JP2022130136A - 水処理装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022130136000001
【課題】被処理水から駆動溶液へFO膜を透過する水量の調整が容易な水処理装置を提供する。
【解決手段】被処理水と駆動溶液とを正浸透膜を介して接触させる正浸透膜部と、正浸透膜部において正浸透膜を介して被処理水と接触した駆動溶液を、駆動溶液の溶質を含む高溶質濃度成分と、高溶質濃度成分よりも溶質の濃度が低い低溶質濃度成分とに分離する分離部と、分離部の高溶質濃度成分を駆動溶液として正浸透膜部に供給する駆動溶液供給部とを備える水処理装置は、被処理水から駆動溶液へ正浸透膜を透過する水量に関する指標が予め決められた設定範囲内となるように、正浸透膜部へ供給される被処理水又は駆動溶液の少なくとも一方の供給量を調節する調節部を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、水処理装置に関する。
特許文献1には、正浸透膜(FO膜)を介して被処理水と駆動溶液とを接触させて、被処理水から駆動溶液へ水を透過させる水処理装置が記載されている。この水処理装置では、FO膜を介して被処理水に接触した後の駆動溶液(処理後駆動溶液)の一部を、FO膜を介して被処理水に接触する前の駆動溶液(処理前駆動溶液)に混合させることで、FO膜を介して被処理水に接触する駆動溶液の浸透圧を調節して、FO膜の透過水量を調整している。
特開2018-23933号公報
しかしながら、特許文献1の水処理装置ではFO膜の透過水量の調整をするために、処理前駆動溶液の流量と、処理前駆動溶液に戻される処理後駆動溶液の流量とのバランスを維持する必要があり、このために、それぞれの流量を調整するためのポンプや流量調整弁の制御が複雑になるといった問題点があった。
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、被処理水から駆動溶液へFO膜を透過する水量の調整が容易な水処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係る水処理装置は、被処理水と駆動溶液とを正浸透膜を介して接触させる正浸透膜部と、前記正浸透膜部において前記正浸透膜を介して前記被処理水と接触した駆動溶液を、前記駆動溶液の溶質を含む高溶質濃度成分と、前記高溶質濃度成分よりも前記溶質の濃度が低い低溶質濃度成分とに分離する分離部と、前記分離部の前記高溶質濃度成分を前記駆動溶液として前記正浸透膜部に供給する駆動溶液供給部とを備える水処理装置であって、前記水処理装置は、前記被処理水から前記駆動溶液へ前記正浸透膜を透過する水量に関する指標が予め決められた設定範囲内となるように、前記正浸透膜部へ供給される前記被処理水又は前記駆動溶液の少なくとも一方の供給量を調節する調節部を備える。
本開示の水処理装置によれば、正浸透膜部へ供給される被処理水又は駆動溶液の少なくとも一方の供給量を調節することにより、被処理水から駆動溶液へ正浸透膜を透過する水量を調整するので、正浸透膜を透過する水量の調整が容易になる。
本開示の実施形態1に係る水処理装置の構成模式図である。 駆動溶液の循環量と透過水量との関係を示すマップの模式図である。 本開示の実施形態2に係る水処理装置の構成模式図である。 本開示の実施形態4に係る水処理装置の構成模式図である。 本開示の実施形態5に係る水処理装置の構成模式図である。 本開示の実施形態6に係る水処理装置の構成模式図である。 本開示の実施形態7に係る水処理装置の構成模式図である。
以下、本開示の実施の形態による水処理装置について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
(実施形態1)
<本開示の実施形態1に係る水処理装置の構成>
図1に示されるように、本開示の実施形態1に係る水処理装置1は、被処理水と駆動溶液とを正浸透膜2aを介して接触させる正浸透膜部2と、正浸透膜部2において正浸透膜2aを介して被処理水と接触した駆動溶液を、駆動溶液の溶質を含む高溶質濃度成分と、高溶質濃度成分よりも溶質の濃度が低い低溶質濃度成分とに分離する分離部3と、分離部3の高溶質濃度成分を駆動溶液として正浸透膜部2に供給する駆動溶液供給部4とを備えている。
水処理装置1としては、海水淡水化装置、各種工場等からの排水を処理する排水処理装置、宇宙船や艦艇等の閉鎖空間における造水装置等を例示できるが、これらに限定するものではない。水処理装置1がこれら例示した装置である場合には、被処理水はそれぞれ、海水、排水、汚水となる。また、駆動溶液についても特に限定するものではないが、実施形態1において駆動溶液は、ある温度以下で希薄相と濃厚相とに相分離する分離状態となりその温度以上で希薄相と濃厚相とに相分離しない混合状態となる上限臨界溶液温度型の熱応答性液体であるイオン液体や高分子液体であることとする。この場合、分離部3として、駆動溶液の溶質を比較的多く含む高溶質濃度成分と、高溶質濃度成分よりも溶質の濃度が低い低溶質濃度成分とに比重差で分離する装置を使用することができ、分離部3において、高溶質濃度成分が下側に移動するとともに低溶質濃度成分が上側に移動するように駆動溶液が分離する。
正浸透膜部2は、筐体2b内を正浸透膜2aによって第1室2c及び第2室2dに区分けされた構成を有している。筐体2bには、第1室2cに連通するように構成されて第1室2cに被処理水を供給するための被処理水供給ライン5と、第1室2cに連通するように構成されて第1室2cから被処理水が流出するための被処理水流出ライン6と、第2室2dに連通するように構成されて第2室2dに駆動溶液を供給するための駆動溶液供給ライン7と、第2室2dに連通するように構成されて第2室2dから駆動溶液が流出するための駆動溶液流出ライン8とが接続されている。分離部3には、駆動溶液流出ライン8と、分離部3の内部で主に上側に存在する低溶質濃度成分が分離部3から流出するための低溶質濃度成分流出ライン9とが接続されている。
被処理水供給ライン5には、被処理水を昇圧するための被処理水供給ポンプ11と、被処理水の流通方向において被処理水供給ポンプ11よりも下流に設けられ被処理水を加熱するための加熱器12とが設けられている。駆動溶液供給ライン7は、正浸透膜部2の第2室2dと、分離部3において高溶質濃度成分が存在する位置、例えば分離部3の底部とを接続するように構成され、駆動溶液供給ライン7には、駆動溶液としての高溶質濃度成分を昇圧するための駆動溶液供給ポンプ13と、駆動溶液の流通方向において駆動溶液供給ポンプ13よりも下流に設けられ駆動溶液を加熱する加熱器14とが設けられている。ここで、駆動溶液供給ライン7及び駆動溶液供給ポンプ13は駆動溶液供給部4を構成する。駆動溶液流出ライン8には、駆動溶液を冷却する冷却器15が設けられている。
低溶質濃度成分流出ライン9の下流側端部には、第2分離部20を設けることもできる。この場合、第2分離部20に低溶質濃度成分を供給するために、低溶質濃度成分供給ポンプ24が低溶質濃度成分流出ライン9に設けられている。第2分離部20は、分離部3からの低溶質濃度成分を、駆動溶液の溶質を比較的多く含む第2高溶質濃度成分と、第2高溶質濃度成分よりも溶質の濃度が低い第2低溶質濃度成分とに分離するものであり、例えば、ナノ濾過膜20aを用いた濾過装置であってもよい。この場合、ナノ濾過膜20aを透過した濾液である第2低溶質濃度成分が処理水となる。ナノ濾過膜20aを透過しない第2高溶質濃度成を分離部3に戻すために、一端が第2分離部20に接続されるとともに他端が分離部3に接続される第2高溶質濃度成分戻りライン21を設けてもよい。
さらに、一端が低溶質濃度成分流出ライン9に接続されるとともに他端が正浸透膜部2の第2室2dに連通する低溶質濃度成分供給ライン22を設けてもよい。尚、低溶質濃度成分供給ライン22の他端は、加熱器14よりも下流側で駆動溶液供給ライン7に接続するようにしてもよい。低溶質濃度成分供給ライン22を設ける場合、低溶質濃度成分流出ライン9を流れる低溶質濃度成分が、第2分離部20に供給されるか、又は、低溶質濃度成分供給ライン22を介して第2室2dに供給されるかを切り替えるための切替機23が設けられている。切替機23は、図1には三方弁として描かれているが、三方弁に限定するものではなく、低溶質濃度成分供給ライン22に設けられた開閉弁と、低溶質濃度成分供給ライン22と低溶質濃度成分流出ライン9との接続箇所よりも下流側で低溶質濃度成分流出ライン9に設けられた開閉弁とから構成されてもよい。
分離部3には、分離部3内の駆動溶液中の予め特定したイオンの濃度を検出するための検出装置であるイオン電極25を設けてもよい。例えば、被処理水が海水の場合(すなわち、水処理装置1が海水淡水化装置である場合)は、予め特定したイオンはナトリウムイオンとすることができる。また、イオン電極25は、イオンの種類を特定しない電気伝導度計等の計測器でもよい。
被処理水供給ポンプ11、駆動溶液供給ポンプ13、低溶質濃度成分供給ポンプ24はそれぞれ制御装置10に電気的に接続され、制御装置10によってそれらの起動及び停止並びに被処理水又は駆動溶液の供給量が制御されるようになっている。制御装置10が被処理水供給ポンプ11及び駆動溶液供給ポンプ13を制御することにより、第1室2c及び第2室2dのそれぞれに供給される被処理水及び駆動溶液の供給量が調節されるので、制御装置10は、被処理水及び駆動溶液の供給量を調節する調節部を構成する。また、イオン電極25も制御装置10に電気的に接続され、イオン電極25による検出結果が制御装置10に伝送されるようになっている。さらに、切替機23も制御装置10に電気的に接続され、制御装置10によって切替機23が作動するようになっている。
<本開示の実施形態1に係る水処理装置の動作>
次に、本開示の実施形態1に係る水処理装置1の動作について説明する。まず、制御装置10は、駆動溶液供給ポンプ13を起動し、駆動溶液を分離部3、駆動溶液供給ライン7、正浸透膜部2の第2室2d、駆動溶液流出ライン8、分離部3の順序で流通させる、すなわち分離部3と第2室2dとの間を駆動溶液が循環するようにする。このような駆動溶液の循環が開始されたら、加熱器14及び冷却器15を起動する。これにより、分離部3及び第2室2d間の熱バランスが安定するので、水処理装置1を安定に起動させることができる。尚、加熱器14では、駆動溶液が混合状態になる温度以上まで駆動溶液が加熱される。
上述の動作で分離部3及び第2室2d間の熱バランスが安定したら、制御装置10は被処理水供給ポンプ11及び加熱器12を起動して、被処理水供給ライン5を介して正浸透膜部2の第1室2cに被処理水を供給する。加熱器12では、第2室2dに流入する駆動溶液との温度差ができるだけ小さくなるように被処理水が加熱される。正浸透膜部2において、被処理水と駆動溶液とが正浸透膜2aを介して接触する。被処理水の浸透圧よりも駆動溶液の浸透圧が高いので、両者の浸透圧差によって被処理水の水が正浸透膜2aを透過して駆動溶液に流入する。正浸透膜2aを介して駆動溶液と接触した被処理水は第1室2cから流出し、被処理水流出ライン6を流通して水処理装置1から排水される。正浸透膜2aを介して被処理水と接触した駆動溶液は、第2室2dから流出し、駆動溶液流出ライン8を流通する。
駆動溶液流出ライン8を流通する駆動溶液は、分離部3に流入する前に冷却器15によって冷却される。冷却器15では、駆動溶液が分離状態になる温度以下まで駆動溶液が冷却される。冷却器15で冷却された駆動溶液が分離部3に流入すると、駆動溶液は、希薄相が上側に移動するとともに濃厚相が下側に移動するように分離状態となる。希薄相よりも濃厚相の方が駆動溶液の溶質濃度が高いので、両者の比重差によって、希薄相としての低溶質濃度成分が上側に移動し、濃厚相としての高溶質濃度成分が下側に移動する。駆動溶液として上限臨界溶液温度型の熱応答性液体を使用することにより、冷却器15による駆動溶液の温度調整によって駆動溶液が分離状態になるので、駆動溶液から水を容易に分離することができる。
駆動溶液供給ポンプ13によって分離部3から主に高溶質濃度成分が流出して駆動溶液供給ライン7を流通し、駆動溶液として第2室2dに流入する。一方、分離部3内の低溶質濃度成分を処理水とすることもできるが、低溶質濃度成分供給ポンプ24によって、低溶質濃度成分流出ライン9を介して低溶質濃度成分を第2分離部20に供給し、低溶質濃度成分から第2低溶質濃度成分を分離して、これを処理水としてもよい。第2高溶質濃度成分は、第2高溶質濃度成戻りライン21を介して分離部3に戻される。
次に、処理水の量を制御する動作、すなわち、正浸透膜部2において被処理水から駆動溶液へ正浸透膜2aを透過する水量(透過水量)を制御する動作について説明する。例えば、水処理装置1が海水淡水化装置であって、処理水である真水が図示しない真水タンクに貯留されている場合、真水の造水量と消費量とのバランスによって、真水タンク内の真水のレベルが上下する。真水の造水量が消費量よりも大きく、真水タンク内の真水のレベルが上昇する状況では、制御装置10は、真水タンク内の真水のレベルの情報を取得し、この情報に基づいて正浸透膜部2における透過水量を制御する必要がある。このため、真水タンク内の真水のレベルの情報は透過水量に関する指標に相当することになり、制御装置10には、この指標に関する適切な範囲である設定範囲を予め決めて設定しておくことができる。
このような例の場合、真水の造水量が消費量よりも大きくなると、真水タンク内の真水のレベルが上昇し、当該指標が当該設定範囲の上限を超えることになる。制御装置10がこのような状況を検知したら、制御装置10は、分離部3と第2室2dとの間の駆動溶液の循環量を低下するように駆動溶液供給ポンプ13を制御する。駆動溶液の循環量が低下すると、第2室2dにおいて正浸透膜2aを透過した水による駆動溶液の希釈が増大し、正浸透膜2aを介した被処理水と駆動溶液との間の浸透圧差が小さくなるので、透過水量が低下し、やがて透過水量に関する指標が設定範囲内となる。この結果、真水の造水量が低下し、真水タンク内の真水のレベルを低下させることができる。
駆動溶液供給ポンプ13の制御のために、制御装置10には、図2に模式的に示されるような駆動溶液の循環量と透過水量との関係を示すマップを組み込んでおくことができる。このようなマップを制御装置10に組み込むことにより、制御装置10は、このマップに基づいて所望の透過水量に対する駆動溶液の循環量を決定し、この循環量となるように駆動溶液供給ポンプ13を制御することができる。尚、このマップは、実験等で予め得ることが可能である。駆動溶液の循環量と透過水量との関係は、第1室2cに供給される被処理水の流量の変化に応じて変わり得る。被処理水の流量が一定の場合には、図2に模式的に示されるような1つのマップで良いが、被処理水の流量が変化する場合には、被処理水の流量と駆動溶液の循環量と透過水量との関係を示す3次元のマップが必要になる。また、水処理装置1において異なる複数の種類の駆動溶液を使い分ける場合には、駆動溶液の種類ごとの関係がこのマップに含まれることになる。図2には一例として、3種類の駆動溶液A,B,Cを使い分ける場合のマップが描かれている。
例えば、被処理水にイオンが含まれている場合、正浸透膜2aを水が透過する際に、イオンの一部も透過して駆動溶液に混入する。分離部3において駆動溶液が分離状態となったとき、低溶質濃度成分及び高溶質濃度成分のそれぞれのイオンの濃度は、後者よりも前者の方が大きくなる。低溶質濃度成分と高溶質濃度成分とは比重差によって上下に分離しているので、上側に位置する低溶質濃度成分中のイオンの濃度が大きくなると、比重差が小さくなり、やがては逆転してしまい、低溶質濃度成分と高溶質濃度成分との分離が適切にできなくなってしまう。そこで、制御装置10に予めイオンの濃度の上限値を設定しておき、イオン電極25による検出値がこの上限値以上となったら、駆動溶液を交換する旨の警報を出すようにしてもよい。これにより、低溶質濃度成分と高溶質濃度成分との分離ができなくなる前に駆動溶液を適切に交換することができる。
水処理装置1の運転時間が長くなると、被処理水に含まれる固形成分等により正浸透膜2aのファウリングが発生し、透過水量が低下するおそれがある。このため、定期的に、又は、処理水の生成量と上記マップから推定される透過水量との乖離に基づいてファウリングの可能性を検知した場合に、正浸透膜2aの逆洗を行うようにしてもよい。逆洗を行う場合、制御装置10は切替機23を作動させて、低溶質濃度成分流出ライン9を流通する低溶質濃度成分を、低溶質濃度成分供給ライン22を介して第2室2dに供給する。低溶質濃度成分は被処理水よりも浸透圧が低いので、正浸透膜部2では、第2室2d内の低溶質濃度成分から第1室2c内の被処理水へ正浸透膜2aを水が透過する。この水の透過により、ファウリングした正浸透膜2aが逆洗される。
このように、本開示の実施形態1に係る水処理装置1によれば、駆動溶液の循環量、すなわち、正浸透膜部2の第2室2dへ供給される駆動溶液の供給量を調節することにより、被処理水から駆動溶液へ正浸透膜2aを透過する水量を調整するので、正浸透膜2aを透過する水量の調整が容易になる。
<本開示の実施形態1に係る水処理装置の変形例>
実施形態1では、透過水量を制御するために駆動溶液の循環量を調節しているが、この形態に限定するものではない。駆動溶液の循環量は一定にしておいて、第1室2cに供給される被処理水の流量を調節してもよい。この変形例でも、被処理水の流量を低下すると、駆動溶液の循環量を低下させた場合と同じ原理に基づいて透過水量が低下する。この変形例では、制御装置10に組み込むマップは、少なくとも被処理水の流量と透過水量との関係を示すマップとなる。さらに、被処理水の流量と駆動溶液の循環量と透過水量との関係を示す3次元のマップを制御装置10に組み込み、制御装置10は、透過水量を制御するために駆動溶液の循環量及び被処理水の流量の両方を調節してもよい。ただし、分離部3と正浸透膜部2との間を循環する駆動溶液の温度を調整するためにエネルギーを必要とするが、正浸透膜2aを透過する水量を低下させる必要がある場合、駆動溶液の循環流量を低下することにより正浸透膜2aを透過する水量を低下させれば、駆動溶液の温度を調整するためのエネルギーを低減することができる。
実施形態1では、透過水量に関する指標が設定範囲内となるように連続的に駆動溶液の循環量を調節しているが、この形態に限定するものではない。例えば、被処理水及び駆動溶液のそれぞれが予め決められた定格流量で正浸透膜部2へ供給される定格運転モードと、透過水量に関する指標が設定範囲の上限を超えた場合に設定範囲内となるように、被処理水又は駆動溶液の少なくとも一方が定格流量よりも低い流量で正浸透膜部2へ供給される調節運転モードとを制御装置10が切り替えるようにしてもよい。決められた容量内の容器に処理水を貯蔵する場合や処理水の使用量に応じて被処理水を処理する場合に、調節運転モードに切り替えることで、正浸透膜を透過する水量を容易に低下できるので、処理水の生成量を容易に低下することができる。調節運転モードについて被処理水又は駆動溶液の流量を段階的に異なる複数の設定値に切り替え可能にしておくことにより、定格運転モードと調節運転モードとの2段階の調節の切り替えだけではなく、3段階以上の調節の切り替えを可能にすることもできる。
実施形態1では、駆動溶液の循環量を制御装置10が調節するようにしているが、この形態に限定するものではない。透過水量に関する指標が設定範囲内となるように、図2のマップに基づいて、水処理装置1のオペレーターが駆動溶液の循環量の調節又は定格運転モードと調節運転モードとの切り替えをマニュアルで行うようにしてもよい。この場合、駆動溶液の循環量の調節又は定格運転モードと調節運転モードとの切り替えをマニュアルで行うためにオペレーターが操作する任意の操作装置が、被処理水及び駆動溶液の供給量を調節する調節部となる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る水処理装置について説明する。実施形態2に係る水処理装置は、実施形態1に対して、駆動溶液の種類を変更したものである。尚、実施形態2において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、特に言及しない限り、実施形態1の各種変形例の構成を実施形態2でも適用可能である。
<本開示の実施形態2に係る水処理装置の構成>
本開示の実施形態2に係る水処理装置1の構成について、図3を参照し、本開示の実施形態1に係る水処理装置1の構成(図1参照)と異なる部分を以下に説明する。実施形態1では、被処理水供給ライン5、駆動溶液供給ライン7、駆動溶液流出ライン8のそれぞれに加熱器12、加熱器14、冷却器15が設けられていたが、実施形態2では、これらに代えて冷却器32、冷却器34、加熱器35が設けられている。また、実施形態2では、分離部3と低溶質濃度成分供給ポンプ24との間において低溶質濃度成分流出ライン9に冷却器36が設けられ、第2高溶質濃度成戻りライン21に加熱器37が設けられている。さらに実施形態2では、駆動溶液として、ある温度以上で希薄相と濃厚相とに相分離する分離状態となりその温度以下で希薄相と濃厚相とに相分離しない混合状態となる下限臨界溶液温度型の熱応答性液体であるイオン液体や高分子液体が使用されている。その他の構成は実施形態1と同じである。
<本開示の実施形態2に係る水処理装置の動作>
実施形態2において、駆動溶液を分離部3と第2室2dとの間で循環させる際に、駆動溶液供給ライン7を流通する駆動溶液は冷却器34で冷却され、駆動溶液流出ライン8を流通する駆動溶液は加熱器35で加熱される。冷却器34では、駆動溶液が混合状態になる温度以下まで駆動溶液が冷却される。
被処理水供給ライン5を介して正浸透膜部2の第1室2cに被処理水が流入するが、被処理水が被処理水供給ライン5を流通する際、加熱器12では、第2室2dに流入する駆動溶液との温度差ができるだけ小さくなるように被処理水が冷却される。正浸透膜部2では、実施形態1と同様に、両者の浸透圧差によって被処理水の水が正浸透膜2aを透過して駆動溶液に流入する。
第2室2dから流出した駆動溶液は、分離部3に流入する前に加熱器35によって加熱される。加熱器35では、駆動溶液が分離状態になる温度以上まで駆動溶液が加熱される。加熱器35で加熱された駆動溶液が分離部3に流入し、分離部3において駆動溶液が希薄相と濃厚相とに分離する原理は実施形態1と同じである。駆動溶液として下限臨界溶液温度型の熱応答性液体を使用することにより、加熱器35による駆動溶液の温度調整によって駆動溶液が分離状態になるので、駆動溶液から水を容易に分離することができる。分離部3の濃厚相である高溶質濃度成分は、被処理水供給ライン5を介して、駆動溶液として第2室2dに供給される。
一方、分離部3の希薄相である低溶質濃度成分は、分離部3から流出して低溶質濃度成分流出ライン9を流通する際に、冷却器36によって冷却される。分離部3に流入する駆動溶液は加熱器35によって加熱されるので、実施形態1に比べて、低溶質濃度成分流出ライン9を流通する低溶質濃度成分の温度は高くなっている。このため、冷却器36では、第2分離部20のナノ濾過膜20aの耐熱温度以下になるまで低溶質濃度成分が冷却される。第2分離部20において第2高溶質濃度成分と第2低溶質濃度成分とに分離される原理と、第2低溶質濃度成分が処理水となることとについては、実施形態1と同じである。第2高溶質濃度成分は、第2高溶質濃度成戻りライン21を介して分離部3に戻されるが、駆動溶液流出ライン8を介して分離部3に流入する駆動溶液の温度以上となるように、加熱器37によって第2高溶質濃度成分が加熱される。その他の動作は実施形態1と同じである。
このように、本開示の実施形態2に係る水処理装置1でも、駆動溶液の循環量、すなわち、正浸透膜部2の第2室2dへ供給される駆動溶液の供給量を調節することにより、被処理水から駆動溶液へ正浸透膜2aを透過する水量を調整するので、正浸透膜2aを透過する水量の調整が容易になる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る水処理装置について説明する。実施形態3に係る水処理装置は、実施形態1または2のそれぞれに対して、駆動溶液の循環量の調整に合わせて正浸透膜部2への被処理水の供給量も調整するように変更したものである。尚、実施形態3において、実施形態1または2の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、特に言及しない限り、実施形態1の各種変形例の構成を実施形態3でも適用可能である。
<本開示の実施形態3に係る水処理装置の構成>
本開示の実施形態3に係る水処理装置1の構成は、図1及び3のそれぞれに示される本開示の実施形態1及び2に係る水処理装置1の構成と同じである。このため、以下で説明する本開示の実施形態3に係る水処理装置1の動作については、図1または3を参照して説明する。
<本開示の実施形態3に係る水処理装置の動作>
実施形態1及び2で説明した動作と同様にして、被処理水から駆動溶液へ正浸透膜2aを透過する水量を調整するために駆動溶液の循環量が調節されるのに合わせて、実施形態3では、駆動溶液の循環量と正浸透膜部2に供給される被処理水の供給量との流量比が予め決められた設定比率となるように、制御装置10が被処理水供給ポンプ11を制御して被処理水の供給量も調節する。このため、制御装置10には設定比率が予め設定されているが、設定比率とは、特定の数値であることに限定するものではなく、上限及び下限を有する範囲であってもよい。その他の動作については実施形態1及び2のそれぞれと同じである。
逆浸透膜とは異なり、正浸透膜2aは耐圧性が低いので、正浸透膜部2へ供給される駆動溶液の流量のみを調節して被処理水の流量を変えないと、正浸透膜2aへの圧力負荷が大きくなり、正浸透膜2aが損傷するおそれがある。これに対し、実施形態3では、駆動溶液の流量を調節しても、正浸透膜部2へ供給される被処理水及び駆動溶液の流量比の変化が小さくなることから、正浸透膜2aの両側の圧力差の変化を小さくすることができるので、正浸透膜2aが損傷するおそれを低減することができる。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る水処理装置について説明する。実施形態4に係る水処理装置は、実施形態1または3のそれぞれに対して、熱交換器を付加したものである。以下の説明では、実施形態1の構成に熱交換器を付加した構成で実施形態4を説明するが、実施形態1の構成を前提とした実施形態3の構成に熱交換器を付加して実施形態4を構成してもよい。尚、実施形態4において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、特に言及しない限り、実施形態1の各種変形例の構成を実施形態4でも適用可能である。
<本開示の実施形態4に係る水処理装置の構成>
図4に示されるように、本開示の実施形態4に係る水処理装置1は、第1熱交換器41,第2熱交換器42,第3熱交換器43の少なくとも1つを備えるように構成されている。第1熱交換器41は、正浸透膜部2の第2室2dを流出した駆動溶液と分離部3から流出した高溶質濃度成分とを熱交換可能に構成されている。第2熱交換器42は、第2室2dから流出した駆動溶液、第1熱交換器41が設けられている場合には第1熱交換器41から流出した駆動溶液と被処理水供給ポンプ11によって昇圧された被処理水とを熱交換可能に構成されている。第3熱交換器43は、被処理水供給ポンプ11によって昇圧された被処理水、第2熱交換器42が設けられている場合には第2熱交換器42から流出した被処理水と正浸透膜部2の第1室2cから流出した被処理水とを熱交換可能に構成されている。その他の構成は実施形態1と同じである。
<本開示の実施形態4に係る水処理装置の動作>
本開示の実施形態4に係る水処理装置の動作については、基本的には実施形態1の動作と同じであるので、以下では、実施形態1の動作と異なる点についてのみ説明する。正浸透膜部2の第2室2dと分離部3との間を駆動溶液が循環する際、第2室2dから流出した駆動溶液と、分離部3から流出して加熱器14に流入する前の高溶質濃度成分とが第1熱交換器41において熱交換される。正浸透膜部2の第1室2cに供給される被処理水は、被処理水供給ポンプ11によって昇圧された後で加熱器12に流入する前に、第2熱交換器42において、第1熱交換器41から流出した駆動溶液と熱交換され、その後、第3熱交換器43において、第1室2cから流出した被処理水と熱交換される。その他の動作は実施形態1と同じである。
実施形態4では、水処理装置1における熱エネルギーを有効利用できるので、水処理装置1で必要な熱エネルギーを低減することができる。また、上述した動作以外は実施形態1の動作と同じであるので、実施形態4でも実施形態1で得られる作用効果と同じ作用効果を得ることができる。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る水処理装置について説明する。実施形態5に係る水処理装置は、実施形態2または3のそれぞれに対して、熱交換器を付加したものである。以下の説明では、実施形態2の構成に熱交換器を付加した構成で実施形態5を説明するが、実施形態2の構成を前提とした実施形態3の構成に熱交換器を付加して実施形態5を構成してもよい。尚、実施形態5において、実施形態2の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態5に係る水処理装置の構成>
図5に示されるように、本開示の実施形態5に係る水処理装置1は、第4熱交換器51,第5熱交換器52の少なくとも1つを備えるように構成されている。第4熱交換器51は、正浸透膜部2の第2室2dを流出した駆動溶液と分離部3から流出した高溶質濃度成分とを熱交換可能に構成されている。第5熱交換器52は、冷却器36に流入する前の低溶質濃度成分と加熱器37に流入する前の第2高溶質濃度成分とを熱交換可能に構成されている。その他の構成は実施形態2と同じである。
<本開示の実施形態5に係る水処理装置の動作>
本開示の実施形態5に係る水処理装置の動作については、基本的には実施形態2の動作と同じであるので、以下では、実施形態2の動作と異なる点についてのみ説明する。正浸透膜部2の第2室2dと分離部3との間を駆動溶液が循環する際、第2室2dから流出した駆動溶液と、分離部3から流出して冷却器34に流入する前の高溶質濃度成分とが第4熱交換器51において熱交換される。また、第5熱交換器52において、冷却器36に流入する前の低溶質濃度成分と加熱器37に流入する前の第2高溶質濃度成分とが熱交換される。その他の動作は実施形態2と同じである。
実施形態5では、水処理装置1における熱エネルギーを有効利用できるので、水処理装置1で必要な熱エネルギーを低減することができる。また、上述した動作以外は実施形態2の動作と同じであるので、実施形態5でも実施形態2で得られる作用効果と同じ作用効果を得ることができる。
(実施形態6)
次に、実施形態6に係る水処理装置について説明する。実施形態6に係る水処理装置は、実施形態4に対して、ヒートポンプを付加したものである。尚、実施形態6において、実施形態4の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態6に係る水処理装置の構成>
図6に示されるように、本開示の実施形態6に係る水処理装置1は、第1ヒートポンプ61,第2ヒートポンプ62の少なくとも1つを備えるように構成されている。第1ヒートポンプ61は、第1熱交換器41から流出した駆動溶液から、第1熱交換器41から流出した高溶質濃度成分へ熱移動させるように構成されている。第2ヒートポンプ62は、正浸透膜部2の第1室2cから流出した後に第3熱交換器43を通過した被処理水から、第1室2cに供給される前に第3熱交換器43を通過した被処理水へ熱移動させるように構成されている。その他の構成は実施形態4と同じである。
<本開示の実施形態6に係る水処理装置の動作>
本開示の実施形態6に係る水処理装置の動作については、実施形態4の動作と異なる部分についてのみ説明する。第1熱交換器41において駆動溶液と高溶質濃度成分とが熱交換した後、さらに第1ヒートポンプ61によって、第1熱交換器41から流出した駆動溶液から、第1熱交換器41から流出した高溶質濃度成分へ熱移動させる。また、第3熱交換器43において第1室2cに流入する前の被処理水と第1室2cから流出した被処理水とが熱交換した後、さらに第2ヒートポンプ62によって、第1室2cから流出した後に第3熱交換器43を通過した被処理水から、第1室2cに供給される前に第3熱交換器43を通過した被処理水へ熱移動させる。
実施形態6では、実施形態4に比べて、水処理装置1における熱エネルギーをさらに有効利用できるので、水処理装置1で必要な熱エネルギーをさらに低減することができる。
(実施形態7)
次に、実施形態7に係る水処理装置について説明する。実施形態7に係る水処理装置は、実施形態5に対して、ヒートポンプを付加したものである。尚、実施形態7において、実施形態5の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態7に係る水処理装置の構成>
図7に示されるように、本開示の実施形態7に係る水処理装置1は、第3ヒートポンプ71,第4ヒートポンプ72の少なくとも1つを備えるように構成されている。第3ヒートポンプ71は、第4熱交換器51から流出した高溶質濃度成分から、第4熱交換器51から流出した駆動溶液へ熱移動させるように構成されている。第4ヒートポンプ72は、第5熱交換器52から流出した低溶質濃度成分から、第5熱交換器52から流出した第2高溶質濃度成分へ熱移動させるように構成されている。その他の構成は実施形態5と同じである。
<本開示の実施形態7に係る水処理装置の動作>
本開示の実施形態7に係る水処理装置の動作については、実施形態5の動作と異なる部分についてのみ説明する。第4熱交換器51において駆動溶液と高溶質濃度成分とが熱交換した後、さらに第3ヒートポンプ71によって、第4熱交換器51から流出した高溶質濃度成分から、第4熱交換器51から流出した駆動溶液へ熱移動させる。また、第5熱交換器52において低溶質濃度成分と第2高溶質濃度成分とが熱交換した後、さらに第4ヒートポンプ72によって、第5熱交換器52から流出した低溶質濃度成分から、第5熱交換器52から流出した第2高溶質濃度成分へ熱移動させる。
実施形態7では、実施形態5に比べて、水処理装置1における熱エネルギーをさらに有効利用できるので、水処理装置1で必要な熱エネルギーをさらに低減することができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]一の態様に係る水処理装置は、
被処理水と駆動溶液とを正浸透膜(2a)を介して接触させる正浸透膜部(2)と、
前記正浸透膜部(2)において前記正浸透膜(2a)を介して前記被処理水と接触した駆動溶液を、前記駆動溶液の溶質を含む高溶質濃度成分と、前記高溶質濃度成分よりも前記溶質の濃度が低い低溶質濃度成分とに分離する分離部(3)と、
前記分離部(3)の前記高溶質濃度成分を前記駆動溶液として前記正浸透膜部(2)に供給する駆動溶液供給部(4)と
を備える水処理装置(1)であって、
前記水処理装置(1)は、前記被処理水から前記駆動溶液へ前記正浸透膜(2a)を透過する水量に関する指標が予め決められた設定範囲内となるように、前記正浸透膜部(2)へ供給される前記被処理水又は前記駆動溶液の少なくとも一方の供給量を調節する調節部(制御装置10)を備える。
本開示の水処理装置によれば、正浸透膜部へ供給される被処理水又は駆動溶液の少なくとも一方の供給量を調節することにより、被処理水から駆動溶液へ正浸透膜を透過する水量を調整するので、正浸透膜を透過する水量の調整が容易になる。
[2]別の態様に係る水処理装置は、[1]の水処理装置であって、
前記調節部(10)は、
前記被処理水及び前記駆動溶液のそれぞれが予め決められた定格流量で前記正浸透膜部(2)へ供給される定格運転モードと、
前記指標が前記設定範囲内となるように、前記被処理水又は前記駆動溶液の少なくとも一方が前記定格流量よりも低い流量で前記正浸透膜部(2)へ供給される調節運転モードと
を切り替える。
このような構成によれば、決められた容量内の容器に処理水を貯蔵する場合や処理水の使用量に応じて被処理水を処理する場合に、調節運転モードに切り替えることで、正浸透膜を透過する水量を容易に調整できるので、処理水の生成量を容易に調整することができる。
[3]さらに別の態様に係る水処理装置は、[1]または[2]の水処理装置であって、
前記分離部(3)に供給される駆動溶液を冷却する冷却器(15)をさらに備え、
前記駆動溶液は上限臨界溶液温度型の熱応答性液体である。
このような構成によれば、冷却器による駆動溶液の温度調整によって駆動溶液が分離状態になるので、駆動溶液から水を容易に分離することができる。
[4]さらに別の態様に係る水処理装置は、[1]または[2]の水処理装置であって、
前記分離部(3)に供給される駆動溶液を加熱する加熱器(35)をさらに備え、
前記駆動溶液は下限臨界溶液温度型の熱応答性液体である。
このような構成によれば、加熱器による駆動溶液の温度調整によって駆動溶液が分離状態になるので、駆動溶液から水を容易に分離することができる。
[5]さらに別の態様に係る水処理装置は、[1]~[4]のいずれかの水処理装置であって、
前記調節部(10)は、前記指標が前記設定範囲内となるように、前記正浸透膜部(2)へ供給される前記駆動溶液の供給量を調節する。
分離部と正浸透膜部との間を循環する駆動溶液の温度を調整するためにエネルギーを必要とするが、上記[5]の構成によれば、正浸透膜を透過する水量を低下させる場合、駆動溶液の循環流量が低下するので、駆動溶液の温度を調整するためのエネルギーを低減することができる。
[6]さらに別の態様に係る水処理装置は、[5]の水処理装置であって、
前記調節部(10)は、前記正浸透膜部(2)へ供給される前記処理水及び前記駆動溶液の流量比が予め決められた設定比率となるように、前記正浸透膜部(2)へ供給される前記被処理水の供給量も調節する。
逆浸透膜とは異なり、正浸透膜は耐圧性が低いので、正浸透膜部へ供給される駆動溶液の流量のみを調節して被処理水の流量を変えないと、正浸透膜への圧力負荷が大きくなり、正浸透膜が損傷するおそれがある。これに対し、上記[6]の構成によれば、駆動溶液の流量を調節しても、正浸透膜部へ供給される被処理水及び駆動溶液の流量比の変化が小さくなることから、正浸透膜の両側の圧力差の変化を小さくすることができるので、正浸透膜が損傷するおそれを低減することができる。
[7]さらに別の態様に係る水処理装置は、[3]の水処理装置であって、
前記正浸透膜部(2)から流出する駆動溶液と前記分離部(3)から流出した前記高溶質濃度成分とを熱交換する第1熱交換器(41)、
前記正浸透膜部(2)に供給される前の被処理水と前記正浸透膜部(2)から流出する駆動溶液とを熱交換する第2熱交換器(42)、又は、
前記正浸透膜部(2)に供給される前の被処理水と前記正浸透膜部(2)から流出する被処理水とを熱交換する第3熱交換器(43)
のうちの少なくとも1つをさらに備える。
このような構成によれば、水処理装置における熱エネルギーを有効利用できるので、水処理装置で必要な熱エネルギーを低減することができる。
[8]さらに別の態様に係る水処理装置は、[7]の水処理装置であって、
前記第1熱交換器(41)又は前記第3熱交換器(43)の少なくとも一方を備え、
前記第1熱交換器(41)から流出した前記高溶質濃度成分から、前記第1熱交換器(41)から流出した前記駆動溶液へ熱移動させる第1ヒートポンプ(61)、又は、
前記正浸透膜部(2)から流出した後に前記第3熱交換器(43)を通過した前記被処理水から、前記正浸透膜部(2)に供給される前に前記第3熱交換器(43)を通過した前記被処理水へ熱移動させる第2ヒートポンプ(62)
の少なくとも一方を備える。
このような構成によれば、上記[7]の構成に比べて、水処理装置で必要な熱エネルギーをさらに低減することができる。
[9]さらに別の態様に係る水処理装置は、[4]の水処理装置であって、
前記正浸透膜部(2)から流出する駆動溶液と前記分離部(3)から流出した前記高溶質濃度成分とを熱交換する第4熱交換器(51)をさらに備える。
このような構成によれば、水処理装置における熱エネルギーを有効利用できるので、水処理装置で必要な熱エネルギーを低減することができる。
[10]さらに別の態様に係る水処理装置は、[4]または[9]の水処理装置であって、
前記低溶質濃度成分を前記駆動溶液の溶質を含む第2高溶質濃度成分と前記第2高溶質濃度成分よりも前記溶質の濃度が低い第2低溶質濃度成分とに分離する第2分離部(20)と、
前記低溶質濃度成分と前記第2高溶質濃度成分とを熱交換する第5熱交換器(52)をさらに備える。
このような構成によれば、水処理装置における熱エネルギーを有効利用できるので、水処理装置で必要な熱エネルギーを低減することができる。
[11]さらに別の態様に係る水処理装置は、[9]の水処理装置であって、
前記第4熱交換器(51)から流出した前記高溶質濃度成分から、前記第4熱交換器(51)から流出した前記駆動溶液へ熱移動させる第3ヒートポンプ(71)を備える。
このような構成によれば、上記[9]の構成に比べて、水処理装置で必要な熱エネルギーをさらに低減することができる。
[12]さらに別の態様に係る水処理装置は、[10]の水処理装置であって、
前記第5熱交換器(52)から流出した低溶質濃度成分から、前記第5熱交換器(52)から流出した前記第2高溶質濃度成分へ熱移動させる第4ヒートポンプ(72)を備える。
このような構成によれば、上記[10]の構成に比べて、水処理装置で必要な熱エネルギーをさらに低減することができる。
[13]さらに別の態様に係る水処理装置は、[1]~[12]のいずれかの水処理装置であって、
前記分離部(3)内の駆動溶液中のイオンの濃度を検出するための検出装置(イオン電極25)をさらに備える。
このような構成によれば、低溶質濃度成分と高溶質濃度成分との分離ができなくなる前に駆動溶液を交換することができる。
[14]さらに別の態様に係る水処理装置は、[1]~[13]のいずれかの水処理装置であって、
前記正浸透膜(2a)を介して前記被処理水と前記低溶質濃度成分とが接触するように前記低溶質濃度成分を前記正浸透膜部(2)へ供給するための低溶質濃度成分供給ライン(22)をさらに備える。
このような構成によれば、ファウリングした正浸透膜を逆洗することができる。
1 水処理装置
2 正浸透膜部
2a 正浸透膜
3 分離部
4 駆動溶液供給部
10 制御装置(調節部)
15 冷却器
20 第2分離部
22 低溶質濃度成分供給ライン
25 イオン電極(検出装置)
35 加熱器
41 第1熱交換器
42 第2熱交換器
43 第3熱交換器
51 第4熱交換器
52 第5熱交換器
61 第1ヒートポンプ
62 第2ヒートポンプ
71 第3ヒートポンプ
72 第4ヒートポンプ

Claims (14)

  1. 被処理水と駆動溶液とを正浸透膜を介して接触させる正浸透膜部と、
    前記正浸透膜部において前記正浸透膜を介して前記被処理水と接触した駆動溶液を、前記駆動溶液の溶質を含む高溶質濃度成分と、前記高溶質濃度成分よりも前記溶質の濃度が低い低溶質濃度成分とに分離する分離部と、
    前記分離部の前記高溶質濃度成分を前記駆動溶液として前記正浸透膜部に供給する駆動溶液供給部と
    を備える水処理装置であって、
    前記水処理装置は、前記被処理水から前記駆動溶液へ前記正浸透膜を透過する水量に関する指標が予め決められた設定範囲内となるように、前記正浸透膜部へ供給される前記被処理水又は前記駆動溶液の少なくとも一方の供給量を調節する調節部を備える水処理装置。
  2. 前記調節部は、
    前記被処理水及び前記駆動溶液のそれぞれが予め決められた定格流量で前記正浸透膜部へ供給される定格運転モードと、
    前記指標が前記設定範囲内となるように、前記被処理水又は前記駆動溶液の少なくとも一方が前記定格流量よりも低い流量で前記正浸透膜部へ供給される調節運転モードと
    を切り替える、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記分離部に供給される駆動溶液を冷却する冷却器をさらに備え、
    前記駆動溶液は上限臨界溶液温度型の熱応答性液体である、請求項1または2に記載の水処理装置。
  4. 前記分離部に供給される駆動溶液を加熱する加熱器をさらに備え、
    前記駆動溶液は下限臨界溶液温度型の熱応答性液体である、請求項1または2に記載の水処理装置。
  5. 前記調節部は、前記指標が前記設定範囲内となるように、前記正浸透膜部へ供給される前記駆動溶液の供給量を調節する、請求項1~4のいずれか一項に記載の水処理装置。
  6. 前記調節部は、前記正浸透膜部へ供給される前記処理水及び前記駆動溶液の流量比が予め決められた設定比率となるように、前記正浸透膜部へ供給される前記被処理水の供給量も調節する、請求項5に記載の水処理装置。
  7. 前記正浸透膜部から流出する駆動溶液と前記分離部から流出した前記高溶質濃度成分とを熱交換する第1熱交換器、
    前記正浸透膜部に供給される前の被処理水と前記正浸透膜部から流出する駆動溶液とを熱交換する第2熱交換器、又は、
    前記正浸透膜部に供給される前の被処理水と前記正浸透膜部から流出する被処理水とを熱交換する第3熱交換器
    のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項3に記載の水処理装置。
  8. 前記第1熱交換器又は前記第3熱交換器の少なくとも一方を備え、
    前記第1熱交換器から流出した前記高溶質濃度成分から、前記第1熱交換器から流出した前記駆動溶液へ熱移動させる第1ヒートポンプ、又は、
    前記正浸透膜部から流出した後に前記第3熱交換器を通過した前記被処理水から、前記正浸透膜部に供給される前に前記第3熱交換器を通過した前記被処理水へ熱移動させる第2ヒートポンプ
    の少なくとも一方を備える、請求項7に記載の水処理装置。
  9. 前記正浸透膜部から流出する駆動溶液と前記分離部から流出した前記高溶質濃度成分とを熱交換する第4熱交換器をさらに備える、請求項4に記載の水処理装置。
  10. 前記低溶質濃度成分を前記駆動溶液の溶質を含む第2高溶質濃度成分と前記第2高溶質濃度成分よりも前記溶質の濃度が低い第2低溶質濃度成分とに分離する第2分離部と、
    前記低溶質濃度成分と前記第2高溶質濃度成分とを熱交換する第5熱交換器と
    をさらに備える、請求項4または9に記載の水処理装置。
  11. 前記第4熱交換器から流出した前記高溶質濃度成分から、前記第4熱交換器から流出した前記駆動溶液へ熱移動させる第3ヒートポンプを備える、請求項9に記載の水処理装置。
  12. 前記第5熱交換器から流出した低溶質濃度成分から、前記第5熱交換器から流出した前記第2高溶質濃度成分へ熱移動させる第4ヒートポンプを備える、請求項10に記載の水処理装置。
  13. 前記分離部内の駆動溶液中のイオンの濃度を検出するための検出装置をさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の水処理装置。
  14. 前記正浸透膜を介して前記被処理水と前記低溶質濃度成分とが接触するように前記低溶質濃度成分を前記正浸透膜部へ供給するための低溶質濃度成分供給ラインをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の水処理装置。
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