JP2022135569A - ブラシレスモータの制御装置及び電気機器 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置及び電気機器 Download PDF

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Abstract

【課題】ベクトル制御を用いてブラシレスモータをより効率的に制御することが可能なブラシレスモータの制御装置及びそれを備えた電気機器を提供する。【解決手段】ベクトル制御によりブラシレスモータを駆動する制御装置であって、ベクトル制御の1周期の前半と後半で、ベクトル制御のパラメータを変更する。各相の電流は、スイッチング素子Q4~Q6が共にオンのときに行う。各相の電流に基づき、前半と後半のパラメータを決定する。パラメータの変更は、スイッチング素子Q1~Q3が共にオフのとき、及びスイッチング素子Q4~Q6が共にオフのときに行う。【選択図】図14

Description

本発明は、ブラシレスモータの制御装置及びそれを備えた電気機器に関する。
電気機器、例えば電動工具の駆動源として、ブラシレスモータが用いられる。ブラシレスモータの制御方法として、ベクトル制御が知られている。
特開2005-102371号公報
本発明は、ベクトル制御を用いてブラシレスモータをより効果的に制御することが可能なブラシレスモータの制御装置及びそれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、ブラシレスモータの制御装置である。この装置は、
ロータと、複数のステータコイルを有するステータと、を備えたブラシレスモータと、
複数の上側及び下側スイッチング素子を有し、前記複数のステータコイルに複数相の出力電圧を出力する駆動回路と、
前記複数の上側スイッチング素子を共にオフするか又は前記複数の下側スイッチング素子を共にオフする第1状態と、前記第1状態とは異なる状態である第2状態とを、所定の周期で交互に繰り返すよう前記駆動回路を制御するとともに、前記ロータの位置に応じて前記複数相の出力電圧の各々のデューティ比を設定するベクトル制御を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記所定の周期の1周期において、前記複数相の出力電圧のうち少なくとも1相の出力電圧のデューティ比の設定を複数回実行するよう構成された、ことを特徴とする。
この態様によれば、制御パラメータの変更タイミングが増えるため、ブラシレスモータをより効果的に制御することができる。
前記ブラシレスモータの制御装置は、前記制御部に接続されて前記ロータの位置に関する情報であるロータ位置情報を検出するよう構成されたロータ位置検出部を有し、
前記制御部は、前記第1状態において、前記ロータ位置検出部によって検出された前記ロータ位置情報に基づいて、前記ロータの位置を特定するとともに、特定された前記ロータの位置に応じて、前記複数相の出力電圧のデューティ比をそれぞれ設定するよう構成されてもよい。
前記制御部は、前記所定の周期の1周期における前半と後半で前記デューティ比が異なるように前記パルス幅変調を実行してもよい。
前記制御部は、前記複数相の出力電圧のデューティ比を、前記第1状態と、前記第2状態と、の双方において変更してもよい。
前記所定の周期の1周期を前記1周期の中心で二分割した場合、前記複数の上側又は下側スイッチング素子のいずれかのオン時間又はオフ時間が前記中心に対して非対称であってもよい。
前記所定の周期の1周期を前記1周期の中心で二分割した場合、前記複数の上側又は下側スイッチング素子のうちいずれかのスイッチング素子がオン状態とオフ状態の一方から他方に切り替わるタイミングから前記中心までの時間が、前記中心から前記いずれかのスイッチング素子がオン状態とオフ状態の他方から一方に切り替わるタイミングまでの時間と異なってもよい。
前記制御部は、前記第1状態のときに特定した前記ロータの位置を基に、前記第1状態の後の最初の前記第2状態における、前記デューティ比を決定してもよい。
本発明の別の態様は、前記ブラシレスモータの制御装置と、前記ブラシレスモータの制御装置により駆動される出力部と、を備える、ことを特徴とする、電気機器である。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ベクトル制御を用いてブラシレスモータをより効果的に制御することが可能なブラシレスモータの制御装置及びそれを備えた電気機器を提供できる。
本発明の実施の形態に係る電気機器1の平面図。 電気機器1の側断面図。 図2のブラシレスモータ6を、ステータコイル3hを省略した状態で軸方向から見た図。 ブラシレスモータ6のステータを軸方向から見た図。 ブラシレスモータ6の制御装置40の回路ブロック図。 ベクトル制御におけるdq座標系の定義を示す模式図。 dq座標系における電流ベクトルIdqの一例とその電流位相角βの説明図。 (A)は、U、V、Wの各相の電流ベクトルIu、Iv、Iwの一例とそれらを合成した電流ベクトルIuvwを示す図。(B)は、電流ベクトルIdq(=Iuvw)及びそのd成分とq成分である電流ベクトルId、Iqを示す図。 ベクトル制御におけるスイッチング素子Q1~Q6のオンオフの組合せのパターン1~6及びそれぞれにおける出力電圧ベクトルの説明図。 ベクトル制御におけるスイッチング素子Q1~Q6のオンオフの組合せのパターン7~8及びそれぞれにおける出力電圧ベクトルの説明図。 (A)は、ベクトル制御における目的電圧ベクトル及びその合成方法の一例を示す説明図。(B)は、当該目的電圧ベクトルを生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャート。 (A)は、比較例のベクトル制御におけるロータ位置R1、R2と出力電圧ベクトルV1、V2の説明図。(B)は、実施の形態のベクトル制御におけるロータ位置R1、R2と出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2bの説明図。 (A)は、比較例のベクトル制御における出力電圧ベクトルV1の成分図。(B)は、比較例のベクトル制御における出力電圧ベクトルV2の成分図。(C)は、出力電圧ベクトルV1、V2を生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャート。 (A)は、実施の形態のベクトル制御における出力電圧ベクトルV1aの成分図。(B)は、実施の形態のベクトル制御における出力電圧ベクトルV1bの成分図。(C)は、実施の形態のベクトル制御における出力電圧ベクトルV2aの成分図。(D)は、実施の形態のベクトル制御における出力電圧ベクトルV2bの成分図。(E)は、出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2bを生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャート。 (A)は、比較例のベクトル制御における、ロータの電気角での1周分に対応する出力電圧ベクトルV1~V6の説明図。(B)は、出力電圧ベクトルV1~V6を生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャート。 (A)は、実施の形態のベクトル制御における、ロータの電気角での1周分に対応する出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2b、・・・V6a、V6bの説明図。(B)は、出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2b、・・・V6a、V6bを生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャート。 図15(B)及び図16(B)のタイムチャートを相ごとに並べた比較図。 実施の形態のベクトル制御の概略フローチャート。
以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示である。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本実施の形態は、電気機器1に関する。図1により、電気機器1における互いに直交する前後、上下、左右方向を定義する。電気機器1は、電動工具の一例であるAC駆動のグラインダ(ディスクグラインダ)であり、外部の交流電源60(図5)からの供給電力で動作する。電気機器1は、回転具としての砥石2を備え、研削作業や切断作業等に用いられる。電気機器1は、ハウジング3と、ギヤケース4と、を備える。
ハウジング3は、全体として略円筒形状を成す例えば樹脂成形体である。ハウジング3の後端部から、交流電源60(図5)に接続するための電源コード62が延びる。ギヤケース4は、例えばアルミ合金等の金属製のケース本体10と、ケース本体10の開口部を塞ぐパッキングランド11と、を有する。ケース本体10は、ハウジング3の前端部に取り付けられる。
電気機器1は、ハウジング3の内部に、ブラシレスモータ6及びファン8を備える。ファン8は、ブラシレスモータ6等の冷却用であって、ブラシレスモータ6の出力軸6aに設けられ、出力軸6aと一体に回転する。ファン8は、ブラシレスモータ6の前方に位置する。出力軸6aの前端部に、第1ベベルギヤ21が設けられる。
ギヤケース4の内部には、2つの軸受(ニードルベアリング12及びボールベアリング13)が設けられ、これら軸受によってスピンドル20が回転自在に保持される。スピンドル20は、ブラシレスモータ6の出力軸6aと直交する。スピンドル20の一端は、パッキングランド11を貫通して外部に突出する。スピンドル20の他端は、ギヤケース4内に位置する。
スピンドル20の他端には第2ベベルギヤ22が設けられる。第2ベベルギヤ22は、第1ベベルギヤ21と噛み合う。ブラシレスモータ6の回転は、第1ベベルギヤ21及び第2ベベルギヤ22によって回転方向が90度変換されるとともに、回転速度が減速されてスピンドル20に伝達される。すなわち、スピンドル20はブラシレスモータ6によって回転駆動される。
砥石2は、ホイルワッシャ及びロックナットによってスピンドル20に固定され、スピンドル20と一体的に回転する。ホイルガード14は、パッキングランド11に取り付けられて砥石2の約半分を覆い、研削作業時に発生する切削粉や火花等の飛散を防止する。スピンドル20及び砥石2は、出力部の例示である。
電気機器1は、ブラシレスモータ6の駆動、停止をユーザが指示するためのスイッチ5を備える。スイッチ5は、ハウジング3の左部側面に露出する。ユーザがスイッチ5を操作すると、交流電源60(図3)からブラシレスモータ6に電力が供給され、ブラシレスモータ6の出力軸6aが回転する。出力軸6aの回転により、第1ベベルギヤ21及び第2ベベルギヤ22によって出力軸6aに連結されているスピンドル20が回転し、スピンドル20に固定されている砥石2が回転する。
電気機器1は、ハウジング3内に、基板9を備える。基板9は、ブラシレスモータ6の後方に位置する。基板9は、後述のインバータ回路42(図5)を成す複数のスイッチング素子15を搭載する。複数のスイッチング素子15は、図5に示すスイッチング素子Q1~Q6に対応する。基板9は、図5に示す制御装置40のうちブラシレスモータ6を除く各部材を搭載する。
ブラシレスモータ6は、出力軸6aの周囲に設けられて出力軸6aと一体に回転するロータコア6b、ロータコア6bに挿入保持された複数のロータマグネット(永久磁石)6c、ロータコア6bの外周を囲むように設けられたステータコア6e、及び、ステータコア6eに設けられた複数のステータコイル6hを含む。ロータコア6bとロータマグネット6cは、ブラシレスモータ6のロータ(回転子)を構成する。ステータコア6eとステータコイル6hは、ブラシレスモータ6のステータ(固定子)を構成する。ブラシレスモータ6は、ここでは4極6スロット構成であり、ロータマグネット6cは4個、ステータコイル6hは6個である。
ステータコア6eは、図3に示すように、円筒状(環状)のヨーク部6fと、ヨーク部6fから径方向内側に突出する複数の突極部(ティース部)6gと、を含む。各突極部6gに、ステータコイル6hが設けられる。図4に示すように、ステータコイル6hは、U相コイルU1、U2、V相コイルV1、V2、及びW相コイルW1、W2を有する。ステータコイル6hは、ブラシレスモータ6の軸周り方向において、V相コイルV2、U相コイルU1、W相コイルW2、V相コイルV1、U相コイルU2、W相コイルW1の順に設けられている。各相のステータコイル6hは、図5に示すようにY結線(スター結線)される。
図5は、ブラシレスモータ6を制御する制御装置40の回路ブロック図である。図5では、ブラシレスモータ6の各相に2つずつ存在するステータコイル6hを簡略的に1つで示している。制御装置40は、制御部41、駆動回路としてのインバータ回路42、電圧検出回路43、増幅回路44、及び整流回路61を有する。
整流回路61は、例えばダイオードブリッジ及び平滑コンデンサを含み、交流電源60から供給される交流を直流に変換する。電圧検出回路43は、整流回路61の出力電圧(インバータ回路42の入力側の電圧)を検出し、制御部41に送信する。インバータ回路42は、整流回路61の出力する直流電力を、ブラシレスモータ6の駆動電力に変換し、ブラシレスモータ6に供給する。インバータ回路42は、三相ブリッジ接続されたスイッチング素子Q1~Q6を含む。スイッチング素子Q1~Q3は上側スイッチング素子であり、スイッチング素子Q4~Q6は下側スイッチング素子である。
スイッチング素子Q1、Q4は、U相コイルの一端に接続される。スイッチング素子Q1はU相上側スイッチング素子であり、スイッチング素子Q4はU相下側スイッチング素子である。スイッチング素子Q2、Q5は、V相コイルの一端に接続される。スイッチング素子Q2はV相上側スイッチング素子であり、スイッチング素子Q5はV相下側スイッチング素子である。スイッチング素子Q3、Q6は、W相コイルの一端に接続される。スイッチング素子Q3はW相上側スイッチング素子であり、スイッチング素子Q6はW相下側スイッチング素子である。
シャント抵抗Ru、Rv、Rwは、電流検出部の例示であり、それぞれU、V、Wの各相のステータコイル6hに流れる電流(各相の電流)の経路の低電位側に設けられ、各相の電流を電圧に変換する。増幅回路44は、シャント抵抗Ru、Rv、Rwの各両端の電圧を増幅し、U、V、Wの各相の電流検出信号として制御部41に送信する。
制御部41は、例えばマイクロコントローラであり、ユーザによるスイッチ5の操作に応じて、整流回路61の出力電圧及び各相の電流を監視しながら、インバータ回路42の制御、すなわちスイッチング素子Q1~Q6のオンオフの制御を通じて、ブラシレスモータ6の駆動を制御する。制御部41は、ブラシレスモータ6のロータ回転位置及び角速度を、インバータ回路42の入力側の電圧と各相の電流に基づき、センサレスで検出する。制御部41によるブラシレスモータ6の駆動制御は、ベクトル制御である。ベクトル制御は、空間ベクトルパルス幅変調(SVPWM:Space Vector Pulse Width Modulation)とも呼ばれる。
図6は、ベクトル制御におけるdq座標系の定義を示す模式図である。図7は、dq座標系における電流ベクトルIdqの一例とその電流位相角βの説明図である。なお、ベクトル制御の説明には電気角を用いる。ブラシレスモータ6は4極6スロット構成のため、ブラシレスモータ6の機械角180度は電気角360度に対応する。図6では、ブラシレスモータ6の機械角180度分の構成を360度に展開した模式図で示している。図6におけるブラシレスモータ6の1周(電気角360度分の回転)は、ブラシレスモータ6の機械的な半周(機械角180度)に対応する。
ブラシレスモータ6は、ロータマグネット6cが作る磁束の方向をd軸、それと磁気的に直交する方向をq軸としたdq座標系(図6)における、電流ベクトルIdqの方向(図7に示す電流位相角β)によって、トルクや回転数の特性が変化する。トルクや回転数の特性が適切になるように電流ベクトルIdqを制御することができれば、ブラシレスモータ6を高効率で駆動することが可能となる。ベクトル制御は、電流ベクトルIdqを制御することである。
dq座標系における電流ベクトルIdqは、図8(A)に示す、インバータ回路42のU、V、Wの各相のステータコイル6hの中心軸(u軸、v軸、w軸)を三軸とするuvw座標系上で各相の電流ベクトルIu、Iv、Iwを合成した電流ベクトルIuvwを、図8(B)に示すようにdq座標系へ変換した電流ベクトルを指す。このため、ベクトル制御を行うためには、U、V、Wの各相の電流の制御が必要である。U、V、Wの各相の電流を制御するには、uvw座標系上で任意方向の電圧ベクトルをブラシレスモータ6(ステータコイル6h)に印加できるように、インバータ回路42(スイッチング素子Q1~Q6)のスイッチング制御を行う必要がある。
インバータ回路42の通電パターンには、図9(A)~(F)及び図10(A)~(B)に示すように、U、V、Wの各相の上側(ハイサイド)、下側(ローサイド)のどちらのスイッチング素子を通電させるかによって、8つの通電パターンが存在する。図9(A),(B)では、最終的な電圧ベクトルの元になった各相の電圧成分を併せて示している。
図9(A)に示す通電パターン1では、スイッチング素子Q1、Q5、Q6がオンで、それ以外はオフである。この場合、各相の電圧ベクトルを合成するとU軸のプラス方向(U方向)を向いた電圧ベクトルが得られる。
図9(B)に示す通電パターン2では、スイッチング素子Q1、Q2、Q6がオンで、それ以外はオフである。この場合、各相の電圧ベクトルを合成するとW軸のマイナス方向(W-方向)を向いた電圧ベクトルが得られる。
図9(C)に示す通電パターン3では、スイッチング素子Q2、Q4、Q6がオンで、それ以外はオフである。この場合、各相の電圧ベクトルを合成するとV軸のプラス方向(V方向)を向いた電圧ベクトルが得られる。
図9(D)に示す通電パターン4では、スイッチング素子Q2、Q3、Q4がオンで、それ以外はオフである。この場合、各相の電圧ベクトルを合成するとU軸のマイナス方向(U-方向)を向いた電圧ベクトルが得られる。
図9(E)に示す通電パターン5では、スイッチング素子Q3、Q4、Q5がオンで、それ以外はオフである。この場合、各相の電圧ベクトルを合成するとW軸のプラス方向(W方向)を向いた電圧ベクトルが得られる。
図9(F)に示す通電パターン6では、スイッチング素子Q1、Q3、Q5がオンで、それ以外はオフである。この場合、各相の電圧ベクトルを合成するとV軸のマイナス方向(V-方向)を向いた電圧ベクトルが得られる。
このように、通電パターン1~6では、60度間隔で向きが異なる電圧ベクトルがブラシレスモータ6(ステータコイル6h)に印加される。
図10(A)に示す通電パターン7では、下側のスイッチング素子Q4、Q5、Q6がオンで、それ以外はオフである。図10(B)に示す通電パターン8では、上側のスイッチング素子Q1、Q2、Q3がオンで、それ以外はオフである。通電パターン7、8では、0ベクトルがブラシレスモータ6(ステータコイル6h)に印加される。通電パターン7、8の一方が第1状態、他方が第2状態に対応する。
以下、通電パターン1~8の各々による電圧ベクトルを「基底ベクトル」と呼ぶ。単一の通電パターンで印加できる電圧ベクトルは基底ベクトルの方向に限られるため、任意方向の電圧ベクトルを印加するには、2つ以上の基底ベクトルを合成して出力する必要がある。
図11(A)は、基底ベクトルの合成による目的電圧ベクトルの生成方法の一例を示す。この例では、目的電圧ベクトルは、U方向の基底ベクトル(通電パターン1)、W-方向の基底ベクトル(通電パターン2)、及び0ベクトルの基底ベクトル(通電パターン7、8)に分解できる。このため、インバータ回路42の通電パターン1、2、7、8を、それぞれの基底ベクトルの長さの割合に応じた時間(t1、t2、t7、t8)だけ持続すれば、目的電圧ベクトルを出力することができる。0ベクトルの基底ベクトルは、電圧ベクトルの絶対値(長さ)の調整のために必要となる。
図11(B)は、図11(A)に示す目的電圧ベクトルを生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャートである。ベクトル制御においては、図11(B)の左端の時点(すなわち1回目の通電パターン7の時点)において、U、V、Wの各相の電流を検出してロータ位置及びロータ角速度を特定する。そして特定されたロータ位置及びロータ角速度に応じて、ブラシレスモータ6(ステータコイル6h)に印加すべき電圧ベクトルを設定する。電圧ベクトルは、U、V、Wの各相に印加される電圧をそれぞれパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)することにより設定される。そして図11(B)の右端の時点(すなわち2回目の通電パターン7の時点)において、再びU、V、Wの各相の電流を検出してロータ位置及びロータ角速度を特定し、特定されたロータ位置及びロータ角速度に応じて、ブラシレスモータ6(ステータコイル6h)に印加すべき電圧ベクトルを設定しなおす。よって、図11(B)の左端の時点から図11(B)の右端の時点までがパルス幅変調(PWM)の1周期であり、空間ベクトルパルス幅変調(SVPWM)の1周期となる。U、V、Wの各相をPWMで駆動する場合、図11(B)のようにPWMの1周期内の各通電パターンの時間の比率がt1:t2:t7:t8となるように各相のデューティ比を設定すれば、図11(A)に示す目的電圧ベクトルを出力できる。SVPWMでは、このようにして任意の目的電圧ベクトルを出力する。
図12(A)は、比較例のベクトル制御におけるロータ位置R1、R2と出力電圧ベクトルV1、V2の説明図である。図13(A),(B)は、出力電圧ベクトルV1、V2の成分図である。図13(C)は、出力電圧ベクトルV1、V2を生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャートである。
比較例のベクトル制御では、ある周期の最初におけるロータ位置R1及びロータ角速度に適した出力電圧ベクトルV1を、当該周期の間、印加し続ける。そして次の周期では、当該次の周期の最初におけるロータ位置R2及びロータ角速度に適した出力電圧ベクトルV2を、当該周期の間、印加し続ける。ロータ位置は、周期の最初に検出したインバータ回路42の入力側の電圧と各相の電流からセンサレスで検出する。
比較例のベクトル制御において出力電圧ベクトルは、図13(C)に示すように、PWMによるスイッチング素子Q1~Q6のオンオフの波形(オン時間又はオフ時間の長さと時間的な位置)が1周期の中心、すなわち各相の電流を検出してから次に各相の電流を検出するまでの検出間隔の中心に対して対称となる制御(以下「対称制御」)により生成する。対称制御では、PWMの1周期(ベクトル制御の1周期)に出力できる電圧ベクトルは1方向に限定される。対称制御では、PWMの1周期の中心を挟んだ前半と後半で、ベクトル制御のパラメータが同じである。ベクトル制御のパラメータは、各通電パターン、すなわちスイッチング素子Q1~Q6のオンオフの組み合わせの各々に対する時間配分(各相のデューティ比)を含む。
比較例のベクトル制御には、次の課題がある。すなわち、ロータ位置は周期の中でも常に変化するため、周期の最初に決めた出力電圧が、周期の後半では適切ではなくなっている可能性がある。具体的には、ロータ位置に対する電圧ベクトルの角度が周期の後半において最適値からのずれが大きくなる可能性がある。電圧ベクトルの最適値に対する角度ずれは、電流脈動を引き起こし、トルク脈動とそれによる振動の要因となる。ここで、周期を一定とすれば、高速回転になるほど、周期の中でのロータ位置の変化も大きくなり、こうした課題が顕著となる。例えば周期を0.1ms(周波数を10kHz)とした場合においてロータ回転数が30,000rpmのとき、ロータは機械角で約18度(電気角で約36度)回転する。
図12(B)は、本実施の形態のベクトル制御におけるロータ位置R1、R2と出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2bの説明図である。図14(A)~(D)は、出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2bの成分図である。図14(E)は、出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2bを生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャートである。本実施の形態のベクトル制御においても、周期の最初に検出したインバータ回路42の入力側の電圧と各相の電流からロータ位置をセンサレスで検出する点は、前述の比較例と同じである。
本実施の形態のベクトル制御では、ある周期の最初におけるロータ位置R1及びロータ角速度に適した出力電圧ベクトルV1aを当該周期の前半に印加し、当該周期の後半では出力電圧ベクトルV1bを印加する。出力電圧ベクトルV1bは、出力電圧ベクトルV1aに対して「ロータの角速度×PWMの半周期の時間」の角度だけ位相が進んだ電圧ベクトルである。すなわち、出力電圧ベクトルV1bを導出するために各相の電流を別途検出してロータ位置を導出することはない。
そして次の周期では、当該次の周期の最初におけるロータ位置R2及びロータ角速度に適した出力電圧ベクトルV2aを当該次の周期の前半に印加し、当該次の周期の後半では出力電圧ベクトルV2bを印加する。出力電圧ベクトルV2bは、出力電圧ベクトルV1bと同様に、出力電圧ベクトルV2aに対して「ロータの角速度×PWMの半周期の時間」の角度だけ位相が進んだ電圧ベクトルである。
本実施の形態のベクトル制御において出力電圧ベクトルは、図14(E)に示すように、PWMによるスイッチング素子Q1~Q6の少なくともいずれかのオンオフの波形(オン時間又はオフ時間の長さと時間的な位置)が1周期の中心、すなわち各相の電流を検出してから次に各相の電流を検出するまでの検出間隔の中心に対して非対称となる制御(以下「非対称制御」)により生成する。すなわち、オンオフの波形の1周期の中心に対して前半と後半でオン時間が異なる。各相の電流は、図10(A)に示す通電パターン7でスイッチング素子Q1~Q6を制御しているときに検出する。また、1周期の中心では、図10(B)に示す通電パターン8でスイッチング素子Q1~Q6を制御する。
非対称制御では、PWMの各周期(ベクトル制御の各周期)において、スイッチング素子Q1~Q6の少なくともいずれかのスイッチング素子がオン状態とオフ状態の一方から他方に切り替わるタイミングから周期の中心までの時間が、前記中心から前記いずれかのスイッチング素子がオン状態とオフ状態の他方から一方に切り替わるタイミングまでの時間と異なる。
図14(E)の左側の周期では、スイッチング素子Q2がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングから周期の中心までの時間が、前記中心からスイッチング素子Q2がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングまでの時間よりも短い。また、スイッチング素子Q5がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングから周期の中心までの時間が、前記中心からスイッチング素子Q5がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングまでの時間よりも短い。
図14(E)の右側の周期では、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングから周期の中心までの時間が、前記中心からスイッチング素子Q1がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングまでの時間よりも長い。また、スイッチング素子Q4がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングから周期の中心までの時間が、前記中心からスイッチング素子Q4がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングまでの時間よりも長い。
非対称制御では、PWMの1周期(ベクトル制御の1周期)の中心を挟んだ前半と後半で、ベクトル制御のパラメータを変更する。ベクトル制御のパラメータは、各通電パターン、すなわちスイッチング素子Q1~Q6のオンオフの組み合わせの各々に対する時間配分(各相のデューティ比)を含む。ベクトル制御のパラメータの変更は、1周期の中心、すなわち図10(B)に示す通電パターン8でスイッチング素子Q1~Q6を制御しているときに行う。非対称制御では、PWMの1周期に出力できる電圧ベクトルは2方向となり、対称制御と比較して電圧ベクトルを細かく変化させることができる。ロータ位置は常に動いているため、電圧ベクトルを細かく変化させたほうが、ロータ位置に対する電圧ベクトルの角度を一定に保ちやすい。
このように本実施の形態のベクトル制御によれば、周期の前半と後半でU、V、Wの各相の少なくともいずれかのデューティ比を変更して出力電圧ベクトルを変更することで、周期の中でのロータ位置の変化に対応した適切な制御が可能となり、前述の比較例のベクトル制御における課題に好適に対処できる。すなわち、電圧ベクトルの角度がロータ位置に応じた最適値から大きくずれることを抑制でき、電流脈動が抑えられ、それに伴いトルク脈動も小さくなり低振動となる。また、電流ベクトルの角度(図7の電流位相角β)を最適値に維持しやすく、同じトルクを発生する場合の電流を低減させることができる。
本実施の形態のベクトル制御において、PWMの周期を2倍にすると、電圧ベクトルの変化の細かさが比較例のベクトル制御と同等になる。しかしこの場合の本実施の形態のベクトル制御によれば、単位時間当たりのスイッチング回数は比較例の半分となるため、ブラシレスモータ6に電圧が印加されない時間であるデッドタイムが出力電圧ベクトルに及ぼす影響(誤差の増大等)を抑制できる。また、本実施の形態のベクトル制御によれば、各相の電流検出の頻度を比較例の半分にできるため、比較的演算能力の低い安価なマイクロコンピュータを制御部41として採用することで製造コストを低減でき、またブラシレスモータ6の効率を向上させることができる。
図15(A)は、比較例のベクトル制御における、ロータの電気角での1周分に対応する出力電圧ベクトルV1~V6の説明図である。図15(B)は、出力電圧ベクトルV1~V6を生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャートである。図15(B)に示すように、PWMの6周期のいずれにおいても対称制御となっている。ロータが高速回転する場合、PWMの1周期の間のロータの角度変化が電気角で例えば60度に達することもある。この場合、比較例のベクトル制御では、1周期あたりの出力電圧ベクトルの方向が1方向のため、図15(A)に示すように、隣り合う周期間での出力電圧ベクトルの角度差が60度と大きくなる。そうすると、電圧ベクトルの角度が、ロータ位置に応じた最適値から大きくずれやすい。
図16(A)は、実施の形態のベクトル制御における、ロータの電気角での1周分に対応する出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2b、・・・V6a、V6bの説明図である。図16(B)は、出力電圧ベクトルV1a、V1b、V2a、V2b、・・・V6a、V6bを生成するためのスイッチング素子Q1~Q6のオンオフのタイムチャートである。図16(B)に示すように、PWMの6周期のいずれにおいても非対称制御となっている。
具体的には、1周期目ではスイッチング素子Q3、Q6のオン時間及びオフ時間が前半と後半で異なり、2周期目ではスイッチング素子Q2、Q5のオン時間及びオフ時間が前半と後半で異なり、3周期目ではスイッチング素子Q1、Q4のオン時間及びオフ時間が前半と後半で異なり、4周期目ではスイッチング素子Q3、Q6のオン時間及びオフ時間が前半と後半で異なり、5周期目ではスイッチング素子Q2、Q5のオン時間及びオフ時間が前半と後半で異なり、6周期目ではスイッチング素子Q1、Q4のオン時間及びオフ時間が前半と後半で異なる。
本実施の形態のベクトル制御では、比較例と同じロータの角速度の場合、図16(A)に示すように、隣り合う周期間での出力電圧ベクトルの角度差が30度となる。よって、電圧ベクトルの角度が、ロータ位置に応じた最適値から大きくずれることを抑制できる。図17では、対称制御と非対称制御の違いが分かりやすいように、図15(B)及び図16(B)のタイムチャートを相ごとに並べて示している。
図18は、実施の形態のベクトル制御の概略フローチャートである。このフローチャートは、スイッチ5がオン状態で、ブラシレスモータ6が既に回転している状態からスタートする。制御部41は、図10(A)に示す通電パターン7でスイッチング素子Q1~Q6を制御しているときに、各相の電流を検出し(S1)、インバータ回路42の入力側の電圧を検出し(S2)、ロータ位置及び角速度を計算(演算)する(S3)。センサレスでのロータ位置及び角速度の演算は、既存の手法でよい。S1~S3の実行タイミングが、PWMの1周期の最初(あるいは最後)となる。ロータ位置及び角速度が計算されると、電流位相角をあらかじめ設定された目的の角度にするために出力すべき電圧ベクトルを計算することができる。
制御部41は、スイッチ5のオン信号、すなわち駆動信号が継続している場合(S4の「有り」)、S3で計算したロータ位置及び角速度を基に、周期の前半の電圧ベクトルaを決定し(S5)、電圧ベクトルaを出力するためのスイッチング素子Q1~Q6のデューティ比を設定する(S6)。また、制御部41は、周期の後半の電圧ベクトルbを決定し(S7)、電圧ベクトルbを出力するためのスイッチング素子Q1~Q6のデューティ比を設定する(S8)。周期の後半の電圧ベクトルbを決定するにあたり、ロータ位置は、PWMの半周期分の時間が経過していることを踏まえ、S3で計算したロータ位置に対して、「ロータ角速度×PWMの半周期分の時間」だけ進んだ位置として電圧ベクトルを計算する。制御部41は、S6、S8で設定したデューティ比によってスイッチング素子Q1~Q6を制御し、ブラシレスモータ6を回転駆動する。制御部41は、次の電流検出タイミングでS1に戻る。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) ベクトル制御の1周期の前半と後半でU、V、Wの各相の少なくともいずれかのデューティ比を変更して出力電圧ベクトルを変更する構成のため、周期の中でのロータ位置の変化に対応した適切な制御が可能となる。これにより、ロータの高速回転時においても電圧ベクトルの角度をロータ位置に応じた最適値に対して精度良く合わせることができ、電流脈動を抑えられ、それに伴いトルク脈動も小さくなり低振動となる。また、電流ベクトルの角度(図7の電流位相角β)を最適値に精度良く合わせることができ、同じトルクを発生する場合の電流を低減でき、効率が良い。
(2) 上述の効果は、ベクトル制御の周期を短くすることなく得られるため、制御部41の性能を高くする必要がなく、コスト上昇を抑制できる。すなわち、ベクトル制御の周期を短くすれば、電圧ベクトルの角度をロータ位置に応じた最適値に近い状態に維持しやすくなるが、周期を短くするほど電流検出間隔が短くなり、制御部41の性能を高くする必要がある。この点、本実施の形態によれば、ベクトル制御の周期を短くすることなく、ベクトル制御の周期を半分にしたような効果が得られるため、制御部41の性能を高くする必要がなく、コスト上昇を抑制できる。また、単位時間当たりのスイッチング回数は変わらないため、オンオフの切替に伴うデッドタイムが出力電圧ベクトルに及ぼす影響(誤差の増大等)を抑制できる。
(3) 各相の電流を図10(A)に示す通電パターン7でスイッチング素子Q1~Q6を制御しているときに検出し、デューティ比を図10(A),(B)に示す通電パターン7、8でスイッチング素子Q1~Q6を制御しているときにそれぞれ変更するため、デューティ比の変更に伴う追加のスイッチングを行う必要がなく、効率が良い。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
ステータコイル6hの結線方式は、Y結線に替えて、デルタ結線としてもよい。デルタ結線の場合、Y結線と比較して、図9(A)~(F)及び図10(A)~(B)に示す各通電パターンによって生成される出力電圧ベクトルの方向が変わり、同じ出力電圧ベクトルを生成するための通電パターンの組み合わせは変わるが、同様の効果が得られる。
ブラシレスモータ6のロータの極数とステータのスロット数、すなわちロータマグネット6cの数とステータコイル6hの数は任意である。例えば、ブラシレスモータ6は、2極3スロット構成でもよい。
ブラシレスモータ6におけるロータ位置及び角速度の検出は、センサレス方式に限定されず、ロータ近傍に設けた例えば3個のホールICの出力信号を基に検出するセンサ方式でもよい。すなわち、ロータ位置検出部は、各相の電流を検出する電流検出部に替えて、ロータマグネット6cの位置を検出するホール素子で構成されてもよい。
シャント抵抗Ru、Rv、Rwは、各相の電流経路の高電位側に設けてもよい。この場合、各相の電流は、図10(B)に示す通電パターン8でスイッチング素子Q1~Q6を制御しているときに検出するとよい。
1…電気機器、2…砥石(回転具)、3…ハウジング、4…ギヤケース、5…スイッチ、6…ブラシレスモータ、6a…出力軸、6b…ロータコア、6c…ロータマグネット、6e…ステータコア、6h…ステータコイル、6f…ヨーク部、6g…突極部(ティース部)、8…ファン、9…基板、10…ケース本体、11…パッキングランド、12…ニードルベアリング、13…ボールベアリング、14…ホイルガード、15…スイッチング素子、20…スピンドル、21…第1のベベルギヤ、22…第2のベベルギヤ、40…制御装置(ブラシレスモータの制御装置)、41…制御部(マイコン)、42…インバータ回路(駆動回路)、43…電圧検出回路、44…増幅回路、60…交流電源、61…ダイオードブリッジ(全波整流回路)、62…電源コード、Q1~Q6…スイッチング素子、Ru、Rv、Rw…シャント抵抗。

Claims (8)

  1. ロータと、複数のステータコイルを有するステータと、を備えたブラシレスモータと、
    複数の上側及び下側スイッチング素子を有し、前記複数のステータコイルに複数相の出力電圧を出力する駆動回路と、
    前記複数の上側スイッチング素子を共にオフするか又は前記複数の下側スイッチング素子を共にオフする第1状態と、前記第1状態とは異なる状態である第2状態とを、所定の周期で交互に繰り返すよう前記駆動回路を制御するとともに、前記ロータの位置に応じて前記複数相の出力電圧の各々のデューティ比を設定するベクトル制御を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記所定の周期の1周期において、前記複数相の出力電圧のうち少なくとも1相の出力電圧のデューティ比の設定を複数回実行するよう構成された、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のブラシレスモータの制御装置であって、
    前記ブラシレスモータの制御装置は、前記制御部に接続されて前記ロータの位置に関する情報であるロータ位置情報を検出するよう構成されたロータ位置検出部を有し、
    前記制御部は、前記第1状態において、前記ロータ位置検出部によって検出された前記ロータ位置情報に基づいて、前記ロータの位置を特定するとともに、特定された前記ロータの位置に応じて、前記複数相の出力電圧のデューティ比をそれぞれ設定するよう構成された、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のブラシレスモータの制御装置であって、
    前記制御部は、前記所定の周期の1周期における前半と後半で前記デューティ比が異なるように前記パルス幅変調を実行するよう構成される、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  4. 請求項2に記載のブラシレスモータの制御装置であって、
    前記制御部は、前記複数相の出力電圧のデューティ比を、前記第1状態と、前記第2状態と、の双方において変更する、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のブラシレスモータの制御装置であって、
    前記所定の周期の1周期を前記1周期の中心で二分割した場合、前記複数の上側又は下側スイッチング素子のいずれかのオン時間又はオフ時間が前記中心に対して非対称である、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブラシレスモータの制御装置であって、
    前記所定の周期の1周期を前記1周期の中心で二分割した場合、前記複数の上側又は下側スイッチング素子のうちいずれかのスイッチング素子がオン状態とオフ状態の一方から他方に切り替わるタイミングから前記中心までの時間が、前記中心から前記いずれかのスイッチング素子がオン状態とオフ状態の他方から一方に切り替わるタイミングまでの時間と異なる、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  7. 請求項2に記載のブラシレスモータの制御装置であって、
    前記制御部は、前記第1状態のときに特定した前記ロータの位置を基に、前記第1状態の後の最初の前記第2状態における、前記デューティ比を決定する、
    ことを特徴とする、ブラシレスモータの制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のブラシレスモータの制御装置と、
    前記ブラシレスモータの制御装置により駆動される出力部と、
    を備える、
    ことを特徴とする、電気機器。
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