JP2022135632A - 循環流動層ボイラの運転方法 - Google Patents

循環流動層ボイラの運転方法 Download PDF

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篤史 近藤
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Naoki Nishiyama
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【課題】流動媒体の凝集を抑制すると共に、珪砂等の流動媒体中に保持され系外に排出されにくい凝集抑制材を用いた循環流動層ボイラの運転方法を提供する。【解決手段】本発明に係る循環流動層ボイラの運転方法は、循環流動層ボイラ用流動材を循環流動層ボイラ内で流動させることを含む循環流動層ボイラの運転方法であって、前記循環流動層ボイラ用流動材は、珪砂を流動媒体とする循環流動層ボイラ用の凝集抑制材1~30質量%と残部の流動媒体である珪砂とからなり、前記凝集抑制材は、珪砂を流動媒体とする循環流動層ボイラ用の凝集抑制材であって、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成されていることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、循環流動層ボイラの運転方法に関する。
循環流動層ボイラでは、珪砂等の流動媒体を循環させることによって、バイオマス燃料の効率的な燃焼を図っている。しかしながら、バイオマス燃料の燃焼に伴って流動媒体同士が固着した凝集物による流動不良が発生する。ボイラを継続して運転するためには、凝集物を系外に排出するとともに、流動媒体を定期的に入れ替える等の操作が必要とされる。珪砂等の流動媒体を大量に入れ替えることは、運転コストの増加という問題を引き起こし、省資源の観点からも好ましくない。
循環流動層ボイラ内における流動媒体の凝集は、例えば、バイオマス燃料中のアルカリ成分に由来した低融点の化合物が表面に付着することによって引き起こされる。こうした流動媒体の凝集を抑制するために、凝集抑制材を加えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-71802号公報
特許文献1においては、低融点の化合物が付着したコーティング相の融点を上げるために、粒径が15μm以下のMgOを融点調整物質として含む凝集抑制材が用いられている。融点調整物質の粒径を15μm以下に設定することで、コーティング相との反応性を高め、コーティング相の融点を良好に上昇させて流動媒体の凝集を抑制する効果が発揮されるというものである。
しかしながら、特許文献1における融点調整物質として開示されているMgO粒子は、15μm以下と微細な粒子であるため、循環系からガス流に乗って排出されてしまうという問題が生じる。排出されたMgO粒子は、フィルターで捕捉して燃焼炉に戻す必要があった。
本発明の目的は、流動媒体の凝集を抑制すると共に、珪砂等の流動媒体中に保持され系外に排出されにくい凝集抑制材を用いた循環流動層ボイラの運転方法を提供することにある。
本発明に係る循環流動層ボイラの運転方法は、循環流動層ボイラ用流動材を循環流動層ボイラ内で流動させることを含む循環流動層ボイラの運転方法であって、前記循環流動層ボイラ用流動材は、珪砂を流動媒体とする循環流動層ボイラ用の凝集抑制材1~30質量%と残部の流動媒体である珪砂とからなり、前記凝集抑制材は、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る循環流動層ボイラの運転方法は、循環流動層ボイラ用流動材を循環流動層ボイラ内で流動させることを含む循環流動層ボイラの運転方法であって、前記循環流動層ボイラ用流動材は、珪砂を流動媒体とする循環流動層ボイラ用の凝集抑制材と、珪砂とを含有し、前記凝集抑制材は、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成され、前記平均粒子径D(1)と前記珪砂の平均粒子径D(2)との比(D(1)/D(2))が、0.1~3.0の範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば、流動媒体の凝集を抑制すると共に、珪砂等の流動媒体中に保持され系外に排出されにくい凝集抑制材を用いた循環流動層ボイラの運転方法を提供することができる。
本発明が適用される循環流動層ボイラの概略構成図である。 流動材の混合性の評価方法を説明する概略図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を説明する。
図1に示されるように、本発明が適用される循環流動層ボイラ1は、燃料を燃焼し、密閉容器内の水を加熱して蒸気を生成する燃焼炉3と、燃焼炉3で生じた燃焼ガス(以下、「排ガス」という)Gから流動材を分離するサイクロン分離器5と、排ガスGの熱を回収する熱回収部7と、サイクロン分離器5で排ガスGから分離された流動媒体、すなわち排ガスGから分離された流動材を燃焼炉3の下部に戻す循環ライン9等を備えている。
燃焼炉3には、珪砂を主成分とする流動媒体が収容されている。こうした燃焼炉3へ、パームヤシ殻、木質ペレット、間伐材などのバイオマス燃料が添加される。図示する例においては、バイオマス燃料とともに、所定の循環流動層ボイラ用凝集抑制材(以下、単に凝集抑制材とも称する)が添加される。凝集抑制材は、所定の酸化マグネシウム粒子から構成され、これについては追って詳細に説明する。
本明細書においては、流動媒体と凝集抑制材との混合物を流動材と称する。燃焼炉3の下部から流動材に空気が供給され、流動材が流動することで流動床Fが形成される。こうした流動床Fが燃焼炉3内に形成されることによって、バイオマス燃料の燃焼が促進される。燃焼の結果として生じる排ガスGは、流動材の一部を随伴しながら燃焼炉3内を上昇して、サイクロン分離器5に向かう。
サイクロン分離器5は、燃焼炉3に隣接して配置されており、流動材を随伴して燃焼炉3から排出された排ガスGを受け入れる。遠心分離作用によって排ガスGと流動材とを分離して、流動材を燃焼炉3に戻し、排ガスGを熱回収部7に送り込む。熱回収部7は、循環系の系外に設けられ、過熱器などの熱交換チューブ等が配置されている。熱回収部7の後段には、排ガスG中の灰分を捕捉する捕捉するフィルター12が設けられている。
サイクロン分離器5には、循環ライン9が接続されている。循環ライン9は、燃焼炉3の下部に接続された管路からなり、循環ライン9上には熱交換器9aが設けられている。熱交換器9a内には、サイクロン分離器5から送り込まれた流動材が蓄積され、流動材は熱交換器9aの出口のリターンシュート部9bから燃焼炉3内に投入される。
また、循環流動層ボイラ1は、熱交換器9a内に凝集抑制材を供給するための凝集抑制材供給部11を備えることができるが、この凝集抑制材供給部11は必ずしも必須ではない。凝集抑制材供給部11から熱交換器9a内に凝集抑制材を供給した場合には、熱交換器9a内での珪砂の凝集による流動不良を、よりいっそう効果的に抑えることができる。
バイオマス燃料の燃焼により燃焼炉3内で生じる珪砂の凝集物は、ボトムアッシュと称される。ボトムアッシュは、流動媒体である珪砂を種としてバイオマス燃料中の成分が凝縮、融体、凝集して付着して形成される。あるいは、珪砂表面の化学反応によって形成される場合もある。
本発明においては、所定の酸化マグネシウム粒子から構成された凝集抑制材が用いられるので、流動媒体としての珪砂との均一な混合状態が保たれた流動材を構成することができる。こうした凝集抑制材は、流動媒体の凝集を抑制するのに加え、系外に排出されにくいという効果も得られる。
本発明で用いられる凝集抑制材は、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成される。酸化マグネシウム粒子とは、後述するような酸化マグネシウム焼結体及び電融酸化マグネシウムであって、粒度を所定範囲に調整したものをさす。
酸化マグネシウム粒子の平均粒子径D(1)は、レーザー回折散乱法により求めることができる。平均粒子径D(1)が15μm以下の酸化マグネシウム粒子は、ガス流に乗って系外に排出され易く、流動媒体内に保持することが困難である。一方、平均粒子径D(1)が2mmを超えた酸化マグネシウム粒子は、流動層下部に偏析するのに加え、珪砂と接する面積が小さいため凝集抑制効果が小さくなる。酸化マグネシウム粒子の平均粒子径D(1)は、好ましくは30μm~1.5mmであり、より好ましくは0.1mm~1mmである。
酸化マグネシウム粒子におけるMgO含有量は、90%以上であることが好ましい。MgO含有量が90%以上であれば、十分な凝集抑制効果を発揮する。なお、MgO含有量は、92%以上であることがより好ましく、95%以上であることが最も好ましい。
また、酸化マグネシウム粒子の嵩密度は、1.5g/cm3以上であることが好ましい。嵩密度が1.5g/cm3未満の場合には、所望の効果を得ることが困難となる。なお、嵩密度は1.5~3.58g/cm3であることがより好ましく、2.0~3.58g/cm3であることが最も好ましい。嵩密度は、ワードン型比重瓶を使用し、ケロシンを溶媒とした比重瓶法(JIS-K-0061 8.2.2)により求めることができる。
酸化マグネシウムのBET比表面積は、1m/g以下であることが望ましい。BET比表面積が1m/gを超える場合は、MgO結晶粒子の成長が不十分であるため、外力により壊れやすく、流動層内で所定の粒径を保つことが難しくなる。BET比表面積は、0.1m/g以下が好ましい。
また、BET比表面積から計算による球に換算したBET換算粒子径と酸化マグネシウム粒子の平均粒子径との比(平均粒子径/BET換算粒子径)は、10以下が好ましく、5以下が更に好ましい。
本発明で用いられる凝集抑制材は、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム原料を準備し、その粒度を所定範囲に調整して製造することができる。酸化マグネシウム原料としては、酸化マグネシウム焼結体及び電融酸化マグネシウムが挙げられる。
酸化マグネシウム焼結体は、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩を焼結することによって製造することができる。水酸化マグネシウムとしては、海水中のマグネシウム塩と水酸化カルシウムとの反応により得られた沈殿物などを使用することができる。また、炭酸マグネシウムとしては、マグネサイト鉱石などを使用することができる。
水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムの焼結条件は特に制限されず、一般的な条件で焼結することができる。例えば、温度は1200℃以上、好ましくは1300~2800℃、より好ましくは1400~2400℃の範囲内であり、時間は10分間~10時間の範囲内である。焼結後には、必要に応じて粉砕及び/又は分級により粒度を調整してもよい。
電融酸化マグネシウムは、例えば軽焼酸化マグネシウム、硬焼酸化マグネシウム、マグネシアクリンカーを電融して製造することができる。こうして得られた酸化マグネシウム熔融固化物を、そのまま電融酸化マグネシウムとして用いることができる。必要に応じて、粉砕処理した後、篩やエアセパレーターなどの通常の分級により、粒度を調整してもよい。また、水酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物を原料として用いて、同様の方法により電融酸化マグネシウムを製造することもできる。
電融酸化マグネシウムの製造原料としての水酸化マグネシウムは、例えば海水又はマグネシウム塩を含む苦汁やブラインに消石灰を加えて水酸化マグネシウムを析出させ、これを乾燥して得ることができる。炭酸マグネシウムの例としては、天然のマグネサイトを挙げることができる。
酸化マグネシウム粒子は、上述したような酸化マグネシウム焼結体の焼結初期に生じる多孔質な焼結体であってもよい。当該多孔質の焼結体とは、焼成により水酸化マグネシウム等マグネシウム塩の形骸が崩壊した後に、粒子相互の融着が始まった状態であって、形骸の細孔は無くなっているが粒成長が進んでいない状態にあり、未だ粒子間の空隙が開気孔として多数残存しているものを言う。
上述したような酸化マグネシウム原料を準備する一方で、流動媒体としての珪砂の平均粒子径D(2)を測定する。珪砂の平均粒子径D(2)は、例えば、レーザー回折散乱法により測定することができる。
次いで、酸化マグネシウム原料を粉砕及び/又は分級して、下記数式(1)及び数式(2)を満たすD(1)となるように平均粒子径を調整する。
15μm<D(1)≦2mm 数式(1)
0.1D(2)≦D(1)≦3D(2) 数式(2)
このようにして、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成された凝集抑制材が得られる。本発明で用いられる凝集抑制材は、循環流動層ボイラで流動媒体として用いられる珪砂と良好な混合状態を保持し、珪砂の凝集を抑制することができる。
凝集抑制材は、図1を参照して説明したように、流動媒体としての珪砂が収容されている燃焼炉3に、バイオマス燃料とともに添加することができる。さらに、二次燃焼空気吹込み箇所付近、火炉(燃焼炉、焼成炉)の上部、サイクロン、流動砂循環経路等から投入してもよい。珪砂と凝集抑制材との混合物からなる流動材において、1~30質量%を凝集抑制材が占めていれば所望の効果が発揮される。30質量%を超えても、さらなる効果の向上は見込めないうえ、経済的にも望ましくない。すなわち、珪砂は流動材の70~99質量%である。凝集抑制材は、流動材の2~30質量%であることがより好ましく、2~15質量%であることが最も好ましい。
上述したように、本発明で用いられる凝集抑制材は、平均粒子径D(1)が所定の範囲内に規定される。具体的には、凝集抑制材の平均粒子径D(1)は、珪砂の平均粒子径D(2)の0.1倍以上3倍以下である。したがって、前述の凝集抑制材と珪砂とを含有する循環流動層ボイラ用流動材においては、凝集抑制材の平均粒子径D(1)と珪砂の平均粒子径D(2)との比(D(1)/D(2))は0.1~3.0の範囲内である。
凝集抑制材と珪砂とを所定の割合で混合して流動材を調製し、これを燃焼炉3に収容しておくこともできる。珪砂と酸化マグネシウム粒子とが接触することで、珪砂の凝集を引き起こす低融点化合物の生成を抑制することができる。しかも、本発明において凝集抑制材として用いられる酸化マグネシウム粒子は、気流で飛散し難く流動層内に保持されるので、効果を持続できることが予測される。
このため、上述の流動材を用いることにより、循環流動層ボイラ内の流動媒体の凝集を抑制するという効果が得られる。流動材は、珪砂と凝集抑制材を予め混合して投入してもよいし、流動床に凝集抑制材を適宜補充しながら運転してもよい。また、凝集抑制材は、図1に示した凝集抑制材供給部11から投入あるいは追加投入することができる。
以下に本発明の具体例を示すが、これらは本発明を限定するものではない。
流動媒体としての珪砂6号に凝集抑制材を配合して流動材を製造し、混合性及び凝集抑制効果を調べた。ここで用いる珪砂6号(JIS G 5901:1954版に準拠)は、平均粒子径(D(2))が340.1μmであり、嵩密度が2.57g/cm3である。
平均粒子径は、レーザー回折散乱法にて溶媒に水を用いて測定した。(マイクロトラック・ベル株式会社製 マイクロトラックMT3000II)
嵩密度は、ワードン型比重瓶を使用し、ケロシンを溶媒とした比重瓶法(JIS-K-0061 8.2.2)により求めた。
実施例の凝集抑制材は、マグネシアクリンカー(UBE99HD -1mm 宇部マテリアルズ(株)製)であり、BET比表面積は0.1m2/g以下である。比較例の凝集抑制材は、か焼マグネシア(UC95S 宇部マテリアルズ(株)製)であり、BET比表面積は9.5m2/gである。それぞれの平均粒子径、BET比表面積及び嵩密度を、組成とともに下記表にまとめる。平均粒子径及び嵩密度は、上述と同様の手法により求めた。
BET比表面積はBET1点法により測定した。(カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン社製 モノソーブ)
Figure 2022135632000001
<混合性評価>
実施例及び比較例の凝集抑制材2.5gを、それぞれ47.5gの珪砂6号と均一に混合して、実施例及び比較例の流動材を製造した。得られた流動材における凝集抑制材の割合は、いずれも5質量%である。流動材における平均粒子径の比(D(1)/D(2))は、実施例の流動材では0.93、比較例の流動材では0.0094と算出される。
混合性の評価には、図2に示す円筒状のポリエチレン製容器20(直径φ30mm)を用いた。ポリエチレン製容器20内に流動材を投入して流動材層22とし、ポリエチレン製容器20の底部から、流動材層22に対して空気を10L/minの流量で3分間通気した。
通気を完了した後、流動材層22を鉛直方向に5分割して、上部20(U)、中部20(M)、下部20(L)3カ所の流動材をサンプリングして試料を得た。各試料における化学成分を測定して凝集抑制材の質量に換算し、上部、中部、下部の、それぞれの部分の凝集抑制材が全量に占める割合を算出した。
その結果を、下記表にまとめる。
Figure 2022135632000002
上記表に示されるように、実施例の流動材における凝集抑制材の割合は、サンプリング場所によらず、33.85±1.55(質量%)の範囲内である。実施例の凝集抑制材は、珪砂と良好に混合されていることがわかる。実施例の流動材には、所定の条件を備えた酸化マグネシウム粒子が凝集抑制材として含有され、実施例の流動材における平均粒子径の比(D(1)/D(2))は所定範囲内である。これによって、良好な混合状態が保持されていたものと推測される。
一方、比較例の流動材においては、上部の凝集抑制材の割合が70.0質量%と多いのに対し、下部の凝集抑制材の割合は13.3質量%と小さくなっており、通気により凝集抑制材が流動層の上部に移動することが示された。そのため、比較例では運転の時間経過と共に凝集抑制材と珪砂とが分離し、混合不良となって凝集抑制効果が低下すると共に、上部に濃集した凝集抑制材は気流に乗って循環系外に排出されることが確認された。比較例の流動材に含有されているのは、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子ではない。しかも、平均粒子径D(1)が3.2μmと小さいため、混合性が不良であった。
<凝集防止効果>
流動材として上述の珪砂6号と凝集抑制材(マグネシアクリンカー:U99HD -1mm 宇部マテリアルズ(株)製)とを、流動材における凝集抑制材の割合が5質量%となるように混合したものを、循環流動層ボイラに投入して運転した。珪砂の融着により発生した凝集物(+3mm篩分品)の質量は、凝集抑制材を添加せずに珪砂6号のみを用いて循環流動層ボイラを同様に運転した場合の36%であり、約1/3に減少した。
実施例の流動材には、所定の条件を備えた酸化マグネシウム粒子が凝集抑制材として含有されている。上記表1に示したようにMgO純度が高いので、優れた凝集抑制効果が発揮されたものと推測される。
所定の凝集抑制材を用いることによって、凝集物の発生量を減少させることが確認された。本発明により、循環流動層ボイラの運転効率の向上、流動媒体としての珪砂の購入費用の削減、凝集物(ボトムアッシュ)の廃棄費用の削減といった効果が期待される。
1…循環流動層ボイラ 3…燃焼炉 5…サイクロン分離器 7…熱回収部
9…循環ライン 9a…熱交換器 9b…リターンシュート部
11…凝集抑制材供給部 12…フィルター F…流動床 G…排ガス
20…ポリエチレン製容器 20(U)…上部 20(M)…中部
20(L)…底部 22…流動材層

Claims (4)

  1. 循環流動層ボイラ用流動材を循環流動層ボイラ内で流動させることを含む循環流動層ボイラの運転方法であって、
    前記循環流動層ボイラ用流動材は、珪砂を流動媒体とする循環流動層ボイラ用の凝集抑制材1~30質量%と残部の流動媒体である珪砂とからなり、
    前記凝集抑制材は、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成されていることを特徴とする循環流動層ボイラの運転方法。
  2. 循環流動層ボイラ用流動材を循環流動層ボイラ内で流動させることを含む循環流動層ボイラの運転方法であって、
    前記循環流動層ボイラ用流動材は、珪砂を流動媒体とする循環流動層ボイラ用の凝集抑制材と、珪砂とを含有し、
    前記凝集抑制材は、平均粒子径D(1)が15μmを超え2mm以下、BET比表面積が1m2/g以下の酸化マグネシウム粒子から構成され、
    前記平均粒子径D(1)と前記珪砂の平均粒子径D(2)との比(D(1)/D(2))が、0.1~3.0の範囲内であることを特徴とする循環流動層ボイラの運転方法。
  3. 凝集抑制材のMgO含有量が90%以上である請求項1又は2記載の循環流動層ボイラの運転方法。
  4. 凝集抑制材の嵩密度が1.5g/cm3以上である請求項1~3のいずかに記載の循環流動層ボイラの運転方法。
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