JP2022129986A - 液晶ポリエステルアミド樹脂 - Google Patents

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Shogo Takasuka
久成 藤原
Hisanari Fujiwara
大輔 齋尾
Daisuke Saio
亜砂美 藤井
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Abstract

【課題】引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に優れる液晶ポリエステルアミド樹脂、および液晶ポリエステルアミド樹脂組成物、ならびに本液晶ポリエステルアミド樹脂あるいは樹脂組成物から構成される成形品を提供する。【解決手段】本発明は、式(I)~(V)TIFF2022129986000009.tif51101で表される繰返し単位を含む、液晶ポリエステルアミド樹脂に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、機械強度に優れた液晶ポリエステルアミド樹脂に関する。
液晶ポリマーは、優れた流動性、機械強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等をバランス良く有するため、高機能エンジニアリングプラスチックスとして広く利用されている。液晶ポリマーとしては、液晶ポリエステルや液晶ポリエステルアミドなどが知られている。
液晶ポリエステルアミドとして、例えば、特許文献1には特定の繰返し単位により構成され、低融点化と耐熱性との両立が十分であるとされる全芳香族ポリエステルアミドが提案されている。
特開2020-41012号公報
しかし、特許文献1に記載の全芳香族ポリエステルアミドは、引張強度や耐衝撃強度などの機械特性に劣るものであり、日常の使用において落下などによる衝撃を受けやすい携帯電話等の電子デバイスの部品には使用しにくいという問題があった。
本発明の目的は、引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に優れる液晶ポリエステルアミド樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の繰返し単位から構成される液晶ポリエステルアミド樹脂が引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕 式(I)~(V)
Figure 2022129986000001
[式中、p、q、r、sおよびtは、それぞれ、液晶ポリエステルアミド樹脂中での各繰返し単位の組成比(モル%)を示し、以下の式を満たす:
25≦p≦60、
3≦q≦50、
5≦r≦30、
5≦s≦25、および
0≦t≦25]
で表される繰返し単位を含む、液晶ポリエステルアミド樹脂。
〔2〕 さらにp+q≧50を満たす、〔1〕に記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
〔3〕 さらにp+q+r+s+t=100を満たす、〔1〕または〔2〕に記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
〔4〕 引張強度が190MPa以上である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
〔5〕 ASTM D256に準拠したIzod衝撃強度が300J/m以上である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
〔6〕 〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂100質量部に対し、繊維状、板状または粒状の充填剤0.1~200質量部を含む、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物。
〔7〕 〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂あるいは〔6〕に記載の液晶ポリエステルアミド樹脂組成物から構成される成形品。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂および液晶ポリエステルアミド樹脂組成物は、引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に優れるため、例えば、各種通信機器、電子デバイス等の筐体やパッケージなどといった電気電子部品の用途に好適に用いられる。
本明細書および請求の範囲において、「液晶ポリエステルアミド樹脂」とは、異方性溶融相を形成するポリエステルアミド樹脂であり、当該技術分野においてサーモトロピック液晶ポリエステルアミド樹脂と呼ばれているものである。
異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージにのせた試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は光学的に異方性を示すもの、即ち、直交偏光子の間で検査したときに光を透過させるものである。試料が光学的に異方性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過する。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、繰返し単位として式(I)および式(II)で表される芳香族オキシカルボニル繰返し単位を含む。
Figure 2022129986000002
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂において、式(I)で表される繰返し単位の液晶ポリエステルアミド樹脂に対する組成比pは、25~60モル%、好ましくは30~55モル%である。また、式(II)で表される繰返し単位の液晶ポリエステルアミド樹脂に対する組成比qは、3~50モル%、好ましくは4~40モル%、より好ましくは5~35モル%である。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂において、式(I)および式(II)で表される繰返し単位は、p+q≧50の関係を満たすのが好ましく、p+q≧55の関係を満たすのがより好ましく、p+q≧60の関係を満たすのがさらに好ましく、p+q≧65の関係を満たすのが特に好ましい。
式(I)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸、ならびにそのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
式(II)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ならびにそのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
また、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、式(III)で表される芳香族オキシアミノ繰返し単位を含む。
Figure 2022129986000003
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂において、式(III)で表される繰返し単位の液晶ポリエステルアミド樹脂に対する組成比rは、5~30モル%、好ましくは7~28モル%、より好ましくは10~25モル%である。
式(III)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4-アミノフェノール、ならびにそのアシル化物などのアミド形成性の誘導体が挙げられる。
また、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、式(IV)で表される芳香族ジカルボニル繰返し単位を含む。
Figure 2022129986000004
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂において、式(IV)で表される繰返し単位の液晶ポリエステルアミド樹脂に対する組成比sは、3~25モル%、好ましくは5~23モル%である。
式(IV)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ならびにそのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、他の芳香族ジカルボニル繰返し単位として、さらに式(V)で表される繰返し単位を含んでいてもよい。
Figure 2022129986000005
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂において、式(V)で表される繰返し単位の液晶ポリエステルアミド樹脂に対する組成比tは、0~25モル%、好ましくは1~20モル%、より好ましくは2~15モル%である。
式(V)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、テレフタル酸およびイソフタル酸、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
すなわち、式(V)で表される繰返し単位が、式(VI)および/または式(VII)で表される繰返し単位であることが好ましい。
Figure 2022129986000006
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂において繰返し単位の組成比の合計[p+q+r+s+t]が100モル%であることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲において、他の繰返し単位をさらに含んでもよい。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂を構成する他の繰返し単位を与える単量体としては、他の芳香族ヒドロキシカルボン酸、他の芳香族ヒドロキシアミン、他の芳香族ジカルボン酸あるいは芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシジカルボン酸、芳香族ジアミン、芳香族アミノカルボン酸、芳香族メルカプトカルボン酸、芳香族ジチオール、芳香族メルカプトフェノールおよびこれらの組合せなどが挙げられる。
これらの他の単量体成分から与えられる繰返し単位の割合は、繰返し単位全体において、10モル%以下であるのが好ましい。
以下、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂の製造方法について説明する。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂の製造方法には特に限定はなく、上記単量体成分間にエステル結合またはアミド結合を形成させる公知のポリエステルまたはポリアミドの重縮合方法、たとえば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを用いることができる。
溶融アシドリシス法は、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂を製造するのに好ましい方法である。この方法は、最初に重合性単量体を加熱して反応物質の溶融溶液を形成し、次いで重縮合反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(たとえば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で重合性単量体を反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリエステルアミド樹脂を製造する際に使用される重合性単量体成分は、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基は炭素原子数2~5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記単量体成分のアセチル化物を反応に用いる方法が挙げられる。
重合性単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリエステルアミド樹脂の製造時にモノマーに無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれにおいても、重縮合反応は、通常、温度150~400℃、好ましくは250~370℃で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(例えばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタン;三酸化アンチモン;アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム);ルイス酸(例えば三フッ化硼素)、ハロゲン化水素(例えば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
触媒の使用割合は、通常モノマー全量に対し10~1000ppm、好ましくは20~200ppmである。
このようにして得られる本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、後述する示差走査熱量計(DSC)により測定される結晶融解温度が好適には200℃以上であり、耐熱性に優れたものである。本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂の結晶融解温度は、好ましくは200℃以上、より好ましくは210℃以上である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「結晶融解温度」とは、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、以下DSCと略す)によって、昇温速度20℃/分で測定した際の結晶融解に基づく吸熱ピークを示す温度から求めたものである。より具体的には、液晶ポリエステルアミド樹脂の試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20~50℃高い温度で10分間保持し、次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリエステルアミド樹脂の結晶融解温度とする。測定機器としては、例えば、株式会社日立ハイテクサイエンス製DSC7020等を用いることができる。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、キャピラリーレオメーター(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)により、0.7mmφ×10mmのキャピラリーを用いて、剪断速度1000s-1の条件下、結晶融解温度+30℃で測定した溶融粘度が、1~1000Pa・sであるものが好ましく、5~300Pa・sであるものがより好ましい。
また、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、ダンベル状試験片(長さ63.5mm×幅3.5mm×厚さ2.0mm)を用いた引張試験において、引張強度が190MPa以上であることが好ましく、より好ましくは205MPa以上、さらに好ましくは220MPa以上である。上記引張強度の上限値は、特に限定されないが、例えば350MPaである。
なお、引張強度の測定は、スパン間距離25.4mm、引張速度5.0mm/分で行うことができる。
また、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂は、ASTM D256に準拠した23℃におけるIzod衝撃強度が300J/m以上であることが好ましく、より好ましくは350J/m以上、さらに好ましくは400J/m以上である。上記Izod衝撃強度の上限値は、特に限定されないが、例えば1000MPaである。
本発明はさらに、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂に繊維状、板状または粒状の充填剤の1種または2種以上を配合せしめて得られる液晶ポリエステルアミド樹脂組成物を提供する。充填剤としては、樹脂組成物に用いられることが知られている物質から、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物の使用目的、用途等に応じて適宜選択すればよい。
繊維状の充填剤としては、例えば、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、などが挙げられる。これらの中では、ガラス繊維が物性とコストのバランスが優れている点から好ましい。
板状あるいは粒状の充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、硫酸バリウム、酸化チタンなどが挙げられる。これらの中では、タルクが物性とコストのバランスが優れている点から好ましい。
充填剤が配合された液晶ポリエステルアミド樹脂組成物において、充填剤はその合計配合量が、液晶ポリエステルアミド樹脂100質量部に対して、通常0.1~200質量部、特に10~100質量部であるのが好ましい。充填剤の配合量が200質量部を超える場合、樹脂組成物の成形加工性が低下したり、成形機のシリンダーや金型の磨耗が大きくなる傾向がある。
また、本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲でさらに、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、ポリシロキサン、フッ素樹脂などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤などの、樹脂組成物に用いられることが知られている添加剤を、樹脂組成物の目的及び用途に応じて1種または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有するものについては、成形に際して予めペレットに付着せしめて用いてもよい。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂組成物は、充填剤および添加剤などの全ての成分をポリエステルアミド樹脂に配合し、バンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリエステルアミド樹脂の結晶融解温度近傍から結晶融解温度+100℃までの温度下で溶融混練して調製することができる。
このようにして得られた本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂および液晶ポリエステルアミド樹脂組成物は、従来公知の射出成形、圧縮成形、押出成形、ブローなどの成形法によって、射出成形品、フィルム、シートおよび不織布などの成形品に加工することができる。
本発明の液晶ポリエステルアミド樹脂および液晶ポリエステルアミド樹脂組成物は、引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に優れるため、例えば、各種通信機器、電子デバイス等の筐体やパッケージなどといった電気電子部品の用途に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例において、下記の略号は以下の化合物を表す。
POB:4-ヒドロキシ安息香酸
BON6:6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸
BP:4,4’-ジヒドロキシビフェニル
PAP:4-アミノフェノール
NDA:2,6-ナフタレンジカルボン酸
IPA:イソフタル酸
TPA:テレフタル酸
〈結晶融解温度の測定〉
示差走査熱量測計(株式会社日立ハイテクサイエンス製DSC7020)を用いて測定を行った。下記実施例および比較例の樹脂試料を、室温から20℃/分の昇温条件下で測定し、吸熱ピーク温度(Tm1)を観測した後、Tm1より20~50℃高い温度で10分間保持した。次いで20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を樹脂試料の結晶融解温度とした。
〈引張強度〉
射出成形機射出成形機(住友重機械工業(株)製 MINIMAT M26/15)を用いて、融点+20~40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で、長さ63.5mm、幅3.5mm、厚さ2.0mmのダンベル状引張試験片を成形し、引張強度を測定した。
引張強度の測定は、スパン間距離25.4mm、引張速度5.0mm/分で行った。
〈Izod衝撃強度〉
射出成形機射出成形機(住友重機械工業(株)製 MINIMAT M26/15)を用いて、融点+20~40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で、長さ65mm、幅12.7mm、厚さ2.0mmの短冊状試験片を成形し、ASTM D256に準拠して測定した。
実施例1
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器にPOB、BON6、PAP、NDAおよびIPAを、表1に示す組成比で、総量6.5モルとなるように仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に室温から150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去させつつ210℃まで速やかに昇温し、同温度にて30分間保持した。その後、345℃まで4時間かけ昇温した後、80分かけ10mmHgにまで減圧を行なった。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステルアミド樹脂のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。
実施例2~5および比較例1~4
モノマー組成比を、表1に示す組成比に変えること以外は、実施例1と同様にして、樹脂ペレットを得た。重合時の酢酸留出量は、ほぼ理論値どおりであった。
得られた実施例1~5および比較例1~4の樹脂の結晶融解温度、引張強度およびIzod衝撃強度を表1に示す。
Figure 2022129986000007
表1から、特定の繰返し単位から構成される実施例1~5の液晶ポリエステルアミド樹脂はいずれも、引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に優れるものであった。
一方、比較例1~4の樹脂はいずれも、実施例1~5の液晶ポリエステルアミド樹脂と比較して、引張強度やIzod衝撃強度などの機械特性に劣るものであった。

Claims (7)

  1. 式(I)~(V)
    Figure 2022129986000008
    [式中、p、q、r、sおよびtは、それぞれ、液晶ポリエステルアミド樹脂中での各繰返し単位の組成比(モル%)を示し、以下の式を満たす:
    25≦p≦60、
    3≦q≦50、
    5≦r≦30、
    3≦s≦25、および
    0≦t≦25]
    で表される繰返し単位を含む、液晶ポリエステルアミド樹脂。
  2. さらにp+q≧50を満たす、請求項1に記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
  3. さらにp+q+r+s+t=100を満たす、請求項1または2に記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
  4. 引張強度が190MPa以上である、請求項1~3のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
  5. ASTM D256に準拠したIzod衝撃強度が300J/m以上である、請求項1~4のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂100質量部に対し、繊維状、板状または粒状の充填剤0.1~200質量部を含む、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物。
  7. 請求項1~5のいずれかに記載の液晶ポリエステルアミド樹脂あるいは請求項6に記載の液晶ポリエステルアミド樹脂組成物から構成される成形品。
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