JP2022131604A - 画像処理装置及び方法、放射線撮像システム - Google Patents

画像処理装置及び方法、放射線撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギーサブトラクション動画の明滅を低減する技術を提供する。【解決手段】画像処理装置は、複数の異なるエネルギーの放射線撮影に対応する複数の動画を取得し、それぞれが複数の動画のそれぞれを構成する複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を適用して分離画像を生成し、分離画像をフレームとする動画を生成する。画像処理装置は、エネルギーサブトラクション処理前の複数の画像またはエネルギーサブトラクション処理後の分離画像を、補正の対象となる画像が属する動画におけるフレーム間の信号値の変動が低減するように補正する。【選択図】 図8

Description

本発明は、画像処理装置及び方法、放射線撮像システムに関する。
現在、X線による医療画像診断や非破壊検査に用いる撮影装置として、半導体材料によって形成された平面検出器(Flat Panel Detector、以下FPDと略す)を用いた放射線撮像装置が普及している。このような放射線撮像装置は、例えば医療画像診断においては、一般撮影のような静止画撮影や、透視撮影のような動画撮影のデジタル撮像装置として用いられている。FPDを用いた撮影方法のひとつに、エネルギーサブトラクションがある(特許文献1)。エネルギーサブトラクションでは、異なる複数のエネルギーのX線に対応する複数の画像が取得され、物質のX線減弱率の違いを利用することによりそれら複数の画像から特定の物質の画像(例えば骨画像と軟部組織画像)が分離される。
特許文献2には、エネルギーサブトラクション処理を動画へ適用した、動的なデュアルエネルギー撮影を行うシステムが記載されている。このシステムでは、撮影の際にX線源の管電圧を第1のkV値にした後に第2のkV値に変更する。そして、管電圧が第1のkV値であるときに第1副画像に対応する第1信号が積分され、積分された信号がサンプル・ホールドノードに転送された後に、積分がリセットされる。その後、管電圧が第2のkV値であるときに第2副画像に対応する第2信号が積分される。これにより、積分された第1信号の読み出しと第2信号の積分が並行して行われる。特許文献1のシステムによれば、エネルギーサブトラクション動画を撮影することができる。
特開2019-162358号公報 特表2009-504221公報
しかしながら、特許文献1では、副画像のフレーム間の経時的な出力変動によりエネルギーサブトラクション動画の画素値がフレーム間でばらつくために、動画に明滅が生じてしまうという課題がある。明滅が生じたエネルギーサブトラクション動画からは、画像診断が正確にできなくなる可能性がある。
本発明は、エネルギーサブトラクション動画の明滅を低減する技術を提供する。
本発明の一態様による画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
複数の異なるエネルギーの放射線撮影に対応する複数の動画を取得する取得手段と、
それぞれが前記複数の動画のそれぞれを構成する複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を適用して分離画像を生成し、前記分離画像をフレームとする動画を生成する生成手段と、
前記複数の画像または前記分離画像を、補正の対象である画像が属する動画におけるフレーム間の信号値の変動が低減するように補正する補正手段と、を備える。
本発明によれば、エネルギーサブトラクション動画における明滅が低減する。
実施形態による放射線撮像システムの構成例を示す図。 X線撮像装置の二次元検出器が備える画素の等価回路図。 X線画像を取得するための動作を示すタイミングチャート。 エネルギーサブトラクション処理を説明する図。 制御用コンピュータのハードウエア構成例を示すブロック図。 蓄積画像と骨画像の例を示す図。 エネルギーサブトラクション処理の前後における動画のフレーム間の信号値変動を示す図。 第1実施形態による、明滅低減処理を含む信号処理のブロック図。 実施形態による明滅低減処理のフローチャート。 明滅低減処理が施された動画のフレーム間の信号値変動を示す図。 蓄積画像Aを取得する処理を説明する図。 第2実施形態による、明滅低減処理とのノイズ低減処理を含む信号処理のブロック図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
なお、以下では、放射線としてX線を用いた放射線撮像システムについて説明するが、これに限られるものではない。本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギーを有するビーム、例えば粒子線、宇宙線なども、含まれるものとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る放射線撮像システムの構成例を示すブロック図である。第1実施形態の放射線撮像システムは、X線発生装置101、X線制御装置102、制御用コンピュータ103、X線撮像装置104を備える。
X線発生装置101はX線を曝射する。X線制御装置102は、X線発生装置101によるX線の曝射を制御する。制御用コンピュータ103は、X線撮像装置104を制御して、X線撮像装置104により撮像された放射線画像(以下、X線画像(画像情報))を取得する。制御用コンピュータ103は、X線撮像装置104から取得したX線画像に対して後述する明滅低減処理を含む画像処理を施す画像処理装置として機能する。なお、明滅低減処理(および第2実施形態で説明されるノイズ低減処理)を含む画像処理を実行する機能がX線撮像装置104に設けられていてもよい。X線撮像装置104は、X線を可視光に変換する蛍光体105と、可視光を検出する二次元検出器106で構成される。二次元検出器106は、X線量子を検出する画素20をX列×Y行のアレイ状に配置したセンサであり、画像情報を出力する。
図5は、制御用コンピュータ103のハードウエア構成例を示すブロック図である。CPU141は、ROM142またはRAM143に格納されたプログラムを実行することにより制御用コンピュータ103の各種動作を制御する。例えば、CPU141は、X線制御装置102(X線発生装置101)によるX線の照射およびX線撮像装置104によるX線画像の撮像動作を制御する。また、CPU141は、後述する種々の信号処理および画像処理を実現する。なお、後述される信号処理および画像処理の動作は、その一部あるいは全体が専用のハードウエアにより実現されてもよい。ROM142は、CPU141により実行されるプログラムや各種データを格納する。RAM143は、CPU141が処理を実行する際に発生する中間データなどを記憶する作業エリアを提供する。二次記憶装置144は、処理対象の放射線画像(X線画像)を格納する。また、二次記憶装置144は制御プログラムを格納する。二次記憶装置144に格納されているプログラムは必要に応じてRAM143に展開され、CPU141により実行される。
ディスプレイ145は、CPU141の制御下で各種表示を行う。操作部146は、例えばキーボード、ポインティングデバイスを含み、ユーザによる各種入力を受け付ける。インターフェース147は、X線制御装置102、X線撮像装置104などの外部機器と制御用コンピュータ103を接続する。バス148は、上述した各部を通信可能に接続する。
図2は、二次元検出器106が備える画素20の等価回路図である。画素20は、光電変換素子201と、出力回路部202とを含む。光電変換素子201は、典型的にはフォトダイオードでありうる。出力回路部202は、増幅回路部204、クランプ回路部206、サンプルホールド回路部207、選択回路部208を含む。
光電変換素子201は、電荷蓄積部を含み、該電荷蓄積部は、増幅回路部204のMOSトランジスタ204aのゲートに接続されている。MOSトランジスタ204aのソースは、MOSトランジスタ204bを介して電流源204cに接続されている。MOSトランジスタ204aと電流源204cとによってソースフォロア回路が構成されている。MOSトランジスタ204bは、そのゲートに供給されるイネーブル信号ENがアクティブレベルになるとオンしてソースフォロア回路を動作状態にするイネーブルスイッチである。
図2に示す例では、光電変換素子201の電荷蓄積部およびMOSトランジスタ204aのゲートが共通のノードを構成していて、このノードは、該電荷蓄積部に蓄積された電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部として機能する。即ち、電荷電圧変換部には、該電荷蓄積部に蓄積された電荷Qと電荷電圧変換部が有する容量値Cとによって定まる電圧V(=Q/C)が現れる。電荷電圧変換部は、リセットスイッチ203を介してリセット電位Vresに接続されている。リセット信号PRESがアクティブレベルになると、リセットスイッチ203がオンして、電荷電圧変換部の電位がリセット電位Vresにリセットされる。
クランプ回路部206は、リセットした電荷電圧変換部の電位に応じて増幅回路部204によって出力されるノイズをクランプ容量206aによってクランプする。つまり、クランプ回路部206は、光電変換素子201で光電変換により発生した電荷に応じてソースフォロア回路から出力された信号から、このノイズをキャンセルするための回路である。このノイズはリセット時のkTCノイズを含む。クランプは、クランプ信号PCLをアクティブレベルにしてMOSトランジスタ206bをオン状態にした後に、クランプ信号PCLを非アクティブレベルにしてMOSトランジスタ206bをオフ状態にすることによってなされる。クランプ容量206aの出力側は、MOSトランジスタ206cのゲートに接続されている。MOSトランジスタ206cのソースは、MOSトランジスタ206dを介して電流源206eに接続されている。MOSトランジスタ206cと電流源206eとによってソースフォロア回路が構成されている。MOSトランジスタ206dは、そのゲートに供給されるイネーブル信号EN0がアクティブレベルになるとオンしてソースフォロア回路を動作状態にするイネーブルスイッチである。
光電変換素子201で光電変換により発生した電荷に応じてクランプ回路部206から出力される信号は、光信号として、光信号サンプリング信号TSがアクティブレベルになることによってスイッチ207Saを介して容量207Sbに書き込まれる。電荷電圧変換部の電位をリセットした直後にMOSトランジスタ206bをオン状態とした際にクランプ回路部206から出力される信号は、クランプ電圧である。このノイズ信号は、ノイズサンプリング信号TNがアクティブレベルになることによってスイッチ207Naを介して容量207Nbに書き込まれる。このノイズ信号には、クランプ回路部206のオフセット成分が含まれる。スイッチ207Saと容量207Sbによって信号サンプルホールド回路207Sが構成され、スイッチ207Naと容量207Nbによってノイズサンプルホールド回路207Nが構成される。サンプルホールド回路部207は、信号サンプルホールド回路207Sとノイズサンプルホールド回路207Nとを含む。
駆動回路部が行選択信号をアクティブレベルに駆動すると、容量207Sbに保持された信号(光信号)がMOSトランジスタ208Saおよび行選択スイッチ208Sbを介して信号線21Sに出力される。また、同時に、容量207Nbに保持された信号(ノイズ)がMOSトランジスタ208Naおよび行選択スイッチ208Nbを介して信号線21Nに出力される。MOSトランジスタ208Saは、信号線21Sに設けられた不図示の定電流源とソースフォロア回路を構成する。同様に、MOSトランジスタ208Naは、信号線21Nに設けられた不図示の定電流源とソースフォロア回路を構成する。MOSトランジスタ208Saと行選択スイッチ208Sbによって信号用選択回路部208Sが構成され、MOSトランジスタ208Naと行選択スイッチ208Nbによってノイズ用選択回路部208Nが構成される。選択回路部208は、信号用選択回路部208Sとノイズ用選択回路部208Nとを含む。
画素20は、隣接する複数の画素20の光信号を加算する加算スイッチ209Sを有してもよい。加算モード時には、加算モード信号ADDがアクティブレベルになり、加算スイッチ209Sがオン状態になる。これにより、隣接する画素20の容量207Sbが加算スイッチ209Sによって相互に接続されて、光信号が平均化される。同様に、画素20は、隣接する複数の画素20のノイズを加算する加算スイッチ209Nを有してもよい。加算スイッチ209Nがオン状態になると、隣接する画素20の容量207Nbが加算スイッチ209Nによって相互に接続されて、ノイズが平均化される。加算部209は、加算スイッチ209Sと加算スイッチ209Nを含む。
画素20は、感度を変更するための感度変更部205を有してもよい。画素20は、例えば、第1感度変更スイッチ205aおよび第2感度変更スイッチ205'a、並びにそれらに付随する回路素子を含みうる。第1変更信号WIDEがアクティブレベルになると、第1感度変更スイッチ205aがオンして、電荷電圧変換部の容量値に第1付加容量205bの容量値が追加される。これによって画素20の感度が低下する。第2変更信号WIDE2がアクティブレベルになると、第2感度変更スイッチ205'aがオンして、電荷電圧変換部の容量値に第2付加容量205'bの容量値が追加される。これによって画素20の感度が更に低下する。このように画素20の感度を低下させる機能を追加することによって、より大きな光量を受光することが可能となり、ダイナミックレンジを広げることができる。第1変更信号WIDEがアクティブレベルになる場合には、イネーブル信号ENwをアクティブレベルにして、MOSトランジスタ204aに変えてMOSトランジスタ204'aをソースフォロア動作させてもよい。
X線撮像装置104は、以上のような画素回路の出力を読み出し、不図示のAD変換器でデジタル値に変換した後、制御用コンピュータ103に画像を転送する。
次に本実施形態の放射線撮像システムの動作(X線撮像装置104の駆動)について説明する。図3は、第1実施形態に係るX線撮像装置104の駆動タイミングを示す図である。図3(a)では、横軸を時間として、X線の曝射、同期信号、光電変換素子201のリセット、サンプルホールド回路207および信号線21からの画像の読み出しのタイミングを示している。
まず、光電変換素子201のリセットを行ってから、X線を曝射する。X線の管電圧は理想的には矩形波となるが、管電圧の立ち上がりと立下りには有限の時間がかかる。特に、パルスX線で曝射時間が短い場合は、管電圧はもはや矩形波とはみなせず、図3(a)に示すような波形となる。すなわち、X線の立ち上がり期、安定期、立下り期でX線のエネルギーが異なる。
そこで、立ち上がり期のX線301が曝射された後に、ノイズサンプルホールド回路207Nでサンプリングを行い、さらに安定期のX線302が曝射された後に信号サンプルホールド回路207Sでサンプリングを行う。その後、信号線21Nと信号線21Sの差分を画像として読み出す。このとき、ノイズサンプルホールド回路207Nには立ち上がり期のX線301の信号(R)が保持され、信号サンプルホールド回路207Sには立ち上がり期のX線301の信号と安定期のX線302の信号の和(R+B)が保持されている。従って、X線撮像装置104からは安定期のX線302の信号(B)に対応した画像304が読み出される。
次に、立下り期のX線303の曝射と、画像304の読み出しとが完了してから、再び信号サンプルホールド回路207Sでサンプリングを行う。その後、光電変換素子201のリセットを行い、再びノイズサンプルホールド回路207Nでサンプリングを行い、信号線21Nと信号線21Sの差分を画像として読み出す。このとき、ノイズサンプルホールド回路207NにはX線が曝射されていない状態の信号が保持される。また、信号サンプルホールド回路207Sには立ち上がり期のX線301の信号と安定期のX線302と立下り期のX線303の信号の和(R+B+R)が保持されている。従って、X線撮像装置104からは、立ち上がり期のX線301の信号と安定期のX線302の信号と立下り期のX線303の信号に対応した画像306が読み出される。その後、画像306と画像304の差分を計算することで、立ち上がり期のX線301と立下り期のX線303の和(R+R)に対応した画像305が得られる。
サンプルホールド回路207及び光電変換素子201のリセットを行うタイミングは、X線発生装置101からX線の曝射が開始されたことを示す同期信号307を用いて決定される。X線の曝射開始を検出する方法としては、X線発生装置101の管電流を測定し、電流値が予め設定された閾値を上回るか否かを判定する構成が好適に用いられる。また、光電変換素子201のリセットが完了した後、画素20を繰り返して読み出し、画素値が予め設定された閾値を上回るか否かを判定する構成も好適に用いられる。さらには、X線撮像装置104に二次元検出器106とは異なるX線検出器を内蔵し、その測定値が予め設定された閾値を上回るか否かを判定する構成も好適に用いられる。いずれの方式の場合も、同期信号307の入力から予め指定した時間が経過した後に、信号サンプルホールド回路207Sのサンプリング、ノイズサンプルホールド回路207Nのサンプリング、光電変換素子201のリセットを行う。
以上のようにして、パルスX線の安定期に対応した画像304と、立ち上がり期と立下り期の和に対応した画像305を得る。二枚の画像を形成する際に曝射されたX線のエネルギーが異なるため、画像間で演算を行うことでエネルギーサブトラクション処理を行うことができる。
図3(b)に、第1実施形態に係る放射線撮像システムにおいてエネルギーサブトラクションを行った場合の駆動タイミングを示す。図3(a)とは、X線の管電圧を能動的に切り替えている点が異なる。
まず、光電変換素子201のリセットを行ってから、低エネルギーのX線401を曝射する。その後、ノイズサンプルホールド回路207Nでサンプリングを行ってから、管電圧を切り替えて高エネルギーのX線402が曝射された後に、信号サンプルホールド回路207Sでサンプリングを行う。その後、管電圧を切り替えて低エネルギーのX線403の曝射を行う。さらに、信号線21Nと信号線21Sの差分を画像として読み出す。このとき、ノイズサンプルホールド回路207Nには低エネルギーのX線401の信号(R)が保持され、信号サンプルホールド回路207Sには低エネルギーのX線401の信号と高エネルギーのX線402の信号の和(R+B)が保持されている。従って、X線撮像装置104からは、高エネルギーのX線402の信号(B)に対応した画像404が読み出される。
次に、低エネルギーのX線403の曝射と、画像404の読み出しとが完了してから、再び信号サンプルホールド回路207Sでサンプリングを行う。その後、光電変換素子201のリセットを行い、再びノイズサンプルホールド回路207Nでサンプリングを行い、信号線21Nと信号線21Sの差分を画像として読み出す。このとき、ノイズサンプルホールド回路207NにはX線が曝射されていない状態の信号が保持される。また、このとき、信号サンプルホールド回路207Sには低エネルギーのX線401の信号と高エネルギーのX線402と低エネルギーのX線403の信号の和(R+B+R)が保持されている。従って、X線撮像装置104からは低エネルギーのX線401の信号と高エネルギーのX線402の信号と低エネルギーのX線403の信号に対応した画像406が読み出される。その後、画像406と画像404の差分を計算することで、低エネルギーのX線401と低エネルギーのX線403の和(R+R)に対応した画像405が得られる。同期信号407については、図3(a)と同様である。このように、管電圧を能動的に切り替えながら画像を取得することで、図3(a)の方法に比べて低エネルギーと高エネルギーの画像の間のエネルギー差をより大きくすることが出来る。
次に、図4を参照して、本実施形態のエネルギーサブトラクション処理について説明する。本実施形態におけるエネルギーサブトラクション処理は、補正処理、信号処理、画像処理の3段階に分かれている。以下、各段階の処理を説明する。
・補正処理の説明
図4(a)は、本実施形態に係るエネルギーサブトラクション処理における補正処理のブロック図を示す。まず、X線撮像装置104にX線を曝射せずに撮像を行い、図3(a)または図3(b)に示した駆動で画像を取得する。このとき2枚の画像が読み出されるが、1枚目の画像をF_ODD、2枚目の画像をF_EVENとする。F_ODDとF_EVENは、X線撮像装置104の固定パターンノイズ(FPN)に対応する画像である。次に、被写体がない状態でX線撮像装置104にX線を曝射して撮像を行い、図3(a)または図3(b)に示した駆動で画像を取得する。このとき2枚の画像が読み出されるが、1枚目の画像をW_ODD、2枚目の画像をW_EVENとする。W_ODDとW_EVENは、X線撮像装置104のFPNとX線による信号の和に対応する画像である。従って、W_ODDからF_ODDを、W_EVENからF_EVENを減算することで、X線撮像装置104のFPNが除去された画像WF_ODDとWF_EVENが得られる。これをオフセット補正と呼ぶ。
WF_ODDは安定期のX線302(または高エネルギーのX線402)に対応する画像である。また、WF_EVENは、立ち上がり期のX線301、安定期のX線302、立下り期のX線303の和(または、低エネルギーのX線401と403、および高エネルギーのX線402の和)に対応する画像である。従って、WF_EVENからWF_ODDを減算することで、立ち上がり期のX線301と立下り期のX線303の和に対応する画像が得られる。立ち上がり期のX線301と立下り期のX線303のエネルギーは、安定期のX線302のエネルギーに比べて低い。従って、WF_EVENからWF_ODDを減算することで、被写体がない場合の低エネルギー画像W_Lowが得られる。また、WF_ODDから、被写体がない場合の高エネルギー画像W_Highが得られる。これを色補正と呼ぶ。
次に、被写体がある状態でX線撮像装置104にX線を曝射して撮像を行い、図3(a)または図3(b)に示した駆動で画像を取得する。このとき2枚の画像が読み出されるが、1枚目の画像をX_ODD、2枚目の画像をX_EVENとする。被写体がない場合と同様の減算を行うことで、被写体がある場合の低エネルギー画像X_Lowと、被写体がある場合の高エネルギー画像X_Highが得られる。
ここで、被写体の厚みをd、被写体の線減弱係数をμ、被写体がない場合の画素20の出力をI、被写体がある場合の画素20の出力をIとすると、以下の式(1)が成り立つ。
Figure 2022131604000002
(1)式を変形すると、以下の式(2)が得られる。式(2)の右辺は被写体の減弱率を示す。被写体の減弱率は0~1の間の実数である。
Figure 2022131604000003
従って、被写体がある場合の低エネルギー画像X_Lowを、被写体がない場合の低エネルギー画像W_Lowで除算することで、低エネルギーにおける減弱率の画像Lが得られる。同様に、被写体がある場合の高エネルギー画像X_Highを、被写体がない場合の高エネルギー画像W_Highで除算することで、高エネルギーにおける減弱率の画像Hが得られる。これをゲイン補正と呼ぶ。
・信号処理の説明
図4(b)に、エネルギーサブトラクション処理における信号処理のブロック図を示す。信号処理では、図4(a)に示した補正処理によって得られた低エネルギーにおける減弱率の画像Lと高エネルギーにおける減弱率の画像Hから、分離画像を求める。ここでは、分離画像の一例として、骨の厚さの画像B(骨画像Bともいう)と軟部組織の厚さの画像S(軟部組織画像Sともいう)を求める場合を説明する。
X線フォトンのエネルギーをE、エネルギーEにおけるフォトン数をN(E)、骨の厚さをB、軟部組織の厚さをSとする。また、エネルギーEにおける骨の線減弱係数をμ(E)、エネルギーEにおける軟部組織の線減弱係数をμ(E)、減弱率をI/Iとすると、以下の式(3)が成り立つ。
Figure 2022131604000004
エネルギーEにおけるフォトン数N(E)は、X線のスペクトルである。X線のスペクトルは、シミュレーション又は実測により得られる。また、エネルギーEおける骨の線減弱係数μ(E)とエネルギーEおける軟部組織の線減弱係数μ(E)は、NISTなどのデータベースから得られる。すなわち、任意の骨の厚さB、軟部組織の厚さS、X線のスペクトルN(E)における減弱率I/Iを計算することが可能である。
ここで、低エネルギーのX線におけるスペクトルをN(E)、高エネルギーのX線におけるスペクトルをN(E)とすると、以下の式(4)が成り立つ。
Figure 2022131604000005
式(4)の非線形連立方程式を解くことで、骨の厚みBと軟部組織の厚みSを求めることができる。非線形連立方程式を解く代表的な方法として、ニュートンラフソン法を用いた場合について説明する。まず、ニュートンラフソン法の反復回数をm、m回目の反復後の骨の厚みをB、m回目の反復後の軟部組織の厚みをSとしたとき、m回目の反復後の高エネルギーの減弱率をH、m回目の反復後の低エネルギーの減弱率Lを、以下の式(5)で表す。
Figure 2022131604000006
また、厚みが微小に変化したときの減弱率の変化率を、以下の式(6)で表す。
Figure 2022131604000007
このとき、m+1回目の反復後の骨の厚みBm+1と軟部組織の厚みSm+1を、高エネルギーの減弱率Hと低エネルギーの減弱率Lを用いて、以下の式(7)で表す。
Figure 2022131604000008
2×2の行列の逆行列は、行列式をdetとすると、クラメルの公式より以下の式(8)で表される。
Figure 2022131604000009
従って、式(7)に式(8)を代入すると、以下の式(9)が求まる。
Figure 2022131604000010
このような計算を繰り返すことで、m回目の反復後の高エネルギーの減弱率Hと実測した高エネルギーの減弱率Hの差分が限りなく0に近づいていく。低エネルギーの減弱率Lについても同様である。これによって、m回目の反復後の骨の厚みBが骨の厚みBに収束し、m回目の軟部組織の厚みSが軟部組織の厚みSに収束する。以上のようにして、式(4)に示した非線形連立方程式を解くことができる。従って、全ての画素について式(4)を計算することで、低エネルギーにおける減弱率の画像Lと高エネルギーにおける減弱率の画像Hから、骨の厚さの画像B、軟部組織の厚さの画像Sを得ることができる。
なお、本実施形態では分離画像の例として、骨の厚さBと軟部組織の厚さSの画像を算出する例を示したが、本実施形態はこのような形態に限定されない。例えば、分離画像として水の厚さWと造影剤の厚さIを算出してもよい。すなわち、任意の二種類の物質の厚さに分解してもよい。また、図4(a)の補正処理によって得られた低エネルギーにおける減弱率の画像Lと高エネルギーにおける減弱率の画像Hから、実効原子番号Zの画像と面密度Dの画像を分離画像として求めてもよい。実効原子番号Zとは混合物の等価的な原子番号のことであり、面密度Dとは被写体の密度[g/cm]と被写体の厚み[cm]の積である。当然のことながら、低エネルギー画像と高エネルギー画像に対して、これ以外の演算を行って分離画像を生成してもよい。すなわち、本発明の信号処理は、低エネルギー画像と高エネルギー画像を演算すること(エネルギーサブトラクション処理)で、エネルギーサブトラクション画像を生成する処理であるといえる。本明細書では、エネルギーサブトラクション画像と分離画像は同義であるとする。
また、本実施形態では、ニュートンラフソン法を用いて非線形連立方程式を解く例を示したが、このような形態に限定されるものではない。例えば、最小二乗法や二分法などの反復解法を用いてもよい。また、本実施形態では非線形連立方程式を反復解法で解いていたが、このような形態に限定されるものではない。様々な組み合わせの高エネルギーの減弱率Hと低エネルギーの減弱率Lに対する骨の厚みBや軟部組織の厚みSを事前に求めてテーブルを生成し、このテーブルを参照することで骨の厚みBや軟部組織の厚みSを高速に求める構成を用いても良い。
・画像処理の説明
図4(c)に、エネルギーサブトラクション処理に係る画像処理のブロック図を示す。画像処理では、上述した信号処理によって得られた分離画像を用いて表示用の画像を生成する。例えば図4(b)に示した信号処理によって得られた骨画像Bに対して後処理を行うなどして、表示用画像を生成する。生成された表示用画像は、例えば、ディスプレイ145に表示される。そのような後処理としては、対数変換やダイナミックレンジ圧縮などが用いられ得る。なお、後処理の種類や強度をパラメータとして入力することで、処理の内容を切り替えてもよい。
以上、本実施形態によるエネルギーサブトラクション処理について説明した。図6に、蓄積画像601と骨画像602の例を模式的に示す。蓄積画像601とは、エネルギーサブトラクション処理前の画像、すなわち、エネルギー分解能を持たない、既存の放射線撮像システムで撮影された画像もしくはそれに相当する画像である。例えば、図3における画像306、画像406、上述した高エネルギー画像H、低エネルギー画像Lが蓄積画像に相当する。骨画像602は、上述のエネルギーサブトラクション処理により得られた分離画像である。通常の人体は、軟部組織と骨のみで構成されている。しかしながら、図1に示した放射線撮像システムを用いてIVR(画像下治療)を行うときは、血管に造影剤が注入される。また、カテーテルやガイドワイヤーを血管内に挿入し、ステントやコイルを留置するなどの処置が行われる。IVRでは、造影剤や医療用デバイスの位置と形状を確認しながら処置が行われる。従って、造影剤や医療用デバイスのみを分離する、又は、軟部組織や骨などの背景を除去することで、視認性を向上させることが望まれる。
図6に示すように、蓄積画像601では軟部組織が見えてしまうのに対して、エネルギーサブトラクション処理により得られた骨画像602では、軟部組織のコントラストを除去することができる。また、造影剤の主成分はヨウ素であり、医療用デバイスの主成分はステンレス等の金属である。いずれも、骨の主成分であるカルシウムよりも原子番号が大きいため、骨画像602には、骨と造影剤と医療用デバイスが表示される。本願の発明者が検討を行ったところ、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lを水画像Wと造影剤画像Iに分離するなどしても、造影剤画像Iに骨と造影剤と医療用デバイスが表示されることが確認された。他の二物質の組み合わせであっても同様である。また、低エネルギーのX線と高エネルギーのX線の管電圧やフィルタを変えても同様である。いずれの場合にも、骨画像602には、骨と造影剤と医療用デバイスが表示されることが確認された。
胸部のIVRを行うときの肺野部分などのように、軟部組織のコントラストが視認性を低下させている場合は、第1実施形態に係る放射線撮像システムにおける骨画像602を表示することで、造影剤や医療用デバイスの視認性が向上する可能性がある。しかしながら、骨画像602は蓄積画像601よりもフレーム間変動が大きくなり、動画を表示した際に画面が明滅するという課題がある。
蓄積画像601の画素値は撮影(フレーム)ごとに変動する。原因としては、照射線量、線質がフレーム間で変動するといったX線源起因のものや、サンプルホールドのタイミングがフレーム間で変化するといったセンサ起因のものなどが考えられる。蓄積画像での画素値の変動はエネルギーサブトラクション処理を行うことで増幅される。図7に豚の臓器の放射線動画を撮影した場合の、エネルギーサブトラクション処理前後におけるフレームの平均画像に対するフレーム間変動を示す。グラフ701は、エネルギーサブトラクション処理後の動画(骨画像)におけるフレーム間変動を示す。また、グラフ702は、エネルギーサブトラクション処理前の動画(高エネルギー画像H)におけるフレーム間変動を表している。ただし、エネルギーサブトラクション処理前の画像は以下の変形により画素値を[cm]に合わせている。
X線が単色であり、被写体の材質が同じである(減弱率が同じである)と仮定すると、エネルギーサブトラクション処理前の画像の各画素I/Iは、式(2)で表すことができる。ただし、μはX線の平均エネルギーEにおける減弱率である。ここで、式(2)は以下の式(10)ように変形することができる。エネルギーサブトラクション処理前の画像の各画素I/Iを式(10)のように変形することで、厚み[cm]の次元にすることができる。なお、減弱率μには骨の減弱率が使用される。
Figure 2022131604000011
図7からわかるように、エネルギーサブトラクション処理前の動画では目立たないフレーム間の信号値の変動(グラフ702)が、エネルギーサブトラクション処理後の動画においては大きくなる(グラフ701)。このようなフレーム間の信号値の変動により、動画を目視した際に画像が明滅する。このように、エネルギーサブトラクション処理前の動画では明滅が目視できなくても、エネルギーサブトラクション処理後の動画が明滅する場合がある。以下、エネルギーサブトラクション処理後の動画における明滅を低減するための処理について説明する。
図8に、フレーム間の信号値の変動(明滅)を低減させる処理(以下、明滅低減処理)を含む信号処理のブロック図を示す。図8のブロック図は、図4(b)により上述した信号処理のブロックをより詳細に示した図である。信号処理は、高エネルギーの放射線撮影に対応する動画を構成する高エネルギー画像Hと、低エネルギーの放射線撮影に対応する動画を構成する低エネルギー画像Lとから、分離画像(骨画像B'と軟部組織画像S')の動画を出力する。分離画像の動画は、後述の明滅低減処理によりフレーム間の明滅が低減されている。なお、図8では、説明のため、必要最小限の構成が示されている。また、ブロックR1、ブロックMD1、ブロックR2は、例えば、CPU141がROM142に格納されたプログラムを実行することにより実現され得る。また、各ブロックのいずれか、あるいはすべてが専用のハードウエアにより実現されてもよいし、CPUと専用のハードウエアとの協働により実現されてもよい。
まず、ブロックR1が、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lに対して明滅低減処理を行う。明滅低減処理の詳細については後述する。次に、ブロックMD1は、ブロックR1により明滅が低減された高エネルギー画像H'と低エネルギー画像L'に、図4(b)を参照して説明した信号処理を適用し、骨画像Bと軟部組織画像Sを生成する。次に、ブロックR2は、骨画像Bと軟部組織画像Sに対して明滅低減処理を行い、骨画像B'と軟部組織画像S'を生成する。以上により、ブロックR2から、明滅低減処理がなされたエネルギーサブトラクション処理動画である動画B'、動画S'が得られる。
図9は、図8に示したブロックR1が行う明滅低減処理を示すフローチャートである。S901において、ブロックR1は、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lからそれぞれの代表信号値を算出する。代表信号値は被写体の動きによる影響を受けないことが好ましい。代表信号値は画像全体から求めても良いし、設定したROIから求めても良い。ROIを設定する場合、ROIはあらかじめ決められた固定の領域でも良いし、代表信号値を算出する際にユーザにより手動で設定されても良いし、自動的に設定されても良い。ROIを自動的に設定する方法としては、例えば、動画像を解析して被写体起因の信号値変動がない領域を特定し、特定した領域をROIとして設定する方法が用いられ得る。また、代表信号値としては、中央値、平均値、累積ヒストグラムのN%値などの統計量を用いることができる。以下では、中央値を代表値信号として用いて説明する。
S902において、ブロックR1は、明滅低減処理の対象となっている動画データから基準となる代表信号値(以下、基準値という)を求める。基準値は、例えば、動画データの1フレーム目の画像の中央値とすることができる。より具体的には、一連の高エネルギー画像Hからなる動画データの1フレーム目の画像の中央値が高エネルギー画像用の基準値に、一連の低エネルギー画像Lからなる動画データの1フレーム目の画像の中央値が低エネルギー画像用の基準値に決定される。
次に、S903において、ブロックR1は、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lのそれぞれについて補正量を算出する。以下、高エネルギー画像Hの補正量αと、補正量αを用いた高エネルギー画像Hの補正について説明するが、低エネルギー画像も同様の処理で補正され得る。補正量αは、S902において高エネルギー画像の動画データから得られた基準値が、S901において高エネルギー画像Hについて求めた中央値に対して何倍になるかを計算することで得られる。S904において、ブロックR1は、S903で得られた補正量αを高エネルギー画像Hに乗算し、高エネルギー画像H'を得る。こうして、高エネルギー画像Hからなる動画における信号のフレーム間変動を低減させる。フレーム間変動を低減させる処理の例として、高エネルギー画像Hから明滅低減処理された高エネルギー画像H'を求める計算を式(11)に示す。但し、式(11)においてH[N]は高エネルギー画像Hからなる動画のN枚目のフレームを示し、MED(H[N])は当該動画のN枚目のフレームの中央値を示す。式(11)は、係数(補正量α)の乗算を用いた明滅低減処理の一例である。
Figure 2022131604000012
以上の処理が、撮影終了まで繰り返される(S905)ことにより、信号のフレーム間変動が低減された(明滅が低減された)高エネルギー画像H'の動画データが得られる。また、同様の処理により、信号のフレーム間変動が低減された(明滅が低減された)低エネルギー画像L'の動画が得られる。
なお、上記の例では1フレーム目の画像から基準値を求めたが、これに限定されない。例えば、補正対象のフレームを取得した時点で撮影されているフレーム(すなわち補正対象のフレームよりも過去のフレーム)の全て或いは一部を用いて基準値が算出されてもよい。例えば、補正対象のフレームを取得した時点で最新の所定数のフレームの平均画像から基準値を算出するようにしてもよい。
また、上記では、高エネルギー画像と低エネルギー画像で独立に補正量を計算したが、これに限られるものではなく、例えば、高エネルギー画像と低エネルギー画像の関係を用いて補正量を算出するようにしても良い。例えば、以下の式(12)で示される、Nフレーム目の画像における代表信号値と基準値との誤差であるΔH[N]とΔL[N]が同じ値になるように、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lが補正されても良い。
Figure 2022131604000013
例えば、式(12)のΔHとΔLについて、ΔH=ΔL=(ΔH+ΔL)/2となるように補正量を算出する場合について式(13)に示す。
Figure 2022131604000014
また、前述の例では、補正量を除算で求め、補正を乗算によって行っているが、これに限定されない。例えば、加算/減算によって補正量の導出と補正を行っても良い。加算/減算によって高エネルギー画像Hから明滅低減処理を行った高エネルギー画像H'を求める場合を式(14)に示す。式(14)は、係数(補正量α)の加減算を用いた明滅低減処理の一例である。
Figure 2022131604000015
以上、エネルギーサブトラクション処理の前の画像(高エネルギー画像Hと低エネルギー画像L)を補正の対象とする明滅低減処理について説明した。以上、ブロックR1による、補正の対象を分離前の複数のエネルギーの放射線撮影に対応する画像(高エネルギー画像Hと低エネルギー画像L)に対する明滅低減処理を説明した。ブロックR2は、補正の対象を分離画像として明滅低減処理を行う。明滅低減処理には、上述した明滅低減処理と同様の方法(例えば、式(11)または式(14)により示された方法)を用いることができる。
図10に、上述の明滅低減処理を行った場合と行わない場合の、エネルギーサブトラクション処理により得られた動画における画像平均値のフレーム間の変動を示す。グラフ701は、図7と同様、明滅低減処理が行われない場合の骨画像における画像平均値の変動を示す。グラフ1001は、明滅低減処理が行われた場合の骨画像における画像平均値の変動を示している。図10から明らかなように、明滅低減処理によって平均値のフレーム間変動が抑えられており、動画における明滅が低減している。
以上説明したように、第1実施形態によれば、エネルギーサブトラクション処理により得られた動画における明滅が低減され、観察しやすい画像が得られる。
なお、ブロックR1およびブロックR2に用いる明滅低減処理は、係数の乗算による方法、係数の加減算による方法のいずれが用いられてもよい。但し、本願発明者が検討を行ったところ、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lに対する明滅の低減処理において乗算による補正を行った場合に、最も明滅が抑えることができた。また、骨画像Bと軟部組織画像Sに対する明滅の低減処理において加減算による補正を行った場合に最も明滅が抑えることができた。したがって、ブロックR1の明滅低減処理には係数の乗算による補正を、ブロックR2の明滅低減処理には係数の加減算による補正を適用することが好ましい例として挙げられ得る。また、上記実施形態では、エネルギーサブトラクション処理前の画像とエネルギーサブトラクション処理後の画像の両方に明滅低減処理を行ったがこれに限られるものではない。ブロックR1とブロックR2の少なくともどちらかにより明滅低減処理が実行されればよい。但し、ブロックR1とブロックR2に関して本願発明者が検討を行ったところ、ブロックR1とブロックR2の両方を用いることでより良好に明滅を低減することができた。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態で説明した骨画像の明滅低減処理に加えて、骨画像におけるノイズを低減するためのノイズ低減処理を行う構成を説明する。
本実施形態のノイズ低減処理は、一般的な放射線撮影により取得される画像と互換性を有する蓄積画像を用いてノイズを効果的に低減する。まず、本実施形態のノイズ低減処理に用いられる蓄積画像について説明する。第1実施形態で説明したように、1回のX線の照射に対して、X線の照射中と照射終了後のタイミングを含む複数のタイミングのサンプルホールドにより取得された複数の放射線画像から高エネルギー画像と低エネルギー画像が生成される。ここで、例えば、X線の照射終了後のタイミングで取得されるX線画像(図3(a)の画像306)が蓄積画像として用いられ得る。
図11は、第2実施形態に係る、蓄積画像を取得するための補正処理を実現する構成の一例を示すブロック図である。蓄積画像Aは、例えば、画像XF_EVENを画像WF_EVENで除算することにより生成される。画像XF_EVENおよび画像WF_EVENは図4(a)で説明したとおりである。すなわち、画像XF_EVENは、被写体がある場合の立ち上がり期のX線301、安定期のX線302、立下り期のX線303の和に対応する画像である。また、画像WF_EVENは、被写体がない場合の立ち上がり期のX線301、安定期のX線302、立下り期のX線303の和に対応する画像である。
なお、蓄積画像Aは、高エネルギーにおける減弱率の画像H(高エネルギー画像H)と低エネルギーのおける減弱率の画像L(低エネルギー画像L)に係数をかけて加算することにより生成されてもよい。例えば、蓄積画像Aは、式(15)を用いて生成されてもよい。なお、蓄積画像Aの算出において、一方の係数を0、他方の係数を1としてもよく、この場合、高エネルギー画像Hまたは低エネルギー画像Lそのものが蓄積画像Aとして用いられることになる。すなわち、エネルギーサブトラクション処理の対象となる画像と撮影タイミングが実質的に同じであって、エネルギーサブトラクション処理が適用されていない画像が、ノイズ低減処理のための蓄積画像Aとして用いられ得る。
Figure 2022131604000016
図12は、第2実施形態に係るエネルギーサブトラクション処理における信号処理を行う構成の例を示すブロック図である。図12のブロック図は、図4(b)により説明した信号処理のより詳細な構成を示す。なお、図12では、説明のため、必要最小限の構成が示されている。ブロックR1~R3、ブロックMD1~MD2、ブロックADD、ブロックF1~F3は、例えば、CPU141がROM142に格納されたプログラムを実行することにより実現され得る。但し、図12に示される各ブロックのいずれか、あるいはすべてが専用のハードウエアにより実現されてもよいし、CPUと専用のハードウエアとの協働により実現されてもよい。
ブロックF2とブロックF3は、それぞれ低エネルギー画像Lと高エネルギー画像Hに対して、それぞれノイズ低減を目的としたフィルタ処理を施し、ノイズ低減された低エネルギー画像L'と、ノイズ低減された高エネルギー画像H'を生成する。フィルタ処理には、例えば、ガウシアンフィルタやメディアンフィルタなどの空間方向のフィルタ、イプシロンフィルタやラプラシアンフィルタ等の構造保存型の空間方向のフィルタ、リカーシブフィルタ等の時間方向のフィルタなどが用いられ得る。二物質分離を行うブロックMD1の前にフィルタを適用するノイズ低減処理により、X線の量子ノイズが低減される。ブロックR1は、ノイズ低減された低エネルギー画像L'とノイズ低減された高エネルギー画像H'に対して明滅低減処理を行い、高エネルギー画像H''と低エネルギー画像L''を生成する。なお、ブロックR1による明滅低減処理は、第1実施形態(図8のブロックR1)による明滅低減処理と同様である。高エネルギー画像H''と低エネルギー画像L''により構成される動画は、ともにブロックR1から得られる、信号のフレーム間変動が抑制された動画である。
次に、ブロックMD1は、ノイズ低減処理が施され、フレーム間変動が補正された高エネルギーH''および低エネルギー画像L''から骨画像B'と軟部組織画像S'を生成する。ブロックMD1による物質分離の動作は、第1実施形態(図8のブロックMD1)と同様である。次に、ブロックR2は、ブロックMD1で生成された骨画像B'と軟部組織画像S'に対して明滅低減処理を行い、骨画像B''、軟部組織画像S''として出力する。ブロックR2による処理は、第1実施形態(図8のブロックRD2)と同様である。
ブロックADDは、骨画像B''と軟部組織画像S''の和の画像を生成し、厚み画像T'として出力する。この段階で、骨画像B''と軟部組織画像S''の和である厚み画像T'は、ノイズ低減と明滅低減が行われた画像となっている。ブロックF1は、厚み画像T'に対してノイズ低減を目的としたフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の厚み画像T''を生成する。厚み画像T''は、明滅低減とノイズ低減とが二重に施された厚み画像となる。ブロックF1のフィルタ処理には、ガウシアンフィルタやメディアンフィルタなどの空間方向のフィルタ、イプシロンフィルタやラプラシアンフィルタ等の構造保存型の空間方向のフィルタ、リカーシブフィルタ等の時間方向のフィルタなどが用いられ得る。
ブロックH1は、ブロックR1から出力される、明滅低減処理が施された高エネルギー画像H''と低エネルギー画像L''から、例えば式(15)を用いて蓄積画像A''を生成する。ブロックMD2は、ブロックF1から出力される厚み画像T''と、ブロックH1から出力される蓄積画像A''とから、物質分離の処理を行い、明滅低減処理、ノイズ低減処理がなされた骨画像B'''を生成する。ブロックMD2による物質分離処理については後述する。ブロックR3は、ブロックMD2により得られた骨画像B'''に対してさらに明滅低減処理を行い、明滅低減処理がされた骨画像B''''を生成する。以上のようなブロックF1とブロックMD2を用いたノイズ低減処理によれば、エネルギーサブトラクション処理(物質分離)に伴うノイズが低減される。
次に、ブロックMD2による物質分離の処理について説明する。蓄積画像は、骨と軟部組織のみで構成されているという仮定(制約条件)の下、蓄積画像の画素値をA、蓄積画像におけるスペクトルをN(E)、軟部組織の厚みをS、骨の厚みをBとすると、以下の式(16)が成り立つ。
Figure 2022131604000017
ここで骨の厚みと軟部組織の厚みの和をTとすると、T=B+Sより、式(16)を変形して以下の式(17)が成り立つ。
Figure 2022131604000018
式(17)に、ある画素における蓄積画像の画素値Aと厚みTを代入して非線形方程式を解くことで、ある画素における骨の厚みBを求めることが可能である。すなわち、厚みTとしてノイズ低減処理および明滅低減処理が施された厚み画像T'を、蓄積画像の画素値AとしてブロックH1の出力である蓄積画像A''を用いて式(17)を解くと、骨画像B'''を表す骨の厚みBが得られる。厚み画像は蓄積画像と比較して連続性が高いため、高周波成分が含まれない。従って、厚み画像T'にブロックF1によるフィルタ処理を行ってノイズを除去しても信号成分が失われにくい。このようにしてノイズ低減された厚み画像T''と、元々ノイズが少ない蓄積画像A''をブロックMD2が用いることで、ノイズ低減された骨画像B'''を得ることができる。同様に、式(16)をB=T-Sを用いて変形することで、ブロックMD2が厚み画像T''と蓄積画像A''からノイズ低減された軟部組織画像S'''を得るようにすることも可能である。
さらに、上記では、ブロックMD2が合成された画像T''を用いるがこれに限られるものではない。例えば、ブロックR2の出力である軟部組織画像S''をブロックF1でノイズ低減して得られた軟部組織画像の画素値を式(16)に代入することで、ブロックMD2がノイズ低減および明滅低減がなされた骨画像B'''を得るようにしてもよい。或いは、ブロックR2の出力である骨画像B''をブロックF1でノイズ低減して得られた骨画像の画素値を式(16)に代入することで、ブロックMD2がノイズ低減および明滅低減がなされた軟部組織画像S'''を得るようにしてもよい。
以上の処理により、第2実施形態によれば、信号のフレーム間変動(明滅)が低減され、且つノイズが低減されたエネルギーサブトラクション動画を生成することができる。
なお、第2実施形態において、上述した全てのノイズ低減処理が実行されなくてもよい。例えば、ブロックF2とブロックF3のフィルタによるノイズ低減処理が省略されてもよい。或いは、例えば、ブロックF1のフィルタによるノイズ低減処理が省略されてもよい。
なお、ブロックR1、ブロックR2およびブロックR3に用いる明滅低減処理は、係数の乗算による方法、係数の加減算による方法のいずれが用いられてもよい。但し、本願発明者が検討を行ったところ、高エネルギー画像Hと低エネルギー画像Lに対する明滅の低減処理において乗算による補正を行った場合に最も明滅が抑えることができた。また、骨画像B'と軟部組織画像S'に対する明滅の低減処理において加減算による補正を行った場合に最も明滅が抑えることができた。したがって、ブロックR1の明滅低減処理には乗算による補正を、ブロックR2とブロックR3の明滅低減処理には加減算による補正を適用することが好ましい。また、上記実施形態では、ブロックR1~ブロックR3において明滅低減処理を行ったがこれに限られるものではない。ブロックR1、ブロックR2、ブロックR3の少なくともいずれか1つにおいて明滅低減処理が実行されればよい。但し、本発明者らの検討によれば、ブロックR1とブロックR2による明滅低減処理を実行することが、明滅低減の観点から好ましい。
なお、図11のように二重にノイズ低減を行うときは、二物質分離を行うブロックMD1の前に適用するフィルタのブロックF2及びF3と、ブロックMD1の後に適用するフィルタのブロックF1との、種類や強度を同時に最適化する必要がある。二つのフィルタを単独に最適化した結果が最適とは限らないからである。例えば、時間方向のフィルタ又は空間方向のフィルタを二重にかけると、X線の量子ノイズと二物質分離に伴うノイズの増加率が独立ではなくなり、二つのノイズ低減の効果が積算されなくなる場合がある。従って、例えば、二物質分離を行うブロックMD1の前に適用されるフィルタであるブロックF2及びF3では、時間方向のフィルタを適用し、MD1の後に適用するフィルタのブロックF1では空間方向のフィルタを適用する構成を用いることができる。当然のことながら、ブロックF2及びF3において空間方向のフィルタを適用し、ブロックF1において時間方向のフィルタを適用するようにしてもよい。
なお、空間方向のフィルタまたは時間方向のいずれかのフィルタを二重にかける構成も採用可能であり、その場合には両者のカーネルの大きさ、フィルタ係数の大きさを異ならせることが好ましい。例えば、空間方向のフィルタを二重にかける場合は、ブロックF1のフィルタのカーネルを、ブロックF2、F3のカーネルより大きくする構成が好ましい。例えば、厚み画像Tは、蓄積画像Aや高エネルギー画像H、低エネルギー画像Lに比べて空間における連続性が高いためである。また、時間方向のフィルタを二重にかける場合、ブロックF1のフィルタ係数を、ブロックF2,F3のフィルタのフィルタ係数より大きくする構成が好ましい。例えば、厚み画像Tは、蓄積画像Aや高エネルギー画像H、低エネルギー画像Lに比べて時間変化が小さいためである。
また、ブロックF1において、時間方向のフィルタと空間方向のフィルタの両方を適用する構成や、ブロックF2及びF3において時間方向のフィルタと空間方向のフィルタの両方を同時に適用する構成としてもよい。いずれの構成でも、空間方向または時間方向のフィルタが二物質分離のブロックMD1の前後で二重に適用される場合は、MD1の後のフィルタのブロックF1におけるフィルタの係数またはカーネルをより大きくする構成が好適に用いられ得る。
なお、第1~第2実施形態では、X線撮像装置104は蛍光体を用いた間接型の放射線センサとしたが、このような形態に限定されない。例えばCdTe等の直接変換材料を用いた直接型の放射線センサを用いてもよい。また、第1~第2実施形態ではX線発生装置101の受動的な管電圧変化を利用するか(図3(a))、能動的に管電圧を切り替える(図3(b))などしていたが、このような形態に限定されない。X線発生装置101のフィルタを時間的に切り替えるなどして、X線撮像装置104に曝射される放射線のエネルギーを変化させてもよい。
また、第1~第2実施形態では、X線(放射線)のエネルギーが2つの場合を説明した。しかしながら、このような形態に限定されるものではなく、X線(放射線)のエネルギーが3つ以上の場合についても、上述の実施形態を適用可能である。n個(nは2以上の自然数)のエネルギーに対応するn個の画像を用いてエネルギーサブトラクション処理を行うことでn個の物質離画が得られる。エネルギーサブトラクション処理前のn個の画像(動画)および/またはエネルギーサブトラクション処理後のn個の分離画像(動画)に上述した明滅低減処理を適用することで、明滅が低減された分離画像が得られる。
さらに、第1~第2実施形態ではX線撮像装置104に曝射される放射線のエネルギーを変化させることで、エネルギーサブトラクションを行っていたがこのような形態に限定されない。例えば、二次元検出器106(センサ)を2枚積層することで、前面のセンサと背面のセンサで検出する放射線のスペクトルを変化させる方式が用いられてもよい。また、放射線量子の個数をエネルギー別にカウントする、フォトンカウンティング方式のセンサを用いることで、互いにエネルギーが異なる複数の画像を取得するなどしてもよい。
また、第1~第2実施形態では、放射線撮影システムの制御用コンピュータ103を用いてエネルギーサブトラクション処理を行っていたが、このような形態に限定されない。例えば、制御用コンピュータ103はX線撮像装置104に組み込まれていてもよい。また、制御用コンピュータ103で取得した画像を別のコンピュータに転送して、エネルギーサブトラクション処理を行ってもよい。例えば、取得した画像を医療用のPACSを介して別のパソコン(画像ビューア)に転送し、エネルギーサブトラクション処理を行ってから表示する構成が好適に用いられる。すなわち、上記各実施形態では、互いにエネルギーが異なる放射線画像をエネルギーサブトラクション処理に提供できればよく、互いにエネルギーが異なる放射線画像を取得するための方法は、上記実施形態に限定されるものではない。また、上記実施形態では、制御用コンピュータ103は、X線撮像装置104から直接に画像を取得してエネルギーサブトラクション処理を行ったが、これに限られるものではない。X線撮像装置104で撮影された動画を外部の記憶装置に格納し、制御用コンピュータ103が記憶装置から動画を読み出してエネルギーサブトラクション処理を行うようにしてもよい。
以上説明したように、上述した各実施形態によれば、フレーム間のちらつきが抑制されたエネルギーサブトラクション動画を作成可能な画像処理装置或いは放射線撮像システムを提供できる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
101:X線発生装置、102:X線制御装置、103:制御用コンピュータ、104:X線発生装置

Claims (18)

  1. 複数の異なるエネルギーの放射線撮影に対応する複数の動画を取得する取得手段と、
    それぞれが前記複数の動画のそれぞれを構成する複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を適用して分離画像を生成し、前記分離画像をフレームとする動画を生成する生成手段と、
    前記複数の画像または前記分離画像を、補正の対象である画像が属する動画におけるフレーム間の信号値の変動が低減するように補正する補正手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補正手段は、前記補正の対象である画像が属する動画の、当該画像よりも過去のフレームの画像に基づいて算出される統計量に基づいて、前記補正の対象の画像を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記補正手段は、各画像の全ての領域または一部の領域の画素値から前記統計量を計算することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記統計量は、画素値の中央値、平均値、累積ヒストグラムのN%値のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 動画を解析することにより被写体に起因した信号値の変動がない領域を特定し、前記一部の領域として設定する設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正手段は、
    前記補正の対象の画像が属している動画の特定のフレームの画像に基づいて算出された統計量を基準値として取得し、
    前記補正の対象の画像から算出された前記統計量と前記基準値に基づいて前記補正の対象の画像を補正することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記補正手段は、前記補正の対象の画像が属している動画の1フレーム目の画像から算出された統計量を前記基準値として取得することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記補正手段は、前記補正の対象の画像が属している動画の当該画像よりも過去のフレームのうちの最新の所定数のフレームから得られる平均画像から算出された統計量を前記基準値として取得することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記補正手段は、前記複数の画像と前記分離画像の少なくとも一方の補正において、前記補正の対象の画像から算出された前記統計量と前記基準値の比に基づく係数を前記補正の対象の画像の画素値に乗算することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記補正手段は、前記複数の画像と前記分離画像の少なくとも一方の補正において、前記補正の対象の画像から算出された前記統計量と前記基準値の差に基づく係数を前記補正の対象の画像の画素値に加算または減算することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記補正手段は、
    前記複数の画像のそれぞれに対して、前記補正の対象の画像から算出された前記統計量と前記基準値の比に基づく係数を前記補正の対象の画像の画素値に乗算する補正を行い、
    前記分離画像に対して、前記補正の対象の画像から算出された前記統計量と前記基準値の差に基づく係数を前記補正の対象の画像の画素値に加算または減算する補正を行う、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記補正手段は、前記複数の画像のそれぞれにおける前記統計量と前記基準値との差が同じになるように、前記複数の画像を補正することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記複数の画像のノイズを低減する第1のノイズ低減手段をさらに備え、
    前記補正手段は、前記第1のノイズ低減手段によりノイズが低減された前記複数の画像を補正の対象とすることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記複数の画像の重みづけ加算により得られる蓄積画像と前記生成手段により生成される前記分離画像に基づいて前記分離画像のノイズを低減する第2のノイズ低減手段をさらに備え、
    前記補正手段は、前記第2のノイズ低減手段により処理される前の前記分離画像および前記第2のノイズ低減手段により処理された後の前記分離画像の少なとも何れかを補正の対象とすることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 前記第2のノイズ低減手段は、前記補正手段により補正された後の前記複数の画像を重みづけ加算することにより前記蓄積画像を得ることを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 複数の異なるエネルギーの放射線に対応する複数の動画を撮影する撮像手段と、
    それぞれが前記複数の動画を構成する複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を適用して分離画像を生成し、前記分離画像をフレームとする動画を生成する生成手段と、
    前記複数の画像または前記分離画像を、補正の対象である画像が属する動画におけるフレーム間の信号値の変動が低減するように補正する補正手段と、を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
  17. 複数の異なるエネルギーの放射線撮影に対応する複数の動画を取得する取得工程と、
    それぞれが前記複数の動画のそれぞれを構成する複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を適用して分離画像を生成し、前記分離画像をフレームとする動画を生成する生成工程と、
    前記複数の画像または前記分離画像を、補正の対象である画像が属する動画におけるフレーム間の信号値の変動が低減するように補正する補正工程と、を備えることを特徴とする画像処理方法。
  18. コンピュータを、請求項1乃至15のいずれか1項に記載された画像処理装置の各手段として機能させるプログラム。
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