JP2022139511A - 塗布物の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】穴または溝である凹部の側面と底面に塗布物を均一に塗布することができる、塗布物の塗布方法を提供する。【解決手段】工作物の平坦な表面に形成された凹部の側面および底面に塗布物を塗布する方法であって、塗布物の噴射位置を、表面と側面との接続部に沿って移動しながら連続的に、または接続部の離間する位置へ移動して間欠的に、該接続部に向かって前記塗布物を噴射して前記凹部の側面および底面を塗布する。【選択図】図2
Description
本開示は、スプレー塗布による塗布物の塗布方法に関する。
携帯電話などの無線通信の基地局で使用されるフィルタとして、誘電体セラミックからなる直方体状のブロックに複数の貫通穴および凹部(非貫通穴、溝)を形成し、ブロックの外表面、貫通穴および凹部の内表面に金属電極を形成したフィルタが使用される。金属電極は、塗布、焼成などの方法で形成される(特許文献1、2)
上記の直方体状ブロックのように、表面に凹部(非貫通穴、溝)を有する工作物の表面および凹部にペーストなどの塗布物を塗布する方法の一つに、スプレー塗布法がある。スプレー塗布法は、凹部のような狭い領域に一定量の塗布物を供給することができるので、比較的均一な厚みの塗布が期待できる(特許文献3,4)。しかし、凹部の形状や寸法によっては均一な塗布が難しいものもある。特に、凹部の上方から塗布物を噴射するだけでは凹部の底面および側面を均一に塗布するのは困難である。
本開示の課題は、穴または溝である凹部の側面と底面に塗布物を均一に塗布することができる、塗布物の塗布方法を提供することである。
上記課題を解決するための本開示の塗布物の塗布方法は、工作物の平坦な表面に形成された凹部の側面および底面に塗布物を塗布するにあたり、塗布物の噴射位置を、表面と側面との接続部に沿って移動しながら連続的に、または接続部の離間する位置へ移動して間欠的に、該接続部に向かって前記塗布物を噴射して前記凹部の側面および底面を塗布するものである。
本開示の他の塗布方法は、工作物の平坦な表面に形成された凹部の側面および底面に塗布物を塗布するにあたり、塗布物の噴射位置を、底面から離れるように連続的または間欠的に移動させながら前記塗布物を噴射して塗布するものである。
本開示の塗布物の塗布方法によれば、穴または溝である有底の凹部の側面と底面に塗布物を均一に塗布することができる。
図1(a)、(b)は、誘電体フィルタを形成するための誘電体ブロック等の工作物1を示しており、工作物1の表面11に複数の凹部、すなわち穴2と溝3が形成されている。誘電体ブロックに金属ペーストを塗布して電極(例えば銀電極)が形成される。その際、凹部内の側面および底面に金属ペースト(塗布物)を均一に塗布する必要がある。
本開示は、このような誘電体ブロック等の工作物1の凹部内の側面および底面に塗布物を均一に塗布する塗布方法を提供するものである。
本開示は、このような誘電体ブロック等の工作物1の凹部内の側面および底面に塗布物を均一に塗布する塗布方法を提供するものである。
本開示の一実施形態に係る塗布方法を図2(a)、(b)に基づいて説明する。図2(a)、(b)は、工作物1の平坦な表面11に形成された穴2へ塗布物5を塗布する手順を示している。
図2(a)、(b)に示すように、穴2は、側面2aと底面2bとを備える非貫通穴であり、底面2bのコーナ部は面取り形状(R形状)を有している。また、表面11と側面2aとの接続部4は、面取り形状を有している。面取りはC面取りが好ましく、具体的には、接続部4は、表面11および側面2aに対して40°乃至50°、好ましくは約45°の角度で傾斜した斜面となっていることが好ましい。面取り幅(またはR形状)は、穴2または溝3の幅の10%以上あると好適である。
なお、穴2の底面2bには、図示しない貫通穴があってもよい。
なお、穴2の底面2bには、図示しない貫通穴があってもよい。
穴2への塗布物5の塗布には、スプレー塗布方法を使用する。スプレー塗布は、液状(液体など)の塗布物を霧状(ミスト)化して、ワークに塗布する方法である。スプレー塗布の方式には、一般にエアスプレー方式、超音波スプレー方式、静電スプレー方式等が知られている。本開示ではいずれの方式を採用してもよいが、特にエアスプレー方式に好適である。
図2(a)、(b)に示すように、塗布物5は噴射ノズル6から接続部4に向かって噴射される。このとき、塗布物5は、噴射ノズル6から工作物1の表面11に対して垂直の方向に噴射される。
接続部4は、面取りされた斜面となっているので、垂直に噴射された塗布物5は、当該斜面に衝突し、主として対向する側面2aおよび底面2bに向かって噴射される。これによって、例えば穴2が円形の場合は、噴射条件にもよるが、側面2aの全周のおよそ半分、底面2bもおよそ半分程度が塗布される。
接続部4は、面取りされた斜面となっているので、垂直に噴射された塗布物5は、当該斜面に衝突し、主として対向する側面2aおよび底面2bに向かって噴射される。これによって、例えば穴2が円形の場合は、噴射条件にもよるが、側面2aの全周のおよそ半分、底面2bもおよそ半分程度が塗布される。
穴2の全面に均一に塗布するためには、塗布物5の噴射位置を接続部4の互いに離隔する位置に設定するのが好ましい。噴射位置は2点乃至5点であるのがよく、また各噴射位置は等間隔で離隔しているのがよい。
平面視での接続部4の形状が回転対称(例:穴2が円筒形状)である場合、噴射位置も回転対称であるのがよい。作業性、コストの観点からは、図1(a)に示すように、穴2の中心を挟んで離隔対向する2点5a、5bへの噴射が好ましい。具体的には、図2(a)から図2(b)の順で塗布を行えばよい。
平面視での接続部4の形状が回転対称(例:穴2が円筒形状)である場合、噴射位置も回転対称であるのがよい。作業性、コストの観点からは、図1(a)に示すように、穴2の中心を挟んで離隔対向する2点5a、5bへの噴射が好ましい。具体的には、図2(a)から図2(b)の順で塗布を行えばよい。
塗布物5の噴射位置を離隔する接続部4の複数箇所に設定する場合、一つの噴射ノズル6を移動させて噴射を行うのがよい。2つ以上の噴射ノズル6を使って同時に噴射すると、互いに干渉して穴2内の噴射状況が変化し、均一に塗布できないおそれがある。
1回あたりの噴霧条件は、穴2の径や深さ、塗布物5の種類や粘度などによって変化するため、特に限定されるものではないが、例えば、径が0.85~14mm、深さが1~10mmで、径は深さの0.85~1.4倍であるのがよい。なお、穴2の底面2bは平面でなくてもよく、例えば、凹曲面または凸曲面であってもよい。
塗布物5の厚みは、例えば10~25μmであるのがよい。
また、噴射位置を接続部4に沿って移動させながら、塗布物5を連続的に噴射してもよい。
塗布物5の厚みは、例えば10~25μmであるのがよい。
また、噴射位置を接続部4に沿って移動させながら、塗布物5を連続的に噴射してもよい。
一方、表面11に形成された溝3の側面3aおよび底面3bに塗布物5を塗布する場合も穴2と同様にして行うことができる。すなわち、溝3は、穴2と同様に面取り形状を有する斜面状の接続部4´が全周(または全長)にわたって形成されている。
溝3は、表面11と相対向する平行な2つの側面3aとからなる2つの接続部4´を有しているので、これら2つの接続部4´の両方に塗布物5を噴射して塗布する。塗布物5の噴射は、溝3に沿って噴射ノズル6を連続的に移動しながら行ってもよく、間欠的に複数個所で行ってもよい。
溝3は、表面11と相対向する平行な2つの側面3aとからなる2つの接続部4´を有しているので、これら2つの接続部4´の両方に塗布物5を噴射して塗布する。塗布物5の噴射は、溝3に沿って噴射ノズル6を連続的に移動しながら行ってもよく、間欠的に複数個所で行ってもよい。
間欠的に噴射する場合は、相対向する2つの接続部4´において相対向する位置を噴射位置とするのがよい。また、噴射は、溝3の長手方向に延びる相対向する2つの接続部4´に対して行えばよく、溝3の短手方向の接続部への噴射は必要に応じて行えばよい。
その他は、穴2を塗布する場合と同じであるので、詳細な説明は省略する。
その他は、穴2を塗布する場合と同じであるので、詳細な説明は省略する。
本開示の他の実施形態を図3(a)、(b)に基づいて説明する。図3(a)、(b)は、工作物1の平坦な表面11に形成された穴2の側面2aおよび底面2bへ塗布物5を塗布する他の塗布方法を示している。
この塗布方法は、塗布物5の噴射位置を、穴2の底面2bから離れるように、噴射ノズル6を連続的または間欠的に移動させながら、塗布物5を側面2aおよび底面2bへ噴射して塗布するものである。図3(a)、(b)は、同図(a)から同図(b)へ移動することを示している。
噴射は、工作物1の平坦な表面11に対して垂直な方向であるのがよい。また、噴射位置は、穴2の中心軸にあるのがよく、この中心軸上を移動しながら噴射を行う。
噴射は、工作物1の平坦な表面11に対して垂直な方向であるのがよい。また、噴射位置は、穴2の中心軸にあるのがよく、この中心軸上を移動しながら噴射を行う。
この実施形態の塗布方法は、溝3の側面3aおよび底面3bに対しても穴2と同様にして行うことができる。この場合、溝3の長手方向に噴射位置を移動しながら連続的または間欠的に噴射を行う。その場合、一定の噴射高さで長手方向に移動しながら噴射した後、より高い噴射高さで長手方向に移動しながら噴射すると、作業性、コストの観点から好ましい。
噴射ノズル6からの塗布物5の噴射角度は、側面2a、3aをも塗布するのに十分な角度であればよく、例えば、穴2または溝3の深さ方向に延びる中心軸に対して±10°、特に好ましくは±5°以下であるのがよい。
その他は、前記した実施形態と同じである。
その他は、前記した実施形態と同じである。
穴2と溝3とで異なる噴射方法を適用してもよい。例えば、穴2に図2に記載の一実施形態方法を適用し、溝3に図3に記載の他の実施形態の方法を適用してもよい。一部の穴2または溝3に本発明を適用し、他の穴2または溝3には従来の方法を適用してもよい。例えば、穴2への塗布に本発明を適用し、溝3は、噴射位置を底面3bの中心線の上方を長手方向に移動しながら塗布してもよい。
塗布物5としては、金属ペースト、ガラスペースト、接着剤、レジスト、塗料などの液体またはペーストが使用可能である。本開示の塗布方法は、特に、誘電体フィルタに電極(例えば銀電極)を形成するための、誘電体ブロックへの金属ペーストの塗布方法に適用するのに好適である。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の塗布方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々の変更や改善が可能である。
Φ3mm、深さ3mm、側面2aが表面11に対して垂直の穴2であり、開口部に幅0.4mmで、表面11および側面2aに対して45°に傾斜したC面取りを有する穴2に、金属ペーストを約10μm狙いで塗布して、側面2aおよび底面2bの塗布厚み分布を評価した。比較例である、中央1点噴射では厚み分布がレンジで20μm以上あったのに対し、図2に示す実施形態である接続部4の対向する2点への噴射(実施例1)では、厚み分布が4μmに改善した。また、図3に示す他の実施形態である引上げ噴射(実施例2)では、10μmに改善した。ペースト塗布に要するタクトタイムは、比較例に対して実施例1が約2倍、実施例2が約4倍であった。
1 工作物
2 穴
2a 側面
2b 底面
3 溝
3a 側面
3b 底面
4、4´ 接続部
5 塗布物
5a、5b 穴2の中心を挟んで対向する2点
6 噴射ノズル
2 穴
2a 側面
2b 底面
3 溝
3a 側面
3b 底面
4、4´ 接続部
5 塗布物
5a、5b 穴2の中心を挟んで対向する2点
6 噴射ノズル
Claims (7)
- 工作物の平坦な表面に形成された凹部の側面および底面に塗布物を塗布する方法であって、
前記塗布物の噴射位置を、前記表面と前記側面との接続部に沿って移動しながら連続的に、または前記接続部の離間する位置へ移動して間欠的に、該接続部に向かって前記塗布物を噴射して前記凹部の側面および底面を塗布する、塗布物の塗布方法。 - 前記凹部が穴または溝である請求項1に記載の塗布物の塗布方法。
- 前記接続部は面取り形状を有している請求項1または2に記載の塗布物の塗布方法。
- 前記塗布物は、前記表面に対して垂直の方向に噴射される請求項1~3のいずれかに記載の塗布物の塗布方法。
- 前記塗布物を間欠的に噴射する噴射位置が、前記接続部の複数箇所である請求項1~4のいずれかにに記載の塗布物の塗布方法。
- 工作物の平坦な表面に形成された凹部の側面および底面に塗布物を塗布する方法であって、
前記塗布物の噴射位置を、前記底面から離れるように連続的または間欠的に移動させながら、前記塗布物を噴射して塗布する、塗布物の塗布方法。 - 前記凹部が穴または溝である請求項6に記載の塗布物の塗布方法。
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JP2021039933A JP2022139511A (ja) | 2021-03-12 | 2021-03-12 | 塗布物の塗布方法 |
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