JP2022141507A - 組電池用熱制御シート及び組電池 - Google Patents

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翔汰 石川
Shota Ishikawa
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Abstract

【課題】複数の電池セルが直列又は並列に接続される組電池に使用され、通常使用時において発生した熱を外部に拡散して、効率的に電池セルを冷却することができるとともに、異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制し、熱暴走の連鎖を防止することができる、組電池用熱制御シート及び組電池を提供する。【解決手段】組電池用熱制御シート10は、組電池内において、電池セル間に介在される。また、組電池用熱制御シート10は、一対の表面層11a、11bと、一対の表面層の間に配設された断熱材13を有する。表面層11a、11bは、電池セルに対向する面を有する板状部21a、21bと、上記対向する面から電池セルに向かって突出する複数の凸部14a、14bと、を有する。さらに、板状部21a、21bは、断熱材13よりも放射率が低いとともに、断熱材13よりも熱伝導率が高い。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電気自動車又はハイブリッド車などを駆動する電動モータの電源となる組電池に好適に用いられる組電池用熱制御シート及び該組電池用熱制御シートを用いた組電池に関する。
近年、環境保護の観点から電動モータで駆動する電気自動車又はハイブリッド車などの開発が盛んに進められている。この電気自動車又はハイブリッド車などには、駆動用電動モータの電源となるための、複数の電池セルが直列又は並列に接続された組電池が搭載されている。
この電池セルには、鉛蓄電池やニッケル水素電池などに比べて、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主に用いられているが、電池の内部短絡や過充電などが原因で1つの電池セルに熱暴走が生じた場合(すなわち「異常時」の場合)、隣接する他の電池セルへ熱の伝播が起こることで、他の電池セルの熱暴走を引き起こすおそれがある。
例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池のような複数の蓄電素子間において、効果的な断熱を実現することができる蓄電装置が開示されている。上記特許文献1に記載の蓄電装置は、互いに隣り合う第一蓄電素子と第二蓄電素子との間に、断熱性を有する第一板材及び第二板材が配置されたものである。また、第一板材と第二板材との間には、これら第一板材及び第二板材よりも熱伝導率が低い物質の層である低熱伝導層が形成されている。
このように構成された特許文献1に係る蓄電装置において、第一蓄電素子から第二蓄電素子に向かう輻射熱の一部、又は、第二蓄電素子から第一蓄電素子に向かう輻射熱の一部は、第一板材及び第二板材によって遮断される。また、これら2枚の板材の一方から他方への熱の移動は、低熱伝導層によって抑制される。
特開2015-211013号公報
ところで、組電池化した電池セルに対し充放電サイクルを行う場合(すなわち「通常使用時」の場合)において、電池セルの充放電性能を十分に発揮させるためには、電池セル表面の温度を所定値以下(例えば、150℃以下)に維持する必要がある。
また、電池セルが、例えば200℃以上の温度となるような異常事態が発生した場合に、電池セルを効果的に冷却するとともに、隣接する電池セルへの熱の伝播を抑制し、熱暴走を阻止する必要がある。
しかしながら、上記蓄電装置は、第一蓄電素子と第二蓄電素子との間に断熱性を有する部材及び低熱伝導層が設けられているのみであるため、充放電サイクル時に発生した熱を効率的に外部に拡散することができない。また、1つの電池セルに熱暴走が生じた場合に、上記構造のみでは、熱暴走の連鎖を効果的に抑制することが困難である。
このように、通常使用時において、発生した熱を効率的に外部に拡散することができるとともに、熱暴走の連鎖を抑制することができる熱制御の手段については、近時、更なる改良が要求されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の電池セルが直列又は並列に接続される組電池に使用され、通常使用時において発生した熱を外部に拡散して、効率的に電池セルを冷却することができるとともに、異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制し、熱暴走の連鎖を防止することができる、組電池用熱制御シート及び組電池を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、組電池用熱制御シートに係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 複数の電池セルが直列又は並列に接続される組電池に使用され、前記電池セル間に介在される組電池用熱制御シートであって、
一対の表面層と、
前記一対の表面層の間に配設された断熱材と、を有し、
前記表面層は、前記電池セルに対向する面を有する板状部と、前記対向する面から前記電池セルに向かって突出する複数の凸部と、を有し、
前記板状部は、前記断熱材よりも放射率が低いとともに、前記断熱材よりも熱伝導率が高いことを特徴とする組電池用熱制御シート。
また、組電池用熱制御シートに係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[13]に関する。
[2] 前記表面層は、前記板状部を構成する板部材の表面に、複数の凸部材料が接着されたものであることを特徴とする[1]に記載の組電池用熱制御シート。
[3] 前記凸部は、前記板部材の表面に固着された接着剤であることを特徴とする[2]に記載の組電池用熱制御シート。
[4] 前記表面層は、前記板状部と前記凸部が一体成形されることにより構成されていることを特徴とする[1]に記載の組電池用熱制御シート。
[5] 前記断熱材の熱伝導率は1(W/m・K)未満であることを特徴とする[1]~[4]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
[6] 前記板状部の熱伝導率は、前記断熱材の熱伝導率の10倍以上であることを特徴とする[1]~[5]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
[7] 前記板状部は、融点が600℃以上である金属、又はセラミックにより構成されることを特徴とする[1]~[6]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
[8] 前記一対の表面層の間に配設された中間層を有し、
前記断熱材は前記一対の表面層と前記中間層との間にそれぞれ配設され、
前記中間層は、前記断熱材よりも放射率が低いとともに、前記断熱材よりも熱伝導率が高いことを特徴とする[1]~[7]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
[9] 2層以上の前記中間層と、
隣り合う前記中間層の間に配設された断熱材と、を有することを特徴とする[8]に記載の組電池用熱制御シート。
[10] 前記中間層の熱伝導率は、前記断熱材の熱伝導率の10倍以上であることを特徴とする[8]又は[9]に記載の組電池用熱制御シート。
[11] 前記中間層の熱伝導率は、前記板状部の熱伝導率以上であることを特徴とする[8]~[10]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
[12] 前記中間層は、金属又はセラミックにより構成されることを特徴とする[8]~[11]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
[13] 前記断熱材は、無機繊維、有機繊維、無機粒子及び有機粒子から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする[1]~[12]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シート。
また、本発明の上記目的は、組電池に係る下記[14]の構成により達成される。
[14] 電池ケースと、
前記電池ケースの内部に格納され、直列又は並列に接続された複数の電池セルと、
前記複数の電池セル間に介在される[1]~[13]のいずれか1つに記載の組電池用熱制御シートと、を有し、
前記表面層における前記凸部を除く領域と前記電池セルとの間に気体の流路を有することを特徴とする組電池。
本発明の組電池用熱制御シートは、複数の電池セルが直列又は並列に接続された組電池に使用される熱制御シートであって、一対の表面層は電池セルに向かって突出する複数の凸部を有し、電池セルとの間に気体の流路が形成されるため、隣接する電池セルに向かう対流伝熱が抑制されるとともに、電池セルを冷却することができる。また、表面層における板状部は、これらの間に配設された断熱材よりも放射率が低く、熱伝導率が高いものである。
したがって、電池セルから発生した熱は、表面層を介して、放射伝熱の抑制効果と伝導伝熱による熱の拡散効果により減少させることができるとともに、断熱材を介して段階的に小さくすることができる。その結果、一方の電池セルから発生した熱が、隣接する電池セルに伝播することを抑制することができ、熱暴走の連鎖を防止することができる。
本発明の組電池は、上記熱制御シートを複数の電池セル間に介在させているため、通常使用時及び異常時において、効率的に熱拡散することができるとともに、電池セル間の熱の伝播を抑制することができ、熱暴走の連鎖を阻止することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る組電池用熱制御シートを適用した組電池を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第4の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。
本発明者らは、高温の熱が発生する異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制しつつ、比較的低温の熱が発生する通常使用時においても、電池セルから発生した熱を効率的に外部に拡散し、電池セルを冷却することができる組電池用熱制御シートを提供するため、鋭意検討を行った。
その結果、本発明者らは、電池セルに対向する表面に、複数の凸部を有する一対の表面層を配設し、一対の表面層の間に断熱材を配設することにより熱制御シートを構成し、表面層における電池セルに対向する板状部において、断熱材よりも放射率を低く、熱伝導率を高くすることにより上記課題を解決できることを見出した。
具体的には、本発明に係る組電池用熱制御シートの表面層は、該電池セルに対向する面に凸部を有しているため、凸部を除く領域と電池セルとの間に気体の流路が形成される。したがって、ある電池セルの温度が上昇した場合に、この電池セルの近傍における気体の温度が上昇すると、この気体が流路を介して熱制御シートの外部に移動するため、放熱が促される。したがって、電池セルから電池セルに向かう対流伝熱が抑制される。また、これと同時に、熱制御シートの外部に存在する低温の気体が流路を介して電池セルの表面に流入するため、電池セルを効率的に冷却することができる。
また、表面層は電池セルに対向する面を有する板状部を有し、この板状部は電池セルからの放射伝熱を抑制するとともに、板状部に到達した熱を伝導伝熱により拡散させる効果を有する。そして、表面層及び断熱材を介することにより電池セルから発生する熱量は低減された後、他方の表面層により、隣接する電池セルへの放射伝熱が抑制されるとともに、伝導伝熱により拡散することができる。
このようにして、表面層を利用して、対流伝熱及び放射伝熱を抑制するとともに、伝導伝熱によって熱を拡散することにより、ある電池セルが高温になった場合に、熱を外部に拡散するとともに電池セルを冷却することができ、隣接する電池セルに到達するまでに段階的に熱伝達を抑制することができるため、熱暴走の連鎖を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することができる。
[1.組電池用熱制御シート]
以下、本発明の実施形態に係る組電池用熱制御シートについて、第1の実施形態から第4の実施形態までを順に説明する。その後、本実施形態に係る組電池用熱制御シートを構成する凸部を有する表面層、断熱材等について説明する。さらに、本実施形態に係る組電池用熱制御シートの製造方法について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。以下、組電池用熱制御シートを、単に「熱制御シート」ということがある。
第1の実施形態に係る組電池用熱制御シート10は、一対の表面層11a、11bを有し、表面層11aと表面層11bと間に、断熱材13が配設されている。また、表面層11aは後述する電池セルに対向する面を有する板状部21aを有し、板状部21aにおける、断熱材13側の反対側の面には、複数の凸部14aが形成されている。同様に、表面層11bは板状部21bを有し、板状部21bにおける、断熱材13側の反対側の面には、複数の凸部14bが形成されている。すなわち、熱制御シート10は、表面層11a、11b及び断熱材13の積層方向に直交する外表面に、複数の凸部14a及び凸部14bを有する構成となっている。
第1の実施形態において、表面層11a、11bの板状部21a、21bは、断熱材13よりも放射率が低く、熱伝導率が高い材料からなるものであり、例えばステンレス鋼板である。また、凸部14a、14bは、例えば板状部21a、21bを構成する板部材に接着剤を固着させることにより形成されている。さらに、断熱材13は、例えばアルミナファイバである。
図2は、第1の実施形態に係る組電池用熱制御シートを適用した組電池を模式的に示す断面図である。組電池100は、電池ケース30と、電池ケース30の内部に格納された複数の電池セル20a、20b、20cと、電池セル20aと電池セル20bとの間、及び電池セル20bと電池セル20cとの間に介在された熱制御シート10と、を有する。複数の電池セル20a、20b、20cは、不図示のバスバー等により、直列又は並列に接続されている。
また、熱制御シート10は、外表面、すなわち電池セル20a、20b、20cに向かって突出する複数の凸部14a及び凸部14bを有しているため、熱制御シート10と電池セル20a、20b、20cとの間に気体の流路18が形成されている。
なお、電池セル20a、20b、20cは、例えば、リチウムイオン二次電池が好適に用いられるが、特にこれに限定されず、その他の二次電池にも適用され得る。
ここで、従来の一般的な組電池において、複数の電池セルの間に配置されるシートは、電池セルに最も近い面に断熱材が配置されている。
これに対して、第1の実施形態に係る熱制御シート10においては、例えば電池セル20aに向かって突出する凸部14aを有する表面層11aが配設されている。また、電池セル20aに対向する面を有する板状部21aとしては、断熱材13よりも放射率が低く、熱伝導率が高いステンレス鋼板が使用されている。
同様に、各電池セル20b、20cにおいても、隣接する電池セルとの間に熱制御シート10が配置されており、各電池セル20b、20cに向かって突出する凸部14aを有する表面層11a又は凸部14bを有する表面層11bが配設されている
このように構成された第1の実施形態において、例えば、電池セル20aの温度が上昇した場合に、電池セル20aと熱制御シート10との間の流路18における気体の温度が上昇する。その後、熱せられた気体は流路18を介して、電池セル20aと熱制御シート10との間から外部に放出されるため、電池セル20aから電池セル20bに向かう対流伝熱が抑制される。
また、熱せられた気体が移動することにより、他の領域に存在していた低温の気体が、流路18内に流入するため、電池セル20aを効率的に冷却することができる。
さらに、板状部21aは、断熱材13よりも放射率が低いため、断熱材13側への放射伝熱を抑制することができる。また、板状部21aは、断熱材13よりも熱伝導率が高いため、板状部21aに伝播された熱の一部は、その面方向に伝播される。このようにして、電池セル20aから発生した熱量は、表面層11aを介することにより低減され、断熱材13側への熱伝達が抑制される。
なお、板状部21aの面方向とは、板状部21aの厚さ方向に直交する面の方向をいう。
そして、表面層11aによって低減された残部の熱は、断熱材13を介することによりさらに低減された後、他方の表面層11bに到達する。表面層11bに到達した熱は、表面層11aの場合と同様に、板状部21bによって電池セル20bへの放射伝熱を抑制することができるとともに、熱の一部が板状部21bの面方向に伝播されるため、電池セル20bへの熱伝達を抑制することができる。
このように、電池セル20aと電池セル20bとが、熱制御シート10を介して配置されることにより、電池セル20aから熱が発生した場合に、効率的に電池セル20aを冷却することができる。また、電池セル20b側への伝導伝熱が抑制され、熱を拡散することができるとともに、対流伝熱及び放射伝熱が抑制されるため、電池セル間の熱の伝播を抑制することができ、熱暴走の連鎖を阻止することができる。
なお、熱制御シート10は、断熱材13を中心として厚み方向に対称に構成されている。したがって、電池セル20bから熱が発生した場合であっても、この熱は電池セル20a側に向かって、表面層11b、断熱材13及び表面層11aをこの順に介することにより段階的に低減され、電池セル20aへの熱の伝播を抑制することができる。
同様に、電池セル20bから発生した熱は電池セル20c側に向かって、表面層11a、断熱材13及び表面層11bをこの順に介することにより段階的に低減されるため、電池セル20cへの熱の伝播を抑制することができる。
また、本実施形態において、表面層11a、11bは、ステンレス鋼板の一方の面に所望の量の接着剤を配置し、この接着剤を固化させることにより得ることができる。したがって、極めて容易に凸部14a、14bを有する表面層11a、11bを作製することができる。
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。図3に示す第2の実施形態、図4に示す第3の実施形態、及び図5に示す第4の実施形態において、上記第1の実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略又は簡略化する。また、第2~第4の実施形態は、図2に示す組電池100に記載の熱制御シート10に代えて使用することができるため、第2~第4の実施形態に係る熱制御シートを組電池100に適用したものとして、以下にその効果等を説明する。
第2の実施形態に係る組電池用熱制御シート40は、一対の表面層41a、41bを有し、表面層41aと表面層41bと間に、断熱材13が配設されている。また、表面層41aは板状部42aを有し、板状部42aには、電池セルに向かって突出する複数の凸部43aが形成されている。同様に、表面層41bは板状部42bを有し、板状部42aには、電池セルに向かって突出する複数の凸部43bが形成されている。なお、本実施形態において、板状部42aと凸部43a、及び板状部42bと凸部43bは、それぞれステンレス鋼により一体成形されることにより、表面層41a及び表面層41bが構成されている。すなわち、第2の実施形態における板状部42a、42bとは、表面層11a、11bにおける凸部43a、43bを除く部分を表す。
このように構成された第2の実施形態においても、例えば、電池セル20aの温度が上昇した場合に、電池セル20aと熱制御シート40との間に気体の流路が存在するため、熱せられた気体は電池セル20aと熱制御シート10との間から外部に放出される。したがって、電池セル20aから電池セル20bに向かう対流伝熱が抑制される。
また、熱せられた気体が移動することにより、他の領域に存在していた低温の気体が、流路内に流入するため、電池セル20aを効率的に冷却することができる。
さらに、本実施形態においては、板状部21a及び凸部43aは、断熱材13よりも放射率が低いため、断熱材13側への放射伝熱を抑制することができる。また、板状部21a及び凸部43aは、断熱材13よりも熱伝導率が高く、凸部43aは電池セル20aに接しているため、電池セル20aから発生した熱は凸部43aを介して板状部21aに容易に伝播される。そして、板状部21aに伝播された熱の一部は、その面方向に伝播され、外部に放出される。このようにして、電池セル20aから発生した熱量は、表面層11aを介することにより低減され、断熱材13側への熱伝達が抑制される。
第1の実施形態と同様に、表面層11aによって低減された残部の熱は、断熱材13及び他方の表面層11bに到達し、さらに板状部21bによって電池セル20bへの放射伝熱を抑制することができるとともに、伝導伝熱によって熱の一部が板状部21bの面方向に伝播されるため、電池セル20bへの熱伝達を抑制することができ、熱暴走の連鎖を阻止することができる。
なお、熱制御シート10は、断熱材13を中心として厚み方向に対称に構成されている。したがって、電池セル20bから熱が発生した場合であっても、この熱は電池セル20a側に向かって、表面層11b、断熱材13及び表面層11aをこの順に介することにより段階的に低減され、電池セル20aへの熱の伝播を抑制することができる。
同様に、電池セル20bから発生した熱は電池セル20c側に向かって、表面層11a、断熱材13及び表面層11bをこの順に介することにより段階的に低減されるため、電池セル20cへの熱の伝播を抑制することができる。
また、上述のとおり、第2の実施形態においては、ステンレス鋼により凸部43a、43b及び板状部42a、42bを有する表面層11a、11bが構成されているため、表面層11a、11bの全体において、放射伝熱を抑制することができるとともに、伝導伝熱によって熱を面方向に放出することができる。
<第3の実施形態>
図4は、本発明の第3の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。
第3の実施形態に係る組電池用熱制御シート50は、表面層11aと表面層11bとの間に中間層12が配設されている。また、表面層11aと中間層12との間、及び表面層11bと中間層12との間には、それぞれ断熱材13a、13bが配設されている。表面層11a、11bの構成は、第1の実施形態と同様である。なお、中間層12は、板状部21a、21bと同様に、断熱材13a、13bよりも放射率が低く、熱伝導率が高い材料からなるものであり、例えばアルミニウム板である。
このように構成された第3の実施形態において、電池セル20aの温度が上昇した場合に、表面層11aが存在することにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、表面層11aによって低減された残部の熱は、断熱材13aを介することによりさらに低減された後、中間層12に到達する。中間層12は、板状部21aと同様に、断熱材13a、13bよりも放射率が低いため、次の層、すなわち断熱材13bへの放射伝熱を抑制することができる。さらに、中間層12は、断熱材13a、13bよりも熱伝導率が高いため、中間層12に到達した熱の一部は、中間層12の面方向に伝播され、熱制御シート10の外部に拡散される。なお、中間層12の面方向とは、中間層12の厚さ方向に直交する面の方向をいう。
さらに同様にして、中間層12によって低減された熱は、断熱材13b及び表面層11bを介することによりさらに低減される。
このように、第3の実施形態においても、電池セル20aと電池セル20bとが、熱制御シート50を介して配置されることにより、電池セル20aから熱が発生した場合に、効率的に電池セル20aを冷却することができる。また、一対の表面層11a、11bの間に、断熱材13a、13bを介して中間層12を有しているため、電池セル20b側への放射伝熱がより一層抑制され、熱を拡散することができるとともに、電池セル間の熱の伝播を抑制することができ、熱暴走の連鎖をより一層抑制することができる。
なお、熱制御シート50は、中間層12を中心として厚み方向に対称に構成されている。したがって、電池セル20bから熱が発生した場合であっても、この熱は電池セル20a側に向かって、表面層11b、断熱材13b、中間層12、断熱材13a及び表面層11aをこの順に介することにより段階的に低減され、電池セル20aへの熱の伝播を抑制することができる。
同様に、電池セル20bから発生した熱は電池セル20c側に向かって、表面層11a、断熱材13a、中間層12、断熱材13b及び表面層11bをこの順に介することにより段階的に低減されるため、電池セル20cへの熱の伝播を抑制することができる。
<第4の実施形態>
上記第3の実施形態では、組電池用熱制御シート50は、凸部14aを有する表面層11a、断熱材13a、中間層12、断熱材13b、凸部14bを有する表面層11bがこの順に配列された5層の構造を有するものとしたが、本発明の組電池用熱制御シートは5層に限定されない。
例えば、2層の中間層と、隣り合う2層の中間層の間に配設された断熱材と、を有するものでもよい。
図5は、本発明の第4の実施形態に係る組電池用熱制御シートを模式的に示す断面図である。
第4の実施形態に係る組電池用熱制御シート15は、一対の表面層11a、11bと、表面層11aと表面層11bとの間に配設された2枚の中間層12a、12bと、それぞれの層の間に配設された断熱材13a、13b、13cとを有する。
第4の実施形態において、表面層11a、11bの構成、断熱材13a、13b、13cの材料、及び中間層12a、12bの材料は、第3の実施形態と同様のものとする。
このように構成された第4の実施形態においても、電池セル20aから発生した熱は、表面層11aを介することにより、断熱材13a側への対流伝熱を抑制することができるとともに、電池セル20aを効率的に冷却することができる。また、断熱材13a側への放射伝熱を抑制することができ、伝導伝熱により、熱を外部に拡散することができる。
その後、断熱材13aに到達した熱は、断熱材13aによりさらに低減された後、中間層12aに到達する。中間層12aは、断熱材13c側への放射伝熱を抑制するとともに、中間層12aに到達した熱を中間層12aの面方向に拡散するため、断熱材13c側への熱の伝達を抑制することができる。
同様にして、断熱材13c、中間層12b、断熱材13b及び表面層11bを介して、電池セル20bに近づくにしたがって、段階的に放射伝熱が抑制されるとともに、伝導伝熱により熱拡散される。したがって、電池セル間の熱の伝播を効率的に抑制することができ、熱暴走の連鎖を抑制することができる。
なお、中間層を、例えば3層以上とし、それぞれの中間層の間に断熱材を配設した構成であっても、本発明の効果を得ることができる。ただし、層を増加させることにより、熱制御シートの全体としての厚さが増加したり、断熱材1枚の厚さが減少したりすることになるため、要求される性能に応じて、中間層の層数及び断熱材の厚さ等を適切に選択することが好ましい。
次に、本発明に係る組電池用熱制御シートを構成する表面層、中間層、断熱材等について、詳細に説明する。
<表面層>
本実施形態に係る組電池用熱制御シートに用いられる表面層は、電池セルに対向する面を有する板状部と、板状部から電池セルに向かって突出する複数の凸部を有する。
表面層の形態としては、第1、第3及び第4の実施形態で示すように、板部材に凸部材料が接着されたものでもよいし、第2の実施形態で示すように、凸部と板状部とが一体成形されたものでもよい。
(板状部)
表面層における板状部は、電池セルからの放射伝熱を抑制する効果と、表面層に到達した熱を伝導伝熱により拡散させる効果とを有する。したがって、少なくとも板状部は、後述する断熱材よりも放射率が低く、熱伝導率が高いものとする。板状部の放射率の具体的な値としては、0.5未満であることが好ましく、0.2未満であることがより好ましい。また、板状部の熱伝導率の具体的な値としては、5(W/m・K)以上であることが好ましく、15(W/m・K)以上であることがより好ましい。
なお、板状部の熱伝導率は、下記(1)~(3)に示すように、レーザフラッシュ法及び示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)法により算出することができる。
(1)JIS H 7801に記載の「金属のレーザフラッシュ法による熱拡散率の測定方法」に準拠し、熱拡散率を測定する。
(2)JIS R 1672に記載の「長繊維強化セラミックス複合材料の示差走査熱量法による比熱容量測定方法」に準拠し、比熱容量を測定する。
(3)(1)及び(2)で得られた値に基づいて、熱伝導率を算出する。
また、板状部の放射率は、JIS R 1693に記載の「ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法」に準拠して、測定することができる。
板状部としては、例えば、金属又はセラミックにより構成されているものであることが好ましい。なお、異常時に電池セルの温度が著しく上昇した場合に、電池セルの近傍に位置している板状部が溶融等によって損傷することを抑制するために、融点が600℃以上である金属、又はセラミックにより板状部が構成されていることがより好ましい。また、融点が900℃以上である金属により板状部が構成されていることがさらに好ましい。
板状部の材料として、具体的には、ステンレス鋼、銅又は銅合金、銀又は銀合金、ニッケル又はニッケル合金及びチタン又はチタン合金から選択された少なくとも一種の金属、又はAlN、SiC及びTiNから選択された1種のセラミックを使用することが好ましい。これらの材料のうち、ステンレス鋼及び銀は、融点がそれぞれ約1400℃、約960℃であり、電池セルが高温になった場合であっても溶融するおそれがない。また、ステンレス鋼及び銀は、他の金属と比較して酸化しにくく、高温に晒されても放射率の上昇が少ない。したがって、本実施例においては、表面層の材料として、ステンレス鋼、銀又は銀合金を好適に使用することができる。
なお、上記板状部の材料から選択された2種以上の金属を積層した複合層を、板状部とすることもできる。板状部として複合層を採用する場合は、上記2種以上の金属層は、いずれも断熱材よりも放射率が低いとともに、断熱材よりも熱伝導率が高いものを選択する。このような板状部としては、例えば、[銀/銅/銀]複合層、[ニッケル/銅/ニッケル]複合層、[ニッケル/ステンレス鋼/ニッケル]複合層、[銀/ステンレス鋼/銀]複合層等が挙げられる。上記複合層における銀、銅、ニッケルは、それぞれ合金の形であってもよい。
また、上記複合層は、中心となる基層の両面に、湿式めっき又は蒸着等により金属層を形成する方法や、異なる材料からなる金属箔を積層する方法により得ることができる。
板状部の材料として上述した金属の熱伝導率は、5~450(W/m・K)であり、後述する断熱材の熱伝導率(例えば、0.05(W/m・K))よりも十分に大きいため、表面層に到達した熱を効率的に拡散することができる。断熱材と比較した場合の具体的な熱伝導率としては、表面層の熱伝導率は、断熱材の熱伝導率の10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。
また、板状部による放射伝熱の抑制効果及び伝導伝熱による熱の拡散効果を十分に得るためには、板状部の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、30μm以上であることがさらにより好ましく、50μm以上であることが特に好ましい。一方、熱制御シートとしての全体の厚さを考慮し、板状部の厚さは300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
さらに、板状部は、一層からなるものであっても、同一の材料からなる薄膜が複数層積層されたものでもよい。同一の材料からなる薄膜が積層されて板状部を構成する場合に、複数層の合計の厚さは、一層からなる板状部の厚さと同じであれば、同様の効果が得られる。したがって、板状部が複数層からなる場合であっても、その合計の厚さは上記範囲であることが好ましい。
(凸部)
上述のとおり、凸部は、板部材に接着剤のような凸部材料を固着させることにより形成されていても、板状部と一体成形されていてもよい。
凸部材料として用いることができる接着剤としては、例えば、二酸化ケイ素を主とした混合物等を用いることができる。
また、凸部と板状部とを異なる材料で形成する場合に、凸部材料としては、凸部が接している電池セルの温度が著しく上昇した場合に、溶融しない材質であることが好ましい。具体的には、凸部材料の融点は600℃以上であるであることが好ましく、900℃以上であることがより好ましい。このような材質として、上記接着剤の他に、シリカゾル、セラミックファイバの粉砕物、ガラス等を使用することもでき、このような凸部材料と板部材とを任意の方法で接着することにより、表面層を形成することもできる。
なお、本発明に係る熱制御シートは、熱制御シートと電池セルとの間に気体の流路が形成されれば、対流伝熱の抑制と、電池セルの冷却とを実現できるため、凸部の形状は特に限定されない。具体的な凸部の形状としては、円柱状、角柱状、半球状のものの他、畝状に延びる形状であってもよい。
<断熱材>
本実施形態に係る組電池用熱制御シートに用いられる断熱材としては、断熱効果を有するものであれば、特に限定されない。断熱効果を表す指標として、熱伝導率を挙げることができるが、本実施形態においては、断熱材の熱伝導率は1(W/m・K)未満であることが好ましく、0.5(W/m・K)未満であることがより好ましく、0.2(W/m・K)未満であることがより好ましい。さらに、断熱材の熱伝導率は0.1(W/m・K)未満であることがより好ましく、0.05(W/m・K)未満であることがより好ましく、0.02(W/m・K)未満であることが特に好ましい。
このような断熱材として、例えば、無機繊維、有機繊維、無機粒子及び有機粒子から選択された少なくとも一種を含有するものを用いることができる。
なお、断熱材の熱伝導率は、JIS R 2251に記載の「耐火物の熱伝導率の試験方法」に準拠して、測定することができる。
無機繊維としては、アルミナファイバ、カーボンファイバ、バサルトファイバ、ソルブルファイバ、リフラクトリーセラミックファイバ、グラスファイバ、エアロゲル複合材等を使用することができる。
有機繊維としては、セルロースファイバ等を使用することができる。
なお、これらの繊維については、単一の繊維を使用してもよいし、2種以上の繊維を組み合わせて使用してもよい。
無機粒子としては、マイカ、マイクロポーラス粒子、中空シリカ粒子、熱膨張性無機材料及びエアロゲルを使用することができる。
熱膨張性無機材料としては、バーミキュライト、ベントナイト、雲母、パーライト等を挙げることができる。
有機粒子としては、中空ポリスチレン粒子等を使用することができる。
これらの断熱材としての材料のうち、アルミナファイバ、グラスファイバ、エアロゲル複合材等を、好適に使用することができる。
(中間層)
本実施形態に係る組電池用熱制御シートに用いられる中間層は、次の層への放射伝熱を抑制する効果と、中間層に到達した熱を伝導伝熱により拡散させる効果を有する。したがって、表面層における板状部と同様に、後述する断熱材よりも放射率が低く、熱伝導率が高いことが重要である。中間層の放射率の具体的な値としては、0.5未満であることが好ましく、0.2未満であることがより好ましい。また、中間層の熱伝導率の具体的な値としては、10(W/m・K)以上であることが好ましく、100(W/m・K)以上であることがより好ましい。
中間層としては、例えば、金属又はセラミックにより構成されているものであることが好ましい。
なお、中間層の熱伝導率及び放射率は、上記板状部の熱伝導率及び放射率と同様にして、算出することができる。
中間層の材料として、金属を用いる場合には、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金、ステンレス鋼、銅又は銅合金、銀又は銀合金、ニッケル又はニッケル合金及びチタン又はチタン合金から選択された少なくとも一種の金属を使用することが好ましい。
なお、上記中間層の材料から選択された2種以上の金属を積層した複合層を、中間層とすることもできる。中間層として複合層を採用する場合は、上記2種以上の金属層は、いずれも断熱材よりも放射率が低いとともに、断熱材よりも熱伝導率が高いものを選択する。このような中間層としては、例えば、[アルミニウム/銅/アルミニウム]複合層、[アルミニウム/銀/アルミニウム]複合層、[ニッケル/ステンレス鋼/ニッケル]複合層、[銀/ステンレス鋼/銀]複合層等が挙げられる。上記複合層におけるアルミニウム、銅、銀は、それぞれ合金の形であってもよい。
上記複合層は、中心となる基層の両面に、湿式めっき又は蒸着等により金属層を形成する方法や、異なる材料からなる金属箔を積層する方法により得ることができる。
中間層の材料として、セラミックを用いる場合には、AlN、SiC及びTiNから選択された1種のセラミックを使用することができる。
なお、表面層と同様に、中間層の材料として上述した金属の熱伝導率は、5~450(W/m・K)であり、後述する断熱材の熱伝導率(例えば、0.05(W/m・K))よりも十分に大きいため、中間層に到達した熱を効率的に拡散することができる。断熱材と比較した場合の具体的な熱伝導率としては、中間層の熱伝導率は、断熱材の熱伝導率の10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。
また、中間層が金属により構成されている場合に、伝導伝熱による熱の拡散効果を十分に得るためには、中間層の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、30μm以上であることがさらにより好ましく、50μm以上であることが特に好ましい。一方、熱制御シートとしての全体の厚さを考慮し、中間層の厚さは300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
さらに、中間層は、図4に示すように、一層からなるものであっても、同一の材料からなる薄膜が複数層積層されたものでもよい。同一の材料からなる薄膜が積層されて中間層を構成する場合に、複数層の合計の厚さは、一層からなる中間層の厚さと同じであれば、同様の効果が得られる。したがって、中間層が複数層からなる場合であっても、その合計の厚さは上記範囲であることが好ましい。
また、中間層は、一方の面に到達した熱を面方向に伝達して、熱制御シートの外部に拡散する効果が高いことが好ましい。したがって、中間層の熱伝導率は、上記板状部の熱伝導率以上であることが好ましい。また、同様の理由により、中間層の放射率は、上記板状部の放射率以上であることが好ましい。
したがって、上記中間層の材料のうち、アルミニウム又はアルミニウム合金、及び銅又は銅合金は、表面層の材料として好適であるステンレス鋼と比較して熱伝導率が高いため、より好適に使用することができる。ただし、放射率は、物質の種類と表面の状態により変化するため、表面状態等も考慮して材料を選択することが好ましい。
<熱制御シートの厚さ>
本実施形態において、熱制御シートの厚さは特に限定されないが、0.05~6mmの範囲にあることが好ましい。熱制御シートの厚さが0.05mm以上であると、充分な機械的強度を熱制御シートに付与することができる。一方、熱制御シートの厚さが6mm以下であると、良好な組付け性を得ることができる。
続いて、本実施形態に係る組電池用熱制御シートの製造方法について説明する。
<熱制御シートの製造方法>
本実施形態に係る熱制御シートは、上述のとおり、板部材に凸部材料を接着するか、一体成形により凸部を有する表面層を準備し、一対の表面層の間に、断熱材を配置することにより得ることができる。中間層を有する場合は、一対の表面層の間に、一対の断熱材を配置し、その間に中間層を配置することにより得ることができる。これらは接合しても接合しなくてもよく、接合する場合は、例えば、積層されたシートの周縁部を接着又は溶着等により固定する方法を利用することができる。
[2.組電池]
本実施形態に係る組電池は、複数の電池セルが直列又は並列に接続される組電池であって、本実施形態に係る組電池用熱制御シートが、電池セル間に介在されたものである。具体的には、例えば、図2に示すように、組電池100は、複数個の電池セル20a、20b、20cが並設され、直列又は並列に接続されて電池ケース30に格納されたものであり、電池セル20a、20b、20c間に、熱制御シート10が介在されている。
このような組電池100では、各電池セル20a、20b、20cの間に、熱制御シート10が介在されているため、通常使用時において、各電池セル20a、20b、20c間の熱の伝播を抑制することができる。
また、複数の電池セル20a、20b、20cのうち、一つの電池セルが熱暴走して高温になり、膨張したり発火したりする場合でも、本実施形態に係る熱制御シート10が存在することにより、電池セル20a、20b、20c間の熱の伝播を抑制することができる。したがって、熱暴走の連鎖を阻止することができ、他の電池セルへの悪影響を最小限に抑えることができる。
なお、本実施形態に係る熱制御シートは、表面層、中間層及び断熱材の種類及び厚さの選択によっては、容易に屈曲可能なものとなる。したがって、電池セル20a、20b、20c及び電池ケース30の形状に影響されず、どのような形状のものにも対応させることができる。具体的には、角型電池の他、円筒形電池、平板型電池等にも適用することができる。
10,15,40,50 組電池用熱制御シート
11a,11b,41a,41b 表面層
12,12a,12b 中間層
13,13a,13b,13c 断熱材
14a,14b,43a,43b 凸部
20a,20b,20c 電池セル
21a,21b,42a,42b 板状部
30 電池ケース
100 組電池

Claims (14)

  1. 複数の電池セルが直列又は並列に接続される組電池に使用され、前記電池セル間に介在される組電池用熱制御シートであって、
    一対の表面層と、
    前記一対の表面層の間に配設された断熱材と、を有し、
    前記表面層は、前記電池セルに対向する面を有する板状部と、前記対向する面から前記電池セルに向かって突出する複数の凸部と、を有し、
    前記板状部は、前記断熱材よりも放射率が低いとともに、前記断熱材よりも熱伝導率が高いことを特徴とする組電池用熱制御シート。
  2. 前記表面層は、前記板状部を構成する板部材の表面に、複数の凸部材料が接着されたものであることを特徴とする請求項1に記載の組電池用熱制御シート。
  3. 前記凸部は、前記板部材の表面に固着された接着剤であることを特徴とする請求項2に記載の組電池用熱制御シート。
  4. 前記表面層は、前記板状部と前記凸部が一体成形されることにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の組電池用熱制御シート。
  5. 前記断熱材の熱伝導率は1(W/m・K)未満であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  6. 前記板状部の熱伝導率は、前記断熱材の熱伝導率の10倍以上であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  7. 前記板状部は、融点が600℃以上である金属、又はセラミックにより構成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  8. 前記一対の表面層の間に配設された中間層を有し、
    前記断熱材は前記一対の表面層と前記中間層との間にそれぞれ配設され、
    前記中間層は、前記断熱材よりも放射率が低いとともに、前記断熱材よりも熱伝導率が高いことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  9. 2層以上の前記中間層と、
    隣り合う前記中間層の間に配設された断熱材と、を有することを特徴とする請求項8に記載の組電池用熱制御シート。
  10. 前記中間層の熱伝導率は、前記断熱材の熱伝導率の10倍以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の組電池用熱制御シート。
  11. 前記中間層の熱伝導率は、前記板状部の熱伝導率以上であることを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  12. 前記中間層は、金属又はセラミックにより構成されることを特徴とする請求項8~11のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  13. 前記断熱材は、無機繊維、有機繊維、無機粒子及び有機粒子から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シート。
  14. 電池ケースと、
    前記電池ケースの内部に格納され、直列又は並列に接続された複数の電池セルと、
    前記複数の電池セル間に介在される請求項1~13のいずれか1項に記載の組電池用熱制御シートと、を有し、
    前記表面層における前記凸部を除く領域と前記電池セルとの間に気体の流路を有することを特徴とする組電池。
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