JP2022138913A - 走行支援システム - Google Patents

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健文 後藤
Takefumi Goto
貴之 岩本
Takayuki Iwamoto
国仁 佐藤
Kunihito Sato
祥一 早坂
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Abstract

【課題】多くの経路の走行に対応した自動運転を実現することができる走行支援システムを提供する。【解決手段】走行支援システム1は、自動運転車両10を自動運転で走行させるシステムであって、自動運転不能区間判定部39及び追従走行部41を備える。自動運転不能区間判定部39は、自動運転車両10の自動運転の経路上に、自動運転車両10の自動運転による走行が不能な自動運転不能区間が有るか否かを判定する。追従走行部41は、自動運転不能区間が有ると判定した場合、当該自動運転不能区間においては、当該自動運転不能区間を走破可能な補強車両に対して追従走行するように自動運転車両10の走行を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、走行支援システムに関する。
走行支援システムに関する技術として、特許文献1には、運転車が運転不能となった運転不能車両を先導車両に自動追従させる車両制御装置が開示されている。
特開2015-108860号公報
ところで、車両を自動運転で走行させる場合、自動運転による走行が不能な自動運転不能区間を含む経路に沿って車両を走行させざるを得ない状況が訪れる可能性がある。しかし、上記走行支援システムでは、このような状況に十分に対応されておらず、当該経路に沿って車両を自動運転で走行させることは困難である。上記走行支援システムでは、多くの経路に対応した自動運転を実現することは未だ難しい。
そこで、本発明は、多くの経路の走行に対応した自動運転を実現することができる走行支援システムを提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る走行支援システムは、第1車両を自動運転で走行させる走行支援システムであって、第1車両の自動運転の経路上に、第1車両の自動運転による走行が不能な自動運転不能区間が有るか否かを判定する判定部と、判定部で自動運転不能区間が有ると判定した場合、当該自動運転不能区間においては、当該自動運転不能区間を走破可能な第2車両に対して第1車両が追従走行するように第1車両の走行を制御する追従走行部と、を備える。
この走行支援システムにおいて、第1車両は、自動運転不能区間を含む経路に沿って自動運転で走行する場合、自動運転不能区間では第2車両に対する追従走行で走行する。これにより、経路に自動運転不能区間が含まれる場合でも、当該経路に沿って第1車両を自動運転で走行させることができる。多くの経路の走行に対応した自動運転を実現することが可能となる。
本発明の一態様に係る走行支援システムでは、判定部は、経路上における自動運転に必要な性能が所定値を上回る特定区間を、自動運転不能区間として判定してもよい。この場合、経路の自動運転に必要な性能を利用して、自動運転不能区間を判定することができる。
本発明の一態様に係る走行支援システムでは、所定値は、第1車両の自動運転に関する性能に基づいて設定されていてもよい。この場合、第1車両の自動運転に関する性能を利用して、所定値を設定することができる。
本発明の一態様に係る走行支援システムでは、第2車両は、自動運転不能区間を含む所定区間のみを走行する車両であってもよい。この場合、第2車両を自動運転不能区間を含む所定区間の走行に特化させることが可能となる。
本発明の一態様に係る走行支援システムは、判定部で自動運転不能区間が有ると判定した場合、第1車両の現在位置と自動運転不能区間との間の合流エリアへの第2車両の配車を要求すると共に、合流エリアまで第1車両を走行させる配車合流部を備えていてもよい。この場合、追従走行部により追従走行を行うにあたり、第1車両と第2車両と効率よく合流させることができる。
本発明によれば、多くの経路の走行に対応した自動運転を実現することができる走行支援システムを提供することが可能となる。
図1は、実施形態に係る走行支援システムの構成を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係る走行支援システムにより実施される自動運転の例を示すフローチャートである。 図3(a)は、実施形態に係る走行支援システムにより実施される自動運転の例を説明する概略俯瞰図である。図3(b)は、図3(a)の続きを示す概略俯瞰図である。図3(c)は、図3(b)の続きを示す概略俯瞰図である。 図4(a)は、図3(c)の続きを示す概略俯瞰図である。図4(b)は、図4(a)の続きを示す概略俯瞰図である。図4(c)は、図4(b)の続きを示す概略俯瞰図である。 図5は、変形例に係る走行支援システムの構成を示すブロック図である。 図6は、他の変形例に係る走行支援システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、走行支援システム1の構成を示すブロック図である。図1に示す走行支援システム1は、第1車両を自動運転で走行させるシステムである。以下、自動運転の対象となる第1車両を自動運転車両10と称す。自動運転車両10は、自動運転が可能な車両である。自動運転車両10は、ドライバによる運転操作が要されず、自動走行制御が可能な車両である。自動運転車両10は、遠隔オペレータによる遠隔支援に沿って自動運転を実行可能な遠隔支援対応車両を含む。遠隔オペレータとは、自動運転車両10に対して遠隔支援を行う者である。遠隔支援とは、自動運転車両10の走行に関する遠隔オペレータの指示である。遠隔オペレータの人数は一人であってもよく、複数人であってもよい。
図3に示すように、走行支援システム1は、自動運転ECU30を有する。自動運転ECU30は、CPU[Central Processing Unit]等のプロセッサ、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等のメモリを有する電子制御ユニットである。自動運転ECU30では、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。自動運転ECU30は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。自動運転ECU30は、自動運転車両10に搭載されている。自動運転ECU30は、GPS[Global Positioning System]受信部21、外部センサ、内部センサ23、地図データベース24、通信部25、及び、アクチュエータ26と接続されている。
GPS受信部21は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、自動運転車両10の位置(例えば自動運転車両10の緯度及び経度)を測定する。GPS受信部21は、測定した自動運転車両10の位置情報を自動運転ECU30へ送信する。
外部センサ22は、自動運転車両10の外部環境を検出する車載センサである。外部センサ22は、少なくともカメラを含む。カメラは、自動運転車両10の外部環境を撮像する撮像機器である。外部センサ22は、レーダセンサを含んでもよい。レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して自動運転車両10の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を自動運転車両10の周辺に送信し、物体で反射された電波又は光を受信することで物体を検出する。外部センサ22は、自動運転車両10の外部の音を検出するソナーセンサを含んでもよい。
内部センサ23は、自動運転車両10の走行状態を検出する車載センサである。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。車速センサは、自動運転車両10の速度を検出する検出器である。加速度センサは、自動運転車両10の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、自動運転車両10の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサを含んでいる。加速度センサは、自動運転車両10の横加速度を検出する横加速度センサを含んでいてもよい。ヨーレートセンサは、自動運転車両10の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。
地図データベース24は、地図情報を記録するデータベースである。地図データベース24は、例えば、自動運転車両10に搭載されたHDD[Hard Disk Drive]等の記録装置内に形成されている。地図情報には、例えば道路の位置情報、道路形状の情報(例えば曲率情報)、交差点及び分岐点の位置情報等が含まれる。地図情報には、位置情報と関連付けられた法定最高速度等の交通規制情報が含まれていてもよい。地図情報には、自動運転車両10の位置情報の取得に用いられる物標情報が含まれていてもよい。物標としては、道路標識、路面標示、信号機、電柱等を用いることができる。地図情報には、バスの停留所の位置情報が含まれていてもよい。地図データベース24は、自動運転車両10と通信可能なサーバに構成されていてもよい。
通信部25は、自動運転車両10の外部との無線通信を制御する通信デバイスである。通信部25は、路車間通信及び車車間通信を行う。通信部25は、通信ネットワークを介してサーバと各種情報の通信を行ってもよい。通信部25としては特に限定されず、種々の公知の通信デバイスを用いることができる。
アクチュエータ26は、自動運転車両10の制御に用いられる機器である。アクチュエータ26は、駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。駆動アクチュエータは、自動運転ECU30からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自動運転車両10の駆動力を制御する。なお、自動運転車両10がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータに自動運転ECU30からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。自動運転車両10が電気自動車である場合には、動力源としてのモータに自動運転ECU30からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ26を構成する。
ブレーキアクチュエータは、自動運転ECU30からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、自動運転車両10の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を自動運転ECU30からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、自動運転車両10の操舵トルクを制御する。
自動運転ECU30の機能的構成を説明する。自動運転ECU30は、車両位置取得部32、外部環境認識部33、走行状態認識部34、進路生成部37、自動運転制御部38、自動運転不能区間判定部39、配車合流部40及び追従走行部41を有する。自動運転ECU30の機能の一部は自動運転車両10と通信可能なサーバで実行されてもよい。
車両位置取得部32は、GPS受信部21の位置情報及び地図データベース24の地図情報に基づいて、自動運転車両10の位置情報(地図上の位置)を取得する。車両位置取得部32は、地図データベース24の地図情報に含まれた物標情報及び外部センサ22の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により自動運転車両10の位置情報を取得してもよい。車両位置取得部32は、車線の区画線と自動運転車両10の位置関係から、車線に対する自動運転車両10の横位置(車線幅方向における自動運転車両10の位置)を認識して位置情報に含めてもよい。車両位置取得部32は、その他、周知の手法により自動運転車両10の位置情報を取得してもよい。
外部環境認識部33は、外部センサ22の検出結果に基づいて、自動運転車両10の外部環境を認識する。外部環境には、自動運転車両10に対する周囲の物体の相対位置が含まれる。外部環境には、自動運転車両10に対する周囲の物体の相対速度及び移動方向が含まれていてもよい。外部環境には、他車両、歩行者、自転車等の物体の種類が含まれてもよい。物体の種類は、パターンマッチング等の周知の手法により識別することができる。外部環境には、自動運転車両10の周囲の区画線認識(白線認識)の結果が含まれていてもよい。外部環境には、信号機の点灯状態の認識結果が含まれていてもよい。外部環境認識部33は、例えば、外部センサ22のカメラの画像に基づいて、自動運転車両10の前方の信号機の点灯状態(通過可能な点灯状態であるか、通過禁止の点灯状態であるか等)を認識できる。
走行状態認識部34は、内部センサ23の検出結果に基づいて、自動運転車両10の走行状態を認識する。走行状態には、自動運転車両10の車速、自動運転車両10の加速度、自動運転車両10のヨーレートが含まれる。具体的に、走行状態認識部34は、車速センサの車速情報に基づいて、自動運転車両10の車速を認識する。走行状態認識部34は、加速度センサの車速情報に基づいて、自動運転車両10の加速度を認識する。走行状態認識部34は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、自動運転車両10の向きを認識する。
進路生成部37は、自動運転車両10の自動運転に利用される進路[trajectory]を生成する。進路生成部37は、自動運転車両10の走行するルート、地図情報、自動運転車両10の位置情報、自動運転車両10の外部環境、及び自動運転車両10の走行状態に基づいて、自動運転の進路を生成する。進路は自動運転の走行計画に相当する。進路には、自動運転で車両が走行する経路[path]と自動運転における車速計画とが含まれる。経路は、ルート上において自動運転中の車両が走行する予定の軌跡である。経路は、例えばルート上の位置に応じた自動運転車両10の操舵角変化のデータ(操舵角計画)とすることができる。ルート上の位置とは、例えばルートの進行方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置である。操舵角計画とは、設定縦位置毎に目標操舵角が関連付けられたデータとなる。
進路生成部37は、例えばルート、地図情報、自動運転車両10の外部環境、及び自動運転車両10の走行状態に基づいて、自動運転車両10が走行する経路を生成する。進路生成部37は、例えば自動運転車両10がルートに含まれる車線の中央(車線幅方向における中央)を通るように経路を生成する。車速計画は、例えば設定縦位置毎に目標車速が関連付けられたデータである。なお、設定縦位置は、距離ではなく自動運転車両10の走行時間を基準として設定されてもよい。設定縦位置は、例えば車両の1秒後の到達位置、車両の2秒後の到達位置として設定されていてもよい。この場合には、車速計画も走行時間に応じたデータとして表現できる。
進路生成部37は、例えば経路と地図情報に含まれる法定最高速度等の交通規制情報に基づいて車速計画を生成する。法定最高速度に代えて、地図上の位置又は区間に対して予め設定された速度を用いてもよい。進路生成部37は、経路及び車速計画から自動運転の進路を生成する。なお、進路生成部37における進路の生成方法は上述した内容に限定されず、自動運転に関する周知の手法を採用することができる。進路の内容についても同様である。
自動運転制御部38は、自動運転車両10の自動運転を実行する。自動運転制御部38は、例えば自動運転車両10の外部環境、自動運転車両10の走行状態、及び進路生成部37の生成した進路に基づいて、自動運転車両10の自動運転を実行する。自動運転制御部38は、アクチュエータ26に制御信号を送信することで、自動運転車両10の自動運転を行う。
自動運転不能区間判定部39は、自動運転車両10が自動運転で走行する経路(以下、単に「経路」ともいう)上の自動運転不能区間の有無を判定する判定部である。ここでの経路は、進路生成部37で生成した進路に含まれる。自動運転不能区間は、自動運転車両10の自動運転による走行(自律走行)が不能な区間である。自動運転不能区間は、自動運転車両10が自動運転で走破できない区間である。自動運転不能区間は、設計上における自動運転に係るシステムが作動する前提となる走行環境条件である運行設計領域(Operational Design Domain)外の区間である。例えば自動運転不能区間は、天候又は混雑状況の急激な変化、工事又は他交通参加者の事故等の動的要因によって運行設計領域外となる区間である。例えば自動運転不能区間は、工事区間、事故による車線規制区間、雨天時の右折、及び、雨天時又は混雑下で車線変更が必要な区間等である。自動運転不能区間判定部39は、経路上において自動運転不能区間を抽出する。自動運転不能区間判定部39は、自動運転走行評価部と、経路要求性能評価部と、の2つの要素を含む。
自動運転走行評価部は、自動運転車両10の自動運転に関する性能を評価する。例えば自動運転走行評価部は、工事区間での手旗認識等の高度な判断ができるか否か等の静的評価と、自動運転中に実際に認識できている物体の距離の評価を行って認識範囲を評価する動的評価と、を行う。当該認識範囲は、雨天時には晴天時よりも小さい傾向を有する。自動運転走行評価部は、自動運転車両10の自動運転に関する性能に基づいて、自動運転不能区間か否かを判定するための指標であって自動運転車両10の自動運転に関する性能を表す所定値を設定する。例えば、自動運転走行評価部は、自動運転車両10の自動運転に関する性能が優れているほど値が大きくなるように、所定値を設定する。
経路要求性能評価部は、経路上の各区間における自動運転に必要な性能を、地図データベース24等に基づいて評価する。例えば、経路要求性能評価部は、経路上の工事区間について、高度な状況判断能力が必要であると評価し、その評価に応じた必要性能評価値を設定する。例えば、経路要求性能評価部は、経路上の交差点を右折で通過する区間について、規定長の前方計測性能が必要であると評価し、その評価に応じた必要性能評価値を設定する。例えば、経路要求性能評価部は、経路上の車線変更区間について、安全に車線変更するために、規定長の後側方計測性能が必要であると評価し、その評価に応じた必要性能評価値を設定する。
自動運転不能区間判定部39は、経路上において必要性能評価値が所定値を上回る特定区間を探索し、当該特定区間が存在する場合に自動運転不能区間が有りと判定して、当該特定区間を自動運転不能区間として抽出する一方、当該特定区間が存在しない場合に自動運転不能区間が無いと判定する。所定値及び必要性能評価値は、特に限定されないが、数値で表されるものであってもよいし、高、中、低等のレベルで表されるものであってもよい。
なお、自動運転不能区間判定部39は、地図データベース24上の運行設計領域外の区間を自動運転不能区間としてもよい。自動運転不能区間判定部39は、自動運転不能区間の情報を、通信部25を介して外部から取得してもよい。自動運転不能区間判定部39は、経路要求性能評価部で評価する各区間の必要性能評価値を、通信部25を介して外部から取得してもよい。
配車合流部40は、自動運転不能区間判定部39で自動運転不能区間が有ると判定した場合、合流エリアへの補強車両の配車を要求すると共に、合流エリアまで自動運転車両10を走行させる。補強車両は、自動運転車両10とは異なる第2車両である。補強車両は、自動運転不能区間を走破可能な車両である。補強車両は、自動運転車両10の追従走行を先導する先導車両である。補強車両は、例えばドライバの運転により走行可能な車両である。合流エリアは、自動運転車両10の現在位置と自動運転不能区間との間のエリアである。合流エリアは、自動運転車両10及び補強車両が安全に停車し且つ合流できるエリアである。例えば合流エリアは、バス停周辺のエリアであってもよい。
一例として、配車合流部40は、通信部25を介して外部サーバに対して、補強車両の合流エリアへの配車を送信して手配する。これにより、外部サーバは、補強車両へその旨を送信して補強車両のドライバへ報知し、補強車両がドライバの運転により合流エリアへ移動する。これと共に、配車合流部40は、自動運転制御部38により自動運転車両10を合流エリアへ走行させる自動運転を実行する。その結果、合流エリアにおいて自動運転車両10と補強車両とが合流する。ここでの合流とは、例えば、後述の追従走行部41による追従走行が可能となるまで両車両が接近した状態を意図する。
なお、合流エリアは、自動運転車両10の現在位置と自動運転不能区間との間のエリアであれば特に限定されず、公知の手法に基づき適宜に設定することができる。補強車両は、自動運転車両10よりも高性能なセンサ及び演算器を備えた、自動運転不能区間を走破可能な自動運転車両であってもよい。補強車両は、遠隔支援対応車両であってもよい。補強車両は、自動運転不能区間を含む所定区間のみを走行する専用車両であってもよい。
追従走行部41は、自動運転不能区間判定部39で自動運転不能区間が有ると判定した場合、自動運転不能区間においては、補強車両に対して自動運転車両10が追従走行するように(換言すると、補強車両を先導車両として隊列走行するように)自動運転車両10の走行を制御する。追従走行部41は、自動運転不能区間において自動運転車両10を補強車両に追従走行させることで、自動運転車両10に自動運転不能区間を走破させる。追従走行部41による追従走行の手法は、特に限定されず、公知の種々の手法を用いることができる。例えば追従走行部41は、自動運転車両10が補強車両を認識した結果に基づき追従走行するように、自動運転車両10を走行制御してもよい。例えば追従走行部41は、補強車両から追従走行のための制御値を受信し、その制御値に基づき追従走行するように自動運転車両10を走行制御してもよい。
次に、走行支援システム1により実施される自動運転車両10の自動運転の例を、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
走行支援システム1では、例えばスマートフォン等の操作端末又は自動運転車両10のHMI(Human Machine Interface)を介して、自動運転車両10の自動運転を開始する操作入力及びその目的地の入力がなされた場合、自動運転ECU30において次の処理を実行する。すなわち、まず、目的地へ向けた自動運転車両10の自動運転を開始する(ステップS1)。取得した自動運転車両10の位置情報に基づいて、自動運転車両10が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS2)。上記ステップS2でNOの場合、自動運転不能区間判定部39により、経路上の自動運転不能区間の有無を判定する(ステップS3)。上記ステップS3でNOの場合、自動運転車両10の目的地への自動運転を継続する(ステップS4)。その後、上記ステップS2の判定に戻る。
上記ステップS3でYESの場合、配車合流部40により、補強車両の合流エリアへの配車を要求する(ステップS5)。配車合流部40により、自動運転車両10を合流エリアへ自動運転で走行させる(ステップS6)。自動運転車両10が合流エリアに到着した場合(ステップS7でYES)、自動運転車両10を合流エリアに停止させる。補強車両が合流エリアにて自動運転車両10と合流した場合(ステップS8でYES)、追従走行部41により補強車両に対する追従走行を実行する(ステップS9)。取得した自動運転車両10の位置情報に基づいて、自動運転車両10が自動運転不能区間を通過したか否かを判定する(ステップS10)。
上記ステップS10でNOの場合、上記ステップS9に戻り、追従走行部41により補強車両に対する追従走行を引き続き実行する。上記ステップS10でYESの場合、補強車両に対する追従走行を終了し、上記ステップS4に移行し、自動運転車両10の目的地への自動運転を継続(再開)する。他方、上記ステップS1でYESの場合、もしくは、操作端末又はHMIを介して自動運転車両10の自動運転を終了する操作入力がなされた場合、自動運転車両10の自動運転を終了する。
以上、走行支援システム1において、自動運転車両10は、自動運転不能区間を含む経路に沿って自動運転で走行する場合、自動運転不能区間では補強車両に対する追従走行で走行する。これにより、経路に自動運転不能区間が含まれる場合でも、当該経路に沿って自動運転車両10を自動運転で走行させることができる。自動運転車両10と補強車両との役割を分担することができる。多くの経路の走行に対応した自動運転を実現することが可能となる。自動運転不能区間を跨ぐ経路において、シームレスな走行支援を提供することが可能になる。
自動運転による交通サービスでは、運行設計領域が定められるが、天候又は混雑状況の急激な変化、工事区間又は他交通参加者の事故等の動的要因によって、サービス提供中に経路上に運行設計領域外となる区間が発生するリスクを排除しきれない。これに対して、走行支援システム1では、自動運転車両10は、経路上において運行設計領域外となる自動運転不能区間を抽出し、自動運転不能区間を走破可能な補強車両を手配して合流し、一時的な補強車両に対する追従走行で自動運転不能区間を走破する。これにより自動運転車両10のサービスの継続性を向上させることが可能となる。
走行支援システム1では、自動運転不能区間判定部39は、経路上における自動運転に必要な性能が所定値を上回る特定区間を、自動運転不能区間として判定する。この場合、経路の自動運転に必要な性能を利用して、自動運転不能区間を判定することができる。
走行支援システム1では、所定値は、自動運転車両10の自動運転に関する性能に基づいて設定される。この場合、自動運転車両10の自動運転に関する性能を利用して、所定値を設定することができる。
走行支援システム1は、自動運転不能区間判定部39で自動運転不能区間が有ると判定した場合、配車合流部40により、合流エリアへの補強車両の配車を要求すると共に合流エリアまで自動運転車両を走行させる。これにより、追従走行部41により追従走行を行うにあたり、自動運転車両10と補強車両と効率よく合流させることができる。
走行支援システム1では、補強車両は、自動運転不能区間を含む所定区間のみを走行する車両であってもよい。例として、補強車両は、自動運転不能区間を含む所定区間の周辺の待機エリアに待機する専用車両であってもよい。補強車両は、自動運転不能区間を含む所定区間を往復運行する専用車両であってもよい。補強車両は、自動運転車両の場合には、自動運転不能区間を含む所定区間のみを自動運転可能に構成された車両であってもよい。この場合、補強車両を自動運転不能区間を含む所定区間の走行に特化させることができる。
なお、走行支援システム1では、上述したように、自動運転車両10は遠隔支援対応車両であってもよい。この場合、例えば、急な土砂降りによって自動運転車両10の外部センサ22の計測範囲が狭まり、交差点右折の発進判断ができない(つまり、交差点右折区間を自動運転不能区間として含む)ケースが発生したとすると、自動運転車両10の外部センサ22では、遠隔操作でも安全を確保するのが難しい。この点、補強車両が自動運転車両の場合において、補強車両に雨天にも強い性能の良い外部センサ22を搭載すれば、雨天時にも補強車両の計測範囲を十分に確保できる。そのため、自動運転車両10は、補強車両に対する追従走行によって交差点右折区間を安全に走行することができる。
図3(a)、図3(b)、図3(c)、図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、走行支援システム1により実施される自動運転車両10の自動運転の例を説明する概略俯瞰図である。図中では、走行車線L1が自動運転の経路を構成し、走行車線L1上に工事区間である自動運転不能区間Hが存在している。図3(a)に示す例では、自動運転車両10は、目的地へ向かって走行車線L1に沿って自動運転で走行している。このとき、自動運転不能区間判定部39により、走行車線L1上に自動運転不能区間Hが有ると判定される。図3(a)及び図3(b)に示すように、配車合流部40により補強車両110が手配されると共に、自動運転車両10が合流エリアAにて停車して待機する。手配された補強車両110は、例えばドライバによる運転下において、自動運転不能区間Hの周辺の待機エリアから合流エリアAへ向かい、自動運転車両10と合流する。
図3(c)及び図4(a)に示すように、補強車両110が出発し、補強車両110が自動運転不能区間Hを走行すると共に、追従走行部41により補強車両110に対して自動運転車両10が追従走行する。図4(b)及び図4(c)に示すように、自動運転車両10が自動運転不能区間Hを通過すると、当該追従走行を終了する。その後、自動運転車両10は目的地への自動運転を継続(再開)する一方、補強車両110は、例えば自動運転不能区間Hの周辺の待機エリアに戻り、次の別の自動運転車両から自動運転不能区間Hの先導のために手配されるのを待機する。
図3(a)~図4(c)の例では、自動運転不能区間Hだけ自動運転車両10をピストン輸送し続ける補強車両110によって、及び、自動運転不能区間H以外は通常の自動運転によって、走行支援を維持できる。自動運転が難しい自動運転不能区間Hは、地図上にランダムに点在するのではなく、その場所に強く依存する。そのため、自動運転不能区間Hの場所に補強車両110が配置されるように構成することで、効率よく且つ効果的に走行支援システム1を運用できる。
図5は、変形例に係る走行支援システムの構成を示すブロック図である。図5に示すように、自動運転ECU30は、図1の機能的構成において情報提供部42を更に有していてもよい。情報提供部42は、補強車両110に対して、自動運転車両10のセンサ情報(例えば外部センサ22の検出結果)を通信部25を介して送信する。これにより、自動運転車両10によってできる死角を補強車両110において補填することができる。
図6は、他の変形例に係る走行支援システムの構成を示すブロック図である。図6に示すように、自動運転ECU30は、図5の機能的構成において車掌機能部43を更に有していてもよい。車掌機能部43は、自動運転車両10の状況に基づいて自動運転車両10の発進可否判断を行う。車掌機能部43は、補強車両110に対して、その判断結果を送信する。これにより、自動運転車両10が発進できないタイミングで誤って補強車両110が発進してしまうのを防ぐことができる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。
1…走行支援システム、10…自動運転車両(第1車両)、39…自動運転不能区間判定部(判定部)、40…配車合流部、41…追従走行部、110…補強車両(第2車両)、A…合流エリア、H…自動運転不能区間、L1…走行車線(経路)。

Claims (5)

  1. 第1車両を自動運転で走行させる走行支援システムであって、
    前記第1車両の自動運転の経路上に、前記第1車両の自動運転による走行が不能な自動運転不能区間が有るか否かを判定する判定部と、
    前記判定部で前記自動運転不能区間が有ると判定した場合、当該自動運転不能区間においては、当該自動運転不能区間を走破可能な第2車両に対して前記第1車両が追従走行するように前記第1車両の走行を制御する追従走行部と、を備える、走行支援システム。
  2. 前記判定部は、前記経路上における自動運転に必要な性能が所定値を上回る特定区間を、前記自動運転不能区間として判定する、請求項1に記載の走行支援システム。
  3. 前記所定値は、前記第1車両の自動運転に関する性能に基づいて設定される、請求項2に記載の走行支援システム。
  4. 前記第2車両は、自動運転不能区間を含む所定区間のみを走行する車両である、請求項1~3の何れか一項に記載の走行支援システム。
  5. 前記判定部で前記自動運転不能区間が有ると判定した場合、前記第1車両の現在位置と前記自動運転不能区間との間の合流エリアへの前記第2車両の配車を要求すると共に、前記合流エリアまで前記第1車両を走行させる配車合流部を備える、請求項1~4の何れか一項に記載の走行支援システム。
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