JP2022133658A - 多心ケーブル - Google Patents

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Hiroshi Ishikawa
秀樹 南畝
Hideki Nonen
剛博 杉山
Takehiro Sugiyama
得天 黄
Tokuten Ko
佳典 塚本
Yoshinori Tsukamoto
真至 森山
Shinji Moriyama
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【課題】個体差による交流抵抗のばらつきを抑制することができる多心ケーブルを提供する。【解決手段】多心ケーブル1は、一対の熱検知用電線21、及び一対の熱検知用電線21を一括して覆う被覆部材23を有する熱検知線2と、熱検知線2の周囲に配されるとともに、交流電流が通電される複数本の交流線3と、熱検知線2及び複数本の交流線3を一括して覆う外皮4とを備える。一対の熱検知用電線21の双方に外接する、ケーブル中心軸Cを中心とした仮想外接円5の内周側には、被覆部材23の外形の変形を抑制するための変形抑制部6が存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、多心ケーブルに関する。
特許文献1には、多心ケーブルが開示されている。特許文献1に記載の多心ケーブルは、一対の熱検知用電線を筒状のジャケット内に配した熱検知線と、熱検知線を中心にして撚り合された複数の電線と、熱検知線及び複数の電線を一括して囲むシースとを備える。
非接触給電用の多心ケーブルにおいては、電線に大電流が流れるため、高温化が懸念される。そこで、特許文献1に記載の多心ケーブルは、その内部に熱検知線を配することにより、多心ケーブル内の熱を検知することができるようになっている。
実開昭61-9727号公報
電磁誘導式の非接触給電用の多心ケーブルにおいては、電線に交流電流が通電されることがある。以下、交流電流が通電される電線を交流線と呼ぶこととする。特許文献1に記載の多心ケーブルにおいては、電線が交流線として用いられた場合に、個体差によって多心ケーブルごとに交流抵抗がばらつくことを抑制する観点から改善の余地がある。このことにつき、以下説明する。
筒状のジャケット内に一対の熱検知用電線が配された熱検知線においては、特に工夫しなければ、径方向のうちの一対の熱検知用電線の並び方向における反発力は比較的大きくなる一方、径方向のうちの前記並び方向の交差方向における反発力は比較的小さくなるおそれがある。すなわち、熱検知線に前記並び方向の外力が加わった場合、ジャケットは一対の熱検知用電線に支えられることによって変形し難い一方、熱検知線に前記交差方向の外力が加わった場合、ジャケットはジャケット内の空間に向かって凹むよう大きく変形しやすい。これに伴って、軸方向に直交する多心ケーブルの断面において、複数の交流線のうち前記交差方向における熱検知線の両側に位置する交流線は、熱検知線を凹ませるよう軸方向に直交する断面形状が変形しやすくなる。
そして、交流線の断面形状が変形すると、その交流線の導線の表面積が変動する。ここで、交流電流が流れる導線においては、その表面付近に集中して電流が流れやすくなる表皮効果が生じるため、交流線の導線の断面形状が変形すると交流抵抗が所望の値から変動し得る。
また、複数の交流線のそれぞれの導線に電流が流れる場合、隣接する導線の互いに近い側又は遠い側に集中して電流が流れる近接効果が生じる。ここで、交流線の導線の断面形状が変形すると、隣接する交流線の導線から近くなる部分又は遠くなる部分の面積が増減し、これに伴って交流抵抗が所望の値から変動し得る。
以上のような理由で多心ケーブルの交流抵抗が所望の値にならず、多心ケーブルの個体差によって交流抵抗のばらつきが生じるおそれがある。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、個体差による交流抵抗のばらつきを抑制することができる多心ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成するため、一対の熱検知用電線、及び前記一対の熱検知用電線を一括して覆う被覆部材を有する熱検知線と、前記熱検知線の周囲に配されるとともに、交流電流が通電される複数本の交流線と、前記熱検知線及び前記複数本の交流線を一括して覆う外皮と、を備え、前記一対の熱検知用電線の双方に外接する、ケーブル中心軸を中心とした仮想外接円の内周側には、前記被覆部材の外形の変形を抑制するための変形抑制部が存在する、多心ケーブルを提供する。
本発明によれば、個体差による交流抵抗のばらつきを抑制することができる多心ケーブルを提供することが可能となる。
第1の実施の形態における、軸方向に直交する多心ケーブルの断面を示す断面図である。 第1の実施の形態における、熱検知線の軸方向に直交する断面を示す断面図である。 図1において破線で囲った部位を拡大した図である。 参考例における、軸方向に直交する多心ケーブルの断面図である。 第2の実施の形態における、軸方向に直交する多心ケーブルの断面を示す断面図である。 第3の実施の形態における、軸方向に直交する多心ケーブルの断面を示す断面図である。 第4の実施の形態における、軸方向に直交する多心ケーブルの断面を示す断面図である。 第5の実施の形態における、軸方向に直交する多心ケーブルの断面を示す断面図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(非接触給電装置)
本形態の多心ケーブル1は、非接触給電装置に用いられる。例えば、非接触給電装置は、レールに沿って移動する移動体に対して非接触によって給電を行うための装置である。非接触給電装置は、移動体の移動を案内するレールと、レールに沿って配された多心ケーブル1と、多心ケーブル1に大電力(例えば0.1kHz以上、100kW以下)かつ高周波(例えば9kHz以上、90kHz以下)の交流電流を通電させるための交流電源とを備える。移動体は、多心ケーブル1と電磁的に結合する受電コイルを備える。そして、非接触給電装置は、多心ケーブル1に高周波電流を流すことによって多心ケーブル1の周囲に変動磁界を発生させ、これにより、移動体の受電コイルに誘導起電力を発生させる。このように、非接触給電装置は、多心ケーブル1に大電流かつ高周波の交流電流を通電させ、電磁誘導を利用して移動体に電力を供給することができるよう構成されている。
(多心ケーブル1)
図1は、本形態における、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面を示す断面図である。図2は、軸方向に直交する熱検知線2の断面を示す断面図である。図3は、図1において破線で囲った部位を拡大した図である。軸方向は、多心ケーブル1の中心軸であるケーブル中心軸Cが延在する方向を意味するものとする。また、単に周方向といったときは、ケーブル中心軸Cを中心とした多心ケーブル1の周方向を意味するものとする。
図1に示すごとく、多心ケーブル1は、熱検知線2と複数本の交流線3と外皮4とを備える。熱検知線2は、多心ケーブル1の内側において、多心ケーブル1と同軸状に配されている。熱検知線2は、一対の熱検知用電線21と、変形抑制部6を構成する一対の線材22と、一対の熱検知用電線21及び一対の線材22を一括して覆う被覆部材23とを備える。
図2に示すごとく、熱検知用電線21は、第1導線211と、第1導線211の周囲を被覆する絶縁性を有する第1絶縁被膜212とを備える被覆電線である。軸方向に直交する熱検知用電線21の断面形状は、円形である。第1導線211は、単心であり、銅線、スズメッキ銅線、スズメッキリン青銅線等を用いることができる。第1絶縁被膜212は、多心ケーブル1内が過度に高温化した際に溶融することができるよう、低融点の絶縁性樹脂が用いられる。例えば、第1絶縁被膜212を構成する絶縁性樹脂の融点は、80℃以上、100℃以下とすることができる。本形態において、第1絶縁被膜212を構成する樹脂は、アイオノマー樹脂であり、融点が約89℃である。
線材22は、熱検知用電線21と同様の構成を有するダミーの被覆電線、又は絶縁体を線状に形成した部材等からなる。線材22が絶縁体によって構成される場合、線材22を、例えば第1絶縁被膜212と同じ材料によって構成することができる。本形態においては、線材22の軸方向に直交する断面形状は、円形であるが、これに限られず、例えば楕円形等、他の断面形状とすることも可能である。軸方向に直交する多心ケーブル1の断面において、線材22の外形の大きさは、熱検知用電線21の外形の大きさと同等である。なお、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面において、線材22の外径は、熱検知用電線21の外径よりも小さくする、又は大きくすることも可能である。特に、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面において、線材22の外径を、熱検知用電線21の外径よりも小さくすることにより、多心ケーブル1内が高温となったときの一対の第1導線211同士の接触が線材22によって阻害され難く、多心ケーブル1内が高温になったことが検知されやすい。熱検知線2を用いて多心ケーブル1内の高温化を検知する方法の詳細は後述する。
本形態において、熱検知用電線21と線材22とは、周方向に交互に位置するよう配されている。すなわち、熱検知用電線21と線材22とは、互いに周方向に隣り合わないよう配されている。そして、一対の熱検知用電線21及び一対の線材22は、互いに撚り合されて形成されている。軸方向に直交する多心ケーブル1の断面において、線材22は、各熱検知用電線21と、被覆部材23の内周面との双方に接触している。一対の線材22は、一対の熱検知用電線21の双方に外接する、ケーブル中心軸Cを中心とした仮想外接円5の内周側に配されており、被覆部材23の外形の変形を抑制するための変形抑制部6を構成する。本形態において、仮想外接円5は、被覆部材23の内周面と略同形状である。変形抑制部6に力を加えたときの単位力当たりの変形量は、第1絶縁被膜212に力を加えたときの単位力当たりの変形量以下である。つまり、変形抑制部6は、第1絶縁被膜212よりも変形しにくい。なお、これに限られず、例えば変形抑制部6を構成する材料と第1絶縁被膜212を構成する材料とを同じにすることにより、変形抑制部6に力を加えたときの単位力当たりの変形量を、第1絶縁被膜212に力を加えたときの単位力当たりの変形量と同等にしてもよい。
熱検知線2は、次のような原理にて多心ケーブル1内の高温化を検知する。まず、複数本の交流線3へ高周波の電流が通電されると、多心ケーブル1内が高温化し、一対の熱検知用電線21のそれぞれの第1絶縁被膜212及び一対の線材22が溶融する。ここで、一対の熱検知用電線21及び一対の線材22は、互いに撚り合されているため、第1絶縁被膜212が溶融すると第1導線211に直線状に復元しようとする力が働き、一対の第1導線211が互いに近づいてやがて導通する。一対の第1導線211間の導通を検知することにより、多心ケーブル1内の高温化を検知することができる。
なお、多心ケーブル1内の高温化に伴い、一対の第1導線211が短絡する前に、第1絶縁被膜212が軟化して一対の第1導線211同士の距離が近づき、一対の第1導線211間の抵抗値又は静電容量等が変化する。そのため、一対の第1導線211間の抵抗値の変化又は静電容量の変化を検知することにより、多心ケーブル1内の高温化を検知することも可能である。
被覆部材23は、筒状に形成されており、一対の熱検知用電線21、及び前記一対の熱検知用電線21を一括して覆っている。被覆部材23の外周面23aは、軸方向に直交する断面が円状に形成されている。被覆部材23は、絶縁性樹脂からなり、例えば非充実押出成形(いわゆるチューブ押出成形)により形成することができる。また、本形態において、被覆部材23は、弾性体からなる。被覆部材23としては、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)樹脂、ウレタン樹脂、又は耐熱ビニル樹脂を用いることができる。本形態において、被覆部材23は、単層であるが、複数層であってもよい。熱検知線2が多心ケーブル1に組み込まれた状態(すなわち熱検知線2の周囲に複数の交流線3が撚り合され、熱検知線2及び複数の交流線3が外皮4によって覆われた状態)において、軸方向に直交する外周面23aの断面形状の真円率は、1.0以上、1.2以下である。軸方向に直交する外周面23aの断面形状の真円率は、前記断面形状を、同心の2つの幾何学的円で挟んだときに、当該2つの幾何学的円の間隔が最小となる場合において、前記断面形状の外周側に配された幾何学的円の直径D1を、前記断面形状の内周側に配された幾何学的円の直径D2にて除した値、すなわちD1/D2、である。真円率は、その値が1に近い程、真円に近いことを意味する。
交流線3には、前述の非接触給電装置の交流電源から出力される高周波の交流電流が流れる。図1に示すごとく、本形態において、多心ケーブル1内には、6本の交流線3が配されている。6本の交流線3は、熱検知線2の周りに撚り合されている。すなわち、熱検知線2及び6本の交流線3は、熱検知線2を中心として同心撚りされている。
交流線3は、第2導線31と第2導線31を被覆する絶縁性を有する第2絶縁被膜32とを有する。6本の交流線3は、互いに同じ構造のものを用いることができる。図3に示すごとく、第2導線31は、複数の素線310を集合撚りした撚り線である。第2導線31を、その断面積が小さい素線310を多数撚り合わせた撚り線とすることにより、第2導線31全体を単心にて構成する場合と比較して、第2導線31を曲げやすくすることができる。
第2絶縁被膜32の融点は、第1絶縁被膜212の融点よりも高い。第2絶縁被膜32としては、例えば、ETFE(テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(プリフッ化ビニリデン)等のフッ素樹脂、又は、ポリイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を用いることができる。第2絶縁被膜32は、例えば非充実押出成形により形成することができる。
図1に示すごとく、本形態において、交流線3の外形は、軸方向に直交する断面形状が、非円形状となるように形成されている。具体的には、軸方向に直交する交流線3の外形の断面は、径方向の外周側から内周側へ向かうにつれて、周方向に沿った幅が小さくなるような略台形形状を呈している。
交流線3の表面における熱検知線2側の面部33は、熱検知線2の外周面に沿って断面形状が略円弧状となるよう湾曲しているとともに、熱検知線2の外周面に面接触している。交流線3の表面における外皮4側の面部34は、外皮4の内周面に沿って断面が略円弧状となるよう湾曲しているとともに、外皮4の内周面に面接触している。また、交流線3の表面における周方向の両側の面部35は、径方向に沿って平坦に形成されているとともに、隣接する交流線3の面部35に面接触している。
各交流線3の外形は、熱検知線2に撚り合される前の状態においては断面円形を呈しているが、熱検知線2に撚り合され、かつ、外皮4に拘束された状態においては、周方向に隣接する交流線3、熱検知線2及び外皮4からの力を受け、前述のような略台形形状に変形する。このように、交流線3の外形が非円形に形成されることにより、外皮4内の限られたスペースにおいて交流線3の第2導線31の外皮4側の表面積を大きくすることができ、第2導線31の交流抵抗を低減させることができる。
外皮4は、円筒状に形成されており、熱検知線2及び6本の交流線3を一括して覆っている。外皮4は、絶縁性を有するとともに、第1絶縁被膜212よりも高い融点を有する樹脂からなる。外皮4は、例えば、非充実押出成形(いわゆるチューブ押出成形)により形成することができる。
(第1の実施の形態の作用及び効果)
まず、本形態の変形抑制部6を有さない多心ケーブルの参考例につき検討する。図4は、参考例における、軸方向に直交する多心ケーブル9の断面図である。図4においては、後述するように変形する前の熱検知線2の外形形状を二点鎖線にて表している。参考例における多心ケーブル9は、一対の線材22(すなわち変形抑制部6)が存在しないこと以外については、本形態の多心ケーブル1の構成と同様の構成を有する。
図4に示すように軸方向に直交する多心ケーブル9の断面を見たときにおいて、熱検知線2に一対の熱検知用電線21の並び方向の外力が加わった場合、被覆部材23は、一対の熱検知用電線21に支えられることによって変形し難い一方、熱検知線2に前記並び方向に直交する方向の外力が加わった場合、被覆部材23は被覆部材23内の空間に向かって凹むよう変形しやすい。これに伴って、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面において、複数の交流線3のうち前記並び方向に直交する方向おける熱検知線2の両側に位置する交流線30は、熱検知線2を凹ませるよう軸方向に直交する断面形状が変形しやすくなる。
そして、交流線3の断面形状が変形すると、その第2導線31の表面積が変動する。ここで、交流電流が流れる第2導線31においては、その表面付近に集中して電流が流れやすくなる表皮効果が生じるため、交流線3の第2導線31の断面形状が変形すると交流抵抗が所望の値から変動し得る。
また、複数の交流線3のそれぞれの第2導線31に同じ方向の電流が流れる場合、隣接する導線の互いに遠い側に集中して電流が流れる近接効果が生じる。ここで、交流線3の導線の断面形状が変形すると、隣接する交流線3の導線から遠くなる部分の面積が増減し、これに伴って交流抵抗が所望の値から変動し得る。
以上のように、参考例の多心ケーブル9においては、交流抵抗が所望の値から変動しやすく、多心ケーブル9の個体差によって交流抵抗のばらつきが生じるおそれがある。
一方、本形態の多心ケーブル1において、被覆部材23の外周面23aは、軸方向に直交する断面の形状が円形である。そして、一対の熱検知用電線21の双方に外接する、ケーブル中心軸Cを中心とした仮想外接円5の内周側には、被覆部材23の外形の変形を抑制するための変形抑制部6が存在する。それゆえ、熱検知線2に各径方向の外側から内側へ向けて力が加わったときの熱検知線2の反発力を均等化することができる。その結果、多心ケーブル1の個体差によって交流抵抗がばらつくことを抑制することができる。また、多心ケーブル1の交流抵抗が所望の値よりも大きくなることに起因して、多心ケーブル1内が高温化しやすくなることを抑制することができる。なお、被覆部材23の外周面23aは、軸方向に直交する断面の形状が円形であるとしたが、多角形状であってもよい。例えば、3以上の自然数をnとした場合において、交流線3がn本であるとき、被覆部材23の外周面23aをn角形とし、外周面23aの各辺に各交流線3が対向するように配置される。本形態のように、交流線3が6本である場合には、被覆部材23の外周面23aを六角形とし、外周面23aの各辺に各交流線3が対向するように配置される。
また、参考例のように被覆部材23が変形した場合、一対の熱検知用電線21の間に被覆部材23が入り込むようになる。そのため、多心ケーブル9内が高温化して一対の熱検知用電線21のそれぞれの第1絶縁被膜212が溶融したとき、一対の第1導線211同士の接触が被覆部材23によって阻害されることが懸念される。一方、本形態においては、前述のごとく変形抑制部6を備えることにより、被覆部材23の変形を抑制することができるため、多心ケーブル1内が高温化して一対の熱検知用電線21のそれぞれの第1絶縁被膜212が溶融したときに一対の第1導線211の接触が阻害されることを抑制することができる。
また、本形態において、仮想外接円5の内側には、変形抑制部6を構成する線材22が配されている。このように、線材22を変形抑制部6とすることにより、変形抑制部6を備えた多心ケーブル1の製造を容易にしやすい。
また、仮想外接円5の内側には、一対の線材22が配されている。そして、一対の線材22のそれぞれは、一対の熱検知用電線21と被覆部材23との双方に接触している。それゆえ、一対の線材22によって、被覆部材23の変形を一層抑制しやすく、その結果、多心ケーブル1の個体差によって交流抵抗がばらつくことを一層抑制しやすい。
以上のごとく、本形態によれば、個体差による交流抵抗のばらつきを抑制することができる多心ケーブルを提供することができる。
[第2の実施の形態]
図5は、本形態における、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面を示す断面図である。本形態は、第1の実施の形態に対して、熱検知線2の一対の熱検知用電線21と一対の線材22との配置を変更した形態である。本形態において、被覆部材23の内側には、一対の熱検知用電線21と一対の線材22とが、周方向においてこの順に並んで配されている。すなわち、周方向において、一対の熱検知用電線21は互いに隣り合っているとともに、一対の線材22は互いに隣り合っている。
本形態のその他の構成は、第1の実施の形態の構成と同様である。
なお、第2の実施の形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
(第2の実施の形態の作用及び効果)
本形態においても、第1の実施の形態の作用及び効果と同様の作用及び効果を有する。
[第3の実施の形態]
図6は、本形態における、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面を示す断面図である。本形態は、第1の実施の形態に対して、熱検知線2の構成を変更した形態である。熱検知線2は、一対の熱検知用電線21と被覆部材23とからなる。本形態において、一対の熱検知用電線21は、撚り線ではなく、互いの間に所定間隔をあけて平行に並んで配されている。また、本形態において、熱検知用電線21は、第1導線211からなり、第1絶縁被膜(図2の符号212参照)を有さない。
被覆部材23は、内部に一対の熱検知用電線21を埋設するよう、二心一括押出により形成されている。これにより、被覆部材23は、中実に形成されている。被覆部材23の外周面23aは、軸方向に直交する断面が円形となるよう形成されている。被覆部材23における、一対の熱検知用電線21の双方に外接する、ケーブル中心軸Cを中心とした仮想外接円5の内側の部位を内側部位23i、仮想外接円5の外側の部位を外側部位23oとする。内側部位23iと外側部位23oとは、一体に形成された被覆部材23の互いに異なる部位である。本形態においては、被覆部材23の内側部位23iが、変形抑制部6を構成している。
被覆部材23は、第1の実施の形態における第1絶縁被膜212の材料と同じ材料(すなわちアイオノマー樹脂)によって構成することができる。すなわち、被覆部材23は、多心ケーブル1内が過度に高温化した際に溶融することができるよう、低融点の絶縁性樹脂が用いられる。本形態の多心ケーブル1の使用時において、多心ケーブル1内が高温となったときは、被覆部材23が溶融し、一対の熱検知用電線21が接触する。本形態において、熱検知線2には、その外周側に撚り合わされた複数の交流線3からの応力が作用するため、被覆部材23の溶融時、一対の熱検知用電線21が互いに近づき、やがて接触することとなる。
本形態の熱検知線2を二心一括押出により形成するにあたって、被覆部材23の外周面23aにおける軸方向に直交する断面形状を円形とすべく、被覆部材23を構成する樹脂の押出口を一対の熱検知用電線21の並び方向に直交する方向に長い楕円形状としている。二心一括押出においては、被覆部材23にその厚みを一定にしようとする力が働くため、特に工夫しなければ、軸方向に直交する被覆部材23の外周面23aの断面形状が、一対の熱検知用電線21の並び方向に長尺な楕円形となる。そこで、本形態においては、軸方向に直交する被覆部材23の外周面23aの形状を円形とすべく、押出口を一対の熱検知用電線21の並び方向に直交する方向に長い楕円形状としている。
また、前述のごとく被覆部材23を二心一括押出により成形する際には、被覆部材23の温度が融点を超える可能性があり、押出成形時において被覆部材23の変形が懸念され得る。しかしながら、被覆部材23における融点以上への昇温はごく短時間である。さらに、本形態においては、一対の第1絶縁被膜212が互いに近づこうとする力が生じず、被覆部材23内に応力が生じ難い。そのため、押出成形時における被覆部材23の変形は軽微である。
本形態のその他の構成については、第1の実施の形態の構成と同様である。
(第3の実施の形態の作用及び効果)
本形態においては、被覆部材23が中実に形成されており、変形抑制部6が被覆部材23の一部によって構成されている。それゆえ、被覆部材23内に空間が形成されず、熱検知線2が変形しやすくなることを防止することができ、熱検知線2に各径方向の外側から内側へ向けて力が加わったときの熱検知線2の反発力を均等化することができる。その結果、多心ケーブル1の個体差によって交流抵抗がばらつくことを抑制することができる。
また、熱検知用電線21は、表面に絶縁被膜が形成されていない第1導線211によって構成されており、熱検知線2は、一対の熱検知用電線21と一対の熱検知用電線21を直接覆う一部材からなる被覆部材23とによって構成されている。それゆえ、熱検知線2の部品点数の削減、及び製造工数の削減を図ることができる。
その他、第1の実施形態の作用及び効果と同様の作用及び効果を有する。
[第4の実施の形態]
図7は、本形態における、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面を示す断面図である。本形態は、基本構造を第3の実施の形態と同様としつつ、一対の熱検知用電線21を第1の実施の形態におけるものと同様に被覆電線とした実施形態である。また、本形態の一対の熱検知用電線21は、互いに撚り合されてなる。
本形態において、熱検知用電線21の第1絶縁被膜212、及び被覆部材23は、多心ケーブル1内が過度に高温化した際に溶融することができるよう、低融点の絶縁性樹脂が用いられる。また、本形態において、被覆部材23の融点は、熱検知用電線21の第1絶縁被膜212の融点よりも低い。例えば、第1絶縁被膜212の材料としては高密度ポリエチレンを用い、被覆部材23の材料としては低密度ポリエチレンを用いることができる。本形態の熱検知線2を製造するにあたっては、まず、一対の熱検知用電線21のそれぞれを製造し、次いで、一対の熱検知用電線21を撚り合わせる。そして、撚り合わされた一対の熱検知用電線21の周囲に、押出成形により被覆部材23を形成する。このとき、被覆部材23の融点が第1絶縁被膜212の融点より低いことにより、被覆部材23形成時に第1絶縁被膜212が溶融することを防止することができ、熱検知線2の製造が容易になる。
本形態のその他の構成については、第3の実施の形態と同様である。
(第4の実施の形態の作用及び効果)
本形態においても、第3の実施の形態の作用及び効果と同様の作用及び効果を有する。
[第5の実施の形態]
図8は、本形態における、軸方向に直交する多心ケーブル1の断面を示す断面図である。本形態は、基本構造を第3の実施の形態と同様としつつ、被覆部材23を複数層にて構成した形態である。
本形態において、一対の熱検知用電線21のそれぞれは、撚り線ではなく、互いの間に所定間隔をあけて平行に並んで配されている。また、一対の熱検知用電線21のそれぞれは、第1導線211からなり、第1絶縁被膜(図2の符号212参照)を有さない。被覆部材23は、一対の熱検知用電線21を埋設した第1被覆部材231と、第1被覆部材231を埋設する第2被覆部材232とを備える。第1被覆部材231の外周面は、軸方向に直交する断面において、一対の熱検知用電線21の並び方向に長尺な略楕円状となるよう形成されている。第2被覆部材232の外周面は、軸方向に直交する断面において、円形となるよう形成されている。そして、一対の熱検知用電線21の双方に外接する、ケーブル中心軸Cを中心とした仮想外接円5の内周側に位置する第1被覆部材231の部位、及び第2被覆部材232の部位が、変形抑制部6を構成している。なお、第2被覆部材232の外周面は、軸方向に直交する断面の形状が円形であるとしたが、多角形状であってもよい。例えば、3以上の自然数をnとした場合において、交流線3がn本であるとき、第2被覆部材232の外周面をn角形とし、第2被覆部材232の外周面の各辺に各交流線3が対向するように配置される。本形態のように、交流線3が6本である場合には、第2被覆部材232の外周面を六角形とし、第2被覆部材232の外周面の各辺に各交流線3が対向するように配置される。
第1被覆部材231は、多心ケーブル1内が過度に高温化した際に溶融することができるよう、低融点の絶縁性樹脂が用いられる。本形態において、第1被覆部材231の融点は、第2被覆部材232の融点よりも高い。これにより、第2被覆部材232の形成時に第1被覆部材231が溶融することを防止することができ、熱検知線2の製造を容易にすることができる。
本形態のその他の構成は、第3の実施の形態の構成と同様である。
(第5の実施の形態の作用及び効果)
本形態においても、第3の実施の形態と同様の作用及び効果を有する。
なお、本形態において、被覆部材23は、2層によって構成したが、3層以上によって構成することも可能である。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]一対の熱検知用電線(21)、及び前記一対の熱検知用電線(21)を一括して覆う被覆部材(23)を有する熱検知線(2)と、前記熱検知線(2)の周囲に配されるとともに、交流電流が通電される複数本の交流線(3)と、前記熱検知線(2)及び前記複数本の交流線(3)を一括して覆う外皮(4)と、を備え、前記一対の熱検知用電線(21)の双方に外接する、ケーブル中心軸(C)を中心とした仮想外接円(5)の内周側には、前記被覆部材(23)の外形の変形を抑制するための変形抑制部(6)が存在する、多心ケーブル(1)。
[2]前記被覆部材(23)の外周面(23a)は、軸方向に直交する断面の形状が円形である、前記[1]に記載の多心ケーブル。
[3]前記被覆部材(23)は、筒状に形成されており、前記一対の熱検知用電線(21)のそれぞれは、被覆電線であり、前記仮想外接円(5)の内側には、前記変形抑制部(6)を構成する線材(22)が配されている、前記[1]または[2]に記載の多心ケーブル(1)。
[4]前記仮想外接円の内側には、一対の前記線材が配されており、前記一対の線材(22)のそれぞれは、前記一対の熱検知用電線(21)と前記被覆部材(23)との双方に接触している、前記[3]に記載の多心ケーブル(1)。
[5]前記被覆部材(23)は、中実に構成されており、前記変形抑制部(6)は、前記被覆部材(23)の一部によって構成されている、前記[1]又は[2]に記載の多心ケーブル(1)。
[6]前記一対の熱検知用電線(21)のそれぞれは、絶縁被膜が被覆されていない導線(211)からなり、前記被覆部材(23)は、一対の熱検知用電線(21)を直接覆う一部材によって構成されている、前記[5]に記載の多心ケーブル(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、前述した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…多心ケーブル
2…熱検知線
21…熱検知用電線
211…第1導線
22…線材
23…被覆部材
23a…被覆部材の外周面
3…交流線
4…外皮
5…仮想外接円
6…変形抑制部
C…ケーブル中心軸

Claims (6)

  1. 一対の熱検知用電線、及び前記一対の熱検知用電線を一括して覆う被覆部材を有する熱検知線と、
    前記熱検知線の周囲に配されるとともに、交流電流が通電される複数本の交流線と、
    前記熱検知線及び前記複数本の交流線を一括して覆う外皮と、を備え、
    前記一対の熱検知用電線の双方に外接する、ケーブル中心軸を中心とした仮想外接円の内周側には、前記被覆部材の外形の変形を抑制するための変形抑制部が存在する、
    多心ケーブル。
  2. 前記被覆部材の外周面は、軸方向に直交する断面の形状が円形である、
    請求項1に記載の多心ケーブル。
  3. 前記被覆部材は、筒状に形成されており、
    前記一対の熱検知用電線のそれぞれは、被覆電線であり、
    前記仮想外接円の内側には、前記変形抑制部を構成する線材が配されている、
    請求項1または2に記載の多心ケーブル。
  4. 前記仮想外接円の内側には、一対の前記線材が配されており、
    前記一対の線材のそれぞれは、前記一対の熱検知用電線と前記被覆部材との双方に接触している、
    請求項3に記載の多心ケーブル。
  5. 前記被覆部材は、中実に構成されており、
    前記変形抑制部は、前記被覆部材の一部によって構成されている、
    請求項1または2に記載の多心ケーブル。
  6. 前記一対の熱検知用電線のそれぞれは、表面に絶縁被膜が形成されていない導線からなり、
    前記被覆部材は、一対の熱検知用電線を直接覆う一部材によって構成されている、
    請求項5に記載の多心ケーブル。
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