JP2022139309A - 絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁性を確保しつつ導体占積率を向上可能な絶縁被覆導体の製造装置を提供する。【解決手段】複数の導体素線101の集合体として構成される導体線10と、上記導体線の外周表面を被覆する絶縁被覆層12とを有する絶縁被覆導体1の製造装置は、上記導体線を給電可能に保持する給電部3を有し、上記絶縁被覆層となる電着塗膜を形成するための電着部2を備える。上記給電部は、上記導体線を挟んで線幅方向Wに対向し上記導体線を弾性的に保持する一対の給電ローラ31、32を、上記導体線の線長方向Lに間隔をおいて複数対有しており、上記導体線の外周表面となる複数の上記導体素線は、上記給電部を構成する上記給電ローラのいずれかと電気的に接続可能に接触している。【選択図】図3

Description

本発明は、導体線と絶縁被覆層とを有する絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法に関する。
車両用モータ等において、ステータコアに巻回されるコイルを、複数の導体素線を含む導体線に絶縁被覆を施した絶縁被覆導体を用いて構成することが知られている。このような絶縁被覆導体は、導体素線の表面絶縁層によって導体線が複数の領域に分割されることにより、渦電流の発生を抑制する効果が期待される。
例えば、特許文献1には、断面が複数の領域で構成される導線表面に、各領域の境界となる絶縁層よりも厚肉の絶縁層が形成されたコイル用の導線が開示されている。この導線は、複数の素線を線方向に撚って一体化したものを、各素線が所定の多角形断面形状となるように、圧縮成形することにより、渦電流による損失を抑制しつつ導線の占積率の向上を図っている。
特許第5309595号公報
特許文献1において、導線表面の絶縁層には、樹脂やエナメル材等の通常の絶縁材が用いられることが記載されている。絶縁層の形成のために、通常用いられる絶縁被覆方法としては、浸漬、電着塗装、酸化膜、メッキ等が例示されている。また、これら以外の一般的な導線の絶縁被覆方法としては、樹脂の押出成形による方法等が知られている。
ただし、複数の素線を束ねた構成の導体線は、表面が平坦ではなく、これら通常の絶縁被覆方法を用いて、均質な絶縁層を形成することは容易でない。また、モータ用のコイル性能を向上させるために、絶縁被覆層の被膜厚さをより薄くして、導体占積率を高めることが望まれているが、一方で、薄肉化によりピンホール等の不良が生じやすくなり、絶縁性が低下するおそれがある。例えば、押出成形による方法は、角部が薄肉となりやすいために、必要な絶縁性を確保しようとすると全体が厚くなり、薄肉化に限界があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、絶縁性を確保しつつ導体占積率を向上可能な絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
複数の導体素線(101)の集合体として構成される導体線(10)と、上記導体線の外周表面を被覆する絶縁被覆層(12)と、を有する絶縁被覆導体(1)を製造するための装置であって、
上記導体線を給電可能に保持する給電部(3)を有し、上記絶縁被覆層となる電着塗膜を形成するための電着部(2)を備えており、
上記給電部は、上記導体線を挟んで線幅方向(W)に対向し上記導体線を弾性的に保持する一対の給電ローラ(31、32)を、上記導体線の線長方向(L)に間隔をおいて複数対有しており、
上記導体線の外周表面となる複数の上記導体素線は、上記給電部を構成する上記給電ローラのいずれかと電気的に接続可能に接触している、絶縁被覆導体の製造装置にある。
本発明の他の態様は、
複数の導体素線(101)の集合体として構成される導体線(10)と、上記導体線の外周表面を被覆する絶縁被覆層(12)と、を有する絶縁被覆導体(1)の製造方法であって、
基材金属(11a)と上記基材金属よりも高電気抵抗の表面層(11b)とを有する上記導体素線を集合させると共に、その集合体の外周表面に上記導体素線の給電可能な表面を露出させて上記導体線とする、上記導体線の準備工程と、
上記導体線を給電可能に保持する給電部(3)を用いて、上記絶縁被覆層となる電着塗膜を形成する電着工程と、を備えており、
上記電着工程において、
上記給電部となる一対の給電ローラ(31、32)を、上記導体線を挟んで線幅方向(W)に対向配置して上記導体線を弾性的に保持すると共に、上記導体線の線長方向(L)に間隔をおいて複数対配置して、
上記導体線の外周表面に露出する上記導体素線が、複数対の上記給電ローラのいずれかと電気的に接続している状態で、電着塗装処理を行う、絶縁被覆導体の製造方法にある。
上記構成の絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法において、電着部には、複数対の給電ローラを有する給電部が設けられ、各対の対向する給電ローラの間に導体線を弾性的に保持する。このとき、導体線の外周表面となる複数の導体素線は、複数対の給電ローラのいずれかと接触して電気的に接続されるので、それぞれ、給電ローラからの給電状態を維持しながら、電着塗装処理することができる。これにより、導体線の外周に配置される導体素線の表面に、均質な電着塗膜を形成することが可能になり、絶縁被覆層を薄肉とした場合においても、ピンホールの発生や膜厚のばらつきを抑制することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、絶縁性を確保しつつ導体占積率を向上可能な絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、絶縁被覆導体の構造を示す線幅方向の模式的な断面図及び線長方向の一部断面図。 実施形態1における、絶縁被覆導体の導体線の構造を示す側面図とそのA-A線断面図。 実施形態1における、絶縁被覆導体の製造装置に設けられる給電部の概略構成図。 実施形態1における、給電部と導体線の関係を説明するための図で、図3のA-A線断面図及びB-B線断面図。 実施形態1における、絶縁被覆導体を製造するための装置の概略構成図。 試験例における、電着塗装処理の評価試験用の装置構成を示す概略図。 試験例における、比較試験用の装置構成を示す概略図。 試験例における、絶縁被覆導体の評価方法を説明するための装置概略図。 試験例における、絶縁被覆導体の評価結果を示す図。 実施形態2における、絶縁被覆導体の製造装置の給電部構成を示す概略図。 実施形態2における、絶縁被覆導体の導体線の構造を示す側面図とそのA-A線断面図。 実施形態2における、絶縁被覆導体の製造装置の要部構成を示す図で、図10のA-A線断面図及びC-C線断面図。 実施形態2における、絶縁被覆導体の製造装置を含む製品製造ラインの概略構成図。
(実施形態1)
以下に、絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法に係る実施形態1について、図1~図9を参照して説明する。図1、図2に示すように、本形態において製造される絶縁被覆導体1は、複数の導体素線101の集合体として構成される導体線10と、導体線10の外周表面を被覆する絶縁被覆層12と、を有する。図3、図4に要部構成を示すように、絶縁被覆導体1の製造装置は、電着塗装処理により絶縁被覆層12となる電着塗膜を形成するための電着部2を備えており、電着部2には、導体線10を給電可能に保持する給電部3が設けられる。
図2において、導体線10は、複数の導体素線101が一体的に集合して構成される。複数の導体素線101は、それぞれ、基材金属11aとそれよりも高電気抵抗の表面層とを有する。本形態では、各導体素線101の表面層として、絶縁材料にて構成される表面絶縁層11bが設けられている。その場合には、導体線10の外周表面となる導体素線101の表面に、基材金属11aが露出するように構成される。
また、本形態において、導体線10は、複数の導体素線101を撚り合わせた撚線状の集合体とすることができる。ここでは、例えば、19本の導体素線101が用いられ、これらの集合体である三層構造の導体線10の外周表面には、例えば、12本の導体素線101が露出している。なお、導体線10を7本の導体素線101を用いた二層構造の導体線10とすることもできる。
図3、図4において、電着部2に設けられる給電部3は、導体線10を挟んで線幅方向Wに対向する一対の給電ローラ31、32を、複数対有している。これら複数対の給電ローラ31、32は、導体線10の線長方向Lに間隔をおいて配置され、各一対の給電ローラ31、32の間に、導体線10を弾性的に保持している。導体線10の外周表面となる複数の導体素線101は、複数対の給電ローラ31、32のいずれかと電気的に接続可能に接触しており、この状態を保ちながら電着塗装処理を行うことができる。
このような構成の絶縁被覆導体1の製造方法は、導体線10を準備する準備工程と、電着工程と、を備えている。準備工程では、基材金属11aと表面層(例えば、表面絶縁層11b)とを有する導体素線101を集合させると共に、その集合体の外周表面に導体素線101の給電可能な表面を露出させて導体線10とする。電着工程では、上述の製造装置における電着部2を用いることができ、給電部3によって導体線10を給電可能に保持して、絶縁被覆層12となる電着塗膜を形成する。
電着工程において、給電部3となる一対の給電ローラ31、32は、導体線10を挟んで線幅方向Wに対向配置されて、導体線10を弾性的に保持する。一対の給電ローラ31、32は、導体線10の線長方向Lに間隔をおいて複数対配置されており、導体線10の外周表面に露出する導体素線101が、複数対の給電ローラ31、32のいずれかと電気的に接続している状態で、電着塗装処理を行う。
本形態において、給電部3は、例えば、対向配置された給電ローラ31、32を一対とする2つのローラ対3A、3Bを有する。また、導体線10の外周表面には、12本の導体素線101が、基材金属11aが露出した状態で配置される。このとき、2つのローラ対3A、3Bの間に、導体線10が弾性的に保持されることにより、4つの給電ローラ31、32と外周の12本の導体素線101との接触が維持され、給電状態を保ちながら、導体線10を線長方向Lに送ることが可能となる。これにより、電着部2における電着塗装処理が均質になされ、導体線10の外周に薄肉の電着塗膜を形成することができるので、絶縁被覆層12の絶縁性を確保しながら薄肉化による占積率の向上が可能になる。
次に、絶縁被覆導体1とその製造のための装置及び方法の詳細について、説明する。図1に示される絶縁被覆導体1は、複数の導体素線101の集合体として構成される導体線10と、その外周表面を被覆する絶縁被覆層12とを有し、全体が長尺の角線形状に成形されている。複数の導体素線101は、それぞれ、基材金属11aとその表面を被覆する表面絶縁層11bとを有する。このような絶縁被覆導体1は、モータ用のコイル材、具体的には、ハイブリッド車や電気自動車等の電動車両の駆動用モータにおいて、ステータコアのスロットに装着されるコイルの構成材として好適に使用される。
絶縁被覆導体1の製造に際しては、まず、図2のような集合体として構成される導体線10を準備し(準備工程)、次いで、図1のように導体線10の外周表面の全体を覆って、絶縁被覆層12となる電着塗膜を形成する(電着工程)。準備工程においては、複数の導体素線101を集合させて、所定形状の集合体に成形すると共に(成形工程)、その外周表面となる複数の導体素線101について、給電可能な表面を露出させる。導体素線101の表面が表面絶縁層11bであるときは、外周表面に対応する部位の表面絶縁層11bを除去する処理を行う(表面処理工程)。
これにより、基材金属11aの表面を露出させて、次工程における電着塗装処理が可能になる。電着工程においては、図3、図4のように構成された給電部3を備える電着部2を用いて、導体線10の外周表面に電着塗膜を形成することができる。形成された電着塗膜は、例えば、焼成炉において所定の温度で焼成処理されることにより、絶縁被覆層12が形成される(後処理工程)。
図2右図に線長方向Lの側面外観を示すように、導体線10は、複数の導体素線101が、撚線状に束ねられて一体化されている。図2左図に示す線幅方向Wの断面において、導体線10は、例えば、19本の導体素線101からなり、中心位置の導体素線101の周りに6本の導体素線101が配置され、さらにその外周側に12本の導体素線101が配置された、三層構造の撚線となっている。このとき、最外周の12本の導体素線101は(例えば、図中に、1~12の番号を付す)、中心位置の導体素線101を螺旋状に取り巻いており、線幅方向Wの段面に表れる導体素線101の配置は、線長方向Lの位置によって変化する。図2左図は、図2右図中に1の番号を付した導体素線101(例えば、図中に示す網掛け部分)の位置における断面に対応している。
図2左図において、導体線10は、概略矩形の外周形状となるように、予め圧縮成形されていることが望ましい。これにより、隣り合う導体素線101の間の隙間を小さくして占積率を向上させることができる。導体線10を構成する導体素線101は、丸線形状でも角線形状でもよく、これらの組合せでもよい。例えば、丸線を用いた場合においては、予め圧縮成形することにより、導体素線101同士が互いに密着して、それらの配置に応じた多角形状に変形する。例えば、図示する三層構造の撚線では、内側の二層が概略六角形、最外層が概略四角形又は五角形となっている。
また、導体線10の外周表面となる導体素線101の表面は、表面絶縁層11bが予め除去されて、基材金属11aが露出する構成となっている。これにより、導体線10の表面に、電着塗装処理による電着塗膜を形成することが可能になる。それ以外の導体素線101の表面は、表面絶縁層11bにて被覆されており、隣り合う基材金属11aの間を区画する絶縁層を形成している。これにより、導体線10は、表面絶縁層11bからなる絶縁層によって複数の領域に区画された分割導線として構成されるので、渦電流の発生を抑制し、渦電流損失を低減して電費を向上させる効果が得られる。
導体素線101において、基材金属11aは、特に制限されず、例えば、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属又は金属合金を用いることができる。表面絶縁層11bは、特に制限されず、金属線の絶縁被覆に通常用いられる絶縁材料からなる層であればよい。例えば、ポリアミド系樹脂等の樹脂被膜の他、表面酸化膜等の酸化物被膜を用いることができる。
なお、導体線10を、複数の領域に区画された分割導線とするために、表面絶縁層11bに代えて、例えば、基材金属11aよりも高電気抵抗の金属からなる表面層を形成することもできる。その場合の表面層の構成は特に制限されないが、例えば、基材金属11aが銅又は銅合金であるとき、表面層は、錫又は錫合金、ニッケル又はニッケル合金等で構成することができる。
準備工程では、成形工程において、このような導体素線101を所定数用意し、撚り合わせて撚線状としたものを、所定の矩形形状となるように圧縮成形する。ここでは、導体線10の形状は、外周表面となる四辺が概略同じ長さの四辺形状となっており、その各辺には、それぞれ3本の導体素線101が露出している。その後、表面処理工程において、圧縮成形した線材の外周表面を化学的方法又は物理的方法により処理して、表面に露出する導体素線101の表面絶縁層11bを除去する。その具体的な方法は、特に制限されないが、例えば、表面絶縁層11bが樹脂被膜であれば、樹脂の種類に応じた溶解剤や剥離機等を用いることができ、表面絶縁層11bが酸化物被膜であれば、酸洗浄液等を用いて除去することができる。これにより、表面が給電可能となるように処理された導体線10が得られる。
電着工程では、このようにして準備した導体線10を、図3に示す給電部3を用いて給電可能となるように保持した状態で、電着塗装処理を施す。給電部3は、複数対(例えば、二対ないしそれ以上)の給電ローラ31、32を含むローラ群30を備えており、導体線10の外周に露出する複数の導体素線101は、ローラ群30を構成する給電ローラ31、32のいずれかと接触している。好適には、同等構成の複数組(例えば、二組ないしそれ以上)のローラ群30が、導体線10の線長方向Lに所定の間隔をおいて配置される。
本形態では、それぞれ二対の給電ローラ31、32を含む、二組のローラ群30が設けられる。各ローラ群30は、一対の給電ローラ31a、32aを含むローラ対3Aと、一対の給電ローラ31b、32bを含むローラ対3Bとを含んで構成される。2つのローラ対3A、3Bは、対をなす給電ローラ31a、32a及び給電ローラ31b、32bが、それぞれ導体線10を挟んで対向するように配置されている。
給電ローラ31、32は、給電電極として構成されるものであり、回転軸周りに回転可能に取り付けられると共に、少なくとも導体線10と接触する外周表面が、導電性を有する弾性材料にて構成される。これにより、導体線10と電気的に接続可能となると共に、給電ローラ31、32の間に、導体線10を弾性的に保持して、良好な接触を維持することができる。好適には、導電性を有する弾性材料として、導電性ゴム又は導電性を付与した弾性樹脂等が用いられる。これら材料は、基材となる弾性材料に、例えば、カーボンや金属繊維等の導電性材料が配合されたものである。給電ローラ31、32は、外周表面を含む一部又は全体を、導電性を有する弾性材料にて構成することができる。
ローラ対3A、3Bにおいて、対をなす給電ローラ31a、32a及び給電ローラ31b、32bは、導体線10の対向する側面に、弾性を有する表面が押し当てられて、導体線10を移動可能に保持する。これにより、導体線10との接触を維持しながら、線長方向Lへ送られる導体線10への給電を継続することができる。
2つのローラ対3A、3Bは、撚線状の導体線10の撚りピッチPに応じた間隔で、導体線10の線長方向Lに隣り合って配置される。具体的には、2つのローラ対3A、3Bの一方の給電ローラ31a、31bが、矩形形状に成形された導体線10の一辺(例えば、図3の上辺)に当接し、他方の給電ローラ32a、32bが、これと対向する一辺(例えば、図3の下辺)に当接するように、並列配置される。2つのローラ対3A、3Bの間隔、すなわち、給電ローラ31aと給電ローラ31b、及び、給電ローラ32aと給電ローラ32bの間隔は、撚りピッチPの1/4に相当する間隔であることが望ましい。
なお、撚りピッチPとは、螺旋状に撚り合わされた導体素線101の1つ(例えば、1の番号を付した線)が、周方向に360度回転して同じ位置となるまでの、線長方向Lにおける間隔のことを言う。また、二組のローラ群30は、撚りピッチPに相当する間隔を置いて配置され、例えば、図中の左方から右方を送り方向(すなわち、図中に点線矢印で示す)とする導体線10に対して、1ピッチ分ずれた部位を保持しながら給電を行う。
図4に示すように、一組のローラ群30において、2つのローラ対3A、3Bは、導体線10の異なる二辺に当接するように配置される。一例として、一方のローラ対3Aの位置において、導体線10の上辺に位置する3本の導体素線101(例えば、1~3の番号を付した線)及び下辺に位置する3本の導体素線101(例えば、7~9の番号を付した線)は、他方のローラ対3Bの位置において、1/4ピッチ分(すなわち、90度)回転して導体線10の2つの側面位置となる。このとき、他方のローラ対3Bは、導体線10の上辺に位置する3本の導体素線101(例えば、4~6の番号を付した線)及び下辺に位置する3本の導体素線101(例えば、10~12の番号を付した線)と当接しており、一方のローラ対3Aの位置においては、2つの側面位置となる。
このようにして、一組のローラ群30を構成する4つの給電ローラ31a、32a、31b、32bが、導体線10の四辺に配置されることによって、導体線10の外周表面となる12本の導体素線101の全てに当接可能となる。また、導体線10の線長方向Lの複数個所が、対向する2つのローラ対3A、3Bによって弾性的に保持されるので、導体線10を連続的に送りながら、安定した給電が可能となる。さらに、もう一組の同等構成のローラ群30が、1ピッチ分の間隔をおいて配置される場合には、導体線10の四辺に位置する各導体素線101に、二組のローラ群30に属するそれぞれ2つの給電ローラ31a、32a、31b、32bのいずれかが、常時当接することになる。これにより、各導体素線101への給電をより安定して行うことができる。
図5に、給電部3を備える電着部2を用いた、絶縁被覆導体1の製造装置の一例を示す。長尺状の導体線10は、図示しない準備工程により、予め所定の矩形撚線状に圧縮成形され、外周表面の表面絶縁層11bを除去されたものが用いられ、送り出し用のアンコイラから、巻き取り用のコイラへ向けて搬送される間に、絶縁被覆層12が形成される。搬送ラインには、電着工程に対応する電着部2の前段に、前処理工程のための脱脂部及び酸洗部が配置され、電着部2の後段に、後処理工程のための焼成炉が配置される。
前処理工程では、アンコイラから送り出される導体線10を、脱脂部にて脱脂処理し、導体線10の外周表面に付着する油脂等を除去した後、酸洗部にて酸洗浄を行って、外周表面の酸化膜等を除去する。表面処理された導体線10は、後段の電着部2へ送られる。電着部2は、給電部3と電着槽20を備えており、導体線10を、電着液が貯留される電着槽20内を通過させることにより、電着塗装処理を行う。
電着工程では、給電部3となるローラ群30のローラ対3A、3Bを用いて導体線10を把持し、これを一方の電極として、電着槽20側の他方の電極との間に、所定の電圧を印加する。電着槽20には、イオン性の電着塗料粒子を含む電着液が貯留されており、通電により導体線10の表面に析出して、電着塗膜を形成する。電着塗料としては、特に制限されず、例えば、ポリエステルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等の導電性樹脂塗料が用いられる。
給電部3は、上述したように、複数組のローラ群30を用いることができ、ローラ対3A、3Bの間に導体線10を弾接保持して、給電状態を保ちながら、連続的に電着塗装処理を行うことができる。このとき、導体線10の外周表面に露出する導体素線101の全てに対して、良好な接触が維持されるので、導体線10の外周全体に、電着塗膜を均質に形成することができる。電着塗膜の膜厚は、電着部2における印加電圧や処理時間等の処理条件によって、調整することができる。印加電圧は、例えば、200V以下の範囲で適宜選択することができ、処理時間は、導体線10の送り速度によって調整可能である。
後処理工程では、焼成炉において焼成処理することにより、導体線10の外周表面に形成された電着塗膜の焼き付けを行う。焼成処理は、例えば、100℃~300℃程度の温度に昇温して所定の時間保持することにより行われる。
このようにして、絶縁被覆層12の均膜性を向上することが可能となり、所望の膜厚(例えば、5μm~70μmの範囲)の絶縁被覆層12を形成して、ピンホールの発生を抑制しながら、薄膜化による占積率の向上を図ることができる。なお、電着塗装処理による絶縁被覆層12は、例えば、角部における膜厚が薄くなりやすい押出成形に比べて、角部の膜厚を確保しやすい利点があり、外周表面が矩形形状である絶縁被覆導体1の製造に適している。
(試験例)
本形態による効果を確認するために、図6に示す試験装置を用いて、以下のようにして評価のための電着塗装試験を行った(実施例)。試験装置は、電着槽20を含む試験槽202と、その上方に配置された給電部3とを備えており、上記図3に示した電着部2に相当する構成となっている。給電治具となる給電部3は、アルミニウム板301に取り付けられた二組のローラ群30を有し、各ローラ群30の2つのローラ対3A、3Bを用いて、導体線10の上端側を保持している。
導体線10は、図中に断面形状を示すように、19本の導体素線101を用いた撚線を矩形状に圧縮成形したものである。各導体素線101は、基材金属11aとなる銅線の外周表面を、ポリアミド樹脂からなる表面絶縁層11bにて被覆したものである。導体線10は、予め外周表面となる表面絶縁層11bを除去して、銅線の表面を露出させている。導体線10の撚りピッチ及び寸法を以下に示す。
撚りピッチ:30mm
寸法:1.07mm×0.96mm
給電部3は、アルミニウム板301を介して直流電源Bの陰極側に接続されており、導体線10にアース給電可能(すなわち、導体線10が0V)となっている。導体線10の下端側は、試験槽202の内側に収容される電着槽20内に位置しており、電着槽20に貯留される電着液201に浸漬されている。電着槽20内には、内壁面に沿って対極となるステンレス板203が配置されており、その上端がクリップ204にて電着槽20の上端縁部に固定されると共に、直流電源Bの陽極側に接続されている。
電着液は、ポリアミドイミド樹脂を含有するカチオン型電着塗料を含む溶液であり、試験槽202内に収容される温調水Wが、電着槽20の外周を取り囲んで配置されることにより、所定温度に調整されている。また、試験槽202の底部には、電着液201の撹拌用のスターラSが配置されている。このような試験装置を用いて、陰極となる導体線10と陽極となるステンレス板203との間に、所定の直流電圧を印加し、以下の条件で電着塗装処理を行った。その後、導体線10を取り出して、以下の条件で焼成処理を行い、導体線10の外周に絶縁被覆層12を形成して、絶縁被覆導体1とした。
電着塗料:INSULEED-4100F(商品名;日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製)
印加電圧:(0Vから90Vまで10秒で昇圧後)90Vで50秒維持
処理温度:30℃
焼成処理:110℃で10分焼成後、240℃で20分焼成
また、比較のため、図7に示す比較試験装置を用いて、上記実施例と同様にして電着塗装試験を行った(比較例)。比較試験装置は、電着槽20の上方に配置される給電治具302の構成を変更した以外は、上記実施例の試験装置を同様の構成となっている。比較試験装置に用いた給電治具302は、一般的な長尺帯状のフープ材の搬送に用いられる3点支持型の給電ローラ303を用いたものであり、3つの給電ローラ303が、導体線10の上端側を挟んで互い違いに配置されている。
このような試験装置を用いて、陰極となる導体線10と陽極となるステンレス板203との間に、所定の直流電圧を印加し、上述した条件で電着塗装処理を行った。その後、導体線10を取り出して、同様にして焼成処理を行い、導体線10の外周に絶縁被覆層12’が形成された、比較用の絶縁被覆導体1’を得た。
(評価方法)
このようにして得られた、実施例の絶縁被覆導体1及び比較例の絶縁被覆導体1’について、図8に示す評価装置を用いて、ピンホールの発生状況を調べるためのピンホール試験を行った。評価装置は、処理液402を入れた処理槽401を備えており、処理槽401の内壁に沿って、上記試験装置と同様のステンレス板203が、クリップ204を用いて取り付けられている。この処理槽401中に、絶縁被覆導体1(又は絶縁被覆導体1’)を配置して、直流電源Bの陰極側に接続し、陽極側にクリップ204を介してステンレス板203を接続して、所定の電圧を印加した後、絶縁被覆導体1の表面におけるピンホールの発生状態を評価した。ピンホール試験の試験条件を以下に示す。
絶縁被覆導体の長さ:20cm
前処理:165℃、10min
処理液:0.2%食塩水
評価条件:12Vの直流電源を1分間印加後のピンホール数
また、実施例の絶縁被覆導体1及び比較例の絶縁被覆導体1’について、それぞれ、断面を鏡面研磨した評価用試料を作製し、マイクロスコープによる観察を行い、絶縁被覆層12(又は絶縁被覆層12’)の膜厚を測定した。膜厚は、絶縁被覆導体1(又は絶縁被覆導体1’)の観察画像について(倍率:約200倍)、外周表面となる矩形形状の4つの角部と、これら角部間の4つの辺における、最小膜厚及び最大膜厚をそれぞれ測定し、それらの算術平均とばらつきを算出した。
図9に、実施例及び比較例にて用いた給電治具の構成と、ピンホール試験結果及び試料断面画像に基づく均膜性評価の結果を、併せて示す。ピンホール試験結果は、処理液402中における絶縁被覆導体1(又は絶縁被覆導体1’)の表面に生じる気泡が、ピンホールの発生数に対応している、実施例の絶縁被覆導体1は、外周表面となる絶縁被覆層12の全長に渡って気泡は見られず、ピンホールは発生していない。これに対して、比較例の絶縁被覆導体1’は、絶縁被覆導体1’の長手方向の複数箇所において、それぞれ複数の気泡が見られ、ピンホールの発生が確認された。
また、均膜性評価は、マイクロスコープによる試料断面の観察結果を模式図として示すと共に、絶縁被覆層12、12’の膜厚を測定した結果を示したものである。実施例の絶縁被覆導体1は、基材金属11aの外側の全体に絶縁被覆層12が形成されているのに対して、比較例の絶縁被覆導体1’は、四辺の一部あるいは角度の一部において、絶縁被覆層12’がほとんど形成されず、基材金属11aが露出する箇所が見られた。そのため、算出された膜厚の値は、実施例では、18μm±5μmと薄肉でばらつきが小さく、均質な膜形成が可能となった。一方、比較例では、10μm±10μmと、薄肉であるもののばらつきが大きく、実施例よりも均膜性が低下している。
これらの結果から、実施例のように、電着塗装処理における給電治具として、ローラ群30を含む給電部3を用いることにより、比較例に比べて電着塗膜の均膜性が向上し、ピンホールのない薄肉の絶縁被覆層12を形成可能となる。なお、図9中に示すように、比較例の3点支持型の給電治具302を用いた場合には、導体線10に、給電ローラ303の外周に沿うたわみが見られ、導体線10を構成する複数の導体素線101への給電が部分的に不均等となっていることが懸念される。
(実施形態2)
以下に、絶縁被覆導体の製造装置及び製造方法に係る実施形態2について、図10~図13を参照して説明する。図10に要部構成を示すように、本形態において、絶縁被覆導体1の製造装置は、無撚線状の導体線10に対応させたものであり、電着部2に設けられる給電部3の構成の一部が、上記実施形態1と異なっている。製造装置の基本構成及び製造方法の基本工程は、上記実施形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図10において、絶縁被覆導体1の製造装置は、電着塗装処理により絶縁被覆層12となる電着塗膜を形成するための電着部2を備えており、電着部2には、導体線10を給電可能に保持する給電部3が設けられる。給電部3は、導体線10を挟んで線幅方向Wに対向する一対の給電ローラ31、32を、複数対有している。具体的には、一対の給電ローラ31a、32aを含むローラ対3Aと、一対の給電ローラ31c、32cを含むローラ対3Cとを含み、これら2つのローラ対3A、3Cは、導体線10周りに90度ずれた位置となるように配置することができる。
図11に側面の外観とその断面を示すように、導体線10は、複数の導体素線101が、撚らずに束ねられて一体化されている。図11左図に示す断面は、上記図2左図に示した断面と同様となり、導体線10は、例えば、19本の導体素線101が、中心位置の導体素線101の周りを三層に取り巻いて、最外周に12本の導体素線101(例えば、図中に、1~12の番号を付す)が配置される。本形態では、無撚線状の導体線10を用いるため、線幅方向Wの段面に表れる導体素線101の配置(例えば、図中に網掛け部分で示す1の番号の位置)は、線長方向Lの位置によらず、同じである。
本形態においても、導体線10は、隣り合う導体素線101の間が、表面絶縁層11bからなる絶縁層によって区画された、分割導線として構成される。導体線10は、概略矩形の外周形状となるように、予め圧縮成形されると共に、最外周に位置する導体素線101は、表面絶縁層11bが予め除去されて、基材金属11aが露出している。
このとき、図10、図12に示すように、給電部3に設けられる2つのローラ対3A、3Cは、線長方向Lに間隔をおいて配置され、導体線10の異なる二辺に当接している。ローラ対3Aと導体線10の関係は、上記図4に示したローラ対3Aと同様であり、導体線10の上辺及び下辺に位置する6本の導体素線101(例えば、1~3、7~9の番号を付した線)に当接する。また、ローラ対3Cは、ローラ対3Aに対して、導体線10の中心位置の導体素線101周りに90度回転した位置にあり、導体線10の左辺及び右辺に位置する6本の導体素線101(例えば、4~6、10~11の番号を付した線)に当接する。
このように、無燃線状の導体線10を用いる場合には、2つのローラ対3A、3Cの配置を変更することによって、ローラ群30を構成する4つの給電ローラ31a、32a、31c、32cを、導体線10の四辺に配置することができる。そして、導体線10の外周表面となる12本の導体素線101の全てに、給電ローラ31a、32a、31c、32cを当接させて、給電可能に保持することができる。
これにより、実施形態1と同様に、導体線10の線長方向Lの複数個所を、対向する2つのローラ対3A、3Bによって弾性的に保持し、導体線10を連続的に送りながら、安定した給電が可能となる。なお、本形態においても、このように構成されたローラ群30を複数組設けて、給電部3を構成することができ、より安定した給電が可能となる。その場合のローラ群30の間隔は、導体線10を安定して弾性保持する観点から、適宜設定することができる。
本形態においても、上記図5に示した電着部2を備える製造装置を用い、予め準備工程において準備された導体線10を、電着工程において、連続的に絶縁塗装処理を施すことにより、絶縁被覆導体1を製造することができる。さらに、図13に示すように、このような製造装置を、対象製品の製造ラインに組み込むこともできる。その場合には、例えば、上記図5に示した焼成炉の後段に、コイル成形部と製品組付け部とを配置し、電着工程及び焼成工程を経て製造される絶縁被覆導体1を、引き続き所定のコイル形状に成形し、次いで、ステータコアのスロット等への組付けを行って、所望の製品とすることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、絶縁被覆導体1は、四辺がほぼ同じ長さの角線形状とした例について説明したが、扁平な平角線その他の形状であってもよい。また、導体線10に含まれる導体素線101の本数は、任意に変更することができ、導体線10の形状や導体素線101の構成に応じて、給電部3となるローラ群30の構成や配置も、適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、絶縁被覆導体1を、電動車両のモータ用コイル等に用いた例について説明したが、対象製品は制限されず、絶縁被覆導体1に含まれる導体線10や絶縁被覆層12の構成材料等も、製品に応じて適宜変更することができる。
1 絶縁被覆導体
10 導体線
11a 基材金属
11b 表面絶縁層
12 絶縁被覆層
2 電着部
3 給電部
30 ローラ群
31、32 給電ローラ
3A、3B、3C ローラ対

Claims (8)

  1. 複数の導体素線(101)の集合体として構成される導体線(10)と、上記導体線の外周表面を被覆する絶縁被覆層(12)と、を有する絶縁被覆導体(1)を製造するための装置であって、
    上記導体線を給電可能に保持する給電部(3)を有し、上記絶縁被覆層となる電着塗膜を形成するための電着部(2)を備えており、
    上記給電部は、上記導体線を挟んで線幅方向(W)に対向し上記導体線を弾性的に保持する一対の給電ローラ(31、32)を、上記導体線の線長方向(L)に間隔をおいて複数対有しており、
    上記導体線の外周表面となる複数の上記導体素線は、上記給電部を構成する上記給電ローラのいずれかと電気的に接続可能に接触している、絶縁被覆導体の製造装置。
  2. 上記導体素線は、基材金属(11a)の外周表面に、上記基材金属よりも高電気抵抗の表面層(11b)を有する、請求項1に記載の絶縁被覆導体の製造装置。
  3. 上記給電ローラは、少なくとも上記導体線と接触する外周表面が、導電性を有する弾性材料にて構成される、請求項1又は2に記載の絶縁被覆導体の製造装置。
  4. 上記導体線は、複数の上記導体素線を撚り合わせた撚線状の集合体であり、
    上記給電部において、複数対の上記給電ローラは、上記導体線の撚りピッチ(P)に応じた間隔で配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の絶縁被覆導体の製造装置。
  5. 上記導体線は、矩形の外周形状を有し、上記給電部は、二対の上記給電ローラが、上記撚りピッチの1/4の間隔で並列配置される、請求項4に記載の絶縁被覆導体の製造装置。
  6. 上記導体線は、複数の上記導体素線を束ねた無撚線状の集合体であり、
    上記給電部において、複数対の上記給電ローラは、上記導体線の外周の異なる位置に配置される、請求項1又は2に記載の絶縁被覆導体の製造装置。
  7. 上記給電部は、複数対の上記給電ローラを一組となるローラ群(30)が、上記線長方向に間隔をおいて複数組配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の絶縁被覆導体の製造装置。
  8. 複数の導体素線(101)の集合体として構成される導体線(10)と、上記導体線の外周表面を被覆する絶縁被覆層(12)と、を有する絶縁被覆導体(1)の製造方法であって、
    基材金属(11a)と上記基材金属よりも高電気抵抗の表面層(11b)とを有する上記導体素線を集合させると共に、その集合体の外周表面に上記導体素線の給電可能な表面を露出させて上記導体線とする、上記導体線の準備工程と、
    上記導体線を給電可能に保持する給電部(3)を用いて、上記絶縁被覆層となる電着塗膜を形成する電着工程と、を備えており、
    上記電着工程において、
    上記給電部となる一対の給電ローラ(31、32)を、上記導体線を挟んで線幅方向(W)に対向配置して上記導体線を弾性的に保持すると共に、上記導体線の線長方向(L)に間隔をおいて複数対配置して、
    上記導体線の外周表面に露出する上記導体素線が、複数対の上記給電ローラのいずれかと電気的に接続している状態で、電着塗装処理を行う、絶縁被覆導体の製造方法。
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