JP2022139703A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022139703000001
【課題】油の液面が安定した油溜め部から油を吸入することができる車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】車輪の駆動力源である回転電機と、車輪に駆動連結される出力部材と、回転電機と出力部材とを駆動連結するギヤ機構と、少なくとも回転電機に油を供給するオイルポンプ7と、回転電機及びギヤ機構を収容するケース9とを備えた車両用駆動装置100は、ケース9が、回転電機が収容される第1収容室91と、ギヤ機構が収容される第2収容室92とを内部に形成し、オイルポンプ7が第1収容室91に収容され、オイルポンプ7の吸入ポート71がストレーナ8に接続され、ストレーナ8の吸入口81が、第1収容室91の下部に形成された油溜め部80に開口している。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機とギヤ機構とこれらを収容するケースとを備えた車両用駆動装置に関する。
特開2013-180680号公報には、回転電機(4,5)とギヤ機構(トランスアクスル(1))とを備えたハイブリッド車両用の車両用駆動装置(パワートレイン(7))が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。トランスアクスル(1)は、ケーシング(18)に収容されており、ケーシング(18)の一側面(当該文献の図3において左側面)に、回転電機(4,5)が配置される。回転電機(4,5)は不図示のケースに収容されると解される。上述したケーシング(18)の一側面は、トランスアクスル(1)及び回転電機(4,5)が収容されたケースにおいて、トランスアクスル(1)の収容空間と、回転電機(4,5)の収容空間とを隔てることになる。当該ケーシング(18)の一側面には、オイルポンプ(2)が配置されている。オイルポンプ(2)は、ケーシング(18)の内部に収容されたストレーナを介してケーシング(18)の内部の油溜め部から油を吸入すると解される。
特開2013-180680号公報
油溜め部がギヤ機構の収容室(トランスアクスルの収容室)に設けられている場合、ギヤ機構の回転状況によって油溜め部の油面が変動する。そのため、油面が低下した場合に、オイルポンプが空気を吸い込む可能性がある。
上記背景に鑑みて、油の液面が安定した油溜め部から油を吸入することができる車両用駆動装置の提供が望まれる。
上記に鑑みた、車輪の駆動力源である回転電機と、前記車輪に駆動連結される出力部材と、前記回転電機と前記出力部材とを駆動連結するギヤ機構と、少なくとも前記回転電機に油を供給するオイルポンプと、前記回転電機及び前記ギヤ機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置は、前記ケースが、前記回転電機が収容される第1収容室と、前記ギヤ機構が収容される第2収容室と、を内部に形成し、前記オイルポンプが前記第1収容室に収容され、前記オイルポンプの吸入ポートが、ストレーナに接続され、前記ストレーナの吸入口が、前記第1収容室の下部に形成された油溜め部に開口している。
本構成によれば、ケースに第1収容室と第2収容室とが形成され、ギヤ機構が収容される第2収容室とは別の第1収容室に回転電機及びオイルポンプが収容されている。第1収容室の下部に形成された油溜め部は、ギヤ機構による攪拌の影響を受けにくく、また、回転電機のロータは、ギヤ機構に比べて油を撹拌する程度が低い。そのため、第1収容室の下部に形成された油溜め部の油の液面は安定し易い。従って、オイルポンプは、油溜め部に開口したストレーナを介して、油の液面が安定した油溜め部から、安定的に油を吸入できる。即ち、本構成によれば、油の液面が安定した油溜め部から油を吸入することができる車両用駆動装置を提供することができる。
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
車両用駆動装置のスケルトン図 車両用駆動装置の軸方向第1側からの外観図 車両用駆動装置のケースの模式的断面図 外部油路を含む油供給路の模式的ブロック図
以下、車両用駆動装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。
本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。
また、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「軸方向の配置領域が重複する」とは、一方の部材の軸方向の配置領域内に、他方の部材の軸方向の配置領域の少なくとも一部が含まれることを意味する。
図1は、車両用駆動装置のスケルトン図を示している。図1に示すように、車両用駆動装置100は、第1回転電機1と、第2回転電機2と、内燃機関3に駆動連結される第1入力部材11と、車輪4に駆動連結される出力部材5と、第2回転電機2に駆動連結される第2入力部材12と、第1回転電機1に駆動連結される第3入力部材13と、を備えている。内燃機関3は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。第1回転電機1及び第2回転電機2は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示せず)と電気的に接続されており、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、車両の慣性力や内燃機関3の駆動力等により発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。第1回転電機1及び第2回転電機2は、共通の蓄電装置に電気的に接続されており、第1回転電機1が発電した電力によって第2回転電機2を力行させることが可能となっている。
このように、本実施形態では、第1回転電機1と第2回転電機2との2つの回転電機10と、内燃機関3とを有する2モータハイブリッド方式の車両用駆動装置100を例示して説明するが、当然ながら、1つの回転電機10と、内燃機関3とを有する1モータハイブリッド方式の車両用駆動装置であってもよい。即ち、本実施形態の車両用駆動装置100は、車輪4の駆動力源である回転電機10(1,2)と、車輪4に駆動連結される出力部材5と、回転電機10と出力部材5とを駆動連結するギヤ機構20と、回転電機10及びギヤ機構20を収容するケース9(図2及び図3参照)とを備えている。また車両用駆動装置100は、後述するように、少なくとも回転電機10に油を供給するオイルポンプ7(図2及び図3参照)を備えている。
本実施形態では、第3入力部材13は、第1回転電機1(具体的には、第1回転電機1が備えるロータ、以下同様)と一体的に回転するように第1回転電機1に連結され、第2入力部材12は、第2回転電機2(具体的には、第2回転電機2が備えるロータ、以下同様)と一体的に回転するように第2回転電機2に連結される。第1入力部材11は、例えば、第1入力部材11と内燃機関3との間で伝達されるトルクの大きさを制限して過大なトルクの伝達を遮断する、トルクリミッタTL付きのダンパ装置を介して、内燃機関3に連結される。
図2~図4に示すように、車両用駆動装置100は、ケース9を備えている。第1入力部材11、第2入力部材12、及び第3入力部材13のそれぞれは、ケース9に対して回転可能にケース9に支持されていると共に、ケース9に収容されている。ここで、「収容する」とは、収容対象物の少なくとも一部を収容することを意味する。ケース9には、後述する差動歯車装置6、第1カウンタギヤ機構31、及び第2カウンタギヤ機構32も収容されている。ギヤ機構20は、第1カウンタギヤ機構31、及び第2カウンタギヤ機構32を含む。また、差動歯車装置6が、ギヤ機構20に含まれていてもよい。
図1に示すように、差動歯車装置6は、差動入力ギヤGDを備え、差動入力ギヤGDの回転を、それぞれ車輪4に駆動連結される一対の出力部材5に分配する。例えば、差動歯車装置6は、傘歯車式の差動ギヤ機構を備える。本実施形態では、出力部材5はドライブシャフトであり、出力部材5のそれぞれは、連結対象となる車輪4と同速で回転するように当該車輪4に連結される。出力部材5は、例えば等速ジョイント(図示せず)を介して、連結対象となる車輪4に連結される。出力部材5を介して伝達されるトルクによって車輪4が駆動されることで、車両用駆動装置100が搭載される車両が走行する。
図1に示すように、第1入力部材11は、第1軸A1上に配置され、第2入力部材12は、第2軸A2上に配置され、第3入力部材13は、第3軸A3上に配置され、差動歯車装置6は、第4軸A4上に配置され、後述する第1カウンタギヤ機構31は、第5軸A5上に配置され、後述する第2カウンタギヤ機構32は、第6軸A6上に配置されている。これらの第1軸A1、第2軸A2、第3軸A3、第4軸A4、第5軸A5、及び第6軸A6は、互いに異なる軸(仮想軸)であり、互いに平行に配置される。これらの各軸(A1~A6)に平行な方向(すなわち、各軸の間で共通する軸方向)を軸方向Lとする。また、軸方向Lの一方側を軸方向第1側L1とし、軸方向Lの他方側(軸方向Lにおける軸方向第1側L1とは反対側)を軸方向第2側L2とする。
図1に示すように、第1入力部材11は、内燃機関3に対して軸方向第1側L1に配置される。また、第3入力部材13は、第1回転電機1に対して軸方向第2側L2に配置され、第2入力部材12は、第2回転電機2に対して軸方向第2側L2に配置される。
図1に示すように、車両用駆動装置100は、第1入力部材11と第3入力部材13とを駆動連結すると共に、第1入力部材11と差動入力ギヤGDとを駆動連結する第1ギヤ機構21を備えている。第1ギヤ機構21は、第1入力部材11を介して第3入力部材13と差動入力ギヤGDとを駆動連結する。即ち、第1ギヤ機構21は、内燃機関3に駆動連結される第1入力部材11と第1回転電機1との間で駆動力を伝達する。第3入力部材13と第1入力部材11との間の動力伝達経路である第1動力伝達経路と、第1入力部材11と差動入力ギヤGDとの間の動力伝達経路である第3動力伝達経路とを、第1ギヤ機構21を用いて接続することができる。第3動力伝達経路は、後述する第1切替機構51によって選択的に接続される(すなわち、接続又は遮断される)。一方、本実施形態では、第1動力伝達経路は、常時接続される。
また、車両用駆動装置100は、第2入力部材12と差動入力ギヤGDとを駆動連結する第2ギヤ機構22を備えている。第2ギヤ機構22は、第2入力部材12と差動入力ギヤGDとを、第1ギヤ機構21を介さずに駆動連結する。第2入力部材12と差動入力ギヤGDとの間の動力伝達経路である第2動力伝達経路を、第2ギヤ機構22を用いて接続することができる。即ち、第2ギヤ機構22は、第2回転電機2と出力部材5との間で駆動力を伝達する。本実施形態では、第2動力伝達経路は、後述する第2切替機構52によって選択的に接続される。
第3動力伝達経路が遮断されると共に第2動力伝達経路が接続された状態で、車両用駆動装置100において電動走行モード及びシリーズモードを実現することができる。電動走行モードは、第2回転電機2の駆動力により出力部材5を駆動して車両を走行させる走行モードである。シリーズモードは、内燃機関3の駆動力により第1回転電機1に発電させると共に第2回転電機2の駆動力により出力部材5を駆動して車両を走行させる走行モードである。電動走行モード及びシリーズモードでは、第3動力伝達経路は遮断され、第1回転電機1及び内燃機関3は出力部材5から分離される。
また、第2動力伝達経路及び第3動力伝達経路が接続された状態で、車両用駆動装置100においてパラレルモードを実現することができる。パラレルモードは、少なくとも内燃機関3の駆動力により出力部材5を駆動して車両を走行させる走行モードである。パラレルモードでは、必要に応じて第2回転電機2の駆動力を出力部材5に伝達させて、内燃機関3の駆動力を補助する。パラレルモードにおいて第2回転電機2を停止させる場合(例えば、車両の高速走行時)には、第2動力伝達経路を遮断することで、第1入力部材11を介さずに差動入力ギヤGDに駆動連結される第2回転電機2を、差動入力ギヤGDから切り離すことができる。よって、パラレルモードにおいて第2回転電機2を停止させる場合に、第2回転電機2の連れ回りを回避することができ、この結果、第2回転電機2の引き摺りによるエネルギー損失の発生を抑制することができる。尚、パラレルモードにおいて、第2回転電機2の駆動力に加えて或いは第2回転電機2の駆動力に代えて、第1回転電機1の駆動力を出力部材5に伝達させて、内燃機関3の駆動力を補助してもよい。
ギヤ機構20としての、第1ギヤ機構21及び第2ギヤ機構22は、第3入力部材13と出力部材5と第1回転電機1と第2回転電機2との間の動力伝達状態を変更して、これらの間で動力を伝達する。また、上述したように、シリーズモードは、第1入力部材11と第1回転電機1との間で駆動力が伝達され、第2回転電機2と出力部材5との間で駆動力が伝達される状態となる動作モードである。また、パラレルモードは、第1入力部材11と第2回転電機2と出力部材5との間で駆動力が伝達される状態となる動作モードである。ギヤ機構20は、少なくともシリーズモードとパラレルモードとの2つの動作モードを実行可能である。
図1に示すように、第1ギヤ機構21は、第3入力部材13と同軸に配置される第3入力ギヤG9と、第1入力部材11と同軸に配置されると共に第3入力ギヤG9と噛み合う第1入力ギヤG10と、を備えている。本実施形態では、第3入力ギヤG9は、第3入力部材13と一体的に回転するように第3入力部材13に連結され、第1入力ギヤG10は、第1入力部材11と一体的に回転するように第1入力部材11に連結されている。すなわち、本実施形態では、第3入力部材13と第1入力部材11とは、第3入力ギヤG9と第1入力ギヤG10とのギヤ対を介して常時連結されるため、第3入力部材13と第1入力部材11との間の第1動力伝達経路は、常時接続される。
図1に示すように、本実施形態では、第3入力ギヤG9は、第1入力ギヤG10よりも小径に形成されている。すなわち、第3入力ギヤG9と第1入力ギヤG10とのギヤ比は、第3入力部材13の回転が減速して第1入力部材11に伝達されるように(言い換えれば、第1入力部材11の回転が増速して第3入力部材13に伝達されるように)設定されている。
第1ギヤ機構21は、更に、第1入力部材11とそれぞれ同軸に配置される第1ギヤG1及び第2ギヤG2と、第1カウンタギヤ機構31とを備えている。第1カウンタギヤ機構31は、第1カウンタ軸31aと、第1ギヤG1と噛み合う第3ギヤG3と、第2ギヤG2と噛み合う第4ギヤG4と、第1カウンタ軸31aと一体的に回転すると共に差動入力ギヤGDと噛み合う第5ギヤG5とを備えている。図1に示すように、本実施形態では、第5ギヤG5は、差動入力ギヤGDよりも小径に形成されている。すなわち、第5ギヤG5と差動入力ギヤGDとのギヤ比は、第1カウンタ軸31aの回転が減速して差動歯車装置6(具体的には、差動入力ギヤGD)に伝達されるように設定されている。
第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの間で第1ギヤG1と第3ギヤG3との第1ギヤ対GP1を介して駆動力が伝達される状態と、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの間で第2ギヤG2と第4ギヤG4との第2ギヤ対GP2を介して駆動力が伝達される状態と、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの間で駆動力が伝達されない状態とを切り替える第1切替機構51(切替機構)が、第1ギヤ機構21に設けられている。
以下では、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの間で第1ギヤ対GP1を介して駆動力が伝達される状態(すなわち、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとが第1ギヤ対GP1を介して連結された状態)を、「第1連結状態」とする。また、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの間で第2ギヤ対GP2を介して駆動力が伝達される状態(すなわち、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとが第2ギヤ対GP2を介して連結された状態)を、「第2連結状態」とする。また、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの間で駆動力が伝達されない状態を、「非連結状態」とする。差動入力ギヤGDと噛み合う第5ギヤG5は、第1カウンタ軸31aと一体的に回転するように第1カウンタ軸31aに連結されている。そのため、第1連結状態及び第2連結状態では、第1入力部材11と差動入力ギヤGDとの間で駆動力が伝達される状態となり(すなわち、第3動力伝達経路が接続され)、非連結状態では、第1入力部材11と差動入力ギヤGDとの間で駆動力が伝達されない状態となる(すなわち、第3動力伝達経路が遮断される)。
本実施形態では、第3ギヤG3及び第4ギヤG4は、第1カウンタ軸31aと一体的に回転するように第1カウンタ軸31aに連結されている。そして、第1切替機構51は、第1ギヤG1及び第2ギヤG2のうちの第1ギヤG1のみが第1入力部材11に連結された状態と、第1ギヤG1及び第2ギヤG2のうちの第2ギヤG2のみが第1入力部材11に連結された状態と、第1ギヤG1及び第2ギヤG2の双方が第1入力部材11から切り離された状態と、を切り替えるように構成されている。すなわち、第1ギヤG1及び第2ギヤG2は、第1切替機構51によって選択的に第1入力部材11に連結される。
第1ギヤG1及び第2ギヤG2のうちの第1ギヤG1のみが第1入力部材11に連結された状態では、第1連結状態が実現される。また、第1ギヤG1及び第2ギヤG2のうちの第2ギヤG2のみが第1入力部材11に連結された状態では、第2連結状態が実現される。また、第1ギヤG1及び第2ギヤG2の双方が第1入力部材11から切り離された状態では、非連結状態が実現される。尚、第1連結状態では、第2ギヤG2は、第1入力部材11に対して相対回転可能に第1入力部材11に支持され、第2連結状態では、第1ギヤG1は、第1入力部材11に対して相対回転可能に第1入力部材11に支持され、非連結状態では、第1ギヤG1及び第2ギヤG2が、第1入力部材11に対して相対回転可能に第1入力部材11に支持される。
第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの回転速度比は、第1連結状態では第1ギヤG1と第3ギヤG3とのギヤ比に応じて定まり、第2連結状態では、第2ギヤG2と第4ギヤG4とのギヤ比に応じて定まる。そして、第1ギヤG1と第3ギヤG3とのギヤ比は、第2ギヤG2と第4ギヤG4とのギヤ比と異なるように設定されている。よって、第1連結状態と第2連結状態とを第1切替機構51を用いて切り替えることで、第1入力部材11と第1カウンタ軸31aとの回転速度比が異なる値に切り替えられる。
差動入力ギヤGDの回転速度に対する第1入力部材11の回転速度の比を変速比として、本実施形態では、第1連結状態での変速比が第2連結状態での変速比よりも大きくなるように、第1ギヤG1と第3ギヤG3とのギヤ比、及び第2ギヤG2と第4ギヤG4とのギヤ比が設定されている。よって、第1連結状態では、低速段が形成され、第2連結状態では、高速段が形成される。第1ギヤG1と第3ギヤG3とのギヤ比、及び第2ギヤG2と第4ギヤG4とのギヤ比がこのように設定されるため、本実施形態では、第1ギヤG1は、第2ギヤG2よりも小径に形成され、第3ギヤG3は、第4ギヤG4よりも大径に形成されている。
本実施形態では、第1ギヤG1は、第3ギヤG3よりも小径に形成されている。すなわち、第1ギヤG1と第3ギヤG3とのギヤ比は、第1入力部材11の回転が減速して第1カウンタ軸31aに伝達されるように設定されている。また、本実施形態では、第2ギヤG2は、第4ギヤG4よりも大径に形成されている。すなわち、第2ギヤG2と第4ギヤG4とのギヤ比は、第1入力部材11の回転が増速して第1カウンタ軸31aに伝達されるように設定されている。
本実施形態では、第1切替機構51は、噛み合い式係合装置(ドグクラッチ)を用いて構成されている。具体的には、第1切替機構51は、軸方向Lに移動可能な第1スリーブ部材51aと、第1入力部材11と一体的に回転する第1係合部E1と、第1ギヤG1と一体的に回転する第2係合部E2と、第2ギヤG2と一体的に回転する第3係合部E3と、を備えている。第1スリーブ部材51a、第1係合部E1、第2係合部E2、及び第3係合部E3は、第1軸A1上に配置されている。すなわち、第1切替機構51(具体的には、少なくとも、第1スリーブ部材51a、第1係合部E1、第2係合部E2、及び第3係合部E3)は、第1入力部材11と同軸に配置されている。第1スリーブ部材51aの軸方向Lの位置は、軸方向Lに移動可能にケース9に支持された第1シフトフォーク(不図示)によって切り替えられる。第1シフトフォーク51bは、電動アクチュエータや油圧アクチュエータ等のアクチュエータの駆動力によって軸方向Lに移動される。
第1切替機構51は、第1スリーブ部材51aの軸方向Lの位置に応じて、第1連結状態と、第2連結状態と、非連結状態とを切り替えるように構成されている。具体的には、第1スリーブ部材51aが、第1係合部E1に係合し且つ第2係合部E2及び第3係合部E3に係合しない軸方向Lの位置に移動した状態で(図1参照)、非連結状態が実現される。また、第1スリーブ部材51aが、第1係合部E1及び第2係合部E2に係合し且つ第3係合部E3に係合しない軸方向Lの位置(図1に示す第1スリーブ部材51aの位置よりも軸方向第1側L1の位置)に移動した状態で、第1連結状態が実現される。また、第1スリーブ部材51aが、第1係合部E1及び第3係合部E3に係合し且つ第2係合部E2に係合しない軸方向Lの位置(図1に示す第1スリーブ部材51aの位置よりも軸方向第2側L2の位置)に移動した状態で、第2連結状態が実現される。
図1に示すように、第2ギヤ機構22は、第2入力部材12と同軸に配置される第6ギヤG6(第2入力ギヤ)と、第2カウンタギヤ機構32とを備えている。第2カウンタギヤ機構32は、第2カウンタ軸32aと、第6ギヤG6と噛み合う第7ギヤG7と、第2カウンタ軸32aと一体的に回転すると共に差動入力ギヤGDと噛み合う第8ギヤG8と、を備えている。本実施形態では、第6ギヤG6は、第7ギヤG7よりも小径に形成されている。すなわち、第6ギヤG6と第7ギヤG7とのギヤ比は、第2入力部材12の回転が減速して第2カウンタ軸32aに伝達されるように設定されている。また、本実施形態では、第8ギヤG8は、差動入力ギヤGDよりも小径に形成されている。すなわち、第8ギヤG8と差動入力ギヤGDとのギヤ比は、第2カウンタ軸32aの回転が減速して差動歯車装置6(具体的には、差動入力ギヤGD)に伝達されるように設定されている。本実施形態では、第7ギヤG7は、第8ギヤG8よりも大径に形成されている。
第2入力部材12と第2カウンタ軸32aとの間で第6ギヤG6と第7ギヤG7とのギヤ対を介して駆動力が伝達される伝動状態と、第2入力部材12と第2カウンタ軸32aとの間で駆動力が伝達されない非伝動状態と、を切り替える第2切替機構52が、第2ギヤ機構22に設けられている。差動入力ギヤGDと噛み合う第8ギヤG8は、第2カウンタ軸32aと一体的に回転するように第2カウンタ軸32aに連結されている。そのため、伝動状態では、第2入力部材12と差動入力ギヤGDとの間で駆動力が伝達される状態となり(すなわち、第2動力伝達経路が接続され)、非伝動状態では、第2入力部材12と差動入力ギヤGDとの間で駆動力が伝達されない状態となる(すなわち、第2動力伝達経路が遮断される)。
本実施形態では、第6ギヤG6は、第2入力部材12と一体的に回転するように第2入力部材12に連結されている。そして、第2切替機構52は、第7ギヤG7が第2カウンタ軸32aに連結された状態と、第7ギヤG7が第2カウンタ軸32aから切り離された状態とを切り替えるように構成されている。すなわち、第7ギヤG7は、第2切替機構52によって選択的に第2カウンタ軸32aに連結される。第7ギヤG7が第2カウンタ軸32aに連結された状態では、伝動状態が実現される。また、第7ギヤG7が第2カウンタ軸32aから切り離された状態では、非伝動状態が実現される。尚、非伝動状態では、第7ギヤG7は、第2カウンタ軸32aに対して相対回転可能に第2カウンタ軸32aに支持される。
本実施形態では、第2切替機構52は、噛み合い式係合装置(ドグクラッチ)を用いて構成されている。具体的には、第2切替機構52は、軸方向Lに移動可能な第2スリーブ部材52aと、第2カウンタ軸32aと一体的に回転する第4係合部E4と、第7ギヤG7と一体的に回転する第5係合部E5とを備えている。第2スリーブ部材52a、第4係合部E4、及び第5係合部E5は、第6軸A6上に配置されている。すなわち、第2切替機構52(具体的には、少なくとも、第2スリーブ部材52a、第4係合部E4、及び第5係合部E5)は、第2カウンタギヤ機構32と同軸に配置されている。このように、第2切替機構52は、第2スリーブ部材52aを、第2カウンタギヤ機構32と同軸に備えている。後述するように、第2スリーブ部材52aは、軸方向Lに移動して伝動状態と非伝動状態とを切り替える。第2スリーブ部材52aの軸方向Lの位置は、軸方向Lに移動可能にケース9に支持された第2シフトフォーク(不図示)によって切り替えられる。第2スリーブ部材52aを軸方向Lに駆動する駆動機構は、第2シフトフォーク52bを用いて構成されている。
本実施形態では、第2スリーブ部材52aの内周面には、内歯が形成されており、第4係合部E4及び第5係合部E5のそれぞれの外周面には、外歯が形成されている。第2スリーブ部材52aは、第4係合部E4に外嵌するように配置された状態で、第4係合部E4に対して相対回転不能に且つ第4係合部E4に対して軸方向Lに相対移動可能に、第4係合部E4に連結されている。第4係合部E4(具体的には、第4係合部E4に形成された外歯)は、第2スリーブ部材52aの軸方向Lの位置によらずに、第2スリーブ部材52a(具体的には、第2スリーブ部材52aに形成された内歯)に係合する。一方、第5係合部E5(具体的には、第5係合部E5に形成された外歯)は、第2スリーブ部材52aの軸方向Lの位置に応じて、第2スリーブ部材52a(具体的には、第2スリーブ部材52aに形成された内歯)に選択的に係合する。
第2切替機構52は、第2スリーブ部材52aの軸方向Lの位置に応じて、伝動状態と、非伝動状態と、を切り替えるように構成されている。具体的には、第2スリーブ部材52aが、第4係合部E4に係合し且つ第5係合部E5に係合しない軸方向Lの位置に移動した状態で(図1参照)、非伝動状態が実現される。また、第2スリーブ部材52aが、第4係合部E4及び第5係合部E5に係合する軸方向Lの位置(図1に示す第2スリーブ部材52aの位置よりも軸方向第1側L1の位置)に移動した状態で、伝動状態が実現される。
ケース9は、図3に示すように、第1回転電機1及び第2回転電機2を収容する第1収容室91と、ギヤ機構20を収容する第2収容室92とを備えている。第1収容室91と第2収容室92とは、区画壁部96aによって区画されている。尚、ケース9は、第1ケース部材95と、第2ケース部材96と、第3ケース部材97とを備える。図2は、車両用駆動装置100の軸方向第1側L1からの模式的外観図、つまり、ケース9の軸方向第1側L1からの模式的外観図であり、図3は、ケース9の模式的断面図である。図3にしめすように、ケース9は、回転電機10が収容される第1収容室91と、ギヤ機構20が収容される第2収容室92とを内部に形成している。具体的には、第1ケース部材95と第2ケース部材96とによって囲まれた空間に第1収容室91が形成され、第2ケース部材96と第3ケース部材97とによって囲まれた空間に第2収容室92が形成されている。
図3に示すように、第1ケース部材95は、第1収容室91の軸方向第1側L1を覆う第1壁部95aを備えている。第3ケース部材97は、第2収容室92の軸方向第2側L2を覆う第2壁部97aを備えている。第2ケース部材96は、第1収容室91と第2収容室92とを軸方向Lに区画する区画壁部96aを備えている。尚、本実施形態では、第2ケース部材96は、第1収容室91の軸方向第2側L2の一部を覆う壁部(例えば第3壁部96b)を備えている。第1ケース部材95と第2ケース部材96とが軸方向Lに接合されて第1収容室91が形成され、第2ケース部材96と第3ケース部材97とが軸方向Lに接合されて第2収容室92が形成される。
即ち、回転電機10の回転軸(第2軸A2,第3軸A3)に沿う方向を軸方向Lとし、第2収容室92に対して第1収容室91が配置される側を軸方向第1側L1とし、その反対側を軸方向第2側L2として、ケース9は、第1収容室91の軸方向第1側L1を覆う第1壁部95aと、第2収容室92の軸方向第2側L2を覆う第2壁部97aと、第1収容室91と第2収容室92とを軸方向Lに区画する区画壁部96aとを備える。そして、第1壁部95aを有する第1ケース部材95と、区画壁部96aを有する第2ケース部材96とが接合されて、第1収容室91が形成されている。
本実施形態では、第1入力部材11は、一対の第1軸受B1により、軸方向Lの2ヶ所でケース9に支持されている。上述したように、第2ケース部材96と第3ケース部材97とにより、第2収容室92が形成されている。一対の第1軸受B1は、一方が第2ケース部材96に形成された区画壁部96aに支持され、他方が第3ケース部材97の第2壁部97aに支持されている。第2収容室92に収容される第1入力ギヤG10、第1ギヤG1、及び第2ギヤG2は、一対の第1軸受B1の軸方向Lの間に配置されている。
同様に、第3入力部材13は、一対の第2軸受B2により、軸方向Lの2ヶ所でケース9に支持されている。一対の第2軸受B2は、一方が区画壁部96aに支持され、他方が第1ケース部材95の第1壁部95aに支持されている。第2収容室92に収容される第3入力ギヤG9は、一対の第2軸受B2の軸方向Lの間に配置されている。
また、本実施形態では、第1カウンタ軸31aは、一対の第3軸受B3により、軸方向Lの2ヶ所でケース9に支持されている。第1軸受B1、第2軸受B2と同様に、一対の第3軸受B3は、一方が区画壁部96aに支持され、他方が第3ケース部材97の第2壁部97aに支持されている。第3ギヤG3、第4ギヤG4、及び第5ギヤG5は、一対の第3軸受B3の間に配置されている。
また、実施形態では、第2入力部材12は、一対の第4軸受B4により、軸方向Lの2ヶ所でケース9に支持されている。第1軸受B1等と同様に、一対の第4軸受B4は、一方が区画壁部96aに支持され、他方が第3ケース部材97の第2壁部97aに支持されている。第2収容室92に収容される第6ギヤG6は、一対の第4軸受B4の軸方向Lの間に配置されている。
図2に示すように、本実施形態では、第1回転電機1に対して、第2回転電機2は上下方向Vにおける上方V1に配置されている。軸方向第1側L1から見て第1回転電機1と第2回転電機2とは、幅方向Hの異なる位置に配置されている。本実施形態では、第1回転電機1は、第2回転電機2の幅方向第1側H1に配置されている。差動歯車装置6は、第2回転電機2よりも上下方向における下方V2に配置されると共に、第1回転電機1よりも幅方向第2側H2に配置されている。
ところで、車両用駆動装置100を構成する第1回転電機1、第2回転電機2、ギヤ機構20(第1ギヤ機構21、第2ギヤ機構22、差動歯車装置6)は、油によって潤滑されている。潤滑用の油は、オイルポンプ7から車両用駆動装置100に供給される。
本実施形態では、オイルポンプ7は、車輪と連動せずに動作するように、車輪4の駆動力源とは別の駆動力源により駆動される。このようなオイルポンプ7は、例えば、第1回転電機1及び第2回転電機2とは別の回転電機(モーター)により駆動される電動オイルポンプであると好適である。尚、車輪と連動せずに動作するオイルポンプは、この他にも、例えば、車輪の停止中に発電を行う場合に回転する第1回転電機1及び内燃機関3の少なくとも一方により駆動される機械式オイルポンプであっても良い。車両用駆動装置100には、各機構部への油路が形成され、これらのオイルポンプからの油が供給される。
但し、全ての機構部への油路を形成すると、油路が複雑化し、車両用駆動装置100が大型化する可能性がある。また、油路が多くなると、オイルポンプの吐出能力を高くする必要が生じる場合がある。このため、例えば、車両用駆動装置100が備える各種のギヤなどの回転部材により、油を掻き上げたり、遠心力によって油を飛ばしたりすることによって、当該他の機構を潤滑するように構成される場合がある。このような回転部材としては、例えば、差動入力ギヤGDが主に用いられる。図2に示すように、差動歯車装置6は、第2収容室92の下方V2に配置されているため、第2収容室92の下方V2に溜まった油を掻き上げ易い。このように、本実施形態では、第2収容室92の下部にも油が溜まるように形成されており、当該部分は、第2の油溜め部90と言うことができる。
ここで、ケース9内に溜まった油は、オイルポンプ7によって吸入され、潤滑対象箇所へ吐出される。しかし、第2収容室92の下方に溜まった油(第2の油溜め部90の油)を吸入する構造では、差動歯車装置6の回転(具体的には差動入力ギヤGDの回転)によって油が撹拌されて油の液面が上下方向Vに大きく振動して安定しない場合がある。また、差動入力ギヤGDの回転速度が高く、当該差動入力ギヤGDによる油の掻き上げ量が多い状態では、当該差動入力ギヤGDの回転速度が低い場合に比べて油の液面が低くなる。このように油の液面が低下した状態では、オイルポンプ7が空気を吸い込む場合があるなど、油の吸入を適切に行えず、オイルポンプ7の吐出油圧が不安定となる可能性がある。
そこで、本実施形態では、オイルポンプ7が第1収容室91に収容され、オイルポンプ7の吸入ポート71が、ストレーナ8に接続され、このストレーナ8の吸入口81が、第1収容室91の下部に形成された油溜め部80に開口している。第1収容室91の下部に形成された油溜め部80は、ギヤ機構20による攪拌の影響を受けにくく、また、回転電機10のロータは、ギヤ機構20に比べて油を撹拌する程度が低い。そのため、第1収容室91の下部に形成された油溜め部80の油の液面は安定し易い。従って、オイルポンプ7は、油の液面が安定した油溜め部から、安定的に油を吸入できる。
また、回転電機10は、ギヤ機構20に比べて、駆動による発熱量が大きい。このため、例えば外気温が低く油の粘性が高くなるような環境下においても、回転電機10の熱によって油を温めることができる。つまり、低温環境下においても、早期に油を暖めて粘性の低い油をオイルポンプ7に提供することができる。これにより、オイルポンプ7が粘性の高い油を吸入することを抑制することができ、オイルポンプ7の負荷を低減させることができる。
本実施形態では、オイルポンプ7は、第1収容室91に収容されて、ケース9(第1ケース部材95、例えば第1壁部95a)に固定されている。そして、図3に示すように、ストレーナ8の排出口82とオイルポンプ7の吸入ポート71とを接続するポンプ接続油路87が、第1ケース部材95に設けられている。このため、第1収容室91に収容されたオイルポンプ7とストレーナ8とを短い油路で接続することができ、油路における圧力損失を低減することができる。また、ストレーナ8とオイルポンプ7とを接続するポンプ接続油路87が連続する1つの壁部(第1壁部95a)に形成されている。ポンプ接続油路87が複数の部材に亘って設けられる場合には、当該部材間の接続部に油の漏れを防止するためのシール部材等を設ける必要がある。本構成によれば、このようなシール部材等が必要ないので、ポンプ接続油路87の構成を簡略化することができる。
当然ながら、オイルポンプ7は、第2ケース部材96(例えば区画壁部96a)に固定されていてもよいし、第1ケース部材95及び第2ケース部材96の双方に固定されていてもよい。また、ポンプ接続油路87も、第1壁部95aに限らず、他の部位に一部又は全てが形成されていてもよい。
図4は、外部油路を含む油供給路の模式的ブロック図である。ケース9内(第1収容室91内)の油溜め部80に貯留された油は、ストレーナ8及びポンプ接続油路87を通って、第1収容室91に配置されたオイルポンプ7の吸入ポート71から吸入される。オイルポンプ7の吐出ポート72から吐出された油は、ポンプ接続油路87と同様に第1壁部95aに形成された吐出油路76を通って、ケース9の外部に吐出される。ケース9の外部には、吐出油路76と、後述する回転電機供給油路73とを結ぶ外部循環油路60とが形成されている。
外部循環油路60は、第1外部油路61と、第2外部油路62と、第3外部油路63と、第4外部油路64と、サーモバルブ65と、オイルクーラー66とを備えている。第1外部油路61は、吐出油路76とサーモバルブ65とを接続しており、第4外部油路64は、サーモバルブ65と回転電機供給油路73とを接続している。また、第2外部油路62及び第3外部油路63は、それぞれ、サーモバルブ65とオイルクーラー66とを接続している。本実施形態では、図2及び図3に示すように、第1壁部95aの軸方向第1側L1に膨出するように、回転電機供給油路73が形成されている。そして、回転電機供給油路73には第4外部油路64が接続される接続孔74が形成されている。第4外部油路64は、サーモバルブ65と接続孔74とを接続している。
油の温度が予め設定された規定温度未満の場合には、サーモバルブ65において第1外部油路61と第4外部油路64とが連通し、第1外部油路61と第2外部油路62と連通及び第3外部油路63と第4外部油路64の連通が遮断される。これにより、吐出油路76と回転電機供給油路73とがオイルクーラー66を介さずに接続されて、オイルポンプ7から回転電機供給油路73に油が供給される。即ち、油の温度が低い場合には、当該油をそのまま回転電機10に供給することにより、オイルクーラー66を通過させることによる油の圧力損失を回避しつつ、適切に回転電機10の冷却及び潤滑を行うことができる。
油の温度が規定温度以上の場合には、サーモバルブ65において第1外部油路61と第4外部油路64との連通が遮断され、第1外部油路61と第2外部油路62とが連通すると共に、第3外部油路63と第4外部油路64とが連通される。これにより、オイルポンプ7から吐出された油は、第1外部油路61及び第2外部油路62を通ってオイルクーラー66に供給されて冷却され、オイルクーラー66から第3外部油路63及び第4外部油路64を通って回転電機供給油路73に供給される。即ち、油の温度が高い場合には、当該油を冷却してから回転電機10に供給することにより、適切に回転電機10の冷却及び潤滑を行うことができる。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、オイルポンプ7の吐出ポート72と回転電機10に油を供給する供給口75とを接続する回転電機供給油路73の少なくとも一部が、第1ケース部材95に設けられている。回転電機10は、第1ケース部材95に囲まれた第1収容室91に収容されているので、回転電機供給油路73を比較的短く構成することができる。
第1収容室91は、第1ケース部材95と第2ケース部材96とに囲まれた空間に形成されているので、この構成に限らず、回転電機供給油路73は、第2ケース部材96に形成されていてもよい。また、例えば、サーモバルブ65、第1外部油路61,第4外部油路64は、ケース9内に設置されていてもよい。或いは、オイルクーラー66を含む外部循環油路60の全体が、ケース内に配置される構成も妨げるものではない。
上述したように、ギヤ機構20の潤滑には、ギヤ機構20の回転により跳ね上げられる油も用いられる。このため、第2収容室92にも油が貯留されることが好ましい。言い換えると、第2収容室92にも油が貯留される第2の油溜め部90が設けられていることが好ましい。図3に示すように、区画壁部96aに、第1収容室91の油溜め部80と第2収容室92とを連通する連通孔85が形成されている。第1収容室91だけに油が貯留される場合に比べて、油溜め部80に貯留される油の量を調整することができ、油面を適切な高さに保つことができる。本例では、連通孔85は、第1収容室91の油溜め部80と第2収容室92の第2の油溜め部90とを連通するように形成されている。例えば、連通孔85を設ける位置によって、第1収容室91の油溜め部80に貯留される油の油面の高さを規定することもできる。また、第1収容室91と第2収容室92とに油が分散して貯留されることにより、ケース9内における油の液面の高さを高くし過ぎずに、ケース9内の油の量を多く確保できるため、ギヤ機構20による油の掻き上げ量の変動による第2収容室92の油面の変動も比較的少なく抑えることができる。これにより、ギヤ機構20による油の攪拌抵抗を低減することができる。
第1収容室91に供給される油の量、第2収容室92に供給される油の量が適切に制御されている場合には、それぞれの収容室における油面は、ほぼ適正な範囲にとどまる。従って、当然ながら、このような連通孔85が設けられることなく、第1収容室91と第2収容室92とに、独立して油が貯留される形態を妨げるものではない。
また、図3に示すように、本実施形態では、車両に搭載した状態で、第1収容室91の最下部(第1最下部V21)と、第2収容室92の最下部(第2最下部V22)とは同等の高さである。これにより、第1収容室91に適切にストレーナ8を配置することができる共に、第1収容室91にオイルポンプ7の収容空間を確保し易い。また、第1収容室91における油溜め部80を大きくすることができるので、ストレーナ8を介してオイルポンプ7に供給できる油の量を確保しつつ、油溜め部80における油面の高さを下げることができる。これによって回転電機10の回転に伴って油が攪拌される場合でもその攪拌抵抗を低減することができる。同様に、第2収容室92においても、油面の高さを適正化し易いので、ギヤ機構20による油の攪拌抵抗を低減することができる。
尚、当然ながら、第1収容室91にストレーナ8及びオイルポンプ7が配置でき、第1収容室91の油溜め部80及び第2収容室92に貯留される油の量が適切な範囲内に制御できる場合には、第1最下部V21と、第2最下部V22とが、異なる高さであることを妨げるものではない。
4:車輪、5:出力部材、7:オイルポンプ、8:ストレーナ、9:ケース、10:回転電機、20:ギヤ機構、71:吸入ポート、72:吐出ポート、73:回転電機供給油路、75:供給口、80:油溜め部、81:吸入口、82:排出口、85:連通孔、87:ポンプ接続油路、91:第1収容室、92:第2収容室、95:第1ケース部材、95a:第1壁部、96:第2ケース部材、96a:区画壁部、97a:第2壁部、100:車両用駆動装置、L:軸方向、L1:軸方向第1側、L2:軸方向第2側、V21:第1最下部(第1収容室の最下部)、V22:第2最下部(第2収容室の最下部)

Claims (5)

  1. 車輪の駆動力源である回転電機と、
    前記車輪に駆動連結される出力部材と、
    前記回転電機と前記出力部材とを駆動連結するギヤ機構と、
    少なくとも前記回転電機に油を供給するオイルポンプと、
    前記回転電機及び前記ギヤ機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
    前記ケースは、前記回転電機が収容される第1収容室と、前記ギヤ機構が収容される第2収容室と、を内部に形成し、
    前記オイルポンプが前記第1収容室に収容され、
    前記オイルポンプの吸入ポートは、ストレーナに接続され、
    前記ストレーナの吸入口が、前記第1収容室の下部に形成された油溜め部に開口している、車両用駆動装置。
  2. 前記回転電機の回転軸に沿う方向を軸方向とし、前記第2収容室に対して前記第1収容室が配置される側を軸方向第1側とし、その反対側を軸方向第2側として、
    前記ケースは、前記第1収容室の前記軸方向第1側を覆う第1壁部と、前記第2収容室の前記軸方向第2側を覆う第2壁部と、前記第1収容室と前記第2収容室とを前記軸方向に区画する区画壁部と、を備え、
    前記第1壁部を有する第1ケース部材と、前記区画壁部を有する第2ケース部材とが接合されて、前記第1収容室が形成され、
    前記ストレーナの排出口と前記オイルポンプの前記吸入ポートとを接続するポンプ接続油路が、前記第1ケース部材に設けられている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記オイルポンプの吐出ポートと前記回転電機に油を供給する供給口とを接続する回転電機供給油路の少なくとも一部が、前記第1ケース部材に設けられている、請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記区画壁部に、前記第1収容室の前記油溜め部と前記第2収容室とを連通する連通孔が形成されている、請求項2又は3に記載の車両用駆動装置。
  5. 車両に搭載した状態で、前記第1収容室の最下部と、前記第2収容室の最下部とが同等の高さである、請求項1から4の何れか一項に記載の車両用駆動装置。
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