JP2022138356A - 針状体、細胞移植ユニット及び細胞移植ユニットの使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶解型の針状部を穿刺した部位に細胞が生着するための足場となる構造体を簡便に配置する。
【解決手段】針状体1は、基材2と、基材2に支持され、溶解性材料からなり、穿刺対象物を穿刺する針状部3と、針状部3内に延出し、少なくとも一方の端部が針状部3内に位置する構造体4と、を備え、構造体4は、針状部3よりも溶解性が低い材料からなり、構造体4は、針状部3内で延出する方向の長さが、延出する方向と直交する方向の長さよりも長い。針状部3は、細胞群100を格納するための格納部32を有する。この針状体1は、特に細胞移植用途に適している。構造体4は、細胞群が生体に生着するための足がかりとなる。
【選択図】図4
【解決手段】針状体1は、基材2と、基材2に支持され、溶解性材料からなり、穿刺対象物を穿刺する針状部3と、針状部3内に延出し、少なくとも一方の端部が針状部3内に位置する構造体4と、を備え、構造体4は、針状部3よりも溶解性が低い材料からなり、構造体4は、針状部3内で延出する方向の長さが、延出する方向と直交する方向の長さよりも長い。針状部3は、細胞群100を格納するための格納部32を有する。この針状体1は、特に細胞移植用途に適している。構造体4は、細胞群が生体に生着するための足がかりとなる。
【選択図】図4
Description
本発明は、溶解性を有する針状部を備えた針状体、細胞移植ユニット、及び細胞移植ユニットの使用方法に関する。
生体から採取した細胞の培養に基づき得られた移植物を、生体の皮内や皮下へ移植する技術が開発されている。例えば、毛を作り出す器官である毛包の形成に寄与する細胞群を培養し、この細胞群を移植物として皮内へ移植することによって、毛髪を再生させることが試みられている。
毛包は、上皮系細胞と間葉系細胞との相互作用により形成される。毛髪の良好な再生には、移植された細胞群が、正常な組織構造を有して良好な毛髪の形成能力を有する毛包となることが望ましい。そこで、こうした毛包を形成可能な細胞群の製造方法について、様々な研究開発が行われている(例えば、特許文献1~4を参照)。
毛包原基は、皮膚内に移植された後に生着し、毛包を形成して発毛することが望ましい。そのため、皮膚内で毛包原基を生着させるために、毛包原基を形成する工程で、毛包原基の上皮系細胞側の部分とレシピエント側の上皮系細胞との連結を促す糸状のガイドを毛包原基に挿入する手法が検討されている(例えば、特許文献5を参照)。
しかし、毛包原基にガイドを挿入する方法では、直径が100~400μm程度の毛包原基に、直径が100μmにも満たないガイドを挿入するといった非常に微細な加工が必要となる。このため、ガイドを挿入する加工に手間や時間を要する。また、多数の毛包を皮膚に移植する場合には、加工に長時間を要するため不向きである。こうした課題は、毛包以外の細胞を移植する場合にも共通するものである。よって、細胞を生着させるための構造を簡便に設けることが要請されている。
上記課題を解決するための針状体は、基材と、前記基材に支持され、溶解性材料からなり、穿刺対象物を穿刺する針状部と、前記針状部内に延出し、少なくとも一方の端部が前記針状部内に位置する構造体と、を備え、前記構造体は、前記針状部よりも溶解性が低い材料からなり、前記構造体は、前記針状部内で延出する方向の長さが、前記延出する方向と直交する方向の長さよりも長い。
上記構成によれば、針状体を穿刺後、針状部が溶解した後に構造体が残存するため、構造体が、針状部と同時に穿刺対象物に導入された細胞又は針状部の穿刺後に穿刺対象物に導入された細胞が生着するための足場、細胞が角質層等の物理的に硬い組織の中を伸長するための足場として機能することができる。また、構造体を細胞群に挿入せず、針状体の一部として構成することで、構造体を簡単に穿刺対象物に配置することができる。すなわち、細胞に生着を促すための土台やガイドのような付加的な環境が、構造体よりも十分に大きい基材を用いた針状部の穿刺によって形成される。
上記針状体について、前記構造体は、前記延出する方向における一方の端部が前記針状部内に位置し、他方の端部が前記基材のうち前記針状部を支持する支持面と反対側の面から突出していてもよい。
上記構成によれば、基材の回収と構造体の回収を同時に行えることができるため、回収工程が簡便になる。さらに、構造体の他方の端部が基材に支持されているため、構造体が摩擦等の物理的な障害を受けづらくなり、構造体が意図せず抜去されることを抑制することができる。また、基材側から構造体の位置を視認できるため、針状部の位置を確認しながら穿刺作業を行うことができる。
上記針状体について、前記構造体は、延出する方向における一方の端部及び他方の端部の両方が前記針状部の内部に位置してもよい。
上記構成によれば、穿刺対象物に針状部が穿刺された場合に、構造体が穿刺対象物の表面から突出しにくい。このため、針状部を穿刺対象物に穿刺した後、基材を取り除くことができる。そして、針状部の穿刺痕が修復する際に、穿刺対象物の表面に基材が存在しないため、穿刺痕の修復が円滑に進行する。
上記構成によれば、穿刺対象物に針状部が穿刺された場合に、構造体が穿刺対象物の表面から突出しにくい。このため、針状部を穿刺対象物に穿刺した後、基材を取り除くことができる。そして、針状部の穿刺痕が修復する際に、穿刺対象物の表面に基材が存在しないため、穿刺痕の修復が円滑に進行する。
上記針状体について、前記構造体は、延出する方向における一方の端部が前記針状部の内部に位置し、他方の端部が前記基材の内部に位置してもよい。
上記構成によれば、基材の回収と構造体の回収とを同時に行えることができるため、回収工程が簡便になる。さらに、構造体の他方の端部が基材に支持されているため、構造体が摩擦等の物理的な障害を受けづらくなり、構造体が意図せず抜去されることを抑制することができる。
上記構成によれば、基材の回収と構造体の回収とを同時に行えることができるため、回収工程が簡便になる。さらに、構造体の他方の端部が基材に支持されているため、構造体が摩擦等の物理的な障害を受けづらくなり、構造体が意図せず抜去されることを抑制することができる。
上記針状体について、前記針状部は、前記基材と接する面を備え、当該面に開口する凹状の空隙を前記針状部の内部に画定していてもよい。
上記構成によれば、空隙の内部に薬物等の有効成分を収容することで、穿刺によって穿刺対象物に有効成分を投与することが可能になる。また、構造体が生着する足場となるため、細胞が増殖する方向性を制御することが可能になる。さらに、針状体に毛包等の移植物を格納する場合には、物理的に硬い構造である角質を貫く構造体を支持体として、移植した毛包由来の細胞が生着、増殖、分化を経て皮膚表面に発毛する確率が向上する。
上記構成によれば、空隙の内部に薬物等の有効成分を収容することで、穿刺によって穿刺対象物に有効成分を投与することが可能になる。また、構造体が生着する足場となるため、細胞が増殖する方向性を制御することが可能になる。さらに、針状体に毛包等の移植物を格納する場合には、物理的に硬い構造である角質を貫く構造体を支持体として、移植した毛包由来の細胞が生着、増殖、分化を経て皮膚表面に発毛する確率が向上する。
上記針状体について、前記基材は、前記針状部の空隙と連通する空隙である拡張部を内部に画定してもよい。
上記構成によれば、拡張部によって空隙の容積が大きくなるように調整することができるため、空隙に格納される有効成分の量を拡張部の分だけ増加させたり、空隙に格納される細胞の大きさを拡張部の分だけ大きくしたりすることが可能となる。
上記構成によれば、拡張部によって空隙の容積が大きくなるように調整することができるため、空隙に格納される有効成分の量を拡張部の分だけ増加させたり、空隙に格納される細胞の大きさを拡張部の分だけ大きくしたりすることが可能となる。
上記針状体について、前記構造体は、当該構造体の側面の一部又は全部が前記空隙に露出されない状態で前記針状部に埋設されてもよい。
上記構成によれば、空隙の中に存在し得る気体や液体等と構造体との接触を抑えて、当該接触に起因した構造体の劣化を低減することができる。
上記構成によれば、空隙の中に存在し得る気体や液体等と構造体との接触を抑えて、当該接触に起因した構造体の劣化を低減することができる。
上記針状体について、穿刺対象物への移植物を含んでいてもよい。
上記構成によれば、針状体の穿刺により、構造体を穿刺対象物に配置すること、細胞を穿刺対象物に移植することを同時に行うことができる。
上記構成によれば、針状体の穿刺により、構造体を穿刺対象物に配置すること、細胞を穿刺対象物に移植することを同時に行うことができる。
上記針状体について、前記空隙に、液状体が収容されていてもよい。
上記構成によれば、有効成分等を含む液状体を穿刺対象物に導入することができる。
上記針状体について、前記針状部が生体適合性材料によって構成されることが好ましい。
上記構成によれば、有効成分等を含む液状体を穿刺対象物に導入することができる。
上記針状体について、前記針状部が生体適合性材料によって構成されることが好ましい。
上記構成によれば、針状体を生体内に穿刺した際に、異物反応や拒絶反応を起こすことがなく、安全性を確保することが可能になる。
上記針状体について、前記構造体が生体適合性材料から構成されていてもよい。
上記針状体について、前記構造体が生体適合性材料から構成されていてもよい。
上記構成によれば、構造体を生体内に配置した際に、異物反応や拒絶反応を起こすことがなく、安全性を確保することが可能になる。
上記針状体について、前記生体適合性材料は、シリコーン、ポリスチレン、PLA(ポリラクチド)、PGA(ポリグリコリド)、PCL(ポリカプロラクトン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、PLGA(ポリラクチド-グリコリド共重合体)、PDS(ポリジオキサノン)、PEG(ポリエチレングリコール)、エチレン、酢酸ビニル共重合体、ポリ2-エチル-2-オキサゾリン、ポリ2-メチル-2-オキサゾリン、PHB(ポリヒドロキシ酪酸)、PBS(ポリコハク酸ブチレン)、LCL(ポリグラクチンポリカプロラクトン共重合体)、ポリグリコール酸乳酸共重合体、生分解性ポリウレタン、ポリグリコール酸、アパタイト、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、カルボキシビニルポリマー、デキストラン、デキストリン、でんぷん、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キチン、キトサン、ペクチン酸、ガラクタン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、血清アルブミン、ヘパリン、エンタクチン、テネイシン、トロンボスポンチン、プルラン、ペクチン、アテロコラーゲン、ゼラチン、ヒドロキシアパタイト、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、レオザン、キサンタンガム、ガゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、ポリヌクレオチド、チトクロームC、β-リン酸三カルシウム、アルギン酸ナトリウム、及びN-イソプロピルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
上記針状体について、前記生体適合性材料は、シリコーン、ポリスチレン、PLA(ポリラクチド)、PGA(ポリグリコリド)、PCL(ポリカプロラクトン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、PLGA(ポリラクチド-グリコリド共重合体)、PDS(ポリジオキサノン)、PEG(ポリエチレングリコール)、エチレン、酢酸ビニル共重合体、ポリ2-エチル-2-オキサゾリン、ポリ2-メチル-2-オキサゾリン、PHB(ポリヒドロキシ酪酸)、PBS(ポリコハク酸ブチレン)、LCL(ポリグラクチンポリカプロラクトン共重合体)、ポリグリコール酸乳酸共重合体、生分解性ポリウレタン、ポリグリコール酸、アパタイト、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、カルボキシビニルポリマー、デキストラン、デキストリン、でんぷん、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キチン、キトサン、ペクチン酸、ガラクタン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、血清アルブミン、ヘパリン、エンタクチン、テネイシン、トロンボスポンチン、プルラン、ペクチン、アテロコラーゲン、ゼラチン、ヒドロキシアパタイト、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、レオザン、キサンタンガム、ガゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、ポリヌクレオチド、チトクロームC、β-リン酸三カルシウム、アルギン酸ナトリウム、及びN-イソプロピルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
上記構成によれば、針状体の針状部、構造体の材料が、前述に列挙した材料群から選ばれる少なくとも1種であるため、生体への移植への安全性を高めることが可能となる。
上記針状体について、前記構造体が溶解性材料から構成されてもよい。
上記針状体について、前記構造体が溶解性材料から構成されてもよい。
上記構成によれば、構造体が生体に分解されることで、構造体の剥離、及び回収の工程が不要になる。
上記課題を解決する細胞移植ユニットは、溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備える。
上記課題を解決する細胞移植ユニットは、溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備える。
上記構成によれば、穿刺対象物に穿刺される針状体を簡便に組み立てることができる。このため、複数の細胞を移植する場合であっても細胞の移植に要する工程数を低減することができる。
上記課題を解決する細胞移植ユニットの使用方法は、穿刺対象物に細胞を導入する細胞移植ユニットの使用方法であって、前記細胞移植ユニットは、溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備え、前記針状部の前記開口部から前記細胞を前記空隙に格納する工程と、前記基材に支持された前記構造体の一方の端部を前記針状部内に位置させた状態で、前記基材によって前記開口部を塞ぐ工程と、を有する。
上記構成によれば、穿刺対象物に穿刺される針状体を簡便に組み立てることができる。このため、複数の細胞を移植する場合であっても細胞の移植に要する工程数を低減することができる。
上記課題を解決する細胞移植ユニットの使用方法は、穿刺対象物に細胞を導入する細胞移植ユニットの使用方法であって、前記細胞移植ユニットは、溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備え、前記針状部の前記開口部から前記細胞を前記空隙に格納する工程と、前記構造体の一方の端部を前記針状部内に位置させる工程と、前記構造体が配置された前記針状部の前記開口部を前記基材によって塞ぐ工程と、を有する。
上記構成によれば、穿刺対象物に穿刺される針状部を簡便に組み立てることができる。このため、複数の細胞を移植する場合であっても細胞の移植に要する工程数を低減することができる。
本発明によれば、溶解型の針状部を穿刺した部位に細胞が生着するための足場となる構造体を簡便に配置することができる。
(第1実施形態)
図1から図3を参照して、針状体の第1実施形態について説明する。
図1が示すように、針状体1は、基材2、針状部3、及び構造体4を備える。基材2はシート状又は板状の部材である。針状部3は基材2の支持面20から、支持面20の法線方向に延出している。針状部3及び基材2は樹脂からなり、接着剤で接合されていてもよいし、熱溶着、超音波振動を加えることによる溶着等の接合方法により接合されていてもよい。また、熱等により軟化した針状部3の硬化とともに基材2と針状部3とが接合されてもよい。針状部3は、支持面20に沿う断面の中心を通る軸線が、支持面20の法線方向と平行であってもよいし、平行でなくてもよい。つまり、針状部3は、支持面20に対して斜めに延出していてもよい。
図1から図3を参照して、針状体の第1実施形態について説明する。
図1が示すように、針状体1は、基材2、針状部3、及び構造体4を備える。基材2はシート状又は板状の部材である。針状部3は基材2の支持面20から、支持面20の法線方向に延出している。針状部3及び基材2は樹脂からなり、接着剤で接合されていてもよいし、熱溶着、超音波振動を加えることによる溶着等の接合方法により接合されていてもよい。また、熱等により軟化した針状部3の硬化とともに基材2と針状部3とが接合されてもよい。針状部3は、支持面20に沿う断面の中心を通る軸線が、支持面20の法線方向と平行であってもよいし、平行でなくてもよい。つまり、針状部3は、支持面20に対して斜めに延出していてもよい。
針状部3は、支持面20から離れるにしたがって支持面20に沿う断面の面積が縮小する形状を有している。また、針状部3は、生体の皮膚や臓器等の穿刺対象物を穿刺可能な形状であればよく、角錐形状であってもよいし、円錐形状であってもよいし、刃状であってもよい。また、針状部3は、穿刺対象物を穿刺可能であれば、例えば円柱状や角柱状のように、先端が尖っていない形状であってもよい。また、針状部3は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状であってもよい。また、針状部3は、曲率を有する形状であってもよい。
なお、本実施形態において「生体」とは、生物の身体や組織だけでなく、身体や組織を模した人工的な生体モデルが含まれる。つまり、本実施形態の針状体1は、生物への移植物の搬送および配置だけでなく、生体モデルへも移植物の搬送および配置を行い得る。
また、針状体1は、1本の針状部3を有してもよいし、複数本の針状部3を有していてもよい。複数本の針状部3を有している場合、針状部3は一列に並べられていてもよいし、正方格子や三角格子の各格子点に針状部3が位置するように複数列に並べられていてもよい。針状部3は、隣接する針状部3との間隔を一定とし等間隔で配列していてもよいし、隣接する針状部3との間隔が一定でなくてもよい。
本実施形態の構造体4は、各針状部3に1つずつ存在する。構造体4は、細胞に生着を促すための環境を穿刺対象物の中に形成する。構造体4は、構造体4が延出する方向において、一方の端部40が針状部3内に位置し、他方の端部41が、基材2のうち支持面20の反対側の表面21から突出している。つまり、構造体4は、基材2を貫通している。針状部3が、支持面20の法線方向に延出する方向における長さを「長さL1」とし、支持面20の法線方向に延出する方向と直交する方向における長さを「幅W1」としたとき、長さL1は幅W1よりも長い。また、構造体4の幅W1は、針状部3のうち構造体4の端部40の位置における幅W2よりも小さい。さらに、構造体4のうち、針状部3の内側に位置する長さL2は、針状部3の長さよりも小さい。つまり、構造体4の一方の端部40は、針状部3から突出せずに内側に位置する。構造体4の端部を針状部3から突出させないことで、針状部3の穿刺を阻害しないようにすることができる。また、構造体4の軸方向と針状部3の軸方向とが平行でなくてもよい。以下、支持面20の法線方向に延出する方向を、構造体4の長手方向という。
構造体4は、棒状であっても糸状であってもよく、その幅W1は特に限定されない。構造体4の長手方向と直交する方向における断面は、円形であってもよいし、楕円形であってもよいし、多角形であってもよい。構造体4は、針状部3よりも溶解性が低いため、針状部3を穿刺対象物に穿刺し針状部3が分解された後、穿刺対象物に残留している。このとき構造体4が穿刺されている穴は傷口となるが、構造体4の幅W1が小さいと傷口は小さくなる。また、構造体4が可撓性又は柔軟性を有する場合、基材2から突出した構造体4の端部に何らかの物体が衝突する等といった物理的な障害によって構造体4が抜去されたり折られたりする可能性を低減することができる。
針状部3は、有効成分を有する溶解性材料からなる。なお、「溶解性」とは、穿刺対象物内に穿刺された針状部3が穿刺対象物内で分解されることである。穿刺対象物内での「分解」とは、例えば、体液により溶解すること、融点が生体温度以下であること等の条件のいずれかを満たせば良い。また、「溶解性」は、Fickの拡散式で示されるような、穿刺対象物内で拡散する速度を示す特性値が所定値以上であることであってもよい。また、「溶解性」は、例えば穿刺対象物又は穿刺対象物を模した溶媒中に24時間静置した場合に、元の形状から長さが50μm以上小さくなり、0.5cmよりも小さくならないことが好ましい。溶媒は、例えば、疑似血液、生理食塩水等が挙げられる。
構造体4は、針状部3の材料よりも溶解性が低い材料からなる。構造体4は、溶解性材料から構成されていてもよいし、溶解性材料以外の材料から構成されていてもよい。例えば、構造体4は、針状部3に比べ体積あたりの水分含有量が低い状態を保持していてもよい。構造体4が溶解性材料からなる場合には構造体4が生体内で分解される。溶解性材料は、ポリグリコール酸等であってもよい。また、構造体4が溶解性材料以外からなる場合、チタン等の1乃至複数の金属を材料としてもよく、ナイロン等の1乃至複数の合成樹脂を材料としてもよい。また、構造体4の表面に疎水性を発現させる表面処理を施してもよいし、薬剤を塗布してもよい。
基材2は、溶解性材料から構成されていてもよく、それ以外の材料から構成されていてもよい。基材2が溶解性材料からなる場合、針状体1が穿刺対象物を穿刺した後、穿刺対象物の表面に残して、基材2を分解させることができる。また、基材2が溶解性材料以外の材料からなる場合、針状体1が穿刺対象物を穿刺した後に基材2を剥離する。
基材2、針状部3及び構造体4は、生体適合性の材料であることがより好ましい。生体適合性材料は、シリコーン、ポリスチレン、PLA(ポリラクチド)、PGA(ポリグリコリド)、PCL(ポリカプロラクトン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、PLGA(ポリラクチド-グリコリド共重合体)、PDS(ポリジオキサノン)、PEG(ポリエチレングリコール)、エチレン、酢酸ビニル共重合体、ポリ2-エチル-2-オキサゾリン、ポリ2-メチル-2-オキサゾリン、PHB(ポリヒドロキシ酪酸)、PBS(ポリコハク酸ブチレン)、LCL(ポリグラクチンポリカプロラクトン共重合体)、ポリグリコール酸乳酸共重合体、生分解性ポリウレタン、ポリグリコール酸、アパタイト、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、カルボキシビニルポリマー、デキストラン、デキストリン、でんぷん、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キチン、キトサン、ペクチン酸、ガラクタン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、血清アルブミン、ヘパリン、エンタクチン、テネイシン、トロンボスポンチン、プルラン、ペクチン、アテロコラーゲン、ゼラチン、ヒドロキシアパタイト、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、レオザン、キサンタンガム、ガゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、ポリヌクレオチド、チトクロームC、β-リン酸三カルシウム、アルギン酸ナトリウム、及びN-イソプロピルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であってよい。
次に、図2及び図3を参照して、針状体1を用いた細胞移植方法について説明する。
図2が示すように、針状体1の針状部3は、基材2の表面21側から圧力が加えられることにより穿刺対象物102を穿刺する。穿刺対象物102は、例えば生体の皮膚又は臓器である。構造体4の一部は、針状部3とともに穿刺対象物102内に配置される。基材2は、穿刺対象物102の表面に配置される。
図2が示すように、針状体1の針状部3は、基材2の表面21側から圧力が加えられることにより穿刺対象物102を穿刺する。穿刺対象物102は、例えば生体の皮膚又は臓器である。構造体4の一部は、針状部3とともに穿刺対象物102内に配置される。基材2は、穿刺対象物102の表面に配置される。
基材2が溶解性材料以外の材料からなる等、基材2を溶解させない場合、穿刺後に、基材2を穿刺対象物102から剥離し、針状部3及び構造体4を穿刺対象物102に残した状態で放置する。針状部3は、穿刺対象物102内で分解され、その有効成分が穿刺対象物102に吸収されることによって体積が減少する。なお、基材2が溶解性材料からなる場合には、基材2を穿刺対象物102の表面に放置してもよい。穿刺対象物102の表面に残された基材2は、分解されて穿刺対象物102に吸収される。
図3は、針状部3の分解が完了した状態を示す。構造体4は針状部3よりも溶解性が低い材料からなるため、針状部3の分解が完了したとき構造体4は穿刺対象物102に残っている。このように針状部3の分解が完了した状態、又は針状部3の一部のみが分解された状態において、構造体4の近傍であって有効成分が吸収された箇所に細胞群100が移植される。細胞群100は、構造体4を足場として、遊走や増殖を行う。これにより、生体の角質や真皮層等といった穿刺対象物102での生着率の向上を図ることができる。また、構造体4は、穿刺対象物102の表面から突出することで、穿刺対象物102の表面に開口を形成しているため、例えば細胞群100として毛包原基が移植された場合に、毛包が形成されて、構造体4に沿って毛が伸び、構造体4によって形成された開口から皮膚表面に突出しやすい。また、細胞群100は有効成分が吸収された箇所に生着するため生着率の向上を高めることができる。さらに、構造体4が脆い材料からなる場合や、構造体4が細い場合等、穿刺対象物102の所定の深さまで穿刺することが難しい場合は、針状部3とともに穿刺することで、構造体4を穿刺対象物102に残すことができる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)構造体4は、針状部3よりも溶解性が低い材料からなるため、針状部3が穿刺対象物102内で分解及び消滅した後にも構造体4が残存する。このため、構造体4が、針状部3の穿刺後に穿刺対象物102に導入された細胞群100が生着するための足場や、角質層等の硬い組織の中を伸長するための足場として機能することができる。また、構造体4を培養工程で細胞群100に挿入せず、穿刺対象物102を穿刺する針状体1の一部として構成することで、構造体4を簡便に穿刺対象物に配置することができる。
(1)構造体4は、針状部3よりも溶解性が低い材料からなるため、針状部3が穿刺対象物102内で分解及び消滅した後にも構造体4が残存する。このため、構造体4が、針状部3の穿刺後に穿刺対象物102に導入された細胞群100が生着するための足場や、角質層等の硬い組織の中を伸長するための足場として機能することができる。また、構造体4を培養工程で細胞群100に挿入せず、穿刺対象物102を穿刺する針状体1の一部として構成することで、構造体4を簡便に穿刺対象物に配置することができる。
(2)構造体4の一方の端部40が針状部3内に位置し、他方の端部41が基材2から突出する構成では、穿刺対象物102を穿刺した後、所定のタイミングで基材2の回収と構造体4の回収を同時に行えることができるため、回収工程が簡便になる。さらに、構造体4が基材2に支持されているため、構造体4が摩擦等の物理的な障害を受けても構造体4が意図せず抜去されることを抑制することができる。また、基材2側から構造体4の位置を視認できるため、針状部3の位置を確認しながら穿刺作業を行うことができる。
(3)針状部3が生体適合性材料によって構成される構成では、針状体1を生体内に穿刺した際に、異物反応や拒絶反応を起こすことがなく、安全性を確保することが可能になる。
(4)構造体4が生体適合性材料から構成される構成では、構造体4を生体内に配置した際に、異物反応や拒絶反応を起こすことがなく、安全性を確保することが可能になる。
(5)構造体4が溶解性を有する材料からなる構成では、構造体4が生体に分解されることで、構造体4の剥離、及び回収の工程が不要になる。
(5)構造体4が溶解性を有する材料からなる構成では、構造体4が生体に分解されることで、構造体4の剥離、及び回収の工程が不要になる。
(第2実施形態)
次に、図4~図13を参照して、針状体、細胞移植ユニット及びその使用方法についての第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、針状部3の構成が第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図4~図13を参照して、針状体、細胞移植ユニット及びその使用方法についての第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、針状部3の構成が第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、針状部3は、凹状の空間である格納部32を内部に画定している。格納部32は、針状部3のうち支持面20に接触する基端部30に開口部31を有している。格納部32は、針状部3の先端では開口していない。また、構造体4の一方の端部40は、針状部3のうち格納部32内に位置する。本実施形態では、構造体4の端部40は、格納部32を区画する側面に接している。構造体4の他方の端部41は、基材2の表面21から突出している。なお、基材2、針状部3、及び構造体4の材料は、第1実施形態と同様である。
格納部32には薬物等の有効成分を含む液状体101が格納されている。格納部32に液状体101を保持した状態で針状体1を穿刺対象物102に穿刺することにより、液状体101を穿刺対象物102に注入することができる。
また、格納部32には、細胞等の細胞群100が格納されている。格納部32に細胞群100が収納されている場合、針状部3が、穿刺対象物102を穿刺した後に溶解することで、穿刺対象物102に細胞群100を移植することが可能になる。なお、格納部32に細胞群100が格納され、細胞群100の保持において液状体101が不要な場合には、格納部32に液状体101が格納されていなくてもよい。
細胞群100は、生体に移植される細胞群を少なくとも含む。細胞群100が移植される穿刺対象物102は、例えば、皮内、及び皮下の少なくとも一方であってもよい。また、穿刺対象物は、臓器等の組織内であってもよい。
細胞群100は、凝集した複数の細胞の集合体でもよいし、細胞間結合により結合した複数の細胞の集合体でもよいし、分散した複数の細胞から構成されてもよい。細胞群100を構成する細胞は、未分化の細胞でもよいし、分化が完了した細胞でもよいし、未分化の細胞と分化した細胞との両方を含んでもよい。細胞群100は、例えば、スフェロイドである細胞塊、原基、組織、器官、オルガノイド、ミニ臓器等である。
細胞群100は、穿刺対象物102に配置されることによって生体における組織形成に作用する能力を有する。細胞群100の一例は、幹細胞性を有する細胞を含んだ細胞凝集体である。細胞群100の一例は、皮内又は皮下に配置されることによって、発毛または育毛に寄与する。
こうした細胞群100は、毛包原基として機能する能力、毛包器官へと分化する能力、毛包器官の形成を誘導あるいは促進する能力、毛包における毛の形成を誘導あるいは促進する能力等を有する。また、こうした細胞群100は、色素細胞に分化する幹細胞等のように、毛色の制御に寄与する細胞を含んでもよいし、あるいは、血管系細胞を含んでもよい。
本実施形態における細胞群100は、原始的な器官原基である。器官原基は、間葉系細胞と上皮系細胞とを含む。器官原基は、毛包器官に分化する毛包原基や、肝臓の原基、腎臓原基や膵臓原基、神経系の原基細胞や、血管系の原基細胞等である。
毛包原基は、毛乳頭等の間葉組織に由来する間葉系細胞と、バルジ領域や毛球基部等に位置する上皮組織に由来する上皮系細胞とを、所定の条件で混合培養することによって形成することができる。ただし、毛包原基の製造方法は、上述の例に限定されない。毛包原基の製造に用いられる間葉系細胞と上皮系細胞との由来もまた限定されず、これらの細胞は、毛包器官由来の細胞であってもよいし、毛包器官とは異なる器官由来の細胞であってもよいし、多能性幹細胞から誘導された細胞であってもよい。
なお、細胞群100は、発毛又は育毛に寄与する細胞以外の細胞を含んでもよい。細胞群100の体積は、格納部32の容積から構造体4の体積を除いた値よりも小さければよい。また、細胞群100と構造体4は接触してもよい。
細胞群100とともに液状体101も収容された場合、細胞群100への栄養分の供給が可能になるため、細胞等の移植物の活性が低下するのを抑制する効果がある。細胞群が液状体101中に保持されることにより、細胞群100と針状部3との接触や摩擦による細胞群100へのダメージを軽減することができる。液状体101は、生体に注入された場合に生体に与える影響が小さい液体であることが望ましい。例えば、液状体101は、生理食塩水、ワセリンや化粧水等の皮膚を保護する液体、あるいは、これらの液体の混合物である。液状体101は、細胞培養用の培地であってもよいし、培地から交換された液体であってもよい。液状体101は、栄養成分等の添加成分を含んでいてもよく、酸素等の細胞の生存に必要な成分を含んでもよい。さらに、細胞群100と液状体101とを含む液状体は、低粘度の流体、あるいは、高粘度の流体であってもよいし、ゾル状体でもゲル状体でもよい。
〔細胞移植方法〕
次に図5~図11を参照して、針状部3に格納部32を備えた針状体1を用いた細胞移植方法について説明する。
次に図5~図11を参照して、針状部3に格納部32を備えた針状体1を用いた細胞移植方法について説明する。
図5が示すように、移植物である細胞群100は、培養容器等のトレイ5に液状体101とともに保持されている。例えばトレイ5は凹部50を有し、この凹部50に液状体101及び細胞群100を収容している。トレイ5は、図5に例示するものに限定されず、トレイ5が有する平面上に細胞群100と液状体101とが配置されるものであってもよい。トレイ5が培養容器であって、細胞群100がトレイ5にて培養される場合、液状体101は、細胞の培養のための培地であってもよいし、培地から交換された液体であってもよい。
細胞群100の最大長d1は、針状部3の格納部32に入る大きさであればよいが、格納部32の深さ又は幅よりも小さいことが好ましい。細胞群100の最大長d1が、格納部32の深さ又は幅よりも小さい場合、格納部32の側面との摩擦等の細胞群100への物理的な刺激を低減させられることから、細胞の活性の低下を抑制することができる。
図6が示すように、トレイ5の凹部50で培養した細胞群100を、マイクロピペット等の器具6を用いて吸引する。
図7は、細胞移植ユニット7を示す。細胞移植ユニット7は、構造体4が支持された基材2と、格納部32を有する針状部3を複数配置した針配置部8を備える。構造体4は、一方の端部40と他方の端部41とが基材2から突出している。また、針配置部8の構成は特に限定されないが、針状部3を挿通する孔80を有していてもよい。針状部3を孔80に挿通することで、針状部3を支持することができる。器具6に吸引した細胞群100を、針状部3の開口部31から液状体101とともに吐出する。このとき、格納部32には細胞だけでなく、液状体101が入ってもよい。
図7は、細胞移植ユニット7を示す。細胞移植ユニット7は、構造体4が支持された基材2と、格納部32を有する針状部3を複数配置した針配置部8を備える。構造体4は、一方の端部40と他方の端部41とが基材2から突出している。また、針配置部8の構成は特に限定されないが、針状部3を挿通する孔80を有していてもよい。針状部3を孔80に挿通することで、針状部3を支持することができる。器具6に吸引した細胞群100を、針状部3の開口部31から液状体101とともに吐出する。このとき、格納部32には細胞だけでなく、液状体101が入ってもよい。
図8が示すように、格納部32に移植物が配置された後に、構造体4を支持した基材2を載せ、格納部32を封入する。細胞群100は針状部3に収容され、保持される。細胞群100を格納部32に収容した針状体1は穿刺対象物102に運ばれ、基材2が穿刺対象物102側に押圧されることにより、針状部3が穿刺対象物102を穿刺する。針状部3の先端部は生体に刺さりやすい形状を有するため、細胞移植ユニット7は対象部位に円滑に侵入される。
図9が示すように、各針状部3は、細胞群100と構造体4とを対応づけた状態で穿刺対象物102のなかに入り込み、針状部3の外表面から穿刺対象物102内で分解及び吸収される。これによって、各針状部3の体積が減少する。
図10が示すように、さらに針状部3の溶解が進行し、溶解部分が格納部32に到達すると、格納部32が穿刺対象物102に開放される。これにより、細胞群100と液状体101とが移植部位へと流入する。また、穿刺対象物102の移植部位には、細胞群100と液状体101とに対応する構造体4が留置される。
図11が示すように、穿刺後の針状部3が消失した後に、構造体4が穿刺部位に残存する。このとき、構造体4は穿刺対象物102内からその表面へと突き出た状態で保持される。この構造体4を足場として移植した細胞群100が遊走や増殖を行うことで、例えば角質や真皮層での生着率が向上することが期待される。
また、構造体4を、針状部3が穿刺した部位に残すことで、構造体4がその部位の表面を貫いた状態を維持することができる。例えば、細胞群100が毛包である場合には、構造体4が物理的に硬い構造である角質を貫いた状態を維持することができる。このため、例えば、構造体4の近傍に存在する毛包原基が、構造体4によって形成された角質の開口から体表面に伸びていくことで、体表面に発毛する確率が向上する。
また、構造体4の他方の端部が基材2に位置する構成では、移植後も基材2を移植した部位に基材2を残すことで、物理的な障害によって予期せず構造体4が抜去されてしまうことを抑制することができる。このため、移植した部位から構造体4が表面に突出した状態を維持することが可能となる。そして、針状部3の溶解が進行する過程においても、構造体4の配置と姿勢とは、針状部3によって保たれる。そして、針状部3の溶解が徐々に進行するため、針状部3が穿刺した部位に構造体4を残すことが可能である。また、針状部3に支持されていたときの姿勢を維持することができる。
そして、細胞群100が十分に穿刺対象物102に生着した後、構造体4を抜去する。
[作成方法]
針状体1の作成方法の一例を説明する。針状体1は、針状部3が格納部32を有し、構造体4の一方の端部が格納部32に位置し、他方の端部が内から基材2から突出するものとして説明する。
[作成方法]
針状体1の作成方法の一例を説明する。針状体1は、針状部3が格納部32を有し、構造体4の一方の端部が格納部32に位置し、他方の端部が内から基材2から突出するものとして説明する。
図12は、針状部3の製造工程を示す。針状部3の形状に沿った凹部11を有する凹版10に、針状部3を構成する材料であって流動性を有する溶解材料12を流し込む。溶解材料は、所定の時間以上放置することで硬化する材料、又は紫外線照射等により硬化する光硬化性樹脂、又は加熱により硬化する熱硬化性樹脂である。溶解材料12が硬化する前に、格納部32の型となる凸部13をもつ版14を上から押し込み、溶解材料12を硬化させ、格納部32を有する針状部3を作成する。
図13は、基材2の製造工程を示す。示すように、任意の隙間を設けた2枚の支持板15に、基材2を構成する材料である溶解材料16を流し込む。溶解材料は、針状部3を構成する溶解材料12と同様に、放置等により硬化する材料である。溶解材料16が完全に硬化する前に少なくとも一方の支持板15を外し、針状部3の格納部32が配置される箇所に構造体4を差し込む。針状部3内に細胞等の移植物を配置した後に、針状部3の格納部32の位置と基材2側の構造体4の位置が合致するようにして、基材2を針状部3に被せる。このとき、針状部3と基材2との間に、水溶性の接着剤を塗布してもよい。
以上説明したように、第2実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(6)構造体4は、針状部3よりも溶解性が低い材料からなるため、針状部3が穿刺対象物102内で分解及び消滅した後にも構造体4が残存する。このため、構造体4が、針状部3と同時に穿刺対象物に導入された細胞群100が生着するための足場や、角質層等の物理的に硬い組織の中を伸長するための足場として機能することができる。また、構造体4を培養工程で細胞群100に挿入せず、針状体1の一部として構成することで、構造体4を簡単に穿刺対象物に配置することができる。
(6)構造体4は、針状部3よりも溶解性が低い材料からなるため、針状部3が穿刺対象物102内で分解及び消滅した後にも構造体4が残存する。このため、構造体4が、針状部3と同時に穿刺対象物に導入された細胞群100が生着するための足場や、角質層等の物理的に硬い組織の中を伸長するための足場として機能することができる。また、構造体4を培養工程で細胞群100に挿入せず、針状体1の一部として構成することで、構造体4を簡単に穿刺対象物に配置することができる。
(7)針状部3が、基材2の支持面20側で開口する格納部32を備える構成では、針状体1の穿刺により、構造体4を穿刺対象物に配置すること、薬剤等の液状体の導入や穿刺対象物への細胞の移植を同時に行うことができる。格納部32に、格納部32の内部に薬物等の有効成分を収容する場合には、穿刺によって、穿刺対象物に有効成分を投与することが可能になる。また、格納部32に毛包等の細胞群100を格納する場合には、構造体4によって硬い構造である角質が貫かれているため、移植した毛包由来の細胞群100が生着、増殖、分化を経て皮膚表面に発毛する確率が向上する。
(8)基材2に支持された構造体4を有する細胞移植ユニット7を用いる場合には、針状部3の開口部から細胞群100を格納部32に格納する工程と、基材2に支持された構造体4の一方の端部を針状部3内に位置させた状態で、基材2によって開口部を塞ぐ工程とを有する。よって、穿刺対象物に穿刺される針状体1を簡便に組み立てることができる。このため、複数の細胞を移植する場合であっても細胞の移植に要する工程数を低減することができる。また、構造体4が基材2に支持されているため、構造体4を針状部3に配置する工程を省略することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図14が示すように、構造体4は、構造体4が延出する方向における一方の端部40及び他方の端部41の両方が針状部3の内部に位置していてもよい。つまり、構造体4の長さL1は針状部3の長さL3よりも短く、構造体4の両端が針状部3の内部に位置していてもよい。
このように構造体4の一方の端部40及び他方の端部41の両方が針状部3の内部に位置する構成では、穿刺対象物に針状部が穿刺された場合に、構造体4が穿刺対象物の表面から突出しにくい。このため、針状部3を穿刺対象物に穿刺した後、基材2を取り除くことができる。そして、針状部3の穿刺痕が修復する際に、穿刺対象物の表面に基材2が存在しないため、穿刺痕の修復が円滑に進行する。
・図15が示すように、構造体4は、一方の端部40が針状部3の内部に位置し、他方の端部41が基材2の内部に位置していてもよい。
このように構造体4の一方の端部40が針状部3内に位置し、他方の端部41が基材2内に位置する構成では、他方の端部が基材2の内部に位置する基材2の回収と構造体4の回収を同時に行えることができるため、回収工程が簡便になる。さらに、構造体4の他方の端部が基材2に支持されているため、構造体4が摩擦等の物理的な障害を受けづらくなり、構造体4が意図せず抜去されることを抑制することができる。
このように構造体4の一方の端部40が針状部3内に位置し、他方の端部41が基材2内に位置する構成では、他方の端部が基材2の内部に位置する基材2の回収と構造体4の回収を同時に行えることができるため、回収工程が簡便になる。さらに、構造体4の他方の端部が基材2に支持されているため、構造体4が摩擦等の物理的な障害を受けづらくなり、構造体4が意図せず抜去されることを抑制することができる。
・図16が示すように、構造体4の材料は、針状部3の材料と同一であってもよい。但し、構造体4の溶解性は、針状部3よりも低いものとする。例えば、構造体4は、針状部3に比べ体積あたりの水分含有量が低い状態を保持していてもよい。
針状部3と構造体4の材料を同一のものにすることで、針状体1を構成する材料の種類の数を減らすことができる。このように針状体1の材料の種類の数を減らすことで、生体にとって安全な材料のみを用いて針状体1を形成しやすくなる。つまり、材料の種類の数が増えるほど、アレルギー源となりうる等、生体にとってリスクが生じやすくなるが、材料の種類の数が少なければ安全な材料のみから針状体1を構成することができる。
・図17が示すように、針状部3が、格納部32を内部に有する構造において、構造体4の一方の端部40は、針状部3のうち格納部32以外に位置していてもよい。構造体4の他方の端部41は、針状部3の内部に位置していてもよいし、基材2の内部に位置していてもよいし、基材2から突出していてもよい。また、構造体4は、格納部32を通る位置に設けられていてもよい。このような構成によれば、針状部3が構造体4の端部40を支持し、基材2が端部41をするため、構造体4の姿勢を保持することができる。
・図18が示すように、針状部3が、格納部32を内部に有する構造において、基材2に格納部32と連通する拡張部22を備えていてもよい。拡張部22及び格納部32は、格納部32よりも容積が格納された空間34を構成する。
このように、基材2が針状部3の格納部32と連通する空隙である拡張部22を内部に備える構造では、拡張部22を含む格納部32の容積が大きくなるように調整することができるため、格納部32に格納される有効成分の量を拡張部22の分だけ増加させたり、格納部32に格納される細胞群100の大きさを拡張部22の分だけ大きくしたりすることが可能となる。
・図19のうち左端の構造体4のように、構造体4の一方の端部40が格納部32内であって格納部32を区画する側面に接しない位置に配置されてもよい。また、右端の構造体4のように、一方の端部40が針状部3内に位置し、他方の端部41が針状部3の格納部32内に位置していてもよい。このように構造体4の一方の端部40が格納部32を区画する側面に接しない位置にある場合、格納部32内のスペースを有効に活用することができる。また、格納部32に格納された細胞群100と構造体4との接触を抑制することができる。
・図20が示すように、構造体4は、格納部32の側面33に沿って針状部3に設けられていてもよい。つまり、構造体4の側面のうち、一部は格納部32に露出され、他の部分は針状部3に埋設されていてもよい。
このように構造体4が格納部32の側面33に沿って針状部3に設けられている場合、構造体4の一部が格納部32に配置される場合と比較して、構造体4のうち格納部32にさらされる表面積が低減し、化学物質や空気による劣化を低減することができる。
・図21が示すように、構造体4は、針状部3のうち格納部32に接触しない位置に設けられていてもよい。この場合、構造体4が針状部3内に保持されて固定されるため、構造体4の一部が格納部32に存在している場合と比較して、移植時等、針状体1に加わる物理的な衝撃に対する強度が増加し、移植後にも構造体4の形を維持できる。
また、このように、構造体4の側面の全部が格納部32に露出されない状態で針状部3に埋設される構成では、構造体4のうち空隙にさらされる表面積が低減し、化学物質や空気による劣化を低減することができる。
・図22の左端の針状部3及び構造体4が示すように、構造体4の一方の端部40は、格納部32内に位置し、細胞群100と接していてもよい。また、右端及びそれに隣接する針状部3及び構造体4が示すように、構造体4の一方の端部40は、細胞群100と接していなくてもよい。構造体4の一方の端部40は格納部32を区画する側面に接していてもよいし、格納部32の側面から浮いていてもよい。構造体4を細胞群100との接触は、細胞群100の種類に応じて決定することができる。例えば、細胞群100が構造体4と接触可能である場合は、構造体4の端部40を細胞群100に接触させ、構造体4によって細胞群100の移動や回転を抑制し、所定の位置及び向きに維持することが可能となる。また、細胞群100が構造体4と接触不可能である場合は、構造体4の端部40を細胞群100に接触しない位置に配置し、細胞群100に損傷を与えないようにすることができる。
・図23が示すように、針状部3の形状は、穿刺対象物への穿刺が可能な形状であれば、その形状は特に限定されない。針状部3C,3Dに例示されるように、軸方向に沿った断面形状が三角形であってもよい。また、針状部3Cに例示されるように、基端から先端に向かう中心軸を挟んで対称な形状であってもよく、針状部3Dに例示されるように中心軸に対して非対称な形状であってもよい。また、針状部3Eに例示されるように、軸方向に沿った断面形状が五角形であって、一定の幅を有する柱状の部分と、先端が尖った錐体状の部分とを組み合わせた形状であってもよい。また、針状部3Fに例示されるように円柱又は四角柱等、一定の幅を有する柱状であってもよい。また、針状部3Gに例示されるように、先端面が曲面であってもよい。針状部3の先端が鋭利である場合には、穿刺対象物への円滑な穿刺が可能になる。例えば、針状部3の先端部が円錐状の形状であった場合には、穿刺対象物と摩擦を生じる面積が低減して穿刺が容易になる。
・図24が示すように、針状部3は、単一の材料からなるものであってもよいし、複数の材料を組み合わせて構成されるものであってもよい。例えば、針状部3Hに示すように、基材2、針状部3及び構造体4の材料が全て異なるものであってもよい。なお、主成分は同一材料であってもその組成が異なるものであってもよい。また、針状部3Jに示すように、基材2と針状部3の材料が同じであってもよい。さらに、針状部3Kに示すように、基材2、針状部3及び構造体4の材料が全て同一のものであってもよい。
・第2実施形態では、構造体4を支持した基材2を備える細胞移植ユニット7を用いた。これに代えて、基材2に支持されていない構造体4を有する細胞移植ユニットを用いてもよい。この場合には、針状部3の開口部から細胞群100を格納部32に格納する工程と、構造体4の一方の端部を針状部3内に位置させる工程と、基材2に支持された構造体4の一方の端部を針状部3内に位置させた状態で、基材2によって開口部を塞ぐ工程とを有する。この方法によれば、穿刺対象物に穿刺される針状体1を簡便に組み立てることができる。このため、複数の細胞を移植する場合であっても細胞の移植に要する工程数を低減することができる。また、構造体4は任意の位置に設置することができるため、例えば複数の針状部3の間で、構造体4が配置される位置を異ならせることができる。
・図25が示すように、構造体4は棒状でなくてもよい。例えば、構造体4Aのように、他方の端部41が分岐していてもよい。また、構造体4Bのように、他方の端部41が、構造体4Bの長手方向と直交する方向に延び、全体としてT字状をなしていてもよい。このように端部41を分岐させたり、長手方向と直交する方向に延びるものとしたりすることにより、作業者が構造体4を摘みやすくなる。また、構造体4Cに示すように、一方の端部40が分岐し、分岐部分の一方が針状部3に他方が格納部32に位置していてもよい。また、構造体4Dの一方の端部40が、構造体4Bの長手方向と直交する方向に延び、格納部32を通るように設けられていてもよい。このように端部40を分岐させたり、長手方向と直交する方向に延びるものとしたりすることにより、所定の大きさ以下の外力が加わっても構造体4が針状部3から抜去されにくくなる。
1…針状体
2…基材
3…針状部
4…構造体
7…細胞移植ユニット
32…格納部
2…基材
3…針状部
4…構造体
7…細胞移植ユニット
32…格納部
Claims (16)
- 基材と、
前記基材に支持され、溶解性材料からなり、穿刺対象物を穿刺する針状部と、
前記針状部内に延出し、少なくとも一方の端部が前記針状部内に位置する構造体と、を備え、
前記構造体は、前記針状部よりも溶解性が低い材料からなり、
前記構造体は、前記針状部内で延出する方向の長さが、前記延出する方向と直交する方向の長さよりも長い
針状体。 - 前記構造体は、前記延出する方向における一方の端部が前記針状部内に位置し、他方の端部が前記基材のうち前記針状部を支持する支持面と反対側の面から突出した
請求項1に記載の針状体。 - 前記構造体は、前記延出する方向における一方の端部及び他方の端部の両方が前記針状部の内部に位置する
請求項1に記載の針状体。 - 前記構造体は、前記延出する方向における一方の端部が前記針状部の内部に位置し、他方の端部が前記基材の内部に位置する
請求項1に記載の針状体。 - 前記針状部は、前記基材と接する面を備え、当該面に開口する凹状の空隙を前記針状部の内部に画定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の針状体。 - 前記基材は、前記針状部の空隙と連通する空隙である拡張部を内部に画定する
請求項5に記載の針状体。 - 前記構造体は、当該構造体の側面の一部又は全部が前記空隙に露出されない状態で前記針状部に埋設される
請求項5又は6に記載の針状体。 - 前記空隙に、液状体が収容されている
請求項5~7のいずれか1項に記載の針状体。 - 前記針状部が、前記穿刺対象物への移植物を含む
請求項5~7のいずれか1項に記載の針状体。 - 前記針状部が生体適合性材料によって構成されている
請求項1~9のいずれか1項に記載の針状体。 - 前記構造体が生体適合性材料によって構成されている
請求項1~10のいずれか1項に記載の針状体。 - 前記生体適合性材料は、シリコーン、ポリスチレン、PLA(ポリラクチド)、PGA(ポリグリコリド)、PCL(ポリカプロラクトン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、PLGA(ポリラクチド-グリコリド共重合体)、PDS(ポリジオキサノン)、PEG(ポリエチレングリコール)、エチレン、酢酸ビニル共重合体、ポリ2-エチル-2-オキサゾリン、ポリ2-メチル-2-オキサゾリン、PHB(ポリヒドロキシ酪酸)、PBS(ポリコハク酸ブチレン)、LCL(ポリグラクチンポリカプロラクトン共重合体)、ポリグリコール酸乳酸共重合体、生分解性ポリウレタン、ポリグリコール酸、アパタイト、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、カルボキシビニルポリマー、デキストラン、デキストリン、でんぷん、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キチン、キトサン、ペクチン酸、ガラクタン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、血清アルブミン、ヘパリン、エンタクチン、テネイシン、トロンボスポンチン、プルラン、ペクチン、アテロコラーゲン、ゼラチン、ヒドロキシアパタイト、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、レオザン、キサンタンガム、ガゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、ポリヌクレオチド、チトクロームC、β-リン酸三カルシウム、アルギン酸ナトリウム、及びN-イソプロピルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項10又は11に記載の針状体。
- 前記構造体が溶解性材料から構成されている
請求項1~12のいずれか1項に記載の針状体。 - 穿刺対象物に細胞を導入する細胞移植ユニットであって、
溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、
1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、
前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、
少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備える
細胞移植ユニット。 - 穿刺対象物に細胞を導入する細胞移植ユニットの使用方法であって、
前記細胞移植ユニットは、
溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、
1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、
前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、
少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備え、
前記針状部の前記開口部から前記細胞を前記空隙に格納する工程と、
前記基材に支持された前記構造体の一方の端部を前記針状部内に位置させた状態で、前記基材によって前記開口部を塞ぐ工程と、を有する
細胞移植ユニットの使用方法。 - 穿刺対象物に細胞を導入する細胞移植ユニットの使用方法であって、
前記細胞移植ユニットは、
溶解性材料からなり、開口部を有する凹状の空隙を内部に画定する針状部と、
1乃至複数の前記針状部を配置した針配置部と、
前記空隙に前記細胞が導入された状態で前記開口部を塞ぐ基材と、
少なくとも一方の端部が前記針状部内に配置される構造体と、を備え、
前記針状部の前記開口部から前記細胞を前記空隙に格納する工程と、
前記構造体の一方の端部を前記針状部内に位置させる工程と、
前記構造体が配置された前記針状部の前記開口部を前記基材によって塞ぐ工程と、を有する
細胞移植ユニットの使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021038195A JP2022138356A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 針状体、細胞移植ユニット及び細胞移植ユニットの使用方法 |
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JP2021038195A JP2022138356A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 針状体、細胞移植ユニット及び細胞移植ユニットの使用方法 |
Publications (1)
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JP2022138356A true JP2022138356A (ja) | 2022-09-26 |
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ID=83399143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021038195A Pending JP2022138356A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 針状体、細胞移植ユニット及び細胞移植ユニットの使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022138356A (ja) |
-
2021
- 2021-03-10 JP JP2021038195A patent/JP2022138356A/ja active Pending
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