JP2022131577A - ダンパ - Google Patents

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JP2022131577A
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Tomomasa Komatsubara
良一 田中
Ryoichi Tanaka
徳民 馮
Demin Feng
康人 佐々木
Yasuhito Sasaki
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Abstract

【課題】通常の設計で想定する地震動に減衰力を発揮せず免震性能を低下させることなく、設計での想定を超える地震動にのみ減衰力を発揮させる。【解決手段】雄ねじ部1202A、1202Bを有するロッド12と、雄ねじ部1202A、1202Bに螺合する雌ねじ部1402を有する雌ねじ部材14と、雌ねじ部1402と一体に回転する内筒16と、内筒16の半径方向外側に配置された外筒18と、内筒16と外筒18との間に封入された粘性流体Vとを備え、内筒16は外筒18に相対して外筒18の周方向に回転し、ロッド12の軸方向におけるロッド12と雌ねじ部材14との相対変位により雌ねじ部材14と内筒16とが一体的に回転して抵抗力を発揮するダンパ10であって、ロッド12は、雄ねじ部1202A、1202Bの谷径以下の外径の小径部1204を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、ダンパに関する。
従来、基礎(下部構造体)上に、複数のゴム板と鋼板とが重ね合わされた積層ゴムを設けると共に鉛プラグ等のエネルギ吸収手段を設け、それらの上で建物(上部構造体)を免震支持する免震建物が知られている。
このような免震建物において、通常の設計で想定する地震動を超える地震動(設計での想定を超える地震動)が生じた場合の建物(上部構造体)の過大な変位を制御する方法として、下部構造体と上部構造体との間に水平方向に延在するダンパを設置する方法が考えられる。
免震建物用のダンパとして、ボールねじを利用した増幅部と回転筒を内包し間隙に粘性体を充填した減衰部とで構成する減衰こまが知られている。
減衰こまは、建物の変位などで生じた直線運動(軸運動)をボールねじによって速度を増幅した回転運動に変換し、粘性体を充填した減衰部の外筒と回転筒との間で生じる粘性抵抗により大きな減衰力を発揮するものである。
例えば、外筒管と中央にねじ溝が設けられたねじ軸とからなり、外筒管の内側にねじ軸に回転可能に軸支される案内ナットと、案内ナットに固定される内筒管とを備え、外筒管と内筒管との間隙に粘性体が充填される減衰こまが開示されている(特許文献1参照)。
特開2003-138784号公報
しかしながら、上述のような減衰装置は、軸運動を速度の増幅した回転運動に変換することで小型でも多くの減衰力を発揮させることができる反面、上部構造体の小さい変位に対しても減衰力を発揮させてしまう。
したがって、発生頻度、確率の高い比較的小さな地震に対しても減衰力を発揮してしまうため、免震性能を低下させ、上部構造体へ不要な地震力を生じさせるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、通常の設計で想定する地震動には減衰力を発揮せず免震性能を低下させることなく、設計での想定を超える地震動にのみ減衰力を発揮する減衰装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明の一実施形態は、雄ねじ部を有するロッドと、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有する雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材と一体に回転する内筒と、前記内筒の半径方向外側に配置された外筒と、前記内筒と前記外筒との間に封入された粘性流体と、を備え、前記内筒は前記外筒に相対して前記外筒の周方向に回転し、前記ロッドの軸方向における前記ロッドと前記雌ねじ部材との相対変位により前記雌ねじ部材と前記内筒とが一体的に回転して抵抗力を発揮するダンパであって、前記ロッドは、前記雄ねじ部の谷径以下の外径の小径部を有していることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記ロッドは、回転不能に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記外筒は、回転不能に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記内筒の軸心と前記雌ねじ部材の軸心とは同一であることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記内筒は、円筒状の内筒本体を有し、前記外筒は、前記内筒本体と同一の軸心を有する円筒状の外筒本体と、前記外筒本体の軸心方向の一方の端部に設けられた第1外筒端面壁と、前記外筒本体の軸心方向の他方の端部に設けられた第2外筒端面壁とを有し、前記粘性流体は、前記内筒本体と、前記外筒本体と、前記第1外筒端面壁と、前記第2外筒端面壁とによって形成される閉塞空間に封入されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記雄ねじ部は、前記ロッドの長手方向の両端部に設けられ、前記小径部は、前記ロッドの長手方向の中央部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記内筒の軸心方向の一方の端部に、前記雌ねじ部材が前記内筒と並べられて配置され、前記内筒の軸心方向の他方の端部は閉塞されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記外筒の軸心方向の一方の端部は、軸受およびシール部材を介して前記内筒の軸心方向の一方の端部を回転可能かつ液密に支持し、前記外筒の軸心方向の他方の端部は、軸受を介して前記内筒の軸心方向の他方の端部を回転可能に支持していることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記外筒の軸心方向の他方の端部は、回転不能に支持されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記ロッドと前記内筒の内周面との間に、前記内筒に挿入された前記ロッドの部分を支持する円筒状の軸受が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記ダンパは、下部構造体上で免震支持された上部構造体を有する免震建物に用いられ、前記内筒の軸心方向の一方の端部から突出した前記ロッドの端部に取り付け部材が取り付けられ、前記外筒の軸心方向の他方の端部に、前記外筒の軸心方向に沿った厚さを有する弾性部材を含む接続部材が取り付けられ、前記取り付け部材は、鉛直方向に延在する軸の周りに揺動可能な状態で前記上部構造体および前記下部構造体のうちの一方に連結され、前記接続部材は、前記上部構造体および前記下部構造体のうちの他方に連結されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、雄ねじ部を有するロッドの軸方向におけるロッドと雌ねじ部材との相対変位により雌ねじ部材と内筒とが一体的に回転して抵抗力を発揮するダンパにおいて、ロッドは、雄ねじ部の谷径以下の外径の小径部を有している。
したがって、通常の設計で想定する地震動が生じた場合は小径部が雌ねじ部材の内部を移動し、設計での想定を超える地震動が生じた場合には雄ねじ部と雌ねじ部とが螺合するため、通常の設計で想定する地震動に減衰力を発揮せず免震性能を低下させることなく、設計での想定を超える地震動にのみ減衰力を発揮させる上で有利となる。
また、ロッドが回転不能に配置されるようにすると、雌ねじ部材と内筒とが一体的に回転する上で有利となる。
また、外筒が回転不能に配置されるようにすると、内筒が外筒に相対して回転する上で有利となる。
また、内筒の軸心と雌ねじ部材の軸心とを同一にすると、内筒が外筒に相対して容易に回転する上で有利となる。
また、粘性流体が、内筒を構成する内筒本体と、外筒を構成する外筒本体と、第1外筒端面壁と、第2外筒端面壁とによって形成される閉塞空間に封入されるようにすると、簡易な構成により粘性流体を液密に封入する上で有利となる。
また、雄ねじ部がロッドの長手方向の両端部に設けられ、小径部がロッドの長手方向の中央部に設けられるようにすると、上部構造体がロッドの軸心方向のいずれに移動した場合でも、同程度の減衰力を発揮させる上で有利となる。
また、内筒の軸心方向の一方の端部に雌ねじ部材が内筒と並べられて配置され、内筒の軸心方向の他方の端部は閉塞されているようにすると、簡易な構成によりダンパを形成でき設置空間を縮小する上で有利となる。
また、外筒の軸心方向の一方の端部が軸受およびシール部材を介して内筒の軸心方向の一方の端部を回転可能かつ液密に支持し、外筒の軸心方向の他方の端部が軸受を介して内筒の軸心方向の他方の端部を回転可能に支持するようにすると、簡易な構成により粘性流体を封入する閉塞空間を形成でき外筒に対して容易に内筒を回転させることができる。
また、外筒の軸心方向の他方の端部が回転不能に支持されるようにすると、外筒に対して内筒を確実に回転させるため減衰力を発揮させる上で有利となる。
また、ロッドと内筒の内周面との間に、内筒に挿入されたロッドの部分を支持する円筒状の軸受が設けるようにすると、ロッドの移動を安定させる上で有利となる。
また、ダンパは、下部構造体上で免震支持された上部構造体を有する免震建物に用いられ、内筒の軸心方向の一方の端部から突出したロッドの端部に取り付け部材が取り付けられ、外筒の軸心方向の他方の端部に弾性部材を含む接続部材が取り付けられ、取り付け部材が鉛直方向に延在する軸の周りに揺動可能な状態で上部構造体および下部構造体のうちの一方に連結され、接続部材が上部構造体および下部構造体のうちの他方に連結されるようにすると、地震動により上部構造体が下部構造体に対して水平方向に移動した場合でも、ダンパを水平方向に揺動させることができ、ダンパの破損を回避する上で有利となる。
本実施の形態にかかるダンパが免震建物に設置された状態について表す概念図である。 (A)は本実施の形態にかかるダンパの構成図であって、(B)は(A)に示すダンパのA-A断面図である。 本実施の形態にかかるダンパが最も縮んだ状態を示す説明図である。 本実施の形態にかかるダンパが最も伸びた状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、免震建物は、下部構造体2(基礎)上で免震支持された上部構造体4(建物)を有し、下部構造体2と上部構造体4との間に積層ゴム6とダンパ10が設置されている。
本実施の形態では、地盤を掘削して形成した凹部にコンクリート製の免震ピットPを設け、免震ピットPに免震装置が配置された例を示す。
免震ピットPは、直方体状であって、水平方向のピット床P1と、建物の外周部においてピット床P1から鉛直方向に延びるピット壁面P2とに囲まれている。
積層ゴム6は、上部構造体4とピット床P1との間に配置されており、上部構造体4を支持しつつ、地震発生時には上部構造体4を水平方向に移動させることで、地震による地盤の揺れを上部構造体4に伝えにくくするアイソレータである。
図1の例では、アイソレータとして複数のゴム板と鋼板を交互に積み重ねた積層ゴムが用いられているが、この他にも、転がり支承や滑り支承等を利用したアイソレータであってもよい。
ダンパ10は、上部構造体4とピット床P1との間に配置されており、地震発生時に積層ゴム6によって水平方向に変位する上部構造体4の揺れに対して、水平方向の減衰力を発揮させるものである。
本実施の形態では、ダンパ10を下部構造体2としての基礎と上部構造体4としての建物のとの鉛直方向の間に設置した例を示すが、建物の低層部と上層部との間など建物の各階層の間に設置してもよいし、建物と建物の外周部に設けられた基礎(ピット壁面)との間で水平方向に設置してもよい。
図2~4に示すように、ダンパ10は、ロッド12と、雌ねじ部材14と、内筒16と、外筒18と、軸受20と、取り付け部材22と、接続部材24とを備え、それら部材は金属製である。
ロッド12は、円柱状の棒状部材であって、軸心方向(長手方向)の両端部に雄ねじ部1202A、1202Bを有し、軸心方向(長手方向の)中央部に雄ねじ部1202A、1202Bの谷径以下の外径の小径部1204を有している。
雄ねじ部1202A、1202Bと小径部1204については後述する。
雌ねじ部材14は、ロッド12がその内部に挿通される部材であって、内周面に雄ねじ部1202A、1202Bに螺合する雌ねじ部1402が設けられている。
本実施の形態の雄ねじ部1202A、1202Bと雌ねじ部1402は、滑らかに噛合するボールねじで構成されている。
内筒16は、一方の雄ねじ部1202Bを収容する内径で円筒状に形成された内筒本体1602と、内筒端面壁1604とを有している。
内筒本体1602の軸心方向の一方の端部1602Aに、雌ねじ部材14が内筒本体1602と並べられて配置され一体回転可能に取り付けられている。内筒本体1602の軸心と雌ねじ部材14の軸心とは同一である。
内筒本体1602の軸心方向の他方の端部1602Bに、内筒端面壁1604が取り付けられ、内筒本体1602の軸心方向の他方の端部1602Bを閉塞している。
外筒18は、内筒16の半径方向外側に回転不能に配置されている。
外筒18は、内筒本体1602と同一の軸心を有する円筒状の外筒本体1802と、第1外筒端面壁1804と、第2外筒端面壁1806とを有している。
第1外筒端面壁1804は、雌ねじ部材14が配置された側の外筒本体1802の軸心方向の一方の端部1802Aから環板状に突設されている。
第1外筒端面壁1804の内周端は、第1軸受1808および不図示の第1シール材を介して内筒本体1602の一方の端部1602Aを回転可能に支持しかつ内筒本体1602の一方の端部1602Aに対して液密に結合され、さらには、第1軸受1808や第1シール材を介して外筒本体1802と内筒本体1602とがそれらの軸心方向の相対的な移動が阻止された状態で配置されている。
第2外筒端面壁1806は、円板状を呈し、外筒本体1802の軸心方向の他方の端部1802Bを閉塞するように設けられている。
第2外筒端面壁1806は、第2軸受1810や不図示の第2シール材を介して内筒本体1602の軸心方向の他方の端部1602Bを回転可能に支持しかつ内筒本体1602の他方の端部1602Bに対して液密に結合され、さらには、第2軸受1810や第2シール材を介して外筒本体1802と内筒本体1602とがそれらの軸心方向の相対的な移動が阻止された状態で配置されている。
また、第2外筒端面壁1806は、回転不能に支持されている。したがって、内筒16は、外筒18に相対して外筒本体1802の周方向に回転可能となっている。
内筒16と外筒18との間の環状の閉塞空間Sには、粘性流体Vが封入されている。
本実施の形態は、内筒16の内筒本体1602と、外筒18の外筒本体1802と、第1外筒端面壁1804と、第2外筒端面壁1806とにより囲まれることで閉塞空間Sが形成されている。
粘性流体Vは、例えば、耐熱性、耐寒性、化学的安定性に優れ、非腐食性で他材料へ悪影響を与えることがなく無害な高粘度の粘性オイル(シリコンオイル)である。
軸受20は、例えば鋼材で形成された円筒状の部材であって、ロッド12と内筒本体1602の内周面との間に設けられ、内筒本体1602に取り付けられている。
軸受20の内周面は、内筒16に挿入された一方の雄ねじ部1202Bを支持する軸受面2002として形成されている。
本実施の形態では、軸受20は、内筒16の内周面1602Aに取着され、内筒16の回転に伴って回転するが、内筒16に取着されない状態で配置されていてもよい。
本実施の形態では、軸受20を鋼材で形成した例を示しているが、ロッド12と内筒本体1602の内周面との間に用いることができる程度に十分強度を有する金属であれば、他の金属を用いて形成してもよい。
取り付け部材22は、内筒本体1602の軸心方向の一方の端部1602Aから突出したロッド12の端部12Aに取り付けられている。
そして、図1に示すように、取り付け部材22は、鉛直方向に延在する軸4Bの周りに揺動可能な状態で上部構造体4に連結されている。
具体的には、例えば、取り付け部材22に設けられた取り付け孔2202に挿通された軸4Bが、上部構造体4の側部に取り付けられた保持部材4Aに接続されることで、取り付け部材22が取り付け孔2202の中心を通過する軸の周りに揺動可能な状態で上部構造体4に連結されている。このようなロッド12の取り付けにより、ロッド12は回転不能に配置されている。
本実施の形態では、取り付け孔2020に軸4Bを挿通することにより、取り付け部材22を上部構造体4に取り付けているが、ユニバーサルジョイントなどを用いて取り付けてもよい。
接続部材24は、外筒18の軸心方向の他方の端部1802Bにある第1外筒端面壁1806に取り付けられており、金属製の支持部材2402と、支持部材2402で支持され外筒本体1802の軸心方向に沿った厚さを有する弾性部材2404(ゴムなどからなる弾性体)とを含んで構成されている。
接続部材24は、弾性部材2404がダンパ10の外筒18の第1外筒端面壁1806に取り付けられ、支持部材2402が下部構造体2の保持部材2Aに連結されている。
なお、本実施の形態では、取り付け部材22が上部構造体4に連結され、接続部材24が下部構造体2に連結されていたが、反対にして配置されていてもよい。すなわち、取り付け部材22が下部構造体2に連結され、接続部材24が上部構造体4に連結されるよう配置してもよい。
次に、ロッド12の雄ねじ部1202A、1202Bと小径部1204について説明する。
ロッド12は、地震動が生じていない場合、図2に示すように、小径部1204の中央に雌ねじ部材14が位置する中立位置に配置されている。
小径部1204は、雄ねじ部1202A、1202Bの谷径以下に形成されているため、通常の設計で想定する地震動が生じた場合に、雌ねじ部1402に接触することなく、あるいは、雌ねじ部1402に接触しつつ雌ねじ部材14の内部を水平方向に移動する部分である。
すなわち、通常の設計で想定する地震動が生じた場合に、ロッド12がX1方向に押圧されると、ロッド12は内筒16に挿入されていくが、ロッド12の軸心方向の一方の端部12Aに配置された雄ねじ部1202Aは雌ねじ部1402まで到達しない。
一方、通常の設計で想定する地震動が生じた場合に、ロッド12がX2方向に引っ張られると、ロッド12は内筒16から引き出されていくが、ロッド12の軸心方向の他方の端部12Bに配置された雄ねじ部1202Bは雌ねじ部1402まで到達しない。
したがって、小径部1204の長さL1は、ロッド12が中央位置にある状態から、通常の設計で想定する地震動が生じた場合に、ロッド12が軸心方向に移動する距離に相当する長さで形成されている。
また、雄ねじ部1202A、1202Bは、設計での想定を超える地震動が生じた場合に、ロッド12が水平方向に移動することにより雌ねじ部材14の雌ねじ部1402に螺合する部分である。
すなわち、設計での想定を超える地震動が生じた場合に、ロッド12がX1方向に押圧されると、図3に示すようにロッド12が内筒16に挿入されていき、ロッド12の軸心方向の一方の端部12Aに配置された雄ねじ部1202Aが雌ねじ部1402に螺合する。
一方、設計での想定を超える地震動が生じた場合に、ロッド12がX2方向に引っ張られると、図4に示すようにロッド12は内筒16から引き出されていき、ロッド12の軸心方向の他方の端部12Bに配置された雄ねじ部1202Bが雌ねじ部1402に螺合する。
したがって、ロッド12における小径部1204の両側から両端それぞれまでの雄ねじ部1202A、1202Bの長さL2は、設計での想定を超える地震動が生じた場合に雄ねじ部1202A、1202Bが雌ねじ部1402に螺合して減衰力を発揮するよう任意に設定されている。
次に、ダンパ10の動作について説明する。
初期位置として、地震動が生じていない場合には、上述したように、ロッド12は、図2に示すように小径部1204の中央に雌ねじ部材14が位置する中立位置にあるものとする。
まず、発生頻度、確率が比較的高いと考えられる通常の設計で想定する地震動が生じた場合、上部構造体4がX1方向(図1)に移動すると、ダンパ10は、ロッド12が内筒16に挿入されるX1方向へ押圧され、ロッド12の小径部1204が雌ねじ部材14の内部を通過する。
そうすると、ロッド12が移動しても雌ねじ部材14は回転せず、雌ねじ部材14に接続された内筒16も回転しない。
一方、上部構造体4がX2方向(図1)に移動すると、ダンパ10は、ロッド12が内筒16から引き出されるX2方向へ引っ張られ、ロッド12の小径部1204が雌ねじ部材14の内部を通過する。
そうすると、上記と同じく、ロッド12が移動しても雌ねじ部材14は回転せず、雌ねじ部材14に接続された内筒16も回転しない。
このように、通常の設計で想定する地震動が生じた場合には、内筒16が回転しないため、減衰力を発揮させることがない。
そして、発生頻度、確率が比較的低いと考えられる設計での想定を超える地震動が生じた場合、上部構造体4がX1方向(図1)に移動すると、図3に示すように、ダンパ10は、ロッド12が内筒16に挿入されるX1方向へ押圧され、ロッド12の小径部1204が雌ねじ部材14の雌ねじ部1402を通過した後、ロッド12の軸心方向の一方の端部12Aにある雄ねじ部1202Aが雌ねじ部材14の雌ねじ部1402に螺合しながら移動する。
そうすると、ロッド12は回転不能に支持されていることから、ロッド12の移動により雌ねじ部1402が雄ねじ部1202Aに螺合して雌ねじ部材14が回転し、雌ねじ部材14に一体的に接続された内筒16も回転する。
一方、上部構造体4がX2方向(図1)に移動すると、ダンパ10は、ロッド12が内筒16から引き出されるX2方向へ引っ張られ、ロッド12の小径部1204が雌ねじ部材14の雌ねじ部1402を通過した後、ロッド12の軸心方向の他方の端部12Bにある雄ねじ部1202Bが雌ねじ部材14の雌ねじ部1402に螺合しながら移動する(図4)。
そうすると、ロッド12の移動により雌ねじ部1402が雄ねじ部1202Bに螺合して雌ねじ部材14が回転し、雌ねじ部材14に一体的に接続された内筒16も回転する。
このように、設計での想定を超える地震動が生じた場合には、回転する内筒16と回転不能な外筒18との間に生じる粘性抵抗力によって水平方向の変位に対する減衰力を発揮させることができる。
このように、本実施の形態によれば、雄ねじ部1202A、1202Bを有するロッド12の軸方向におけるロッド12と雌ねじ部材14との相対変位により雌ねじ部材14と内筒16とが一体的に回転して抵抗力を発揮するダンパにおいて、ロッド12が雄ねじ部1202A、1202Bの谷径以下の外径の小径部1204を有している。
したがって、通常の設計で想定する地震動が生じた場合は小径部1204が雌ねじ部材14の内部を移動し、設計での想定を超える地震動が生じた場合には小径部1204が雌ねじ部材14を通過した後に雄ねじ部1202A、1202Bと雌ねじ部1402とが螺合するため、通常の設計で想定する地震動に減衰力を発揮せず免震性能を低下させることなく、設計での想定を超える地震動にのみ減衰力を発揮させる上で有利となる。
また、ロッド12が回転不能に配置されているため、雌ねじ部材14と内筒16とが一体的に回転する上で有利となる。
また、外筒18が回転不能に配置されているため、内筒16が外筒18に相対して回転する上で有利となる。
また、内筒16の軸心と雌ねじ部材14の軸心とが同一であるため、内筒16が外筒18に相対して容易に回転する上で有利となる。
また、粘性流体Vは、内筒16を構成する内筒本体1602と、外筒18を構成する外筒本体1802と、第1外筒端面壁1804と、第2外筒端面壁1806とによって形成される閉塞空間Sに封入されているため、簡易な構成により粘性流体Vを液密に封入する上で有利となる。
また、雄ねじ部1202A、1202Bは、ロッド12の長手方向の両端部12A、12Bに設けられ、小径部1204は、ロッド12の長手方向の中央部に設けられている。
したがって、上部構造体4がX1方向に移動した場合でも、X2方向に移動した場合でも、同程度の減衰力を発揮させる上で有利となる。
また、内筒16の軸心方向の一方の端部1602Aに雌ねじ部材14が内筒16と並べられて配置され、内筒16の軸心方向の他方の端部1602Bは閉塞されている。
したがって、簡易な構成によりダンパ10を形成でき設置空間を縮小する上で有利となる。
また、外筒18の軸心方向の一方の端部1802Aは、軸受1808およびシール部材を介して内筒16の軸心方向の一方の端部1602Aを回転可能かつ液密に支持し、外筒18の軸心方向の他方の端部1802Bは、軸受1810を介して内筒16の軸心方向の他方の端部1602Bを回転可能に支持している。
このため、簡易な構成により粘性流体Vを封入する閉塞空間Sを形成でき外筒18に対して容易に内筒16を回転させることができる。
また、外筒18の軸心方向の他方の端部1802Bは、回転不能に支持されている。
したがって、外筒18に対して内筒16を確実に回転させるため減衰力を発揮させる上で有利となる。
また、ロッド12と内筒16の内周面との間に、内筒16に挿入されたロッド12の部分を支持する円筒状の軸受20が設けられている。
したがって、内筒16に挿入されたロッド12を支持することで、ロッド12の移動を安定させる上で有利となる。
また、ダンパ10は、下部構造体2上で免震支持された上部構造体4を有する免震建物に用いられ、内筒16の軸心方向の一方の端部1602Aから突出したロッド12の一方の端部12Aに取り付け部材22が取り付けられ、外筒18の軸心方向の他方の端部1802Bに弾性部材2404を有する接続部材24が取り付けられ、取り付け部材22が鉛直方向に延在する軸4Bの周りに揺動可能な状態で上部構造体4に連結され、接続部材24が下部構造体2に連結されている。
したがって、地震動により上部構造体4が下部構造体2に対して水平でロッド12、内筒16、外筒18の軸心方向と交差する方向に移動した場合でも、ダンパ10が揺動できるため、ダンパ10の破損を回避しつつダンパ10を機能させることができる。
本実施の形態では、ダンパ10の接続部材24が下部構造体2を構成する保持部材2Aに取り付けられていたが、下部構造体2を構成する別の部材に取り付けられていてもよい。例えば、下部構造体2を構成するフーチング(コンクリート基礎)にダンパ10の接続部材24を取り付けた構成としてもよい。これにより、保持部材2Aを製作する作業を省略することができコストを削減する上で有利となる。
また、本実施の形態では、ロッド12の両端部12A、12Bに雄ねじ部1202A、1202Bがそれぞれ設けられていたが、ロッド12の軸心方向のいずれか一方の端部(12Aまたは12B)に雄ねじ部1202A、1202Bを有する構成としてもよい。
これにより、ロッド12を加工する作業を省略することがでできコストを削減する上で有利となる。
また、本実施の形態のダンパ10に、内筒16から突出したロッド12を覆うカバーを設けた構成としてもよい。
例えば、カバーを取り付け部材22から延在する円筒状の部材で構成し、ロッド12が内筒16から最も引き出された場合(図4参照)でも、内筒16から突出するロッド12を覆うことが可能な長さで形成すればよい。
このようなカバーを設けることで、ロッド12に埃などが付着することを防止できるとともに、ロッド12が内筒16の軸心上で往復移動できるようにロッド12を案内することができる。
2 下部構造体
2A 保持部材
4 上部構造体
4A 保持部材
4B 軸
6 積層ゴム
10 ダンパ
12 ロッド
1202A、1202B 雄ねじ部
1204 小径部
14 雌ねじ部材
1402 雌ねじ部
16 内筒
1602 内筒本体
1604 内筒端面壁
18 外筒
1802 外筒本体
1804 第1外筒端面壁
1806 第2外筒端面壁
1808、1810 軸受
20 軸受
22 取り付け部材
2202 取り付け孔
24 接続部材
2402 支持部材
2404 弾性部材
P 免震ピット
P1 ピット床
P2 ピット壁面
S 閉塞空間
V 粘性流体

Claims (11)

  1. 雄ねじ部を有するロッドと、
    前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有する雌ねじ部材と、
    前記雌ねじ部材と一体に回転する内筒と、
    前記内筒の半径方向外側に配置された外筒と、
    前記内筒と前記外筒との間に封入された粘性流体と、を備え、
    前記内筒は前記外筒に相対して前記外筒の周方向に回転し、
    前記ロッドの軸方向における前記ロッドと前記雌ねじ部材との相対変位により前記雌ねじ部材と前記内筒とが一体的に回転して抵抗力を発揮するダンパであって、
    前記ロッドは、前記雄ねじ部の谷径以下の外径の小径部を有している、
    ことを特徴とするダンパ。
  2. 前記ロッドは、回転不能に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のダンパ。
  3. 前記外筒は、回転不能に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のダンパ。
  4. 前記内筒の軸心と前記雌ねじ部材の軸心とは同一である、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載のダンパ。
  5. 前記内筒は、円筒状の内筒本体を有し、
    前記外筒は、前記内筒本体と同一の軸心を有する円筒状の外筒本体と、前記外筒本体の軸心方向の一方の端部に設けられた第1外筒端面壁と、前記外筒本体の軸心方向の他方の端部に設けられた第2外筒端面壁とを有し、
    前記粘性流体は、前記内筒本体と、前記外筒本体と、前記第1外筒端面壁と、前記第2外筒端面壁とによって形成される閉塞空間に封入されている、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載のダンパ。
  6. 前記雄ねじ部は、前記ロッドの長手方向の両端部に設けられ、
    前記小径部は、前記ロッドの長手方向の中央部に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載のダンパ。
  7. 前記内筒の軸心方向の一方の端部に、前記雌ねじ部材が前記内筒と並べられて配置され、
    前記内筒の軸心方向の他方の端部は閉塞されている、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項記載のダンパ。
  8. 前記外筒の軸心方向の一方の端部は、軸受およびシール部材を介して前記内筒の軸心方向の一方の端部を回転可能かつ液密に支持し、
    前記外筒の軸心方向の他方の端部は、軸受を介して前記内筒の軸心方向の他方の端部を回転可能に支持している、
    ことを特徴とする請求項7記載のダンパ。
  9. 前記外筒の軸心方向の他方の端部は、回転不能に支持されている、
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項記載のダンパ。
  10. 前記ロッドと前記内筒の内周面との間に、前記内筒に挿入された前記ロッドの部分を支持する円筒状の軸受が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項記載のダンパ。
  11. 前記ダンパは、下部構造体上で免震支持された上部構造体を有する免震建物に用いられ、
    前記内筒の軸心方向の一方の端部から突出した前記ロッドの端部に取り付け部材が取り付けられ、
    前記外筒の軸心方向の他方の端部に、前記外筒の軸心方向に沿った厚さを有する弾性部材を含む接続部材が取り付けられ、
    前記取り付け部材は、鉛直方向に延在する軸の周りに揺動可能な状態で前記上部構造体および前記下部構造体のうちの一方に連結され、
    前記接続部材は、前記上部構造体および前記下部構造体のうちの他方に連結されている、
    ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項記載の減衰装置。
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