JP2022141176A - 遅れ時間監視装置、遅れ時間監視プログラム、及び、遅れ時間監視方法 - Google Patents

遅れ時間監視装置、遅れ時間監視プログラム、及び、遅れ時間監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザが空気供給系統の不調を適切に把握できる遅れ時間監視装置などを提供する。【解決手段】遅れ時間監視装置は、燃焼装置で空気供給系統に対して空気の供給開始指令が発せられてから空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間Tdを取得する取得部21Aと、取得部21Aにより取得された複数回分の燃焼シーケンスの遅れ時間Tdの集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを直近統計データとして得る解析部21Bと、を備える。遅れ時間監視装置は、さらに、直近統計データと、燃焼シーケンスが複数回実行されたときの遅れ時間Tdの集合の統計データとして用意された基準となる基準統計データとを比較し、比較結果を出力する比較部21Cを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を監視する遅れ時間監視装置、遅れ時間監視プログラム、及び、遅れ時間監視方法に関する。
燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を監視することで、空気供給系統が正常であるかを確認するための技術が開発されている。特許文献1には、この遅れ時間が所定範囲から外れたときに、空気供給系統が不調であると判定する技術が開示されている。
特開2019-20036号公報
上記特許文献1に記載の技術も有用であるが、当該技術は、遅れ時間が所定範囲から外れたときに空気供給系統が不調であると判定するのみで、遅れ時間の変化の傾向などが考慮されていない。従って、当該技術についても改良の余地がある。
本発明は、ユーザが空気供給系統の不調を適切に把握できる、遅れ時間監視装置、遅れ時間監視プログラム、及び、遅れ時間監視方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る遅れ時間監視装置は、燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を取得するように構成された取得部と、前記取得部により取得された複数回分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを第1統計データとして得るように構成された解析部と、前記第1統計データと、前記指令が複数回発せられたときの前記遅れ時間の集合の統計データとして用意された基準となる第2統計データとを比較し、比較結果を出力するように構成された比較部と、を備える。
前記解析部は、前記取得部により取得された、前記燃焼装置の空気供給系統に不調が発生する前に発せられた前記複数回分と同回数分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を、前記第1統計データを得るときと同じ手法で統計的に解析し、当該集合の統計データを前記第2統計データとして得るように構成されている、ようにしてもよい。
前記第1統計データは、遅れ時間の階級それぞれに属する遅れ時間の個数の分布を示す第1分布データを含み、前記第2統計データは、遅れ時間の階級それぞれに属する遅れ時間の個数の分布を示す第2分布データを含む、ようにしてもよい。
前記比較部は、第1軸を遅れ時間の階級とし、第2軸を遅れ時間の個数として、前記第1分布データと前記第2分布データとを互いに関連付けてグラフ化することで、前記第1統計データと前記第2統計データとを比較し、互いに関連付けられてグラフ化された前記第1分布データ及び前記第2分布データの各グラフを前記比較結果として出力する、ように構成されている、ようにしてもよい。
前記比較部は、前記第1統計データと前記第2統計データとの差に基づいて、前記燃焼装置の空気供給系統の不調の有無を推定し、推定の結果を前記比較結果として出力するように構成されている、ようにしてもよい。
前記第1統計データ及び前記第2統計データは、遅れ時間の平均値と、遅れ時間の階級それぞれに属する遅れ時間の個数の分布における最頻値と、前記分布における中央値と、のいずれかの統計量を含み、前記比較部は、前記第1統計データの前記統計量が前記第2統計データの前記統計量よりも大きい場合に、前記空気供給系統に不調があると推定し、その旨を前記推定の結果として出力する、ようにしてもよい。
本発明の第2の観点に係る遅れ時間監視プログラムは、コンピュータに、燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された複数回分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを第1統計データとして得る解析ステップと、前記第1統計データと、前記指令が複数回発せられたときの前記遅れ時間の集合の統計データとして用意された基準となる第2統計データとを比較し、比較結果を出力する比較ステップと、を実行させる。
本発明の第3の観点に係る遅れ時間監視方法は、燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を監視する遅れ時間監視方法であって、複数回分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを第1統計データとして得る解析ステップと、前記第1統計データと、前記指令が複数回発せられたときの前記遅れ時間の集合の統計データとして用意された基準となる第2統計データとを比較する比較ステップと、を有する。
本発明によれば、ユーザが空気供給系統の不調を適切に把握できる。
図1は、本発明の実施形態に係る火炎監視装置を有する燃焼システムの構成図である。 図2は、燃焼システムで実行される燃焼シーケンスのタイミングチャートである。 図3は、遅れ時間監視装置のハードウェア構成図である。 図4は、遅れ時間監視装置の一部構成図である。 図5は、取得部により実行される遅れ時間格納処理のフローチャートである。 図6は、遅れ時間群のデータ内容例を示す図である。 図7は、解析部により実行される基準統計データ生成処理のフローチャートである。 図8は、基準分布データのデータ内容例を示す図である。 図9は、図8の基準分布データのグラフ(度数折れ線)である。 図10は、直近分布データと基準分布データとを同じ座標平面にグラフ(度数折れ線)化したグラフである。 図11は、直近分布データと基準分布データとを同じ座標平面にグラフ(度数折れ線)化したグラフである。 図12は、直近分布データと基準分布データとを同じ座標平面にグラフ(度数折れ線)化したグラフである。 図13は、変形例に係る比較部が実行する推定結果出力処理のフローチャートである。 図14は、変形例に係る遅れ時間を説明するためのタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態及びその変形例について、図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る遅れ時間監視装置20は、燃焼システム10に使用される。遅れ時間監視装置20は、燃焼システム10の後述の燃焼装置30で空気の供給開始の指令が発せられてから空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間Tdを監視する。ユーザは、この監視結果(後述の比較結果)を確認することで、空気供給系統60の不調の有無を確認する。「不調」とは、燃焼装置30が運転不可となる前の燃焼装置30が動作可能な程度の異常つまり軽度の異常をいう。
燃焼システム10は、遅れ時間監視装置20の他、燃焼を行う燃焼装置30と、燃焼装置30を制御する燃焼制御装置70と、を備えている。以下、燃焼装置30及び燃焼制御装置70を先に説明してから遅れ時間監視装置20について説明する。
燃焼装置30は、燃焼機器40と、燃料供給系統50と、空気供給系統60と、制御モータMと、高開度位置センサHSと、低開度位置センサLSと、を備えている。
燃焼機器40は、燃焼室R内で燃料(ここでは、燃料ガス)を燃焼させる。燃焼機器40は、燃焼室Rを形成する燃焼炉41と、燃料を燃焼させて燃焼室R内を加熱するメインバーナ42と、燃料を燃焼させてメインバーナ42を点火するパイロットバーナ43と、パイロットバーナ43を点火する点火装置(イグナイター)44と、を備えている。点火装置44により点火されたパイロットバーナ43は、メインバーナ42の着火に使用される。このため、点火装置44は、メインバーナ42を着火するときに使用される装置ともいえる。点火装置44は、点火スパークを発生させる放電電極等のスパーク発生部44Aを備える。
燃焼機器40は、さらに、メインバーナ42及びパイロットバーナ43の火炎の活発度を検出する火炎検出器45と、燃焼室R内の温度を検出する温度センサ46と、を備えている。火炎の活発度は、火炎がどの程度活発に発生しているかを示す度合いであり、例えば、火炎の強さである。火炎検出器45のタイプは任意であるが、ここでは、メインバーナ42又はパイロットバーナ43の火炎から放射される電磁波(ここでは、紫外線とする)の強度を火炎の活発度として検出する。
図1に戻り、燃料供給系統50は、外部からの燃料を燃焼機器40に供給する。燃料供給系統50は、燃焼機器40に供給される燃料が流れる燃料流路51を備えている。燃料流路51は、外部から燃料が供給される主流路51Aと、主流路51Aが分岐した第1流路51Bおよび第2流路51Cと、を含む。第1流路51Bはメインバーナ42に接続され、第2流路51Cはパイロットバーナ43に接続されている。
燃料供給系統50は、さらに、主流路51Aに設けられたガス圧スイッチ52と、第1流路51Bに設けられた安全遮断弁であるメインバルブ54A及び54Bと、第2流路51Cに設けられた安全遮断弁であるパイロットバルブ54C及び54Dと、を備える。ガス圧スイッチ52は、外部から供給される燃料の圧力が所定の圧力以上であるときにONとなるセンサである。メインバルブ54A及び54Bは、第1流路51Bを開閉する。パイロットバルブ54C及び54Dは、第2流路51Cを開閉する。燃料供給系統50は、主流路51Aに設けられた燃料流量調整用のダンパ55も備える。
空気供給系統60は、燃焼機器40に空気を供給する。空気供給系統60は、燃焼機器40に供給される空気が流れる空気流路61と、空気流路61に空気を供給する送風機62と、を備えている。空気流路61は、送風機62に接続された主流路61Aと、主流路61Aが分岐した第1流路61B及び第2流路61Cと、を備える。第1流路61Bは、メインバーナ42に接続されている。第2流路61Cは、パイロットバーナ43に接続されている。送風機62は、例えば、ファン、ブロワ、又は、コンプレッサであればよい。
空気供給系統60は、さらに、主流路61Aに設けられ、送風機62から送風される空気の風圧が所定の風圧以上であるときにONとなるセンサである風圧スイッチ63も備える。空気供給系統60は、さらに、主流路61Aに設けられた空気流量調整用のダンパ65を備える。
燃料又は空気流量調整用のダンパ55及び65は、制御モータMにより、リンケージして駆動され、燃料流路51及び空気流路61の開度を制御する。リンケージによる駆動により、ダンパ55及び65の各開度は、メインバーナ42に供給される燃料と空気との比である空燃比が所望の比率(燃焼に理想的な範囲の比率)を維持するように制御される。ダンパ55及び65の各開度によって、メインバーナ42に供給される燃料及び空気の量が調整され、これにより、各バーナの火炎の活発度が調整されることで、燃焼室Rを加熱する加熱温度が制御される。
高開度位置センサHSは、ダンパ55及び65の開度位置が所定の高開度位置へ達したことを検出する。低開度位置センサLSは、ダンパ55及び65の開度位置が所定の低開度位置へ達したことを検出する。各センサHS及びLSは、ダンパ55及び65の開度位置が高開度位置又は低開度位置に達したときにONとなる。
燃焼制御装置70は、PLC(Programmable Logic Controller)、パーソナルコンピュータ等の各種のコンピュータからなる。燃焼制御装置70は、バーナコントローラとも呼ばれる。燃焼制御装置70は、ガス圧スイッチ52、風圧スイッチ63、高開度位置センサHS、及び、低開度位置センサLSなどの状態(ON/OFF)を監視する。燃焼制御装置70には、火炎検出器45及び温度センサ46などからの各種信号が入力される。燃焼制御装置70は、監視結果及び各種信号に基づいて、点火装置44、メインバルブ54A及び54B、パイロットバルブ54C及び54D、送風機62、及び、ダンパ55及び65などを制御する。
燃焼制御装置70は、メインバーナ42及びパイロットバーナ43を着火して燃料を燃焼させる燃焼シーケンスを実行して、燃焼装置30の運転を制御する。この燃焼シーケンスは、予め定められており、「スタートチェック」、「プレパージ」、「点火待ち」、「パイロット点火」、「パイロットオンリー」、「メイン着火」、「メイン安定」、「定常燃焼」といったサブシーケンスを含む。
図2に、燃焼装置30の起動から定常燃焼に至るまでの燃焼シーケンスのタイムチャートを示す。燃焼制御装置70は、外部から起動入力(チャートAのt1点)があると、空気供給系統60の送風機62に対して空気の供給開始指令(ここでは、動作開始のON信号)を発する(チャートBのt1点)。これを受けて送風機62は、ONして空気流路61への空気の送風を開始する。燃焼制御装置70は、空気の供給開始指令とともに、制御モータMに対して開方向への駆動指令も送る(チャートDのt1点)。開方向への駆動指令によりダンパ55及び65が開かれる。
その後、送風機62による送風の風圧が所定の風圧に達すると、風圧スイッチ63がONとなる(チャートCのt2点)。t1点からt2点までの期間P1が「スタートチェック」の時間帯である。風圧スイッチ63は、ONのときにON信号を燃焼制御装置70に供給する。燃焼制御装置70は、このON信号を受信したときに、風圧スイッチ63がONとなってことを認識する(他のスイッチ、センサのONも同様)。
期間P1は、空気供給系統60(ここでは送風機62)に対して空気の供給開始指令が発せられてから、空気の供給状態(ここでは風圧)が所定の状態(ここでは風圧が所定の風圧に達した状態)になることがセンサ(ここでは風圧スイッチ63)により検出されるまでの期間であり、上述した遅れ時間Tdでもある。燃焼制御装置70は、燃焼シーケンス実行時に、この遅れ時間Tdを計時する。
燃焼制御装置70は、風圧スイッチ63がONとなり、かつ、高開度位置センサHSがダンパ55及び65の開度位置が高開度位置に達したことを検出してONとなると(チャートEのt3点)、この時点を起点としてプレパージ時間の計時を開始する。
燃焼制御装置70は、プレパージ時間の経過後、制御モータMへ閉方向への駆動指令を送る(チャートDのt4点)。これにより、ダンパ55及び65が閉じる方向に動作する。t3点からt4点までの期間P2が「プレパージ」の時間帯である。
燃焼制御装置70は、低開度位置センサLSがダンパ55及び65の開度位置が低開度位置に達したことを検出してONになると(チャートFのt5点)、所定の待ち時間の経過後、パイロットバルブ54C及び54Dを開とし(チャートGのt6点)、点火装置44を作動させる(チャートHのt6点)。これらにより、パイロットバーナ43への燃料供給が開始され、点火装置44の作動によって発生する点火スパークによりパイロットバーナ43が点火される。所定の待ち時間は、例えば、低開度位置の検出後、燃料の供給が開始されて、ガス圧スイッチ52がONとなるまでの時間などである。t4点からt6点までの期間P3が「点火待ち」の時間帯である。この実施の形態では、空気供給系統60から燃料の燃焼に必要な空気もパイロットバーナ43に供給される。パイロットバーナ43は、周囲の空気により点火するように構成されてもよい。
パイロットバーナ43の点火は、火炎検出器45により検出される。火炎検出器45は、パイロットバーナ43の火炎の活発度を示す検出信号を燃焼制御装置70に出力する。燃焼制御装置70は、検出信号が示す火炎の活発度が所定の第1閾値を超えたと判別したときに、パイロットバーナ43の点火を検出する。ここでは、チャートIに示すように、t7点でパイロットバーナ43が点火され、この点火が検出されたものとする。
燃焼制御装置70は、パイロットバーナ43の点火を検出した場合、点火装置44の作動つまり点火スパークの発生を終了させる(チャートHのt8点)。点火装置44を差動させているt6点からt8点までの期間P4が「パイロット点火」の時間帯である。
燃焼制御装置70は、パイロットバーナ43の点火を検出して点火装置44の作動を終了させたあと、t9点までの所定期間の間待機する。この所定期間つまりt8点からt9点までの期間P5がパイロットバーナ43を単独で燃焼させる「パイロットオンリー」の時間帯である。燃焼制御装置70は、上記所定期間中に、火炎検出器45からの検出信号に基づく火炎の活発度が所定の強さ以下となったときに、パイロットバーナ43が失火したとして燃焼シーケンスを中止する。
上記所定期間の経過後、燃焼制御装置70は、メインバルブ54A及び54Bを開とする(チャートJのt9点)。メインバルブ54A及び54Bが開となることで、すでに空気供給系統60から空気が供給されているメインバーナ42への燃料の供給が開始され、メインバーナ42は、パイロットバーナ43の火炎を種火として着火する。火炎検出器45は、メインバーナ42及びパイロットバーナ43の各火炎の活発度の和を示す検出信号を燃焼制御装置70に出力する。燃焼制御装置70は、検出信号が示す火炎の活発度の和が所定の第2閾値を超えたと判別したときに、メインバーナ42が着火したと判別する。ここでは、チャートKに示すように、t10点でメインバーナ42が着火され、この着火が検出されたものとする。
燃焼制御装置70は、メインバーナ42の着火を検出すると、パイロットバルブ54C及び54Dを閉じて、パイロットバーナ54の燃焼を終了させる(チャートG及びIのt11点参照)。t9点からt11点までの期間P6がメインバーナ42を着火する「メイン着火」の時間帯である。
燃焼制御装置70は、メインバーナ42の着火を検出してパイロットバルブ54C及び54Dを閉じたあと、t12点までの所定期間の間待機する。この所定期間つまりt11点からt12点までの期間P7がメインバーナ42を単独で燃焼させる「メイン安定」の時間帯である。燃焼制御装置70は、前記の所定期間中に、火炎の活発度が所定の強さ以下となったときに、メインバーナ42が失火したとして燃焼シーケンスを中止する。
燃焼制御装置70は、上記の所定期間の待機後、温度センサ46から供給される検出信号が示す燃焼室R内の温度をフィードバック値として、当該温度が目標値となるように、制御モータMをフィードバック制御することを開始する(チャートDのt12点)。t12点以降は、メインバーナ42を定常燃焼させる「定常燃焼」の期間である。定常燃焼でのフィードバック制御の具体的方法は任意であるが、例えば、比例制御(P制御)、比例・積分制御(PI制御)、又は、比例・積分・微分制御(PID制御)が採用される。
燃焼制御装置70は、上記一連の燃焼シーケンスを実行するごとに計測する遅れ時間Tdを遅れ時間監視装置20に出力する。
次に遅れ時間監視装置20について説明する。遅れ時間監視装置20は、燃焼制御装置70からの遅れ時間Tdを監視する処理を行う。遅れ時間監視装置20は、パーソナルコンピュータ等の各種のコンピュータを含んで構成されている。遅れ時間監視装置20は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ21と、プロセッサ21のメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)22と、プロセッサにより実行する遅れ時間監視プログラムを記憶する不揮発性の記憶装置23と、を備える。記憶装置23には、後述の遅れ時間群、直近統計データ、基準統計データも記憶する。遅れ時間監視装置20は、さらに、後述の各種画面を表示するディスプレイ24と、ユーザにより操作される操作装置25と、プロセッサ21が燃焼制御装置70と通信を行うための通信モジュール26と、を備える。
この実施の形態では、プロセッサ21は、記憶装置23に記憶された遅れ時間監視プログラムを実行することにより、図4に示す、取得部21A、解析部21B、及び、比較部21Cとして動作する。
取得部21Aは、燃焼制御装置70と通信モジュール26を介して通信し、燃焼シーケンスが実行されるたびに燃焼制御装置70から出力される遅れ時間Tdを取得し、記憶装置23に格納する。例えば、取得部21Aは、遅れ時間Tdを取得するたびに、図5に示す遅れ時間格納処理を実行する。
取得部21Aは、図5の遅れ時間格納処理において、燃焼制御装置70から取得した遅れ時間Tdを、図6に示す記憶装置23に設けられた0~49番目の記憶領域のうちのN番目(初期値は0)の記憶領域に格納する(ステップS11)。その後、取得部21Aは、Nが49であるか判別し(ステップS12)、Nが49でない場合(No)、Nに1を加算する(ステップS13)。取得部21Aは、Nが49である場合(ステップS12;Yes)、Nを0に初期化する(ステップS14)。このような一連の処理により、図6に示すように、N=0~49の50個の遅れ時間Tdが記憶装置23に格納されると、その後に得られる遅れ時間Tdは、N=0から上書きされていく。これにより、記憶装置23には、最新50回の燃焼シーケンスそれぞれで発せられた空気の供給開始の指令それぞれに対する最新50個の遅れ時間Tdが常に格納される。この50個の遅れ時間Tdのデータ群が遅れ時間群である。
図4に戻り、解析部21Bは、燃焼装置30の製造後の初期の時期において、記憶装置23に記憶されている遅れ時間群を構成するN=0~49の遅れ時間Tdの集合を統計的に解析し、この解析で得られる当該集合の統計データを基準統計データとして得る。
解析部21Bは、燃焼装置30の製造後、最初の稼働開始から図7に示す基準統計データ生成処理を開始することで、基準統計データを得る。図7に示す基準統計データ生成処理において、解析部21Bは、まず、記憶装置23のN=0~49の各記憶領域を監視し、これら全てに遅れ時間Tdが格納されるまで待機する(ステップS21)。N=0~49の各記憶領域に遅れ時間Tdが格納されたとき(ステップS21;Yes)、解析部21Bは、これら記憶領域それぞれから50個の遅れ時間Tdの集合を読み出す(ステップS22)。その後、解析部21Bは、読み出した50個の遅れ時間Tdの集合を統計的に解析し(ステップS23)、この解析により得られる遅れ時間Tdの集合の統計データを基準統計データとして記憶装置23に格納する(ステップS24)。
ステップS24の統計的な解析では、図8にその結果を示すように、予め設定された同じ階級に属する遅れ時間Tdの個数を度数としてカウントする。基準統計データは、図8に示すような、遅れ時間Tdの階級それぞれに属する遅れ時間Tdの個数の分布を示す分布データを含む。当該分布データを、以下では基準分布データともいう。基準分布データは、後述の直近分布データとの比較の基準となる。前記の階級は、遅れ時間Tdの値そのものであってもよい。例えば、遅れ時間Tdが、1m秒単位で特定され、小数点以下は四捨五入される場合、遅れ時間Tdがとることができる、1m秒,2m秒,3m秒・・・の各数値を、遅れ時間Tdの階級として扱ってもよい。この場合、正確には、0.5以上1.5未満の範囲などが階級といえ、前記の1,2,3・・・は階級値ともいえる。
図8に示す基準分布データを、横軸を遅れ時間Tdの階級、縦軸を遅れ時間Tdの個数(度数)としてグラフ化すると、図9に示すようなグラフ(度数折れ線)となる。なお、図9のグラフの黒丸は階級の階級値に付されている。図9のように、基準分布データのグラフは、横軸方向の幅の狭いつまり標準偏差の小さいガウシアン分布を有する。
図7に示す基準統計データ生成処理は、燃焼装置30の製造後の動作テスト前から開始されてもよいし、動作テストの終了後の燃焼装置30の本稼働に入ってから開始されてもよい。前記の製造には、燃焼装置30、特に、空気供給系統60を補修、修理、改造、交換することで、当該燃焼装置30又は空気供給系統60が新しくなることも含む。また、基準統計データ生成処理は、ユーザが基準統計データを登録したいと考えた任意のタイミングで開始されてもよい。この場合、ユーザは、操作装置25を介してその旨を指示する。基準統計データ生成処理は、空気供給系統60に不調が発生していない時期に実行されればよい。
図4に戻り、解析部21Bは、基準統計データが得られた後の任意のタイミングで、そのときに記憶装置23に記憶されている遅れ時間群を構成する遅れ時間Tdの集合を取得する。この集合は、直近に実行された50回分であり、基準統計データを生成する際と同じ回数分の燃焼シーケンスでの空気の供給開始の指令それぞれに対する遅れ時間Tdの集合である。解析部21Bは、遅れ時間Tdの集合を統計的に解析し、この解析で得られる当該集合の統計データを直近統計データとして得て記憶装置23に格納する。直近統計データは、基準統計データとの比較に使用される。なお、直近基準データと基準統計データの生成に使用される遅れ時間Tdの数は、50個に限らず任意である。ユーザは、この比較の結果に基づいて、空気供給系統60に不調が発生しているかを検討する。そこで、ユーザは、空気供給系統60に不調が発生しているかの検討をしたいときに、前記の比較の指示を操作装置25に入力する。この入力を受けて解析部21Bは、前記統計的な解析を行い、直近統計データを得る。
解析部21Bは、例えば、図7に示す基準統計データ生成処理のステップS22~S24と同様の処理を行うことで、基準統計データを得るときと同じ手法の解析により、直近統計データを得て記憶装置23に格納する。直近統計データは、基準統計データと同様、遅れ時間Tdの階級それぞれに属する遅れ時間Tdの個数の分布を示す分布データ(図8も参照)を含む。この分布データを以下では直近分布データともいう。
図4に戻り、比較部21Cは、記憶装置23に直近統計データが記録されたことを契機として、直近統計データ及び基準統計データを記憶装置23から読み出し、これらを比較し、比較結果を出力する処理を行う。
比較部21Cは、ここでは、図10~図12に模式的に示すように、横軸を振幅の階級(階級値)とし、縦軸を度数として、直近統計データの直近分布データと、基準統計データの基準分布データと、を互いに関連付けてグラフ化する。このグラフ化により、直近統計データと基準統計データとが比較される。ここでは、共通の座標平面に、直近分布データと基準分布データとが重畳してグラフ化されていることで、両者が互いに関連付けてグラフ化されている。比較部21Cは、グラフ化した直近分布データ及び基準分布データの各グラフの画像(図10~図12のような画像)を、直近統計データと基準統計データとの比較結果としてディスプレイ24に出力し、当該グラフをディスプレイ24に表示する。
空気供給系統60に不調が生じていないとき(不調が生じる前)、直近分布データのグラフと基準分布データのグラフとは、図10に示すように、ほぼ重なる。他方、空気供給系統60に不調が生じているときの両グラフは、図11及び図12に示すようにずれる。なお、不調が進行すると、両グラフのずれは大きくなっていく。ユーザは、ディスプレイ24に表示された比較結果を確認することで、空気供給系統60に不調が生じているか否かを視覚的に容易に確認できる。
図11では、直近分布データのグラフが、基準分布データのグラフに比べて、全体的に遅れ時間Tdが長い方向にシフトしている。このように遅れ時間Tdが非異常時に比べ長くなっている傾向がある場合、空気供給系統60の送風機62の吸気口の目詰まり、又は、空気流路61を形成している配管からの空気漏れ等が生じている可能性がある。図11のような比較結果を確認したユーザは、空気供給系統60に不調が生じていることを確認でき、その不調が前記の目詰まり又は空気漏れ等であると推定できる。なお、目詰まり又は空気漏れ等の発生により、図12に示すように、直近分布データのグラフの方が基準分布データのグラフよりも、最頻値は変わらないが、中央値及び平均値は長くなることもある。図12のような比較結果を確認したユーザも、空気供給系統60に不調が生じていることを確認でき、その不調が前記の目詰まり又は空気漏れ等であると推定できる。
以上のように、ユーザは、直近分布データのグラフと基準分布データのグラフとを見比べることで、両グラフが異なっていれば、空気供給系統60に不調が生じている旨を把握できる。本実施形態では、直近分布データと基準分布データとが、遅れ時間Tdの集合の統計的な解析により得られており、遅れ時間Tdの変化の傾向つまり、空気供給系統60の不調の傾向は、直近分布データと基準分布データとの比較結果(両グラフのずれ)に反映されやすい。従って、ユーザは、比較結果を確認することで、空気供給系統60の不調を早期に把握できる。また、空気供給系統60の不調に由来しない突発的な事象により遅れ時間Tdが大きく変化したとしても、この影響が統計的解析により軽減されるので、ユーザは、空気供給系統60の不調の有無を高い確度で把握できる。以上のように、本実施の形態によれば、ユーザは、比較結果つまり、直近分布データ及び基準分布データの各グラフを見ることにより、空気供給系統60の不調を適切に(ここでは早期に又は高い確度で)把握することができる。
空気供給系統60の不調は、徐々に深刻となっていく。遅れ時間Tdは、不調の深刻度が増すにつれて徐々に長くなる傾向にある。従来のように、遅れ時間Tdを統計的に解析せずに閾値と比較して不調を検出する場合、閾値によっては、空気供給系統60に不調が深刻になってからでないと不調が検出されない場合がある。この実施の形態では、統計的な解析を用いて不調をユーザに把握させるので、このような不都合は生じない。
送風機62の吸気口の目詰まり、空気流路61を形成している配管からの空気漏れ等の空気供給系統60の不調は、燃料と空気との比である空燃比の乱れにもつながる。従って、ユーザが、直近分布データ及び基準分布データの各グラフを確認して、空気供給系統60の不調を早期に把握して対処することで、空燃比の乱れを早期に解消できる。これにより、燃焼効率の悪い状態が続くことが抑制される。
上記実施の形態では、比較結果として、直近分布データ及び基準分布データの各グラフを表示することにより、ユーザは、直近分布データと基準分布データとの差を直観的に把握しやすい。このため、空気供給系統60のメンテンナンスの効率化が図られる。
本実施形態での直近統計データと比較される基準統計データは、例えば、燃焼シーケンスが複数回実行されたときつまり空気の供給開始の指令が複数回発せられたときの遅れ時間Tdの集合の統計データとして用意された、前記比較の基準となるデータであればよい。このため、基準統計データは、燃焼装置30と同型の燃焼装置を用いた実験の結果などから求められ予め用意されたデータであってもよいが、この実施の形態では、燃焼装置30で実際に実行された燃焼シーケンスで測定された遅れ時間Tdの集合に基づいて基準統計データが用意される。これにより、複数生産される燃焼装置30の個々の癖を反映した基準統計データが得られるので、ユーザは、燃焼装置30の不調をより適切に把握できる。
(変形例)
上記実施の形態の構成は、任意に変更可能である。以下変形例を例示する。各変形例は、少なくとも一部同士組み合わせることもできる。
(変形例1)
燃焼装置30の構成は、任意である。例えば、燃焼装置30は、パイロットバーナ43がないメインバーナ42のみを有するタイプであってもよい。また、燃焼装置30は、パイロットバーナ43を常時点火させた状態としてもよい。この場合、メインバーナ42用の火炎検出器と、パイロットバーナ43用の火炎検出器と、を用意するとよい。
(変形例2)
比較部21Cは、縦軸を遅れ時間Tdの階級とし、横軸を遅れ時間Tdの個数として、直近統計データの直近分布データと、基準統計データの基準分布データと、を互いに関連付けてグラフ化してもよい。関連付けてグラフ化する手法は、上記のように、縦軸及び横軸を共通にした座標平面で各グラフを重畳する方法に限定されない。例えば、座標軸のスケールを共通とした異なる座標平面それぞれに各グラフがあらわされてもよい。このように、関連付けてグラフ化する手法は、例えば、ユーザが各分布データを比較可能な手法でグラフ化する手法であればよい。両データを関連付けたグラフ化により、ユーザは空気供給系統60の不調の有無を容易に把握することができる。
(変形例3)
上記統計的な解析の対象の遅れ時間Tdの集合のうち、突発的に異常な数値の遅れ時間Tdについては、解析対象から除外してもよい。
(変形例4)
比較部21Cは、直近分布データと基準分布データの各値を併記した画像を出力してもよい。このような数値でも、ユーザは空気供給系統60の不調を容易に把握することができる。直近統計データ及び基準統計データは、平均値、最頻値、中央値等の各種統計量を含んでもよく、比較部21Cは、直近分布データと基準分布データとのそれぞれの各統計量を併記した画像を出力してもよい。
(変形例5)
解析部21Bは、例えば、記憶装置23に新たな遅れ時間Tdが格納されるたびに、最新の直近統計データを生成してもよい。比較部21Cは、図13に示すように、基準統計データと直近統計データとのそれぞれの差に基づいて、燃焼装置30の不調の有無を推定し(ステップS31)、不調ありの場合(ステップS32;Yes)、その旨の推定結果を比較結果として出力してもよい(ステップS33)。比較部21Cは、不調なしの場合(ステップS32;No)、その旨の比較結果を出力しなくてもよいし、出力してもよい。
解析部21Bは、直近統計データ及び基準統計データの少なくとも一部として、遅れ時間Tdの平均値と、遅れ時間Tdの階級それぞれに属する遅れ時間Tdの個数の分布(上記分布データ)における最頻値と、前記分布つまり分布データにおける中央値と、のいずれかの統計量を得てもよい。
図11及び図12のように、前記3つの統計量のうちのいずれかにおいて、直近統計データの方が基準統計データよりも高ければ(その差が所定の閾値以上である場合を含む)、空気供給系統60に不調の傾向があることがわかる。そこで、比較部21Cは、直近統計データの前記平均値が、基準統計データの前記平均値よりも高い場合に、空気供給系統60に不調があることを推定し、その旨を推定の結果として出力してもよい。比較部21Cは、直近統計データの前記最頻値が、基準統計データの前記最頻値よりも高い場合に、空気供給系統60に不調があることを推定し、その旨を推定の結果として出力してもよい。比較部21Cは、直近統計データの前記中央値が、基準統計データの前記中央値よりも高い場合に、空気供給系統60に不調があることを推定し、その旨を推定の結果として出力してもよい。比較部21Cは、空気供給系統60に不調がある旨を出力する場合、例えば、その旨の情報をディスプレイ24に表示する。このような情報としては、例えば、「空気供給系統が不調です」、「空気供給系統に不調の傾向があります」などのメッセージが挙げられる。
上述のように、遅れ時間Tdの変化の傾向つまり、空気供給系統60の不調の傾向は、直近分布データと基準分布データとの比較結果に反映されやすい。従って、比較部21Cによる上記推定により、比較部21Cは、空気供給系統60に不調が生じていることを早期に検出できる。また、空気供給系統60の不調に由来しない突発的な事象により遅れ時間Tdが大きく変化したとしても、この影響が統計的解析により軽減されるので、比較部21Cは、空気供給系統60の不調の有無を高い確度で推定できる。そして、ユーザは比較部21Cによる推定の結果により、空気供給系統60の不調を適切に把握することができる。
(変形例6)
上述した実施の形態では、空気供給系統60(送風機62)に対して空気の供給開始の指令が発せられてから、当該空気の供給状態が所定の状態になるまで(風圧スイッチ63がONとなるまで)の遅れ時間Tdの集合を統計的解析等の処理対象としている。この処理対象を、前記の遅れ時間Tdに加えて又は代えて、空気供給系統60(送風機62)に対して発せられる空気の供給停止の指令(ここでは、送風機62に対するOFF信号など)の発令タイミングから始まる遅れ時間Td2としてもよい。供給停止指令は、燃焼シーケンスの終了時などに燃焼制御装置70から空気供給系統60に供給される。遅れ時間Td2は、送風機62がOFFとなり空気の供給量が少なくなって、風圧スイッチ63がOFFとなるまでの期間である。取得部21A、解析部21B、及び、比較部21Cは、遅れ時間Td2についても、遅れ時間Tdと同様の処理を行う。送風機62の停止後には、ファンが惰性で回り続けるなど、空気の供給開始時とは異なった挙動があるため、不調の現れ方が違う可能性がある。このような変形例においても、上記で説明したのと同様の効果が適宜得られる。
(変形例7)
風圧スイッチ63は、上記実施形態では空気流量調整用のダンパ65の上流に設けているが、空気流量調整用のダンパ65の下流に設けるようにしてもよい。このようにすると、ダンパ65の不調も把握の対象となる。
(変形例8)
また、上述した実施形態では、空気の供給状態(送風状態)が所定の状態に達したタイミングとして、送風機62からの空気の風圧が所定値に達したことを風圧スイッチ63が検出したタイミングが採用されている。この変形例として、風圧スイッチ63に加えて又は代えて空気の流量を検出するセンサである流量計を設けてもよい。この場合、燃焼制御装置70は、送風機62から送られる空気の流量を流量計で検出し、検出した流量が所定値に達したタイミングを、前記空気の供給状態が所定の状態に達したタイミングとし、遅れ時間Td又はTd2の計測を終了してもよい。
(変形例9)
解析部21Bによる統計的な解析の具体的方法、及び、比較部21Cによる直近統計データと基準統計データとの比較の具体的方法は、任意である。上記のように、遅れ時間Td(又はTd2)の変化の傾向つまり、空気供給系統60の不調の傾向は、直近分布データと基準分布データとの比較結果に反映されやすい。従って、ユーザは、比較結果を確認することで、空気供給系統60の不調を早期に把握できる。また、空気供給系統60の不調に由来しない突発的な事象により遅れ時間Tdが大きく変化したとしても、この影響が統計的解析により軽減されるので、ユーザは、空気供給系統60の不調の有無を高い確度で把握できる。以上のように、本実施の形態によれば、ユーザは、空気供給系統60の不調を適切に(ここでは早期に又は高い確度で)把握することができる。
(変形例10)
火炎の活発度は、火炎検出器45で起こる放電の単位時間当たりの放電回数により示されてもよい。火炎の活発度が大きい、例えば、紫外線強度が大きい場合、単位時間中の放電回数は多くなる。つまり、放電回数の増加は、上記でのフレーム電圧の電圧値の増加に対応する。このような場合、燃焼制御装置70に、当該放電回数をカウントするカウント部及びカウントする期間を計測する計測部を設けるとよい。
(変形例11)
遅れ時間監視装置20のハードウェア構成は任意である。取得部21A、解析部21B、及び、比較部21Cは、それぞれ、一以上のコンピュータ又は制御回路(ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)など)から構成されてもよい。前記各部21A~21Cのうちの少なくとも一部は、燃焼制御装置70が備えてもよい。遅れ時間監視装置20は、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ等であってもよい。比較結果の出力先は、ユーザ端末などのディスプレイであってもよい。比較結果の出力先は、プリンタ、記憶媒体、ネットワーク、他のコンピュータ等であってもよい。遅れ時間監視装置20などの各装置は、装置の構成要素が一つの筐体にまとめられた装置の他、装置の構成要素が複数の筐体に分散して収容されたシステムを含む。
(遅れ時間監視方法)
上記遅れ時間監視装置20が実行する処理により、統計的な解析、及び、直近統計データと基準統計データとの比較を行う遅れ時間監視方法が行われているが、当該方法の少なくとも一部は、遅れ時間監視装置20以外の物又は人により行われてもよい。ユーザは、直近統計データと基準統計データとの比較で得られる比較結果を確認することで、上記のように、空気供給系統60の不調を適切に把握できる。
(本発明の範囲)
以上、実施形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記実施形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
10…燃焼システム、20…遅れ時間監視装置、21…プロセッサ、21A…取得部、21B……解析部、21C…比較部、23…記憶装置、25…操作装置、40…燃焼機器、42…メインバーナ、43…パイロットバーナ、44…点火装置、45…火炎検出器、50…燃料供給系統、60…空気供給系統、61…空気流路、62…送風機、63…風圧スイッチ、70…燃焼制御装置。

Claims (8)

  1. 燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を取得するように構成された取得部と、
    前記取得部により取得された複数回分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを第1統計データとして得るように構成された解析部と、
    前記第1統計データと、前記指令が複数回発せられたときの前記遅れ時間の集合の統計データとして用意された基準となる第2統計データとを比較し、比較結果を出力するように構成された比較部と、
    を備える遅れ時間監視装置。
  2. 前記解析部は、前記取得部により取得された、前記燃焼装置の空気供給系統に不調が発生する前に発せられた前記複数回分と同回数分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を、前記第1統計データを得るときと同じ手法で統計的に解析し、当該集合の統計データを前記第2統計データとして得るように構成されている、
    請求項1に記載の遅れ時間監視装置。
  3. 前記第1統計データは、遅れ時間の階級それぞれに属する遅れ時間の個数の分布を示す第1分布データを含み、
    前記第2統計データは、遅れ時間の階級それぞれに属する遅れ時間の個数の分布を示す第2分布データを含む、
    請求項1又は2に記載の遅れ時間監視装置。
  4. 前記比較部は、
    第1軸を遅れ時間の階級とし、第2軸を遅れ時間の個数として、前記第1分布データと前記第2分布データとを互いに関連付けてグラフ化することで、前記第1統計データと前記第2統計データとを比較し、
    互いに関連付けられてグラフ化された前記第1分布データ及び前記第2分布データの各グラフを前記比較結果として出力する、ように構成されている、
    請求項3に記載の遅れ時間監視装置。
  5. 前記比較部は、前記第1統計データと前記第2統計データとの差に基づいて、前記燃焼装置の空気供給系統の不調の有無を推定し、推定の結果を前記比較結果として出力するように構成されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の遅れ時間監視装置。
  6. 前記第1統計データ及び前記第2統計データは、遅れ時間の平均値と、遅れ時間の階級それぞれに属する遅れ時間の個数の分布における最頻値と、前記分布における中央値と、のいずれかの統計量を含み、
    前記比較部は、前記第1統計データの前記統計量が前記第2統計データの前記統計量よりも大きい場合に、前記空気供給系統に不調があると推定し、その旨を前記推定の結果として出力する、
    請求項5に記載の遅れ時間監視装置。
  7. コンピュータに、
    燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにより取得された複数回分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを第1統計データとして得る解析ステップと、
    前記第1統計データと、前記指令が複数回発せられたときの前記遅れ時間の集合の統計データとして用意された基準となる第2統計データとを比較し、比較結果を出力する比較ステップと、
    を実行させる遅れ時間監視プログラム。
  8. 燃焼装置で空気の供給開始又は供給停止の指令が発せられてから前記空気の供給状態が所定の状態になるまでの遅れ時間を監視する遅れ時間監視方法であって、
    複数回分の前記指令それぞれに対する前記遅れ時間の集合を統計的に解析し、当該集合の統計データを第1統計データとして得る解析ステップと、
    前記第1統計データと、前記指令が複数回発せられたときの前記遅れ時間の集合の統計データとして用意された基準となる第2統計データとを比較する比較ステップと、
    を有する遅れ時間監視方法。
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