JP2022129810A - 固体撮像装置及び撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像までの時間をより短縮することができる固体撮像装置及び撮像システムを提案する。【解決手段】固体撮像装置は、画素部と、第1の取得部と、第2の取得部と、を備える。画素部は、第1の画素及び第2の画素の組を複数有する。第1の画素及び第2の画素の組は、画素領域に配置される。第1の画素は、可視光外の光を受光する。第2の画素は、可視光を受光する。第1の取得部は、前記第1の画素から第1の信号を取得する。第2の取得部は、前記第1の信号に基づいて所定の距離範囲にある物体が検出された場合に、前記第2の画素から第2の信号を取得する。【選択図】図2

Description

本開示は、固体撮像装置及び撮像システムに関する。
従来、固体撮像装置から、画像処理の対象とする領域(ROI:Region of Interest)の信号を読み出す技術が存在する。当該技術に係る画像センサは、例えば、精度が低いが高速で画素の読み出しが可能な高速読み出し回路で画素の読み出しを行ってROIを決定する。次に、画像センサは、低速だが精度が高い読み出しが可能な精密読み出し回路で、決定したROIに属する画素の読み出しを行う。
特表2016-504889号公報
上記技術では、ROIを決定するために画素の読み出しと、読み出した画像に対する処理が必要となるため、出力画像を得るまでに時間がかかってしまう。例えば、高速に移動する物体の撮像を行う場合、所望の物体を含むROIを決定してから出力画像を得るまでに時間がかかると、当該物体の撮像が行えない可能性がある。
そこで、本開示では、撮像までの時間をより短縮することができる固体撮像装置及び撮像システムを提案する。
なお、上記課題又は目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が解決し得、又は達成し得る複数の課題又は目的の1つに過ぎない。
本開示によれば、固体撮像装置が提供される。固体撮像装置は、画素部と、第1の取得部と、第2の取得部と、を備える。画素部は、第1の画素及び第2の画素の組を複数有する。第1の画素及び第2の画素の組は、画素領域に配置される。第1の画素は、可視光外の光を受光する。第2の画素は、可視光を受光する。第1の取得部は、前記第1の画素から第1の信号を取得する。第2の取得部は、前記第1の信号に基づいて所定の距離範囲にある物体が検出された場合に、前記第2の画素から第2の信号を取得する。
本開示の実施形態に係る撮像システムの構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による撮像処理の一例を説明するための図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による撮像処理の一例を説明するための図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による撮像処理の一例を説明するための図である。 本開示の実施形態に係る撮像処理により取得され得る画像データについて説明するための図である。 本開示の実施形態に係る撮像処理により取得され得る画像データについて説明するための図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による撮像処理の一例を説明するための図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による撮像処理の一例を説明するための図である。 本開示の実施形態に係る撮像処理により取得され得る画像データについて説明するための図である。 本開示の実施形態に係る撮像処理により取得され得る画像データについて説明するための図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の概略構成の他の例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の概略構成の他の例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る画素アレイ部の概略構成例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造例を示す断面図である。 本実施形態に係る単位画素の概略構成例を示す回路図である。 本開示の実施形態の単位画素の概略構成の他の例を示す回路図である。 本開示の実施形態の単位画素の概略構成の他の例を示す回路図である。 本開示の実施形態に係る画素アレイ部の概略構成の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す断面図である。 本開示の実施形態に係る単位画素の概略構成の他の例を示す回路図である。 本開示の実施形態に係る画素アレイ部の概略構成の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る画素アレイ部の概略構成の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の断面構造の他の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係るIR画素の読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。 本開示の実施形態に係るRGB画素の読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。 本開示の実施形態に係る単位画素の読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。 本開示の実施形態に係る物体検出動作について説明するための図である。 本開示の実施形態に係る物体検出動作について説明するための図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る第1の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る撮像範囲について説明するための図である。 本開示の実施形態に係る撮像範囲の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置が出力する画像データのフォーマットの一例を示す図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置が出力する画像データのフォーマットの一例を示す図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置が出力する画像データのフォーマットの他の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る第1の撮像処理の流れの他の例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置による有効領域の修正例を示す図である。 本開示の実施形態に係る撮像処理の流れの他の例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る撮像画像の補正の一例を説明するための図である。 本開示の実施形態に係る第2のデータ処理部の構成例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の構成の他の例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る第2の撮像条件の決定処理の流れを示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る固体撮像装置の構成の他の例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.撮像システムの概要
1.1.撮像システムの構成例
1.2.撮像処理
2.固体撮像装置の構成
2.1.固体撮像装置の概略構成例
2.2.画素アレイ部の構成例
2.3.単位画素の断面構造例
2.4.単位画素の回路構造例
2.5.画素アレイ部の変形例
2.6.有機材料
3.固体撮像装置の動作例
3.1.読み出し動作
3.2.検出動作
3.3.撮像動作
3.4.出力フォーマット
4.その他の実施形態
4.1.有効領域の修正
4.2.撮像画像の補正
4.3.第2の撮像条件の設定
4.4.プロセッサによる撮像処理
5.適用例
6.まとめ
<<1.撮像システムの概要>>
<1.1.撮像システムの構成例>
図1は、本開示の実施形態に係る撮像システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、撮像システム1は、撮像レンズ10と、固体撮像装置100と、光源30と、記憶部40と、プロセッサ20と、を備える。撮像システム1は、例えばカメラ等、撮像機能を有する電子機器である。
撮像レンズ10は、入射光を集光してその像を固体撮像装置100の受光面に結像する光学系の一例である。受光面とは、固体撮像装置100における光電変換素子が配列する面であってよい。
固体撮像装置100は、少なくとも2つの撮像手段を有する。固体撮像装置100は、一方の撮像手段を用いて入射光のうち可視光外の光(例えば赤外光)を光電変換し、所定の距離範囲(Range of Interest)に存在する物体を検出する。かかる撮像手段を、第1の撮像系とも記載する。
また、固体撮像装置100は、他方の撮像手段を用いて入射光のうち可視光を光電変換して画像データを生成する。かかる撮像手段を、第2の撮像系とも記載する。
固体撮像装置100は、撮像処理を実行し、例えば所定の距離範囲に物体が存在するか否かを検出し、当該物体を検出した場合に、画像データを生成する。
光源30は、レーザダイオードであって、例えばレーザ光を発光するように駆動される。光源30は、面光源としてレーザ光を射出するVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)を適用し得る。ただし、光源30は、VCSELに限定されず、LED(Light Emitting Diode)などの種々の光源が使用されてもよい。また、光源30は、点光源、面光源、線光源のいずれであってもよい。面光源又は線光源の場合、光源30は、例えば、複数の点光源(例えばVCSEL)が1次元又は2次元に配列した構成を備えてもよい。なお、本実施形態において、光源30は、例えば赤外(IR)光など、可視光の波長帯とは異なる波長帯(可視光外)の光を出射してよい。
記憶部40は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等で構成され、固体撮像装置100から入力された画像データ等を記録する。
プロセッサ20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、オペレーティングシステムや各種アプリケーションソフトウエア等を実行するアプリケーションプロセッサや、GPU(Graphics Processing Unit)やベースバンドプロセッサなどが含まれ得る。プロセッサ20は、固体撮像装置100から入力された画像データや記憶部40から読み出した画像データ等に対し、必要に応じた種々処理を実行したり、ユーザへの表示を実行したり、所定のネットワークを介して外部へ送信したりする。
<1.2.撮像処理>
次に、撮像システム1による撮像処理の概要について説明する。当該撮像処理は、例えば固体撮像装置100によって実行される。
図2~4は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100による撮像処理の一例を説明するための図である。
図2に示すように、固体撮像装置100は、撮像レンズ10を介して所定の距離範囲R0に存在する物体obを検出する。ここで、距離範囲R0は、固体撮像装置100の受光面との距離が、R1からR2の間の範囲である。後述するように、距離範囲R0は、例えばユーザからの指示に応じて決定される。また、撮像レンズ10は、距離範囲R0に焦点が合うように設定される。なお、撮像レンズ10は、物体obが無い空間に対していわゆる置きピンであらかじめ合焦位置が設定されているものとする。
固体撮像装置100は、距離範囲R0に物体が存在するか否かを検出する。図3にしめすように、まず、固体撮像装置100は、例えば第1の撮像系(IRを用いた測距)を用いて物体までの距離を検出する(ステップS1)。例えば、固体撮像装置100は、ToF(Time of Flight)センサとして機能することで、物体までの距離を検出する。
次に、固体撮像装置100は、検出した距離が距離範囲R0内に含まれるか否かを判定する(ステップS2)。検出した距離が距離範囲R0内に含まれない場合(ステップS2;No)、ステップS1に戻り、固体撮像装置100は、物体までの距離を検出する。
一方、検出した距離が距離範囲R0内に含まれる場合(ステップS2;Yes)、固体撮像装置100は、第2の撮像系(RGB撮像)を用いて撮像を行い、画像データを取得する(ステップS3)。例えば、固体撮像装置100は、RGB画像を撮像するイメージセンサとして機能することで、画像データを取得する。
これにより、固体撮像装置100は、図2に示すように物体obを含む画面全体を撮像し、図4に示す画像データM1を取得する。
図5及び図6は、本開示の実施形態に係る撮像処理により取得され得る画像データについて説明するための図である。
ここでは、図5の点線で示す領域R01に含まれる線路までの距離が距離範囲R0に設定されているものとする。この場合、固体撮像装置100は、距離範囲R0に物体(例えば電車)が入ると、撮像を行い図6に示すような画像データM02を取得する。
このように、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100は、物体が距離範囲R0に存在する場合に、画像データM02を取得することができる。固体撮像装置100は、可視光外(例えば、赤外光)を用いた測距によって、物体が距離範囲R0に存在するか否かを判定する。かかる判定は、画像データの画像処理によって判定する場合と比較して短時間で行うことができる。そのため、固体撮像装置100は、撮像までの時間、すなわち、物体を検出してから画像データを取得するまでの時間をより短縮することができる。
なお、ここでは、固体撮像装置100による第2の撮像系での撮像が、固体撮像装置100が撮像し得る最大の撮像範囲で行われるとしたが、これに限定されない。例えば、固体撮像装置100が検出した物体obを含む抽出領域(例えばROI)の撮像を行うようにしてもよい。かかる点について、図7及び図8を用いて説明する。
図7及び図8は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100による撮像処理の一例を説明するための図である。
図7に示すように、固体撮像装置100は、第1の撮像系を用いて物体obを検出すると、画面における物体obを含む領域をROIとして抽出し、第2の撮像系を用いて抽出したROIの撮像を行う。
これにより、固体撮像装置100は、図8に示すように、物体obを含むROIの画像データM2を取得することができる。
図9及び図10は、本開示の実施形態に係る撮像処理により取得され得る画像データについて説明するための図である。
ここでは、固体撮像装置100があらかじめ定めた距離範囲R0で物体が検出された場合に、検出された物体を含む撮像領域(ROI)で撮像を行うものとする。
例えば、固体撮像装置100は、距離範囲R0内で物体(図9では鳥の群れ)を検出すると、当該物体を含む撮像領域R11の撮像を行う。これにより、固体撮像装置100は、図10に示すように、鳥の群れを含む撮像領域の撮像画像として、画像データM12を取得する。
このように、固体撮像装置100は、ROIに限定して撮像を行うことで、撮像までの時間、すなわち、物体を検出してから画像データM2を取得するまでの時間をより短縮することができる。また、固体撮像装置100は、画像データM2のデータ量を削減し、データ出力帯域をより低減することができる。
<<2.固体撮像装置の構成>>
<2.1.固体撮像装置の概略構成例>
次に、固体撮像装置100の一例について説明する。図11は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、固体撮像装置100は、例えば、画素アレイ部101と、第1の行制御回路102Aと、第2の行制御回路102Bと、第1の読み出し回路103Aと、第2の読み出し回路103Bと、を備える。また、固体撮像装置100は、パルス生成部104と、制御回路105と、基準電圧発生回路107と、第1のデータ処理部108Aと、第2のデータ処理部108Bと、を備える。
画素アレイ部101は、単位画素110が行方向及び列方向に、すなわち、2次元格子状(行列状ともいう)に配置された構成を有する。ここで、行方向とは画素行の画素の配列方向(図面中、横方向)をいい、列方向とは画素列の画素の配列方向(図面中、縦方向)をいう。
各単位画素110は、所定の画素領域に形成される第1の画素110Aと第2の画素110Bとを備える。単位画素110の具体的な回路構成や画素構造の詳細については後述するが、第1の画素110A、第2の画素110Bは、受光した光量に応じた電荷を生成しかつ蓄積する光電変換素子を備え、入射光量に応じた電圧の画素信号を生成する。第1の画素110A及び第2の画素110Bは、入射方向に沿って配置されたり、隣接して配置されたりするなど、互いに近傍に配置される。第1の画素110Aは、可視光外の光(例えば赤外光)を受光するIR画素である。一方、第2の画素110Bは、可視光(例えば、赤色光、緑色光、青色光)を受光するRGB画素である。本説明において、第1の画素110Aを単にIR画素110Aと、第2の画素110Bを単にRGB画素110Bと称する場合がある。
画素アレイ部101では、行列状の画素配列に対し、画素行ごとに画素駆動線LD1及びLD2が行方向に沿って配線され、画素列ごとに垂直信号線VSL1及びVSL2が列方向に沿って配線されている。例えば、画素駆動線LD1は、各行の第1の画素110Aに接続され、画素駆動線LD2は、各行の第2の画素110Bに接続される。
例えば、垂直信号線VSL1は、各列の第1の画素110Aに接続され、垂直信号線VSL2は、各列の第2の画素110Bに接続される。ただし、これに限定されず、画素駆動線LD1及びLD2は、互いに直交するように配線されていてもよい。同様に、垂直信号線VSL1及びVSL2は、互いに直交するように配線されていてもよい。例えば、画素駆動線LD1が行方向に配線され、画素駆動線LD2が列方向に配線され、垂直信号線VSL1が列方向に配線され、垂直信号線VSL2が行方向に配線されてもよい。
画素駆動線LD1は、第1の画素110Aから画素信号を読み出す際の駆動を行うための制御信号を伝送する。画素駆動線LD2は、第2の画素110Bから画素信号を読み出す際の駆動を行うための制御信号を伝送する。
図11では、画素駆動線LD1及びLD2がそれぞれ1本ずつの配線として示されているが、1本ずつに限られるものではない。画素駆動線LD1の一端は、第1の行制御回路102Aの各行に対応した出力端に接続され、画素駆動線LD2の一端は、第2の行制御回路102Bの各行に対応した出力端に接続される。
(IR画素の駆動構成)
第1の画素110Aは、後述において詳細に説明するが、入射光を光電変換して電荷を発生させる光電変換部と、光電変換部に発生した電荷の電荷量に応じた電圧値の画素信号を生成する画素回路とを備える。第1の画素110Aは、第1の行制御回路102Aによる制御に従い、垂直信号線VSL1に画素信号を出現させる。
第1の行制御回路102Aは、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部101の第1の画素110Aを全画素同時あるいは行単位等で駆動する。すなわち、第1の行制御回路102Aは、当該第1の行制御回路102Aを制御する制御回路105と共に、画素アレイ部101の各第1の画素110Aの動作を制御する駆動部を構成する。第1の行制御回路102Aは、その具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系との2つの走査系を備えている。
読出し走査系は、各画素から信号を読み出すために、画素アレイ部101の各画素を行単位で順に選択走査する。各画素から読み出される画素信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対して、その読出し走査よりも露光時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の各画素の光電変換素子から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換素子がリセットされる。そして、この掃出し走査系で不要電荷を掃き出す(リセットする)ことにより、所謂電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換素子の電荷を捨てて、新たに露光を開始する(電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。
読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作又は電子シャッタ動作以降に受光した光量に対応している。そして、直前の読出し動作による読出しタイミング又は電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、各画素における電荷の蓄積期間(露光期間ともいう)となる。
第1の行制御回路102Aによって選択走査された画素行の各第1の画素110Aから出力される画素信号は、画素列ごとに垂直信号線VSL1の各々を通して第1の読み出し回路103Aに入力される。第1の読み出し回路103Aは、画素アレイ部101の画素列ごとに、選択行の各第1の画素110Aから垂直信号線VSL1を通して出力される画素信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。
具体的には、第1の読み出し回路103Aは、信号処理として少なくとも、ノイズ除去処理、例えばCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)処理や、DDS(Double Data Sampling)処理を行う。例えば、CDS処理により、リセットノイズや画素内の増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズが除去される。第1の読み出し回路103Aは、その他にも、例えば、AD(アナログ-デジタル)変換機能を備え、光電変換素子から読み出されたアナログの画素信号をデジタル信号に変換して出力する。
(RGB画素の駆動構成)
第2の画素110Bは、後述において詳細に説明するが、入射光を光電変換して電荷を発生させる光電変換部と、光電変換部に発生した電荷の電荷量に応じた電圧値の画素信号を生成する画素回路とを備える。第2の画素110Bは、第2の行制御回路102Bによる制御に従い、垂直信号線VSL2に画素信号を出現させる。
第2の行制御回路102B及び第2の読み出し回路103Bは、処理対象が第2の画素110Bである点を除き、第1の行制御回路102A及び第1の読み出し回路103Aと同様の構成を有するため、ここでの説明を省略する。
(その他構成)
基準電圧発生回路107は、第1の参照信号VREF1を第1の読み出し回路103Aに供給し、第2の参照信号VREF2を第2の読み出し回路103Bに供給する。基準電圧発生回路107は、例えばDA変換回路などを用いて構成される。第1の参照信号VREF1は、第1の読み出し回路103Aで行われるAD変換の参照信号として使用される。第2の参照信号VREF2は、第2の読み出し回路103Bで行われるAD変換の参照信号として使用される。
なお、第1の参照信号VREF1及び第2の参照信号VREF2は、読み出し対象とする画素ごとに異なる値に設定され得る。これにより、固体撮像装置100は、画素ごとにS/Nを維持することができる。
制御回路105は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成され、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミングを基に、行制御回路102、読み出し回路103、及び、パルス生成部104などの駆動制御を行う。
また、制御回路105は、水平駆動(列制御)機能を有していてもよい。水平駆動機能は、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダなどの構成によって実現され得る。水平駆動機能によって、読み出し回路103の画素列に対応する読み出し回路(以下、画素回路という)が順番に選択される。この水平駆動機能による選択走査により、読み出し回路103において画素回路ごとに信号処理された画素信号が順次出力される。
パルス生成部104は、制御回路105からの制御に従い、光源30を駆動するための駆動パルス信号を生成する。パルス生成部104は、生成した駆動パルス信号を光源30に出力する。これにより、光源30は、例えば赤外光を出射する。
第1のデータ処理部108Aは、少なくとも演算処理機能を有し、第1の読み出し回路103Aから出力される画素信号に対して演算処理等の種々の信号処理を行う。第1のデータ処理部108Aは、例えば、距離範囲R0内にある物体を検出したり、検出結果に応じて第2の撮像系の撮像領域(ROI)を決定したりする。第1のデータ処理部108Aは、第1の読み出し回路103Aを介して第1の画素110Aから画素信号(第1の信号)を取得する第1の取得部である。
第1のデータ処理部108Aは、決定した撮像領域に関する情報(以下、ROI情報という)を第2の行制御回路102B、第2の読み出し回路103B、及び、制御回路105に出力する。
第2のデータ処理部108Bは、少なくとも演算処理機能を有し、第2の読み出し回路103Bから出力される画素信号に対して演算処理等の種々の信号処理を行う。第2のデータ処理部108Bは、後述するように、距離範囲R0にある物体が検出された場合に、第2の読み出し回路103Bを介して第2の画素110Bから画素信号(第2の信号)を取得する第2の取得部である。第2のデータ処理部108Bは、信号処理を行って生成した画像データをプロセッサ20に出力する。画像データは、例えば、固体撮像装置100を含む撮像システム1におけるプロセッサ20(図1参照)等において所定の処理が実行されたり、所定のネットワークを介して外部へ送信されたりしてもよい。
なお、固体撮像装置100は、データ処理部108での信号処理に必要なデータや、読み出し回路103及びデータ処理部108のうちのいずれか1つ以上で処理されたデータ等を一時的に保持するための記憶部を備えていてもよい。
(装置構成の変形例)
なお、固体撮像装置100の構成は、図11の例に限定されない。例えば、第1の撮像系及び第2の撮像系の一部の機能や構成は共有され得る。
図12は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の概略構成の他の例を示すブロック図である。図12に示す固体撮像装置100は、垂直信号線VSL1及びVSL2の代わりに画素列ごとに垂直信号線VSLが列方向に沿って配線される点で、図11の固体撮像装置100と異なる。すなわち、図12の固体撮像装置100では、第1の画素110Aと第2の画素110Bとが垂直信号線VSLを共有する。固体撮像装置100は、垂直信号線VSLを介して、第1の画素110Aからの画素信号の読み出しと第2の画素110Bからの画素信号の読み出しとを時分割で実行する。
これにより、固体撮像装置100の配線を縮小することができ、画素ピッチの縮小が可能となる。
図13は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の概略構成の他の例を示すブロック図である。図13に示す固体撮像装置100は、第1の読み出し回路103A及び第2の読み出し回路103Bの代わりに読み出し回路103を備える点で、図12の固体撮像装置100と異なる。すなわち、図13の固体撮像装置100では、第1の画素110Aと第2の画素110Bとが読み出し回路103を共有する。固体撮像装置100は、読み出し回路103による画素信号の読み出しを、第1の画素110A及び第2の画素110Bの読み出しを時分割で実行する。
これにより、固体撮像装置100は、画素アレイ部101の周辺回路の面積を削減することができる。
<2.2.画素アレイ部の構成例>
次に、画素アレイ部101の構成例について説明する。なお、ここでは、単位画素110が、RGB三原色のカラー画像を取得するためのRGB画素110Bと、赤外(IR)光のモノクロ画像を取得するためのIR画素110Aとを含む場合を例示に挙げる。また、図14及び以下では、RGB三原色を構成する各色成分の光を透過させるカラーフィルタ31r、31g又は31bを区別しない場合、その符号が31とされている。
図14は、本開示の実施形態に係る画素アレイ部101の概略構成例を示す模式図である。図14に示すように、画素アレイ部101は、RGB画素110BとIR画素110Aとを含む単位画素110が光の入射方向に沿って配列した構造を備える。また、単位画素110は、2次元格子状に配列した構成を備える。すなわち、図14では、RGB画素110BとIR画素110Aとが単位画素110の配列方向(平面方向)に対して垂直方向に位置されている。これにより、本実施形態では、入射光の光路における上流側に位置するRGB画素110Bを透過した光は、このRGB画素110Bの下流側に位置するIR画素110Aに入射する。このような構成によれば、RGB画素110Bの光電変換部PD2における入射光の入射面と反対側の面側にIR画素110Aの光電変換部PD1が配置される。それにより、本実施形態では、光の入射方向に沿って配列するRGB画素110BとIR画素110Aとの入射光の光軸が一致又は略一致している。
なお、図14では、RGB画素110Bを構成する光電変換部PD2を有機材料で構成し、IR画素110Aを構成する光電変換部PD1をシリコンなどの半導体材料で構成する場合を例示するが、これに限定されるものではない。例えば、光電変換部PD1と光電変換部PD2との両方が半導体材料で構成されてもよいし、光電変換部PD1と光電変換部PD2との両方が有機材料で構成されてもよいし、光電変換部PD2が半導体材料で構成され、光電変換部PD1が有機材料で構成されてもよい。若しくは、光電変換部PD1と光電変換部PD2との少なくとも一方が有機材料及び半導体材料とは異なる光電変換材料で構成されてもよい。
<2.3.単位画素の断面構造例>
次に、図15を参照して、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の断面構造例を説明する。図15は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の断面構造例を示す断面図である。ここでは、単位画素110における光電変換部PD1及びPD2が形成された半導体チップに着目してその断面構造例を説明する。
また、以下の説明では、光の入射面が半導体基板50の裏面側(素子形成面と反対側)である、いわゆる裏面照射型の断面構造を例示するが、これに限定されず、光の入射面が半導体基板50の表面側(素子形成面側)である、いわゆる表面照射型の断面構造であってもよい。さらに、本説明では、RGB画素110Bの光電変換部PD2に有機材料が用いられた場合を例示するが、上述したように、光電変換部PD1及びPD2それぞれの光電変換材料には、有機材料及び半導体材料(無機材料ともいう)のうちの一方若しくは両方が用いられてよい。
なお、光電変換部PD2の光電変換材料及び光電変換部PD1の光電変換材料の両方に半導体材料を用いる場合、固体撮像装置100は、光電変換部PD2と光電変換部PD1とが同一の半導体基板50に作り込まれた断面構造を有してもよいし、光電変換部PD2が作り込まれた半導体基板と光電変換部PD1が作り込まれた半導体基板とが貼り合わされた断面構造を有してもよいし、光電変換部PD1及びPD2のうちの一方が半導体基板50に作り込まれ、他方が半導体基板50の裏面又は表面上に形成された半導体層に作り込まれた断面構造を有してもよい。
図15に示すように、本実施形態では、半導体基板50にIR画素110Aの光電変換部PD1が形成され、半導体基板50の裏面側(素子形成面と反対側)の面上に、RGB画素110Bの光電変換部PD2が設けられた構造を備える。なお、図15では、説明の都合上、半導体基板50の裏面が紙面中上側に位置し、表面が下側に位置している。
半導体基板50には、例えば、シリコン(Si)などの半導体材料が用いられてよい。ただし、これに限定されず、GaAs、InGaAs、InP、AlGaAs、InGaP、AlGaInP、InGaAsP等の化合物半導体を含む種々の半導体材料が用いられてよい。
(RGB画素110B)
RGB画素110Bの光電変換部PD2は、絶縁層53を挟んで、半導体基板50の裏面側に設けられている。光電変換部PD2は、例えば、有機材料により構成された光電変換膜34と、光電変換膜34を挟むように配置された透明電極33及び半導体層35とを備える。光電変換膜34に対して紙面中上側(以降、紙面中上側を上面側とし、下側を下面側とする)に設けられた透明電極33は、例えば、光電変換部PD2のアノードとして機能し、下面側に設けられた半導体層35は、光電変換部PD2のカソードとして機能する。
カソードとして機能する半導体層35は、絶縁層53中に形成された読出し電極36に電気的に接続される。読出し電極36は、絶縁層53及び半導体基板50を貫通する配線61、62、63及び64に接続することで、半導体基板50の表面(下面)側にまで電気的に引き出されている。なお、図15には示されていないが、配線64は、図4に示す浮遊拡散領域FD1に電気的に接続されている。
カソードとして機能する半導体層35の下面側には、絶縁層53を挟んで蓄積電極37が併設される。図15には示されていないが、蓄積電極37は、画素駆動線LDにおける転送制御線に接続されており、上述したように、露光時には、光電変換部PD2に発生した電荷を蓄積電極37の近傍の半導体層35に集めるための電圧が印加され、読出し時には、蓄積電極37の近傍の半導体層35に集められた電荷を読出し電極36を介して流出させるための電圧が印加される。
読出し電極36及び蓄積電極37は、透明電極33と同様に、透明な導電膜であってよい。透明電極33並びに読出し電極36及び蓄積電極37には、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(IZO)などの透明導電膜が用いられてよい。ただし、これらに限定されず、光電変換部PD1が検出対象とする波長帯の光を透過させ得る導電膜であれば、種々の導電膜が使用されてよい。
また、半導体層35には、例えば、IGZOなどの透明な半導体層が用いられてよい。ただし、これらに限定されず、光電変換部PD1が検出対象とする波長帯の光を透過させ得る半導体層であれば、種々の半導体層が使用されてよい。
さらに、絶縁層53は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)やシリコン窒化膜(SiN)などの絶縁膜が使用されてよい。ただし、これらに限定されず、光電変換部PD1が検出対象とする波長帯の光を透過させ得る絶縁膜であれば、種々の絶縁膜が使用されてよい。
アノードとして機能する透明電極33の上面側には、封止膜32を挟んでカラーフィルタ31が設けられる。封止膜32は、例えば、窒化シリコン(SiN)などの絶縁材料で構成され、透明電極33からアルミニウム(Al)やチタニウム(Ti)などの原子が拡散することを防止するために、これらの原子を含み得る。
カラーフィルタ31の配列については後述において説明するが、例えば、1つのRGB画素110Bに対しては、特定の波長成分の光を選択的に透過させるカラーフィルタ31が設けられる。ただし、色情報を取得するRGB画素110Bの代わりに輝度情報を取得するモノクロ画素を設ける場合には、カラーフィルタ31が省略されてもよい。
(IR画素110A)
IR画素110Aの光電変換部PD1は、例えば、半導体基板50におけるpウェル領域42に形成されたp型半導体領域43と、p型半導体領域43の中央付近に形成されたn型半導体領域44とを備える。n型半導体領域44は、例えば、光電変換により発生した電荷(電子)を蓄積する電荷蓄積領域として機能し、p型半導体領域43は、光電変換により発生した電荷をn型半導体領域44内に集めるための電位勾配を形成する領域として機能する。
光電変換部PD1の光入射面側には、例えば、IR光を選択的に透過させるIRフィルタ41が配置される。IRフィルタ41は、例えば、半導体基板50の裏面側に設けられた絶縁層53内に配置されてよい。IRフィルタ41を光電変換部PD1の光入射面に配置することで、光電変換部PD1への可視光の入射を抑制することが可能となるため、可視光に対するIR光のS/N比を改善することができる。それにより、IR光のより正確な検出結果を得ることが可能となる。
半導体基板50の光入射面には、入射光(本例ではIR光)の反射を抑制するために、例えば、微細な凹凸構造が設けられている。この凹凸構造は、いわゆるモスアイ構造と称される構造であってもよいし、モスアイ構造とはサイズやピッチが異なる凹凸構造であってもよい。
半導体基板50の表面(紙面中下面)側、すなわち、素子形成面側には、転送トランジスタ21として機能する縦型トランジスタ45と、電荷蓄積部として機能する浮遊拡散領域FD2とが設けられる。縦型トランジスタ45のゲート電極は、半導体基板50の表面からn型半導体領域44にまで達しており、層間絶縁膜56に形成された配線65及び66(画素駆動線LDの転送制御線の一部)を介して行制御回路102に接続されている。
縦型トランジスタ45を介して流出した電荷は、浮遊拡散領域FD2に蓄積される。浮遊拡散領域FD2は、層間絶縁膜56に形成された配線67及び68を介して、リセットトランジスタ22のソース及び増幅トランジスタ23のゲートに接続される。なお、リセットトランジスタ22、増幅トランジスタ23及び選択トランジスタ24は、半導体基板50の素子形成面に設けられてもよいし、半導体基板50とは異なる半導体基板に設けられてもよい。
なお、図15には、1つの光電変換部PD1に対して2つの縦型トランジスタ45(転送トランジスタ21)が設けられた場合が例示されているが、これに限定されず、1つの縦型トランジスタ45が設けられてもよいし、3以上の縦型トランジスタ45が設けられてもよい。同様に、1つの光電変換部PD1に対して2つの浮遊拡散領域FD2が設けられた場合が例示されているが、これに限定されず、1つの浮遊拡散領域FD2が設けられてもよいし、3以上の浮遊拡散領域FD2が設けられてもよい。
(画素分離構造)
半導体基板50には、複数の単位画素110の間を電気的に分離する画素分離部54が設けられており、この画素分離部54で区画された各領域内に、光電変換部PD1が設けられる。例えば、半導体基板50の裏面(図中上面)側から固体撮像装置100を見た場合、画素分離部54は、例えば、複数の単位画素110の間に介在する格子形状を有しており、各光電変換部PD1は、この画素分離部54で区画された各領域内に形成されている。
画素分離部54には、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)などの光を反射する反射膜が用いられてもよい。それにより、光電変換部PD1内に進入した入射光を画素分離部54で反射させることが可能となるため、光電変換部PD1内での入射光の光路長を長くすることが可能となる。加えて、画素分離部54を光反射構造とすることで、隣接画素への光の漏れ込みを低減することが可能となるため、画質や測距精度等をより向上させることも可能となる。なお、画素分離部54を光反射構造とする構成は、反射膜を用いる構成に限定されず、例えば、画素分離部54に半導体基板50とは異なる屈折率の材料を用いることでも実現することができる。
半導体基板50と画素分離部54との間には、例えば、固定電荷膜55が設けられる。固定電荷膜55は、例えば、半導体基板50との界面部分において正電荷(ホール)蓄積領域が形成されて暗電流の発生が抑制されるように、負の固定電荷を有する高誘電体を用いて形成されている。固定電荷膜55が負の固定電荷を有するように形成されていることで、その負の固定電荷によって、半導体基板138との界面に電界が加わり、正電荷(ホール)蓄積領域が形成される。
固定電荷膜55は、例えば、ハフニウム酸化膜(HfO2膜)で形成することができる。また、固定電荷膜55は、その他、例えば、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、チタン、マグネシウム、イットリウム、ランタノイド元素等の酸化物の少なくとも1つを含むように形成することができる。
なお、図15には、画素分離部54が半導体基板50の表面から裏面にまで達する、いわゆるFTI(Full Trench Isolation)構造を有する場合が例示されているが、これに限定されず、例えば、画素分離部54が半導体基板50の裏面又は表面から半導体基板50の中腹付近まで形成された、いわゆるDTI(Deep Trench Isolation)構造など、種々の素子分離構造を採用することが可能である。
(瞳補正)
カラーフィルタ31の上面上には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などによる平坦化膜52が設けられる。平坦化膜52の上面上は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化され、この平坦化された上面上には、単位画素110ごとのオンチップレンズ51が設けられる。各単位画素110のオンチップレンズ51は、入射光を光電変換部PD1及びPD2に集めるような曲率を備えている。なお、各単位画素110におけるオンチップレンズ51、カラーフィルタ31、IRフィルタ41、光電変換部PD1の位置関係は、例えば、画素アレイ部101の中心からの距離(像高)に応じて調節されていてもよい(瞳補正)。
また、図15に示す構造において、斜めに入射した光が隣接画素へ漏れ込むことを防止するための遮光膜が設けられてもよい。遮光膜は、半導体基板50の内部に設けられた画素分離部54の上方(入射光の光路における上流側)に位置し得る。ただし、瞳補正をする場合、遮光膜の位置は、例えば、画素アレイ部101の中心からの距離(像高)に応じて調節されていてもよい。このような遮光膜は、例えば、封止膜32内や平坦化膜52内に設けられてよい。また、遮光膜の材料には、例えば、アルミニウム(Al)やタングステン(W)などの遮光材料が用いられてよい。
<2.4.単位画素の回路構造例>
次に、単位画素110の回路構成例について説明する。図16は、本実施形態に係る単位画素110の概略構成例を示す回路図である。図16に示すように、単位画素110は、RGB画素110Bと、IR画素110Aとを1つずつ備える。
(RGB画素110B)
RGB画素110Bは、例えば、光電変換部PD2と、転送ゲート11と、浮遊拡散領域FD1と、リセットトランジスタ12と、増幅トランジスタ13と、選択トランジスタ14とを備える。
選択トランジスタ14のゲートには、画素駆動線LDに含まれる選択制御線が接続され、リセットトランジスタ12のゲートには、画素駆動線LDに含まれるリセット制御線が接続され、転送ゲート11の後述する蓄積電極(図15の蓄積電極37参照)には、画素駆動線LD2に含まれる転送制御線が接続される。また、増幅トランジスタ13のソースには、第2の読み出し回路103Bに一端が接続される垂直信号線VSL2が選択トランジスタ14を介して接続される。
以下の説明において、リセットトランジスタ12、増幅トランジスタ13及び選択トランジスタ14は、まとめて画素回路とも称される。この画素回路には、浮遊拡散領域FD1及び/又は転送ゲート11が含まれてもよい。
光電変換部PD2は、例えば有機材料で構成され、入射した光を光電変換する。転送ゲート11は、光電変換部PD2に発生した電荷を転送する。浮遊拡散領域FD1は、転送ゲート11が転送した電荷を蓄積する。増幅トランジスタ13は、浮遊拡散領域FD1に蓄積された電荷に応じた電圧値の画素信号を垂直信号線VSL2に出現させる。リセットトランジスタ12は、浮遊拡散領域FD1に蓄積された電荷を放出する。選択トランジスタ14は、読出し対象のRGB画素110Bを選択する。
光電変換部PD2のアノードは、接地されており、カソ-ドは、転送ゲート11に接続される。転送ゲート11は、図15を用いて上述したように、例えば、蓄積電極37と読出し電極36とを備える。露光時には、光電変換部PD2に発生した電荷を蓄積電極37の近傍の半導体層35に集めるための電圧が、転送制御線を介して蓄積電極37に印加される。読出し時には、蓄積電極37の近傍の半導体層35に集められた電荷を読出し電極36を介して流出させるための電圧が、転送制御線を介して蓄積電極37に印加される。
読出し電極36を介して流出した電荷は、読出し電極36と、リセットトランジスタ12のソースと、増幅トランジスタ13のゲートとを接続する配線構造によって構成される浮遊拡散領域FD1に蓄積される。なお、リセットトランジスタ12のドレインは、例えば、電源電圧VDDや電源電圧VDDとは異なるリセット電圧が供給される電源線に接続されてもよい。
増幅トランジスタ13のドレインは、例えば電源線に接続されてよい。増幅トランジスタ13のソースは、選択トランジスタ14のドレインに接続され、選択トランジスタ14のソースは、垂直信号線VSL2に接続される。
浮遊拡散領域FD1は、蓄積している電荷をその電荷量に応じた電圧値の電圧に変換する。なお、浮遊拡散領域FD1は、例えば、対接地容量であってもよい。ただし、これに限定されず、浮遊拡散領域FD1は、転送ゲート11のドレインとリセットトランジスタ12のソースと増幅トランジスタ13のゲートとが接続するノードにキャパシタなどを意図的に接続することで付加された容量等であってもよい。
垂直信号線VSL2は、第2の読み出し回路103Bにおいてカラム毎(すなわち、垂直信号線VSL2毎)に設けられたAD(Analog-to-Digital)変換回路(図示省略)に接続される。AD変換回路は、例えば、比較器とカウンタとを備え、基準電圧発生回路107(DAC(Digital-to-Analog Converter))から入力されたシングルスロープやランプ形状等の基準電圧と、垂直信号線VSL2に出現した画素信号とを比較することで、アナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換する。なお、AD変換回路は、例えば、CDS(Correlated Double Sampling)回路などを備え、kTCノイズ等を低減可能に構成されていてもよい。
(IR画素110A)
IR画素110Aは、例えば、光電変換部PD1と、転送トランジスタ21と、浮遊拡散領域FD2と、リセットトランジスタ22と、増幅トランジスタ23と、選択トランジスタ24と、排出トランジスタ25とを備える。すなわち、IR画素110Aでは、RGB画素110Bにおける転送ゲート11が転送トランジスタ21に置き換えられるとともに、排出トランジスタ25が追加されている。
転送トランジスタ21に対する浮遊拡散領域FD2、リセットトランジスタ22及び増幅トランジスタ23の接続関係は、RGB画素110Bにおける転送ゲート11に対する浮遊拡散領域FD1、リセットトランジスタ12及び増幅トランジスタ13の接続関係と同様であってよい。また、増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24と垂直信号線VSL1との接続関係も、RGB画素110Bにおける増幅トランジスタ13と選択トランジスタ14と垂直信号線VSL2との接続関係と同様であってよい。
転送トランジスタ21のソースは、例えば、光電変換部PD1のカソードに接続され、ドレインは浮遊拡散領域FD2に接続される。また、転送トランジスタ21のゲートには、画素駆動線LDに含まれる転送制御線が接続される。
排出トランジスタ25のソースは、例えば、光電変換部PD1のカソードに接続され、ドレインは、電源電圧VDDや電源電圧VDDとは異なるリセット電圧が供給される電源線に接続されてよい。また、排出トランジスタ25のゲートには、画素駆動線LD1に含まれる排出制御線が接続される。
以下の説明において、リセットトランジスタ22、増幅トランジスタ23及び選択トランジスタ24は、まとめて画素回路とも称される。この画素回路には、浮遊拡散領域FD2、転送トランジスタ21及び排出トランジスタ25のうちの1つ以上が含まれてもよい。
光電変換部PD1は、例えば半導体材料で構成され、入射した光を光電変換する。転送トランジスタ21は、光電変換部PD1に発生した電荷を転送する。浮遊拡散領域FD2は、転送トランジスタ21が転送した電荷を蓄積する。増幅トランジスタ23は、浮遊拡散領域FD2に蓄積された電荷に応じた電圧値の画素信号を垂直信号線VSL1に出現させる。リセットトランジスタ22は、浮遊拡散領域FD2に蓄積された電荷を放出する。選択トランジスタ24は、読出し対象のIR画素110Aを選択する。
光電変換部PD1のアノードは、接地されており、カソ-ドは、転送トランジスタ21に接続される。転送トランジスタ21のドレインは、リセットトランジスタ22のソース及び増幅トランジスタ23のゲートに接続されており、これらを接続する配線構造が、浮遊拡散領域FD2を構成する。光電変換部PD1から転送トランジスタ21を介して流出した電荷は、浮遊拡散領域FD2に蓄積される。
浮遊拡散領域FD2は、蓄積している電荷をその電荷量に応じた電圧値の電圧に変換する。なお、浮遊拡散領域FD2は、例えば、対接地容量であってもよい。ただし、これに限定されず、浮遊拡散領域FD2は、転送トランジスタ21のドレインとリセットトランジスタ22のソースと増幅トランジスタ23のゲートとが接続するノードにキャパシタなどを意図的に接続することで付加された容量等であってもよい。
排出トランジスタ25は、光電変換部PD1に蓄積された電荷を排出して、光電変換部PD1をリセットする際にオン状態とされる。それにより、光電変換部PD1に蓄積された電荷が排出トランジスタ25を介して電源線へ流出し、光電変換部PD1が露光されていない状態にリセットされる。
垂直信号線VSL1は、垂直信号線VSL2と同様、第1の読み出し回路103Aにおいてカラム毎(すなわち、垂直信号線VSL1毎)に設けられたAD変換回路(図示省略)に接続される。第1の読み出し回路103AのAD変換回路は、第2の読み出し回路103BのAD変換回路と同様の構成であってよい。
(回路構成の変形例)
続いて、図16に示す単位画素110の回路構成の変形例について、いくつか例を挙げて説明する。
図17は、本開示の実施形態の単位画素110の概略構成の他の例を示す回路図である。図17に示すように、単位画素110は、図16に示す単位画素110と同様の構成において、垂直信号線VSL1及びVSL2の代わりに垂直信号線VSLがスイッチ回路132を介して第1の読み出し回路103A及び第2の読み出し回路103B(図12参照)に接続されるように構成される。
そこで、図17では、垂直信号線VSLを、第1の読み出し回路103A及び第2の読み出し回路103Bのどちらに接続するか切り替えるスイッチ回路131が設けられる。スイッチ回路131は、例えば、RGB画素110B及び/又はIR画素110Aの画素回路と同じ半導体基板に設けられてもよいし、読み出し回路103が配置された半導体基板に設けられてもよいし、これらとは異なる半導体基板に設けられてもよい。また、スイッチ回路131を制御する制御信号は、行制御回路102から供給されてもよいし、制御回路105から供給されてもよいし、他の構成(例えば図1におけるプロセッサ20等)から供給されてもよい。
また、固体撮像装置100が第1の読み出し回路103A及び第2の読み出し回路103Bの代わりに共通の読み出し回路103で構成される場合(図13参照)、スイッチ回路131が省略され得る。
このような構成によれば、垂直信号線VSLや読み出し回路103の回路規模を縮小することが可能となるため、面積効率の向上による固体撮像装置100の小型化や高解像度化等が可能となる。
図18は、本開示の実施形態の単位画素110の概略構成の他の例を示す回路図である。図17に示すように、単位画素110は、図17に示す単位画素110と同様の構成において、RGB画素110Bの画素回路、及び、IR画素110Aの画素回路の少なくとも一部を共有するように構成される。図18では、リセットトランジスタ22、増幅トランジスタ23及び選択トランジスタ24を省略し、リセットトランジスタ12、増幅トランジスタ13及び選択トランジスタ14をRGB画素110B及びIR画素110Aが共有している。
このような構成によれば、画素回路の回路規模を縮小することが可能となるため、面積効率の向上による固体撮像装置100の小型化や高解像度化等が可能となる。
なお、ここでは、RGB画素110B及びIR画素110Aで画素回路を共有する場合について示したが、例えば複数のRGB画素110Bで画素回路を共有してもよく、複数のIR画素110Aで画素回路を共有してもよい。
<2.5.画素アレイ部の変形例>
上述した図14では、1つのIR画素110Aに対して1つのRGB画素110Bが対応付けられている場合を例に挙げた。これに対し、ここでは、1つのIR画素110Aに対して複数のRGB画素110Bが対応付けられている場合を例に挙げる。
(画素アレイ部101の構成例1)
図19は、本開示の実施形態に係る画素アレイ部101の概略構成の他の例を示す模式図である。図19に示すように、画素アレイ部101は、2行2列に配列した4つのRGB画素110Bに対して1つのIR画素110Aが光の入射方向に配置された構造を備える単位画素110が2次元格子状に配列した構成を備える。すなわち、図19では、4つのRGB画素110Bに対して1つのIR画素110Aが、単位画素110の配列方向(平面方向)に対して垂直方向に位置される。これにより、入射光の光路における上流側に位置する4つのRGB画素110Bを透過した光は、これら4つのRGB画素110Bの下流側に位置する1つのIR画素110Aに入射するように構成されている。したがって、図19では、4つのRGB画素110Bで構成されたベイヤー配列の単位配列とIR画素110Aとの入射光の光軸が一致又は略一致している。
(単位画素の断面構造例)
図20は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の断面構造の他の例を示す断面図である。なお、本説明では、図19と同様に、各単位画素110が2行2列に配列した4つのRGB画素110Bと、1つのIR画素110Aとから構成されている場合を例に挙げる。また、以下の説明では、図15と同様に、単位画素110における光電変換部PD1及びPD2が形成された半導体チップに着目してその断面構造例を説明する。さらに、以下の説明において、図15を用いて説明した固体撮像装置100の断面構造と同様の構造については、それらを引用することで、重複する説明を省略する。
図20に示すように、図15に例示した断面構造と同様の断面構造において、オンチップレンズ51と、カラーフィルタ31と、蓄積電極37とが、2行2列の4つ(ただし、図20では4つのうちの2つが示されている)に分割され、それにより、4つのRGB画素110Bが構成されている。なお、各単位画素110における4つのRGB画素110Bは、ベイヤー配列の基本配列を構成していてよい。
(単位画素の回路構成例)
図21は、本開示の実施形態に係る単位画素110の概略構成の他の例を示す回路図である。なお、図21では、図16に示す単位画素110をベースとしているが、これに限定されず、図17又は図18の単位画素110をベースとすることも可能である。
図21に示すように、単位画素110は、複数のRGB画素110B-1~110B-N(図19では、Nは4)と、1つのIR画素110Aとを備える。このように、1つの単位画素110が複数のRGB画素110Bを備える場合、複数のRGB画素110Bで1つの画素回路(リセットトランジスタ12、浮遊拡散領域FD1、増幅トランジスタ13及び選択トランジスタ14)を共有することが可能である(画素共有)。そこで、図21では、複数のRGB画素110B-1~110B-Nが、リセットトランジスタ12、浮遊拡散領域FD1、増幅トランジスタ13及び選択トランジスタ14よりなる画素回路を共有する。すなわち、図21では、共通の浮遊拡散領域FD1に複数の光電変換部PD1及び転送ゲート11が接続されている。
(画素アレイ部101の構成例2)
なお、上述した画素アレイ部101では、IR画素110A及びRGB画素110Bが積層されていたが、これに限定されない。IR画素110A及びRGB画素110Bが同一平面に配置されていてもよい。
図22及び図23は、本開示の実施形態に係る画素アレイ部101の概略構成の他の例を示す模式図である。図22及び図23では、画素アレイ部101を光の入射方向から見た図を示している。なお、ここでは、単位画素110が、RGB三原色のカラー画像を取得するためのRGB画素110Bと、赤外(IR)光のモノクロ画像を取得するためのIR画素110Aとを含む場合を例示に挙げる。
図22に示すように、画素アレイ部101は、3つのRGB画素110Bと1つのIR画素110Aを2行2列に配列した単位画素110が2次元格子状に配列された構成を備える。なお、フィルタ31dは、赤外光(IR)を選択的に透過させるフィルタである。
あるいは、図23に示すように、2行2列に配列した4つのRGB画素110Bに対して1つのIR画素110Aが、同一平面に配置されるようにしてもよい。図23では、4つのRGB画素110B及び1つのIR画素110Aが、1つの単位画素110として2次元格子状に配列された構成を備える。
(単位画素の断面構造例)
図24A~図24Iは、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の断面構造の他の例を示す模式図である。図24A~図24Iは模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、図24A~図24Iは、光電変換部PD1及びPD2の配置例を説明するための図であり、説明に不要な構成要素の説明は省略する。
図24Aの例では、光電変換部PD1及びPD2が同一平面に配置される。光電変換部PD2には、赤色の光を光電変換する光電変換部PD2r、緑色の光を光電変換部PD2b、青色の光を光電変換する光電変換部PD2bが含まれる。
図24B及び図24Cに示すように、光電変換部PD1と光電変換部PD2とが積層されて配置されてもよい。図24Bでは、入射光の光路における上流側に光電変換部PD1が配置され、下流側に光電変換部PD2が配置される。図24Cでは、入射光の光路における上流側に光電変換部PD2が配置され、下流側に光電変換部PD1が配置される。図24Aと同様に、図24B及び図24Cの光電変換部PD2には、赤色の光を光電変換する光電変換部PD2r、緑色の光を光電変換部PD2b、青色の光を光電変換する光電変換部PD2bが含まれる。
例えば、所定の可視光を光電変換する光電変換部PD2r、PD2g、PD2bの代わりに、後述するパンクロマチックな感光性有機光電変換膜など、紫外域から赤色域にかけて略全ての可視光の光電変換を行う光電変換膜を用いて光電変換部PD2を構成してもよい。この場合、図24D及び図24Eに示すように、各光電変換部PD2に対して、カラーフィルタ31r、31g、31bを設けることで、光電変換部PD2は、赤色、緑色及び青色の光の光電変換をそれぞれ行う。なお、図24Dでは、入射光の光路における上流側に光電変換部PD1が配置され、下流側に光電変換部PD2が配置される場合を示している。図24Eでは、入射光の光路における上流側に光電変換部PD2が配置され、下流側に光電変換部PD1が配置される場合を示している。
また、光電変換部PD2は、光電変換する光に応じて材料が異なっていてもよい。例えば、緑色の光を光電変換する光電変換部PD2gが、有機系の半導体材料で構成され、赤色及び青色の光を光電変換する光電変換部PD2r、PD2bが、シリコンなどの半導体材料で構成されてもよい。
図24Fの例では、入射光の光路における上流側に光電変換部PD1が配置され、下流側に光電変換部PD2が配置される場合を示している。光電変換部PD2のうち緑色の光を光電変換する光電変換部PD2gは、赤色及び青色の光を光電変換する光電変換部PD2r、PD2bと、光電変換部PD1との間に配置される。また、光電変換部PD2r、PD2bに対して、それぞれカラーフィルタ31r、31bが設けられる。なお、図24Gは、入射光の光路における上流側に光電変換部PD2gが配置され、下流側に光電変換部PD1が配置される点を除き図24Fと同じ構成を有する。
シリコンなどの半導体材料で構成される光電変換部PD2r、PD2bは、入射方向において積層して構成されてもよい。図24Hの例では、入射光の光路における上流側に光電変換部PD2bが配置され、下流側に光電変換部PD2rが配置される場合を示している。なお、図24Iは、入射光の光路における上流側に光電変換部PD2gが配置され、下流側に光電変換部PD1が配置される点を除き図24Hと同じ構成を有する。
<2.6.有機材料>
本開示の実施形態において、光電変換膜34の材料に有機系半導体を用いる場合、光電変換膜34の層構造は、以下のような構造とすることが可能である。ただし、積層構造の場合、その積層順は適宜入れ替えることが可能である。
(1)p型有機半導体の単層構造
(2)n型有機半導体の単層構造
(3-1)p型有機半導体層/n型有機半導体層の積層構造
(3-2)p型有機半導体層/p型有機半導体とn型有機半導体との混合層(バルクヘテロ構造)/n型有機半導体層の積層構造
(3-3)p型有機半導体層/p型有機半導体とn型有機半導体との混合層(バルクヘテロ構造)の積層構造
(3-4)n型有機半導体層/p型有機半導体とn型有機半導体との混合層(バルクヘテロ構造)の積層構造
(4)p型有機半導体とp型有機半導体との混合層(バルクヘテロ構造)
ここで、p型有機半導体としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、ペンタセン誘導体、キナクリドン誘導体、チオフェン誘導体、チエノチオフェン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、ベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体、トリアリルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピセン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、サブポルフィラジン誘導体、複素環化合物を配位子とする金属錯体、ポリチオフェン誘導体、ポリベンゾチアジアゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体等を挙げることができる。
n型有機半導体としては、フラーレン及びフラーレン誘導体〈例えば、C60や、C70,C74等のフラーレン(高次フラーレン、内包フラーレン等)又はフラーレン誘導体(例えば、フラーレンフッ化物やPCBMフラーレン化合物、フラーレン多量体等)〉、p型有機半導体よりもHOMO及びLUMOが大きい(深い)有機半導体、透明な無機金属酸化物を挙げることができる。
n型有機半導体として、具体的には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する複素環化合物、例えば、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、イソキノリン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、フェナントロリン誘導体、テトラゾール誘導体、ピラゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、サブポルフィラジン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリベンゾチアジアゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体等を分子骨格の一部に有する有機分子、有機金属錯体やサブフタロシアニン誘導体を挙げることができる。
フラーレン誘導体に含まれる基等として、ハロゲン原子;直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基若しくはフェニル基;直鎖若しくは縮環した芳香族化合物を有する基;ハロゲン化物を有する基;パーシャルフルオロアルキル基;パーフルオロアルキル基;シリルアルキル基;シリルアルコキシ基;アリールシリル基;アリールスルファニル基;アルキルスルファニル基;アリールスルホニル基;アルキルスルホニル基;アリールスルフィド基;アルキルスルフィド基;アミノ基;アルキルアミノ基;アリールアミノ基;ヒドロキシ基;アルコキシ基;アシルアミノ基;アシルオキシ基;カルボニル基;カルボキシ基;カルボキソアミド基;カルボアルコキシ基;アシル基;スルホニル基;シアノ基;ニトロ基;カルコゲン化物を有する基;ホスフィン基;ホスホン基;これらの誘導体を挙げることができる。
以上のような有機系材料から構成された光電変換膜34の膜厚としては、次の値に限定されるものではないが、例えば、1×10-8m(メートル)乃至5×10-7m、好ましくは、2.5×10-8m乃至3×10-7m、より好ましくは、2.5×10-8m乃至2×10-7m、一層好ましくは、1×10-7m乃至1.8×10-7mを例示することができる。尚、有機半導体は、p型、n型と分類されることが多いが、p型とは正孔を輸送し易いという意味であり、n型とは電子を輸送し易いという意味であり、無機半導体のように熱励起の多数キャリアとして正孔又は電子を有しているという解釈に限定されるものではない。
緑色の波長の光を光電変換する光電変換膜34を構成する材料としては、例えば、ローダミン系色素、メラシアニン系色素、キナクリドン誘導体、サブフタロシアニン系色素(サブフタロシアニン誘導体)等を挙げることができる。
また、青色の光を光電変換する光電変換膜34を構成する材料としては、例えば、クマリン酸色素、トリス-8-ヒドリキシキノリアルミニウム(Alq3)、メラシアニン系色素等を挙げることができる。
さらに、赤色の光を光電変換する光電変換膜34を構成する材料としては、例えば、フタロシアニン系色素、サブフタロシアニン系色素(サブフタロシアニン誘導体)を挙げることができる。
さらにまた、光電変換膜34としては、紫外域から赤色域にかけて略全ての可視光に対して感光するパンクロマチックな感光性有機光電変換膜を用いることも可能である。
<<3.固体撮像装置の動作例>>
<3.1.読み出し動作>
続いて、固体撮像装置100による画素信号の読み出し動作について説明する。
(IR画素110A)
図25は、本開示の実施形態に係るIR画素110Aの読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。図25では、図16に示すIR画素110Aの読み出し動作の一例を示している。
図25において「TRG」、「RST」、「SEL」は、それぞれ転送パルスTRG、リセットパルスRST、選択信号SELを示す。また、「OFG」は、排出トランジスタ25を駆動する駆動信号OFGを示す。「CNV」は、第1の読み出し回路103Aによる読み出しタイミングCNVを示す。「FD」は、IR画素110Aの浮遊拡散領域FD2に蓄積される電荷量を示し、「VSL」は、垂直信号線VSL1から出力される画素信号のレベル(電圧)を示している。また、DOUTは、第1の読み出し回路103AによるAD変換処理後のデータDOUTを示している。
図25のタイムチャートにおいて、初期状態では、選択信号SEL、リセットパルスRST及び転送パルスTRGがそれぞれロー状態とされる。また、駆動信号OFGはハイ状態のため、光電変換部PD1は露光されず、電荷は蓄積されない。
時点t1において、リセットパルスRSTがハイ状態とされ、浮遊拡散領域FD2の電荷が電源VDDに排出されることにより、浮遊拡散領域FD2の電位が所定電位VDDにリセットされる。
時点t2において、選択信号SELがハイ状態とされて、選択トランジスタ24がオンとされる。これにより、浮遊拡散領域FD2の電位に応じた信号が垂直信号線VSL1に出力される。
次に、時点t3で、垂直信号線VSL1に出力されたリセットレベル(黒レベル)の信号DTOFP_kが、第1の読み出し回路103Aによりデジタル値に変換され、例えば、第1の読み出し回路103Aが持つレジスタなどに一時的に記憶される。この信号DTOFP_kは、オフセット性のノイズである。この信号DTOFP_kの読み出しを、P相(Pre-Charge)読み出しと呼び、P相読み出しを行う期間をP相期間と呼ぶ。
次に、時点tg1から時点tg2の間、駆動信号OFGがロー状態となり、転送パルスTRGがハイ状態となる。これにより、光電変換部PD1が露光され、光電変換により生成された電荷が浮遊拡散領域FD2に蓄積される。時点tg1から時点tg2の間を有効受光期間と呼び、IR画素110Aは、この期間で赤外光を受光する。
時点t4において、選択信号SELがハイ状態とされて、選択トランジスタ24がオンとされる。これにより、浮遊拡散領域FD2の電位に応じた信号が垂直信号線VSL1に出力される。
時点t5で、垂直信号線VSL1に出力された信号DTOFD_kが、第1の読み出し回路103Aによりデジタル値に変換され、例えば、第1の読み出し回路103Aが持つレジスタなどに一時的に記憶される。この信号DTOFD_kは、オフセット性のノイズと画素信号とを含む信号である。この信号DTOFD_kの読み出しを、D相(Data Phase)読み出しと呼び、D相読み出しを行う期間をD相期間と呼ぶ。
第1の読み出し回路103Aは、記憶した信号DTOFP_k及び信号DTOFD_kを第1のデータ処理部108Aに供給する。第1のデータ処理部108Aは、信号DTOFP_kと信号DTOFD_kとの差分を求める。これにより、オフセット性のノイズが除去された画素信号を得ることができる。
(RGB画素110B)
図26は、本開示の実施形態に係るRGB画素110Bの読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。図26では、図16に示すRGB画素110Bの読み出し動作の一例を示している。
図26において「TRG」、「RST」、「SEL」は、それぞれ転送パルスTRG、リセットパルスRST、選択信号SELを示す。「CNV」は、第2の読み出し回路103Bによる読み出しタイミングCNVを示す。「FD」は、RGB画素110Bの浮遊拡散領域FD1に蓄積される電荷量を示し、「VSL」は、垂直信号線VSL2から出力される画素信号のレベル(電圧)を示している。また、DOUTは、第2の読み出し回路103BによるAD変換処理後のデータDOUTを示している。
図26のタイムチャートにおいて、初期状態では、選択信号SEL、リセットパルスRST及び転送パルスTRGがそれぞれロー状態とされる。この状態では、光電変換部PD1が露光され、光電変換により生成される電荷が光電変換部PD1に蓄積され続けている。
時点t11において、リセットパルスRST及び転送パルスTRGがハイ状態とされ、浮遊拡散領域FD2の電荷が電源VDDに排出されることにより、浮遊拡散領域FD2の電位が所定電位VDDにリセットされる。
時点t12において、選択信号SELがハイ状態とされて、選択トランジスタ14がオンとされる。これにより、浮遊拡散領域FD1の電位に応じた信号が垂直信号線VSL2に出力される。
時点t13で、垂直信号線VSL2に出力されたリセットレベル(黒レベル)の信号DRGBP_kが、第2の読み出し回路103Bによりデジタル値に変換され、例えば、第2の読み出し回路103Bが持つレジスタなどに一時的に記憶される。この信号DRGBP_kは、オフセット性のノイズである。この信号DRGBP_kの読み出しを、P相(Pre-Charge)読み出しと呼び、P相読み出しを行う期間をP相期間と呼ぶ。
次に、時点t14で転送パルスTRGがハイ状態となる。これにより、光電変換部PD1で生成された電荷が浮遊拡散領域FD1に蓄積される。
時点t15において、選択信号SELがハイ状態とされて、選択トランジスタ14がオンとされる。これにより、浮遊拡散領域FD1の電位に応じた信号が垂直信号線VSL2に出力される。
時点t16で、垂直信号線VSL2に出力された信号DRGBD_kが、第2の読み出し回路103Bによりデジタル値に変換され、例えば、第2の読み出し回路103Bが持つレジスタなどに一時的に記憶される。この信号DRGBD_kは、オフセット性のノイズと画素信号とを含む信号である。この信号DRGBD_kの読み出しを、D相(Data Phase)読み出しと呼び、D相読み出しを行う期間をD相期間と呼ぶ。
第2の読み出し回路103Bは、記憶した信号DRGBP_k及び信号DRGBD_kを第2のデータ処理部108Bに供給する。第2のデータ処理部108Bは、信号DRGBP_kと信号DRGBD_kとの差分を求める。これにより、オフセット性のノイズが除去された画素信号を得ることができる。
(時分割)
図27は、本開示の実施形態に係る単位画素110の読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。図27では、図17に示す単位画素110の読み出し動作の一例を示している。
図27に示すように、固体撮像装置100は、時点T1で動作を「測距」から「撮像」に切り替える。固体撮像装置100は、時点T1まで、IR画素110Aの読み出し動作を実行し、測距を行うことで測距データを取得する。なお、IR画素110Aの読み出し動作は図25と同じであるため説明を省略する。
次に、固体撮像装置100は、時点T1以降、RGB画素110Bの読み出し動作を実行し、撮像を行う。これにより、時点T1から1クロック経過した時点T2以降で、固体撮像装置100は撮像データを取得する。なお、RGB画素110Bの読み出し動作は図26と同じであるため説明を省略する。
<3.2.検出動作>
続いて、図28及び図29を用いて、固体撮像装置100による物体の検出動作について説明する。図28及び図29は、本開示の実施形態に係る物体検出動作について説明するための図である。
図28に示すように、固体撮像装置100は、距離範囲R0内の物体obを検出する。ここでは、物体obが距離範囲R0内に存在する場合をCase1、物体obが距離範囲R0の固体撮像装置100から遠い方の境界に存在する場合をCase2、物体obが距離範囲R0外に存在する場合をCase3として説明する。
図29に示す「Emit」は、光源30を制御する制御信号Emitであり、パルス生成部104で生成され光源30に供給される。光源30は、制御信号Emitがハイ状態で発光し、時刻t21で照射光(IR)を出射する。
光源30が出射した照射光は、物体obで反射して、IR画素110Aの光電変換部PD1に反射光として入射される(図28参照)。反射光は、固体撮像装置100と物体obとの間の距離に応じた時間差で光電変換部PD1に入射される。
上述したように、IR画素110Aは、有効受光期間で露光を行い、反射光を光電変換する。有効受光期間は、時点tg1から時点tg2の間であり、距離範囲R0に応じて設定される。固体撮像装置100から距離R1離れた位置から距離R2離れた位置までの間が距離範囲R0であるとする(図3参照)と、R1=c/(tg1/2)、R2=c/(tg2/2)となる。固体撮像装置100は、あらかじめ設定された距離範囲R0に応じて、有効受光期間を設定する。
固体撮像装置100は、有効受光期間で駆動信号OFGをロー状態とすることで、IR画素110Aの露光を行う。
物体obが距離範囲R0内に存在する場合(Case1)では、反射光は、有効受光期間内に光電変換部PD1に到達する。そのため、Case1では、浮遊拡散領域FD2に蓄積される電荷量は大きくなり、垂直信号線VSL1から出力される画素信号のレベル(電圧)もP相の画素信号のレベルから大きく変化する。
一方、物体obが距離範囲R0の境界付近に存在する場合(Case2)では、反射光が光電変換部PD1に到達する時刻は、Case1と比較して遅くなり、有効受光期間の終了付近になる。また、反射光の強度もCase1より小さくなる。そのため、Case2では、浮遊拡散領域FD2に蓄積される電荷量はCase1と比較して小さくなる。また、垂直信号線VSL1から出力される画素信号のレベルの変化は、Case1と比較して小さくなる。
また、物体obが距離範囲R0外に存在する場合(Case3)では、反射光は、有効受光期間を経過してから光電変換部PD1に到達するため、当該反射光による光電変換は行われない。そのため、Case3では、浮遊拡散領域FD2の電荷量に変化はなく、垂直信号線VSL1から出力されるD相の画素信号レベルも、P相の画素信号レベルとほぼ同じになる。
このように、固体撮像装置100は、距離範囲R0に応じた有効受光期間を設定することで、距離範囲R0内に物体obが存在する場合に、信号レベルの高い画素信号を取得することができる。
固体撮像装置100の第1のデータ処理部108Aは、例えば、D相の画素信号とP相の画素信号との差分をIR画素110Aの画素信号として第1の読み出し回路103Aから取得する。第1のデータ処理部108Aは、しきい値THと取得した画素信号とを比較し、比較結果から距離範囲R0に物体obが存在するか否かを判定する。
例えば、第1のデータ処理部108Aは、画素信号のレベルがしきい値TH以上であれば、距離範囲R0に物体obが存在すると判定する。
<3.3.撮像動作>
(撮像処理)
図30を用いて、固体撮像装置100による撮像動作について説明する。図30は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100による撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。固体撮像装置100は、撮像動作として図30に示す撮像処理を実行する。
図30に示すように、固体撮像装置100は、距離範囲R0を設定する(ステップS101)。例えば、距離範囲R0は、ユーザが具体的な距離の範囲を直接入力することで設定され得る。あるいは、ユーザが、固体撮像装置100の焦点をあらかじめ所望の位置に合わせておく、いわゆる置きピンを行うことで、距離範囲R0を指定してもよい。この場合、固体撮像装置100は、焦点位置に応じた距離範囲R0を設定する。
次に、固体撮像装置100は、光源30をOFFして撮像を行い、背景光レベルを取得する(ステップS102)。続いて、固体撮像装置100は、取得した背景光レベルに応じて、第1の撮像条件を設定する(ステップS103)。ここで、第1の撮像は、距離範囲R0に存在する物体obを検出するための撮像であり、IRによる測距(例えばToF)を行うための撮像である。
固体撮像装置100は、例えば背景光レベルと距離範囲R0に応じて光源30の照射レベル及び発光時間を、第1の撮像条件として設定する。また、固体撮像装置100は、有効受光期間のtg1、tg2(図29参照)や、1回の撮像で行う積算回数を第1の撮像条件として設定する。
なお、上記第1の撮像条件は一例であり、これに限定されない。例えばあらかじめ規定の積算回数で撮像を行う場合等、固体撮像装置100は、第1の撮像条件の設定を一部省略してもよい。あるいは、固体撮像装置100は、上記以外の第1の撮像条件を設定するようにしてもよい。
続いて、固体撮像装置100は、第1の撮像処理を実行し(ステップS104)、距離範囲R0に物体obが存在するか否かを検出する。第1の撮像処理の詳細については後述する。
固体撮像装置100は、第2の撮像を行うか否かを判定する(ステップS105)。第2の撮像は、物体obを撮像するものであり、例えばカラー画像を取得するための撮像である。
固体撮像装置100は、撮像対象である物体obが距離範囲R0内に存在しない場合、第2の撮像を行わないと判定し(ステップS105;No)、ステップS108に進む。
一方、固体撮像装置100は、撮像対象である物体obが距離範囲R0内に存在する場合、第2の撮像を行うと判定し(ステップS105;Yes)、第2の撮像条件を設定する(ステップS106)。例えば、固体撮像装置100は、第2の撮像の露光時間や走査範囲(撮像画像のサイズ)等を設定する。なお、固体撮像装置100は、駆動対象行と読み出し対象列を指定することで走査範囲を設定する。
上述したように、固体撮像装置100は、距離範囲R0内に物体obが存在した場合、画面全体の撮像を行う場合(図3及び図4参照)と、物体obを含む抽出領域の撮像を行う場合(図7及び図8参照)とがある。
画面全体の撮像を行う場合、固体撮像装置100は、全てのRGB画素110Bを対象として走査範囲を設定する。一方、抽出領域の撮像を行う場合、固体撮像装置100は、抽出領域を設定し、設定した抽出領域のRGB画素110Bを対象として走査範囲を設定する。なお、抽出領域の設定の詳細については後述する。
固体撮像装置100は、第2の撮像処理を実行し(ステップS107)、撮像画像を得る。固体撮像装置100は、撮像を終了するか否かを判定する(ステップS108)。
撮像を終了する場合(ステップS108;Yes)、固体撮像装置100は、撮像画像を後段のプロセッサ20(図1参照)に出力し(ステップS109)、処理を終了する。
一方、撮像を継続する場合(ステップS108;No)、固体撮像装置100は、物体obの再検出を行うか否かを判定する(ステップS110)。
例えば、物体obが高速で移動する場合、固体撮像装置100は、第2の撮像を行うたびに再度物体obの検出を行うことで、物体obを高速に追尾し、撮像することができる(高速追尾モード)。一方、物体obの移動速度が遅い場合、固体撮像装置100は、物体obの検出を省略し、ステップS106で設定した第2の撮像条件で、第2の撮像を行うことで、物体obの検出負荷を低減することができる。
固体撮像装置100は、高速追尾モードで撮像を行う場合、物体obの再検出を行うと判定し(ステップS110;Yes)、ステップS104に戻る。一方、高速追尾モードで撮像を行わない場合、物体obの再検出を行わないと判定し(ステップS110;No)、ステップS107に戻る。
(第1の撮像処理)
次に、図31を用いて、第1の撮像処理について説明する。図31は、本開示の実施形態に係る第1の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。
固体撮像装置100は、第1の撮像処理で使用する変数の初期化を行う(ステップS201)。例えば、固体撮像装置100は、積算回数をカウントする変数の初期化を行う。
次に、固体撮像装置100は、第1の撮像条件に基づいた発光レベル及び発光時間で光源30をONし、照射光を出射させる(ステップS202)。続いて、固体撮像装置100は、有効受光期間で反射光の受光を行う(ステップS203)。
固体撮像装置100は、有効受光期間で蓄積した電荷の読み出しを行い、読み出し結果を積算する(ステップS204)。固体撮像装置100は、ステップS204で実行した積算の回数がしきい値TH1より大きいか否かを判定する(ステップS205)。積算回数がしきい値TH1以下の場合(ステップS205;No)、ステップS202に戻る。
積算回数がしきい値TH1より大きい場合(ステップS205;Yes)、固体撮像装置100は、積算結果がしきい値TH2より大きいか否かを判定する(ステップS206)。
上述したように、距離範囲R0に物体obが存在する場合、有効受光期間内に反射光による受光が行われ、画素信号が大きくなる。そのため、距離範囲R0に物体obが存在する場合、積算結果がしきい値TH2より大きくなる。
固体撮像装置100は、積算結果がしきい値TH2より大きい場合(ステップS206;Yes)、第1の画素(IR画素)110Aで距離範囲R0にある物体obを検出したとして、対応する第2の画素(RGB画素)110Bを「有効(Enable)」に設定する(ステップS207)。ここで、対応する第2の画素110Bとは、物体obを検出した第1の画素110Aと同じ単位画素110に含まれる画素であり、例えば、物体obを検出した第1の画素110Aの近傍に配置される画素である。
一方、固体撮像装置100は、積算結果がしきい値TH2以下の場合(ステップS206;No)、第1の画素で距離範囲R0にある物体obを検出しなかったとして、対応する第2の画素110Bを「無効(Disable)」に設定する(ステップS208)。
固体撮像装置100は、第2の画素110Bに対し、「有効」又は「無効」を設定すると、第2の撮像の撮像範囲(抽出領域)の算出処理を実行する(ステップS209)。例えば、全ての第2の画素110Bが「無効」に設定された場合、固体撮像装置100は、距離範囲R0内に物体obが存在しないとして、撮像範囲はない(第2の撮像を行わない)と決定する。
一方、少なくとも1つの第2の画素110Bが「有効」に設定された場合、固体撮像装置100は、距離範囲R0内に物体obが存在するとして撮像範囲を設定する。例えば、上述したように、第2の撮像として全画面の撮像を行う場合、固体撮像装置100は、全画面、換言すると、全ての第2の画素110Bを撮像範囲として算出する。
上述したように、第2の撮像として物体obを含む抽出領域の撮像を行う場合、固体撮像装置100は、抽出領域(ROI)を撮像範囲に設定する。以下、図32及び図33を用いて、抽出領域を撮像範囲とする場合の撮像範囲の算出処理について説明する。
(撮像範囲の算出処理)
図32は、本開示の実施形態に係る撮像範囲について説明するための図である。図32では、「有効」に設定された第2の画素110Bを含む有効領域E1~E4を黒色で示している。
図32に示すように、固体撮像装置100は、全画面R10のうち、有効領域E1~E4を含む抽出領域R20を撮像範囲として算出する。図32では、抽出領域R20が、座標(X1、Y1)、(X2、Y2)で指定される矩形領域である場合について示している。また、以下の説明では、図32に示すように、固体撮像装置100の全画面R10の上から下方向に1列、2列、・・・、j列、・・・、M列として説明し、左から右方向に1行、2行、・・・、i行、・・・、N行として説明する。
次に、図33を用いて、撮像範囲の算出処理の流れについて説明する。図33は、本開示の実施形態に係る撮像範囲の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、固体撮像装置100は、処理に使用する変数の初期化を行う(ステップS301)。例えば、固体撮像装置100は、変数X1j=N、変数X2j=1(j=1~M)を代入することで、これらの変数を初期化する。なお、Mは固体撮像装置100の第2の画素110Bの列数、Nは行数を示している。次に、固体撮像装置100は、変数jに1を代入する(ステップS302)。
固体撮像装置100は、画素アレイ部101のj列におけるN行分のデータDi(i=1~N)を取得する(ステップS303)。ここで、データDiは、第2の画素110Bに関するデータであり、第2の画素110Bが「有効」と設定された画素(以下、Enable画素と呼ぶ)であるか否かを示すデータが含まれる。
固体撮像装置100は、データDiを1からNの方向にスキャンし、最初に検出したEnable画素のX座標を変数X1jに格納する(ステップS303)。続いて、固体撮像装置100は、データDiを逆方向、すなわちNから1の方向にスキャンし、最初に検出したEnable画素のX座標を変数X2jに格納する(ステップS304)。
次に、固体撮像装置100は、変数jを1増やし(j=j+1)(ステップS306)、jがMより大きいか否かを判定する(ステップS307)。最後の列までスキャンが完了しておらず、jがM以下である場合(ステップS307;No)、固体撮像装置100は、ステップS303に戻り、次の列のスキャンを行う。
一方、最後の列までスキャンが完了し、jがMより大きい場合(ステップS307;Yes)、固体撮像装置100は、変数X1j、X2jに応じて、撮像範囲R20のX座標X1、X2を決定する(ステップS308)。具体的に、固体撮像装置100は、変数X1j(j=1~M)の中で座標が最も小さいものをX1に決定する。また、固体撮像装置100は、変数X2jの中で座標が最も大きいものをX2に決定する。
次に、固体撮像装置100は、変数の初期化を行う(ステップS309)。固体撮像装置100は、撮像範囲R20のY座標Y1をY1=Nとする。続いて、固体撮像装置100は、変数jに1を代入する(ステップS310)。
固体撮像装置100は、j列における変数X1jに格納したEnable画素のX座標(以下、単にX1jと記載する)が、変数X2jに格納したEnable画素のX座標(以下、単にX2jと記載する)以下か否かを判定する(ステップS311)。
上述したように、変数X1jには、行番号が小さい方から順にスキャンした場合に、最初に検出したEnable画素のX座標が格納され、変数X2jには、行番号が大きい方から順にスキャンした場合に、最初に検出したEnable画素のX座標が格納される。従って、X1j>X2jである場合、j列にEnable画素がなく、j列の全ての第2の画素110BがDisable画素となる。また、X1j≦X2jである場合、j列に少なくとも1つのEnable画素が存在する。
そこで、固体撮像装置100は、X1j>X2j、すなわち、j列にEnable画素がないと判定した場合(ステップS311;No)、固体撮像装置100は、変数jを1増やし(j=j+1)(ステップS312)、jがMより大きいか否かを判定する(ステップS313)。最後の列までスキャンが完了しておらず、jがM以下である場合(ステップS313;No)、固体撮像装置100は、ステップS311に戻る。最後の列までスキャンが完了し、jがMより大きい場合(ステップS313;Yes)、固体撮像装置100は、ステップS321に進む。
一方、X1j≦X2j、すなわち、j列にEnable画素があると判定した場合(ステップS311;Yes)、撮像範囲R20のY座標Y1をY1=jとする(ステップS314)。
次に、固体撮像装置100は、変数の初期化を行う(ステップS315)。固体撮像装置100は、撮像範囲R20のY座標Y2をY2=1とする。続いて、固体撮像装置100は、変数jにMを代入する(ステップS316)。
固体撮像装置100は、j列におけるEnable画素のX座標X1jが、Enable画素のX座標X2j以下か否かを判定する(ステップS317)。
固体撮像装置100は、X1j>X2j、すなわち、j列にEnable画素がないと判定した場合(ステップS317;No)、固体撮像装置100は、変数jを1減らし(j=j-1)(ステップS318)、jが0より大きいか否かを判定する(ステップS319)。全ての列のスキャンが完了しておらず、jが0より大きい場合(ステップS319;No)、固体撮像装置100は、ステップS317に戻る。全ての列でスキャンが完了し、jが0以下である場合(ステップS319;Yes)、固体撮像装置100は、ステップS321に進む。
一方、X1j≦X2j、すなわち、j列にEnable画素があると判定した場合(ステップS317;Yes)、撮像範囲R20のY座標Y2をY2=jとする(ステップS320)。
固体撮像装置100は、算出した座標(X1、Y1)、(X2、Y2)で指定される矩形領域を撮像範囲R20として出力し(ステップS321)、処理を終了する。
なお、固体撮像装置100は、撮像範囲R20の各座標(X1、Y1)、(X2、Y2)が、X1>X2、Y1>Y2である場合、有効な撮像範囲R20がない、換言すると、撮像対象とする物体obが距離範囲R0内に存在しないと判定し得る。また、ここでは、固体撮像装置100が全画面R10から撮像範囲R20を算出するとしたが、これに限定されない。固体撮像装置100は、例えば全画面R10のうちの半分等、一部の範囲に限定して撮像範囲R20を算出するようにしてもよい。固体撮像装置100は、例えば、1つ前の撮像範囲R20に基づいた範囲から次の撮像における撮像範囲R20を算出し得る。
<3.4.出力フォーマット>
固体撮像装置100は、第2の撮像処理で撮像した画像データを後段のプロセッサ20に出力する。図34及び図35は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100が出力する画像データのフォーマットの一例を示す図である。
図34に示すように、画像データは、ヘッダーと、ROIイメージデータと、フッターとで構成されるデータである。ROIイメージデータには、第2の撮像処理で得られたデータが少なくとも1セット以上含まれる。1セットのデータは、1回の第2の撮像処理で得られる画素信号のデータであり、第2の撮像をK回行った場合、KセットのデータがROIイメージデータに含まれる。
図35に示すように、ヘッダーには、画像データの出力開始を示す出力開始認識情報や、第2の撮像回数である走査領域数に関する情報が含まれる。図35では、走査領域数がKであり、固体撮像装置100が第2の撮像をK回行ったことを示している。
ROIイメージデータには、撮像範囲R20に関する情報である走査範囲関連情報I_1~I_Kが含まれる。図35では、走査範囲関連情報は、撮像範囲R20の原点座標及びサイズが含まれているが、撮像範囲R20の座標(X1、Y1)、(X2、Y2)が含まれていてもよい。
また、ROIイメージデータには、画像データD_1~D_Kが含まれる。画像データD_1~D_Kは、第2の画素110Bから取得した画像信号を含むデータである。走査範囲関連情報と画像データとは対応付けられてROIイメージデータに格納される。
フッターには、画像データの出力終了を示す出力終了認識情報が含まれる。プロセッサ20は、出力開始認識情報を認識することで画像データの出力開始を認識し、出力終了認識情報を認識することで画像データの出力終了を認識する。
なお、固体撮像装置100が出力する画像データのフォーマットは図35の例に限定されない。図36は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100が出力する画像データのフォーマットの他の例を示す図である。
図36に示すフォーマットは、ヘッダーに出力開始認識情報、走査領域数、及び、走査範囲サイズが含まれる点で、図35のフォーマットと異なる。走査範囲サイズは、撮像範囲のサイズを示す情報である。
例えば、第2の撮像を行う場合、撮像ごとに撮像範囲のサイズを変更せずに固定のサイズで撮像を行うことが考えられる。このように固定サイズで第2の撮像を行うことで、固体撮像装置100は、撮像範囲の算出処理や第2の撮像処理の処理負荷を低減することができる。
この場合、固体撮像装置100が出力する画像データのフォーマットとして、走査領域(撮像範囲)のサイズを示す走査範囲サイズをヘッダーに含め、ROIイメージデータの走査範囲関連情報に、走査領域の原点情報を含めるようにしてもよい。
このように、走査領域(撮像範囲)のサイズを示す走査範囲サイズをヘッダーに含めることで、ROIイメージデータの走査範囲関連情報からサイズに関する情報を省略することができる。これにより、ROIイメージデータの情報量、換言すると、画像データの情報量を低減することができる。
<<4.その他の実施形態>>
<4.1.有効領域の修正>
上述した実施形態では、物体obを検出した第1の画素110Aに対応する第2の画素110BをEnable画素に設定するとしたが、これに限定されない。例えば固体撮像装置100が、設定した有効領域を修正してもよい。
図37は、本開示の実施形態に係る第1の撮像処理の流れの他の例を示すフローチャートである。図37に示す第1の撮像処理は、ステップS207、S208でEnable画素及びDisable画素の設定を行った後にステップS401で有効領域の修正処理を行っている点を除き、図31に示す第1の撮像処理と同じである。
図37に示すように、固体撮像装置100は、ステップS207、S208でEnable画素及びDisable画素の設定を行った後に有効領域の修正処理を実行する(ステップS401)。例えば、固体撮像装置100は、有効領域を修正するための関数を用いて有効領域の修正を行う。当該関数は、あらかじめ定義されているものとする。
図38は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100による有効領域の修正例を示す図である。図38(a)では、修正前の有効領域の一例を黒色の領域で示している。また、図38(b)~(f)では、修正前の有効領域の一例を黒色の領域で、修正後の有効領域の一例を実線で示している。
固体撮像装置100は、例えば、修正前の有効領域を拡大することで有効領域を修正し得る(図38(b))。なお、ここでは、有効領域を拡大する修正について示したが、同様に、固体撮像装置100が有効領域を縮小する修正を行ってもよい。
あるいは、固体撮像装置100は、例えば、修正前の有効領域を平滑化することで有効領域を修正し得る(図38(c))。
また、固体撮像装置100は、例えば、複数の有効領域を1つに連結する単連結化を行うことで有効領域を修正し得る(図38(d))。固体撮像装置100は、例えば、複数の有効領域を1つに連結し、連結後の有効領域を平滑化する凸化を行うことで、有効領域を修正し得る(図38(e))。なお、ここでは、固体撮像装置100が複数の有効領域を1つに連結するとしたが、連結後の有効領域数は1つに限定されず、複数であってもよい。
固体撮像装置100は、例えば、修正前の有効領域を規定形状の領域に変換する規格化を行うことで、有効領域を修正し得る(図38(f))。図38(f)では、規定形状として、規定の縦横サイズを有する矩形領域で規格化する例を示している。この場合、固体撮像装置100は、例えば、規定形状の矩形領域を、当該領域の重心と修正前の有効領域の重心とが一致するように決定することで、有効領域を修正する。
このように、固体撮像装置100が、有効領域を修正することで、例えば後段の信号処理に合わせて画像データを取得することができる。また、有効領域を単純な形状に修正したり、複数の有効領域の数を減らしたりすることで、後段の信号処理の処理負荷を低減させることができる。
<4.2.撮像画像の補正>
上述した実施形態では、固体撮像装置100が抽出領域を撮像範囲として第2の撮像を行い、撮像画像を出力するとしたが、これに限定されない。例えば固体撮像装置100が、撮像画像の補正を行ってもよい。
図39は、本開示の実施形態に係る撮像処理の流れの他の例を示すフローチャートである。図39に示す撮像処理は、ステップS108で撮像を終了すると判定を行った後にステップS501で撮像画像の補正を行っている点を除き、図30に示す撮像処理と同じである。
図40は、本開示の実施形態に係る撮像画像の補正の一例を説明するための図である。図40の上図に示すように、固体撮像装置100は、Enable画素を含む有効領域E1~E4と、Disable画素を含む無効領域D1と、で構成される撮像領域を撮像し、撮像画像M21を取得する。このとき、無効領域D1には、実際に第2の画素110Bで撮像した画像データが含まれる。すなわち、無効領域D1には、物体ob(有効領域E1~E4に対応)の背景データが含まれる。
固体撮像装置100は、無効領域D1のデータ(画素値)を所定の値に置き換えることで、撮像画像の無効領域D1を補正する。撮像画像の1画素が12bitで表される場合、固体撮像装置100は、図40の下図に示すように、無効領域のデータを例えば「FFF」に置き換えた撮像画像M22を生成する。かかる補正は、例えば、固体撮像装置100の第2のデータ処理部108Bで行われ得る。
このように、固体撮像装置100は、撮像画像の背景(無効領域D1)を所定値に置き換える補正を行うことで、物体ob(有効領域E1~E4)の抽出を容易にし、後段の画像処理の処理負荷を低減することができる。
なお、撮像画像の補正は、上述した例に限定されない。例えば、固体撮像装置100が撮像画像の一部を切り出す補正を行うようにしてもよい。
図41は、本開示の実施形態に係る第2のデータ処理部108Bの構成例を示すブロック図である。第2のデータ処理部108Bは、取得部1081と、出力部1082と、評価部1083と、選択部1084と、を備える。
取得部1081は、第2の読み出し回路103Bから撮像画像を取得する。出力部1082は、撮像画像のうち、選択部1084が選択した領域を出力画像としてプロセッサ20に出力する。
評価部1083は、選択部1084による出力画像の選択に必要な画像評価を行う。例えば、評価部1083は、撮像画像に含まれる有効領域の面積を算出したり、有効領域の重心を算出したりする。
選択部1084は、評価部1083による評価に基づき、撮像画像から出力画像を選択する。例えば、選択部1084は、複数の有効領域のうち面積が最大である有効領域を含む抽出領域を出力画像とするよう、撮像画像を絞り込む。あるいは、選択部1084は、有効領域の重心近傍を含む領域を出力画像とするよう、撮像画像を絞り込んでもよい。例えば、選択部1084は、撮像画像より小さいROIの重心が、有効領域の重心と一致するようにROIを設定し、当該ROIを出力画像として選択する。
このように、固体撮像装置100では、評価部1083による評価に基づき、選択部1084が撮像画像から出力画像を選択する。これにより、出力画像のデータ量を削減することができる。
<4.3.第2の撮像条件の設定>
上述した実施形態では、固体撮像装置100が第1の撮像処理の後に第2の撮像条件を設定して第2の撮像処理を実行していたが、これに限定されない。例えば、固体撮像装置100が、第1の撮像処理の後に第2の撮像の仮撮像を行い、仮撮像の結果に基づいて第2の撮像条件を設定するようにしてもよい。
例えば、物体obが距離範囲R0に入ってきてから第2の撮像を行う場合、被写体となる物体obによっては露光期間やフォーカス等最適な第2の撮像条件を設定できない恐れがある。そこで、固体撮像装置100は、第1の撮像処理の後、仮に第2の撮像を行ってから第2の撮像条件を決定する。これにより、固体撮像装置100は、実際の物体obに応じた第2の撮像条件を設定することができるようになる。
図42は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の構成の他の例を示すブロック図である。図42に示す固体撮像装置100では、制御回路105が評価部1051を有する点を除き、図11に示す固体撮像装置100と同じ構成である。
評価部1051は、仮撮像の結果を第2のデータ処理部108Bから取得する。評価部1051は、仮撮像データの明るさを評価して、第2の撮像の露光(蓄積)時間を決定する。あるいは、第2の画素110Bに位相差画素が含まれる場合、評価部1051は、位相差画素の画素信号を用いてフォーカス調整を行ってもよい。
評価部1051は、評価結果に応じて固体撮像装置100の各部を制御することで、第2の撮像条件で第2の撮像(本撮像)を行う。
図43は、本開示の実施形態に係る第2の撮像条件の決定処理の流れを示すフローチャートである。固体撮像装置100は、例えば、図30のステップS106で第2の撮像条件の設定を行う場合、図43に示す決定処理を実行する。
まず、固体撮像装置100は、第2の撮像を行う(ステップS601)。かかる撮像は仮撮像である。ここで行う第2の撮像の撮像条件は、あらかじめ決められた条件であってもよく、あるいは第1の撮像処理の結果に応じて設定された条件であってもよい。
次に、固体撮像装置100は、ステップS601で行った第2の撮像の撮像画像の評価を行う(ステップS602)。かかる撮像画像は、仮撮像により得られた仮撮像画像である。
固体撮像装置100は、評価結果に応じて、第2の撮像条件を決定する(ステップS603)。
このように、固体撮像装置100は、第2の本撮像の1つ前に第2の画素110Bによる第2の仮撮像を行ってから、第2の撮像条件を設定し、第2の本撮像を行い得る。これにより、固体撮像装置100は、物体obに適した撮像条件で第2の本撮像を行うことができる。すなわち、固体撮像装置100は、いわゆる「待ち構え撮像」でも適切な第2の撮像条件を設定して第2の撮像を行うことができる。
なお、仮撮像の撮像範囲(ROI)と本撮像の撮像範囲(ROI)とは、同じであっても異なっていてもよい。例えば、仮撮像の撮像範囲を本撮像より小さくすることで、固体撮像装置100は、仮撮像画像の取得時間を短縮することができ、本撮像を行うまでの時間を短縮することができる。また、仮撮像と本撮像とで同じ撮像範囲とすることで、固体撮像装置100は、より適切な第2の撮像条件を設定することができる。
<4.4.プロセッサによる撮像処理>
上述した実施形態では、固体撮像装置100が撮像処理を行うとしたが、これに限定されない。例えば、プロセッサ20が、上記撮像処理の少なくとも一部を行うようにしてもよい。
図44は、本開示の実施形態に係る固体撮像装置100の構成の他の例を示すブロック図である。図44では、第1のデータ処理部108Aが、第1の撮像結果をプロセッサ20に出力している点で、図11に示す固体撮像装置100と異なる。
プロセッサ20は、固体撮像装置100から受け取る各種データ(第1の撮像結果等)に基づき、固体撮像装置100を制御することで、上記撮像処理を行う。プロセッサ20が、全ての撮像処理を実行するようにしてもよく、あるいは、第1の撮像処理や第2の撮像処理の一方等、撮像処理の一部を実行するようにしてもよい。
このように、プロセッサ20が撮像処理の少なくとも一部を実行することで、固体撮像装置100の処理負荷を低減することができる。
<<5.適用例>>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図45は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図45に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図45の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図46は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図46では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図46には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
<<6.まとめ>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の本開示の実施形態及び各変形例について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
画素領域に配置される第1の画素及び第2の画素の組であって、可視光外の光を受光する前記第1の画素と、可視光を受光する前記第2の画素との組を複数有する画素部と、
前記第1の画素から第1の信号を取得する第1の取得部と、
前記第1の信号に基づいて所定の距離範囲にある物体が検出された場合に、前記第2の画素から第2の信号を取得する第2の取得部と、
を備える固体撮像装置。
(2)
前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素を含む抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得する、(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記第2の取得部は、前記抽出領域のうち、前記所定の距離範囲にある前記物体を検出しなかった前記第1の画素に対応する前記画素領域の前記第2の画素が出力する前記第2の信号として、所定値の信号を取得する、(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記抽出領域は、矩形領域である、(2)又は(3)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素に対応する検出領域を修正した修正領域に応じた抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得する、(2)に記載の固体撮像装置。
(6)
前記第1の取得部は、光源が光を出射してから第1の期間が経過した第2の期間において前記第1の画素が生成した前記第1の信号を取得する、(1)~(5)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(7)
前記第1の期間及び前記第2の期間は、前記物体の前記所定の距離範囲に応じた期間である、(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記第2の取得部は、前記第2の期間において前記第1の画素が生成した前記第1の信号としきい値との比較結果に応じて決定される抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得する、(6)又は(7)に記載の固体撮像装置。
(9)
前記第1の取得部は、前記第2の取得部が抽出領域における前記第2の画素から前記第2の信号を複数回取得すると、前記第1の画素から前記第1の信号を取得する、(1)~(8)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(10)
前記第2の取得部が1つ前に取得した前記第2の信号に基づき、前記第2の画素による撮像の条件を設定する設定部をさらに備える、(1)~(9)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(11)
前記第2の取得部が取得した前記第2の信号に基づき、前記抽出領域の少なくとも一部の領域の前記第2の信号を出力するよう前記第2の信号を選択する出力選択部をさらに備える、(1)~(10)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(12)
前記第2の画素は、有機光電変換膜を含む、(1)~(11)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(13)
前記組に含まれる前記第2の画素の少なくとも一部は、第1の方向において前記第1の画素とオーバーラップする、(1)~(12)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(14)
可視光外の光を出射する光源と、固体撮像装置と、前記光源及び前記固体撮像装置を制御する制御部と、
を備え、
前記固体撮像装置は、
画素領域に配置される第1の画素及び第2の画素の組であって、前記可視光外の光を受光する前記第1の画素と、可視光の光を受光する前記第2の画素との組を複数有する画素部と、
前記第1の画素から第1の信号を取得する第1の取得部と、
前記第1の信号に基づいて所定の距離範囲にある物体が検出された場合に、前記第2の画素から第2の信号を取得する第2の取得部と、
を備える撮像システム。
(15)
前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素を含む抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得し、
前記固体撮像装置は、前記第1の信号に基づき、前記抽出領域を決定し、決定した前記抽出領域で前記第2の信号を取得するよう前記第2の取得部を制御する制御部をさらに備える、
(14)に記載の撮像システム。
(16)
前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素を含む抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得し、
前記制御部は、前記第1の信号に基づき、前記抽出領域を決定し、決定した前記抽出領域で前記第2の信号を取得するよう前記第2の取得部を制御する、
(14)に記載の撮像システム。
1 撮像システム
20 プロセッサ
30 光源
40 記憶部
100 固体撮像装置
101 画素アレイ部
102 行制御回路
103 読み出し回路
104 パルス生成部
105 制御回路
107 基準電圧発生回路
108 データ処理部
110 単位画素
110A 第1の画素
110B 第2の画素

Claims (16)

  1. 画素領域に配置される第1の画素及び第2の画素の組であって、可視光外の光を受光する前記第1の画素と、可視光を受光する前記第2の画素との組を複数有する画素部と、
    前記第1の画素から第1の信号を取得する第1の取得部と、
    前記第1の信号に基づいて所定の距離範囲にある物体が検出された場合に、前記第2の画素から第2の信号を取得する第2の取得部と、
    を備える固体撮像装置。
  2. 前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素を含む抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記第2の取得部は、前記抽出領域のうち、前記所定の距離範囲にある前記物体を検出しなかった前記第1の画素に対応する前記画素領域の前記第2の画素が出力する前記第2の信号として、所定値の信号を取得する、請求項2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記抽出領域は、矩形領域である、請求項2に記載の固体撮像装置。
  5. 前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素に対応する検出領域を修正した修正領域に応じた抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得する、請求項2に記載の固体撮像装置。
  6. 前記第1の取得部は、光源が光を出射してから第1の期間が経過した第2の期間において前記第1の画素が生成した前記第1の信号を取得する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  7. 前記第1の期間及び前記第2の期間は、前記物体の前記所定の距離範囲に応じた期間である、請求項6に記載の固体撮像装置。
  8. 前記第2の取得部は、前記第2の期間において前記第1の画素が生成した前記第1の信号としきい値との比較結果に応じて決定される抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得する、請求項6に記載の固体撮像装置。
  9. 前記第1の取得部は、前記第2の取得部が抽出領域における前記第2の画素から前記第2の信号を複数回取得すると、前記第1の画素から前記第1の信号を取得する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  10. 前記第2の取得部が1つ前に取得した前記第2の信号に基づき、前記第2の画素による撮像の条件を設定する設定部をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像装置。
  11. 前記第2の取得部が取得した前記第2の信号に基づき、前記抽出領域の少なくとも一部の領域の前記第2の信号を出力するよう前記第2の信号を選択する出力選択部をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像装置。
  12. 前記第2の画素は、有機光電変換膜を含む、請求項1に記載の固体撮像装置。
  13. 前記組に含まれる前記第2の画素の少なくとも一部は、第1の方向において前記第1の画素とオーバーラップする、請求項1に記載の固体撮像装置。
  14. 可視光外の光を出射する光源と、固体撮像装置と、前記光源及び前記固体撮像装置を制御する制御部と、
    を備え、
    前記固体撮像装置は、
    画素領域に配置される第1の画素及び第2の画素の組であって、前記可視光外の光を受光する前記第1の画素と、可視光の光を受光する前記第2の画素との組を複数有する画素部と、
    前記第1の画素から第1の信号を取得する第1の取得部と、
    前記第1の信号に基づいて所定の距離範囲にある物体が検出された場合に、前記第2の画素から第2の信号を取得する第2の取得部と、
    を備える撮像システム。
  15. 前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素を含む抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得し、
    前記固体撮像装置は、前記第1の信号に基づき、前記抽出領域を決定し、決定した前記抽出領域で前記第2の信号を取得するよう前記第2の取得部を制御する制御部をさらに備える、
    請求項14に記載の撮像システム。
  16. 前記第2の取得部は、前記物体を検出した前記第1の画素を含む抽出領域に対応する前記第2の画素から前記第2の信号を取得し、
    前記制御部は、前記第1の信号に基づき、前記抽出領域を決定し、決定した前記抽出領域で前記第2の信号を取得するよう前記第2の取得部を制御する、
    請求項14に記載の撮像システム。
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