JP2022135909A - 生産経路決定装置及び生産経路決定プログラム - Google Patents

生産経路決定装置及び生産経路決定プログラム Download PDF

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Tomohiro Hirose
千恵 豊田
Chie Toyoda
康宏 与語
Yasuhiro Yogo
健一 山田
Kenichi Yamada
浩二 丹野
Koji Tanno
浩二 亀山
Koji Kameyama
美紀 藤本
Miki Fujimoto
裕司 川口
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Abstract

【課題】複数の工程を有し、各工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインであって複数種類の製品が投入される生産ラインにおいて、負荷時間を最小化する理想解である複数の製品の生産経路、あるいは、当該理想解に近い複数の製品の生産経路を高速に決定可能とする。【解決手段】初期生産経路決定部18は、生産ラインL1に最初に投入する製品である先頭製品と、当該先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する。負荷時間演算部20は、未決定製品を生産経路が決定済みの製品の後に生産ラインL1に投入したときの負荷時間の増加分を、未決定製品と生産ラインL1で取り得る生産経路との製品経路組み合わせ全てについて演算する。生産経路決定部22は、各製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に生産ラインL1に投入する未決定製品である次製品、及び、当該次製品の生産経路である次生産経路を決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、生産経路決定装置及び生産経路決定プログラムに関する。
従来、製品(仕掛品)に対して作業を行うことで製品を生産する生産ラインにおいて、製品の生産計画を立案するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、入力された製造スケジュールを頂点と辺から構成されるグラフに変換するグラフ変換機能と、グラフ特徴量抽出部でグラフの特徴量を抽出し、割付け価値を計算して評価し、割付け価値が最も高い割付けを選択する割付け選択部と、入力された製造スケジュールと割付け選択された割付けに対する、評価値を出力するスケジュール評価部と、割付け選択部を用いてスケジュール案の作成の訓練を行い、スケジュール評価部を用いてスケジュール案を評価し、スケジュール案の評価値の改善に寄与する割付け選択部の教師データを作成し、勾配降下法を用いて割付け選択部のパラメータを更新する強化学習部と、製品のオーダのリストに対して、強化学習部で学習した割付け選択部を用いて、スケジュールを立案し出力するスケジュール立案部とを有する生産計画作成装置が開示されている。また、非特許文献1には、フレキシブルフローショップの生産計画立案に際し、2段階の遺伝的アルゴリズムを利用することが開示されている。
特開2020-177565号公報
生産ラインの中には、複数の工程を有し、各工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインがある。このような生産ラインは、フレキシブルフローショップと呼ばれている。各製品は複数の工程を経て生産されるが、各製品は多くの生産経路を取り得る。ここでの生産経路とは、製品(仕掛品)が流れる処理ユニットの経路を意味する。例えば、3工程を有し、各工程が5つの処理ユニットで並列処理可能である場合、各製品が取り得る生産経路は125通り存在する。
また、フレキシブルフローショップに対して複数種類の製品が投入され、フレキシブルフローショップにおいて複数種類の製品が生産される場合がある。このような場合、フレキシブルフローショップを構成する各処理ユニットのサイクルタイム(作業に係る時間、工数とも呼ばれる)は、製品の種類に応じて異なる場合がある。
このように、フレキシブルフローショップにおいては、各製品が多くの生産経路を取り得る上、複数種類の製品が投入される場合、各処理ユニットのサイクルタイムが製品の種類によって異なる。したがって、フレキシブルフローショップに投入された製品に対する全ての作業に要する時間(換言すればフレキシブルフローショップに投入された製品の生産に要する時間、本明細書ではこれを「負荷時間」と呼ぶ)を最小化する理想解である複数種類の製品の生産経路、あるいは、当該理想解に近い複数種類の製品の生産経路を決定するには、膨大な計算量が必要となり得る。
例えば、上記の特許文献1の方法では、強化学習による方法が提案されているが、強化学習のための教師データを作成するためにかなりの時間(例えば数日間)を要する。また、生産ラインの編成が変化する度に強化学習を行わなければならず、その都度十分な量の教師データを得なければならない。また、上記の非特許文献1では、2段階の遺伝的アルゴリズムが提案されているが、フレキシブルフローショップのように、多くの生産経路を取り得るような場合、遺伝的アルゴリズムで理想的な解を得るには膨大な時間が必要となり得る。
本発明の目的は、複数の工程を有し、各工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインであって複数種類の製品が投入される生産ラインにおいて、負荷時間を最小化する理想解である複数の製品の生産経路、あるいは、当該理想解に近い複数の製品の生産経路を高速に決定可能とすることにある。
本発明は、複数の工程を有し各前記工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインにおける、前記複数の工程を経て生産される複数種類の製品の生産経路を決定する生産経路決定装置であって、前記生産ラインに最初に投入する先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する初期生産経路決定部と、前記生産経路が未決定の未決定製品を前記生産経路が決定済みの製品の後に前記生産ラインに投入したときの、前記生産ラインに投入された製品の生産に要する時間である負荷時間の増加分を、前記未決定製品と前記生産経路との組み合わせである製品経路組み合わせ全てについて演算する負荷時間演算部と、演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定製品である次製品、及び、前記次製品の生産経路である次生産経路を決定する生産経路決定部と、を備えることを特徴とする生産経路決定装置である。
望ましくは、前記初期生産経路決定部は、前記複数の工程のうちの最後の工程である最終工程に到達するまでの時間に基づいて前記先頭製品を決定し、当該先頭製品が前記最終工程に最も早く到達する生産経路を前記初期生産経路として決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記初期生産経路決定部は、複数の前記先頭製品の前記初期生産経路が互いに干渉しないように、複数の前記先頭製品の前記初期生産経路を決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記複数種類の製品は、互いに異なる属性を有する製品を含み、前記処理ユニットが作業した製品と、当該処理ユニットが当該製品の次に作業する製品とが異なる属性の製品である場合、両製品に対する作業の間に作業切り替え時間を必要とし、前記負荷時間演算部は、前記作業切り替え時間を考慮して、前記負荷時間の増加分を演算する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記生産経路決定部は、前記負荷時間の増加分が最小となる前記製品経路組み合わせである最小組み合わせが複数ある場合、前記複数の工程のうちの最後の工程である最終工程に近い工程の作業時間の増加分を重視して、前記最小組み合わせの中から、前記次製品及び前記次生産経路を決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記生産経路決定部は、前記負荷時間の増加分が最小となる前記製品経路組み合わせである最小組み合わせが複数ある場合、前記最小組み合わせのうち、前記初期生産経路と同じ生産経路を含む前記最小組み合わせを構成する前記未決定製品及び前記生産経路を、前記次製品及び前記次製品の生産経路として決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記生産ラインは、前記複数種類の製品をそれぞれ複数個生産するラインであり、同種類の複数の製品が連続して前記生産ラインに投入され、前記初期生産経路決定部は、前記生産ラインに最初に投入する先頭種類の前記初期生産経路を決定し、前記負荷時間演算部は、前記生産経路が未決定の製品の種類である未決定種類と前記生産経路との組み合わせである種類経路組み合わせ全てについて演算し、前記生産経路決定部は、演算した各前記種類経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定種類である次種類、及び、前記次種類の生産経路を決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記生産ラインにおいて、同種類の複数の製品から成るロット毎に前記生産ラインが決定され、前記初期生産経路決定部は、前記生産ラインに最初に投入する先頭ロットの生産経路である初期生産経路を決定し、前記負荷時間演算部は、前記生産経路が未決定の未決定ロットを前記生産経路が決定済みのロットの後に前記生産ラインに投入したときの、前記生産ラインに投入されたロットの生産に要する時間である負荷時間の増加分を、
当該ロットの1個目の製品の負荷時間+(当該ロットの製品数-1)×当該生産経路のボトルネックのサイクルタイム
によって、前記未決定ロットと前記生産経路との複数の組み合わせである複数のロット経路組み合わせについて演算し、前記生産経路決定部は、演算された各前記ロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定ロットである次ロット、及び、前記次ロットの生産経路を決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記生産経路決定部は、演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、互いに異なる前記属性を有する複数の前記次製品、及び、前記複数の次製品の前記次生産経路を決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記負荷時間演算部は、下記式(2)により、各前記製品経路組み合わせについての評価値を演算し、前記生産経路決定部は、演算された、各前記製品経路組み合わせについての前記評価値に基づいて、互いに異なる前記属性を有する複数の前記次製品、及び、前記複数の次製品の前記次生産経路を決定する、ことを特徴とする。
評価値=負荷時間×(1+α×段取り替え回数)・・・式(2)
式(2)におけるαは、どれだけ段取り替え回数を重視するかを調整する、段取り替え回数の重み係数である。
望ましくは、前記初期生産経路決定部は、互いに異なる前記属性を有する複数の前記製品である前記先頭製品の前記初期生産経路を決定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記生産経路決定部は、演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて決定された、前記複数の次製品の前記次生産経路の候補である生産経路候補が互いに干渉する場合、前記負荷時間の増加分が小さい方の前記次製品の前記生産経路候補を当該次製品の前記次生産経路として決定し、前記負荷時間の増加分が大きい方の前記次製品の前記次生産経路の決定を保留する、ことを特徴とする。
また、本発明、複数の工程を有し各前記工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインにおける、前記複数の工程を経て生産される複数種類の製品の生産経路を決定する生産経路決定プログラムであって、コンピュータを、前記生産ラインに最初に投入する先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する初期生産経路決定部と、前記生産経路が未決定の未決定製品を前記生産経路が決定済みの製品の後に前記生産ラインに投入したときの、前記生産ラインに投入された製品の生産に要する時間である負荷時間の増加分を、前記未決定製品と前記生産経路との組み合わせである製品経路組み合わせ全てについて演算する負荷時間演算部と、演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定製品である次製品、及び、前記次製品の生産経路である次生産経路を決定する生産経路決定部と、として機能させることを特徴とする生産経路決定プログラムである。
本発明によれば、複数の工程を有し、各工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインであって複数種類の製品が投入される生産ラインにおいて、負荷時間を最小化する理想解である複数の製品の生産経路、あるいは、当該理想解に近い複数の製品の生産経路を高速に決定することができる。
第1実施形態に係る生産経路決定装置の構成概略図である。 第1実施形態に係る生産ラインを示す図である。 第1実施形態に係る生産ラインで取り得る生産経路を示す図である。 1つの処理ユニットに含まれる複数のサブユニットを示す図である。 第1実施形態に係る生産ラインにおける、各種類の製品に対する各サブユニットのサイクルタイムの例を示すサイクルタイム表を示す図である。 第1実施形態における、複数の先頭製品についての初期生産経路を示す図である。 初期生産経路で生産される複数の先頭製品についてのガントチャートである。 品番w001-L1を生産経路1に流した場合のガントチャートである。 品番w001-L1を生産経路26に流した場合のガントチャートである。 第1実施形態の効果を示す図である。 第2実施形態に係る生産ラインを示す図である。 第2実施形態に係る生産ラインで取り得る生産経路を示す図である。 第2実施形態に係る生産ラインにおける、各種類の製品に対する各サブユニットのサイクルタイムの例を示すサイクルタイム表を示す図である。 第2実施形態における、複数の先頭製品についての初期生産経路を示す図である。 フローショップの例を示す図である。 図15に示されるフローショップについてのガントチャートである。 複数の製品経路組み合わせに対する評価値を示す評価値グラフである。 プランAにおける各処理ユニットが処理可能な品番を示す図である。 プランBにおける各処理ユニットが処理可能な品番を示す図である。 プランCにおける各処理ユニットが処理可能な品番を示す図である。 第1及び第2実施形態の効果を示す図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る生産経路決定装置10の構成概略図である。第1実施形態に係る生産経路決定装置10は、サーバコンピュータにより構成される。しかしながら、以下に説明する機能を発揮可能な限りにおいて、生産経路決定装置10としてはどのような装置であってもよい。例えば、生産経路決定装置10は、パーソナルコンピュータなどであってもよい。
入出力インターフェース12は、生産経路決定装置10に対して種々の情報を入力するためのインターフェース、あるいは、生産経路決定装置10から種々の情報を出力するためのインターフェースである。具体的には、後述のプロセッサ16による生産経路決定処理に必要な情報が入出力インターフェース12から入力され、また、プロセッサ16による生産経路決定処理の結果を示す情報が入出力インターフェース12から出力される。
入出力インターフェース12は、例えば、ネットワークアダプタなどから構成されるネットワークインターフェースであってよい。ネットワークインターフェースによれば、生産経路決定装置10は、他の装置と通信可能となり、他の装置から種々の情報を受信することができ、また、他の装置に対して種々の情報を送信することができる。
また、入出力インターフェース12は、例えば、キーボードやマウス、あるいはタッチパネルなどから構成される入力インターフェースであってよい。入力インターフェースによれば、ユーザは、生産経路決定装置10に種々の情報を入力することができる。
また、入出力インターフェース12は、例えば、液晶パネルなどから構成されるディスプレイあるいはスピーカなどから構成される出力インターフェースであってよい。出力インターフェースによれば、生産経路決定装置10は、ユーザなどに向けて種々の情報を出力することができる。
メモリ14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されている。メモリ14は、後述のプロセッサ16とは別に設けられてもよいし、少なくとも一部がプロセッサ16の内部に設けられていてもよい。メモリ14には、生産経路決定装置10の各部を動作させるための、生産経路決定プログラムが記憶される。
プロセッサ16は、汎用的な処理装置(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ16としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。図1に示す通り、プロセッサ16は、メモリ14に記憶された生産経路決定プログラムにより、初期生産経路決定部18、負荷時間演算部20、及び、生産経路決定部22としての機能を発揮する。
詳しくは後述するが、プロセッサ16は、複数の工程を有し、各工程の作業を複数の処理ユニットで並列に処理可能な生産ラインにおける、当該複数の工程を経て生産される複数種類の製品の生産経路を決定する処理を実行する。特に、当該生産ラインに投入された製品の生産に要する時間である負荷時間を最小化する理想解である複数種類の製品の生産経路、あるいは、当該理想解に近い複数種類の製品の生産経路を決定する処理を実行する。本明細書では、当該処理を生産ラインにおける生産経路の最適化処理と呼ぶ。ただし、上述の通り、最適化処理は、理想解としての生産経路を得るもののみならず、理想解に近い生産経路を得る処理も含むものである。また、本明細書では、複数種類の製品の生産経路を生産計画と呼ぶ。
初期生産経路決定部18、負荷時間演算部20、及び、生産経路決定部22の詳細を説明する前に、第1実施形態における生産ラインL1について説明する。
図2は、第1実施形態に係る生産ラインL1を示す図である。生産ラインL1は、工程1~3の3つの工程、及び、各工程間に設けられたバッファBから構成されている。つまり、生産ラインL1において、各製品は工程1~3の3つの工程を順番に経ることで生産される。各工程はそれぞれ5つの処理ユニットUを有している。すなわち、工程1の作業を実施可能な処理ユニットUとして処理ユニット#1~#5があり、工程2の作業を実施可能な処理ユニットUとして処理ユニット#6~#10があり、工程3の作業を実施可能な処理ユニットUとして処理ユニット#11~#15がある。なお、各処理ユニットUにおける作業の対象となるのは生産途中の仕掛品であるが、本明細書では仕掛品も含めて製品と呼ぶ。
処理ユニット#1~#5のいずれかで工程1の作業が実施された製品は、一旦、工程1の後に設けられたバッファB1に集められる。なお、本実施形態では、バッファBにストックできる製品の量の上限は無いものとしている。したがって、処理ユニット#1~#5における作業が完了した製品は、バッファB1にある製品の量に関わらず、待ち時間無く処理ユニット#1~#5からバッファB1に移動することができる。つまり、本実施形態における生産ラインL1には、前工程の処理が完了しても後工程の処理が完了していないために製品を後工程に渡すことができないブロッキングが生じない。その後、製品は、バッファB1から処理ユニット#6~#10のいずれかに搬送され、処理ユニット#6~#10のいずれかで工程2の作業が実施される。処理ユニット#6~#10のいずれかで工程2の作業が実施された製品は、一旦、工程2の後に設けられたバッファB2に集められる。その後、製品は、バッファB2から処理ユニット#11~#15のいずれかに搬送され、処理ユニット#11~#15のいずれかで工程3の作業が実施される。処理ユニット#11~#15のいずれかで工程3の作業が実施された製品は、生産完了となり生産ラインL1から出力される。生産ラインL1から出力された製品(完成品)は、例えば完成品倉庫などに搬送される。
生産ラインL1においては、製品の生産経路は、図3にその一部が示されるように、5(工程1の作業を実行可能な処理ユニットUの数)×5(工程2の作業を実行可能な処理ユニットUの数)×5(工程3の作業を実行可能な処理ユニットUの数)=125本存在することとなる。例えば、生産経路1は、処理ユニット#1→処理ユニット#6→処理ユニット#11であり、生産経路2は、処理ユニット#1→処理ユニット#6→処理ユニット#12である。このように、本実施形態においては、生産経路とは、製品が流れる処理ユニットUの経路を意味する。なお、生産ラインL1のように、複数の工程から成り、各工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインL1は、フレキシブルフローショップとも呼ばれる。図3に示されるような、生産ラインL1で取ることができる生産経路を示す情報は予めメモリ14に記憶される。
図4は、1つの処理ユニットUの構成を示す図である。生産ラインL1に含まれる各処理ユニットUは、1又は複数のサブユニットSから構成される。複数のサブユニットSは一列に並ぶ直列となっている。サブユニットSは、各工程における処理を実行する加工機であってよい。
本実施形態では、工程1の作業を実行可能な処理ユニットUは3つのサブユニットSから構成され、工程2の作業を実行可能な処理ユニットUは4つのサブユニットSから構成され、工程3の作業を実行可能な処理ユニットUは1つのサブユニットSから構成されるものとする。もちろん、各処理ユニットUを構成するサブユニットSの数はこれには限られない。本明細書では、各サブユニットSをサブユニットPxxのように記載する。Pの後の1の位の数字が各処理ユニットUにおける処理順番を示し、10の位の数字が工程番号を示すものとする。例えば、工程1の作業を実行可能な処理ユニットUを構成する1番目のサブユニットSをサブユニットP11と記載し、工程1の作業を実行可能な処理ユニットUを構成する2番目のサブユニットSをサブユニットP12と記載し、工程2の作業を実行可能な処理ユニットUを構成する1番目のサブユニットSをサブユニットP21と記載する。
サブユニットS間においては、バッファは設けられていない。したがって、サブユニットS間においてブロッキングが生じ得る。例えば、サブユニットP11での作業が終わった時点でサブユニットP12において前製品に対する作業が終わっていない場合、サブユニットP11は作業済みの製品を後工程であるサブユニットP12に流すことができず、サブユニットP11は次製品についての作業を始めることができない。
なお、本実施形態では、サブユニットSは作業を行う加工機であるが、サイクルタイム(サブユニットSが作業に要する時間)が安定しているのであれば、サブユニットSとしては人間(作業者)を含むものであってもよい。なお、1つのサブユニットSは、1つの製品に対してのみ作業を実施することができ、同時に複数の製品に対する作業を行うことはできない。
各サブユニットSにおける、製品に対する作業に要する時間であるサイクルタイムが予め取得される。その上で、各サブユニットSのサイクルタイムを示すサイクルタイム表が予めメモリ14に記憶される。図5には、各種類の製品に対するサイクルタイム表の例が示されている。
各サブユニットSのサイクルタイムを説明する前に、本実施形態において生産ラインL1で生産される製品について説明する。本実施形態では、100種類の製品が生産ラインL1で生産される。製品の種類は、製品の品番で表されている。換言すれば、品番が同じ製品は同じ種類の製品であり、品番が違う製品は異なる種類の製品である。具体的には、生産ラインL1では、品番w001~100の100個の品番(すなわち100種類)の製品が生産される。
本実施形態では、生産ラインL1において、複数種類の製品(複数の品番の製品)がそれぞれ複数個生産される。具体的には、各品番の製品は、それぞれ12ロットずつ生産される。すなわち、本実施形態では、生産ラインL1にて、100個の品番をそれぞれ12ロット、全部で1200ロットの製品を生産するものとする。ロットとは、同種類の1又は複数個の製品から構成される生産の単位である。本実施形態では、1ロットは1つの製品から構成されるものとする。なお、各品番の製品は、必ずしも複数ロット生産されなくてもよく、1つのみ生産されてもよい。また、各品番の製品の生産数は同じでなくてもよい。
また、生産ラインL1で生産される複数種類の製品において、製品属性が互いに異なるものがある。本実施形態では、生産ラインL1で生産される複数種類の製品には、製品属性として1~5までの5つの属性がある。具体的には、図5に示される通り、品番w001~020までの製品は製品属性が「1」であり、品番w021~040までの製品は製品属性が「2」であり、品番w041~060までの製品は製品属性が「3」であり、品番w061~080までの製品は製品属性が「4」であり、品番w081~100までの製品は製品属性が「5」となっている。つまり、品番が大きくなる程、製品属性の値も大きくなっている。
各品番(種類)に対する各サブユニットSのサイクルタイムが予め取得され、図5に示すような表が作成される。例えば、図5の例では、工程1の作業を実施する各処理ユニットU(処理ユニット#1~#5)に含まれるサブユニットP11の品番w001に対するサイクルタイムは25秒であり、同じ工程1の作業を実施する処理ユニットUに含まれるサブユニットP12の品番w001に対するサイクルタイムは40秒である。ちなみに、図5の例では、各サブユニットSのサイクルタイムがかなり簡略化して表されているが、各品番に対する各サブユニットSのサイクルタイムは互いに異なるのが一般的である。なお、本実施形態では、1ロットは1つの製品であるので、図5に示される表において、各サブユニットSの1ロットに対するサイクルタイムが示されていることになる。
生産ラインL1に投入された製品の生産に要する時間、つまり負荷時間には、図5に示した各サブユニットSにおける処理時間(サイクルタイム)の他、作業可能な状態(製品待ち状態)のサブユニットSがあるにも関わらず、前工程の作業が終わっていないために生じる待ち時間(スタービングタイム)が含まれ得る。また、本実施形態では、あるサブユニットSが作業した製品と、当該サブユニットSが当該製品の次に作業を行う製品の製品属性が異なる場合、両製品に対する作業の間に作業切り替え時間を必要とし、当該作業切り替え時間も負荷時間に含まれ得る。作業切り替え時間とは、例えば異なる製品属性の製品に対する作業を行うために、治具を交換するなどの準備作業(当該準備作業を「段取り替え」と呼ぶ)に要する時間である。作業切り替え時間は、各サブユニットS毎に定められてもよいし、全てのサブユニットSについて一律の時間が定められてもよい。本実施形態では、作業切り替え時間は、全てのサブユニットSについて一律25秒であるとする。
以下、初期生産経路決定部18、負荷時間演算部20、及び、生産経路決定部22の詳細を説明すると共に、プロセッサ16による生産ラインL1における生産計画の最適化処理のアルゴリズムについて説明する。本明細書では、以下に説明する最適化処理の方法を逐次振分け法と呼ぶ。なお、以下の実施形態においては、ロット毎に生産経路を決定する例について説明する。各ロットが1つの製品から構成されるならば、製品毎に生産経路が決定されると言うことができる。ただし、後述するように、同品番の製品はまとめて生産される(同品番の複数ロットが連続して生産ラインL1に投入される)場合を想定し、生産経路を品番毎に決定するようにしてもよい。
初期生産経路決定部18は、生産ラインL1で生産が予定されている製品群の中から、生産ラインL1に最初に投入する製品である先頭製品と、当該先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する。本実施形態では、初期生産経路決定部18は、生産ラインL1に最初に投入するロットである先頭ロットを決定する。
具体的には、初期生産経路決定部18は、メモリ14に記憶されているサイクルタイム表(図5参照)を参照し、製品群の中から、生産ラインL1に含まれる複数の工程のうちの最後の工程である最終工程(本実施形態では工程3)に到達するまでの時間に基づいて先頭製品を決定し、当該先頭製品が最終工程に最も早く到達する生産経路を初期生産経路として決定する。これは、先頭製品がいち早く最終工程に到達すれば、その後に生産ラインL1に投入される後続の製品が、先頭製品との関係においてブロッキングやスタービングが生じにくいと考えられることによるものである。図5を参照し、本実施形態では品番w002の1番目のロットが先頭製品として決定される。以後、品番XXXのY番目のロットを、wXXX-LYと記載する。例えば、品番w002の1番目のロットを品番w002-L1と記載する。
初期生産経路決定部18は、複数の先頭製品(及びその初期生産経路)を決定することができる。特に、初期生産経路決定部18は、複数の先頭製品の初期生産経路が互いに干渉しないように、複数の先頭製品及びその初期生産経路を決定する。初期生産経路が互いに干渉しない、とは、複数の先頭製品を同時に生産ラインL1に投入したときに、当該複数の先頭製品の生産完了までの間に、ブロッキング、スタービング、あるいは段取り替えが生じないことを意味する。
本実施形態では、初期生産経路決定部18は、品番w002-L1、品番w022-L1、品番w042-L1、品番w062-L1、及び品番w082-L1の5つのロットを先頭製品(先頭ロット)として決定する。そして、図6に示すように、初期生産経路決定部18は、品番w002-L1の初期生産経路を生産経路1(処理ユニット#1→処理ユニット#6→処理ユニット#11)に決定し、品番w022-L1の初期生産経路を生産経路32(処理ユニット#2→処理ユニット#7→処理ユニット#12)に決定し、品番w042-L1の初期生産経路を生産経路63(処理ユニット#3→処理ユニット#8→処理ユニット#13)に決定し、品番w062-L1の初期生産経路を生産経路94(処理ユニット#4→処理ユニット#9→処理ユニット#14)に決定し、品番w082-L1の初期生産経路を生産経路125(処理ユニット#5→処理ユニット#10→処理ユニット#15)に決定する。
初期生産経路決定部18は、決定した先頭製品を初期生産経路で生産したときの負荷時間を計算する。図7は、初期生産経路で生産される複数の先頭製品についてのガントチャートである。なお、図7においては、品番w042-L1及び品番062-L1についてのガントチャートの図示は省略されている。上述の通り、複数の先頭製品の初期生産経路は互いに干渉していないから、複数の先頭製品の生産においてスタービングや段取り替えは生じない。したがって、図5のサイクルタイム表を参照して、各先頭製品の工程1の作業に要する時間は90秒(サブユニットP11の作業に20秒、サブユニットP12の作業に30秒、サブユニットP13の作業に40秒)であり、各先頭製品の工程2の作業に要する時間は140秒(サブユニットP21の作業に40秒、サブユニットP22の作業に30秒、サブユニットP23の作業に25秒、サブユニットP24の作業に45秒)である。なお、簡単のため、各先頭製品についての工程1の作業に要する時間、及び、工程2の作業に要する時間は同じとなっているが、これは互いに異なっていてもよい。したがって、各先頭製品は、図7に示すように、投入から230秒後(工程1の作業に90秒、工程2の作業に140秒)に工程3に到達する。
複数の先頭製品のうち、工程3の作業に要する時間が最も長いのは品番w082-L1であり、品番w082-L1の工程3の作業に要する時間は40秒(サブユニットP31の作業に40秒)である。したがって、品番w082-L1は、投入から270秒後に生産が完了する。つまり、複数の先頭製品を初期生産経路で生産したときの負荷時間は270秒となる。
初期生産経路決定部18により、1200ロットのうちの5ロットの生産経路が決定され、生産経路が未決定の製品(本明細書では「未決定製品」と呼ぶ)は1195ロットとなる。
負荷時間演算部20は、未決定製品を生産経路が決定済みの製品の後に生産ラインL1に投入したときの負荷時間の増加分を、未決定製品と生産ラインL1で取り得る生産経路との組み合わせ(本明細書では当該組み合わせを「製品経路組み合わせ」と呼ぶ)全てについて演算する。
図8には、製品経路組み合わせの一例として、品番w001-L1を複数の先頭製品の後に生産経路1(処理ユニット#1→処理ユニット#6→処理ユニット#11)に流したときのガントチャート、つまり、未決定製品である品番w001-L1と生産経路1との組み合わせについてのガントチャートが示されている。未決定製品を生産ラインL1に投入した場合、先に投入されている複数の先頭製品との関係において、ブロッキング、スタービング、あるいは段取り替えが生じうる。したがって、各製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分は、ブロッキングタイム、スタービングタイム、及び段取り替えによる作業切り替え時間も考慮される。
例えば、図8において、工程2の処理ユニット#6のサブユニットP21では、品番w002-L1(先頭製品)についての処理が完了した後、次に処理する品番w001-L1の処理までの間にスタービングタイムが生じている。このようなスタービングタイムも考慮した上で、品番w001-L1と生産経路1との組み合わせについての負荷時間は、325秒となり、負荷時間の増加分は55秒(325秒-270秒(複数の先頭製品の負荷時間))となる。
また、図9には、製品経路組み合わせの一例として、品番w001-L1を複数の先頭製品の後に生産経路26(処理ユニット#2→処理ユニット#6→処理ユニット#11)に流したときのガントチャート、つまり、未決定製品である品番w001-L1と生産経路26との組み合わせについてのガントチャートが示されている。
図9の例では、処理ユニット#2において、先頭製品である品番w022-L1の作業が行われ、その後、品番w001-L1の作業が行われる。ここで、品番w022-L1の製品属性は2であり、品番w001-L1の製品属性は1である。したがって、処理ユニット#2に含まれる各サブユニットP11,P12,P13のそれぞれにおいて、品番w001-L1の作業の前に作業切り替え時間が掛かっている。図9では、作業切り替え時間は黒塗りで示されている。このような作業切り替え時間も考慮した上で、品番w001-L1と生産経路26との組み合わせについての負荷時間は、350秒となり、負荷時間の増加分は80秒(350秒-270秒(複数の先頭製品の負荷時間))となる。
このように、負荷時間演算部20は、5つの先頭製品以外の1195個のロットと、125通りの生産経路との製品経路組み合わせ全て(1195×125=149,375個の組み合わせ)について、負荷時間の増加分を演算する。
生産経路決定部22は、負荷時間演算部20により演算された各製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に生産ラインL1に投入する未決定製品である次製品、及び、当該次製品の生産経路である次生産経路を決定する。
原則的に、生産経路決定部22は、複数の製品経路組み合わせのうち、負荷時間の増加分が最小である製品経路組み合わせ(本明細書ではこれを「最小組み合わせ」と呼ぶ)を選択し、選択された最小組み合わせに含まれる未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。
複数の製品経路組み合わせの中で、最小組み合わせが複数ある場合が考えられる。その場合、生産経路決定部22は、以下の手順で次製品及び次生産経路を決定する。
生産経路決定部22は、生産ラインL1の最終工程(本実施形態では工程3)に近い工程の作業時間の増加分を重視して、最小組み合わせから1つの組み合わせを選択し、選択された組み合わせに含まれる未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。
具体的には、最小組み合わせのうち、最終工程である工程3における作業時間の増加分が最小である最小組み合わせが1つである場合、生産経路決定部22は、最小組み合わせのうち工程3における作業時間の増加分が最小である最小組み合わせを構成する未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。なお、ここでの工程3における作業時間とは、工程3におけるサイクルタイムのみならず、工程3におけるスタービングタイム及び作業切り替え時間も考慮された時間である。
工程3における作業時間の増加分が最小である最小組み合わせが複数ある場合、生産経路決定部22は、最小組み合わせのうち、工程3における作業時間の増加分が最小である集合(複数の最小組み合わせ)と、最小組み合わせのうち、最終工程の1つ前の工程である工程2における作業時間の増加分が最小である集合(複数の最小組み合わせ)との共通集合である第1共通集合を取る。第1共通集合に含まれる最小組み合わせが1つである場合、生産経路決定部22は、当該最小組み合わせを構成する未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。
第1共通集合に含まれる最小組み合わせが複数ある場合、生産経路決定部22は、最小組み合わせのうち、第1共通集合と、工程2の1つ前の工程である工程1における作業時間の増加分が最小である集合(複数の最小組み合わせ)との共通集合である第2共通集合を取る。第2共通集合に含まれる最小組み合わせが1つである場合、生産経路決定部22は、当該最小組み合わせを構成する未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。
第2共通集合に含まれる最小組み合わせが複数ある場合、生産経路決定部22は、第2共通集合に含まれる複数の最小組み合わせのうち、初期生産経路決定部18が決定した初期生産経路と同じ生産経路を含む最小組み合わせが有るか否かを判定する。第2共通集合に含まれる複数の最小組み合わせのうち、初期生産経路と同じ生産経路を含む最小組み合わせが1つである場合、生産経路決定部22は、当該最小組み合わせを構成する未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。なお、本明細書では、初期生産経路と同じ生産経路を選択するルールを「直列優先ルール」と呼ぶ。直列優先ルールの適用可否は、ユーザなどによって選択することができるようになっていてよい。
第2共通集合に含まれる複数の最小組み合わせのうち、初期生産経路と同じ生産経路を有する最小組み合わせが無い場合、又は、複数ある場合は、生産経路決定部22は、第2共通集合に含まれる複数の最小組み合わせのうち、品番が一番小さいロット(品番が同じ場合はロット番号が一番小さいロット)を含む最小組み合わせを構成する未決定製品及び生産経路を次製品及び次生産経路とする。
上述のようにして、生産経路決定部22により、1つの次製品及び次生産経路が決定される。
生産経路決定部22により、次製品及び次生産経路が決定されると、負荷時間演算部20は、残りの1194個のロットと、125通りの生産経路との製品経路組み合わせ全て(1194×125=149,250個の組み合わせ)について、負荷時間の増加分を演算する。そして、生産経路決定部22は、負荷時間演算部20が演算した負荷時間に基づいて、上述と同様の処理により、次製品の次に生産ラインL1に投入される製品と、その生産経路を決定する。
負荷時間演算部20及び生産経路決定部22は、全てのロットについて、上述の処理を繰り返す。これにより、1200個の全ロットについての生産経路、つまり生産計画が決定される。
上述の実施形態においては、ロット毎に生産経路が逐次決定されていたが、同品番(同種類)の製品はまとめて生産される(同品番の複数ロットが連続して生産ラインL1に投入される)場合を想定し、生産経路を品番毎に決定するようにしてもよい。
具体的には、初期生産経路決定部18は、生産ラインL1に最初に投入する、先頭種類としての先頭品番を選択した上で、当該選択についての初期生産経路を決定し、負荷時間演算部20は、生産経路が未決定の品番である未決定種類としての未決定品番と生産経路との組み合わせである品番(種類)経路組み合わせ全てについて負荷時間を演算し、生産経路決定部22は、演算した品番経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に生産ラインL1に投入する品番である次品番(次種類)、及び、当該次品番の生産経路を決定する。
品番毎に生産経路を決定することで、負荷時間演算部20及び生産経路決定部22の演算量を低減させることができる。これにより、複数種類の製品の生産経路を決定するために要する時間を低減することができる。一方、ロット毎に生産経路を決定する場合は、負荷時間演算部20及び生産経路決定部22の演算量が多くなり、複数種類の製品の生産経路を決定するために要する時間が長くなるが、最終的に出力される複数種類の製品の生産経路は、理想解により近いものとなり得る。
図10には、プロセッサ16による上述の処理にて決定された、複数種類の製品の生産経路についてのデータが示されている。図10には、本実施形態の効果が示されているとも言える。図10には、ロット毎に生産経路を決定した場合であって直列優先ルールを適用しなかった場合、ロット毎に生産経路を決定した場合であって直列優先ルールを適用した場合、品番毎に生産経路を決定した場合であって直列優先ルールを適用しなかった場合、及び、品番毎に生産経路を決定した場合であって直列優先ルールを適用した場合のそれぞれについて、当該負荷時間の理想解への到達度、及び、当該生産経路を決定するのに要した時間である立案時間が示されている。
まず、理想解について説明する。生産ラインL1における理想的な(負荷時間が最小となる)生産計画は、最終工程である工程3において、段取り替えが生じず(作業切り替え時間がなく)、スタービングが生じず(スタービングタイムがなく)、且つ、工程3に含まれる5つの処理ユニットUにおける作業が同時刻に終了して全製品の生産が終了するような生産計画であるといえる。この理想的な生産計画の負荷時間は、図5に示したサイクルタイム表から見積もることができる。
最終工程である工程3における作業時間の総和は、工程3(すなわちサブユニットP31)のロット毎のサイクルタイムの総和から求めることができる。図5、工程3におけるロット毎のサイクルタイムの総和はN秒である。さらに、工程3に含まれる5つの処理ユニットUで同時刻に全ロットの生産が終了すると仮定すると、工程3における理想的な生産時間は、N秒を5(工程3に含まれる処理ユニットの数)で除算したN/5秒となる。
一方、各ロットが工程3に到達する時間は、工程1及び工程2のサイクルタイムから求めることができる。各品番の1ロット目が工程3に到達する時間は、品番毎の、工程1及び工程2のサイクルタイムの総和である。ただし、各品番の工程1及び工程2のサイクルタイムの総和は、品番毎に異なる。そこで、本実施形態では、全品番の工程1及び工程2のサイクルタイムの総和の平均値を、各品番の1ロット目が工程3に到達する時間と仮定する。ここでは、全品番の工程1及び工程2のサイクルタイムの総和の平均値はm秒であるとする。
上記2点から、理想的な生産計画の負荷時間は、N/5秒にm秒を加算した(N/5)+m秒となる。以下、理想的な生産計画の負荷時間のことを理想解の負荷時間と呼ぶ。図10における理想解への到達度は、理想解の負荷時間を、プロセッサ16が決定した生産計画の負荷時間で除して得られたものである。
図10に示される通り、ロット毎に生産経路を決定する場合は、品番毎に生産経路を決定する場合に比して、理想解への到達度が高くなっているといえる。また、直列優先ルールを適用した場合は、直列優先ルールを適用しない場合に比して、理想解への到達度が高くなっている。これは、直列優先ルールを適用した方が、バッファにおける待ち時間やスタービングが起きる可能性が低くなる場合が多いと考えられるためである。特に、ロット毎に生産経路決定し、直列優先ルールを適用した場合は、理想解への到達度が99.5%となっており、理想解へかなり近い生産計画が立案できている。
また、品番毎に生産経路を決定することで、ロット毎に生産経路を決定する場合に比して、立案時間をかなり短くすることができている。特に、品番毎に生産経路決定し、直列優先ルールを適用した場合は、理想解への到達度が98%の生産計画を8分で立案できている。これは、従来に比してかなり早い立案時間であると言える。ロット毎に生産経路を決定した場合であっても、立案時間は(直列優先ルールを適用したとしても)104分程度であり、これは従来手法よりも短い時間である。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る生産経路決定装置10の構成は、第1実施形態に係る生産経路決定装置10の構成(図1参照)と同じであるため、その説明は省略する。ただし、第2実施形態においては、プロセッサ16(初期生産経路決定部18、負荷時間演算部20、生産経路決定部22)の処理内容が、第1実施形態とは異なる。
図11は、第2実施形態に係る生産ラインL2を示す図である。生産ラインL2も、第1実施形態に係る生産ラインL1(図2参照)同様、工程1~3の3つの工程、及び、各工程間に設けられたバッファBから構成されている。生産ラインL2においては、各工程はそれぞれ10個の処理ユニットUを有している。すなわち、工程1の作業を実施可能な処理ユニットUとして処理ユニット#1~#10があり、工程2の作業を実施可能な処理ユニットUとして処理ユニット#11~#20があり、工程3の作業を実施可能な処理ユニットUとして処理ユニット#21~#30がある。
処理ユニット#1~#10のいずれかで工程1の作業が実施された製品は、一旦、工程1の後に設けられたバッファB1に集められる。なお、第2実施形態でも、バッファBにストックできる製品の量の上限は無いものとしている。その後、製品は、バッファB1から処理ユニット#11~#20のいずれかに搬送され、処理ユニット#11~#20のいずれかで工程2の作業が実施される。処理ユニット#11~#20のいずれかで工程2の作業が実施された製品は、一旦、工程2の後に設けられたバッファB2に集められる。その後、製品は、バッファB2から処理ユニット#21~#30のいずれかに搬送され、処理ユニット#21~#30のいずれかで工程3の作業が実施される。処理ユニット#21~#30のいずれかで工程3の作業が実施された製品は、生産完了となり生産ラインL2から出力される。生産ラインL2から出力された製品(完成品)は、例えば完成品倉庫などに搬送される。
生産ラインL2においては、製品の生産経路は、図12にその一部が示されるように、10(工程1の作業を実行可能な処理ユニットUの数)×10(工程2の作業を実行可能な処理ユニットUの数)×10(工程3の作業を実行可能な処理ユニットUの数)=1000本存在することとなる。図12に示されるような、生産ラインL2で取ることができる生産経路を示す情報は予めメモリ14に記憶される。
生産ラインL2に含まれる各処理ユニットUは、直列に並ぶ複数のサブユニットSから構成される。本実施形態では、工程1の作業を実行可能な処理ユニットUは7つのサブユニットSから構成され、工程2の作業を実行可能な処理ユニットUは9つのサブユニットSから構成され、工程3の作業を実行可能な処理ユニットUは1つのサブユニットSから構成されるものとする。
生産ラインL2においては、品番w001~100の100個の品番の製品が生産されるものとする。ただし、第1実施形態では、1ロットが1つの製品から構成され、各品番の製品が12ロットずつ生産されていたところ、第2実施形態では、1ロットは同種類の複数の製品から成るものとする。具体的には、第2実施形態では、1ロットが12個の製品から構成され、各品番の製品は2ロットずつ(つまり24個ずつ)生産されるものとする。すなわち、生産ラインL2においては、200ロット(100個の品番×2ロット)が生産され、全部で2400個(200ロット×12個)の製品が生産される。なお、1ロットに含まれる複数の製品は、まとめて同じ生産経路で生産されるものである。
各サブユニットSにおける、製品に対する作業に要する時間であるサイクルタイムが予め取得される。その上で、各サブユニットSのサイクルタイムを示すサイクルタイム表が予めメモリ14に記憶される。図13には、生産ラインL2における、各種類の製品に対するサイクルタイム表の例が示されている。図13の表に示されているサイクルタイムは、1つの製品に対する処理に各処理ユニットが要する時間が示されている。また、第1実施形態同様、生産ラインL2で生産される複数種類の製品には、製品属性として1~5までの5つの属性がある。具体的には、図13に示される通り、品番w001~020までの製品は製品属性が「1」であり、品番w021~040までの製品は製品属性が「2」であり、品番w041~060までの製品は製品属性が「3」であり、品番w061~080までの製品は製品属性が「4」であり、品番w081~100までの製品は製品属性が「5」となっている。つまり、品番が大きくなる程、製品属性の値も大きくなっている。
また、第2実施形態では、各品番の製品に対して納期が設定されている。図13には、各品番の製品の納期も示されている。
第2実施形態における負荷時間にも、図13に示した各サブユニットSにおける処理時間(サイクルタイム)の他、スタービングタイムが含まれ得る。また、あるサブユニットSが作業した製品と当該サブユニットSが当該製品の次に作業を行う製品との製品属性が異なる場合に生じる段取り替えに要するだ作業切り替え時間も負荷時間に含まれ得る。本実施形態では、作業切り替え時間は、全てのサブユニットSについて一律57秒であるとする。
以下、第2実施形態における初期生産経路決定部18、負荷時間演算部20、及び、生産経路決定部22の詳細を説明すると共に、プロセッサ16による生産ラインL2における生産計画の最適化処理のアルゴリズムについて説明する。
初期生産経路決定部18は、生産ラインL2で生産が予定されている製品群の中から、生産ラインL2に最初に投入する製品である先頭製品と、当該先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する。本実施形態では、初期生産経路決定部18は、生産ラインL2に最初に投入するロットである先頭ロットを決定する。
初期生産経路決定部18は、複数の先頭ロット(及びその初期生産経路)を決定することができる。特に、初期生産経路決定部18は、複数の先頭ロットの初期生産経路が互いに干渉しないように、複数の先頭ロット及びその初期生産経路を決定する。また、初期生産経路決定部18は、互いに異なる製品属性を有する製品に係る複数のロットを先頭ロットとし、当該複数の先頭ロットの初期生産経路を決定するとよい。
本実施形態では、初期生産経路決定部18は、品番w001-L1(製品属性「1」)、品番w011-L1(製品属性「1」)、品番w021-L1(製品属性「2」)、品番w031-L1(製品属性「2」)、品番w041-L1(製品属性「3」)、品番w051-L1(製品属性「3」)、品番w061-L1(製品属性「4」)、品番w071-L1(製品属性「4」)、品番w081-L1(製品属性「5」)、及び、品番w091-L1(製品属性「5」)の10個のロットを先頭ロットとして決定する。そして、図14に示すように、初期生産経路決定部18は、品番w001-L1の初期生産経路を生産経路1(処理ユニット#1→処理ユニット#11→処理ユニット#21)に決定し、品番w011-L1の初期生産経路を生産経路112(処理ユニット#2→処理ユニット#12→処理ユニット#22)に決定し、品番w021-L1の初期生産経路を生産経路223(処理ユニット#3→処理ユニット#13→処理ユニット#23)に決定し、品番w031-L1の初期生産経路を生産経路334(処理ユニット#4→処理ユニット#14→処理ユニット#24)に決定し、品番w041-L1の初期生産経路を生産経路445(処理ユニット#5→処理ユニット#15→処理ユニット#25)に決定し、品番w051-L1の初期生産経路を生産経路556(処理ユニット#6→処理ユニット#16→処理ユニット#26)に決定し、品番w061-L1の初期生産経路を生産経路667(処理ユニット#7→処理ユニット#17→処理ユニット#27)に決定し、品番w071-L1の初期生産経路を生産経路778(処理ユニット#8→処理ユニット#18→処理ユニット#28)に決定し、品番w081-L1の初期生産経路を生産経路889(処理ユニット#9→処理ユニット#19→処理ユニット#29)に決定し、品番w091-L1の初期生産経路を生産経路1000(処理ユニット#10→処理ユニット#20→処理ユニット#30)に決定する。
初期生産経路決定部18により、200ロットのうちの10ロットの生産経路が決定され、生産経路が未決定のロット(本明細書では「未決定ロット」と呼ぶ)は190ロットとなる。
初期生産経路決定部18は、決定した先頭ロットを初期生産経路で生産したときの負荷時間を計算する。
負荷時間演算部20は、生産経路が決定済みのロットの後に未決定ロットを生産ラインL1に投入したときの負荷時間の増加分を、未決定ロットと生産ラインL1で取り得る生産経路との複数の組み合わせ(本明細書では当該組み合わせを「ロット経路組み合わせ」と呼ぶ)について演算する。
ここで、本実施形態では、1ロットが複数個(本実施形態では12個)の製品から構成されるところ、1つのロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分を演算する際、ガントチャートなどに基づいて、当該ロットに含まれる複数の製品を当該生産経路に逐次投入することをシミュレートする方法が考えられる。しかしながら、当該方法によれば、ガントチャートに基づく演算を複数個分(本実施形態では12個分)繰り返す必要があるため、その演算量が増大するという問題がある。したがって、本実施形態では、負荷時間演算部20は、以下に説明する方法によって、各ロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分を演算する。
簡単な例として、図15に示すような、直列に並んだマシン1~3(3つの工程)から成るフローショップを考える。ここで、マシン1のサイクルタイムが3秒であり、マシン2のサイクルタイムが5秒であり、マシン3のサイクルタイムが2秒であるとする。すなわち、3つのマシンの中でサイクルタイムが最も大きいのがマシン2であり、マシン2が当該フローショップのボトルネックとなる。
図16は、当該フローショップに複数の製品を順次投入したときのガントチャートである。図16に示す通り、1個目の製品の負荷時間(t)は10秒となる。次いで、2個目の製品を投入すると、上述のようにマシン2がボトルネックとなっているため、2個目の製品に対するマシン2の処理が完了するのは、マシン2が1個目の製品に対する処理を完了した時刻(8秒後)から5秒後であり、これにマシン3のサイクルタイムを加算して、2個目の製品までの負荷時間(t)は15秒となる。以後同様に、3個目の製品までの負荷時間(t)は20秒となり、4個目の製品までの負荷時間(t)は25秒となる。
このように、1個目の製品の負荷時間はガントチャートを用いて演算する必要があるが、2個目以降の製品までの負荷時間は、ボトルネックとなるマシンのサイクルタイムを加算していけば演算できる。
以上のことから、第2実施形態においては、負荷時間演算部20は、以下の式(1)により、各ロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分を演算する。

当該ロットの1個目の製品の負荷時間+(当該ロットの製品数-1)×当該製品経路のボトルネックのサイクルタイム・・・(1)
式(1)における第2項の演算時間は無視できるほど短い。したがって、式(1)を用いることで、各ロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分の演算量及び演算時間を低減することができる。なお、初期生産経路決定部18が先頭ロットについての負荷時間を演算する際にも、上記式(1)を用いて演算するようにしてもよい。
本実施形態では、負荷時間演算部20は、複数のロット経路組み合わせについて、演算した負荷時間に基づく評価値をさらに演算する。具体的には、負荷時間演算部20は、評価値を以下の式(2)により演算する。

負荷時間×(1+α×段取り替え回数)・・・(2)
ここで、式(2)における負荷時間とは、これまでに決定済みのロットについての負荷時間と、ロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分とを合算したものである。なお、式(2)において、負荷時間を負荷時間の増加分に置き換えて評価値を演算するようにしてもよい。
また、段取り替え回数とは、当該ロット経路組み合わせに係る生産経路に当該ロット経路組み合わせに係る未決定ロットを投入したときに生じる段取り替えの回数である。式(2)によって演算される評価値は、段取り替え回数が生じたときにより大きくなるようになっている。すなわち、段取り替え回数を重要視した値であると言える。
また、式(2)におけるαは、どれだけ段取り替え回数を重視するかを調整する、段取り替え回数の重み係数である。本実施形態ではαは0.1としている。なお、αを0とすると、段取り替え回数の項が0となるため、段取り替え回数が考慮されない評価値が算出される。一方、αを極大にすると、評価値は、段取り替え回数がかなり強調された値となる。この場合、仮に、あるロットの生産経路の候補として、段取り替えが生じたとしても全体として負荷時間が短くすることができるような生産経路があったとしても、αが極大であると、段取り替え回数が生じたとたんに評価値がかなり大きくなってしまい、そのような生産経路が選択できなくなってしまう。したがって、αとしては適度な値が良く、本例では、0.1が適切な値、すなわち負荷時間を最小化できる値となっている。
なお、評価値が小さい程、当該ロット経路組み合わせが次ロット及びその生産経路としてより好適なものであることを示す。また、評価値として、負荷時間の増加分をそのまま用いるようにしてもよい。
負荷時間演算部20が複数のロット経路組み合わせについての評価値を演算すると、図17に示すような評価値グラフが得られる。図17に示される評価値グラフでは、X軸が未決定ロット、Y軸が生産経路No.、Z軸が評価値を示すものとなっている。なお、図17では、Z軸は方向が反転しており、評価値が小さい程値Z軸の正側に位置するようになっている。ここで、図17は、図14に示す10個の先頭ロットを決定したときの各ロット経路組み合わせの評価値を示す評価値グラフであることに留意されたい。
後述するように、評価値グラフに基づいて、生産経路決定部22が、生産ラインL2に次に投入する未決定ロットである次ロット、及び、当該次ロットの生産経路を決定する。つまり、評価値グラフに含まれる未決定ロットが次ロットの候補となる。ここで、当該評価値グラフに含まれる未決定ロット(すなわち負荷時間演算部20が負荷時間及び評価値を演算したロット経路組み合わせに含まれる未決定ロット)は、残りの全ての未決定ロットであってもよいし、残りの未決定ロットのうちの一部の未決定ロットであってもよい。本実施形態では、負荷時間演算部20は、各品番の納期(図13参照)に基づいて、納期が近い品番の未決定ロットのみを次ロットの候補とし、納期が近い品番の未決定ロットのみについての評価値を演算しているため、図17のグラフには、納期が近い品番の未決定ロットのみが示されている。図17に示すように、X軸において、未決定ロットは、その品番毎にまとめられて並んでいる。
図17の評価値グラフにおいては、A~Eで示した領域において評価値が低下している。これは、A~Eで示した領域においては、段取り替えが生じないことに起因する。このことについて、領域Aに着目して説明する。
上述の通り、図17は、図14に示す10個の先頭ロットを決定したときの各ロット経路組み合わせの評価値を示す評価値グラフである。したがって、製品属性「1」の先頭ロットが、生産経路No.「1」及び「112」に投入されることが決定されている。ここで、生産経路No.「1」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#1であり、生産経路No.「112」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#2である。つまり、処理ユニット#1及び#2においては、製品属性「1」の製品に対する作業が行われる。ここで、生産経路No.「1~100」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#1であり、生産経路No.「101~200」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#2である。したがって、製品属性が「1」ではない未決定ロットの生産経路を生産経路「1~200」のいずれかとした場合、少なくとも工程1の処理ユニット(処理ユニット#1又は#2)において段取り替えの必要が生じてしまう。したがって、図17においては、生産経路「1~200」と、製品属性「1」以外(製品属性「2~5」)の未決定ロットとのロット経路組み合わせの評価値が大きくなっている。
一方、先頭ロットの処理において、処理ユニット#3及び#4においては、生産経路No.「223」及び「334」の工程1において製品属性「2」の製品に対する作業が行われ、処理ユニット#5及び#6においては、生産経路No.「445」及び「556」の工程1において製品属性「3」の製品に対する作業が行われ、処理ユニット#7及び#8においては、生産経路No.「667」及び「778」の工程1において製品属性「4」の製品に対する作業が行われ、処理ユニット#9及び#10においては、生産経路No.「889」及び「1000」の工程1において製品属性「5」の製品に対する作業が行われる。ここで、生産経路No.「201~300」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#3であり、生産経路No.「301~400」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#4であり、生産経路No.「401~500」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#5であり、生産経路No.「501~600」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#6であり、生産経路No.「601~700」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#7であり、生産経路No.「701~800」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#8であり、生産経路No.「801~900」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#9であり、生産経路No.「901~1000」の工程1の処理ユニットは処理ユニット#10である。したがって、製品属性が「1」の未決定ロットの生産経路を生産経路「201~1000」のいずれかとした場合、少なくとも工程1の処理ユニット(処理ユニット#3~10)において段取り替えの必要が生じてしまう。したがって、図17においては、生産経路「201~1000」と、製品属性「1」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの評価値が大きくなっている。
以上の通りであるので、生産経路「1~200」と製品属性「1」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの中に、段取り替えが生じないものが存在し得、段取り替えが生じないロット経路組み合わせが、領域Aのように評価値が非常に小さいものとなり得る。なお、生産経路「1~200」と製品属性「1」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの中にも(工程2又は3において)段取り替えが生じ得るものがあり、そのようなロット経路組み合わせについては、評価値が高くなる。
領域Aと同様の原理にて、生産経路「201~400」と製品属性「2」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの中に低評価値の領域Bが存在し、生産経路「401~600」と製品属性「3」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの中に低評価値の領域Cが存在し、生産経路「601~800」と製品属性「4」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの中に低評価値の領域Dが存在し、生産経路「801~1000」と製品属性「5」の未決定ロットとのロット経路組み合わせの中に低評価値の領域Eが存在し得る。
生産経路決定部22は、図17に示すような評価値グラフに基づいて、次ロット及び当該次ロットの生産経路を決定する。具体的には、評価値グラフに基づいて、評価値が小さい(好適には最小の)評価値を有するロット経路組み合わせを決定し、決定したロット経路組み合わせに係る未決定ロットを次ロットとし、決定したロット経路組み合わせに係る生産経路を当該次ロットの生産経路とする。
特に、本実施形態では、生産経路決定部22は、評価値グラフに基づいて、互いに異なる製品属性を有する複数の次製品(本実施形態では次ロット)、及び、複数の次製品の前記次生産経路を決定する。例えば、評価値グラフが図17に示すものである場合、領域A内において評価値が最小となるロット経路組み合わせを決定し、当該ロット経路組み合わせに係る未決定ロットを製品属性「1」の次ロットとし、当該ロット経路組み合わせに係る生産経路を当該次ロットの生産経路とする。同様に、領域B~Eからそれぞれ評価値が最小となるロット経路組み合わせを決定し、製品属性「2~5」の各次ロットと、各次ロットの生産経路をそれぞれ決定する。すなわち、本実施形態では、1つの評価値グラフから5つの次ロット及びその生産経路が決定される。
生産経路決定部22により、次ロット及び次ロットの生産経路が決定されると、負荷時間演算部20は、残りの185個の未決定ロット(又はその中から納期が近い未決定ロット)と、1000通りの生産経路との製品経路組み合わせについて、上記評価値を演算して、再度評価値グラフを得る。そして、生産経路決定部22は、得られた評価値グラフに基づいて、上述と同様の処理により、次ロットのさらに次に生産ラインL2に投入される複数の次ロットと、その生産経路を決定する。
負荷時間演算部20及び生産経路決定部22は、全てのロットについて、上述の処理を繰り返す。これにより、200個の全ロットについての生産経路、つまり生産計画が決定される。
図17のように、各製品属性の未決定ロットについて評価値の領域が存在するのは、1つ前に生産経路が決定された複数のロット(ここでは初期生産経路決定部18が決定した複数の先頭ロットとする)に、製品属性「1~5」に係るロットが含まれているからである。仮に、先頭ロットが全て製品属性「1」に係るロットであった場合、製品属性「1」の未決定ロットを含むロット経路組み合わせについての評価値のみが低評価値となり得、評価値グラフにおいて、低評価値領域A~Eは、Y軸に沿って並ぶようになる。
このような場合、製品属性「2~5」に係る未決定ロットを含むロット経路組み合わせについては、必ず段取り替えが生じてしまい、評価値が必ずしも低くはないのであるが、生産経路決定部22は、各製品属性についての未決定ロットを含むロット経路組み合わせをそれぞれ決定するようにする。例えば、製品属性「2」の未決定ロットを含むロット経路組み合わせの中から、評価値が最も低くなるロット経路組み合わせを特定し、当該ロット経路組み合わせに含まれる未決定ロットを次ロットとし、当該ロット経路組み合わせに含まれる生産経路を当該次ロットの生産経路とする。製品属性「3~5」についても(もちろん製品属性「1」についても)同様とする。
これにより、次に負荷時間演算部20により演算される評価値グラフにおいては、前に生産経路が決定された複数のロットに、製品属性「1~5」に係るロットが含まれているため、評価グラフは図17に示すように、各製品属性について低評価値領域を有するグラフとなる。
よって、例えば、何らかの事情によって、複数の先頭ロットに、製品属性「1~5」に係るロットを含めることができなかったとしても、できるだけ早い段階で複数の次ロットに製品属性「1~5」に係るロットを含めるようにすることで、以後、好適に、各製品属性について、低評価値領域からロット経路組み合わせを特定することができるようになる。
生産経路決定部22が決定した複数の次ロットの生産経路が、互いに干渉してしまう場合が考えられる。したがって、生産経路決定部22は、上述の処理によって、複数の次ロット、及び、当該複数の次ロットの複数の生産経路の候補である生産経路候補を決定するようにし、その後、複数の次ロットについての複数の生産経路候補が互いに干渉するか否かを確認するようにしてもよい。
仮に、複数の生産経路候補が互いに干渉する場合、生産経路決定部22は、干渉する複数の生産経路候補のうち、評価値がより小さい生産経路候補を、当該生産経路候補に係る次ロットの生産経路として決定する。一方、干渉する複数の生産経路候補のうち、その他の生産経路候補(すなわち評価値が大きい生産経路候補)に係る次ロットの生産経路の決定は保留し、当該次ロットを未決定ロットに戻す。
第1実施形態では、次製品と次生産経路が決定する度に、全ての製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、1つの次製品と次生産経路の組み合わせを決定していたが、第2実施形態においては、次ロットと、当該次ロットの生産経路が決定する度に、複数の次ロットと生産経路の組み合わせを決定することができる。これにより、生産計画の決定のための演算量及び演算時間が低減される。なお、第2実施形態においても、生産経路決定部22は、次ロットと、当該次ロットの生産経路が決定する度に、1つの次ロットと生産経路の組み合わせを決定するような実施形態を採用することができる。
以下、第2実施形態の効果について説明する。実際の生産ラインL2においては、あらゆる品番の製品に対する作業を全ての処理ユニットUで行うことができることは稀であり、品番毎に作業可能な処理ユニットUが限定されている場合が多い。このため、ここでは、品番毎に振り分けることができる処理ユニットUを限定した3つのプランA~Cを検討することとした。各プランにおける、各品番の製品に対する作業を実行可能な処理ユニットUが図18~20に示されている。
図18は、プランAにおける各処理ユニットが処理可能な品番を示す図である。プランAでは、工程1~3において、全ての処理ユニットUが全ての品番の製品に対する作業を行うことができるものとした。図19は、プランBにおける各処理ユニットが処理可能な品番を示す図である。プランBでは、工程1~3において、各品番の製品に対する作業はそれぞれ5つの処理ユニットUのみで行うことができるものとした。図20は、プランCにおける各処理ユニットが処理可能な品番を示す図である。プランCでは、工程1~2において、全ての処理ユニットUが全ての品番の製品に対する作業を行うことができるものとし、工程3において、各品番の製品に対する作業はそれぞれ5つの処理ユニットUのみで行うことができるものとした。なお、プランA、B、及びCの生産経路数は、それぞれ1000本、125本、及び500本となる。
プランA~Cに対して高速化の方策を織り込んだ逐次振分け法を試行することで生産計画を立案し、生産計画の演算時間を第1実施形態と比較する。図21は、第1実施形態及び第2実施形態による生産計画の演算時間を示す図である。図21においては、1ロットの製品数、負荷時間の増加分の演算方法、及び、次ロット及びその生産経路の決定方法の組み合わせ毎に、プランA~Cそれぞれの場合の生産計画を決定するために要した演算時間が示されている。なお、次ロット及びその生産経路の決定方法において、「複数の次ロットの生産経路を決定」とは、負荷時間演算部20が各ロット経路組み合わせについての負荷時間(又は評価値)を演算する度に、複数の次ロットの生産経路を決定することを意味し、「1つの次ロットの生産経路を決定」とは、負荷時間演算部20が各ロット経路組み合わせについての負荷時間(又は評価値)を演算する度に、1つの次ロットの生産経路を決定することを意味する。
1ロットの製品数が「1」、負荷時間の増加分の演算方法が「製品毎に演算」、次ロット及びその生産経路の決定方法が「1つの次ロットの生産経路決定」の組み合わせは、第1実施形態に係る組み合わせである。この組み合わせでは、プランAの場合の生産経路の決定までに28,214秒、プランBの場合の生産経路の決定までに6,798秒、プランCの場合の生産経路の決定までに16,193秒、それぞれ要している。
1ロットの製品数が「12」、負荷時間の増加分の演算方法が「式(1)を利用」、次ロット及びその生産経路の決定方法が「1つの次ロットの生産経路を決定」の組み合わせは、第2実施形態のうちの1態様に係る組み合わせである。当該組み合わせでは、負荷時間演算部20が各ロット経路組み合わせについての評価値を演算する度に、次ロット及びその生産経路を1ロットずつ決定しているが、1ロットが12個の製品から構成されるため、12個の製品ずつ生産経路が決定されることになる。また、当該組み合わせは、第1実施形態に比して負荷時間の増加分の演算方法が異なっている。この組み合わせでは、プランAの場合の生産経路の決定までの演算時間が2,082秒、プランBの場合の生産経路の決定までの演算時間が557秒、プランCの場合の生産経路の決定までの演算時間が1,232秒となっており、第1実施形態に比して短くなっていることが分かる。
1ロットの製品数が「12」、負荷時間の増加分の演算方法が「式(1)を利用」、次ロット及びその生産経路の決定方法が「複数の次ロットの生産経路を決定」の組み合わせは、第2実施形態のうちのベストモードに係る組み合わせである。当該組み合わせでは、負荷時間演算部20が各ロット経路組み合わせについての評価値を演算する度に、5ロットずつ、すなわち60個の製品ずつ生産経路が決定されることになる。この組み合わせでは、プランAの場合の生産経路の決定までの演算時間が669秒、プランBの場合の生産経路の決定までの演算時間が168秒、プランCの場合の生産経路の決定までの演算時間が360秒となっており、第1実施形態に比してかなり短くなっていることが分かる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 生産経路決定装置、12 入出力インターフェース、14 メモリ、16 プロセッサ、18 初期生産経路決定部、20 負荷時間演算部、22 生産経路決定部。

Claims (13)

  1. 複数の工程を有し各前記工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインにおける、前記複数の工程を経て生産される複数種類の製品の生産経路を決定する生産経路決定装置であって、
    前記生産ラインに最初に投入する先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する初期生産経路決定部と、
    前記生産経路が未決定の未決定製品を前記生産経路が決定済みの製品の後に前記生産ラインに投入したときの、前記生産ラインに投入された製品の生産に要する時間である負荷時間の増加分を、前記未決定製品と前記生産経路との組み合わせである製品経路組み合わせ全てについて演算する負荷時間演算部と、
    演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定製品である次製品、及び、前記次製品の生産経路である次生産経路を決定する生産経路決定部と、
    を備えることを特徴とする生産経路決定装置。
  2. 前記初期生産経路決定部は、前記複数の工程のうちの最後の工程である最終工程に到達するまでの時間に基づいて前記先頭製品を決定し、当該先頭製品が前記最終工程に最も早く到達する生産経路を前記初期生産経路として決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産経路決定装置。
  3. 前記初期生産経路決定部は、複数の前記先頭製品の前記初期生産経路が互いに干渉しないように、複数の前記先頭製品の前記初期生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の生産経路決定装置。
  4. 前記複数種類の製品は、互いに異なる属性を有する製品を含み、
    前記処理ユニットが作業した製品と、当該処理ユニットが当該製品の次に作業する製品とが異なる属性の製品である場合、両製品に対する作業の間に作業切り替え時間を必要とし、
    前記負荷時間演算部は、前記作業切り替え時間を考慮して、前記負荷時間の増加分を演算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産経路決定装置。
  5. 前記生産経路決定部は、前記負荷時間の増加分が最小となる前記製品経路組み合わせである最小組み合わせが複数ある場合、前記複数の工程のうちの最後の工程である最終工程に近い工程の作業時間の増加分を重視して、前記最小組み合わせの中から、前記次製品及び前記次生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産経路決定装置。
  6. 前記生産経路決定部は、前記負荷時間の増加分が最小となる前記製品経路組み合わせである最小組み合わせが複数ある場合、前記最小組み合わせのうち、前記初期生産経路と同じ生産経路を含む前記最小組み合わせを構成する前記未決定製品及び前記生産経路を、前記次製品及び前記次製品の生産経路として決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産経路決定装置。
  7. 前記生産ラインは、前記複数種類の製品をそれぞれ複数個生産するラインであり、
    同種類の複数の製品が連続して前記生産ラインに投入され、
    前記初期生産経路決定部は、前記生産ラインに最初に投入する先頭種類の前記初期生産経路を決定し、
    前記負荷時間演算部は、前記生産経路が未決定の製品の種類である未決定種類と前記生産経路との組み合わせである種類経路組み合わせ全てについて演算し、
    前記生産経路決定部は、演算した各前記種類経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定種類である次種類、及び、前記次種類の生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産経路決定装置。
  8. 前記生産ラインにおいて、同種類の複数の製品から成るロット毎に前記生産ラインが決定され、
    前記初期生産経路決定部は、前記生産ラインに最初に投入する先頭ロットの生産経路である初期生産経路を決定し、
    前記負荷時間演算部は、前記生産経路が未決定の未決定ロットを前記生産経路が決定済みのロットの後に前記生産ラインに投入したときの、前記生産ラインに投入されたロットの生産に要する時間である負荷時間の増加分を、
    当該ロットの1個目の製品の負荷時間+(当該ロットの製品数-1)×当該生産経路のボトルネックのサイクルタイム
    によって、前記未決定ロットと前記生産経路との複数の組み合わせである複数のロット経路組み合わせについて演算し、
    前記生産経路決定部は、演算された各前記ロット経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定ロットである次ロット、及び、前記次ロットの生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産経路決定装置。
  9. 前記生産経路決定部は、演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、互いに異なる前記属性を有する複数の前記次製品、及び、前記複数の次製品の前記次生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の生産経路決定装置。
  10. 前記負荷時間演算部は、下記式(2)により、各前記製品経路組み合わせについての評価値を演算し、
    前記生産経路決定部は、演算された、各前記製品経路組み合わせについての前記評価値に基づいて、互いに異なる前記属性を有する複数の前記次製品、及び、前記複数の次製品の前記次生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の生産経路決定装置。
    評価値=負荷時間×(1+α×段取り替え回数)・・・式(2)
    式(2)におけるαは、どれだけ段取り替え回数を重視するかを調整する、段取り替え回数の重み係数である。
  11. 前記初期生産経路決定部は、互いに異なる前記属性を有する複数の前記製品である前記先頭製品の前記初期生産経路を決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の生産経路決定装置。
  12. 前記生産経路決定部は、演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて決定された、前記複数の次製品の前記次生産経路の候補である生産経路候補が互いに干渉する場合、前記負荷時間の増加分が小さい方の前記次製品の前記生産経路候補を当該次製品の前記次生産経路として決定し、前記負荷時間の増加分が大きい方の前記次製品の前記次生産経路の決定を保留する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の生産経路決定装置。
  13. 複数の工程を有し各前記工程の作業を複数の処理ユニットで並列に実施可能な生産ラインにおける、前記複数の工程を経て生産される複数種類の製品の生産経路を決定する生産経路決定プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記生産ラインに最初に投入する先頭製品の生産経路である初期生産経路を決定する初期生産経路決定部と、
    前記生産経路が未決定の未決定製品を前記生産経路が決定済みの製品の後に前記生産ラインに投入したときの、前記生産ラインに投入された製品の生産に要する時間である負荷時間の増加分を、前記未決定製品と前記生産経路との組み合わせである製品経路組み合わせ全てについて演算する負荷時間演算部と、
    演算された各前記製品経路組み合わせについての負荷時間の増加分に基づいて、次に前記生産ラインに投入する前記未決定製品である次製品、及び、前記次製品の生産経路である次生産経路を決定する生産経路決定部と、
    として機能させることを特徴とする生産経路決定プログラム。
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