JP2022132888A - 加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイヤモンド等を加工するドライ研磨にて、簡易な構成でありながら高能率かつ高精度な加工を実現可能な加工方法及び加工装置を提供する。【解決手段】加工装置1は、石英定盤2と、単結晶ダイヤモンド3を保持する試料ホルダー4を有している。また、加工装置1は、石英定盤2と単結晶ダイヤモンド3との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部5を有している。【選択図】図1
Description
本発明は加工方法及び加工装置に関する。詳しくは、ダイヤモンド等を加工するドライ研磨にて、簡易な構成でありながら高能率かつ高精度な加工を実現可能な加工方法及び加工装置に係るものである。
ダイヤモンドは、5.4eVという広いバンドギャップを持ち、熱伝導率が大きく、絶縁破壊電界や電荷移動度などに優れていることから、次世代パワー半導体デバイス用材料として有力視されている。
ダイヤモンドを用いて半導体デバイスを製作するためには、デバイスの下地となるダイヤモンド基板表面を原子レベルで平滑、かつ無擾乱に仕上げる加工技術が必要不可欠であるといわれている。しかしながら、ダイヤモンドは、高硬度かつ化学的に安定であるために、加工することは極めて難しく、加工技術の開発が技術的課題となっている。
例えば、従来の加工方法として、化学機械研磨などの砥粒を用いた研磨により化学的除去を行う加工が知られている。しかしながら、研磨剤中での化学反応を利用するため除去速度が遅く、加工能率が不充分である問題があった。
ここで、上述した溶液環境下での研磨に対して、砥粒を使用せずに加工能率の向上を試みた大気環境下での加工方法が存在する。
例えば、本願の発明者によって、無機酸化物で構成された研磨定盤に紫外光やプラズマを照射して、定盤表面上のケミカルコンタミネーション(有機汚染物物)を除去するとともに、定盤表面を親水化させる(最表面部にOH基を表出させる)加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、本願の発明者によって、紫外光やプラズマを用いるかわりに、オゾンガスを被加工物と定盤の接触点近傍に供給することで、充分な加工精度を容易に実現できるだけでなく、加工能率を充分に高めることができる加工方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の加工方法で用いる真空紫外光やオゾンガスは、人体に影響を与えるリスクが存在している。また、オゾンガスを利用する際には、オゾンガスを処理するための付帯装置が必須になるという問題点もあった。
また、従前の加工方法では、化学反応性の高い励起種を発生させるために、紫外線やガンマ線、電子線を照射する、または、高電圧パルス放電を印加するなど、外部から高いエネルギーを供給する必要があった。
そのため、特許文献1及び特許文献2に記載の加工方法をはじめ、従前の加工方法では、安全性を担保する点や、専用の装置・設備の準備が必要となる点、また、環境負荷が大きくなる点で改善の余地があった。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、ダイヤモンド等を加工するドライ研磨にて、簡易な構成でありながら高能率かつ高精度な加工を実現可能な加工方法及び加工装置を提供することを目的とするものである。
[加工方法について]
上記の目的を達成するために、本発明の加工方法は、絶縁性材料で構成された加工部材を、絶縁性を有する被加工物と接触させ、接触部位にアルゴンガスを供給すると共に、前記加工部材を前記被加工物に接触させた状態で変位させる工程を備える。
上記の目的を達成するために、本発明の加工方法は、絶縁性材料で構成された加工部材を、絶縁性を有する被加工物と接触させ、接触部位にアルゴンガスを供給すると共に、前記加工部材を前記被加工物に接触させた状態で変位させる工程を備える。
ここで、加工部材を被加工物と接触させ、接触部位にアルゴンガスを供給することによって、接触部位をアルゴンガス環境下におくことができる。即ち、接触部位にアルゴンガスを供給することで、同領域にアルゴンガスを局在させることが可能となる。
また、絶縁性材料で構成された加工部材を、絶縁性を有する被加工物に接触させた状態で変位させる工程によって、接触部位に摩擦による静電気を発生させることができる。この静電気が発生することで、加工部材及び被加工部材について、一方が正に帯電し、かつ、他方が負に帯電して、この帯電の隔たりにより接触部位が高電圧下となる。そして、接触部位にアルゴンガスが供給されると、アルゴンガスがプラズマ化して、励起Ar原子が生成される。また、励起Ar原子が、大気中の水分等と反応して、化学反応性の高い励起種(OHラジカル)を発生させることができる。このOHラジカルにより、被加工物の安定した物理・化学的な加工が可能となる。
また、上述したように、接触部位がアルゴンガス環境下となるため、安定した加工に必要なアルゴンを確保することが可能となる。
本発明では、加工部材と被加工物の接触部位、即ち、被加工物の加工がなされる位置にアルゴンガスを供給して、摩擦により生じる静電気を利用して、化学反応性の高いOHラジカルを生成して、被加工物の物理・化学的に安定した加工を実現するものである。
また、加工部材を被加工物に接触させた状態で変位させ、電圧を印加させずに、摩擦のみで、加工部材及び被加工物について、一方を正に帯電させ、かつ、他方を負に帯電させることが可能であるため、別途、接触部位に高電圧を印加する装置や回路等を用いずに、簡易な部材で、OHラジカルを発生させることができる。
また、加工部材が、ダイヤモンド、サファイア、石英、ガラス、セラミックス、ゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)のうちいずれか1つからなり、被加工物が、ダイヤモンド、サファイア、合成石英、ガラス、セラミックスのうちいずれか1つからなる場合には、被加工物に対する充分に安定した加工が可能となる。
また、アルゴンガスが水分を含有する場合には、加工部材と被加工物の摩擦面で発生するトライボケミカル反応を促進させ、被加工物の加工面における酸化物を生成させ、優先的に除去できるものとなる。この結果、OHラジカルを利用した加工に加え、トライボケミカル反応による加工が促進され、表面粗さの精度をより一層高め、かつ、加工能率を向上させることができる。
[加工装置について]
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る加工装置は、絶縁性材料で構成された加工部材と、絶縁性を有する被加工物を前記加工部材と接触させて保持する保持機構と、前記加工部材及び前記被加工物との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部と、前記加工部材と前記被加工物を接触させた状態で、前記加工部材を変位させる駆動部とを備える。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る加工装置は、絶縁性材料で構成された加工部材と、絶縁性を有する被加工物を前記加工部材と接触させて保持する保持機構と、前記加工部材及び前記被加工物との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部と、前記加工部材と前記被加工物を接触させた状態で、前記加工部材を変位させる駆動部とを備える。
ここで、絶縁性を有する被加工物を加工部材と接触させて保持する保持機構と、加工部材及び被加工物との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部によって、接触部位をアルゴンガス環境下におくことができる。即ち、接触部位にアルゴンガスを供給することで、同領域にアルゴンガスを局在させることが可能となる。
また、絶縁性材料で構成された加工部材を、絶縁性を有する被加工物に接触させた状態で変位させる駆動部によって、接触部位に摩擦による静電気を発生させることができる。この静電気が発生することで、加工部材及び被加工部材について、一方が正に帯電し、かつ、他方が負に帯電して、この帯電の隔たりにより接触部位が高電圧下となる。そして、接触部位にアルゴンガスが供給されると、アルゴンガスがプラズマ化して、励起Ar原子が生成される。また、励起Ar原子が、大気中の水分と反応して、化学反応性の高い励起種(OHラジカル)を発生させることができる。このOHラジカルにより、被加工物の安定した物理・化学的な加工が可能となる。
また、上述したように、接触部位がアルゴンガス環境下となるため、安定した加工に必要なアルゴンを確保することが可能となる。
本発明では、加工部材と被加工物の接触部位、即ち、被加工物の加工がなされる位置にアルゴンガスを供給して、摩擦により生じる静電気を利用して、化学反応性の高いOHラジカルを生成して、被加工物の物理・化学的に安定した加工を実現するものである。
また、加工部材を被加工物に接触させた状態で変位させ、電圧を印加させずに、摩擦のみで、加工部材及び被加工物について、一方を正に帯電させ、かつ、他方を負に帯電させることが可能に構成されたことによって、別途、接触部位に高電圧を印加する装置や回路等を用いずに、簡易な部材で、OHラジカルを発生させることができる。
また、加工部材が、ダイヤモンド、サファイア、石英、ガラス、セラミックス、ゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)のうちいずれか1つからなり、被加工物が、ダイヤモンド、サファイア、合成石英、ガラス、セラミックスのうちいずれか1つからなる場合には、被加工物に対する充分に安定した加工が可能となる。
また、アルゴンガスが水分を含有する場合には、加工部材と被加工物の摩擦面で発生するトライボケミカル反応を促進させ、被加工物の加工面における酸化物を生成させ、優先的に除去できるものとなる。この結果、OHラジカルを利用した加工に加え、トライボケミカル反応による加工が促進され、表面粗さの精度をより一層高め、かつ、加工能率を向上させることができる。
本発明を適用した加工方法及び加工装置では、ダイヤモンド等を加工するドライ研磨にて、簡易な構成でありながら高能率かつ高精度な加工を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「発明の実施の形態」と称する)について説明する。
図1は本発明を適用した加工装置を説明するための模式図であり、ここで示す加工装置1は、石英定盤2と、単結晶ダイヤモンド3を保持する試料ホルダー4を有している。また、加工装置1は、石英定盤2と単結晶ダイヤモンド3との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部5を有している。なお、単結晶ダイヤモンド3は絶縁性を有する被加工物の一例である。
図1は本発明を適用した加工装置を説明するための模式図であり、ここで示す加工装置1は、石英定盤2と、単結晶ダイヤモンド3を保持する試料ホルダー4を有している。また、加工装置1は、石英定盤2と単結晶ダイヤモンド3との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部5を有している。なお、単結晶ダイヤモンド3は絶縁性を有する被加工物の一例である。
なお、石英定盤2の上面(図1上の上面)に被加工物である単結晶ダイヤモンド3が接して被加工物が研磨されることとなる。また、石英定盤2は絶縁性材料で構成された加工部材の一例である。
アルゴンガス供給部5は、石英定盤2の上方に配置されている。また、アルゴンガス供給部5の先端、即ち、アルゴンガスが排出される部分は、石英定盤2と単結晶ダイヤモンド3との接触部位に向けられている。これにより、接触部位がアルゴンガス環境下となる。なお、図中の符号Gはアルゴンガスを示している。
ここで、本実施の形態では、加工部材が石英定盤2で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、絶縁性材料で構成されており、被加工物を加工可能な材料であれば充分であって、必ずしも石英定盤2で形成される必要はない。例えば、ダイヤモンド、サファイア、ガラス、セラミックス、ゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)及びそれらからなる構成材料で形成されていても構わない。
また、石英定盤2は、回転数が制御可能な加工テーブル6上に固定され、加工テーブル6の回転によって石英定盤2が図1中符号Aで示す方向に回転可能に構成されている。
また、試料ホルダー4は、石英定盤2の回転軸に対して偏心した回転軸7を中心として図1中符号Bで示す方向に回転可能に構成されている。また、試料ホルダー4は、図1中符号Zで示す方向に揺動可能に構成されている。
また、試料ホルダー4は、単結晶ダイヤモンド3を保持した状態で上方から単結晶ダイヤモンド3と石英定盤2が接触する位置まで下降する。なお、図中の符号Yは荷重をかける方向を示している。
ここで、本実施の形態では、試料ホルダー4に保持される被加工物として単結晶ダイヤモンド3を例に挙げて説明を行っているが、被加工物は単結晶ダイヤモンド3に限定されるものではなく、絶縁性を有する材料であれば採用可能である。例えば、ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、CVDダイヤモンド、DLC膜等のダイヤモンド関連材料、サファイア、アルミナ、SiCセラミックス、Si3N4セラミックス、AIN、石英、ガラス等の硬脆材料等であっても構わない。
以下、上記の様に構成された加工装置1を用いた加工方法について説明を行う。即ち、本発明を適用した加工方法の一例について説明を行う。
本発明を適用した加工方法の一例では、石英定盤2及び試料ホルダー7を回転または揺動させながら、石英定盤2と単結晶ダイヤモンド3との接触部位にアルゴンガス供給部5からアルゴンガスを供給する。
即ち、石英定盤2と単結晶ダイヤモンド3との接触部位にアルゴンガスを供給しながら、接触部位で生じる摩擦により静電気を発生させ、石英定盤2及び単結晶ダイヤモンド3について、一方が正に帯電し、かつ、他方が負に帯電して、この帯電の隔たりにより接触部位が高電圧下となる。
そして、接触部位にアルゴンガスが供給されることで、高電圧下で、アルゴンガスがプラズマ化して、励起Ar原子が生成される。また、励起Ar原子が、大気中の水分と反応して、OHラジカルを生成する。生成したOHラジカルが単結晶ダイヤモンド3の表面に作用し、石英定盤2の上面と単結晶ダイヤモンド3が接触した状態で石英定盤2が回転することによって、単結晶ダイヤモンド3の表面を物理・化学的に除去することとなる。
本実施の形態の変形例として、アルゴンガス供給部から供給するアルゴンガスに水を含ませて、加工部材と被加工物との接触部位にアルゴンガスを供給する方法も採用しうる。
アルゴンガスが水を含有する場合には、加工部材と被加工物の摩擦面で発生するトライボケミカル反応を促進させ、被加工物の加工面における酸化物を生成させ、優先的に除去可能となる。この結果、OHラジカルを利用した加工に加え、トライボケミカル反応による加工が促進され、表面粗さの精度をより一層高め、かつ、加工能率を向上させることができる。
[効果]
本発明を適用した加工方法及び加工装置は、加工部材と被加工物の接触部位、即ち、被加工物の加工がなされる位置にアルゴンガスを供給するだけで、絶縁性の加工部材及び被加工物の摩擦により生じる静電気を利用して、化学反応性の高いOHラジカルを生成して、被加工物の物理・化学的に安定した加工を実現できる。そのため、外部から高いエネルギーを供給する必要がなく、低装置コスト、低加工コスト及び低環境負荷で、加工を実現できる。
本発明を適用した加工方法及び加工装置は、加工部材と被加工物の接触部位、即ち、被加工物の加工がなされる位置にアルゴンガスを供給するだけで、絶縁性の加工部材及び被加工物の摩擦により生じる静電気を利用して、化学反応性の高いOHラジカルを生成して、被加工物の物理・化学的に安定した加工を実現できる。そのため、外部から高いエネルギーを供給する必要がなく、低装置コスト、低加工コスト及び低環境負荷で、加工を実現できる。
また、本発明を適用した加工装置は、アルゴンガス供給部を既存の装置に配置するのみで容易に構築することができるものとなっている。
更に、本発明を適用した加工方法及び加工装置は、砥粒を利用していないために、加工後の砥粒処理を行う必要がないものとなる。
また、砥粒を利用した加工の場合には、砥粒をスラリーの状態で供給する必要があり、加工部材や被加工物がスラリーで湿った状態となってしまい、温度が上がりにくく加工が進み難い。
一方、本発明を適用した加工方法では、砥粒を利用していないためにスラリーが供給されることもなく、加工部材や被加工物が乾いた状態であり、摩擦熱も含めて温度が上がり易く化学反応が進みやすい。即ち、難加工材料の高精度、高能率な加工が実現することができる。
一方、本発明を適用した加工方法では、砥粒を利用していないためにスラリーが供給されることもなく、加工部材や被加工物が乾いた状態であり、摩擦熱も含めて温度が上がり易く化学反応が進みやすい。即ち、難加工材料の高精度、高能率な加工が実現することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、ここで示す実施例は一例であり本発明を限定するものではない。
[実施例及び比較例]
本発明の実施例の加工方法として、以下の条件で加工を行った。先ず、本発明の実施例1の加工方法として、石英定盤に被加工物として単結晶ダイヤモンド(3mm×3mm)を2kg(22.2kg/cm2)の荷重で押圧し、石英定盤を回転数250rpmで回転させると共に、試料ホルダーを回転数1000rpm、揺動距離3mm、揺動速度0.1mm/sの条件で回転させた。また、アルゴンガス供給部より石英定盤と単結晶ダイヤモンドとの接触部位にアルゴンガス(5L/min)を供給した。この様な状況で1時間の加工を行った。
実施例と同様の方法で、アルゴンガス供給部によるアルゴンガス供給を行わないものを比較例とした。
本発明の実施例の加工方法として、以下の条件で加工を行った。先ず、本発明の実施例1の加工方法として、石英定盤に被加工物として単結晶ダイヤモンド(3mm×3mm)を2kg(22.2kg/cm2)の荷重で押圧し、石英定盤を回転数250rpmで回転させると共に、試料ホルダーを回転数1000rpm、揺動距離3mm、揺動速度0.1mm/sの条件で回転させた。また、アルゴンガス供給部より石英定盤と単結晶ダイヤモンドとの接触部位にアルゴンガス(5L/min)を供給した。この様な状況で1時間の加工を行った。
実施例と同様の方法で、アルゴンガス供給部によるアルゴンガス供給を行わないものを比較例とした。
上述した実施例の加工方法の装置構成において、石英定盤及び単結晶ダイヤモンドの接触部位の下方に、分光測定器を設置して、石英定盤と単結晶ダイヤモンドが擦り合わされた際に発生する光について、光の波長と発光強度を測定した。
また、上記の実施例及び比較例について、加工能率を確認した。
さらに、上記の実施例及び比較例について、加工後の単結晶ダイヤモンドの表面粗さを非接触形状測定機で測定し、評価を行った。
また、上記の実施例及び比較例について、加工能率を確認した。
さらに、上記の実施例及び比較例について、加工後の単結晶ダイヤモンドの表面粗さを非接触形状測定機で測定し、評価を行った。
図2に実施例から測定した光の波長と発光強度の結果、図3に、比較例から測定した光の波長と発光強度の結果を示す。なお、図2及び図3のグラフでは、縦軸が発光強度、横軸が波長を示している。
図2に示すように、実施例では、符号Aで示す波長309nmの位置にOHラジカルの発光スペクトルのピークが確認された。また、実施例では、符号Cで示す波長700~800nmの範囲に、励起Ar原子の発光スペクトルのピークが確認された。また、実施例では、符号Bで示す位置に、励起窒素原子の発光スペクトルのピークが確認された。また、図3に示すように、比較例では、符号Aで示す位置に、励起窒素原子の発光スペクトルのピークが確認された。
図4に実施例及び比較例の加工能率の結果を示す。図4中では、実施例の結果のグラフが「With Ar gas」に該当し、比較例の結果のグラフが、「without Ar gas」に該当する。また、図4では、縦軸が加工能率を示している。
実施例における加工能率は1427nm/hであり、充分な加工能率を示していた。
一方、比較例における加工能率は53nm/hであった。
一方、比較例における加工能率は53nm/hであった。
図5(a)に実施例の加工領域の一部の表面粗さを示し、図5(b)に比較例の加工領域の一部の表面粗さを示す。
図5(a)に示すように、実施例における被加工面の測定範囲における算術平均粗さ(Ra)の値は0.438nmであった。また、図5(b)に示すように、比較例における被加工面の測定範囲における算術平均粗さ(Ra)の値は1.399nmであった。このように、実施例では比較例よりも、被加工物の加工面が精度高く加工されていた。
1 加工装置
2 石英定盤
3 単結晶ダイヤモンド
4 試料ホルダー
5 アルゴンガス供給部
6 加工テーブル
7 回転軸
2 石英定盤
3 単結晶ダイヤモンド
4 試料ホルダー
5 アルゴンガス供給部
6 加工テーブル
7 回転軸
Claims (8)
- 絶縁性材料で構成された加工部材を、絶縁性を有する被加工物と接触させ、接触部位にアルゴンガスを供給すると共に、前記加工部材を前記被加工物に接触させた状態で変位させる工程を備える
加工方法。 - 前記加工部材を前記被加工物に接触させた状態で変位させ、電圧を印加させずに、摩擦のみで、前記加工部材及び前記被加工物について、一方を正に帯電させ、かつ、他方を負に帯電させる
請求項1に記載の加工方法。 - 前記加工部材は、ダイヤモンド、サファイア、石英、ガラス、セラミックス、ゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)のうちいずれか1つからなり、
前記被加工物は、ダイヤモンド、サファイア、合成石英、ガラス、セラミックスのうちいずれか1つからなる
請求項1または請求項2に記載の加工方法。 - 前記アルゴンガスが水分を含有する
請求項1、請求項2または請求項3に記載の加工方法。 - 絶縁性材料で構成された加工部材と、
絶縁性を有する被加工物を前記加工部材と接触させて保持する保持機構と、
前記加工部材及び前記被加工物との接触部位にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給部と、
前記加工部材と前記被加工物を接触させた状態で、前記加工部材を変位させる駆動部とを備える
加工装置。 - 前記駆動部は、前記加工部材を前記被加工物に接触させた状態で変位させ、電圧を印加させずに、摩擦のみで、前記加工部材及び前記被加工物について、一方を正に帯電させ、かつ、他方を負に帯電させることが可能に構成された
請求項5に記載の加工装置。 - 前記加工部材は、ダイヤモンド、サファイア、石英、ガラス、セラミックス、ゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)のうちいずれか1つからなり、
前記被加工物は、ダイヤモンド、サファイア、合成石英、ガラス、セラミックスのうちいずれか1つからなる
請求項5または請求項6に記載の加工装置。 - 前記アルゴンガスが水分を含有する
請求項5、請求項6または請求項7に記載の加工装置。
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