接続された第1の電子部品と、第1面に設けられた電極パッドに接合された第2の電子部品とを備え、第1の電子部品は、スルーホール群の各々のスルーホールに、リード群の各々のリードを挿入し、スルーホールとリードが接合部材により接合されており、第1面に沿う任意の方向において、両端部におけるリードとスルーホールを接合する接合部材の各々の量は、両端部以外のリードとスルーホールを接合する接合部材の各々の量よりも多いことを特徴とするものである。
本開示における挿入実装型部品、および、挿入実装型部品を用いた製造方法により、はんだ付け不良が発生することを抑制し、信頼性の高い回路基板を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る挿入実装型部品1の構成を示す概略断面図である。ここで、挿入実装型部品1は、電子部品2、リード3、第1接合部材である外付け接合部材4および保持部材5を含む。電子部品2は、たとえば、樹脂でモールドされたスイッチング素子、容量素子、コネクタ、集積回路(IC)などである。リード3は、銅やアルミニウムを含む材料からなる導電端子であり、電子部品2に接続されている。ここでは、例として、挿入実装型部品1のリード3が、任意の方向において2本並ぶ構成について説明しているが、これに限らず、任意の方向において、リード3が1本の構成または3本以上のリード3が並ぶ構成でもよい。
図1は、実施の形態1に係る挿入実装型部品1の構成を示す概略断面図である。ここで、挿入実装型部品1は、電子部品2、リード3、第1接合部材である外付け接合部材4および保持部材5を含む。電子部品2は、たとえば、樹脂でモールドされたスイッチング素子、容量素子、コネクタ、集積回路(IC)などである。リード3は、銅やアルミニウムを含む材料からなる導電端子であり、電子部品2に接続されている。ここでは、例として、挿入実装型部品1のリード3が、任意の方向において2本並ぶ構成について説明しているが、これに限らず、任意の方向において、リード3が1本の構成または3本以上のリード3が並ぶ構成でもよい。
外付け接合部材4は、たとえば、貫通孔を形成するように円環形状に加工された、フラックス入りはんだである。言い換えると、外付け接合部材4は、貫通孔を形成するように加工された円環形状を有する、フラックス入りはんだである。しかし、これに限定されず、貫通孔を形成するように角柱状に加工された、フラックス入りはんだでもよい。さらに、外付け接合部材4は、リード3の周囲を囲むように配置された接合部材であり、リード3の周囲に沿う方向において、はんだが途切れている途切れ部が形成されていてもよい。
フラックス入りはんだを用いることで、はんだ付け時に、酸化物を除去し、はんだ付けの接合を加速することができる。実施の形態1に係る挿入実装型部品1では、外付け接合部材4の貫通孔にリード3を挿入し、リード3における電子部品2の近傍である根元部に外付け接合部材4が配置される。また、外付け接合部材4は、挿入実装型部品1のすべてのリード3に配置されてもよいし、任意のリード3に配置されてもよい。外付け接合部材4は、保持部材5により、電子部品2の表面部に保持される。
ここで、外付け接合部材4には、高耐久性を有するはんだ材料を用いるとよい。たとえば、Sn-3.0Ag-0.5Cu、Sn-3.9Ag-0.6Cu-3.0Sb、Sn-5.0Sb、Sn-10Sb、Sn-0.7Cu-Ni-Pなどを用いるとよい。ただし、これに限るものでなく、その他、Sn-Cu系はんだ、Sn-Ag系はんだ、Sn-Zn系はんだ、Sn-Sb系はんだを用いてもよい。また、外付け接合部材4の貫通孔の内径は、リード3の直径または対角長以上である。さらに、外付け接合部材4の貫通孔に沿う方向における長さ、言い換えると貫通孔が延伸する方向における長さは、0.4mmから1.0mmである。
保持部材5には、はんだ付け工程に対する耐熱性を有する接着剤、またはフラックスが用いられる。ここで、接着剤は、周知の接着剤を構成する任意の材料からなる接着剤でよいが、たとえば、エポキシ系樹脂接着剤である。また、フラックスを用いた場合、外付け接合部材4を保持することに加えて、はんだ付け時における、はんだの濡れ性を向上することができる。
図2は、実施の形態1に係る挿入実装型部品1を用いて製造した回路基板100の概略断面図である。回路基板100は、プリント配線基板10に第1の電子部品である電子部品2が実装されている。さらに、プリント配線基板10の第1面11に、第2の電子部品である電子部品20、および、第3の電子部品である電子部品21が実装されている。ここで、電子部品20および電子部品21は、たとえば、容量素子であるセラミックコンデンサである。ただ、これに限らず、電子部品20および電子部品21の各々は、スイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、またはICであってもよい。
プリント配線基板10には、プリント配線基板10の第1面11から第1面11と対向する第2面12まで貫通する孔からなる、複数のスルーホール14が形成されている。ここで、スルーホール14は、第1面11から第2面12に亘って、孔の内壁を覆うように形成されたスルーホール電極15を含む。さらに、プリント配線基板10の第1面11には、複数の電極パッド13が設けられている。また、図示は省略するが、第1面11または第2面12、もしくは第1面11および第2面12に設けられた配線により、電極パッド13およびスルーホール14の各々は、他の電極パッド13や、他のスルーホール14と接続されている。
回路基板100では、挿入実装型部品1のリード3がスルーホール14に挿入された構成において、リード3とスルーホール14が接合部材16により接合されている。また、電子部品20および電子部品21の各々の電極が、プリント配線基板10の第1面11に設けられた複数の電極パッド13に、接合部材16を用いて接合されている。ここで、接合部材16は、はんだを含む。プリント配線基板10は、ガラスコンポジット基板(CEM-3)である。また、これに限らず、ガラスエポキシ基板(FR4)や紙フェノール基板(FR1,2)であってもよい。
次に、図3から図5を用いて、実施の形態1に係る回路基板100の製造方法について説明する。回路基板100の製造方法は、第1ステップから第3ステップを含む。図3は、実施の形態1に係る回路基板100の製造方法の第1ステップを示している。第1ステップでは、複数の電極パッド13および複数のスルーホール14を備えるプリント配線基板10の第1面11において、電極パッド13およびスルーホール14の表面に接合部材であるソルダペースト17を塗布する。
スルーホール14について具体的に説明すると、スルーホール14の一部であるスルーホール電極15であって、第1面11に形成されたスルーホール電極15の一部の表面にソルダペースト17を塗布する。すなわち、第1面11におけるスルーホール14の表面にソルダペースト17を塗布する。ここで、ソルダペースト17とは、微細なはんだ粉末をフラックスと混練させたものである。
ここで、ソルダペースト17を塗布する方法として、たとえば、メタルマスクを用いたスクリーン印刷が用いられる。メタルマスクは、たとえば、0.1mmから0.2mmの厚さの金属板に、プリント配線基板10に設けられた電極パッド13やスルーホール14に対応する箇所に穴を設けたものである。メタルマスクを、プリント配線基板10の第1面11に配置し、スキージなどを用いて、メタルマスク上にソルダペースト17を塗り拡げる。これにより、電極パッド13の表面およびスルーホール14に含まれるスルーホール電極15の第1面側の表面に、0.1mmから0.2mmの厚さのソルダペースト17を塗布することができる。
図4は、実施の形態1に係る回路基板100の製造方法の第2ステップを示している。第2ステップでは、ソルダペースト17が塗布された複数の電極パッド13に、電子部品20および電子部品21を配置する。また、ソルダペースト17が塗布された複数のスルーホール14に、挿入実装型部品1を配置する。ここで、挿入実装型部品1は、スルーホール14にリード3を挿入するように配置される。
図5は、実施の形態1に係る回路基板100の製造方法の第3ステップを示している。第3ステップは、加熱工程であるリフロー工程であり、電子部品20、電子部品21および挿入実装型部品1が配置されたプリント配線基板10を加熱し、ソルダペースト17および外付け接合部材4を溶融させる。
図5は、例として、リフロー炉である加熱炉30内を、挿入実装型部品1、電子部品20および電子部品21が配置されたプリント配線基板10をベルトコンベア31で搬送し、外付け接合部材4やソルダペースト17を溶融させる、リフロー工程を示している。ここで、加熱炉30内の温度は、外付け接合部材4やソルダペースト17が溶融する温度に調整されている。
これにより、複数のリード3の各々と複数のスルーホール14の各々を、さらには、電子部品20および電子部品21の各々の電極と複数の電極パッド13を、外付け接合部材4、ソルダペースト17または外付け接合部材4およびソルダペースト17が溶融されて形成された接合部材16により接合する。これにより、図2に示す、実施の形態1の回路基板100が形成される。
次に、実施の形態1に係る挿入実装型部品1、形態1に係る回路基板100、および、実施の形態1に係る回路基板100の製造方法の効果について説明する。一般的に、プリント配線基板10に塗布されるソルダペースト17の厚さは、0.1mmから0.2mmである。これは、表面実装部品である電子部品20および電子部品21の各々の電極と電極パッド13を、接合するため設定された接合部材量を供給するためのソルダペースト17の厚さである。
しかし、ソルダペースト17のみでは、リード3とスルーホール14の接合に必要な接合部材量として不足する可能性がある。リード3とスルーホール14を接合する接合部材量が不足する場合、接合部の機械強度が低下し、回路基板100に与えられた熱により発生する応力や、ひずみにより疲労破壊に至る可能性がある。
そこで、実施形態1に係る回路基板100の製造方法において、実施の形態1に係る挿入実装型部品1を用いることで、ソルダペースト17のみでは接合部材量が不足する場合においても、外付け接合部材4により、リード3とスルーホール14の接合に必要な十分な接合部材量を容易に供給することができる。また、リードの周囲を囲むように設けられた外付け接合部材4を用いることで、スルーホール14内における接合部材16の偏りを抑制することができる。
このように、実施の形態1に係る挿入実装型部品1、および、挿入実装型部品1を用いた実施の形態1に係る回路基板100の製造方法を用いることにより、はんだ付け不良が発生することを抑制し、信頼性の高い回路基板100を得ることができる。
実施の形態1の変形例.
次に、実施の形態1の変形例に係る回路基板100A、および、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法について説明する。なお、実施の形態1の変形例においては、実施の形態1との構成の異なる部分のみを説明する。また、実施の形態1と同一または対応する構成については、同一の図番号を用い、その説明を省略する。なお、回路基板100Aは、実施の形態1の回路基板100と製造方法が異なる。これにより、回路基板100Aは回路基板100に対して、接合部材16の量や形状が異なる可能性がある。ここでは、回路基板100Aの図示は省略する。
次に、実施の形態1の変形例に係る回路基板100A、および、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法について説明する。なお、実施の形態1の変形例においては、実施の形態1との構成の異なる部分のみを説明する。また、実施の形態1と同一または対応する構成については、同一の図番号を用い、その説明を省略する。なお、回路基板100Aは、実施の形態1の回路基板100と製造方法が異なる。これにより、回路基板100Aは回路基板100に対して、接合部材16の量や形状が異なる可能性がある。ここでは、回路基板100Aの図示は省略する。
図6から図8を用いて、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法について説明する。回路基板100Aの製造方法は、第1ステップから第3ステップを含む。図6は、実施の形態1の変形例に係る、回路基板100Aの製造方法の第1ステップを示している。第1ステップでは、複数の電極パッド13および複数のスルーホール14を備えるプリント配線基板10の第1面11において、複数の電極パッド13に、電子部品20および電子部品21が実装されている。
ここで、電子部品20および電子部品21の実装方法は、たとえば、プリント配線基板10の第1面11において、メタルマスクを用いてソルダペースト17を複数の電極パッド13の表面に塗布する。この際、スルーホール14の表面には、ソルダペースト17を塗布しない。その後、電子部品20および電子部品21を電極パッド13に配置し、加熱炉などを用いてソルダペースト17を溶融させる。これにより、電子部品20および電子部品21の各々の電極と、複数の電極パッド13を接合部材16により接合する。
図7は、実施の形態1の変形例に係る、回路基板100Aの製造方法の第2ステップを示している。第2ステップでは、プリント配線基板10の第1面11において、スルーホール14に、挿入実装型部品1を配置する。挿入実装型部品1は、スルーホール14にリード3を挿入する。ここで、実施の形態1の変形例に係る挿入実装型部品1に設けられた外付け接合部材4は、スルーホール14に挿入するすべてのリード3に配置される。
ここでは、挿入実装型部品1のリード3が、任意の方向において2本並ぶ場合において説明しているが、これに限らず、任意の方向において、リード3が1本の構成または3本以上のリード3が並ぶ構成でもよい。さらに、実施の形態1の変形例に係る外付け接合部材4の貫通孔に沿う方向、言い換えると貫通孔が延伸する方向における長さは、実施の形態1に係る挿入実装型部品1に設けられた外付け接合部材4と同じでも良いし、長くてもよい。
図8は、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法の第3ステップを示している。第3ステップでは、挿入実装型部品1および挿入実装型部品1の周辺を局所的に加熱し、外付け接合部材4を溶融させる。ここで、挿入実装型部品1の周辺とは、プリント配線基板10において、挿入実装型部品1と隣接する電子部品である、たとえば、電子部品20および電子部品21よりも挿入実装型部品1に近い領域である。
これにより、挿入実装型部品1のリード3とスルーホール14を、接合部材16により接合する。ここで、プリント配線基板10を局所的に加熱する方法として、たとえば、加熱する領域より小さいサイズの開口を有するノズル32から熱風33を噴出可能な装置を用いて、プリント配線基板10の第2面側から加熱する。これにより、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aが形成される。
次に、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法の効果について説明する。実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法では、電子部品2を、表面実装部品である、電子部品20および電子部品21とは異なるステップにおいて実装する。また、電子部品2の実装には、挿入実装型部品1を用い、挿入実装型部品1およびプリント配線基板10を局所的に加熱する方法を用いる。
これらにより、挿入実装型部品1の熱容量が大きく、実施の形態1に示したようなリフロー工程による電子部品2の実装が難しい場合でも、電子部品2のプリント配線基板10への個別の実装が可能である。また、電子部品2の耐熱温度が、たとえば、電子部品20や電子部品21よりも低い場合においても、個別の実装が可能である。また、プリント配線基板10の第1面11におけるスルーホール14の表面には、ソルダペーストを塗布しない。これにより、リード3とスルーホール14の接合に必要な接合部材量を、外付け接合部材4により高精度に制御が可能である。
さらに、局所的な加熱が可能であることから、たとえば、電子部品2と電子部品20および電子部品21とのスペースを小さくすることができる。これにより、電子部品配置に係る設計制約を緩和することができるため、実装密度が高く、小型化した回路基板100Aを得ることができる。
以上のように、実施の形態1の変形例に係る回路基板100Aの製造方法を用いることにより、リード3とスルーホール14の接合に必要な十分な接合部材量を供給することができる。これにより、はんだ付け不良が発生することを抑制し、信頼性の高い回路基板100Aを得ることができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る挿入実装型部品40、実施の形態2に係る回路基板200、および、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法について説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1との構成の異なる部分のみを説明する。また、実施の形態1と同一または対応する構成については、同一の図番号を用い、その説明を省略する。
次に、実施の形態2に係る挿入実装型部品40、実施の形態2に係る回路基板200、および、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法について説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1との構成の異なる部分のみを説明する。また、実施の形態1と同一または対応する構成については、同一の図番号を用い、その説明を省略する。
図9は、実施の形態2に係る挿入実装型部品40の構成を示す概略断面図である。ここで、挿入実装型部品40は、電子部品6、リード7、外付け接合部材4および保持部材5を含む。電子部品6は、たとえば、樹脂でモールドされたスイッチング素子、容量素子、コネクタ、集積回路(IC)などである。ここで、リード7は、銅やアルミニウムを含む材料からなる導電端子であり、電子部品6に接続されている。
図9に示すように、挿入実装型部品40は、例として、電子部品6の任意の方向において、5本のリード7を備えている。また、それら5本のリード7における両端のリード7に、外付け接合部材4が設けられている。外付け接合部材4は、貫通孔にリード7を挿入され、リード3における電子部品6の近傍である根元部に外付け接合部材4が配置される。さらに、外付け接合部材4は、保持部材5により、電子部品6の表面部に保持される。ここで、リード7の本数は、任意の方向において5本並ぶ場合において説明したが、任意の方向において3本以上のリード7が並ぶ場合、その両端部に外付け接合部材4が配置される。
図10は、実施の形態2に係る挿入実装型部品40を用いて製造した回路基板200の概略断面図である。回路基板200は、プリント配線基板10Aの第1面11Aに、第1の電子部品である電子部品6、第2の電子部品である電子部品20、および、第3の電子部品である電子部品21が実装されている。ここで、電子部品6は、たとえば、樹脂でモールドされたスイッチング素子、容量素子、コネクタ、集積回路(IC)などである。電子部品20および電子部品21は、たとえば、容量素子であるセラミックコンデンサである。これに限らず、電子部品20および電子部品21は、スイッチング素子、抵抗素子、インダクタおよびICであってもよい。
プリント配線基板10Aには、プリント配線基板10Aの第1面11Aから、第1面11Aと対向する第2面12Aまで貫通する孔からなる、複数のスルーホール14Aが形成されている。ここで、スルーホール14Aは、第1面11Aから第2面12Aに亘って、孔の内壁を覆うように形成されたスルーホール電極15Aを含む。さらに、プリント配線基板10Aの第1面11Aには、複数の電極パッド13Aが設けられている。また、図示は省略するが、第1面11Aまたは第2面12A、もしくは第1面11Aおよび第2面12Aに設けられた配線により、電極パッド13Aおよびスルーホール14Aの各々は、他の電極パッド13Aや、他のスルーホール14Aなどと接続されている。
回路基板200では、挿入実装型部品40のリード7がスルーホール14Aに挿入された構成において、リード7とスルーホール14Aが接合部材16により接合されている。また、電子部品20および電子部品21の各々の電極が、プリント配線基板10Aの第1面11Aに形成された複数の電極パッド13Aに、接合部材16を用いて接合されている。ここで、図10に示すように、回路基板200では、電子部品6の任意の方向に並んで配置された5本のリード7において、両端部のリード7とスルーホール14Aとの接合部にある接合部材16の量は、両端部以外のリード7とスルーホール14Aとの接合部にある接合部材16の量よりも多い。
ここで、リード7の本数が5本、スルーホールの個数が5個の場合について説明したが、これに限定しない。3本以上のリード7からなるリード群が接続された電子部品6と、第1面11Aに沿う任意の方向に3個以上のスルーホール14Aが並んで配置されたスルーホール群を備えるプリント配線基板10Aの場合も同様である。スルーホール群の各々のスルーホール14Aに、リード群の各々のリード7を挿入し、スルーホール14Aとリード7が接合部材16により接合されており、その両端部におけるリード7とスルーホール14Aとの接合部にある接合部材16の量は、両端部以外のリード7とスルーホール14Aとの接合部にある接合部材16の量よりも多い。
次に、図11および図12を用いて、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法について説明する。回路基板200の製造方法は、第1ステップから第3ステップを含む。図10は、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法の第1ステップを示している。第1ステップでは、複数の電極パッド13Aおよび複数のスルーホール14Aを備えるプリント配線基板10Aの第1面11Aにおいて、電極パッド13Aおよびスルーホール14Aの表面にソルダペースト17を塗布する。
図11では、任意の方向において5個のスルーホールが並んで形成されている場合において、第1面11Aにおけるその両端のスルーホールの表面には、ソルダペースト17を塗布しない例を示した。これにより、外付け接合部材4によりリード7とスルーホール14Aの接合部における接合部材16の量を、容易に制御可能である。しかし、これに限らず、すべてのスルーホールの表面に、ソルダペースト17を塗布してもよい。また、任意の方向において5個のスルーホールが並んで形成された場合について説明したが、任意の方向においてスルーホール14Aが3個以上並ぶ場合においても同様である。
図12は、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法の第2ステップを示している。第2ステップでは、ソルダペースト17が塗布された複数の電極パッド13Aに、電子部品20および電子部品21を配置する。また、複数のスルーホール14Aに、挿入実装型部品40を配置する。この際、挿入実装型部品40のリード7が、スルーホール14Aに挿入されるように配置される。
ここで、実施の形態2に係る挿入実装型部品40は、任意の方向に並ぶ5本のリード7において、その両端のリード7に外付け接合部材4が設けられている。そのため、ソルダペースト17が塗布されていないスルーホール14Aに、外付け接合部材4を介して電子部品6が配置される。
次に、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法の第3ステップとして、リフロー工程を実施する。リフロー工程については、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。ここで、リード7とスルーホール14A、電子部品20および電子部品21の各々の電極と電極パッド13Aを、接合部材16により接合する。これにより、実施の形態2に係る回路基板200が形成される。
次に、実施の形態2に係る挿入実装型部品40、実施の形態2に係る回路基板200、および、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法の効果について説明する。一般的に、任意の方向に並ぶリード7の数が多くなると、プリント配線基板10Aと電子部品6との熱膨張係数の差から生じるひずみの影響が大きくなる。さらに、任意の方向に並ぶ複数のリード7の両端部におけるリード7とスルーホール14Aの接合部において、最もひずみが大きくなる。そのため、任意の方向における両端部のリード7とスルーホール14Aの接合部は、両端部以外よりも、機械強度が低下し易く、接合部の破断などの不良発生までの時間が短くなる。
そこで、実施の形態2に係る挿入実装型部品40を用いることで、複数のリード7の両端部におけるリード7とスルーホール14Aに十分な接合部材16量を供給することができる。これより、接合部の破断などの不良発生を抑制することができる。このように、実施の形態2に係る挿入実装型部品40、実施の形態2に係る回路基板200、および、実施の形態2に係る回路基板200の製造方法を用いることにより、はんだ付け不良が発生することを抑制し、信頼性の高い回路基板200を得ることができる。
1,40 挿入実装型部品、2,6,20,21 電子部品、3,7 リード、4 外付け接合部材、5 保持部材、10,10A プリント配線基板、11,11A 第1面、12,12A 第2面、13,13A 電極パッド、14,14A スルーホール、15,15A スルーホール電極、16 接合部材、17 ソルダペースト、30 加熱炉、31 ベルトコンベア、100,100A,200 回路基板。
Claims (11)
- 第1の電子部品と、
前記第1の電子部品に接続されたリードと、
前記リードを囲い、前記リードの根元部に配置された第1接合部材と、
前記第1の電子部品の表面部に設けられ、前記第1接合部材を保持する保持部材とを備えた、挿入実装型部品。
- 前記第1接合部材は、貫通孔を形成するように加工された円環形状を有し、前記貫通孔に前記リードを貫通させるように配置される、請求項1に記載の挿入実装型部品。
- 前記保持部材は、接着剤である、請求項1または請求項2に記載の挿入実装型部品。
- 前記保持部材は、フラックスである、請求項1または請求項2に記載の挿入実装型部品。
- 前記リードは、前記第1の電子部品の任意の方向に沿って複数本設けられており、
前記任意の方向における両端の前記リードに、前記第1接合部材を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の挿入実装型部品。
- 複数の前記リードが設けられており、
複数の前記リードのすべてに前記第1接合部材を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の挿入実装型部品。
- プリント配線基板の第1面に設けられた複数の電極パッドと、前記プリント配線基板の前記第1面から、前記第1面に対向する第2面に貫通するように設けられたスルーホールの前記第1面に、メタルマスクを用いてソルダペーストを塗布する工程と、
前記電極パッドに表面実装部品である第2の電子部品を配置し、前記スルーホールに請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の前記挿入実装型部品のリードを挿入する工程と、
前記ソルダペーストおよび前記第1接合部材を溶融させる加熱工程とを備え、
前記第2の電子部品と前記電極パッド、および前記リードと前記スルーホールを接合させる、回路基板の製造方法。
- 表面実装部品である第2の電子部品をプリント配線基板に実装する工程と、
前記プリント配線基板の第1面から、前記第1面に対向する第2面に貫通するように設けられたスルーホールに、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の前記挿入実装型部品のリードを挿入する工程と、
前記挿入実装型部品および前記プリント配線基板の前記挿入実装型部品の周辺を加熱し、前記第1接合部材を溶融させる加熱工程とを備え、
前記リードと前記スルーホールを接合させる、回路基板の製造方法。
- 請求項7に記載の前記プリント配線基板の前記第1面にメタルマスクを用いてソルダペーストを塗布する工程において、前記スルーホールは前記第1面に沿う任意の方向に3個以上並んで配置されており、前記第1面に沿う任意の方向における両端部の前記スルーホールには、ソルダペーストを塗布しない、回路基板の製造方法。
- 請求項7に記載の前記加熱工程において、リフロー炉を用いて前記ソルダペーストおよび前記第1接合部材を溶融させる、回路基板の製造方法。
- 第1面および前記第1面に対向する第2面を備えるプリント配線基板と、
前記第1面から前記第2面に貫通するように設けられ、前記第1面に沿う任意の方向において3個以上のスルーホールが並んで配置されたスルーホール群と、
前記第1面に設けられた電極パッドと、
3本以上のリードが並ぶリード群が接続された第1の電子部品と、
前記第1面に設けられた前記電極パッドに接合された第2の電子部品とを備え、
前記第1の電子部品は、
前記スルーホール群の各々の前記スルーホールに、前記リード群の各々の前記リードを挿入し、前記スルーホールと前記リードが接合部材により接合されており、
前記第1面に沿う任意の方向において、両端部における前記リードと前記スルーホールを接合する前記接合部材の各々の量は、前記両端部以外の前記リードと前記スルーホールを接合する前記接合部材の各々の量よりも多い、回路基板。
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