JP2022129130A - 車両の異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイル量を直接確認する手段を設けずとも、トランスアクスル内のオイル不足の有無を確認できるようにする。【解決手段】異常診断装置40は、トランスアクスル内のオイル温度T4の測定値に基づき、トランスアクスルに内蔵された第1発電電動機のコイル温度を推定する。そして、異常診断装置40は、コイル温度の測定値と推定値との差が判定値以上であることをもって、トランスアクスル内のオイルの量が不足していると判定している。【選択図】図2

Description

本発明は、トランスアクスルにモータを内蔵した車両におけるトランスアクスル内のオイル不足を異常として検出する車両の異常診断装置に関する。
車両のトランスアクスルの内部には、部品間の潤滑やトランスミッションの作動に用いるオイルが封入されている。トランスアクスルからオイルが抜けると、潤滑不良により部品が焼き付いてしまう場合がある。そのため、トランスアクスル内のオイルの量が不足しているか否かを確認する必要がある。
特許文献1には、車両のオイル循環システムのオイルタンクに、油面高さを検出するオイルレベルセンサを設置して、そのオイルレベルセンサによりオイル不足を検出することが記載されている。これと同様に、トランスアクスル内にオイルレベルセンサを設置すれば、トランスアクスルのオイル不足を検出できる。ただし、トランスミッションを収容したトランスアクスルでは、オイルが不足すると、直ぐにトランスミッションが正常に動作しなくなる。そのため、乗員は、トランスミッションの動作不良から、部品の焼き付きが生じるよりも早い段階で異常に気付く。そのため、オイルレベルセンサをトランスアクスルに設置する必要性は低いものとなっていた。
特開2002-234597号公報
一方、ハイブリッド車両には、トランスアクスルにモータが設けられており、そのモータのトルク制御により変速を行うものがある。そして、そうしたハイブリッド車両のトランスアクスルには、オイルにより作動する油圧機器が一切設けられていないものがある。こうしたハイブリッド車両では、部品の焼き付きが生じる迄、トランスアクスル内のオイル量が不足した状態にあることを乗員が気付かない虞がある。しかしながら、トランスアクスルからオイルが抜ける状況となることは稀である。そのため、オイルレベルセンサの設置は、費用対効果が低いものとなっている。
上記課題を解決するハイブリッド車両の異常診断装置は、トランスアクスルにモータを内蔵したハイブリッド車両の異常を診断する装置である。同異常診断装置は、トランスアクスル内のオイル温度の測定値に基づき、モータのコイル温度を推定する推定処理と、コイル温度の測定値と同コイル温度の推定値との差が既定の判定値を超える場合にトランスアクスル内のオイルの量が不足していると判定する判定処理と、を行う。
トランスアクスルの内部では、モータとオイルとの熱交換が行われる。よって、モータのコイル温度とオイル温度とは、高い正の相関を示す。そのため、オイル温度からは、モータのコイル温度を推定できる。一方、トランスアクスル内のオイルの量が不足すると、トランスアクスル内でのモータ、オイル間の熱交換が行われ難くなる。そして、コイル温度とオイル温度との相関関係が変化する。上記推定処理でのコイル温度の推定は、当然ながら、十分な量のオイルがトランスアクスル内に存在する状況を前提として行われる。そのため、オイルの量が不足した状態となったときの上記推定処理でのコイル温度の推定値は、実際のコイル温度、すなわちコイル温度の測定値から乖離した値となる。よって、コイル温度の測定値と推定値との差が大きいことをもって、トランスアクスル内のオイルの量が不足した状態にあると判定できる。したがって、上記異常診断装置によれば、オイル量を直接測定する手段を設けずとも、トランスアクスル内のオイルの量が不足した状態にあるか否かを確認できる。
ハイブリッド車両の異常診断装置の一実施形態が異常の判定対象とするハイブリッド車両の駆動系の構成を模式的に示す図。 同実施形態の異常診断装置の構成を模式的に示す図。 同異常診断装置が実行するオイル不足判定ルーチンのフローチャート。 トランスアクスル内のオイルが不足した状態となっている場合のMG1コア温度の測定値、及び推定値の車両起動後の推移を示すグラフ。
以下、ハイブリッド車両の異常診断装置の一実施形態を、図1~図4を参照して詳細に説明する。
<ハイブリッド車両のトランスアクスル20の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態の異常診断装置40が適用されるハイブリッド車両のトランスアクスル20の構成を説明する。ハイブリッド車両において、トランスアクスル20は、エンジン10と左右の駆動輪11との動力伝達経路に設置されている。トランスアクスル20は、その筐体であるケーシング21を有している。ケーシング21は、エンジン10に連結された状態でハイブリッド車両に搭載されている。
ケーシング21内には、第1発電電動機MG1と第2発電電動機MG2とが収容されている。第1発電電動機MG1、及び第2発電電動機MG2は、電力供給に応じて動力を発生するモータとしての機能、及び外部から動力を受けて発電する発電機としての機能を兼ね備えている。さらに、ケーシング21内には、ワンウェイクラッチ22、ダンパ装置23、遊星ギア機構24、カウンタ軸25、及びディファレンシャル26が収容されている。
遊星ギア機構24は、同軸を有して回転可能な3つの回転要素、すなわちサンギアS、プラネタリキャリアC、及びリングギアRを有している。サンギアSは外歯ギアであり、リングギアRはサンギアSの外側に配置された内歯ギアである。プラネタリキャリアCには、サンギアS及びリングギアRに噛み合わされたプラネタリギアPが軸支されている。これら回転要素のうちのサンギアSは、第1発電電動機MG1の回転軸27に連結されている。プラネタリキャリアCは、ダンパ装置23及びワンウェイクラッチ22を介してエンジン10のクランク軸12に連結されている。一方、リングギアRは、円筒状の複合ギア軸28の内周に形成されている。複合ギア軸28の外周には、外歯ギアであるカウンタドライブギア29が形成されている。
カウンタドライブギア29は、カウンタ軸25に設けられたカウンタドリブンギア30に噛み合わされている。また、カウンタドリブンギア30には、第2発電電動機MG2の回転軸31に設けられたリダクションギア32も噛み合わされている。
カウンタ軸25には、カウンタドリブンギア30と一体となって回転するデフドライブギア33が設けられている。デフドライブギア33は、左右の駆動輪11の差動回転を許容するための差動機構であるディファレンシャル26のデフギア34に噛み合わされている。トランスアクスル20は、ディファレンシャル26を介して左右の駆動輪11に連結されている。
以上のように構成されたトランスアクスル20のケーシング21内には、オイルが封入されている。ハイブリッド車両には、トランスアクスル20のオイルと、インバータ冷却用の冷却液と、の間で熱交換を行う熱交換器35が搭載されている。
<異常診断装置の構成>
続いて、図2を参照して、本実施形態の異常診断装置40の構成を説明する。異常診断装置40は、ハイブリッド車両に搭載されたマイクロコンピュータ装置であり、処理回路、記憶回路、入出力回路等を有している。異常診断装置40には、ハイブリッド車両の各部に設けられたセンサの出力信号が入力されている。異常診断装置40は、それらセンサの出力信号に基づき、ハイブリッド車両の各部の異常診断を実施する。
本実施形態の異常診断装置40は、異常診断の一環として、トランスアクスル20のオイルの量が不足した状態にあるか否かを判定するオイル不足判定を行っている。オイル不足判定に際して異常診断装置40は、次の各温度の測定値を取得している。すなわち、MG1コイル温度T1、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5である。MG1コイル温度T1は、第1発電電動機MG1のコイルの温度である。MG2コイル温度T2は、第2発電電動機MG2のコイルの温度である。冷却液温度T3は、熱交換器35においてオイルと熱交換を行った直後の冷却液の温度である。オイル温度T4は、トランスアクスル20内のオイルの温度である。エンジン水温T5は、エンジン10の冷却水の温度である。ハイブリッド車両には、これらの温度を計測するためのセンサが設置されている。
また、ハイブリッド車両には、異常の発生が確認された場合に、乗員に通知するための警告灯41が、例えば車室のインストルメントパネルに設置されている。異常診断装置40には、そうした警告灯41が接続されている。
<オイル不足判定>
図3に、異常診断装置40が実行するオイル不足判定ルーチンのフローチャートを示す。異常診断装置40は、ハイブリッド車両の起動後、既定の時間が経過したときに本ルーチンの処理を実行する。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、MG1コイル温度T1、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5の測定値が読み込まれる。そして、続くステップS110では、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5の測定値に基づき、MG1コイル温度T1の推定値である推定MG1コイル温度T6が演算される。推定MG1コイル温度T6は、式(1)の関係を満たす値として演算される。式(1)における、A、B、C、D、Eは定数であり、いずれも正の値が設定されている。
Figure 2022129130000002
次のステップS120では、MG1コイル温度T1の測定値と推定MG1コイル温度T6との差が既定の判定値F以上であるか否かが判定される。差が判定値F未満の場合(NO)には、ステップS140において正常判定が行われた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。これに対して、上記差が判定値F以上の場合(NO)には、ステップS130において異常判定が行われた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。なお、ここでの正常判定は、トランスアクスル20内のオイルの量が不足していないとの判定である。また、異常判定は、トランスアクスル20内のオイルの量が不足しているとの判定である。異常診断装置40は、異常判定を行うと、警告灯41を点灯している。
なお、本実施形態では、こうしたオイル不足判定ルーチンのステップS110の処理が、トランスアクスル20内のオイル温度T4の測定値に基づき、モータのコイル温度を推定する推定処理に対応している。また、第1発電電動機MG1が、推定処理でコイル温度を推定するモータに対応している。さらに、本実施形態では、オイル不足判定ルーチンのステップS120の処理が、コイル温度の測定値と同コイル温度の推定値との差が既定の判定値Fを超える場合にトランスアクスル20内のオイルの量が不足していると判定する判定処理に対応している。
<本実施形態の作用、効果>
トランスアクスル20において第1発電電動機MG1は、そのコイルの一部がオイルに浸った状態でケーシング21に収容されており、コイルとオイルとの間で熱交換が行われる。そのため、MG1コイル温度T1とオイル温度T4との間には、正の相関がある。
また、上記ハイブリッド車両において大きい推進力を得るには、エンジン10のトルクを増大するとともに、第1発電電動機MG1の発電量を多くする必要がある。このときには、エンジン10の温度が上昇するとともに、第1発電電動機MG1のコイルの発熱量が増加する。オイル温度T4が同じでも、コイルの発熱量が多いときには、同発熱量が少ないときに比べて、MG1コイル温度T1は高くなる。よって、MG1コイル温度T1とエンジン水温T5との間には正の相関がある。
さらに、上記ハイブリッド車両では、熱交換器35において、オイルと冷却液との熱交換が行われている。オイルから冷却液に受け渡される熱量が多くなると、その分、オイル温度T4は低下する一方、熱交換器35を通過後の冷却液温度T3は上昇する。よって、オイル温度T4が同じであっても、冷却液温度T3が高いときには、冷却液温度T3が低いときよりも、オイルがコイルから受け取っている熱量が多いことに、すなわちMG1コイル温度T1が高いことになる。よって、MG1コイル温度T1と冷却液温度T3との間には負の相関がある。
また、ハイブリッド車両の高速走行時には、ディファレンシャル26によるオイルのかき揚げが増加して、第1発電電動機MG1のコイルに降りかかるオイルの量が増加する。そしてその結果、オイルによるコイルの冷却効率が高まるため、MG1コイル温度T1が低下し易くなる。一方、高速走行時には、第2発電電動機MG2の出力トルクが大きくなり、MG2コイル温度T2が高くなる。よって、MG1コイル温度T1とMG2コイル温度T2との間には、負の相関がある。
以上を踏まえて本実施形態では、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5と、MG1コイル温度T1との関係を示す式(1)を作成している。式(1)の関係は、トランスアクスル20内に定格量のオイルが入っており、ハイブリッド車両の各部の暖機が完了した状態にあることを前提に求められている。そして、オイル不足判定ルーチンのステップS110において、その式(1)に基づき、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5の測定値から推定MG1コイル温度T6を演算している。よって、トランスアクスル20内に定格量のオイルが入っているときには、ハイブリッド車両の起動後、一定の時間が経過した時点での推定MG1コイル温度T6は、実際のMG1コイル温度T1に近い値となると考えられる。
一方、トランスアクスル20内のオイルの量が定格量から大きく減少すると、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5のそれぞれとMG1コイル温度T1との相関関係が変化する。そのため、トランスアクスル20内のオイルの量が不足した状態となっている場合には、推定MG1コイル温度T6は、実際のMG1コイル温度T1から大きく乖離した値となる。
図4には、トランスアクスル20内のオイルの量が不足した状態にあるハイブリッド車両における車両起動後のMG1コイル温度T1、及び推定MG1コイル温度T6の推移が示されている。ハイブリッド車両の起動直後には、トランスアクスル20内のオイル温度T4を含む、車両各部の温度が低い状態にある。このときには、オイルの熱の授受量が少ないため、オイルの量が不足した状態にあっても、実際のMG1コイル温度T1に対する推定MG1コイル温度T6の乖離は余り大きくならない。その後、ある程度の時間が経過して、ハイブリッド車両の各部の温度が高まると、上記乖離が拡大する。よって、ハイブリッド車両の起動後、一定の時間が経過したときの推定MG1コイル温度T6とMG1コイル温度T1の測定値との差を見れば、トランスアクスル20内のオイルが不足した状態にあるか否かを精度良く判定できる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、オイル温度T4に基づき、MG1コイル温度T1を推定するとともに、MG1コイル温度T1の測定値と推定値との差が判定値F以上であることをもってトランスアクスル20内のオイルが不足していると判定している。そのため、オイル量を直接測定する手段を設けずとも、トランスアクスル20内のオイルの量が不足しているか否かを判定できる。
(2)オイル温度T4に加えて、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、及びエンジン水温T5にも基づくことで、オイル不足が生じていない場合のMG1コイル温度T1の推定精度を高めている。これにより、オイル不足の判定精度も高められる。
(3)トランスアクスル20内のオイルの量が不足していると判定したときに警告灯41を点灯している。そしてこれにより、トランスアクスル20内のオイルの量が不足していることをハイブリッド車両の乗員に通知している。そのため、トランスアクスル20の部品の焼き付きが生じるまで、オイルの量が不足した状態が放置され難くなる。
(4)MG1コイル温度T1の場合と同様に、MG2コイル温度T2をオイル温度T4等に基づき推定することも可能である。そして、MG2コイル温度T2の測定値と推定値との差から、トランスアクスル20内のオイルの量が不足しているか否かを判定することも可能である。一方、上記ハイブリッド車両では、トランスアクスル20内のオイルの量が不足した状態が続いた場合に部品の焼き付きが最も早く生じる可能性が高い部位が遊星ギア機構24となっている。また、上記ハイブリッド車両では、第2発電電動機MG2は、第1発電電動機MG1よりも遊星ギア機構24から離れた位置に設置されている。そのため、遊星ギア機構24の周辺では、焼き付きが生じるほど油面が低下していていても、第2発電電動機MG2の周辺では余り油面が低下していない場合がある。こうした場合、MG2コイル温度T2の測定値と推定値との差に基づいてオイル不足の判定を行うと、遊星ギア機構24の焼き付きが生じる前に異常判定を下せない可能性がある。よって、上記ハイブリッド車両における遊星ギア機構24の焼き付き防止のためには、MG2コイル温度T2の測定値と推定値の差よりもMG1コイル温度T1の測定値と推定値の差を判定に用いる方が望ましい。
(5)トランスアクスル20のケーシング21内の油面高さを検出するオイルレベルセンサを設ければ、オイル不足をより直接的に確認できる。ただし、そうしたオイルレベルセンサは、オイル不足の判定以外の用途はない。そのため、オイル不足の判定のためだけのオイルレベルセンサの追加設置は、費用対効果が低いものとなる。一方、MG1コイル温度T1、及びMG2コイル温度T2を測定するセンサは、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2のコイル過熱を防止するために必要となる。冷却液温度T3を測定するセンサは、インバータの過熱を防止するために必要となる。オイル温度T4を検出するセンサは、トランスアクスル20の暖機状況や過熱を確認して、エンジン10、第1発電電動機MG1、及び第2発電電動機MG2の制御に反映するために必要となる。エンジン水温T5を検出するセンサは、エンジン10の暖機状況や過熱を確認して、エンジン10の制御に反映するために必要となる。このように、本実施形態でのオイル不足判定に用いるセンサは、他の用途にも利用可能なものばかりであり、ハイブリッド車両の多くが元より備えているものである。よって、それらセンサを設置することの費用対効果は、オイルレベルセンサを設置する場合よりも高くなる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、オイル温度T4、及びエンジン水温T5の4つの温度の測定値に基づいて推定MG1コイル温度T6を演算していた。トランスアクスル20の構成によっては、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、及びエンジン水温T5のうちの一つ以上が、オイル温度T4とMG1コイル温度T1との相関関係に与える影響が極小さい場合がある。そうした場合、MG2コイル温度T2、冷却液温度T3、及びエンジン水温T5の測定値のうちの一つ以上を、推定MG1コイル温度T6の演算に用いる温度測定値から除外してもよい。
・ケーシング21から外気に伝わる熱量が、オイル温度T4とMG1コイル温度T1との相関関係に大きく影響する場合がある。一方、ケーシング21から外気に伝わる熱量は、外気温やハイブリッド車両の走行速度に相関がある。そこで、上記のような場合には、外気温や走行速度を、推定MG1コイル温度T6の演算に用いるパラメータに加えるようにしてもよい。
・MG2コイル温度T2の測定値と推定値の差に基づき、トランスアクスル20内のオイルの量が不足しているか否かを判定するようにしてもよい。例えば、次の場合には、MG1コイル温度T1の測定値と推定値の差よりも、MG2コイル温度T2の測定値と推定値の差を判定に用いた方が望ましい場合がある。すなわち、オイルの量が不足したときに焼き付きが最も早く発生する可能性が高い部位が、第1発電電動機MG1よりも第2発電電動機MG2に近い位置にある場合である。また、トランスアクスル20内のオイル量が減少したときに、第1発電電動機MG1の周辺よりも第2発電電動機MG2の周辺の方が油面の低下が早い場合にも、MG2コイル温度T2の測定値と推定値の差を判定にも用いることが望ましい場合がある。
・上記実施形態でのオイル不足の判定は、モータを内蔵するトランスアクスルであれば、図1とは異なる構成のトランスアクスルにおいても、同様、あるいはそれに準じた態様で適用可能である。
・異常判定時に、警告灯41の点灯以外の対応措置を行うようにしてもよい。例えば、部品の焼き付きを抑制するため、エンジン10等の出力制限やハイブリッド車両の走行速度制限を行うようにしてもよい。
・ハイブリッド車両の外部のデータセンタ等に異常診断装置を設置してもよい。その場合の異常診断装置は、広域無線通信網等を通じてハイブリッド車両から受信した各温度の測定値に基づきオイル不足判定を実行する。
MG1…第1発電電動機(モータ)
MG2…第2発電電動機
10…エンジン
11…駆動輪
20…トランスアクスル
21…ケーシング
22…ワンウェイクラッチ
23…ダンパ装置
24…遊星ギア機構(C…プラネタリキャリア、P…プラネタリギア、R…リングギア、S…サンギア)
25…カウンタ軸
26…ディファレンシャル
27…(第1発電電動機MG1の)回転軸
28…複合ギア軸
29…カウンタドライブギア
30…カウンタドリブンギア
31…(第2発電電動機MG2の)回転軸
32…リダクションギア
33…デフドライブギア
34…デフギア
35…熱交換器
40…異常診断装置
41…警告灯

Claims (1)

  1. トランスアクスルにモータが内蔵されたハイブリッド車両の異常診断装置であって、
    前記トランスアクスル内のオイル温度の測定値に基づき、前記モータのコイル温度を推定する推定処理と、
    前記コイル温度の測定値と同コイル温度の推定値との差が既定の判定値を超える場合に前記トランスアクスル内のオイルの量が不足していると判定する判定処理と、
    を行うハイブリッド車両の異常診断装置。
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