JP2022139028A - 利得可変増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の増大を抑制しつつ、利得を調整する際のトランジスタの線形性変動を抑制することができる利得可変増幅器を得ること。【解決手段】利得可変増幅器23Aが、入力された信号である入力信号を増幅する増幅用トランジスタ31と、増幅用トランジスタ31に並列接続されるとともに、入力信号を増幅する増幅用トランジスタ32と、入力信号を増幅する際の利得を制御する利得制御信号を生成して出力する制御回路11と、利得制御信号に基づいて、増幅用トランジスタ32をオンにさせる電圧であるオン電圧、または増幅用トランジスタ32をオフにさせる電圧であるオフ電圧を生成し増幅用トランジスタ32に出力する電圧変換回路45と、を備え、制御回路11は、入力信号の信号強度に対応する利得制御信号を生成して、増幅用トランジスタ31および電圧変換回路45に出力する。【選択図】図3
Description
本開示は、入力された信号を増幅する利得可変増幅器に関する。
レーダシステム等に適用される励振受信機は、入力された信号の信号強度に基づいて、トランジスタを有した増幅器で利得を調整し信号強度を調整している。増幅器で利得を調整する場合、利得の変動時にトランジスタの線形性が変動してしまい、スプリアスが増大することがあった。このような線形性の変動を抑制する増幅器の1つに、トランジスタサイズを調整する増幅器がある。
特許文献1に記載の増幅器は、ソースが接地された互いに閾値電圧の異なる複数のトランジスタを備えている。この増幅器は、ゲートが共通接続されて入力整合回路の出力端に接続されるとともにゲートには共通のゲートバイアス電圧が供給され、ドレインが共通接続されて出力整合回路の入力端に接続されるとともにドレインには共通のドレインバイアス電圧が印加されている。そして、この増幅器は、出力するパワーに応じてゲートバイアス電圧を調整し、動作させるトランジスタの個数を調整している。これにより、特許文献1に記載の増幅器は出力する信号強度を調整している。
しかしながら、上記特許文献1の技術では、入力された信号の信号強度が小さい場合であっても、複数のトランジスタの全てにゲートバイアス電圧が供給されるので、消費電力が増大してしまうという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力の増大を抑制しつつ、利得を調整する際のトランジスタの線形性変動を抑制することができる利得可変増幅器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の利得可変増幅器は、入力された信号である入力信号を増幅する第1のトランジスタと、第1のトランジスタに並列接続されるとともに、入力信号を増幅する第2のトランジスタとを備える。また、本開示の利得可変増幅器は、入力信号を増幅する際の利得を制御する利得制御信号を生成して出力する制御回路と、利得制御信号に基づいて、第2のトランジスタをオンにさせる電圧であるオン電圧、または第2のトランジスタをオフにさせる電圧であるオフ電圧を生成し第2のトランジスタに出力する電圧変換回路とを備える。制御回路は、入力信号の信号強度に対応する利得制御信号を生成して、第1のトランジスタおよび電圧変換回路に出力する。
本開示にかかる利得可変増幅器は、消費電力の増大を抑制しつつ、利得を調整する際のトランジスタの線形性変動を抑制することができるという効果を奏する。
以下に、本開示にかかる利得可変増幅器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる利得可変増幅器を備えた励振受信機を有する送受信機の構成を示す図である。通信機である送受信機100は、レーダシステム等に適用されて、信号の送信および受信を行う装置である。
図1は、実施の形態1にかかる利得可変増幅器を備えた励振受信機を有する送受信機の構成を示す図である。通信機である送受信機100は、レーダシステム等に適用されて、信号の送信および受信を行う装置である。
送受信機100は、送受信モジュール10と、励振受信機20と、アナログ-デジタル変換モジュールであるAD(Analog-to-Digital)変換モジュール30と、信号処理装置40と、アンテナ50とを備えている。
送受信モジュール10は、送信機能および受信機能を有するモジュールである。送受信モジュール10は、励振受信機20から送られてくる信号に従って、高周波のRF(Radio Frequency)信号等の送信信号を生成しアンテナ50に送る。送受信モジュール10は、アンテナ50で受けた受信信号に対して各種信号処理を行って励振受信機20に送る。
アンテナ50は、アンテナ素子等で構成されており信号の送受信を行う。アンテナ50は、送受信モジュール10が生成した送信信号を送信し、受信した信号を受信信号として送受信モジュール10に送る。
励振受信機20は、受信信号に対し、増幅、インピーダンス整合等の種々の信号処理を行う。励振受信機20は、信号処理を行った受信信号をAD変換モジュール30に送る。
AD変換モジュール30は、アナログ信号である受信信号をデジタル信号に変換して信号処理装置40に送る。信号処理装置40は、デジタル信号に基づいて、分析等の種々の信号処理を実行する。
また、信号処理装置40は、デジタル信号に基づいて、信号強度を検出し、信号強度を示す情報である信号強度情報を励振受信機20に送る。この信号強度情報は、RF信号の信号強度の情報、および後述するIF(Intermediate Frequency、中間周波数)信号の信号強度の情報である。信号処理装置40は、励振受信機20からRF信号を受付けて、RF信号に基づいてRF信号の信号強度を検出してもよい。また、信号処理装置40は、励振受信機20からIF信号を受付けて、IF信号に基づいてIF信号の信号強度を検出してもよい。
図2は、実施の形態1にかかる利得可変増幅器を備えた励振受信機の構成を示す図である。励振受信機20は、送信受信切替スイッチ21と、受信系のRF信号用フィルタ22と、受信系の利得可変増幅器23A,25と、ミキサー24と、受信系のIF信号用フィルタ26と、LO(ローカル)信号用発振器27とを有している。また、励振受信機20は、RF信号用発振器28と、送信用増幅器29とを有している。
RF信号用発振器28は、RF信号を出力して送信用増幅器29に送る。送信用増幅器29は、RF信号を増幅して送信受信切替スイッチ21に送る。送信受信切替スイッチ21は、送信処理と受信処理とを切替える。送信受信切替スイッチ21は、送信処理の際に送信用増幅器29からRF信号を受け付けると、このRF信号を送受信モジュール10に送る。このRF信号は、アンテナ50から送信される。
送信受信切替スイッチ21は、受信処理の際に送受信モジュール10から受信信号であるRF信号を受け付けると、このRF信号をRF信号用フィルタ22に送る。RF信号用フィルタ22は、RF信号のうち所望の信号波のみを通過させ、不要な信号波を遮断する。RF信号用フィルタ22は、通過させたRF信号を利得可変増幅器23Aに送る。
利得可変増幅器23Aは、半導体回路で構成されており、利得可変増幅器23Aに入力された信号である入力信号の信号強度に基づいて信号の利得を調整することで、出力する信号である出力信号の信号強度を調整する。具体的には、利得可変増幅器23Aは、RF信号の信号強度に基づいてRF信号の利得を調整することで、出力するRF信号の信号強度を調整する。利得可変増幅器23Aは、複数の増幅用トランジスタを有しており、RF信号の信号強度に応じたトランジスタのみオンさせてRF信号を増幅する。利得可変増幅器23Aは、増幅したRF信号をミキサー24に送る。
LO信号用発振器27は、局部発振波信号であるローカル信号を出力してミキサー24に送る。ミキサー24は、利得可変増幅器23AからのRF信号と、LO信号用発振器27からのローカル信号とを混合する。ミキサー24は、RF信号とローカル信号とを混合することで、RF信号とローカル信号との差の周波数であるIF信号を生成する。ミキサー24は、IF信号を利得可変増幅器25に送る。
利得可変増幅器25は、半導体回路で構成されており、利得可変増幅器23Aと同様の処理を実行する。すなわち、利得可変増幅器25は、利得可変増幅器25に入力されたIF信号の信号強度に基づいてIF信号の利得を調整することで、出力するIF信号の信号強度を調整する。利得可変増幅器25は、複数の増幅用トランジスタを有しており、IF信号の信号強度に応じたトランジスタのみオンさせてIF信号を増幅する。利得可変増幅器25は、増幅したIF信号をIF信号用フィルタ26に送る。
IF信号用フィルタ26は、IF信号のうち所望の信号波のみを通過させ、不要な信号波を遮断する。IF信号用フィルタ26は、通過させたIF信号をAD変換モジュール30に送る。
励振受信機20は、受信動作の際には、送信受信切替スイッチ21、RF信号用フィルタ22、利得可変増幅器23A、ミキサー24、利得可変増幅器25、IF信号用フィルタ26、およびLO信号用発振器27からなるパスで信号を伝搬する。
図3は、実施の形態1にかかる利得可変増幅器の構成を示す図である。なお、利得可変増幅器23A,25は、同様の構成を有しているので、ここでは、利得可変増幅器23Aの構成について説明する。また、以下では、利得可変増幅器23Aが、3つの増幅用トランジスタ31~33を有している場合について説明するが、増幅用トランジスタは、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
利得可変増幅器23Aは、増幅用トランジスタ31~33と、電圧変換回路45,46と、整合回路41~44と、制御回路11とを有している。増幅用トランジスタ31は、MOS-FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、モストランジスタ)であってもよいし、バイポーラトランジスタであってもよい。
利得可変増幅器23Aでは、RF信号用フィルタ22とミキサー24との間に、増幅用トランジスタ31~33が並列に接続されている。利得可変増幅器23Aの第1列目には増幅用トランジスタ31が接続されている。また、利得可変増幅器23Aの第2列目には、整合回路41、増幅用トランジスタ32、および整合回路42が、この順番で接続されている。また、利得可変増幅器23Aの第3列目には、整合回路43、増幅用トランジスタ33、および整合回路44が、この順番で接続されている。利得可変増幅器23Aでは、これらの第1列目から第3列目が並列接続されることで、増幅用トランジスタ31~33が並列接続されている。
そして、増幅用トランジスタ31および整合回路41,43が、RF信号用フィルタ22に接続されている。また、増幅用トランジスタ31および整合回路42,44が、ミキサー24に接続されている。
また、制御回路11は、増幅用トランジスタ31および電圧変換回路45,46に接続されている。電圧変換回路45は、増幅用トランジスタ32のベースまたはゲートに接続されており、電圧変換回路46は、増幅用トランジスタ33のベースまたはゲートに接続されている。
増幅用トランジスタ32,33がMOS-FETである場合、電圧変換回路45,46は、MOS-FETのゲートに接続されている。増幅用トランジスタ32,33がバイポーラトランジスタである場合、電圧変換回路45,46は、バイポーラトランジスタのベースに接続されている。増幅用トランジスタ31~33は、RF信号を増幅する。増幅用トランジスタ31が第1のトランジスタであり、増幅用トランジスタ32,33が第2のトランジスタである。
電圧変換回路45,46は、制御回路11から送られてくるコントロール電圧Vcntに応じて、増幅用トランジスタ32,33のベースまたはゲートをオンにさせる電圧であるオン電圧と、オフにさせる電圧であるオフ電圧とを切り替える。コントロール電圧Vcntは、利得を制御して調整するための電圧、すなわち利得制御信号に対応する電圧である。
増幅用トランジスタ31は、制御回路11から送られてくるコントロール電圧Vcntに従ってオンまたはオフになる。増幅用トランジスタ31は、オンの場合に、RF信号を増幅してミキサー24に送る。
電圧変換回路45は、コントロール電圧Vcntが第1の特定値以上の場合に増幅用トランジスタ32がオンになる電圧を、増幅用トランジスタ32のベースまたはゲートに印加する。一方、電圧変換回路45は、コントロール電圧Vcntが第1の特定値未満の場合に、増幅用トランジスタ32がオフになる電圧を、増幅用トランジスタ32のベースまたはゲートに印加する。
電圧変換回路46は、コントロール電圧Vcntが第2の特定値以上の場合に増幅用トランジスタ33がオンになる電圧を、増幅用トランジスタ33のベースまたはゲートに印加する。一方、電圧変換回路46は、コントロール電圧Vcntが第2の特定値未満の場合に、増幅用トランジスタ33がオフになる電圧を、増幅用トランジスタ33のベースまたはゲートに印加する。第1の特定値と第2の特定値とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。以下では、第1の特定値が第2の特定値よりも小さい場合について説明する。
このように、増幅用トランジスタ32,33については、電圧変換回路と1対1で接続されている。すなわち、増幅用トランジスタ32と電圧変換回路45とが接続され、増幅用トランジスタ33と電圧変換回路46とが接続されている。そして、電圧変換回路45,46のそれぞれは、接続されている増幅用トランジスタ32,33に対し、コントロール電圧Vcntに応じて、オンとオフとを切り替えている。これにより、利得可変増幅器23Aは、増幅用トランジスタのサイズ調整を行っている。
RF信号用フィルタ22が、第1列目から第3列目に印加するRF信号の電圧が第1の電圧である電圧Vaであるとする。この場合、増幅用トランジスタ31には、電圧Vaが印加される。RF信号用フィルタ22から増幅用トランジスタ31までのパスは、利得を調整するためのコントロール電圧Vcntの全ての範囲で動作するパスとなっている。
整合回路41~44は、インピーダンス整合を行う回路である。整合回路41は、RF信号を送り出す側であるRF信号用フィルタ22のインピーダンスと、RF信号を受け入れる側である増幅用トランジスタ32のインピーダンスとの間の整合をとる。
整合回路42は、RF信号を送り出す側である増幅用トランジスタ32のインピーダンスと、RF信号を受け入れる側であるミキサー24のインピーダンスとの間の整合をとる。
整合回路43は、RF信号を送り出す側であるRF信号用フィルタ22のインピーダンスと、RF信号を受け入れる側である増幅用トランジスタ33のインピーダンスとの間の整合をとる。
整合回路44は、RF信号を送り出す側である増幅用トランジスタ33のインピーダンスと、RF信号を受け入れる側であるミキサー24のインピーダンスとの間の整合をとる。
増幅用トランジスタ32,33に入力されるRF信号のインピーダンス整合を行う整合回路41,43が第1の整合回路である。増幅用トランジスタ32,33から出力されるRF信号のインピーダンス整合を行う整合回路42,44が第2の整合回路である。
制御回路11は、信号処理装置40に接続されており、信号処理装置40からRF信号の信号強度を示す信号強度情報を受け付ける。制御回路11は、信号強度情報に基づいて、利得を調整するためのコントロール電圧Vcntを決定する。制御回路11は、利得可変増幅器23Aが出力する信号の信号強度が、特定の信号強度となるように、すなわち特定の利得となるように、コントロール電圧Vcntを決定する。
制御回路11は、信号強度情報で示される信号強度が弱いほど、利得が高くなるコントロール電圧Vcntを設定する。制御回路11には、例えば、信号強度の基準値として、第1の基準値および第2の基準値が設定されている。第1の基準値>第2の基準値である。
制御回路11は、信号強度が第1の基準値よりも高い場合には、増幅用トランジスタ31のみがオンになり、増幅用トランジスタ32,33がオフになるコントロール電圧Vcntを出力する。この場合、電圧変換回路45,46は、増幅用トランジスタ32,33をオフにするので、増幅用トランジスタ32,33での消費電力を抑制することができる。
制御回路11は、信号強度が第2の基準値よりも高く、第1の基準値以下の場合には、増幅用トランジスタ31,32のみがオンになり、増幅用トランジスタ33がオフになるコントロール電圧Vcntを出力する。この場合、電圧変換回路46は、増幅用トランジスタ33をオフにするので、増幅用トランジスタ33での消費電力を抑制することができる。
制御回路11は、信号強度が第2の基準値以下の場合には、増幅用トランジスタ31~33の全てがオンになるコントロール電圧Vcntを出力する。
つぎに、送受信機100の動作について説明する。なお、利得可変増幅器23A,25は、同様の動作を行うので、ここでは、利得可変増幅器23Aの動作について説明する。
アンテナ50は、送受信モジュール10が生成した送信信号を送信し、受信したRF信号を送受信モジュール10に送る。送受信モジュール10は、アンテナ50で受けたRF信号に対して受信処理に関連する種々の信号処理を行って励振受信機20の送信受信切替スイッチ21に送る。
送信受信切替スイッチ21は、RF信号を受け付けると、このRF信号をRF信号用フィルタ22に送る。RF信号用フィルタ22は、RF信号のうち所望の信号波のみを通過させて利得可変増幅器23Aに送る。
RF信号用フィルタ22から利得可変増幅器23AにRF信号が送られてくると、このRF信号は、増幅用トランジスタ31および整合回路41,43に入力される。
整合回路41は、インピーダンス整合を実行してRF信号を増幅用トランジスタ32に送る。すなわち、整合回路41は、増幅用トランジスタ32に入力するRF信号のインピーダンス整合を実行する。
整合回路43は、インピーダンス整合を実行してRF信号を増幅用トランジスタ33に送る。すなわち、整合回路43は、増幅用トランジスタ33に入力するRF信号のインピーダンス整合を実行する。
制御回路11は、増幅用トランジスタ31を動作させることができるコントロール電圧Vcntを増幅用トランジスタ31のベースまたはゲートに印加する。これにより、増幅用トランジスタ31から、増幅されたRF信号が出力され、ミキサー24に送られる。
ミキサー24は、利得可変増幅器23Aから出力された信号と、LO信号用発振器27からのローカル信号とを混合する。利得可変増幅器25は、利得可変増幅器23Aと同様の処理を実行し、RF信号をIF信号用フィルタ26に送る。IF信号用フィルタ26は、IF信号のうち所望の信号波のみを通過させてAD変換モジュール30に送る。
AD変換モジュール30は、IF信号用フィルタ26から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して信号処理装置40に送る。信号処理装置40は、デジタル信号に基づいて、種々の信号処理を実行する。また、信号処理装置40は、利得可変増幅器23Aに入力されたRF信号を検出し、信号強度情報を励振受信機20が備える利得可変増幅器23Aの制御回路11に送る。
制御回路11は、信号強度情報に基づいて、利得を調整するためのコントロール電圧Vcntを決定する。電圧変換回路45は、コントロール電圧Vcntに基づいて、増幅用トランジスタ32がオンになる電圧またはオフになる電圧を、増幅用トランジスタ32のベースまたはゲートに印加する。電圧変換回路46は、コントロール電圧Vcntに基づいて、増幅用トランジスタ33がオンになる電圧またはオフになる電圧を、増幅用トランジスタ33のベースまたはゲートに印加する。
これにより、増幅用トランジスタ31~33のうち、コントロール電圧Vcntに対応する増幅用トランジスタのみが動作する。増幅用トランジスタ31が動作する場合には、増幅用トランジスタ31は、RF信号を増幅してミキサー24に送る。
増幅用トランジスタ32が動作する場合には、増幅用トランジスタ32は、RF信号を増幅して整合回路42に送る。整合回路42は、インピーダンス整合を実行してRF信号をミキサー24に送る。
増幅用トランジスタ33が動作する場合には、増幅用トランジスタ33は、RF信号を増幅して整合回路44に送る。整合回路44は、インピーダンス整合を実行してRF信号をミキサー24に送る。
ミキサー24は、利得可変増幅器23Aから出力された信号と、LO信号用発振器27からのローカル信号とを混合する。利得可変増幅器25は、利得可変増幅器23Aと同様の処理を実行し、IF信号をIF信号用フィルタ26に送る。IF信号用フィルタ26は、IF信号のうち所望の信号波のみを通過させてAD変換モジュール30に送る。
AD変換モジュール30は、アナログ信号であるIF信号をデジタル信号に変換して信号処理装置40に送る。信号処理装置40は、デジタル信号に基づいて、種々の信号処理を実行する。
送受信機100では、利得可変増幅器23A,25が、入力された信号(RF信号、IF信号)の信号強度に基づいて、入出力信号の利得を調整することで、出力する信号の信号強度を調整する処理が繰り返される。利得可変増幅器23A,25は、入力された信号の信号強度に応じた増幅用トランジスタを動作させることで、トランジスタサイズ(ゲート幅、またはエミッタサイズ)を調整して増幅用トランジスタ31~33の線形性を確保する。すなわち、利得可変増幅器23A,25は、線形性が劣化することを防止する。これにより、利得可変増幅器23A,25は、入力された信号強度に応じて利得を調整した場合であっても、出力する信号強度の低下を防止でき、スプリアスの増大を抑制できる。
このように実施の形態1では、制御回路11が、入力された信号の信号強度に対応するコントロール電圧Vcnt(利得制御信号)を生成して、増幅用トランジスタ31および電圧変換回路45,46に出力している。これにより、利得可変増幅器23A,25は、必要な増幅用トランジスタを動作させ、不要な増幅用トランジスタへのゲートバイアス電圧印加を停止することができるので、増幅用トランジスタの消費電流を抑制することができ、電流低減効果を得ることができる。したがって、利得可変増幅器23A,25は、消費電力の増大を抑制しつつ、利得を調整する際の増幅用トランジスタの線形性変動を抑制することができる。
実施の形態2.
つぎに、図4を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2では、利得可変増幅器が、インピーダンス整合を、入力された信号の信号強度に対応するインピーダンス整合に切り替える。
つぎに、図4を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2では、利得可変増幅器が、インピーダンス整合を、入力された信号の信号強度に対応するインピーダンス整合に切り替える。
図4は、実施の形態2にかかる利得可変増幅器の構成を示す図である。図4に示す利得可変増幅器23Bの各構成要素のうち図3に示す実施の形態1の利得可変増幅器23Aと同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。なお、実施の形態2の利得可変増幅器25は、利得可変増幅器23Bと同様の構成を有しているので、その説明は省略する。
実施の形態2にかかる利得可変増幅器23Bは、実施の形態1にかかる利得可変増幅器23Aと比較して、切替回路55,56を備えている。また、利得可変増幅器23Bは、整合回路41~44の代わりに、切替整合回路51~54を備えている。
切替整合回路51は、整合回路41と同じ位置に配置されており、整合回路41と同様の接続構成となっている。切替整合回路52は、整合回路42と同じ位置に配置されており、整合回路42と同様の接続構成となっている。切替整合回路53は、整合回路43と同じ位置に配置されており、整合回路43と同様の接続構成となっている。切替整合回路54は、整合回路44と同じ位置に配置されており、整合回路44と同様の接続構成となっている。実施の形態2では、切替整合回路51,53が第1の整合回路であり、切替整合回路52,54が第2の整合回路である。
切替回路55,56は、制御回路11に接続されており、制御回路11から送られてくるコントロール電圧Vcntを受け付ける。切替回路55は、切替整合回路51,52に接続されており、切替回路56は、切替整合回路53,54に接続されている。
切替回路55は、コントロール電圧Vcntに対応する切替指令を切替整合回路51,52に送る。切替指令は、インピーダンス整合を、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応するインピーダンス整合に切り替えさせる指令である。したがって、切替回路55は、コントロール電圧Vcntに基づいて、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応する切替指令を生成し切替整合回路51,52に送る。
同様に、切替回路56は、コントロール電圧Vcntに対応する切替指令を切替整合回路53,54に送る。すなわち、切替回路56は、コントロール電圧Vcntに基づいて、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応する切替指令を生成し切替整合回路53,54に送る。
切替整合回路51,52は、切替回路55からの切替指令に従って、インピーダンス整合を、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応するインピーダンス整合に切り替える。切替整合回路53,54は、切替回路56からの切替指令に従って、インピーダンス整合を、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応するインピーダンス整合に切り替える。
これにより、利得可変増幅器23Bは、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に応じた増幅用トランジスタでRF信号を増幅できるとともに、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に応じたインピーダンス整合を実行することができる。
なお、利得可変増幅器23Bは、電圧変換回路45,46を備えていなくてもよい。この場合、切替回路55,56は、コントロール電圧Vcntに基づいて、RF信号をシャットダウンするか、インピーダンス整合するかを切替える。インピーダンス整合する場合、切替回路55,56は、コントロール電圧Vcntに基づいて、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応する切替指令を生成し切替整合回路51~54に送ってもよい。
切替回路55は、コントロール電圧Vcntが第1の特定値以上の場合にインピーダンス整合させる指令を切替整合回路51,52に送る。一方、切替回路55は、コントロール電圧Vcntが第1の特定値未満の場合にRF信号をシャットダウンさせる指令を切替整合回路51,52に送る。
切替回路56は、コントロール電圧Vcntが第2の特定値以上の場合にインピーダンス整合させる指令を切替整合回路53,54に送る。一方、切替回路56は、コントロール電圧Vcntが第2の特定値未満の場合にRF信号をシャットダウンさせる指令を切替整合回路53,54に送る。これにより、切替回路55,56は、信号パスの導通と非導通とを切り替える。
切替整合回路51~54は、インピーダンス整合させる指令を受け付けた場合には、インピーダンス整合を実施する。切替整合回路51~54は、RF信号をシャットダウンさせる指令を受け付けた場合には、RF信号をシャットダウンする。
切替整合回路51~54は、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度が強い場合には、RF信号をシャットダウンするので、増幅用トランジスタ32,33での消費電力を抑制することができる。したがって、利得可変増幅器23Bは、消費電力の増大を抑制しつつ、利得を調整する際の増幅用トランジスタの線形性変動を抑制することができる。
このように実施の形態2では、制御回路11が信号強度情報に対応するコントロール電圧Vcntを出力し、切替回路55,56が、コントロール電圧Vcntに対応する切替指令を切替整合回路51~54に送っている。そして、切替整合回路51~54が、切替指令に従って、インピーダンス整合を、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に対応するインピーダンス整合に切り替えている。これにより、利得可変増幅器23Bは、利得可変増幅器23Bに入力されたRF信号の信号強度に応じたインピーダンス整合を実行することができる。
ここで、送受信機100の利得可変増幅器23A,23Bが備える制御回路11のハードウェア構成について説明する。利得可変増幅器23A,23Bにおいて、制御回路11は、処理回路により実現される。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
図5は、実施の形態1,2に係る利得可変増幅器が備える制御回路をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成例を示す図である。図5に示す処理回路90は制御回路11であり、プロセッサ91およびメモリ92を備える。処理回路90がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路90の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路90は、制御回路11の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。このプログラムは、処理回路90により実現される各機能を制御回路11に実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記憶された記憶媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
プロセッサ91の例は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ92の例は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
図6は、実施の形態1,2に係る利得可変増幅器が備える制御回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の例を示す図である。図6に示す処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路93については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路93は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 送受信モジュール、11 制御回路、20 励振受信機、21 送信受信切替スイッチ、22 RF信号用フィルタ、23A,23B,25 利得可変増幅器、24 ミキサー、26 IF信号用フィルタ、27 LO信号用発振器、28 RF信号用発振器、29 送信用増幅器、30 AD変換モジュール、31~33 増幅用トランジスタ、40 信号処理装置、41~44 整合回路、45,46 電圧変換回路、50 アンテナ、51~54 切替整合回路、55,56 切替回路、90 処理回路、91 プロセッサ、92 メモリ、93 処理回路、100 送受信機。
Claims (3)
- 入力された信号である入力信号を増幅する第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタに並列接続されるとともに、前記入力信号を増幅する第2のトランジスタと、
前記入力信号を増幅する際の利得を制御する利得制御信号を生成して出力する制御回路と、
前記利得制御信号に基づいて、前記第2のトランジスタをオンにさせる電圧であるオン電圧、または前記第2のトランジスタをオフにさせる電圧であるオフ電圧を生成し前記第2のトランジスタに出力する電圧変換回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記入力信号の信号強度に対応する前記利得制御信号を生成して、前記第1のトランジスタおよび前記電圧変換回路に出力する、
ことを特徴とする利得可変増幅器。 - 前記第2のトランジスタおよび前記電圧変換回路は、複数であり、
前記第2のトランジスタと前記電圧変換回路とは1対1で接続され、
前記電圧変換回路のそれぞれは、接続されている前記第2のトランジスタに対し、前記利得制御信号に基づいて前記オン電圧または前記オフ電圧を生成して出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の利得可変増幅器。 - 前記第2のトランジスタに入力される前記入力信号のインピーダンス整合を行う第1の整合回路と、
前記第2のトランジスタから出力される前記入力信号のインピーダンス整合を行う第2の整合回路と、
前記第1の整合回路および前記第2の整合回路に、前記利得制御信号に対応するインピーダンス整合に切り替えさせる切替指令を出力する切替回路と、
をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の利得可変増幅器。
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JP2021039231A JP2022139028A (ja) | 2021-03-11 | 2021-03-11 | 利得可変増幅器 |
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- 2021-03-11 JP JP2021039231A patent/JP2022139028A/ja active Pending
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