JP2022139801A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光走査装置ごとの光量の補正精度の誤差を抑える。【解決手段】半導体レーザから出射されたレーザビームを被走査体に対して長手方向にわたって偏向走査する光走査装置と、半導体レーザに供給する電流を加減するための光量補正部と、光量補正部による加減量を決める補正値を記憶した記憶部と、半導体レーザに供給する電流を光量補正部により加減することで、半導体レーザから出射されたレーザビームが被走査体において所定の光量となるよう光走査装置の発光制御を行う制御部と、を備え、光走査装置ごとに被走査体の長手方向の複数の位置にレーザビームを照射して光量を測定し、最小光量で測定した光量の最小値と最小光量から光量差を減じた光量で測定した光量の最大値の2点から、光走査装置ごとの電流と発光量の比例関係を示す補正線を生成し、補正線を用いて算出した補正値を、前記補正部が記憶した補正値とし、制御部は、光量補正部による加減量を、補正値により決定する。【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体レーザからのレーザビームを回転多面鏡により被走査体に偏向走査する光走査装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、プリンタや複写機等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる光走査装置は、半導体レーザから出射されたレーザビームを、回転多面鏡により偏向走査させ、被走査体である感光ドラムに照射している。感光ドラムに照射したレーザビームは、回転多面鏡の回転による感光ドラムの軸方向への主走査と、感光ドラムの回転による副走査に伴って、感光ドラムに静電潜像を形成している。
このような光走査装置においては、半導体レーザから出射されるレーザビームの光量を一定に制御するために、APC(自動光量制御)方式が多く用いられている。この方式によって、半導体レーザを駆動する供給電流が安定的に制御され、画像ムラの発生を抑止することができる。
しかしながら、近年では、画質の更なる向上が要求されており、光走査装置における半導体レーザの光量の厳密な制御が、以前にも増して求められている。例えば、規定光量とその規定光量の固定比率の光量(固定値)で求めた電流と発光量の比例関係を用いて、濃度(照明)ムラのある画像からムラを除く処理(シェーディング補正)を行っている。
特許文献1では、規定光量とその規定光量の近傍の光量(固定値、規定光量の85%光量)で求めた電流と発光量の比例関係が、従来方式の規定光量とその規定光量から離れた光量(固定値、規定光量の1/2光量)で求めた比例関係よりも、実際のデバイスの非線形な電流-発光量特性により近似したものとなる。従って、特許文献1に記載の形態では、この電流でシェーディング補正を行うことにより、従来方式よりも、正確なシェーディング補正を行うことが可能である。
特開2011-034002号公報
しかしながら、光走査装置のシェーディング補正量は、光走査装置ごとにバラツキを持つ。そのため、上記従来の技術のように、規定光量とその規定光量の固定比率の光量(固定値)で求めた電流と発光量の比例関係を用いて、光量の補正を行う構成では、光走査装置ごとに光量の補正精度に大きな誤差が生じてしまうおそれがある。図20(b)において、点c1が前記規定光量を指し、点c2が前記規定光量の85%光量(固定値)であり、前記規定光量の固定比率の光量を指す。
図20(a)は、光走査装置から出射される光量の像高間バラツキを示すグラフ図である。ここで像高とは、光走査装置から出射されるレーザビームが走査される被走査体の主走査方向の位置のことである。図20(a)中の●印で示す光走査装置_No.1では最大補正光量Pmax_1が14.3%であるのに対し、○印で示す光走査装置_No.2では最大補正光量Pmax_2は6.5%である。これらの要因は、光走査装置を構成するVCSEL(半導体レーザ)やミラー等の光学部品のバラツキによるものである。
図20(b)は特許文献1に記載の装置によるシェーディング補正の動作を説明するグラフ図である。図20(b)に示す実線部は半導体レーザの電流-発光量特性である。図20(b)に示す破線部は規定光量及びその電流値と補正光量(固定値、規定光量の85%光量)及びその電流値を結ぶ直線で、シェーディング補正値を求める補正線を示している。図20(b)に示すPmax_1は図20(a)に示す光走査装置_No.1の最大補正光量Pmax_1である。図20(b)に示すPmax_2は図20(a)に示す光走査装置_No.2の最大補正光量Pmax_2である。
図20(a)に示す光走査装置_No.1では、所望の光量が点a1で示す最大補正光量である場合、図20(b)に破線で示す補正線に則って補正電流2で半導体レーザを駆動する。これにより、所望の光量Pmax_1(点a1)に近似した光量(点a2)となる。このため、補正精度は担保される。
一方、図20(a)に示す光走査装置_No.2では、所望の光量が点b1で示す最大補正光量Pmax_2である場合、図20(b)に破線で示す補正線に則って補正電流3で半導体レーザを駆動する。しかし、所望の光量Pmax_2(点b1)に対して補正誤差が大きい光量(点b2)となる。このため、補正量不足となり、精度改善が望まれる。
本発明の目的は、光走査装置ごとの光量の補正精度の誤差を抑えて、光量の補正精度の改善が実現できる光走査装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、レーザビームを出射する半導体レーザと、前記半導体レーザから出射されたレーザビームを被走査体に対して長手方向にわたって偏向走査する回転多面鏡と、を有する光走査装置と、前記半導体レーザから出射されたレーザビームが前記被走査体において所定の光量となるよう前記半導体レーザに供給する電流を加減するための光量補正部と、前記光量補正部による加減量を決める補正値を記憶した記憶部と、前記半導体レーザに供給する電流を前記光量補正部により加減することで、前記半導体レーザから出射されたレーザビームが前記被走査体において所定の光量となるよう前記光走査装置の発光制御を行う制御部と、を備え、光走査装置ごとに被走査体の長手方向の複数の位置に対して、最小光量に設定した前記光走査装置からのレーザビームを照射して光量を測定し、前記最小光量で測定した光量の最小値と最大値の光量差を前記最小光量から減じた光量に設定した前記光走査装置からのレーザビームを照射して光量を測定し、前記最小光量に設定して測定した光量の最小値と前記最小光量から前記光量差を減じた光量に設定して測定した光量の最大値の2点から、光走査装置ごとの電流と発光量の比例関係を示す補正線を生成し、前記補正線を用いて算出した補正値を、前記記憶部に記憶した補正値とし、前記制御部は、前記光量補正部による加減量を、前記補正値により決定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、光走査装置ごとの光量の補正精度の誤差を抑えて、光走査装置から照射されたレーザビームの被走査体における光量の補正精度の改善が実現できる。
画像形成装置を示すブロック図 画像形成装置における光走査装置の構成図 半導体レーザの発光制御に必要な構成を示す制御ブロック図 閾値電圧の算出方法を記す半導体レーザの電圧-光量特性図 像面照度測定装置の概略構成図 (a)像高間光量特性を示すグラフ図、(b)補正光量(比率)の像高間特性を示すグラフ図 シェーディング電圧の算出方法を記す半導体レーザの電圧-光量特性図 シェーディング補正回路の動作を説明するタイムチャート 補正値算出方法を説明するフローチャート (a)第2実施例における光量比率の像高間を多項式近似で補間した特性グラフ図、(b)第2実施例における多項式近似から算出した補正光量を示すグラフ図 第2実施例における近似式を用いた補正値算出方法を説明するフローチャート 第3実施例における半導体レーザの発光制御ブロック図 (a)第3実施例におけるEEPROM書込みのフローチャート、(b)第3実施例におけるEEPROM読出しのフローチャート 第4実施例における半導体レーザの発光制御ブロック図 (a)ゲイン電圧と半導体レーザの光量の関係を記すグラフ図、(b)第4実施例における電圧-光量近似式の生成方法を説明するグラフ図 第4実施例における補正値算出方法を説明するフローチャート 第5実施例における補正値算出方法を説明するフローチャート 第6実施例における半導体レーザの発光制御ブロック図 (a)第6実施例におけるEEPROM書込みのフローチャート、(b)第6実施例におけるEEPROM読出しのフローチャート (a)従来例における光量比率の近似値の像高間特性を示すグラフ図、(b)従来例のシェーディング補正の動作を説明するグラフ図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施例〕
<画像形成装置の構成>
本実施例における電子写真方式の画像形成装置1について簡単に説明する。図1に、画像形成装置1全体の構成を示す。本画像形成装置1は、光走査装置2(2a、2b、2c、2d)、画像制御部5、リーダースキャナ部500、感光ドラム511を含む画像形成部510、定着部504、給紙/搬送部505から構成される。
リーダースキャナ部500は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する工程である。光走査装置2(2a、2b、2c、2d)は、前記画像データに応じて発光し、感光ドラム511に照射される。画像制御部5は、光走査装置2(2a、2b、2c、2d)の発光制御並びに画像データの生成を行う。画像形成部510は、感光ドラム511を回転駆動し、帯電器によって帯電させ、前記光走査装置2(2a、2b、2c、2d)によって感光ドラム511上に潜像を形成する。感光ドラム511上に形成された潜像を現像ユニット512によって可視像(トナー像)に現像する。その後、感光ドラム511上に形成されたトナー像を一次転写部によって画像形成部510内に配備する中間転写体513上に転写する。転写されずに感光ドラム上に残った微小トナーをクリーニング器によって回収する。画像形成部510は、この一連の電子写真プロセスの画像形成ユニット(画像形成ステーション)を4つ有している。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に並べられた4つの画像形成ユニットは、イエローの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、シアン、ブラックの作像動作を順次実行していく。このタイミング制御によって、中間転写体513上に色ずれのないフルカラートナー像が転写される。中間転写体513上に形成されたトナー像は、二次転写部によってシート上に転写される。定着部504は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータ等の熱源を内蔵し、シート上に転写されたトナー像を熱と圧力によってシートに定着させる。
<光走査装置の構成>
図2は本実施例における光走査装置2の概略構成図である。上記画像形成装置1が有する4つの光走査装置2(2a、2b、2c、2d)は、同様の構成である。光走査装置2は、レーザ駆動回路11、半導体レーザ(以下LDと略す。)12、コリメータレンズ13、光量検出ユニット14、シリンドリカルレンズ15、ポリゴンミラー16aを含むスキャナモータユニット16を有する。
LD12は、複数の発光点(例えば32個の発光点)を有し、各発光点からレーザビームを同時に出射可能な構成としている。LD12から出射したレーザビームは、コリメータレンズ13、光量検出ユニット14及びシリンドリカルレンズ15を経て、ポリゴンミラー16aに到達する。
光量検出ユニット(以下PDユニットと略す。)14は、内部に反射ミラー14aとビーム出力面にフォトディテクター(以下PDと略す。)14bを配備する。反射ミラー14aは、LD12から出射した後、コリメータレンズ13を透過したビームの光強度の一部を反射する特性を有する。PD14bは、反射ミラー14aから出射されるLD12のビームを受光し、光量検出信号(以下PD信号と略す。)14cを出力する。レーザ駆動回路11は、光走査装置2内に配備され、PD信号14cに基づいて、LD12が所定光量となる駆動電流を出力する。
非画像領域において、LD12の内、任意の発光点から出射したレーザビームL1は、コリメータレンズ13、PDユニット14及びシリンドリカルレンズ15を経て、ポリゴンミラー16aに到達する。ポリゴンミラー16aは回転多面鏡であり、スキャナモータを含むスキャナモータユニット16によって等角速度で回転している。ポリゴンミラー16aに到達したレーザビームはポリゴンミラー16aによって偏向され、f-θレンズ17によって感光ドラム511の回転方向と直交する軸線方向(長手方向)に等速走査となるように変換され、ビーム検出(以下BDと略す。)センサ20に受光させる。BDセンサ20は画像領域の基準位置を決定するビーム検出信号(以下BD信号と略す。)21を出力する。
画像領域おいて、LD12の内、前記発光点から出射したレーザビームL2は、f-θレンズ17を出射した後、反射ミラー18を経由して被走査体としての感光ドラム511上を照射することにより潜像形成を行う。なお、感光ドラム511に照射したレーザビームL2は、ポリゴンミラー16aの回転による感光ドラム511の軸線方向への主走査と、感光ドラム511の回転による副走査に伴って、感光ドラム511に潜像形成を行う。
<LDの発光制御に必要な構成>
次に、本実施例におけるLD12の発光制御に必要な構成について、図3のブロック図を用いて説明する。レーザ駆動回路11はLD12の発光点と同数を配備するが、構成が同一なので、図3では1発光点のみを記載している。
画像制御部5は、光走査装置2の発光制御を行う制御部である。画像制御部5は、レーザ制御部100とデータ生成部200から構成される。レーザ制御部100はレーザ駆動回路11を制御してLD12を発光させる。データ生成部200は、感光ドラム511に照射する画像データを生成する。
<定光量制御>
レーザ駆動回路11は、LD12の駆動電流を制御することにより、LD12を所定光量にて発光させる。所定光量とは、例えば、画像領域において感光ドラム511に潜像形成するのに必要な露光量である。
PD信号14cは、LD12のレーザビームの発光強度に応じた電流であり、可変抵抗器31にてPD電圧信号に変換される。
出力切替スイッチ32は、レーザ制御部100から送信される出力切替信号23にてPD信号の出力先の切替を行う。出力切替スイッチ32を(a)側にするPD信号を比較器33に出力し、(b)側にすると比較器37に出力する。レーザ制御部100は、出力切替スイッチ32を(a)側にして、PD電圧信号と基準電圧発生回路(基準電圧a)34で生成される基準電圧aを共に比較器33に入力する。
比較器33の出力端は、レーザ制御部100から送信されるサンプルホールド制御信号(以下S/H_Hと略す。)24aがサンプル要求としてサンプルホールド切替スイッチ35を閉鎖すると、サンプルホールドコンデンサ36(以下Csh-H)に接続される。比較器33は、PD電圧信号と基準電圧aを比較して、比較結果に応じてCsh-H36に電荷を充放電する。
Csh-H36の出力電圧(以下Vcsh_Hと略す。)は、減算器41にて閾値算出回路51から出力される閾値電圧(以下Vthと略す。)を減算した後、入力切替スイッチ43に入力される。閾値算出回路51は、Vcsh_HとCsh-L40の出力電圧(Vcsh_L)によりLD12の発光開始時の駆動電圧である閾値電圧Vthを算出する。閾値電圧Vthの算出方法については後述する。
入力切替スイッチ43は、電圧電流変換回路(以下V-I変換と略す。)44に入力する信号の切替を行う。入力切替スイッチ43を(a)側にするとVcsh_HからVthを減じた電圧を、(b)側にするとスイッチング電圧Vswを、各々V-I変換44に入力する。スイッチング電圧Vswについての説明は後述する。
入力切替スイッチ43は、レーザ制御部100から送信される入力切替信号27にて(a)側を選択して、V-I変換44に入力する。V-I変換44は、Vcsh_Hの電圧値に所定の増幅率を以て電流に変換する。
トランジスタ50は、差動信号レシーバ53(以下LVDSと略す。)の出力信号にてスイッチング駆動する。LVDS53は、サンプル要求時は、レーザ制御部100から送信されるデータ出力制御信号26にて強制的にトランジスタ50を活性(ON)状態として、スイッチング信号を出力する。
加算器49は、トランジスタ50の出力と電圧電流変換回路(以下V-I変換と略す。)48の出力と加算する。
一方、入力切替スイッチ46は、制御切替スイッチ47を介してV-I変換48に入力する信号の切替を行う。入力切替スイッチ46を(a)側にするとVthを、(b)側にするとVcsh_Lを、各々V-I変換48に入力する。また、制御切替スイッチ47は、定光量制御時は(a)側を選択し、後述する定電流制御時は(b)側を選択する。
入力切替スイッチ46は、レーザ制御部100から送信される入力切替信号28にて(a)側を選択し、かつ制御切替スイッチ47は、レーザ制御部100から送信される制御切替信号29にて(a)側を選択する。これによりV-I変換48には閾値算出回路51の出力が接続される。結果、加算器49は、Vcsh_HからVthを減じた電圧をV-I変換44にて変換された電流とVthをV-I変換48にて変換された電流を加算した値を以て、LD12を駆動することになる。
次に、レーザ駆動回路11は、非画像領域においてLD12の駆動電流を制御することにより、LD12を差分光量POL(強度)にて発光させる。例えば、差分光量POLは、閾値電圧Vthを算出するのに最適な値に設定される。以下に差分光量POLが、例えば、所定光量POHの1/4とした場合について説明する。
次に、レーザ駆動回路11は、LD12の駆動電流を制御することにより、LD12を前述した所定光量とは異なる光量で発光させる。その光量は、LD12の発光開始電流Ithを求めるために最適な値に設定する。以下は、例として、異なる光量を所定光量の1/4とした場合について説明する。
PD信号14cは、LD12の発光ビームの強度に応じた電流であり、可変抵抗器31にてPD電圧信号に変換される。
レーザ制御部100は、出力切替スイッチ32を(b)側にして、PD電圧信号と基準電圧発生回路(基準電圧b)38で生成される基準電圧bを共に比較器37に入力する。基準電圧bは、差分光量POLを所定光量POHの1/4とするため、基準電圧aの1/4に設定しておく。
比較器37の出力端は、レーザ制御部100から送信されるサンプルホールド制御信号(以下S/H_Lと略す。)24bがサンプル要求としてサンプルホールド切替スイッチ39を閉鎖すると、サンプルホールドコンデンサ40(以下Csh-L)に接続される。比較器37は、PD電圧信号と基準電圧bを比較して、比較結果に応じてCsh-L40に電荷を充放電する。
レーザ制御部100は、サンプル要求時に入力切替スイッチ46に送信する入力切替信号28にて(b)側を選択し、かつ制御切替スイッチ47に送信する制御切替信号29にて(a)側を選択する。これにより、Csh-L40の出力電圧(以下Vcsh_Lと略す。)は、V-I変換48に入力されることになる。V-I変換48は、Vcsh_Lの電圧値に所定の増幅率を以て電流に変換される。
トランジスタ50は、LVDS53がレーザ制御部100から送信されるデータ出力制御信号26により、強制的にトランジスタ50を遮断(OFF)状態とする。結果、加算器49は、Vcsh_LをV-I変換48にて変換された電流を以て、LD12を駆動することになる。
電流モニタ54は、Vcsh_HまたはVcsh_Lの何れかを、レーザ制御部100から送信されるモニタ切替信号55にて切り替えて、モニタ出力信号56としてレーザ制御部100に出力する。
<閾値電圧Vthの算出方法>
図4は、閾値電圧Vthの算出方法を記す半導体レーザ12の電圧-光量特性図である。図4における電圧Vopは、前述した図3におけるV-I変換45並びにV-I変換48にて電流に変換されて、LD12を駆動する。
閾値算出回路51における閾値電圧Vthの算出方法について、図4のグラフ図を以て説明する。図4において、実線部がLD12の電圧Vopと光量Poの特性値で、破線部は以下に記す電圧と光量の関係から算出した直線である。
電圧VOHはLD12を所定光量POHで発光させるのに必要な駆動電圧で、電圧VOLはLD12を異なる光量POLで発光させるのに必要な駆動電圧である。光量POLは、前述したように光量POHの1/4に設定している。これらの2点を結ぶ直線は、式1に示す関係で表すことができる。更に、上記関係から式2及び式3を導出して、式4から閾値電圧Vthを得ることができる。
一方、バイアス電圧Vbは、バイアス設定回路52にて式5に示すVthに予め設定した係数α(α≦1)を乗じて得る。また、閾値電圧Vthからバイアス電圧Vbを差し引いたオフセット電圧Voffを生成する(式6参照)。
スイッチング電圧Vswは、V-I変換45にて電流変換された後、LVDS53から出力される信号に応じてトランジスタ50によりON/OFF駆動する。
Vop=a×Po+Vth …(1)
a:変換係数[W/A]
OH=a×POH+Vth …(2)
OL=a×POL+Vth …(3)
Vth=VOL-(1/4)×VOH …(4)
∵POL=(1/4)×POH
Vb=αVth …(5)
(α≦1)
Voff=Vth-Vb=Vth-αVth=(1-α)×Vth …(6)
Vsw=VOH-Vb=VOH-Vth+Voff …(7)
<定電流制御>
レーザ駆動回路11は、画像領域において、前述した光量制御で得られる駆動電流を以て、LD12を定電流駆動する。
サンプルホールド切替スイッチ35は、レーザ制御部100より送信されるホールド要求としてS/H_H24aにより開放され、Csh-H36はVcsh_Hの保持電圧を出力する。入力切替スイッチ43は、レーザ制御部100より送信される入力切替信号27にて(b)側を選択する。入力切替スイッチ43の(b)側には、シェーディング補正回路60の出力値をVshとすると、式8で示される電圧が入力される。
Vin=(Vcsh_H-Vth)+Voff-Vsh=Vsw-Vsh …(8)
入力切替スイッチ43に入力された電圧はV-I変換44に出力され、V-I変換44にて所定の増幅率を以て電流に変換される。なお、シェーディング補正回路60の動作については後述する。
一方、サンプルホールド切替スイッチ39は、レーザ制御部100より送信されるホールド要求としてS/H_L24bにより開放され、Csh-L40はVcsh_Lの保持電圧を出力する。
また、レーザ制御部100は、ホールド要求としてS/H_L24bがサンプルホールド切替スイッチ39を開放し、制御切替スイッチ47が制御切替信号29にて(b)側を選択する。よって、制御切替スイッチ47はバイアス電圧Vbを出力する。バイアス電圧Vbは、V-I変換48にて所定の増幅率を以て電流に変換される。
LVDS53は、データ生成部200から入力される差動データ信号25a、25bを受信して、レーザ制御部100から送信されるデータ出力制御信号26にて差動データ信号25a、25bに応じたスイッチング信号をトランジスタ50に出力する。
トランジスタ50は、スイッチング信号により、ON時はスイッチング電圧Vswにバイアス電圧Vbを加えた電圧をV-I変換48にて変換された電流を以て、LD12を駆動する。一方、トランジスタ50は、スイッチング信号により、OFF時はバイアス電圧VbをV-I変換48にて変換された電流を以て、LD12を駆動する。
<シェーディング補正/補正値算出方法>
図5は像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306の概略構成図である。像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306は、光走査装置2の製造工程にて光量特性の測定を行うものである。像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306以外が、被測定対象である光走査装置2の製品構成となる。
像面照度測定装置300は、光走査装置2から感光ドラムの照射位置相当の位置に照射されるレーザビームの照度(光量)を測定するものである。像面照度測定装置300は、測定台301、光学ユニット302、測定用フォトダイオード303及び光学駆動部304で概略構成される。測定用フォトダイオード303は、例えばアバランシェ・フォトダイオード(以下APDと略す。)を用いる。測定用フォトダイオード303は、被走査体であり、光学ユニット302上、感光ドラム511の照射位置相当に配備する。光学駆動部304は光学ユニット302を主走査方向に移動させるものである。光学駆動部304による光学ユニット302の移動方向である主走査方向は、矢印方向に回転されるポリゴンミラー16aにより偏向されたレーザビームの走査方向であり、感光ドラム511の回転方向と直交する方向(長手方向、軸線方向)である。像面照度測定に使用する光走査装置2の半導体レーザ12から出射したレーザビームL2は走査光或いは静止光の何れでもよい。
照度測定用制御ユニット306は、APD制御部307、アナログ-デジタル変換器(以下ADCと略す)309及び測定制御部311で構成される。APD制御部307はAPD303と接続されており、測定用フォトダイオード制御信号305によってAPD303を制御し、APD303への電源供給及びAPD303から出力される電流を電圧信号に変換する。ADC309はAPD電圧信号308を所定のサンプリングレート及び分解能により量子化をする。測定制御部311は、LD12を所定の光量となるようレーザ駆動回路11に対してレーザ制御信号312によって制御する。制御方法は画像形成装置1におけるそれと同一のため説明は省略する。更に、ADC309から入力される測定値310を演算処理して補正値を生成する。
なお、本実施例では、ここで生成した補正値を、不図示のメモリ(記憶部)に記憶している。この補正値は、後述するシェーディング補正回路(光量補正部)60より出力する電流の加減量を決めるものである。この補正値を算出する補正式は、前述した組立工具側(図5に示す像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306)にあり、測定値から補正式により補正値を算出する。なお、ここでは補正値を不図示のメモリに記憶する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、不図示のメモリに補正式を記憶させ、画像形成装置にて補正値を算出するように構成しても良い。
図6(a)は、像面照度測定装置300の光学駆動部304にてAPD303を所定像高に移動させて光走査装置2から出射されるレーザビームの光量を測定した値を測定像高毎にプロットしたグラフ図である。図6(a)中のP1~P11は各像高での測定値を記している。
ここで、図6(a)中のP1~P11は、被走査体である測定用フォトダイオード303を主走査方向に移動させた各位置(各像高)であり、被走査体である感光ドラム511の長手方向における照射位置に相当する。
光走査装置2から出射される光量は、LD12の光量Poが一定であっても、光走査装置2を構成するミラー等の光学部品のバラツキ等により像高間での差が発生する。図6(a)において、P6が像高間光量の最小値Pminであり、P11が像高間光量の最大値Pmaxである。図6(b)は、図6(a)の測定値から検出した最小光量Pminと最大光量Pmaxから得る最大補正光量を記すグラフ図であり、最大補正光量(比率)は式9から求められる。図6(b)では、最大補正光量(比率)は、おおよそ85%程度となる。
最大補正光量(比率)={1-(Pmax-Pmin)/Pmin}×100[%] …(9)
図7は、シェーディング電圧Vshの算出方法を説明するLD12の電圧-光量特性図である。実線部がLD12の特性図であり、破線部が後述する補正線である。
図6(b)における最小光量Pmin時のLD12の光量をPOH、その時の駆動電圧をVOHとし、最大光量Pmax時のLD12の光量がPOH′、その時の駆動電圧をVOH′とする。最大補正光量を補正するには、光量をPOHからPOH′に減じる必要があり、そのためには電圧をVOH-VOH′に減じる。
補正線は、●印の2点(VOH,POH)、(VOH′,POH′)を結ぶ直線にて生成する。この補正線及び補正線を生成する前記2点については、後述する、シェーディング補正における補正値の算出方法(図9)において説明する。
そして、この補正線に基づいて、最大光量Pmax時のLD12の光量を目標にして、この最大光量Pmax時のLD12の光量の位置(図6(b)に示すP11の位置)以外の位置の光量を補正する。すなわち、図6(b)における最大光量Pmax以外では補正線に基づき光量POHに補正光量(比率)を乗じた値から補正電圧であるシェーディング電圧Vshを算出できる。式10にシェーディング電圧Vshの算出方法を記載する。
Vsh=(1/(POH-POH′))×{(VOH-VOH′)×Pn+(VOH′×POH-VOH×POH′)} …(10)
※VOH,POH、VOH′,POH′:測定値
※Pn:演算値(ここでは、POH×補正光量(比率))
ここで、補正線を生成する2点のうちの一方の位置の光量を目標(起点)としたのは、1走査線上の最大光量の位置と、最小光量の位置だからである。前記2点のうちの一方の位置の光量を目標にして、この光量の位置(図6(b)に示すP11の位置)以外の位置における光量を補正することで、シェーディング補正回路を簡素化できる。具体的には、補正線を生成する2点以外の位置の光量を目標(起点)にした場合、その位置(例えばP3の位置)より最大光量側は加算し、最小光量側は減算しなければならない。これに比べて、補正線を生成する2点のうちの一方の位置の光量を目標(起点)にして、それ以外の位置の光量を補正することで、前述した定電流制御にてシェーディング補正回路から出力される出力値の補正電流方向を一律(減算または加算)にできる。
図8はシェーディング補正回路60の動作を説明するタイムチャートであり、シェーディング電圧Vshの出力状態を記すグラフ図を併記している。
シェーディング補正回路60は、LD12から出射されたレーザビームが被走査体において所定の光量となるよう、LD12に供給する電流を加減するための光量補正部である。シェーディング補正回路60は、前述した組立工具側(図5に示す像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306)で測定した測定値を用いて補正式で補正した補正値に応じて、出力する電力が加減される。
シェーディング補正回路60に入力するシェーディング制御信号61は、補正クロック61aと補正データ61bから構成する。補正クロック61aは、そのパルス数が像面照度測定装置300での測定像高の間隔のn倍となるよう、周期を設定する。n数は、補正クロック61aは測定像高間で離散であるため、これらの補間数とする。図8では、例として、補間数を『16』としている。
シェーディング補正回路60は、補正クロック61aの立上りタイミングで補正データ61bのP1補正データをサンプリングしてシェーディング電圧Vsh1を出力する。次に補正データ61bのP2補正データをサンプリングすると、P1補正データとを補間する電圧を演算して出力する。これを順次行い、補正データ61bの最終データであるP11補正データからシェーディング電圧Vsh11を出力する。シェーディング電圧Vsh11は、補正クロック61a及び補正データ61bが出力される間を保持する。
次に、本実施例のシェーディング補正における補正値の算出方法について、図9のフローチャートを用いて説明する。補正値は、光走査装置ごとに被走査体の長手方向の複数の位置に対して、光走査装置からレーザビームを照射して光量を測定し、その測定値から光走査装置ごとの電流と発光量の比例関係を示す補正線を生成し、生成した補正線を用いて算出する。
まず、可変抵抗器31を可変して最小光量Pminとなるよう設定する(S101)。次に測定制御部311がLD12を発光させて、像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いて像高間光量1(S102)と、電圧Vcsh_H1(S103)を測定する。LD12の全ビームの測定が終了しない場合(S104のNO)、別ビームの像高間光量1(S102)と電圧Vcsh_H1(S103)の測定を行う。
ここで、LD12の全ビームとは、LD12が有する発光点から出射されるレーザビームの全てのことを指す。例えば、LD12が有する発光点の数が32である場合、全ビームの数は32である。そして、発光点ごとに1走査の複数の位置(図6(a)及び図6(b)ではP1~P11の位置)の像高間光量1とその電圧Vcsh_H1を測定する。
LD12の全ビームの測定が終了した場合(S104のYES)、S102の測定結果から、像高間最大光量Pmaxを検出した後(S105)、像高間最小光量Prefを検出する(S106)。そして、像高間最大光量Pmaxと像高間最小光量Prefから補正光量(比率)を算出する(S107)。
ここでは、LD12が有する発光点ごとに、像高間最大光量Pmaxと像高間最小光量Prefを検出する。そして、式9により、各発光点ごとの像高間最大光量Pmaxと像高間最小光量Prefから、各発光点ごとの最大補正光量(比率)を算出する。
前記補正光量(比率)を算出した後(S107)、可変抵抗器31を可変して前記最大光量Pmaxとなるよう設定する(S108)。ここで、最大光量Pmaxは、前記最小光量Pminで測定した像高間照度分布(各ビームごとの測定値)の最大光量となる像高の光量から決定する。すなわち、S101の最小光量Pminで測定した光量の最小値と最大値の光量差である前記算出した最大補正光量(比率)を前記最小光量Pminから減じた光量を、S108にて前記最大光量Pmaxとする。
次に測定制御部311がLD12を発光させて、像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いて像高間光量2(S109)と、電圧Vcsh_H2(S110)を測定する。LD12の全ビームの測定が終了しない場合(S110のNO)、別ビームの像高間光量2(S109)と電圧Vcsh_H2(S110)の測定を行う。
ここで、LD12の全ビームとは、前述したように、LD12が有する発光点から出射されるレーザビームの全てのことを指す。例えば、LD12が有する発光点の数が32である場合、全ビームの数は32である。そして、発光点ごとに1走査の複数の位置(図6(a)及び図6(b)ではP1~P11の位置)の像高間光量2とその電圧Vcsh_H2を測定する。
LD12の全ビームの測定が終了した場合(S111のYES)、S102、S103及びS109、S110の測定結果から図7に点線で示す補正線が生成される(S112)。この補正線は、LD12の発光点ごとに生成される。また補正線は、S102にて測定した像高間光量1のうちの最小値とその電圧、S109にて測定した像高間光量2のうちの最大値とその電圧の2点から生成される。S112にて生成される補正線は、前記2点を結ぶ直線であり、電圧と発光量の比例関係を示すものである。
S112にて得られた補正線にS102の測定結果(測定した光量とその電圧)を代入することにより補正値を算出して(S113)、図9のフローチャートにおける補正値の算出処理は終了する。
この補正値は、前述したように不図示のメモリに記憶されている。そして、画像制御部5は、シェーディング補正回路60から出力する電流(図3では電圧)の加減量を、前記補正値により決定する。これにより、LD12に供給する電流がシェーディング補正回路60により加減され、LD12から出射されたレーザビームが被走査体において所定の光量となるよう制御される。
以上により、最大補正光量を光走査装置ごとに測定してシェーディング補正値を決定するので、光走査装置ごとの光量の補正精度の誤差を抑えて、光走査装置から照射されたレーザビームの被走査体における光量の補正精度の改善が実現できる。
LD12としては、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER(垂直共振器面発光レーザ)の略称)がある。VCSELは、その他の半導体レーザに比べて、I-L特性がより大きな非線形であるため、本発明が特に有効である。
なお、上述した本実施例においては、LD12の発光点ごとに補正線を作成し使用したが、全発光点で同じ補正線を使用しても構わない。具体的には、LD12の各発光点ごとに補正線を作成するのではなく、代表的な1つの補正線を作成し、その補正線を他の発光点でも流用する。各発光点毎に補正線を作成してシェーディング補正を行う方法に比べれば補正の精度は低下するが、像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いた各発光点での測定の工数を削減できる。これにより1台の光走査装置の調整に要する時間を削減することができ、コストの削減につながる。また、代表的な補正線1つを使用すればよいため、制御が簡易になるとともに、メモリの容量も削減することができる。
〔第2実施例〕
図10(a)は光量比率の像高間を多項式近似で補間した特性グラフ図である。●印は光量測定値から算出した光量比率であり、破線部が測定像高における光量比率の関係から生成した多項式近似式(n次近似式(n≧2))をグラフ化している。多項式近似は、LD12の特性並びに光走査装置2内のf-θレンズ17、反射ミラー18といった、光学特性により決定される。ここでは、例として4次近似で光量比率を近似している。
ここでは、近似式生成において光学特性に準拠したが、補正対象が感光ドラム511の感度ムラであれば、その特性に順応してもよい。
図10(b)は多項式近似から算出した補正光量(比率)を示すグラフ図である。多項式近似により、測定像高を含むそれ以外の補正光量を算出することができる。
次に、本実施例のシェーディング補正における近似式を用いた補正値の算出方法について、図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、可変抵抗器31を可変して最小光量Pminとなるよう設定する(S201)。次に測定制御部311がLD12を発光させて、像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いて像高間光量1(S202)と、電圧Vcsh_H1(S203)を測定する。LD12の全ビームの測定が終了しない場合(S204のNO)、別ビームの像高間光量(S202)を行う。
LD12の全ビームの測定が終了した場合(S204のYES)、S202の測定結果から像高間最大光量Pmaxを検出した後(S205)、像高間最小光量Prefを検出する(S206)。
最大光量Pmaxと像高間最小光量Prefから補正光量(比率)を算出した後(S207)、可変抵抗器31を可変して最大光量Pmaxとなるよう設定した後、測定制御部311がLD12を発光させる(S208)。
像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いて像高間光量2(S209)と、電圧Vcsh_H2(S210)を測定する。LD12の全ビームの測定が終了しない場合(S211のNO)、別ビームの像高間光量2(S209)を行う。
LD12の全ビームの測定が終了した場合(S211のYES)、S202、S203及びS209、S210の測定結果から補正線を算出する(S212)。次にS202の像高間光量1の測定結果から像高間近似値を求めるための像高間近似式を生成する(S213)。
S212の補正線の結果を代入した後にS213の像高間近似式(n次近似式(n≧2))から補正値を算出して(S214)、図11のフローチャートにおける補正値算出処理は終了する。
以上により、光走査装置2毎に測定してシェーディング補正値を像高間近似により決定するので、光走査装置2の補正値の更なる精度改善が実現できる。
〔第3実施例〕
本実施例におけるLD12の発光制御に必要な構成について、図12のブロック図を用いて説明する。レーザ駆動回路11はLD12の発光点と同数を配備するが、構成が同一なので、1発光点のみを記載している。
画像制御部5は、レーザ制御部100とデータ生成部200から構成される。レーザ制御部100はレーザ駆動回路11を制御してLD12を発光させる。データ生成部200は、感光ドラム511に照射する画像データを生成する。レーザ制御部100は、LD12を所定の光量となるようレーザ駆動回路11を制御するが、制御方法は第1実施例に係る画像形成装置1におけるそれと同一のため説明は省略する。
レーザ駆動回路11は、格納部としての不揮発性メモリ(以下EEPROMと略す。)70を有する。EEPROM70は、シリアル通信信号(以下SIOと略す。)71を介してレーザ制御部100と接続されている。SIO71のハードウエア構成、プロトコルについてはSPI、I2C等何れもよい。本実施例では前記補正値はEEPROM70に格納されている。レーザ制御部100が所定のタイミングでSIO71によりEEPROM70から補正値を読み出す。
図13(a)はEEPROM70の書込みのフローチャートである。図13(a)におけるフローチャートは、例えば、図6に示した像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306にて光走査装置2の組み立て工程にて実施する。照度測定用制御ユニット306は、補正値の算出(S301)を行った後、補正値を読み出し(S302)、補正値を含めたEEPROM70の書込みデータのチェックサムを算出する(S303)。その後、補正値を含めたデータをEEPROM70に書き込む(S304)。
図13(b)はEEPROM70の読出しのフローチャートである。光走査装置2が画像形成装置1に配備され、電源が投入されると(S401)、レーザ制御部100がEEPROM70内に書き込まれたデータを読出し(S402)、チェックサムの照合を行う(S403)。一致した場合は(S403のYES)、補正値を読出し(S404)、レーザ制御部100内部に配備する不図示のメモリに格納する(S405)。一致しなかった場合は(S403のNO)、チェックサムエラーを報知して光走査装置2を停止してエラー処理を行って(S406)、フローチャートを終了する。
以上により、シェーディング補正値をEEPROM70に格納して、光走査装置2にて補正値を生成するので、光走査装置2のシェーディング補正が容易に実現できる。
〔第4実施例〕
本実施例におけるLD12の発光制御に必要な構成について、図14のブロック図を用いて説明する。レーザ駆動回路11はLD12の発光点と同数を配備するが、構成が同一なので、1発光点のみを記載している。
画像制御部5は、レーザ制御部100とデータ生成部200から構成される。レーザ制御部100はレーザ駆動回路11を制御してLD12を発光させる。データ生成部200は、感光ドラム511に照射する画像データを生成する。レーザ制御部100は、LD12を所定の光量となるようレーザ駆動回路11を制御するが、制御方法は第1実施例に係る画像形成装置1におけるそれと同一のため説明は省略する。
レーザ駆動回路11は、光量ゲイン制御回路80を有する。光量ゲイン制御回路80は、レーザ制御部100から送信されるゲイン設定信号81にてLD12の駆動電圧を制御するゲイン電圧Vgを出力する。図15(a)はゲイン電圧VgとLD12の光量の関係を記すグラフ図である。実線部はLD12の電圧Vop-光量Poの特性線であり、破線部は前述の閾値電圧Vthの算出方法にて説明したVthを算出するための計測によって得る特性線である。
ゲイン電圧Vgは、基準光量を100%とするP100%を電圧(Vcsh_H-Vth)の100%を基点として、ゲイン設定信号81にて可変制御される電圧で、(Vcsh_H-Vth)の50%で発光する光量をP50%とする。P50%は、実線に示す特性線とにずれが生じているが、感光ドラム511に必要な光量は画像形成装置1内の環境センサ(不図示)等で調整される。
シェーディング補正回路60は、補正データ61bで設定される補正値にゲイン設定信号81を乗じたシェーディング電圧Vsh′を出力する。ゲイン電圧Vgとシェーディング電圧Vsh′は、加算器62にて加算した後、減算器42にてスイッチング電圧Vswに入力される。
<電圧-光量の近似式の生成>
図15(b)は、LD12の駆動電圧Vop-光量Poの近似式の生成方法を説明するグラフ図である。図15(b)中の実線はLD12の特性値であり、●印は測定値で、目標光量をP100%とした時にCsh-H36に蓄積される電圧をVsch_H100%とする。ゲイン設定信号81にてゲインを75%とした時のCsh-H36に蓄積される電圧をVsch_H75%、その時の光量測定値をP75%としている。同様にゲイン設定信号81にてゲインを37.5%とした時のCsh-H36に蓄積される電圧をVsch_H37.5%、その時の光量測定値をP37.5%としている。
破線部は●印の測定値から演算した多項式近似式(n次近似式(n≧2))であり、例として2次近似式としている。これは、LD12の特性値により決定している。上記の2次近似式をLD12の発光点数すべてに対して算出するのが望ましいが、LD12の電圧-光量特性の類似性や測定工数の効率性を鑑みて算出数を削減してもよい。
次に、本実施例のシェーディング補正における補正値の算出方法について、図16のフローチャートを用いて説明する。
まず、可変抵抗器31を可変して最小光量Pminとなるよう設定する(S501)。次に測定制御部311がLD12を発光させて、像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いて像高間光量1(S502)と、電圧Vcsh_H1(S503)を測定する。LD12の全ビームの測定が終了しない場合(S504のNO)、別ビームの像高間光量(S502)を行う。
LD12の全ビームの測定が終了した場合(S504のYES)、S502の測定結果から像高間最大光量Pmaxを検出した後(S505)、像高間最小光量Prefを検出する(S506)。
最大光量Pmaxと像高間最小光量Prefから補正光量(比率)を算出する(S507)。電圧-光量の近似式の生成にて説明した工程を行う(S508)。レーザ制御部100によりゲイン設定をした後(S509)、S507、S508及びS509から補正値を算出して(S510)、図16のフローチャートにおける補正値算出処理は終了する。
以上により、LD12の特性を測定して多項式近似してシェーディング補正値を決定するので、光走査装置2の補正値の更なる精度改善が実現できる。
〔第5実施例〕
本実施例のシェーディング補正における補正値算出方法について、図17のフローチャートを用いて説明する。
まず、可変抵抗器31を可変して最小光量Pminとなるよう設定する(S601)。次に測定制御部311がLD12を発光させて、像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306を用いて像高間光量1(S602)と、電圧Vcsh_H1(S603)を測定する。LD12の全ビームの測定が終了しない場合(S604のNO)、別ビームの像高間光量(S602)を行う。
LD12の全ビームの測定が終了した場合(S604のYES)、S602の測定結果から像高間最大光量Pmaxを検出した後(S605)、像高間最小光量Prefを検出する(S606)。
最大光量Pmaxと像高間最小光量Prefから補正光量(比率)を算出する(S607)。S602の像高間光量1の測定結果から像高間近似値を求めるための式を生成する(S608)。像高間近似値の生成方法については、前述した方法を同一なので、説明は省略する。次に、電圧-光量の近似式の生成にて説明した工程を行う(S609)。レーザ制御部100によりゲイン設定をした後(S610)、S607、S608、S609及びS610から補正値を算出して(S611)、図17のフローチャートにおける補正値算出処理は終了する。
〔第6実施例〕
本実施例におけるLD12の発光制御に必要な構成について、図18のブロック図を用いて説明する。レーザ駆動回路11はLD12の発光点と同数を配備するが、構成が同一なので、1発光点のみを記載している。
画像制御部5は、レーザ制御部100とデータ生成部200から構成される。レーザ制御部100はレーザ駆動回路11を制御してLD12を発光させる。データ生成部200は、感光ドラム511に照射する画像データを生成する。レーザ制御部100は、LD12を所定の光量となるようレーザ駆動回路11を制御するが、制御方法は第1実施例に係る画像形成装置1におけるそれと同一のため説明は省略する。
レーザ駆動回路11は、格納部としての不揮発性メモリ(以下EEPROMと略す。)70を有する。EEPROM70は、シリアル通信信号(以下SIOと略す。)71を介してレーザ制御部100と接続されている。SIO71のハードウエア構成、プロトコルについてはSPI、I2C等何れもよい。EEPROM70には補正値が格納されている。レーザ制御部100が所定のタイミングでSIO71によりEEPROM70から補正値を読み出す。
図19(a)はEEPROM70の書込みのフローチャートである。図19(a)におけるフローチャートは、例えば、図6に示した像面照度測定装置300及び照度測定用制御ユニット306にて光走査装置2の組み立て工程にて実施する。照度測定用制御ユニット306は、補正値の算出(S701)を行った後、補正値を読出し(S702)、電圧-光量近似式の係数を読出す(S703)。補正値及び係数を含めたEEPROM70の書込みデータのチェックサムを算出する(S704)。その後、補正値を含めたデータをEEPROM70に書込む(S705)。
図20(b)はEEPROM70の読出しのフローチャートである。光走査装置2が画像形成装置1に配備され、電源が投入されると(S801)、レーザ制御部100がEEPROM70内に書込まれたデータを読出し(S802)、チェックサムの照合を行う(S803)。
チェックサムが一致した場合は(S803のYES)、補正値を読出し(S804)、かつ電圧-光量近似式の係数を読出し(S805)、レーザ制御部100内部に配備する不図示のメモリに格納する(S806)。レーザ制御部100は、ゲイン設定がある場合に(S807のYES)、補正値を再計算する(S808)。レーザ制御部100は、ゲイン設定がない場合は(S807のNO)、フローチャートを終了する。
また、チェックサムが一致しなかった場合は(S803のNO)、チェックサムエラーを報知して光走査装置2を停止してエラー処理を行って(S809)、フローチャートを終了する。
以上により、シェーディング補正値をEEPROM70に格納して、光走査装置2にて補正値を生成するので、光走査装置2のシェーディング補正が容易に実現できる。
1 …画像形成装置
2 …光走査装置
5 …画像制御部
11 …レーザ駆動回路
12 …半導体レーザ(LD)
13 …コリメータレンズ
14 …PDユニット
15 …シリンドリカルレンズ
16 …スキャナモータユニット
16a …ポリゴンミラー
17 …レンズ
18 …反射ミラー
60 …シェーディング補正回路
61 …シェーディング制御信号
61a …補正クロック
61b …補正データ
80 …光量ゲイン制御回路
81 …ゲイン設定信号
100 …レーザ制御部
200 …データ生成部
300 …像面照度測定装置
302 …光学ユニット
303 …測定用フォトダイオード(APD)
304 …光学駆動部
306 …照度測定用制御ユニット
307 …APD制御部
309 …アナログ-デジタル変換器(ADC)
311 …測定制御部

Claims (3)

  1. レーザビームを出射する半導体レーザと、前記半導体レーザから出射されたレーザビームを被走査体に対して長手方向にわたって偏向走査する回転多面鏡と、を有する光走査装置と、
    前記半導体レーザから出射されたレーザビームが前記被走査体において所定の光量となるよう前記半導体レーザに供給する電流を加減するための光量補正部と、
    前記光量補正部による加減量を決める補正値を記憶した記憶部と、
    前記半導体レーザに供給する電流を前記光量補正部により加減することで、前記半導体レーザから出射されたレーザビームが前記被走査体において所定の光量となるよう前記光走査装置の発光制御を行う制御部と、
    を備え、
    光走査装置ごとに被走査体の長手方向の複数の位置に対して、最小光量に設定した前記光走査装置からのレーザビームを照射して光量を測定し、前記最小光量で測定した光量の最小値と最大値の光量差を前記最小光量から減じた光量に設定した前記光走査装置からのレーザビームを照射して光量を測定し、前記最小光量に設定して測定した光量の最小値と前記最小光量から前記光量差を減じた光量に設定して測定した光量の最大値の2点から、光走査装置ごとの電流と発光量の比例関係を示す補正線を生成し、前記補正線を用いて算出した補正値を、前記記憶部が記憶した補正値とし、
    前記制御部は、前記光量補正部による加減量を、前記補正値により決定する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記補正線を用いてn次近似式(n≧2)から補正値を算出し、前記算出した補正値を前記記憶部が記憶した補正値とし、
    前記光量補正部から出力する電流の加減量は、前記補正値により決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記補正値を格納するための格納部を設け、前記補正値を前記格納部に格納した、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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