JP2022133174A - 熱伝導部材 - Google Patents

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大志 福居
Taishi Fukui
勇輝 小西
Yuki Konishi
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Abstract

【課題】発熱体に密着して取付可能な熱伝導部材を提供する。【解決手段】熱伝導部材1は、内部空間10aを有する筐体10と、内部空間10aに収容されるウィック構造体30及び作動媒体20と、を備える。筐体10は、上下方向に対向して配置される第1金属板11及び第2金属板12を有する。第1金属板11及び第2金属板12は、内部空間10aを囲む周縁に配置された接合部14を介して接合される。筐体10は、上下方向に貫通する間隙部を有する。第1金属板11及び第2金属板12の一方は、第1屈曲部及び第2屈曲部と、連結部113と、を有する。第1屈曲部及び第2屈曲部は、接合部14の外側から上下方向の一方に屈曲して間隙部を介して並ぶ。連結部113は、第1屈曲部の先端部と第2屈曲部の先端部とを連結する。上下方向に垂直な面内で前記第1屈曲部の延びる方向と、前記第2屈曲部の延びる方向と、が交差する。【選択図】図3

Description

本発明は、熱伝導部材に関する。
従来の熱伝導部材は、内部空間を有する筐体と、内部空間に収容されるウィック構造体及び作動媒体と、を有する。筐体は、発熱体に接触して配置される(例えば、特許文献1)。
特開2019-82264号公報
しかしながら、上記のような熱伝導部材は、発熱体との間に隙間が発生した場合に、熱輸送効率が低下する可能性があった。
本発明は、発熱体に密着して取付可能な熱伝導部材を提供することを目的とする。
本発明の例示的な熱伝導部材は、内部空間を有する筐体と、内部空間に収容されるウィック構造体及び作動媒体と、を備える。筐体は、上下方向に対向して配置される第1金属板及び第2金属板を有する。第1金属板及び第2金属板は、内部空間を囲む周縁に配置された接合部を介して接合される。筐体は、上下方向に貫通する間隙部を有する。第1金属板及び第2金属板の一方は、第1屈曲部及び第2屈曲部と、連結部と、を有する。第1屈曲部及び第2屈曲部は、接合部の外側から上下方向の一方に屈曲して間隙部を介して並ぶ。連結部は、第1屈曲部の先端部と第2屈曲部の先端部とを連結する。上下方向に垂直な面内で前記第1屈曲部の延びる方向と、前記第2屈曲部の延びる方向と、が交差する。
本発明によると、発熱体に密着して取付可能な熱伝導部材を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材のネジ孔の周辺を拡大して示す上面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の模式的な側面断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。Z軸方向は、後述する第1金属板11と第2金属板12との対向方向でもある。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+X方向および-X方向とする。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+Y方向および-Y方向とする。ただし、これは、あくまで説明の便宜のために方向を定義したものであって、本発明に係る熱伝導部材1の製造時および使用時の向きを限定するものではない。また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。
また、本明細書において、「焼結」とは、金属の粉末または金属の粉体を含むペーストを、金属の融点よりも低い温度まで加熱して、金属の粒子を焼き固める技術を指す。また、「焼結体」とは、焼結によって得られる物体を指す。
<1.熱伝導部材の構成>
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る熱伝導部材1の斜視図であり、図2は、ネジ孔113aの周辺を拡大して示す上面図であり、第1金属板11を折り曲げる前の状態を示す。図3は、熱伝導部材1の模式的な側面断面図である。
熱伝導部材1は、ベーパーチャンバーとも呼ばれ、発熱体Hの熱を輸送する。発熱体Hとしては、例えば、熱を発する電子部品またはその電子部品を搭載する基板が考えられる。発熱体Hは、熱伝導部材1による熱の輸送によって冷却される。このような熱伝導部材1は、例えば、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータなどの、発熱体Hを有する電子機器に搭載される。
熱伝導部材1は、被加熱部101と、放熱部102と、を備える(図2参照)。被加熱部101は、例えば発熱体Hと接触して配置され、発熱体Hが発する熱によって加熱される。放熱部102は、被加熱部101で加熱された後述の作動媒体20が有する熱を外部に放出する。また、放熱部102には放熱性を向上させるために、放熱フィンやヒートシンク等の熱交換手段(図示せず)が熱的に接続してもよい。
熱伝導部材1は、筐体10と、作動媒体20と、ウィック構造体30と、を備える。被加熱部101は、筐体10の一部により形成される。放熱部102は、筐体10の他の一部により形成される。
<1-1.筐体の構成>
筐体10は、内部空間10aを有する。作動媒体20及びウィック構造体30は、内部空間10aに収容される(図2参照)。筐体10は、対向して配置される第1金属板11及び第2金属板12と、リブ15と、を有する。また、筐体10は、上下方向に貫通する間隙部114を有する。
リブ15は、内部空間10aに配置され、第1金属板11及び第2金属板12を支持する。リブ15は、XY方向において2次元的に、かつ、規則的に並んで位置する。Z軸方向において、リブ15が、ウィック構造体30と接触することにより、筐体10のZ軸方向の厚みが一定に保たれる。なお、第1金属板11とリブ15とは、一体であってもよいし、別体であってもよい。
第1金属板11及び第2金属板12は、上面視において水平方向に拡がる矩形の板状である。本実施形態では、第1金属板11及び第2金属板12は、銅である。なお、第1金属板11及び第2金属板12は、銅以外の金属の表面に銅メッキを施して形成されてもよい。銅以外の金属としては、例えばステンレス鋼が考えられる。
第2金属板12の下面には発熱体Hが接触する。第2金属板12の上面にはウィック構造体30が接触する。第1金属板11は、第2金属板12の上面を覆い、4箇所の角部には、ネジ孔(孔)113aが設けられている。熱伝導部材1は、ネジ孔113aを介して電子機器にネジ止めされる。なお、ネジ孔113aの周辺の構造については後で詳細に説明する。また、本実施形態の第1金属板11及び第2金属板12は、上面視において四角形であるがこの限りではない。例えば、上面視において複数の角を有する多角形、または円形であってもよい。
第2金属板12は、周縁から上方に延びる側壁部12aを有する。第1金属板11の下面と側壁部12aの上面とが接合部14で接合される。すなわち、第1金属板11及び第2金属板12は、接合部14を介して接合される。なお、第1金属板11の周縁から下方に延びる側壁部を形成し、当該側壁部の下面と側壁部12aの上面とを接合してもよい。また、側壁部12aを省いて、第1金属板11の周縁から下方に延びる側壁部の下面と第2金属板12の上面とを接合してもよい。
内部空間10aは、第1金属板11及び第2金属板12で囲まれる空間に形成される。内部空間10aは、密閉空間であり、例えば大気圧よりも気圧が低い減圧状態に維持される。内部空間10aが減圧状態であることにより、内部空間10aに収容される作動媒体20が蒸発しやすくなる。作動媒体20は、例えば水であるが、アルコールなどの他の液体であってもよい。
接合部14は、内部空間10aを囲む第1金属板11及び第2金属板12の周縁に配置され、上方視において、ウィック構造体30の周囲に位置する。側壁部12aと第1金属板11との接合方法は、特に限定されない。例えば、ホットプレス、拡散接合、ろう材を用いた接合、などのいずれの接合方法であってもよい。
なお、接合部14は、封止部を含んでいてもよい。封止部は、例えば、熱伝導部材1の製造過程において、作動媒体20を筐体10内に注入するための注入口を溶接によって封止した箇所である。
ウィック構造体30は、多孔質の焼結体であり、作動媒体20の流路を形成する空隙部(不図示)を有する。
<2.ネジ孔の周辺の構成>
第1金属板11は、4箇所の角部において、第1屈曲部111と、第2屈曲部112と、連結部113と、をそれぞれ有する(図3参照)。また、接合部14は、各角部において、Z方向から見てXY面内で内部空間10a側に窪んで形成される。
第1屈曲部111は、第1金属板11の周部から第1折り線111aを介して折り曲げられる。第1屈曲部111は、矩形の板状に形成され、例えば、第1金属板11の短手方向(Y方向)に延びる。第1折り線111aは、接合部14の外側に配置され、例えば、第1金属板11の長手方向(X方向)に延びる。
第1屈曲部111は、第1折り線111aに沿って谷折りすることにより、接合部14の外側から上方に屈曲する。なお、谷折りでは、第1金属板11を下面側に凸に折り曲げる。このとき、第1折り線111aを接合部14から所定距離離して配置される。これにより、第1屈曲部111を折り曲げる際に、接合部14の一部が折り曲げられることによる内部空間10aの密封性の低下を防止できる。
また、第1屈曲部111の先端部は、第3折り線111bを介して連結部113に連結される。第3折り線111bは、第1折り線111aと平行に延びる。
第2屈曲部112は、第1金属板11の周部から第2折り線112aを介して折り曲げられる。第2屈曲部112は、矩形の板状に形成され、例えば、長手方向(X方向)に延びる。第2屈曲部112は、間隙部114を介して第1屈曲部111と並んで配置される。第2折り線112aは、接合部14の外側に配置され、例えば、短手方向(Y方向)に延びる。
第2屈曲部112は、第2折り線112aに沿って谷折りすることにより、接合部14の外側から上方に屈曲する。このとき、第1折り線111aを接合部14から所定距離離して配置される。これにより、第1屈曲部111を折り曲げる際に、接合部14の一部が折り曲げられることによる内部空間10aの密封性の低下を防止できる。
また、第2屈曲部112の先端部は、第4折り線112bを介して連結部113に連結される。第4折り線112bは、第2折り線112aと平行に延びる。
連結部113は、第1屈曲部111の先端部と第2屈曲部112の先端部とを連結する。連結部113は、板状に形成され、上下方向に貫通するネジ孔113aを有する。連結部113は、第3折り線111b及び第4折り線112bを山折りすることにより、電子機器の取り付け面に対して平行に配置することができる。なお、山折りでは、第1金属板11を上面側に凸に折り曲げる。これにより、熱伝導部材1の取り付け作業性が向上する。
このとき、第1屈曲部111及び第2屈曲部112を、弾性部材として機能させてもよい。この場合に、発熱体Hに熱伝導部材1を押圧した状態で取り付けることにより、発熱体Hに熱伝導部材1を密着して取り付けることができる。これにより、電子機器の振動などで発熱体Hと熱伝導部材1との間に隙間が発生することを防ぎ、熱伝導部材1の熱輸送効率が低下することを防止できる。
また、XY面内で第1屈曲部111の延びる方向(Y方向)と、第2屈曲部112の延びる方向(X方向)と、が交差する。これにより、第1屈曲部111及び第2屈曲部112の強度が向上し、熱伝導部材1を発熱体Hにより安定して密着できる。
なお、第1折り線111a及び第2折り線112aのなす角を90°以上にすることにより、第1屈曲部111及び第2屈曲部112の強度がより向上し、熱伝導部材1を発熱体Hにより安定して密着できる。
第1屈曲部111と第2屈曲部112との間に配置される間隙部114は、第1金属板11をプレス加工又はエッチング加工により形成される貫通孔である。間隙部114は、三角形状であり、第1切欠き部114aと、第2切欠き部114bと、第3切欠き部114cと、を含む。第1切欠き部114aと、第2切欠き部114bと、第3切欠き部114cと、は、間隙部114の角部にそれぞれ配置される。
第1切欠き部114aは、第1折り線111aの第2折り線112a側の端部から接合部14側に切り欠いて形成される。これにより、第1折り線111aに沿って第1屈曲部111を折り曲げた時に、皺が発生し難い。
第2切欠き部114bは、第2折り線112aの第1折り線111a側の端部から接合部14側に切り欠いて形成される。これにより、第2折り線112aに沿って第2屈曲部112を折り曲げた時に、皺が発生し難い。
第3切欠き部114cは、第3折り線111bと第4折り線112bとの間から連結部113を切り欠いて形成される。これにより、第3折り線111b及び第4折り線112bに沿って連結部113を折り曲げた時に、皺が発生し難い。また、第3切欠き部114cは、連結部113側に凸に湾曲して形成されている。これにより、第3切欠き部114cに掛かる応力を分散できる。
<3.熱伝導部材の動作>
図3において、作動媒体20が気化して生成される蒸気の流れを熱伝導部材1内の黒矢印で示し、液状の作動媒体20の流れを熱伝導部材1内の白抜き矢印で示す。
上記の構成の熱伝導部材では、発熱体Hで発生した熱により、被加熱部101が加熱される。被加熱部101の温度が上昇すると、ウィック構造体30に含まれた液状の作動媒体20が、気化する。
気化した作動媒体20は、内部空間10aを放熱部102側に移動する。このとき、気化した作動媒体20の一部は、冷却され、凝縮する。
凝縮した作動媒体20の一部は、滴下してウィック構造体30に吸収される。また、凝縮した作動媒体20の一部は、リブ15の外面に沿って移動してウィック構造体30に吸収される。
放熱部102に移動した気化した作動媒体20は、放熱部102で冷却されて凝縮する。凝縮した作動媒体20は、毛細管現象によってウィック構造体30中を被加熱部101に向かって移動する。
上記のように作動媒体20が状態変化を伴いながら移動することにより、被加熱部101側から放熱部102側への熱輸送が連続的に行われる。
<4.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾を生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
例えば、第1屈曲部111及び第2屈曲部112は、第1折り線111a及び第2折り線112aに沿って山折りすることにより、接合部14の外側から下方に屈曲させてもよい。また、発熱体Hが接触する第2金属板12に第1屈曲部111と第2屈曲部112と連結部113とを設けてもよい。
また、本実施形態では、連結部113にネジ孔113aを設けたが、ネジ孔113a以外の電子機器に対する取付手段を設けてもよい。
各種発熱体の冷却に利用することができる。
1 熱伝導部材
10 筐体
10a 内部空間
11 第1金属板
12 第2金属板
12a 側壁部
14 接合部
15 リブ
20 作動媒体
30 ウィック構造体
101 被加熱部
102 放熱部
111 第1屈曲部
111a 第1折り線
111b 第3折り線
112 第2屈曲部
112a 第2折り線
112b 第4折り線
113 連結部
113a ネジ孔(孔)
114 間隙部
114a 第1切欠き部
114b 第2切欠き部
114c 第3切欠き部
H 発熱体

Claims (9)

  1. 内部空間を有する筐体と、
    前記内部空間に収容されるウィック構造体及び作動媒体と、を備え、
    前記筐体は、上下方向に対向して配置される第1金属板及び第2金属板を有し、
    前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記内部空間を囲む周縁に配置された接合部を介して接合され、
    前記筐体は、上下方向に貫通する間隙部を有し、
    前記第1金属板及び前記第2金属板の一方は、
    前記接合部の外側から上下方向の一方に屈曲して前記間隙部を介して並ぶ第1屈曲部及び第2屈曲部と、
    前記第1屈曲部の先端部と前記第2屈曲部の先端部とを連結する連結部と、を有し、
    上下方向に垂直な面内で前記第1屈曲部の延びる方向と、前記第2屈曲部の延びる方向と、が交差する、熱伝導部材。
  2. 前記第1屈曲部は、前記第1金属板又は第2金属板の一方の周部から第1折り線を介して折り曲げられ、
    前記第2屈曲部は、前記第1金属板又は第2金属板の一方の周部から第2折り線を介して折り曲げられ、
    前記第1折り線の延びる方向と前記第2折り線の延びる方向とが交差する、請求項1に記載の熱伝導部材。
  3. 前記第1折り線及び前記第2折り線のなす角が90°以上である、請求項2に記載の熱導電部材。
  4. 前記間隙部は、前記第1折り線の前記第2折り線側の端部から前記接合部側に切り欠いた第1切欠き部を含む、請求項2又は請求項3に記載の熱導電部材。
  5. 前記間隙部は、前記第2折り線の前記第1折り線側の端部から前記接合部側に切り欠いた第2切欠き部を含む、請求項2~請求項4のいずれかに記載の熱導電部材。
  6. 前記第1屈曲部は、前記第1折り線と平行な第3折り線を介して前記連結部に連設され、
    前記第2屈曲部は、前記第2折り線と平行な第4折り線を介して前記連結部に連設される、請求項2~請求項5のいずれかに記載の熱伝導部材。
  7. 前記間隙部は、前記第3折り線と前記第4折り線との間から前記連結部を切り欠いた第3切欠き部を有する、請求項6に記載の熱導電部材。
  8. 前記第3切欠き部は、前記連結部側に凸に湾曲して形成される、請求項7に記載の熱導電部材。
  9. 前記連結部は、上下方向に貫通する孔を有する、請求項1~請求項8のいずれかに記載の熱伝導部材。
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