JP2022138399A - 羊毛繊維の黄変防止処理、鮮明染色処理、及び耐洗濯性の付与方法 - Google Patents

羊毛繊維の黄変防止処理、鮮明染色処理、及び耐洗濯性の付与方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境に優しい処理方法にて、防縮性を向上して耐洗濯性を付与すると共に、耐光性のある鮮明度の高い製品を得る羊毛繊維の黄変防止と鮮明染色処理方法を提供する。【解決手段】 漂白処理を施した羊毛繊維に合成ポリマーを被覆し、該合成ポリマーに紫外線吸収剤の含浸処理を施すことを特徴とする耐洗濯性能が付与された羊毛繊維の黄変防止と鮮明染色処理方法。【選択図】 図3

Description

本発明は、羊毛繊維の光黄変を防止し、耐光性を高めて鮮明染色を施すことを目的とし、更に、羊毛表面に耐光性のある合成ポリマーで被覆して防縮性を向上させ、耐洗濯性を付与することを目的とする。
羊毛繊維は、綿や合成繊維と比較して、クリーム色に着色しており、耐光性のある鮮明な染色は困難なものであった。近年、羊毛繊維にも、白度の高く、鮮明な色合いの製品が要求されているが、羊毛蛋白繊維のため、非常に難しく、未だ、蛋白質化学的に、技術的に解決していない、最大の課題であった。
羊毛繊維の白度向上に関しては、古く、精練と漂白の工程を主体として行われ、漂白法として、酸化剤を用いる酸化漂白、還元剤を用いる還元漂白が行われている。酸化漂白として、さらし粉、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム用いる塩素漂白、過酸化水素漂白が主流で、過酢酸、過ホウ酸などの一浴精練漂白、その他、三塩化イソシアヌル漂白、オゾン漂白、過マンガン酸カリ漂白、クロラミン類漂白など数多くの方法がある。一方、還元漂白として、ハイドロサルファイト漂白、二酸化チオ尿素、スルフイン酸誘導体が上げられる。方法としては、酸化と還元漂白を併用する場合が多く、蛍光増白剤処理も行なわれるが、耐光堅牢度は非常に悪く、色相変化が激しい。同時に、該処理では耐洗濯性がなく、羊毛繊維への化学反応が過酷のため、繊維は脆化の傾向を示し、その結果、鮮明染色には限界があった。
羊毛繊維の最大の問題は、2005年9月Leedsで行われた第11回国際羊毛研究会議において、鮮明、漂白、鮮明染色に関しての研究開発の状況が報告されている(非特許文献3参照)。しかし、鮮明で純白な羊毛の研究開発は、過去から40年の経過を辿っているが、未だ解決の手段がなく、世界の羊毛研究所、即ち、オーストラリア連邦科学機構(CSIRO)、ドイツ羊毛研究所(WDI)ニュジーラン羊毛研究所(Canesis)でも、行われているが、未だ解決されていない領域であり、その状況は、現在に至っても満足すべき結果が得られていない(非特許文献3参照)。
羊毛、絹繊維の光黄変化の機構に関する研究は、古く、未だ、解決の途上であるが、羊毛タンパク質の各種アミノ酸の内、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、シスチンの分解が関与していることが報告されている。トリプトファンの光酸化生成物として、キヌレニン、3-ハイドロキヌレニンが、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)で検出されており、チロシン、フェニルアラニンは、o-,m-,p-チロシンとDOPA(3,4-ディハイドロフェニルアラニン)との重合分解物が関与し、光黄変化の原因となっている。
蛍光増白剤は、光増感剤として強く作用し、漂白あるいは蛍光増白された羊毛に光照射を施すとシスチン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、ヒスチジン残基が光酸化されて分解し、キヌレニン、3-ハイドロキヌレニン、N-ホルミルキヌレニンが生成し光黄変化を著しく促進することが報告されている(非特許文献3参照)。
羊毛の表皮構造の解析は、本件の発明につながり、その表皮構造を解読から、本発明の基礎を創出している。
羊毛の表皮組織は複雑で、その最表皮をエピクチクル(Epicuticle)と呼ばれ厚さ5nm、シスチン含量12%、その下部にシスチン含量35%のエキソクチクル-A(Exsocuticle-A)が位置し、更に、シスチン含量15%のエキソクチクル-B(Exsocuticle-B)が重なり、合わせて、厚さ0.3μmで存在し、その最下部に、シスチン含量が極端少ない約3%のエンドクチクル(Endocuticle)が厚さ0.2μmからなり、表皮組織全体のクチクルでは、厚さ0.5μmの構造体が報告されている(非特許文献4、5参照)。
羊毛の表皮を構成するクチクルは、酸化剤、還元剤、酵素、紫外線、に対してある程度堅牢であり、羊毛繊維の内部を保護しているが、クチクルが損傷されると羊毛繊維の脆化が激しくなり、羊毛本来の性質が変わり劣化する。
毛髪の表皮を組織化学的に分析したJ.A.Swiftの実験がある(非特許文献6参照)。毛髪をトリプトファン酵素で9時間処理し、次に、チロシン酵素で230時間処理し、プロナーゼ酵素で120時間処理し、最後に、パパイン酵素/ジチオスリトール(Dithiothreitol)で1時間処理し、パパイン/ジチオスリトール(Dithiothreitol)で72時間処理して、最後の残渣として残る組織は、シスチン含量の高いエキソキュチクル(Exsocuticle-A,-B)であると報告している。このようにシスチン含量の高い組織が羊毛表面を被覆しており、外からの攻撃を保護している。
太陽光の紫外線(UV)照射に関して、UVA(波長、380-320nm)、UVB(波長、320-280nm)の領域に於いて、伊藤 敦や岩田義忠が指摘したように毛髪の表層組織のシスチンが光脆化の防止に大きく貢献していることを報告している(非特許文献1、2参照)。
羊毛表面に合成ポリマーを被覆する方法は、アメリカ、農工務省のWestern-Regional Research Laboratory(WRRL)で、1963年から1965年に掛けて、主力的に行われてきた(特許文献1参照)。近年に至って、本願発明者等は、マングルを用いる連続加工装置を開発した。その基礎技術は、液/液界面重合方法からなり、ヘキサメチレンジアミン水溶液とセバチン酸ジクロライドを新規溶剤であるシリコーン系溶剤に溶解した溶液との界面でナイロンポリマーを重合させる方法であり、羊毛繊維表面にナイロンポリマーであるナイロン610を被覆して、洗濯中の繊維間の絡み合いを防止する新規な防縮加工方法である(特許文献2、3参照)。しかし、環境問題等の問題から、有機溶剤の多くは使用が環境保護法により規制され、有機溶剤を使用しての工業化には問題を残していた。
今日では、新規な溶剤としてGreen Earth Ltd社(米国)や信越化学株式会社からシリコーン系溶剤が市販されており、パークロロエチレンに変わる、新規な環境に優しいドライクリーニング溶剤として使用されている。この新規なシリコーン系溶剤を用いる界面重合方法が開発され工業化されており、特許文献2、3に公開されている。
前述したように、羊毛繊維への樹脂加工処理は、1964年頃から知られており、工業化の試みが行われたが、溶剤を用いる関係と近年の環境保全という関係から、工業化が阻害されてきた。しかし、近年に至って新規なシリコーン系溶剤を用いて、工業的に界面重合処理を行うことが可能になり、羊毛繊維への防縮処理と、の紫外線吸収をナイロンポリマーに含浸処理が可能となり、本願発明の耐洗濯性を有し、かつ耐光性を有する羊毛製品の開発が初めて可能となった。
伊藤 敦、コスメトロジー研究報告、Vol.28,2020 岩田 義忠、基礎編p252第四章、「人にやさしい繊維と加工」、株式会社繊維社 K.R.Millington,et.al,「Brighter,WhiterWools」11th Inter.Wool Res.,Conf., Leeds,2005 L.D.Leeder, The Cell Membrane Complex and its influence on the properties of the Wool fiber, Wool Science Review 63,p15 「羊毛の構造と物性」 日本羊毛産業協会 編集 繊維社 企画出版,p.120, 2015 J.A.Swift, 15th Inter.,Wool.Res.,Conf., Aachen,1975 K.Rachel Makinson, [Shrinkproofing of Wool], p268 Marcel Dekker Inc. NEW York and Basel, 1979
米国特許第3078138号明細書 特許第5214181号公報 特許第5629794号公報
羊毛繊維の最大の欠点は、1)家庭洗濯に於けるフェルト化収縮「ちぢみ」、2)羊毛繊維自身のクリーミな着色、3)太陽光の光照射による黄変化、4)耐久性のある純白化が困難等であり、これらの欠点の解消が長年にわたる課題であった。特に、耐洗濯性を付与する防縮加工に於いては、塩素剤を基本とする塩素防縮が今日までの基本であるが、吸着性有機塩素化合物(AOX)の放出という環境保全の立場から問題を残し、更に、羊毛繊維の表皮組織を疎水から親水化して破壊し、「水」の移動を激しくして、「熱」の移動を激しくし、羊毛本来の保温性、快適性を低下させている。
また、羊毛繊維の光脆化は、常に、黄変化につながり、鮮明な発色性を得ることが出来ず、綿繊維、ポリエステル繊維等に比較して、原料繊維の純白度が劣り、耐光性のある鮮明染色ができず、羊毛繊維衣料、特に、婦人用、子供用衣料への応用が阻害されてきた。
本願発明は羊毛産業界に大きな貢献をすべく、上記の課題を解消する環境に優しい処理方法にて、防縮性を向上して耐洗濯性を付与すると共に、耐光性のある鮮明度の高い製品を得る羊毛繊維の黄変防止と鮮明染色処理方法を提供する。
本願発明の処理方法は、漂白処理を施した羊毛繊維に合成ポリマーを被覆し、該合成ポリマーに紫外線吸収剤の含浸処理を施すことを特徴とする耐洗濯性能が付与された羊毛繊維の黄変防止と鮮明染色処理方法である。この合成ポリマーの被覆は、羊毛繊維の表面にてヘキサメチレンジアミンとセバチン酸ジクロライドを界面重合方法により重合して、ナイロン610を被覆することが好ましく、紫外線吸収剤はベンゾフェノン系紫外線吸収剤又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
また、前記漂白処理は過酸化水素/ハイドロサルファイト漂白処理であることが好ましく、さらに、以上の処理を施した羊毛繊維の染色処理は、85℃±5℃の染色温度での低温染色処理を施すことが好ましい。
以上の処理方法に供せられる羊毛繊維は、羊毛、カシミヤ、モへア、アンゴラ、及びキャメルの一種又は二種以上からなる天然ケラチン質繊維であり、表面組織に損傷のない羊毛繊維が好ましく用いられる。そして、この羊毛繊維は、前記天然ケラチン質繊維、或いは該天然ケラチン質繊維と、ナイロン繊維、アクリル繊維、及びポリエステル繊維の一種又は二種以上からなる合成繊維との混紡繊維又は交撚繊維からなる、織物、編物、不織布、スライバー及び撚糸のいずれかからなる繊維集団であることが好ましい。
羊毛繊維の表皮は疎水性であり、親水性のポリマーを羊毛繊維に被覆する場合、羊毛表面を酸性塩素処理等の化学的処理を施して、はじめて親水化が可能になり、親水性のポリマーを羊毛繊維の表面に被覆することができる。逆に、疎水性のポリマーを被覆する場合、羊毛繊維表面を改質することなく、本願発明の如く、溶剤からなる非水溶媒を用いて、疎水性のポリマーを羊毛繊維表面に被覆することが可能となる。
本願発明の処理方法は、羊毛繊維の表皮が損傷されることなく、本来の疎水性が保持されつつ、耐光性能が向上し黄変化が防止されると共に、白度が高められて鮮明染色を行うことができ、耐光性のある鮮明度の高い製品を得る羊毛繊維の処理方法であり、更に、合成ポリマーを表皮に被覆することで、防縮性を向上して耐洗濯性能を付与する方法である。このように、本願発明の方法は、新規羊毛製品を創出して、羊毛産業界に貢献するものである。
各種繊維の分光透過率(%)と遮蔽性を示すグラフ 羊毛繊維表面をナイロンポリマーで被覆して作成したナイロンチューブの拡大写真(引用文献7からの引用) UV-FASTとシャインガード(Shine Guard)との紫外線吸収能比較グラフ
本願発明の処理方法は、漂白処理を施した羊毛繊維に合成ポリマーを被覆して、防縮性を向上して耐洗濯性能を付与すると共に、該合成ポリマーに紫外線吸収剤の含有処理を施すことより、黄変防止と鮮明染色処理を行うものである。
ところで、本願発明の処理方法の対象となる羊毛繊維は、その特質として、紫外線400nm~300nm領域のUV-Aと300nm~290nm領域のUV-Bで紫外線の遮蔽効果があり、ナイロン、レーヨン、綿では、その遮蔽効果は少なく、それらの遮蔽効果の比較を図1に示す。羊毛繊維は、その表面構造、特に、表皮組織のエピクチクル、エキソクチクルにシスチン含量が繊維全体に比べて、極端に多く、太陽光の遮蔽効果を示し、UV-A,UV-Bの透過率は少ない。このように、羊毛自身の紫外線遮断効果が他の繊維に比較して高いのは、羊毛の最外殻のシスチン含量の高いエピクチクル、エキソクチクル-A、Bが存在しているためであり、この表皮組織は羊毛繊維への内部組織の保護機能を保持している。図2は、非特許文献7より引用した拡大写真であり、羊毛繊維(オーストラリア産メリノ種羊毛)の表面を界面重合処理方法によりナイロンポリマーで被覆し、次に、水酸化ナトリウム水溶液で羊毛繊維の内部タンパク質組織を溶解除去して作成されたナイロンチューブの拡大(×380)光学顕微鏡写真であり、羊毛表皮組織のレプリカとなり、羊毛繊維のスケール上に接着したナイロンポリマーの状態を示している。表1には表皮組織(クチクル)と内部組織(コルテックス)組織構成を示す。この羊毛の組織構成は、表皮組織であるスケール全体の厚さは0.5μmであるが、シスチン含量の多いエキソクチクル-A、Bは0.3μmであり、約60%も占めている。上記の拡大写真に示されるように羊毛繊維のスケールは、筍の皮の様に、幾重にも重なった構造をしており、羊毛繊維内部を保護しており、紫外線の遮蔽機能を高めている。しかし、表皮組織(クチクル)は内部組織(コルテックス))に比較して厚さの薄い組織である。
Figure 2022138399000002
羊毛繊維は上記のように、表皮組織は紫外線の遮断機能を有しているが、光による黄変化は避けられず、特に表皮組織(クチクル)が損傷されると羊毛繊維の脆化が激しくなり、羊毛本来の性質が変わり劣化する。
また、前述したように、特許文献2、3には、羊毛繊維に合成ポリマーであるナイロンポリマーを被覆して、洗濯中の繊維間の絡み合いを防止する新規な防縮加工方法が示されている。この方法において、被覆される合成ポリマーであるナイロンポリマーは紫外線を吸収し、紫外線を遮断する機能を有しているが、ナイロンポリマーの被覆だけでは、羊毛繊維の黄変化を防止するのは不十分であり、光による黄変化が進行する。そのため、漂白処理を行って、鮮明染色を施しても、鮮明な色合いを維持することができなかった。
本願発明においては、羊毛繊維を被覆する合成ポリマーに紫外線染吸収剤を含有させることにより、羊毛と被覆する合成ポリマーとの相乗効果により、羊毛の黄変化を防止し、施した鮮明染色の色合いを維持するものである。この紫外線の遮断効果を確認するために、合成ポリマーとしてナイロン610を用いて、紫外線吸収剤を含有させた場合の紫外線吸収性能を測定した結果を図3に示した。
図3は合成ポリマーとしてナイロン610を用い、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のHUNTSMAN Corp.社製「UV-FAST W LIQ.」とセンカ株式会社製「シャインガード W-51 ニュー(Shine Guard W-51 new)」を用いて、波長400nmから200nmの領域で分光透過率(%)を測定した結果である。測定サンプルの作成方法は、光学顕微鏡観察に使用するプレパラート用ガラスの表面に、をシリコーン系溶剤にて0.1mol/L濃度としたセバチン酸ジクロライド溶液を塗布し、その上に0.1mol/L濃度のヘキサメチレンジアミン水溶液を塗布して、ガラス表面上にナイロン610ポリマーを形成させてサンプルBを作成した。そして、サンプルBに紫外線吸収剤のHUNTSMAN Corp.社製「UV-FAST W LIQ.」とセンカ株式会社製「シャインガード W-51ニュー(Shine Guard W-51 new)」とを含浸させてサンプルCとDとを作成した。図3に示す結果から、ナイロンポリマー自体も紫外線吸収効果があるが、さらに、紫外線吸収剤を含浸させると、その効果は、著しく高くなり、紫外線吸収剤による紫外線遮断効果は高いことを確認した。
本願発明の処理方法の対象である羊毛繊維は、獣毛に属し、羊毛、カシミヤ、モへア、アンゴラ、キャメルなどの天然ケラチン質繊維であり、それぞれ単独または混紡、交撚して組み合わせた繊維であってもよく、さらにはナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維などの合成繊維と混紡、交撚してもよい。
羊毛繊維を被覆する合成ポリマーとしてはナイロンポリマーが好ましく、被覆する方法としては羊毛繊維の表面にて界面重合方法により重合を行い、合成ポリマーの生成と被覆を同時に行うことが好ましく、引用文献2、3に記載の方法が応用される。この方法は、液/液界面重合を利用し、水溶液相と混入しない溶剤相の界面でナイロンポリマー生成させる方法である。この場合、水が混入しない溶剤としては、前述した環境にやさしいシリコーン系溶剤が用いられる。ナイロンポリマーの場合は、水溶液相として、ジアミン化合物の水溶液が用いられ、溶剤相としては、二塩基酸クロライド化合物をシリコーン系溶剤に溶解した溶液が用いられる。ジアミン化合物としてヘキサメチレンジアミンを用い、二塩基酸クロライドとしてセバチン酸ジクロライドを用いたナイロン610が好ましい合成ポリマーである。
含浸される紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。これらの紫外線吸収剤は各社から広く市販されており、これらの紫外線吸収剤を用いることができる。特に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤に属するセンカ株式会社製シャインガードW-51ニュー(Shine Guard W-1 new)とHUNTSMAN社製UV-FAST W LIQ.が推奨される。
また、羊毛繊維の漂白方法としては、前述した各種の漂白処理を適用することができるが、過酸化水素/ハイドロサルファイト漂白処理が好ましく、染色は85℃±5℃の染色温度での低温染色処理が好ましい。
以下、実施例によってさらに詳しく説明するが、主な測定方法と基準は次のとおりである。
(白度測定)
倉敷紡績株式会社製 AuColor-TX(Comuter Colur MatchingSystem,CCM)を用い、L:明度、a:赤味、b:黄味を測定し、JIS L 1916-200繊維製品の白度測定方法に従って、白度式(WL=L*+3a*-3b*)を用いて算出した。
(耐光試験)
JIS L 0842法に従って、カーボンアークランプで、20時間、40時間照射して、ブルースケールで変退色を比較した。
(洗濯に対する染色堅牢度)
JIS L 0844―A法に従って、50℃、30分、ラウンダー0-メタ-を用いて、添付白布(綿布)への汚染度をグレースケールで比較した。
(洗濯収縮試験)
ISO 6330 5A及び7Aに基づくWool Mark 試験法TM 31に準拠して洗濯試験を実施した。計算式として、幅(WS)及び長さ(LS)方向の緩和寸法変化率、フェルト寸法変化率、合計寸法変化率を、各方向別に、下記の式で算出した。
緩和寸法変化率(%)=(RM-OM)/OM X 100
フェルト寸法変化率(%)=(FM-RM)RM x 100
合計寸法変化率(%)=(FM-OM)/OM x 100
OM=原長
RM=緩和処理後の測定値
FM=フェルト処理後の測定値
面積寸法(%)=WS+LS
註:以上の関係式から、-は、収縮を示す。
(参考例1 漂白処理)
オーストラリア産メリノ種からなる羊毛を用いたメリヤス糸1/60Nm番手を用い14G靴下編機で編地試料を作成し、本件の一連の実験試料とした。該試料をチーズ染色機で酸化・還元漂白を行った。漂白条件は、過酸化水素・ハイドロサルファイトによる標準の漂白方法を採用した。標準濃度処方(1倍)とは、業界で広く使用されており、羊毛の漂白製品として問題が発生しない汎用性のある条件を基準とした条件である。過酸化水素(35%)10g/L、ハイドロサルファイト2%owf、ギ酸(75%)10ml/Lを基準として処理薬品濃度を整数倍に変えて処理条件を設定し白度を測定した。
白度測定は、JIS L 1916-2000 繊維製品白度測定法に従って白度を測定した。
使用した装置は、倉敷紡績(株)社製、コンピュータ カラーマッチング CCM装置を用い、白度、WL=L*+3a*-3b* 式を用いて算出した。
漂白処理条件を表2にまとめて下記に示す
Figure 2022138399000003
表中、SSK-15Aは松本油脂(株)社製非イオン系浸透剤、PRESTOGEN WはBASF社製過酸化水素水活性剤である。
過酸化水素・ハイドロサルファイトの標準濃度条件に対して、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍の濃度条件に高くすると、それに伴って、白度は向上する。処理濃度比と白度との関係を表3に示し、カーボンアークランプにて照射したときの白度の低下を示した。
Figure 2022138399000004

しかし、漂白未処理羊毛編地では、カーボンアークランプを照射すると、表4の如く、漂白処理羊毛編地に比較し、白度が著しく低下し黄変化の傾向を示した。これは、羊毛繊維の本質的な挙動を示しており、絹繊維にも見られるように、タンパク繊維が有する黄変化現象の一つである。比較例1として、羊毛繊維表面の油脂部を非イオン界面活性剤で洗浄駆除したものを精練上がり漂白未処理羊毛編地として、この編地にカーボンアークランプを照射した結果の白度を表4に示す。
Figure 2022138399000005

強力に酸化/還元漂白すると、白度は非常に改良されるが、カーボンアークランプを照射すると、その白度は低下し、さらに、40時間照射すると、漂白未処理羊毛の白度は著しく低下している。この挙動は、表4と表3とを比較することにより良く理解できる。
(参考例2 合成ポリマー被覆処理)
参考例1に従って、標準濃度(1倍)の条件で酸化/還元漂白を行い、次いで界面重合法による合成ポリマー被覆処理としてナイロン610の被覆を行った試料を作成した。界面重合方法は、羊毛繊維表面にナイロン610を被覆する実質的な工業方法として、特許文献2、3に準拠して界面重合処理を行った。重合方法として、液/液界面重合を利用し、水溶液相と水を混入しない溶剤相との界面でナイロン610を形成させる方法である。水を混入しない溶剤として、環境に優しい信越シリコーンKF-96-100cs(信越化学株式会社製)を使用した。用いた羊毛繊維試料は、オーストラリア産、メリノ種、繊度18.5μmからなるメリヤス糸1/60Nm番手を14Gの靴下編機で編地に編製したものを試料とした。
(第一工程)
0.1mol/Lのヘキサメチレンジアミン水溶液に、0.1mol/L水酸化ナトリウムと0.1g/Lの浸透剤SSK-15A(松本油脂株式会社製)を加えた第1浴に、編地を連続的に40℃、30秒間浸漬した後、マングルで絞り率60%に絞った。
(第二工程)
次に、人体や作業環境に影響のない安全なシリコーン系溶剤である信越シリコーンKF-96-100cs(信越化学株式会社製)に、セバチン酸ジクロライドを溶解して0.1mol/Lとした溶剤溶液に、常温で20秒間浸漬した後、マングルで絞り率60%に絞った。
(第三工程)
次に、常温で水洗して絞った。
(第四工程)
常温で、1%のギ酸水溶液で水洗を行った後、マングルで絞った。
(第五工程)
45℃の温湯で、湯洗した後、80℃で熱風乾燥した。
界面重合処理し、合成ポリマーを被覆した羊毛編地の白度や耐光性能を評価するために、参考例1の過酸化水素/ハイドロサルファイド漂白条件を行い、次いで界面重合処理によるナイロン610被覆を行った羊毛編地にカーボンアークランプ照射を20時間、40時間行って白度の変化を測定し、白度、耐光性能への影響を調べた。その結果を表5に示し、漂白未処理の界面重合処理による合成ポリマー被覆羊毛編地の結果を比較例2として表6に示した。
Figure 2022138399000006
Figure 2022138399000007
過酸化水素/ハイドロサルファイト漂白処理後に界面重合処理による合成ポリマー被覆を施しても、カーボンアークランプ未照射の羊毛繊維の白度には影響されないため、表5、6に示す羊毛繊維の白度、耐光性は前述した試験方法に従って評価した。表3と表5との比較から漂白処理した羊毛繊維に界面重合方法でナイロンポリマーを被覆した羊毛繊維は、ポリマー被覆未処理羊毛繊維と比較して、カーボンアークランプ照射40時間後の白度の低下が少ないことが認められ、耐光性が向上している。これは、ナイロン被膜が紫外線照射に対してある程度の遮蔽/防護効果があることを示唆している。表4と表6との比較でも同様である。
(実施例1)
染色業界で好評なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、シャインガード W-51 ニュー(センカ株式会社製)とUV-FAST W LIQ.(HUNSTMAN Corp.社製)を選び下記の処理条件で羊毛繊維の紫外線吸収剤処理を行った。シャインガード W-51 ニューを、pH6.0に調整した水溶液に、繊維重量に対して5%owf溶解し、40℃、60分、バスケット キャリアー チーズ染色機にて前述の参考例2での漂白処理及び界面重合処理による合成ポリマーの被覆を行った羊毛編地を用い、紫外線吸収剤処理を行った。一方、UV-Fast W LIQ.を、pH4の酢酸酸性水溶液に繊維重量に対して4%owf溶解し、同様の前述の処理を行った羊毛編地を、該染色機で80℃20分間処理し、紫外線吸収剤処理を行った。紫外線吸収剤処理後、カーボンアークランプで40時間照射を行い、この羊毛編地の白度、耐光性を評価し、紫外線吸収剤の処理効果について調べた。その結果を表7に示す。
Figure 2022138399000008
紫外線吸収剤であるシャインガード W-51 ニューとUV-FAST W LIQ.を含有しない水溶液を用いる他は、本実施例1と同様な処理を行い、カーボンアークランプで40時間照射した結果を比較例3として表8に示す。
Figure 2022138399000009
表7における羊毛編地は、漂白未処理における白度(WL)は41.14であった。過酸化水素/ハイドロサルファイト漂白処理における漂白剤濃度条件を標準(1.0倍)、1.5倍、2.0倍、3.0倍にした場合、濃度が高いほど白度は向上しているが、それぞれの紫外線吸収剤で処理した場合、その耐光性能には、これらの両紫外線吸収剤では大きな差異がなかった。
(実施例2)
羊毛パステル染色を行うために、反応性染料としてLanasol Yellow 4G(HUNSTMAN Corp.社製)、酸性染料としてKayacyl Rhodamone FB(日本化薬(株)製)を選んだ。実施例1に記載の方法に従って漂白処理、界面重合方法によるポリマー被膜処理、及び紫外線吸収剤処理した羊毛編地をデニットして羊毛糸を作成し染色試料とした。この羊毛糸は、2/60Nm番手であり、この羊毛糸10gを浴比1:30で12色Colur Pet染色機で、下記の染色条件で染色した。表9にLanasol Yellow 4G、表10にKayacyl Rhodamine FBの詳細な染色処理条件を示す。

Figure 2022138399000010

Figure 2022138399000011
羊毛繊維を染色するためには、染色温度が非常に重要であり、沸騰温度では、熱黄変が発生し、繊維強度も低下する。特に、パステル染色では、染色温度が鍵となる。この意味で、羊毛繊維の低温染色が重要な要因である。染色温度が85℃を超えると羊毛の黄変が加速し、明度の低下をもたらす。従って、85℃±5℃にて染色を行うことが、紫外線による黄変化、更に、染色温度による黄変化・脆化の防止となり、本件の開発の成功につながった。
パステル染色後、JIS L 0842法に準拠して、カーボンアークランプで、20時間及び40時間照射して暴露し、ブルースケールで耐光堅牢度(級)を評価した。20時間照射の結果を表11に、40時間照射の結果を表12にそれぞれ紫外線吸収剤処理のみを行い、合成ポリマー被覆処理を行わない比較例と共に、耐光堅牢度(級)を示した。
Figure 2022138399000012
注)上記表中、IFPは界面重合(Interfacial Polymerization)による合成ポリマー
被覆処理を示す(以後に示す表も同様)。
Figure 2022138399000013
(比較例6及び7)
比較例4、5として、実施例2において、紫外線吸収剤処理を行わない2/60Nm番手の紫外線吸収剤未処理羊毛編地を用いて染色した試料の耐光堅牢度(級)を測定した。表13にカーボンアークランプで20時間照射した比較例6を示し、表14には40時間照射した比較例7を示した。
Figure 2022138399000014
Figure 2022138399000015
実施例2と比較例4~7との比較から、界面重合処理による合成ポリマー被覆処理、紫外線吸収剤処理との併用によって、耐光堅牢度が著しく改良されていることが分かった。一般的に、染色業界では、耐光堅牢度が、一般的な通常の染色堅牢度基準よりも、0.5級ないしは1.0級上がれば、最高の結果であると言われているが、本発明の方法では、20時間照射において1.0級ないし1.5級上がった結果を得た。
(実施例3)
実施例1に記載の方法に従って漂白処理、界面重合方法による合成ポリマー被膜処理、及び紫外線吸収剤処理した羊毛編地を反応性染料である Procion (ICI 社製)、Lanasol (HUNSMAN社製)、酸性染料であるKayacryl Rhodamine FB, Kayanol Milling (日本化薬(株)社製)、Supralan (DyStar 社製)、及び、直接染料であるKayarus (日本化薬(株)社製)の各染料で染色し、該試料を耐洗濯堅牢度 JIS L 0844-A法で堅牢度を評価し、表15に評価結果として、染料毎の耐洗濯堅牢度(級)を記す。尚、表中未処理とあるのは、合成ポリマー被膜処理及び紫外線吸収剤処理を施さず、参考例1に記載した漂白処理のみを施した羊毛編地を染色した比較例であり、IFPは前述したように界面重合方法による合成ポリマー被覆処理を示す。
Figure 2022138399000016
また、羊毛製品には耐洗濯性として防縮性が要求されるが、耐洗濯堅牢度の試験も要求され、鮮明染色の観点から染色温度を85℃の低温染色を採用している関係上、耐洗濯堅牢度が重要である。表15に示されるように、羊毛表面に合成ポリマーとしてナイロン610を被覆処理しても、選択した染料の種類に関係なく、未処理羊毛と同程度の堅牢性であり、羊毛繊維から染料のブリーディング (bleeding) は認められなかった。
(実施例4)
実施例3と同様に漂白処理、界面重合方法による合成ポリマー被膜処理、及び紫外線吸収剤処理した羊毛編地をLanasol Blue,3G, Kayacyl Rhodamine FBで染色し、その編地の耐洗濯性として、IWS TM31に準拠して収縮性の評価を行った。その評価結果を表16に示す。漂白、界面重合、染色処理を施しても、フェルト収縮率において面積収縮率は0.56%(伸び)、-2.97%(収縮)である良好な結果を得た。
Figure 2022138399000017
(比較例8)
参考例1に従って漂白処理を行った後、Lanasol Blue,3G, Kayacyl Rhodamine FBで染色した試料の洗濯試験結果を比較例8として表17に示す。
Figure 2022138399000018
表16と表17の結果から、耐洗濯性能が著しく改善されているのは、羊毛繊維表面に合成ポリマー被覆処理することの寄与が大きいことが確認できた。
(実施例5、6)
前述の参考例及び実施例に記載された方法により個別の処理を含む各処理の施された羊毛編地の耐洗濯性の結果を比較例と共に実施例5、6を表18に示す。そして、精練のみを行った未処理羊毛編地の耐洗濯性に結果を比較例12として表19に示す。洗濯試験の実施は、羊毛ニット編地を用いるISO 6330に基づくWool Mark 試験法 TM 31に準拠して行った。試料を洗濯機、SANYOSW-102S(H) Compact(旧三洋電機株式会社製)を用い、洗濯強度「強」サイクルで、60分間洗濯試験を行い、収縮率を評価した。
Figure 2022138399000019
処理内容の漂白は漂白処理、IFPは界面重合方法による合成ポリマー被膜処理、UVは紫外線吸収剤処理、染色は染色処理、照射はカーボンアークランプの照射処理を示し、漂白処理方法は参考例1、IFP処理方法は参考例2、UV処理方法は実施例1における方法により、実施例5、6の処理内容は実施例2における各処理方法により実施し、洗濯試験に供した。
表18に示す結果から、実施例4と同様に、羊毛繊維表面に合成ポリマー被覆処理することの寄与が大きいことが確認できた。
表19は、精練済み未処理羊毛編地を用いて、準拠ISO/IWS TM31の方法に従って行った洗濯試験の結果を比較例12として示す。
Figure 2022138399000020

この結果は、表17における比較例8の洗濯試験と同程度の結果であった。
羊毛繊維の最大の研究開発は、Whiter, Brighter Woolsを開発することである。
この課題は、今日まで世界の羊毛研究所、オーストラリアのCSIRO、ドイツ羊毛研究所のDWI、ニュージーランドの羊毛研究所Canesis,でも満足な基礎研究的にも工業的にも満足すべき結果を得ていない。
本願発明は、羊毛繊維の表皮に均一にナイロン610(Hexamethylene Diamine/Sebacoyl Dichloride)を工業的に被覆・マスキング処理することを基礎としており、そのために耐洗濯性が付与され、さらに、羊毛繊維内部をも保護しながら、白度を高めるために、基本的な酸化/還元処理、特に過酸化水素/ハイドロサルファイドを選び、紫外線吸収剤処理と併用することにより、より純白で、より鮮明な羊毛「Whiter,Brighter Wools」へと改質され、さらに、85℃程度の低温染色を併用することにより鮮明な染色が可能となったものである。

Claims (7)

  1. 漂白処理を施した羊毛繊維に合成ポリマーを被覆し、紫外線吸収剤の含浸処理を施すことを特徴とする耐洗濯性能が付与された羊毛繊維の黄変防止と鮮明染色処理方法。
  2. 前記合成ポリマーの被覆は、前記羊毛繊維の表面にてヘキサメチレンジアミンとセバチン酸ジクロライドを界面重合方法により重合して、ナイロン610を被覆したことを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  3. 含浸処理を施す前記紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 前記漂白処理は過酸化水素/ハイドロサルファイト漂白処理であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の処理方法。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の処理方法を施した羊毛繊維に、85℃±5℃の染色温度にて低温染色処理を施すことを特徴とする処理方法。
  6. 前記羊毛繊維は、羊毛、カシミヤ、モへア、アンゴラ、及びキャメルの一種又は二種以上からなる天然ケラチン質繊維であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の処理方法。
  7. 前記羊毛繊維は、請求項6に記載の天然ケラチン質繊維、或いは該天然ケラチン質繊維と、ナイロン繊維、アクリル繊維、及びポリエステル繊維の一種又は二種以上からなる合成繊維との混紡繊維又は交撚繊維からなる、織物、編物、不織布、スライバー、及び撚糸のいずれかの繊維集団であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の処理方法。
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