JP2022129044A - 運転マナー判定装置及び運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の周囲の交通参加者を不快にさせずに所定のエリアの運転マナーに基づいて車両を運転させることができる運転マナー判定装置及び運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転マナー判定装置は、車両が存在する交通環境の情報及び交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報を取得する取得部と、車両の運転方法のうち、所定のエリアに特有の運転方法を抽出する抽出部と、所定のエリアに特有の運転方法で走行する車両を含む交通環境に存在する交通参加者が、特有の運転方法で走行する車両に対して受けた感情を推定する感情推定部と、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の特有の運転方法を、所定のエリアの運転マナーと判定する判定部とを備える。
【選択図】図9
【解決手段】運転マナー判定装置は、車両が存在する交通環境の情報及び交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報を取得する取得部と、車両の運転方法のうち、所定のエリアに特有の運転方法を抽出する抽出部と、所定のエリアに特有の運転方法で走行する車両を含む交通環境に存在する交通参加者が、特有の運転方法で走行する車両に対して受けた感情を推定する感情推定部と、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の特有の運転方法を、所定のエリアの運転マナーと判定する判定部とを備える。
【選択図】図9
Description
本開示は、エリアに応じた運転マナーを判定する運転マナー判定装置及び運転マナーの情報に基づいて車両の運転を支援する運転支援装置に関する。
近年、主として交通事故の削減及び運転負荷の軽減を目的として、自動緊急ブレーキ(AEB:Autonomous Emergency Brake)や先行車追従走行(ACC:Adoptive Cruise Control)等の運転支援機能や自動運転機能が搭載された車両の実用化が進められている。例えば車両に設けられた種々のセンサによって取得された車両の交通環境の情報や、移動体通信手段を介して車外から取得された位置情報等に基づいて、周囲の他車両の動きを予測し、自車両の安全な運転制御を実行する装置が知られている。また、ドライバの手動運転時の運転操作を学習し、自動運転時に学習した運転操作を再現することにより、個々のドライバに応じた運転制御を実行する装置も知られている。
ここで、車両の運転手法には、交通量や交通環境の違いに起因する運転マナーや暗黙的な交通ルールが地域ごとに存在することが知られている。例えば右折のタイミング(対向車線を跨いで脇道へ進むタイミング)に関して、交通量の少ない郊外では対向車が視認される場合、当該対向車が通過した後に自車両を右折させる場合が多く見られる。一方、交通量の多い都心部では対向車が途切れたタイミングで自車両を右折させる場合が多く見られる。あるいは、例えば駐車車両の脇を通過する際に、交通量の少ない郊外では駐車車両の脇に通過可能な狭いスペースが存在しても、対向車が通過した後に自車両を通過させる場合が多くみられる。一方、交通量の多い都心部では駐車車両の脇に狭いながらも通過可能なスペースがあれば対向車が存在していても自車両を通過させる場合が多くみられる。このような、地域ごとに異なる運転マナーが存在する。
地域特有の運転マナーあるいは暗黙的な交通ルールについて、当該地域外のドライバも理解し実践することができれば、交通渋滞等を低減することができると考えられる。例えば特許文献1には、ドライバに煩わしさを与えることなく、運転の習慣を把握していないエリアを円滑に運転することを可能とする車載装置が提案されている。具体的に、特許文献1には、ドライバが運転経験の乏しい非行動エリアを走行する際、サーバから、ドライバが運転に慣れている行動エリアにおける習慣的な運転方法を示す情報と、非行動エリアにおける運転方法を示す情報とを取得し、行動エリアと非行動エリアとの間の運転方法の違いを判別するとともに当該違いに基づき運転アドバイス等を行う車載装置が開示されている。
また、特許文献2には、自動運転において適切な交通マナーの遵守を実現可能な自動運転制御装置が提案されている。具体的に、自車両を自動運転する動力制御装置を制御する信号を出力する自動運転制御部と、センサが捉えた移動体の認識結果を受信する認識部と、移動体の存在を車両の運転者へ通知する通知部とを備え、自動運転制御部は、移動体を優先させることを選択した場合に、車両を制御して移動体が行おうとしている移動を自車両の走行よりも優先させる優先運転制御を行う自動運転制御装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された装置は、いずれも自車両あるいは自車両のドライバの主観に基づいて制御が実行されるものであり、車両の周囲の交通参加者の観点を考慮していない。このため、ある運転マナーによっては、交通参加者が不快に思うおそれがある。
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、車両の周囲の交通参加者を不快にさせずに所定のエリアの運転マナーに基づいて車両を運転させることができる運転マナー判定装置及び運転支援装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、車両が存在する交通環境の情報及び交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報を取得する取得部と、車両の運転方法のうち、所定のエリアに特有の運転方法を抽出する抽出部と、所定のエリアに特有の運転方法で走行する車両を含む交通環境に存在する交通参加者が、特有の運転方法で走行する車両に対して受けた感情を推定する感情推定部と、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の特有の運転方法を、所定のエリアの運転マナーと判定する判定部と、を備えた運転マナー判定装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本開示の別の観点によれば、車両の運転を支援する運転支援装置であって、車両が存在する交通環境の情報及び交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報に基づいて抽出された所定のエリアに特有の運転方法のうち、交通環境に存在する交通参加者が、特有の運転方法で走行する車両に対してネガティブな感情を受けた運転方法以外の特有の運転方法を所定のエリアの運転マナーの情報として記憶したデータベースに記憶された運転マナーの情報に基づいて、所定のエリアを走行する際の車両の運転条件を設定する運転条件設定部を備えた運転支援装置が提供される。
以上説明したように本開示によれば、車両の周囲の交通参加者を不快にさせずに所定のエリアの運転マナーに基づいて車両を運転させることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.運転支援システムの概略構成>
まず、本開示の一実施形態に係る運転マナー判定装置及び運転支援装置を含む運転支援システムの概略構成を説明する。図1は、運転支援システム100の構成例を示す模式図である。
まず、本開示の一実施形態に係る運転マナー判定装置及び運転支援装置を含む運転支援システムの概略構成を説明する。図1は、運転支援システム100の構成例を示す模式図である。
運転支援システム100は、四輪自動車等の車両1A,1B(以下、特に区別を要しない場合には「車両1」と総称する)に搭載される運転支援装置50a,50b(以下、特に区別を要しない場合には「運転支援装置50」と総称する)と、運転支援装置50a,50bと通信可能に構成されたサーバ10とを備えている。説明の理解を容易にするために図1には2台の車両1A,1Bのみが図示されているが、サーバ10と接続可能な運転支援装置50を搭載した車両1の台数は制限されない。
本実施形態に係る運転支援システム100では、各車両1に搭載された運転支援装置50が、あるエリアに特有の運転方法を抽出するとともに、抽出した特有の運転方法のうち、周囲の交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の運転方法を当該エリアの運転マナーと判定する。つまり、本実施形態では、運転支援装置50が運転マナー判定装置としても機能する。また、運転支援装置50は、走行エリアの運転マナーの情報を用いて車両1の運転条件を設定する。これにより、当該エリアの運転に慣れていないドライバであっても、周囲の交通参加者に不快な思いをさせることなく、当該エリアの運転マナーにしたがって車両1を運転することができる。
また、本実施形態に係る運転支援システム100では、運転支援装置50により、あるエリアの運転マナーと判定された運転方法の情報がサーバ10に記憶されるため、複数の車両1が運転マナーの情報を共有することができる。したがって、あるエリアを初めて走行する場合であっても、周囲の交通参加者を不快にさせることなく、当該エリアの運転マナーにしたがって車両1を走行させることができる。
なお、本明細書において、「エリアに特有の運転方法」とは、少なくとも車両1の周囲の交通参加者が当該車両1に対して受ける感情にかかわらず特定されるエリアに特有の運転方法をいい、「エリアの運転マナー」とは、「エリアに特有の運転方法」のうち、少なくとも車両1の周囲の交通参加者が当該車両1に対してネガティブな感情を受けた運転方法以外の運転方法をいう。また、ネガティブな感情とは、驚きや怒り等、当該車両1に対して悪い印象を持っていることを表現する感情をいう。
また、車両1にとっての「交通参加者」とは、それぞれの走行シーンにおいて車両1の周辺に存在する歩行者や自転車の利用者、周囲の車両の乗員等の人物をいう。また、以下の説明において、運転支援装置50を搭載した車両主体を「自車両」といい、当該「自車両」の周辺に存在する他車両を「周囲車両」という場合がある。
<2.サーバの構成例>
サーバ10は、例えば移動体通信等の無線通信ネットワーク5を介して各車両1の運転支援装置50と通信可能に構成された情報処理装置である。サーバ10は、例えばクラウドコンピューティングの技術を利用したサーバであってもよい。
サーバ10は、例えば移動体通信等の無線通信ネットワーク5を介して各車両1の運転支援装置50と通信可能に構成された情報処理装置である。サーバ10は、例えばクラウドコンピューティングの技術を利用したサーバであってもよい。
サーバ10は、運転支援装置50から送信される各エリアの運転マナーの情報を受信するとともに、各エリアの運転マナーの情報として記憶する。さらに、サーバ10は、運転支援装置50から、走行中のエリアの運転マナーの情報を要求するメッセージを受信すると、当該車両1の走行エリアの運転マナーの情報を抽出して運転支援装置50へ送信する。
図2は、サーバ10の構成例を示すブロック図である。
サーバ10は、通信部11、制御部13、記憶部15及び運転マナーデータベース17を備えている。通信部11は、少なくとも無線通信ネットワーク5を介した通信を行うためのインタフェースを含む。サーバ10は、通信部11を介して、各車両1に搭載された運転支援装置50と通信可能に構成されている。
サーバ10は、通信部11、制御部13、記憶部15及び運転マナーデータベース17を備えている。通信部11は、少なくとも無線通信ネットワーク5を介した通信を行うためのインタフェースを含む。サーバ10は、通信部11を介して、各車両1に搭載された運転支援装置50と通信可能に構成されている。
記憶部15は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶素子、あるいは、HDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)フラッシュ、ストレージ装置等の記憶媒体により構成される。記憶部15の種類は特に限定されない。記憶部15は、制御部13により実行されるコンピュータプログラムや、演算処理に用いられるパラメータ等の情報を記憶する。
運転マナーデータベース17は、HDDやCD、DVD、SSD、USBフラッシュ、ストレージ装置等の記憶媒体により構成される。運転マナーデータベース17は、各エリアの運転マナーと判定された運転マナーの情報をエリアの情報に関連付けて記憶する。
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や種々の周辺部品を備えて構成される。制御部13の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御部13は、取得部21及びデータ処理部23を備える。これらの各部は、プロセッサによるプログラムの実行により実現される機能であってもよい。
取得部21は、各車両1の運転支援装置50から送信されるデータあるいはメッセージを取得する。具体的に、取得部21は、運転支援装置50から、各エリアの運転マナーと判定された運転マナーの情報を、車両1の位置情報とともに取得する。また、取得部21は、運転支援機能がオンにされた車両1の運転支援装置50から、走行中のエリアの運転マナーの情報を要求するメッセージを、車両1の位置情報とともに取得する。
データ処理部23は、取得部21が各エリアの運転マナーと判定された運転方法の情報を運転支援装置50から取得した場合、当該運転マナーと判定された運転方法の情報を車両1の位置情報に関連付けて運転マナーデータベース17に記憶させる。
運転マナーデータベース17の蓄積データの例を表1に示す。表1には、各エリアの運転マナーを特定するための蓄積データの例が交通シーンごとに示されている。交通シーンの例として、発車/停車時、先行車両追従走行時、交差点右左折時、駐車車両追い越し時、車線変更/合流時及びその他が挙げられているが、その他の交通シーンが含まれていてもよい。また、それぞれの交通シーンにおける蓄積データはあくまでも例示に過ぎず、他のデータが含まれていてもよい。表1に示された蓄積データは、エリアごとに取得されて蓄積される。
また、データ処理部23は、取得部21が走行エリアの運転マナーの情報を要求するメッセージを取得した場合、運転マナーデータベース17に蓄積された運転マナーのデータから、該当エリアの運転マナーの情報を抽出し、運転支援装置50へ送信する。このとき、データ処理部23は、車両1の位置情報に基づいて抽出エリアを特定し、当該エリアの運転マナーの情報を抽出する。例えばデータ処理部23は、車両1の現在位置を中心とする所定距離の半径のエリアの運転マナーの情報を抽出してもよく、車両1の現在位置を含む所定範囲の行政エリア単位で運転マナーの情報を抽出してもよく、車両1の現在位置を含む地方単位で運転マナーの情報を抽出してもよい。
<3.運転支援装置の構成例>
(3-1.全体構成)
車両1に搭載された運転支援装置50は、無線通信ネットワーク5を介してサーバ10と通信可能に構成されている。上述のとおり、本実施形態では、運転支援装置50は、運転マナー判定装置としても機能する。運転支援装置50は、所定エリアの運転マナーを判定し、自車両1の位置情報とともに運転マナーの情報をサーバ10へ送信する。また、運転支援装置50は、サーバ10の運転マナーデータベース17に記憶された各エリアの運転マナーの情報に基づいて、各エリアを走行する際の自車両1の運転条件を設定する。運転支援装置50は、自車両1に搭載された電子制御装置に限られるものではなく、スマートホンやウェアラブル機器等の端末装置であってもよい。
(3-1.全体構成)
車両1に搭載された運転支援装置50は、無線通信ネットワーク5を介してサーバ10と通信可能に構成されている。上述のとおり、本実施形態では、運転支援装置50は、運転マナー判定装置としても機能する。運転支援装置50は、所定エリアの運転マナーを判定し、自車両1の位置情報とともに運転マナーの情報をサーバ10へ送信する。また、運転支援装置50は、サーバ10の運転マナーデータベース17に記憶された各エリアの運転マナーの情報に基づいて、各エリアを走行する際の自車両1の運転条件を設定する。運転支援装置50は、自車両1に搭載された電子制御装置に限られるものではなく、スマートホンやウェアラブル機器等の端末装置であってもよい。
図3は、本実施形態に係る運転支援装置50の構成例を示すブロック図である。
運転支援装置50には、直接的に又はCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して、車外撮影カメラ31、周囲環境センサ33、車両状態センサ35及びGPSセンサ37が接続されている。また、運転支援装置50には、車両走行制御部41及びHMI(Human Machine Interface)43が接続されている。
運転支援装置50には、直接的に又はCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して、車外撮影カメラ31、周囲環境センサ33、車両状態センサ35及びGPSセンサ37が接続されている。また、運転支援装置50には、車両走行制御部41及びHMI(Human Machine Interface)43が接続されている。
車外撮影カメラ31は、自車両1の周囲を撮影した画像データを生成する。車外撮影カメラ31は、車両の安全機能として搭載されたものであってもよい。車外撮影カメラ31は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備え、生成した画像データを運転支援装置50へ送信する。車外撮影カメラ31は、車両の前方、側方及び後方の少なくともいずれかの方向を撮影可能に自車両1に設けられた一つ又は複数のカメラからなる。
周囲環境センサ33は、自車両1の周辺に存在する周囲車両や人物、障害物等の物体を検出するセンサである。周囲環境センサ33は、例えば高周波レーダセンサ、超音波センサ、LiDARのうちの一つ又は複数を含む。検出される物体は、周囲車両や自転車、建造物、電柱、交通標識、交通信号機、縁石、自然物、その他の車両の周囲に存在するあらゆる物体を含む。周囲環境センサ33は、検出したデータを含むセンサ信号を運転支援装置50へ送信する。
車両状態センサ35は、自車両1の操作状態及び挙動を検出する少なくとも一つのセンサからなる。車両状態センサ35は、例えばアクセルポジションセンサ、ブレーキストロークセンサ、ブレーキ圧センサ、舵角センサ、エンジン回転数センサ、ブレーキランプスイッチ、ウィンカスイッチのうちの少なくとも一つを含み、ステアリングホイール又は操舵輪の操舵角、アクセル開度、ブレーキ操作量、ブレーキランプスイッチのオンオフ、ウィンカスイッチのオンオフ等の自車両1の操作状態を検出する。また、車両状態センサ35は、例えば車速センサ、加速度センサ、角速度センサのうちの少なくとも一つを含み、車速、前後加速度、横加速度、ヨーレート等の車両の挙動を検出する。車両状態センサ35は、検出した情報を含むセンサ信号を運転支援装置50へ送信する。
GPSセンサ37は、GPS(Global Positioning System)衛星からの衛星信号を受信する。GPSセンサ37は、受信した衛星信号に含まれる自車両1の地図データ上の位置情報を運転支援装置50へ送信する。なお、GPSセンサ37の代わりに、自車両1の位置を特定する他の衛星システムからの衛星信号を受信するアンテナが備えられていてもよい。
車両走行制御部41は、自車両1の走行を制御する少なくとも一つの制御システムを含む。本実施形態に係る運転支援装置50を適用可能な車両は、少なくとも自動運転制御を実行可能に構成されている。車両走行制御部41は、自車両1の駆動力を制御するエンジン制御システムあるいはモータ制御システム、ステアリングホイール又は操舵輪の操舵角を制御する電動ステアリングシステム、自車両1の制動力を制御するブレーキシステムを含む。また、車両走行制御部41は、エンジン又は駆動用モータから出力された出力を変速して駆動輪へ伝達するトランスミッションシステムを含んでもよい。
HMI43は、運転支援装置50により駆動され、画像表示や音声出力等の手段により、ドライバに対して種々の情報を通知する。HMI43は、例えばインストルメントパネル内に設けられた表示装置及びスピーカを含む。表示装置は、ナビゲーションシステムの表示装置であってもよい。また、HMI43は、自車両1の周囲の風景に重畳させてフロントウィンドウ上へ表示を行うHUD(ヘッドアップディスプレイ)を含んでもよい。
(3-2.具体的構成)
続いて、運転支援装置50の具体的構成を説明する。運転支援装置50は、第1通信部51、第2通信部52、制御部53、記憶部55及び基準運転方法データベース57を備えている。
続いて、運転支援装置50の具体的構成を説明する。運転支援装置50は、第1通信部51、第2通信部52、制御部53、記憶部55及び基準運転方法データベース57を備えている。
(3-2-1.通信部)
第1通信部51は、少なくとも無線通信ネットワーク5を介した通信を行うためのインタフェースである。運転支援装置50は、第1通信部51を介してサーバ10と通信可能に構成されている。第2通信部52は、車車間通信又は路車間通信、移動体通信網等の通信手段により自車両1の外部の装置と通信を行うためのインタフェースである。第2通信部52は、それぞれの通信規格に対応する一つ又は複数のインタフェースを含む。
第1通信部51は、少なくとも無線通信ネットワーク5を介した通信を行うためのインタフェースである。運転支援装置50は、第1通信部51を介してサーバ10と通信可能に構成されている。第2通信部52は、車車間通信又は路車間通信、移動体通信網等の通信手段により自車両1の外部の装置と通信を行うためのインタフェースである。第2通信部52は、それぞれの通信規格に対応する一つ又は複数のインタフェースを含む。
(3-2-2.記憶部)
記憶部55は、RAM又はROM等の記憶素子により構成される。ただし、記憶部55の種類は特に限定されない。記憶部55は、制御部53により実行されるコンピュータプログラムや、演算処理に用いられる種々のパラメータ、検出データ、演算結果等の情報を記憶する。
記憶部55は、RAM又はROM等の記憶素子により構成される。ただし、記憶部55の種類は特に限定されない。記憶部55は、制御部53により実行されるコンピュータプログラムや、演算処理に用いられる種々のパラメータ、検出データ、演算結果等の情報を記憶する。
(3-2-3.基準運転方法データベース)
基準運転方法データベース57は、RAM又はROM等の記憶素子、あるいは、HDDやCD、DVD、SSD、USBフラッシュ、ストレージ装置等の記憶媒体により構成される。基準運転方法データベース57は、基準となる運転方法(基準運転方法)の情報を記憶したデータベースである。基準運転方法は、エリアにかかわらず基準となり得る運転方法であり、交通環境ごとにあらかじめ設定されて記憶される。交通環境は、例えば交通信号機のある交差点を車両が直進する場面、交通信号機のある交差点を車両が右左折する場面、交通信号機のない位置で車両が対向車線を越えて右左折する場面、駐車車両を避けて通過する場面等の特定の交通シーンとしてあらかじめ設定されている。
基準運転方法データベース57は、RAM又はROM等の記憶素子、あるいは、HDDやCD、DVD、SSD、USBフラッシュ、ストレージ装置等の記憶媒体により構成される。基準運転方法データベース57は、基準となる運転方法(基準運転方法)の情報を記憶したデータベースである。基準運転方法は、エリアにかかわらず基準となり得る運転方法であり、交通環境ごとにあらかじめ設定されて記憶される。交通環境は、例えば交通信号機のある交差点を車両が直進する場面、交通信号機のある交差点を車両が右左折する場面、交通信号機のない位置で車両が対向車線を越えて右左折する場面、駐車車両を避けて通過する場面等の特定の交通シーンとしてあらかじめ設定されている。
基準運転方法データベース57の蓄積データの内容は、表1に示した運転マナーデータベース17の蓄積データの内容と同様である。具体的なデータとしては、例えば事故やニアミス事象を除いた各エリアでの走行データに基づいて統計処理をして得られた値であってもよく、熟練ドライバ等の模範ドライバの走行データに基づいて設定された値であってもよい。
(3-2-4.制御部)
制御部53は、CPU等の演算処理装置や種々の周辺部品を備えて構成される。制御部53の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御部53は、周囲環境検出部61、運転条件設定部63及び運転マナー判定部70を備えている。
制御部53は、CPU等の演算処理装置や種々の周辺部品を備えて構成される。制御部53の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御部53は、周囲環境検出部61、運転条件設定部63及び運転マナー判定部70を備えている。
(3-2-4-1.周囲環境検出部)
周囲環境検出部61は、車外撮影カメラ31から送信される画像データ及び周囲環境センサ33から送信される検出データに基づいて自車両1の周囲環境を検出する。具体的に、周囲環境検出部61は、車外撮影カメラ31から送信される画像データを画像処理することにより、物体検知の技術を用いて自車両1の周囲に存在する周囲車両や人物、自転車、その他の障害物等を検出する。また、周囲環境検出部61は、自車両1から見た周囲車両や人物等の位置、自車両1から周囲車両や人物等までの距離、及び自車両1に対する周囲車両や人物等の相対速度を算出する。また、周囲環境検出部61は、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1の周囲環境を検出してもよい。
周囲環境検出部61は、車外撮影カメラ31から送信される画像データ及び周囲環境センサ33から送信される検出データに基づいて自車両1の周囲環境を検出する。具体的に、周囲環境検出部61は、車外撮影カメラ31から送信される画像データを画像処理することにより、物体検知の技術を用いて自車両1の周囲に存在する周囲車両や人物、自転車、その他の障害物等を検出する。また、周囲環境検出部61は、自車両1から見た周囲車両や人物等の位置、自車両1から周囲車両や人物等までの距離、及び自車両1に対する周囲車両や人物等の相対速度を算出する。また、周囲環境検出部61は、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1の周囲環境を検出してもよい。
(3-2-4-2.運転マナー判定部)
運転マナー判定部70は、車両の運転方法のうち所定のエリアに特有の運転方法を抽出するとともに、各エリアに特有の運転方法の中から各エリアの運転マナーを判定する。運転マナー判定部70は、取得部71、抽出部73、感情推定部75及び判定部77を含む。
運転マナー判定部70は、車両の運転方法のうち所定のエリアに特有の運転方法を抽出するとともに、各エリアに特有の運転方法の中から各エリアの運転マナーを判定する。運転マナー判定部70は、取得部71、抽出部73、感情推定部75及び判定部77を含む。
取得部71は、少なくとも一台の車両が存在する交通環境の情報及び交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報を取得する。例えば取得部71は、周囲環境検出部61により検出された周囲環境の情報、あるいは、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1が存在する交通環境の情報を取得する。取得部71は、上述のとおりあらかじめ設定された交通シーンの中から該当する交通シーンを特定することにより交通環境の情報を取得する。
また、取得部71は、車両状態センサ35により検出された自車両1の走行状態及び挙動のデータに基づいて自車両1の運転方法の情報を取得するとともに、周囲環境検出部61により検出された周囲環境の情報に基づいて周囲車両の運転方法の情報を取得する。取得部71は、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1又は周囲車両の運転方法の情報を取得してもよい。車両の運転方法の情報は、車両の速度、走行経路、加減速度及びウィンカスイッチの点灯状態等の情報を含む。
抽出部73は、自車両1及び周囲車両の運転方法のうち、自車両1及び周囲車両が走行中のエリアに特有の運転方法を抽出する。本実施形態では、抽出部73は、取得部71により取得された運転方法を、基準運転方法データベース57に記憶された、同じ交通環境下での基準運転方法と比較してエリア特有の運転方法を抽出する。
また、抽出部73は、エリア特有の運転方法を抽出するにあたり、自車両1及び周囲車両の運転方法を道路交通法令に照らし、交通違反ではない運転方法の中からエリア特有の運転方法を抽出してもよい。これにより、抽出されるエリア特有の運転方法のなかから設定される運転マナーにしたがって車両の運転を制御した場合に、交通違反となることを防ぐことができる。
感情推定部75は、エリア特有の運転方法で走行する車両を含む交通環境に存在する交通参加者が、エリア特有の運転方法で走行する車両に対して受けた感情を推定する。本実施形態では、感情推定部75は、車外撮影カメラ31から送信される画像データに基づいて、エリア特有の運転方法で走行する車両を見ている人物の感情を推定する。感情の推定は、例えばFACS(Facial Action Coding System)理論に基づく表情解析の手法に基づいて行われる。
判定部77は、抽出部73により抽出されたエリア特有の運転方法のうち、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の運転方法を当該エリアの運転マナーと判定する。本実施形態では、判定部77は、抽出部73によって抽出されたエリア特有の運転方法のうち、感情推定部75によって推定される交通参加者の感情が怒りや驚き等のネガティブな感情である運転方法以外の運転方法を当該エリアの運転マナーと判定する。
判定部77は、運転マナーと判定した運転方法のデータを、当該運転方法のデータが取得されたときの自車両1の位置情報とともにサーバ10へ送信する。これにより、サーバ10には、運転マナーと判定された運転方法のデータが位置情報に関連付けて記憶される。
(3-2-4-3.運転条件設定部)
運転条件設定部63は、自車両1の運転時において、運転マナーの情報に基づいて所定のエリアを走行する際の車両の運転条件を設定する。本実施形態において、運転条件設定部63は、GPSセンサ37から送信される自車両1の位置情報をサーバ10へ送信するとともに、サーバ10から自車両1の走行エリアの運転マナーの情報を取得する。あるいは、運転条件設定部63は、ドライバがナビゲーションシステムに設定した目的地までの走行ルートの情報に基づいて、通過する走行エリアの運転マナーの情報を取得してもよい。取得する運転マナーの情報は、少なくとも一つの交通環境に対応する運転方法のデータを含む。
運転条件設定部63は、自車両1の運転時において、運転マナーの情報に基づいて所定のエリアを走行する際の車両の運転条件を設定する。本実施形態において、運転条件設定部63は、GPSセンサ37から送信される自車両1の位置情報をサーバ10へ送信するとともに、サーバ10から自車両1の走行エリアの運転マナーの情報を取得する。あるいは、運転条件設定部63は、ドライバがナビゲーションシステムに設定した目的地までの走行ルートの情報に基づいて、通過する走行エリアの運転マナーの情報を取得してもよい。取得する運転マナーの情報は、少なくとも一つの交通環境に対応する運転方法のデータを含む。
運転条件設定部63は、取得した運転マナーの情報に基づいて、各エリアを自車両1が走行する間、該当する交通環境下において対応する運転方法を運転条件に適用する。運転条件設定部63は、運転マナーを適用して設定した運転条件の情報を、車両走行制御部41へ送信する。
例えば運転条件設定部63は、ドライバが自車両1を手動で運転している状態で、該当する交通環境下において運転マナーにしたがって自動運転制御を介入させるように運転条件を設定してもよい。あるいは、運転条件設定部63は、コンピュータが主体となって自車両1の自動運転制御を実行するためのパラメータを設定する際に、該当する交通環境下において運転マナーにしたがって自動運転制御が実行されるように運転条件を設定してもよい。例えば運転条件設定部63は、設定された目的地までの走行ルートに沿って自車両1を自動運転で走行させる際に、自車両1が周囲車両や歩行者、障害物等に接触しないように少なくとも走行軌道及び車速の条件を設定して、車両走行制御部41に対して制御指令を送信する。
例えば運転条件設定部63は、自車両1が歩行者や周囲車両、その他障害物に衝突する可能性を示す指標であるリスクポテンシャルを用いて自車両1の走行軌道及び車速を設定することができる。この場合、運転条件設定部63は、運転マナーの情報に基づいてリスクポテンシャルを調節しながら、自車両1の走行軌道及び車速を設定する。運転条件設定部63による演算処理の詳細は、後で詳しく説明する。
<4.運転支援装置の動作例>
続いて、本実施形態に係る運転支援装置50の動作例をフローチャートに沿って具体的に説明する。以下、運転支援装置50の動作例を、運転マナー判定処理と運転条件設定処理とに分けて説明する。
続いて、本実施形態に係る運転支援装置50の動作例をフローチャートに沿って具体的に説明する。以下、運転支援装置50の動作例を、運転マナー判定処理と運転条件設定処理とに分けて説明する。
(4-1.運転マナー判定処理)
まず、運転マナー判定処理の動作例を説明する。運転マナー判定処理は、運転支援システム100の起動中に常時実行されてもよく、ドライバ等により当該処理動作が実行されるように設定されている間に実行されてもよい。
まず、運転マナー判定処理の動作例を説明する。運転マナー判定処理は、運転支援システム100の起動中に常時実行されてもよく、ドライバ等により当該処理動作が実行されるように設定されている間に実行されてもよい。
図4は、運転支援装置50の運転マナー判定部70による運転マナー判定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、運転マナー判定部70の取得部71は、車両が存在する交通環境の情報を取得する(ステップS11)。本実施形態では、取得部71は、車外撮影カメラ31から送信される画像データに基づいて周囲環境検出部61により検出された自車両1の周囲環境の情報に基づき、自車両1が存在する交通環境の情報を取得する。取得部71は、周囲環境検出部61により検出された周囲環境の情報に代えて、あるいは、周囲環境検出部61により検出された周囲環境の情報と併せて、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1が存在する交通環境の情報を取得してもよい。取得部71は、例えば交通信号機のある交差点を車両が直進する場面、交通信号機のある交差点を車両が右左折する場面、交通信号機のない位置で車両が対向車線を越えて右左折する場面、駐車車両を避けて通過する場面等、あらかじめ設定された交通シーンの中から該当する交通シーンを特定することにより交通環境の情報を取得する。
まず、運転マナー判定部70の取得部71は、車両が存在する交通環境の情報を取得する(ステップS11)。本実施形態では、取得部71は、車外撮影カメラ31から送信される画像データに基づいて周囲環境検出部61により検出された自車両1の周囲環境の情報に基づき、自車両1が存在する交通環境の情報を取得する。取得部71は、周囲環境検出部61により検出された周囲環境の情報に代えて、あるいは、周囲環境検出部61により検出された周囲環境の情報と併せて、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1が存在する交通環境の情報を取得してもよい。取得部71は、例えば交通信号機のある交差点を車両が直進する場面、交通信号機のある交差点を車両が右左折する場面、交通信号機のない位置で車両が対向車線を越えて右左折する場面、駐車車両を避けて通過する場面等、あらかじめ設定された交通シーンの中から該当する交通シーンを特定することにより交通環境の情報を取得する。
次いで、取得部71は、検出した交通環境に存在する自車両1及び周囲車両の運転方法の情報を取得する(ステップS13)。本実施形態では、取得部71は、車両状態センサ35から送信される自車両1の走行状態及び挙動のデータを取得し、自車両1の速度、走行経路、加減速度及びウィンカスイッチの点灯状態等の運転方法を検出する。また、取得部71は、自車両1に対する周囲車両の位置や距離、相対速度の情報と、自車両1の速度の情報とに基づいて、周囲車両の速度及び加減速度を検出する。また、取得部71は、車外撮影カメラ31から送信される画像データに基づいて、周囲車両の走行経路及びウィンカスイッチの点灯状態等を検出する。取得部71は、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報に基づいて、自車両1又は周囲車両の運転方法の情報を取得してもよい。あるいは、取得部71は、第2通信部52を介して取得される車外の装置からの送信情報のみに基づいて、自車両1又は周囲車両の運転方法の情報を取得してもよい。
次いで、運転マナー判定部70の抽出部73は、取得部71により取得された自車両1及び周囲車両の運転方法を道路交通法令に照らし、交通違反である運転方法を除外する(ステップS15)。例えば抽出部73は、走行中の道路の法定速度を超える車速で走行する車両の運転方法を除外する。また、抽出部73は、赤信号を通過する車両の運転方法を除外する。その他、抽出部73は、中央分離帯のある道路を逆走する車両の運転方法や、一方通行の道路を逆走する車両の運転方法等、道路交通法令に明らかに違反する車両の運転方法を除外する。
次いで、抽出部73は、交通違反ではない自車両1及び周囲車両の運転方法の中からエリア特有の運転方法を抽出する(ステップS17)。本実施形態では、抽出部73は、交通違反でない運転方法を、基準運転方法データベース57に記憶された、同じ交通環境下での基準運転方法と比較して、エリア特有の運転方法を抽出する。例えば抽出部73は、ある交通環境下での速度、走行経路、加減速度及びウィンカスイッチの点灯状態等のうちの少なくとも一つが、同じ交通環境下での基準運転方法と異なる場合に、当該運転方法をエリア特有の運転方法として抽出してもよい。本実施形態では、ある交通環境下での運転方法のデータのうち、同じ交通環境下での基準運転方法と異なる特定の運転方法のデータの比率が、あらかじめ設定された比率を超える場合に、当該運転方法をエリア特有の運転方法として抽出される。これにより、個々のドライバの運転特性の違いによりエリア特有の運転方法と判定されることを防ぐことができる。このときの判定に用いる比率は、例えば50%以上の適宜の値に設定される。
次いで、運転マナー判定部70の感情推定部75は、エリア特有の運転方法として抽出された運転方法で走行する車両が存在する交通環境に存在する交通参加者が、当該車両に対して受けた感情を推定する(ステップS19)。具体的に、本実施形態において、感情推定部75は、車外撮影カメラ31から送信される画像データに基づいて、エリア特有の運転方法で走行する車両を見ている人物の感情を推定する。具体的に、感情推定部75は、画像データに基づいて、物体検知の技術を用いて人体の顔を抽出するとともに当該人物の視線を検出して、該当車両を見ている人物を特定する。検出する人物は、歩行者や静止している人物に限らず、自転車に乗っている人物や、他車両の乗員を含む。感情推定部75は、該当車両を見ている人物を特定した場合、例えばFACS(Facial Action Coding System)理論に基づく表情解析の手法により当該人物の表情のデータを解析して人物の感情を推定する。感情は、例えば喜怒哀楽等の感情の種類ごとに規定されたレベルにより推定されてもよい。ただし、感情の推定方法は他の手法であってもよい。また、使用する画像データは、第2通信部52を介して取得される、車外の装置から送信される画像データであってもよい。
このとき、感情推定部75は、該当車両を見ている人物の該当車両に対する興味度合の値を算出し、興味度合の値があらかじめ設定した閾値以上の人物の感情を推定してもよい。これにより、偶然該当車両の方へ視線を向けている一方で該当車両に興味を示していない人物の感情のデータを収集することを避けることができる。該当車両に対する興味度合は、例えば所定の時間に対する該当車両に視線を向けていた時間の割合として求めてもよい。この他感情推定部75は、該当車両に視線を向けているときの時間当たりの感情の変化状態に基づいて該当車両に対する興味度合を求めてもよい。あるいは、感情推定部75は、該当車両に視線を向けてからの動作の変化状態等に基づいて該当車両に対する興味度合を求めてもよい。具体的に、感情推定部75は、走っていた人物が、該当車両に視線を向けた後に立ち止まって該当車両を注視したような場合に、該当車両に対する興味度合が高いものと推定してもよい。
次いで、運転マナー判定部70の判定部77は、抽出部73により抽出されたエリア特有の運転方法のうち、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の運転方法を当該エリアの運転マナーと判定する(ステップS21)。本実施形態では、判定部77は、抽出部73によって抽出されたエリア特有の運転方法のうち、感情推定部75によって推定される交通参加者の感情が怒りや驚き等のネガティブな感情である運転方法以外の運転方法を当該エリアの運転マナーと判定する。このとき、判定部77は、当該エリアの運転マナーと判定される頻度の高い運転方法を当該エリアの運転マナーと判定してもよい。例えば判定部77は、各エリアの所定の交通環境下での最新の所定数の運転方法のうち、運転マナーと判定された比率が50%を超える運転方法を、当該エリアの所定の交通環境下での運転マナーと判定する。これにより、偶然的に当該エリアの運転マナーと判定された運転方法が、当該エリアの一般的な運転マナーとして用いられることを防ぐことができる。また、長期間での運転マナーの変化に対応することもできる。
次いで、判定部77は、エリアの運転マナーと判定した運転方法のデータを、当該運転方法が取得されたときの自車両1の位置情報とともにサーバ10へ送信する(ステップS23)。車両の位置情報とともに各エリアの運転マナーと判定された運転方法のデータを受信したサーバ10は、運転マナーと判定された運転方法のデータを位置情報に関連付けて記憶する。これにより、サーバ10の運転マナーデータベース17には、各エリアの運転マナーと判定された運転方法の情報が蓄積される。
(4-2.運転条件設定処理)
次いで、運転条件設定処理の動作例を説明する。本実施形態では、運転条件設定処理として、自車両1が歩行者や周囲車両、その他障害物に衝突する可能性を示す指標であるリスクポテンシャルを用いて自車両1の走行軌道及び車速を設定する処理の例を説明する。
次いで、運転条件設定処理の動作例を説明する。本実施形態では、運転条件設定処理として、自車両1が歩行者や周囲車両、その他障害物に衝突する可能性を示す指標であるリスクポテンシャルを用いて自車両1の走行軌道及び車速を設定する処理の例を説明する。
まず、リスクポテンシャルを用いた車両の自動運転制御について簡単に説明する。
図5は、対象物に対するリスクポテンシャルを示す説明図である。図5では、対象物として歩行者の例が示されている。リスクポテンシャルの値(リスク値)Riは、対象物(歩行者)に近づくほど高くなる。リスク値Riは、対象物からの距離xiに対する指数関数で表すことができ、例えば下記式(1)により示される。
図5は、対象物に対するリスクポテンシャルを示す説明図である。図5では、対象物として歩行者の例が示されている。リスクポテンシャルの値(リスク値)Riは、対象物(歩行者)に近づくほど高くなる。リスク値Riは、対象物からの距離xiに対する指数関数で表すことができ、例えば下記式(1)により示される。
Ri:リスク値
Ci:リスク絶対値(ゲイン)
xi:対象物からの距離
τi:勾配係数
ri:対象物半径
i:対象物を区別するための付番
Ci:リスク絶対値(ゲイン)
xi:対象物からの距離
τi:勾配係数
ri:対象物半径
i:対象物を区別するための付番
対象物との距離xiがゼロの時のリスク値であるリスク絶対値Ciは、対象物に依存する値として対象物ごとに設定される。例えば対象物が「歩行者」又は「背の低い縁石」である場合、歩行者との衝突が背の低い縁石との衝突よりも高いリスクがあるものとして、「歩行者」に対するリスク絶対値Ciは「背の低い縁石」に対するリスク絶対値Ciよりも大きい値に設定される。勾配係数τiは、対象物にかかわらず設定される値である。
リスクポテンシャルを用いて自車両1の走行軌道及び車速を設定する場合、自車両1の走行中に検出されるそれぞれの歩行者や周囲車両、障害物に対してリスクを付与し、それぞれのリスクポテンシャルの空間的な重なりを加算することで、複数の障害物との衝突リスクを考慮したリスクマップが求められる。かかるリスクマップでは、リスクの高低が、二次元平面上に等高線として示される。上述のとおり、リスク値は二次元的な分布を持つため、リスクが低くなる軌道を選択することが可能となる。このとき、顕在化している障害物と併せて、顕在化していないリスク(潜在リスク)を考慮してリスクマップを演算してもよい。例えば曲がった先が遮蔽物により死角となっている領域を通過する場合に、当該死角領域から通行人が飛び出すことを想定して潜在リスクを付与し、リスクマップに反映させてもよい。
図6は、運転支援装置50による運転条件設定処理の一例を示すフローチャートである。運転条件設定処理は、自車両1が自動運転モードに設定されている間、常時実行されてもよく、ドライバ等により当該処理動作が実行されるように設定されている間に実行されてもよい。
まず、運転支援装置50の運転条件設定部63は、サーバ10に対して運転マナーの情報を要求するメッセージを送信する(ステップS31)。例えば運転条件設定部63は、自車両1の走行中に、GPSセンサ37から送信される自車両1の位置情報とともに運転マナーの情報を要求するメッセージをサーバ10へ送信する。あるいは、ナビゲーションシステムにより自車両1の目的地までの走行ルートが設定されている場合、運転条件設定部63は、走行ルートの情報とともに運転マナーの情報を要求するメッセージを送信してもよい。これにより、サーバ10は、運転マナーデータベース17から、受信した位置情報に対応するエリアの運転マナーとして記憶されている情報を抽出し、運転支援装置50へ返信する。
次いで、運転条件設定部63は、サーバ10から送信される運転マナーの情報を取得する(ステップS33)。運転条件設定部63は、取得した運転マナーの情報を記憶部55へ記憶する。
次いで、運転条件設定部63は、自車両1が走行する交通環境を検出する(ステップS35)。本実施形態では、運転条件設定部63は、周囲環境検出部61により検出された自車両1の周囲環境の情報に基づいて、自車両1が走行する交通環境を検出する。運転条件設定部63は、車両状態センサ35から送信される自車両1の走行状態及び挙動のデータを併せて用いて自車両1が走行する交通環境を検出してもよい。運転条件設定部63は、上述のとおりあらかじめ設定された交通シーンの中から該当する交通シーンを特定することにより交通環境を検出する。また、交通環境の情報は、自車両1の周囲の歩行者や周囲車両、障害物のデータを含む。当該データは、少なくとも歩行者や周囲車両、障害物の大きさ、障害物の種類、歩行者や周囲車両、障害物との距離及び歩行者や周囲車両、障害物との相対速度のデータを含む。
次いで、運転条件設定部63は、ステップS33において取得した運転マナーの情報に基づいてリスクポテンシャルを調節する(ステップS37)。具体的に、運転条件設定部63は、ステップS35において検出した交通環境に該当する運転マナーの情報に基づいて、自車両1の周囲に存在している歩行者や周囲車両、障害物のリスクポテンシャルのリスク絶対値(ゲイン)Ci又は勾配係数τiの少なくとも一方を補正することによりリスクポテンシャルを調節する。
自車両1の発車/停車時の場合、運転条件設定部63は、例えば発車時又は停車時の許容リスクを時間的に変化させることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「加減速度及び加減速度の変化量」を再現する。具体的に、発車時においては、発車からの時間の経過に応じて許容リスクを徐々に向上させることで、加速度及び加速度の変化量を制御することができる。また、運転条件設定部63は、例えば自車両1の前方に停車中の先行車両のリスクポテンシャルの裾野を、自車両1の方向(先行車両の後方)へ広げることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「停車時の先行車両との車間距離」を再現する。
先行車両追従走行時の場合、運転条件設定部63は、例えば走行中の先行車両のリスクポテンシャルの裾野を、自車両1の方向(先行車両の後方)へ広げることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「車間距離の保持量」を再現する。
交差点右左折時の場合、運転条件設定部63は、例えばリスクポテンシャルを調節するのではなく、蓄積された各エリアでの走行データを統計処理して得られた値を活用することにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「方向指示器点灯タイミング」及び「方向指示器点灯後、減速開始までの時間」等の方向指示器使用状態を再現する。また、運転条件設定部63は、例えば右折車線(又は左折車線)の左右の白線に付与するリスクポテンシャルの重み付けを調整することにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「車線右側(又は左側)へ自車両1を寄せる距離」を再現する。具体的に、より右側(左側)へ自車両1を寄せた方が好まれるエリアでは、右折車線(又は左折車線)における右側(又は左側)の白線のリスクポテンシャルの高さを高くするか、あるいは、裾野を広げる一方、左側(又は右側)の白線のリスクポテンシャルの高さを低くするか、あるいは、裾野を狭くする。
また、交差点右左折時の場合、運転条件設定部63は、例えば対向車のリスクポテンシャルの裾野を、自車両1の進行方向と反対の方向(対向車の進行方向)へ広げることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「反対車線を跨いで右折(又は左折)を行う際の対向車の切れ目の間隔/距離」を再現する。また、運転条件設定部63は、例えば右折(又は左折)時の許容リスクを時間的に変化させることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「右折(又は左折)する際の速度」を再現する。また、運転条件設定部63は、例えば他の交通参加者のリスクポテンシャルの裾野や高さを変化させることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「他の交通参加者との距離」を再現する。
駐車車両追い越し時の場合、運転条件設定部63は、例えば追い越し時の許容リスクを時間的に変化させることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「駐車車両の脇を通過する際の速度」を再現する。また、運転条件設定部63は、例えば駐車車両のリスクポテンシャルの裾野を、自車両1の方向(駐車車両の横方向)へ広げたり狭くしたりすることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する「駐車車両の脇を通過する際の自車両1との距離」を再現する。
その他の例についての説明は省略するが、運転条件設定部63は、上述した例のようにリスクポテンシャルの高さ又は裾野の広さを調節したり、あるいは、蓄積された各エリアでの走行データを統計処理して得られた値を活用したりすることにより、運転マナーデータベース17の蓄積データに該当する運転マナーを再現する。
次いで、運転条件設定部63は、リスクポテンシャルを用いて自車両1の走行軌道及び車速を設定する(ステップS39)。具体的に、運転条件設定部63は、自車両1の周囲に存在する歩行者や周囲車両、障害物のそれぞれに設定されたリスクポテンシャルの空間的な重なりを加算して、リスクマップを演算する。運転条件設定部63は、求められたリスクマップを用いて、歩行者や周囲車両、障害物それぞれのリスク値の和があらかじめ設定された許容リスク以下となる走行軌道を選択するとともに、自車両1の現在の速度、加減速度に基づいて目標とする速度を設定する。運転条件設定部63は、自車両1の速度に応じて歩行者や周囲車両、障害物のそれぞれに設定されるリスクポテンシャルを調節しつつ、リスク値の和があらかじめ設定された許容リスク以下となる走行軌道を選択するとともに、目標とする速度を設定してもよい。
次いで、運転条件設定部63は、ステップS39において設定した走行軌道及び目標速度の情報を車両走行制御部41へ送信する(ステップS41)。車両走行制御部41は、取得した走行軌道及び目標速度の情報に基づいて、エンジン制御システムあるいはモータ制御システム、電動ステアリングシステム、ブレーキシステム及びトランスミッションシステムのうちの少なくとも一つの制御目標値を設定し、車両を自動運転により走行させる。これにより、走行エリアの運転に慣れていないドライバであっても、周囲の交通参加者に不快な思いをさせることなく、当該エリアの運転マナーにしたがって自車両1を運転することができる。
<5.適用事例>
以下、本実施形態に係る運転支援装置50により実行される制御の適用事例の幾つかを説明する。
以下、本実施形態に係る運転支援装置50により実行される制御の適用事例の幾つかを説明する。
(5-1.第1の適用事例)
第1の適用事例は、左側走行の道路を走行する車両が、対向車線を通過して右折する交通シーンに、本実施形態に係る運転支援装置50により実行される制御を適用した例である。
第1の適用事例は、左側走行の道路を走行する車両が、対向車線を通過して右折する交通シーンに、本実施形態に係る運転支援装置50により実行される制御を適用した例である。
図7は、第1の適用事例の交通環境を示す説明図である。第1の適用事例の交通環境では、自車線L1を走行してきた制御対象の自車両1が交差点Crに停車しており、対向車線L2を走行する第1の対向車2aはすでに交差点Crを通過している一方、第2の対向車2bは前方から交差点Crに向かって走行している。図7に示した交通環境においては、第2の対向車2bのみが衝突リスクに反映され得る状況となっている。自車線L1を走行する自車両1が対向車線L2を通過して右折する交通シーンにおいて、都市部では、対向車線L2に隙間ができたタイミングで速やかに右折する運転マナーが確立している一方、郊外では、向かってくる第2の対向車2bとの距離が十分に確保されたタイミングで右折する運転マナーが確立しているものとする。
図8及び図9は、第1の適用事例の交通環境において、それぞれ都市部又は郊外での運転マナーを反映して第2の対向車2bのリスクポテンシャルRPを設定した場合のリスクマップを示している。図8が、都市部の運転マナーを反映したリスクマップを示し、図9が、郊外の運転マナーを反映したリスクマップを示す。
図8に示すように、都市部では、第2の対向車2bのリスクポテンシャルRPの奥行き方向(第2の対向車2bの進行方向)の幅が狭くなるように勾配係数τiが補正される。これにより、第2の対向車2bの進行方向の安全マージンが小さくなって、自車両1から第2の対向車2bまでの距離が比較的近くなるまでは衝突のリスクが発生しない。したがって、対向車線L2を走行する第1の対向車2a及び第2の対向車2bのリスクマップに隙間が発生しやすくなり、隙間ができたタイミングで速やかに自車両1の右折動作が開始される。
これに対して、図9に示すように、郊外では、第2の対向車2bのリスクポテンシャルRPの奥行き方向(第2の対向車2bの進行方向)の幅が広くなるように勾配係数τiが補正される。これにより、第2の対向車2bの進行方向の安全マージンが大きくなって、自車両1から第2の対向車2bまでの距離が比較的遠い状態であっても衝突のリスクが発生する。したがって、対向車線L2を走行する第1の対向車2a及び第2の対向車2bのリスクマップに隙間が発生しにくく、向かってくる第2の対向車2bとの距離が十分に確保されない限り、自車両1の右折動作が開始されない。
(5-2.第2の適用事例)
第2の適用事例は、左側走行の道路を走行する車両の前に車両が停車している状況で、対向車線を対向車が迫ってきている交通シーンに、本実施形態に係る運転支援装置50により実行される制御を適用した例である。
第2の適用事例は、左側走行の道路を走行する車両の前に車両が停車している状況で、対向車線を対向車が迫ってきている交通シーンに、本実施形態に係る運転支援装置50により実行される制御を適用した例である。
図10は、第2の適用事例の交通環境を示す説明図である。第2の適用事例の交通環境では、自車線L1を走行する制御対象の自車両1の前に駐車車両2cが存在し、さらに対向車線L2を走行する対向車2dが前方から迫ってきている。図10に示した交通環境においては、駐車車両2c及び対向車2dが衝突リスクに反映され得る状況となっている。自車両1の前に駐車車両2cが存在する状況で、対向車線L2を対向車2dが迫ってきている交通シーンにおいて、都市部では、対向車2dが迫っていても、駐車車両2c及び対向車2dに対してともに接触しない距離を保って駐車車両2cの脇を通過する運転マナーが確立している一方、郊外では、対向車2dが通過するまで駐車車両2cの手前で待つ運転マナーが確立しているものとする。
図11及び図12は、第2の適用事例の交通環境において、それぞれ都市部又は郊外での運転マナーを反映して駐車車両2c及び対向車2dのリスクポテンシャルRPc,RPdを設定した場合のリスクマップを示している。図11が、都市部の運転マナーを反映したリスクマップを示し、図12が、郊外の運転マナーを反映したリスクマップを示す。
図11に示すように、都市部では、駐車車両2cのリスクポテンシャルRPcの横方向(自車両1の車幅方向)の幅が狭くなるように勾配係数τiが補正される。対向車2dのリスクポテンシャルRPdは補正されない。これにより、駐車車両2cのリスクポテンシャルRPcと対向車2dのリスクポテンシャルRPdとの間に隙間が発生し、自車両1が通過可能な走行経路の設定が可能になる。したがって、対向車2dの通過を待たずに、駐車車両2cの脇を、自車両1を通過させることができる。
これに対して、図12に示すように、郊外では、駐車車両2cのリスクポテンシャルRPcの横方向(自車両1の車幅方向)の幅が広くなるように勾配係数τiが補正される。対向車2dのリスクポテンシャルRPdは補正されない。これにより、駐車車両2cのリスクポテンシャルRPcと対向車2dのリスクポテンシャルRPdとの間の隙間がなくなり、自車両1が通過可能な走行経路の設定が不可能になる。したがって、対向車2dが通過した後に、駐車車両2cの脇を、自車両1を通過させることができる。
<6.本実施形態に係る運転支援制御装置による効果>
以上説明したように、本実施形態に係る運転支援装置50は、取得される車両の運転方法の中から所定のエリアに特有の運転方法を抽出するとともに、エリア特有の運転方法の中から、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の運転方法を各エリアの運転マナーと判定する運転マナー判定装置としての機能を有する。これにより、周囲の交通参加者に不快な思いをさせることない運転方法の情報を、当該エリアの運転マナーとして収集することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る運転支援装置50は、取得される車両の運転方法の中から所定のエリアに特有の運転方法を抽出するとともに、エリア特有の運転方法の中から、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の運転方法を各エリアの運転マナーと判定する運転マナー判定装置としての機能を有する。これにより、周囲の交通参加者に不快な思いをさせることない運転方法の情報を、当該エリアの運転マナーとして収集することができる。
また、本実施形態に係る運転支援装置50は、蓄積された運転マナーの情報に基づいて、車両の運転条件を設定する。これにより、走行するエリアの運転に慣れていないドライバであっても、周囲の交通参加者に不快な思いをさせることなく、当該エリアの運転マナーにしたがって車両1を運転することができる。
また、本実施形態に係る運転支援装置50において、運転マナー判定部70の判定部77は、所定のエリアに特有の運転方法のうち、さらに道路交通法令に違反する運転方法を除いて、所定のエリアの運転マナーと判定してもよい。これにより、抽出されるエリア特有の運転方法のなかから設定される運転マナーにしたがって車両の運転を制御した場合に、交通違反となることを防ぐことができる。
また、本実施形態に係る運転支援装置50において、運転マナー判定部70の判定部77は、所定のエリアの運転マナーと判定される頻度が高い運転方法を、当該エリアの運転マナーと判定してもよい。これにより、偶然的に当該エリアの運転マナーと判定された運転方法が、当該エリアの一般的な運転マナーと判定されることを防ぐことができる。また、長期間での運転マナーの変化に対応することもできる。
また、本実施形態に係る運転支援システム100では、複数の車両1によって各エリアの運転マナーと判定された運転方法の情報がサーバ10に蓄積され、複数の車両1に共有される。したがって、運転マナーの情報の収集量が多くなって、様々なエリアの運転マナーの情報を蓄積することができる。その結果、各車両1の運転支援装置50が利用可能な運転マナーの情報量を増やすことができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、運転支援装置50が運転マナー判定装置としての機能を備えていたが、本開示はかかる例に限定されない。運転マナー判定部70の各機能をサーバ10が備えており、サーバ10が運転マナー判定装置として機能してもよい。これにより、運転支援装置50の負荷を軽減することができる。
また、上記実施形態では、複数の車両1により各エリア特有の運転マナーと判定された運転方法の情報がサーバ10に蓄積され、複数の車両1に共有可能に構成されていたが、本開示はかかる例に限定されない。例えばあらかじめ各エリアの運転マナーの情報を収集して構築した運転マナーデータベースを運転支援装置50に格納し、あるいは、車両1に搭載し、運転支援装置50が車両1内で運転マナーデータベースにアクセスしながら運転条件を設定してもよい。これにより、車外との通信を介さずに、各エリアの運転マナーの情報を用いて運転条件を設定することができる。
また、上記の制御部51としてのプロセッサに、車両が存在する交通環境の情報及び交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報を取得することと、車両の運転方法のうち、所定のエリアに特有の運転方法を抽出することと、所定のエリアに特有の運転方法で走行する車両を含む交通環境に存在する交通参加者が、特有の運転方法で走行する車両に対して受けた感情を推定することと、交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の特有の運転方法を、所定のエリアの運転マナーと判定することとを含む処理を実行させるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体も本開示の技術的範囲に属する。
1…車両(自車両)、2…車両(周囲車両、駐車車両)、10…サーバ、13…制御部、17…運転マナーデータベース、50…運転支援装置、53…制御部、57…基準運転方法データベース、61…周囲環境検出部、63…運転条件設定部、70…運転マナー判定部、71…取得部、73…抽出部、75…感情推定部、77…判定部、100…運転支援システム
Claims (5)
- 車両が存在する交通環境の情報及び前記交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報を取得する取得部と、
前記車両の運転方法のうち、所定のエリアに特有の運転方法を抽出する抽出部と、
前記所定のエリアに特有の運転方法で走行する車両を含む交通環境に存在する交通参加者が、前記特有の運転方法で走行する車両に対して受けた感情を推定する感情推定部と、
前記交通参加者がネガティブな感情を受けた運転方法以外の前記特有の運転方法を、前記所定のエリアの運転マナーと判定する判定部と、
を備えた、運転マナー判定装置。 - 前記判定部は、前記所定のエリアに特有の運転方法のうち、さらに道路交通法令に違反する運転方法を除いて、前記所定のエリアの運転マナーと判定する、請求項1に記載の運転マナー判定装置。
- 前記判定部は、前記所定のエリアの運転マナーと判定される頻度が高い運転方法を前記運転マナーと判定する、請求項2に記載の運転支援装置。
- 前記車両の運転方法の情報は、前記車両の速度、走行軌道、加減速度及び方向指示器使用状態のうちの少なくとも一つの情報を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の運転マナー判定装置。
- 車両の運転を支援する運転支援装置であって、
車両が存在する交通環境の情報及び前記交通環境に存在する少なくとも一台の車両の運転方法の情報に基づいて抽出された所定のエリアに特有の運転方法のうち、前記交通環境に存在する交通参加者が、前記特有の運転方法で走行する車両に対してネガティブな感情を受けた運転方法以外の前記特有の運転方法を前記所定のエリアの運転マナーの情報として記憶したデータベースに記憶された前記運転マナーの情報に基づいて、前記所定のエリアを走行する際の車両の運転条件を設定する運転条件設定部を備えた、運転支援装置。
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