JP2022128905A - 表示制御装置、表示装置、及び画像表示制御方法 - Google Patents

表示制御装置、表示装置、及び画像表示制御方法 Download PDF

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Takao Kawate
直幸 白石
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Abstract

【課題】 車両のピッチングやローリングに伴う画像の表示位置の変動を抑制する画像補正の実施に際して、画像の視認者(運転者や搭乗者)の視点(目)高さ位置の違いによって、表示位置の変動の抑制効果が低下することを改善する。【解決手段】表示制御装置36は、車両姿勢情報取得部40と、視認者の視点高さ位置検出情報を取得する視点位置情報取得部41と、ピッチング補正、及びローリング補正の少なくとも一方を含む画像補正を制御する制御部38を有し、制御部38は、視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、画像補正の補正量を、標準位置における補正量よりも大きくし、低い場合は、前記標準位置における補正量よりも小さくする制御を実施する。【選択図】 図3

Description

本発明は、表示制御装置、表示装置、及び画像表示制御方法等に関する。
車両のピッチングやローリングに起因する画像の位置変動を補正する画像補正(ピッチング補正、ローリング補正)については、例えば、特許文献1に記載されている。
なお、車両のピッチングは、車両の左右軸(車両の中心(例えば重心)を通って、車両の左右方向に延びる軸)を中心として車両が前後に回転する、いわゆる縦揺れが生じた状態であり、車両の姿勢は、前傾姿勢あるいは後傾姿勢となる。
また、車両のローリングは、前後軸(車両の中心(例えば重心)を通って、車両の前後方向に延びる軸)を中心として車両が左右に回転する、いわゆる横揺れが生じた状態であり、車両の姿勢は、左傾姿勢又は右傾姿勢となる。
特許第5161760号公報(図3~図7等)
本発明者の検討によって、以下の課題が明らかとなった。
(1)ピッチングやローリングが生じると、車両(車体)の浮き上がりや沈み込みが生じて、表示中の画像の位置の変動が生じる。
(2)ここで、視認者(運転者等)の視点(目)位置が高い場合と、低い場合とでは、その画像の位置変動の程度に差が生じる。言い換えれば、ピッチングやローリングの中心軸から視点(目)までの距離が異なるとき、その距離が大きいほど、車両の揺れ(姿勢変動)の影響が大きくなり、表示されている画像の、車両の高さ方向における変化が大きくなり、画像の表示位置の変動が増大する。
(3)よって、上記の視点の高さ位置のばらつきを考慮せずに、一律の補正量にてピッチング補正やローリング補正を実施しても、画像の表示位置の変動の抑制効果には限界がある。抑制効果が低い場合は、視認者の違和感が増大する。
(4)また、画像の表示位置の変動の抑制効果が低いと、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置が表示する、先方対象物(例えば前方車両)に重畳される画像(先方対象物重畳画像:例えば注意喚起マーク等)の、先方対象物に対する重畳精度が低下する場合もあり得る。
このような課題が、本発明者の検討により明らかとされた。このような課題については、上記の特許文献1には記載がなく、また、その対策についても言及されていない。
本発明の目的の1つは、車両のピッチングやローリングに伴う画像の表示位置の変動を抑制する画像補正の実施に際して、画像の視認者(運転者や搭乗者)の視点(目)高さ位置の違いによって、表示位置の変動の抑制効果が低下することを改善することである。
本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、表示制御装置は、
車両に搭載され、画像を、前記車両に搭乗する視認者に視認させる表示装置の画像表示を制御する表示制御装置であって、
前記車両の姿勢情報を取得する車両姿勢情報取得部と、
前記視認者の視点高さ位置検出情報を取得する視点位置情報取得部と、
前記車両のピッチングによる前記画像の表示位置の変動を抑制するように前記画像を補正するピッチング補正、及び、前記車両のローリングによる前記画像の表示位置の変動を抑制するように前記画像を補正するローリング補正の少なくとも一方を含む画像補正を制御する制御部を有し、
前記制御部は、
前記視点位置情報取得部により取得された前記視点高さ位置検出情報に基づく検出の結果として、視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、前記画像補正の補正量を、前記標準位置における補正量よりも大きくし、低い場合は、前記標準位置における補正量よりも小さくする制御を実施する。
第1の態様では、例えば、視認者の視点(目)や顔をカメラで撮像し、実空間に設定される座標系における座標を検出して、視認者の視点高さ位置を検出する。検出された視点高さ位置が、標準位置よりも高い場合は、画像補正の補正量をより大きくし、低い場合は、画像補正の補正量をより小さくする。
視点高さ位置が高いということは、ピッチングやローリングの中心軸から視点(目)までの距離が大きいということである。この場合は、車両の揺れ(姿勢変動)の影響が大きくなり、表示されている画像の、車両の高さ方向における変化が大きくなり、画像の表示位置の変動が増大する傾向が生じる。よって、その大きな位置変動を効果的に抑制するべく、画像補正の補正量を増大させる。
一方、視点高さ位置が低くなると、車両の揺れ(姿勢変動)の影響は小さくなるため、上記の大きな補正量を維持していては、オーバー補正となる可能性がある。よって、視点高さ位置の低下に応じて、画像補正の補正量も減少させるものである。
このような、視点高さ位置を考慮した画像補正を実施することで、視認者の違和感を抑制でき、また、先方対象物に対する画像の重畳性の低下を抑制することができる。また、視点(目)の高さ位置を検出することにより、実空間における視点(目)の高さ位置を高分解能で、高精度に検出可能である。よって、高精度の画像補正が実施可能となる。
第1の態様に従属する第2の態様において、
前記制御部は、
検出された視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い場合は、視点高さ位置がより高くなると前記画像補正の補正量を増大させ、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い場合は、視点高さ位置がより低くなると前記画像補正の補正量を減少させてもよい。
第2の態様では、推定された視点高さ位置の程度に対応させて、画像補正の補正量を、適応的に可変制御する。これにより、車両の姿勢変動に対応したより適切な画像補正(ピッチング補正やローリング補正)が可能となる。
第1又は第2の態様に従属する第3の態様において、
前記制御部は、
検出された視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変する場合において、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い範囲における、前記視点高さ位置の変動量に対する前記画像補正の補正量の変化率を第1の変化率とし、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い範囲における、前記視点高さ位置の変動量車両の姿勢変動量に対する前記画像補正の補正量の変化率を第2の変化率とするとき、
前記第1の変化率を、前記第2の変化率よりも大きく設定してもよい。
第3の態様では、視点高さ位置に応じて画像補正の補正量を可変に制御する際、車両姿勢変動の影響を受けやすい範囲(標準位置よりも視点が高い範囲)では、視点高さ位置変動量に対する補正量の変化率を大きく設定し、大きな画像の位置変動に迅速に追従可能とし、これによって画像の表示位置が大きく変化することを効果的に防止する。
一方、標準位置よりも視点が低い場合は、画像の位置変動が小さくなるため、補正量をより小さくしてオーバー補正が生じないようにしつつ、小さな画像変動を、確実に抑制する。
これによって、視認者の違和感を低減すると共に、先方対象物に対する画像の重畳性の低下も十分に抑制することが可能となる。
第2又は第3の態様に従属する第4の態様において、
前記制御部は、
検出された視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変する場合、前記視点高さ位置が所定の高さ範囲外となる場合には、前記画像補正を停止する。
第4の態様では、画像補正は、視点高さ位置が所定高さ範囲内にある場合に実施し、所定高さ範囲外になると、画像補正を停止する(言い換えれば、画像補正量を零とする)。
視点高さ位置が高すぎる場合は、車両の姿勢変動の影響を大きく受けて画像の表示位置の変動が増大していることから、画像補正を行ったとしても、画像の位置変動の抑制効果が不十分となり、画像が不自然に変動するおそれがある。また、無理に画像補正を実施したとき、その画像補正に伴う画像の不自然な変動が、かえって視認者に違和感を与えることもあり得る。これらの点を考慮して、画像補正は実施しないこととした。
また、視点高さ位置が低すぎる場合は、車両の姿勢変動の影響も小さいことから、画像補正を停止しても影響は少ないと考えられる。また、小さい画像の位置変動に対応させて無理に画像補正を実施すると、その画像補正に伴う画像の細かな位置の変化が、かえって視認者に違和感を与えることもあり得る。これらの点を考慮して、画像補正は実施しないこととした。
第1の態様に従属する第5の態様において、
前記制御部は、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い範囲である場合には、前記画像補正の補正量として、所定の固定値の補正量を設定し、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い範囲である場合には、視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、視点高さ位置がより低くなると前記画像補正の補正量を減少させてもよい。
第5の態様では、先に説明した第2の態様(検出された視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変する態様)の変形例の一例について記載している。言い換えれば、画像補正の補正量の可変制御は、視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲にて実施し、標準位置よりも高い範囲では、補正量を所定の固定値とする(例えば、固定値は零を含む整数である)。
視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲で固定値の補正量を使用することで、補正量を大きく切り替える必要がなくなり、制御部の負担(例えば、補正量を算出したり、取得したりする処理負担)を軽減することが可能である。
第1の態様に従属する第6の態様において、
前記制御部は、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い範囲である場合には、前記画像補正の補正量として、所定の固定値の補正量を設定し、
検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い範囲である場合には、視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、視点高さ位置がより高くなると前記画像補正の補正量を増大させてもよい。
第6の態様では、先に説明した第2の態様(検出された視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変する態様)の変形例の他の例について記載している。言い換えれば、画像補正の補正量の可変制御は、視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲にて実施し、標準位置よりも低い範囲では、補正量を所定の固定値とする(例えば、固定値は零を含む整数である)。
視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲で固定値の補正量を使用することで、細かな補正量の可変を頻繁に行う手間が省けることから、制御部の負担(例えば、補正量を算出したり、取得したりする処理負担)を軽減することが可能である。
第1乃至第6の何れか1つの態様に従属する第7の態様において、
前記制御部は、
アイボックス内の区分された複数の領域の各々を単位として、視点追従ワーピングを実施すると共に、その実施の際に得られた、前記視認者の視点が前記複数の領域の内のどの領域に位置するかを示す視点位置情報を、前記視点高さ位置検出情報としても使用してもよい。
第7の態様では、カメラによる撮像により得られた視点位置情報を、視点追従ワーピング、及び視点高さ位置を考慮したピッチング補正/ローリング補正、に共通に使用する。これによって、ピッチング補正やローリング補正のために、単独で、視点高さ位置検出情報を取得する必要がなく、制御部等の負担軽減が図れる。
第1乃至第7の何れか1つの態様に従属する第8の態様において、
前記制御部は、
前記画像補正の補正量の設定に際し、
前記ピッチング補正と前記ローリング補正とを区別して取り扱い、各補正に適した補正量を設定してもよい。
第8の態様によれば、ピッチング、ローリングの各々に対して、適切な画像補正を実施することが可能となる。
第9の態様において、表示装置は、
第1乃至第8の何れか1つの態様に記載の表示制御装置と、
前記ピッチング補正、及び前記ローリング補正の少なくとも一方を含む画像補正を実施する補正部と、
補正後の画像を表示する表示部と、
を有する。
第9の態様によれば、車両のピッチングやローリングが生じた場合でも、位置変動の少ない画像を表示可能な、高性能な表示装置を実現することができる。表示装置は広義に解釈され、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置や、フラットパネルディスプレイ等を含むことができる。
第9の態様に従属する第10の態様において、
前記表示装置は、
前記表示部に表示される画像の表示光を、前記車両に設けられる被投影部材に投影する光学系をさらに有し、前記運転者及び前記乗員の少なくとも一方に虚像を視認させる機能をもつヘッドアップディスプレイ装置であってもよい。
第10の態様によれば、車両のピッチングやローリングが生じた場合でも、位置変動の少ない画像を表示可能な、高性能なヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を実現することができる。
第11の態様において、画像表示制御方法は、
車両に搭載される表示装置における画像表示制御方法であって、
前記車両の、ピッチング及びローリングの少なくとも一方を含む姿勢情報を取得するステップと、
前記表示装置が表示する画像の視認者の視点高さ位置検出情報を取得するステップと、
前記車両の姿勢の変動による前記表示装置が表示する画像の位置変動を補正する画像補正に関して、前記視認者の視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、画像補正の補正量を、前記標準位置における補正量よりも大きくし、視点高さ位置が前記標準位置よりも低い場合は、前記画像補正の補正量を、前記標準位置における補正量よりも小さくして、画像の補正量を可変に制御するステップと、
前記表示装置が表示する画像を、前記可変に制御された補正量に従って補正するステップと、
を含む。
第11の態様によれば、車両のピッチングやローリングが生じた場合でも、位置変動の少ない画像を表示することができ、視認者の違和感を軽減することができ、また、先方対象物に重畳される画像(重畳画像)の重畳性の低下を抑制することができる。よって、位置変動の少ない画像を表示可能な、高性能な表示装置を実現することができる。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
図1(A)は、ピッチング及びピッチング補正を説明するための図、図1(B)は、ローリング及びローリング補正を説明するための図である。 図2は、表示制御装置の構成例、及び、表示制御装置を用いた表示システムの要部構成例を示す図である。 図3(A)~(D)は、視点高さ位置に応じて、画像補正(ピッチング補正及びローリング補正の少なくとも一方を含む)の補正量を変化させる場合の例を示す図である。 図4は、表示制御装置を備えるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置の構成例、及び、HUD装置を含む表示システムの構成例を示す図である。 図5(A)は、補正テーブルの一例を示す図、図5(B)は、視点高さ位置の変動に対する画像補正量の変化率の設定例を示す図である。 図6(A)、(B)は、補正テーブルの他の例を示す図である。 図7(A)、(B)は、補正テーブルのさらに他の例を示す図、図7(C)は、ルックアップテーブルの一例を示す図である。 図8は、画像補正処理の手順例を示すフローチャートである。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
(第1の実施形態)
図1を参照する。図1(A)は、ピッチング及びピッチング補正を説明するための図、図1(B)は、ローリング及びローリング補正を説明するための図である。
図1において、X方向は車両1の幅方向(左右方向)、Y方向は車両1の高さ方向(路面の垂線に沿う方向)、Z方向は車両1の前後方向を示す。
車両1のピッチングは、車両1の左右軸(車両の中心(例えば重心)を通って、車両1の左右方向に延びる軸)を中心として車両が前後に回転する、いわゆる縦揺れが生じた状態であり、車両1の姿勢は、後傾姿勢(図1(A)参照)あるいは前傾姿勢(図1(B)参照)となる。
車両1は、平坦な路面4を走行しているが、図1(A)では例えば急加速したため、車両1の車体の前端部が路面4から浮き上がり、車両1の車体は後傾の姿勢となっている。ピッチング角はθaである。
図1(B)では、例えば急ブレーキをかけたため、車両1の車体の後端部が路面4から浮き上がり、車両1の車体は前傾姿勢となっている。ピッチング角はθbである。
ピッチングが生じると、路面4を基準とする実空間に設定されるXYZ直交座標系(第1の座標系)と、車両1の車体の姿勢に依存して変動する局所的なX1Y1Z1直交座標系(第2の座標系)との間にズレ(不一致)が生じる。このズレによって、画像の表示位置の変動が生じる。ピッチング補正は、この変動を抑制する画像補正(基本的には、第2の座標系を第1の座標系に変換する座標変換補正)である。
なお、HUD装置において、ピッチング等に起因して、例えば画像の表示光がウインドシールド(被投影部材)に投影される位置が変化するなどして、表示画像の形状が変動する場合もあり得るが、この場合は、ワーピング補正(光学系に起因する歪みとは逆の歪みを、画像に事前に与える補正)により対応可能である。
図1(A)、(B)の上側において実線で示されるように、ピッチングが生じる前は、注意喚起マーク(虚像)70が、先方対象物(例えば前方車両)60に重畳されて表示されているが、ピッチングが生じると、破線で示されるように、注意喚起マーク(虚像)の位置が上下方向(XYZ直交座標系における車両1の高さ方向(Y方向))に移動する。図1(A)では、変位量をΔD1と表記している。図1(B)では、変位量をΔD2と表記している。また、図中、位置の移動が生じた後の注意喚起マーク(虚像)には、70’の符号を付している。
表示中の画像の位置が瞬時的に変化することで、運転者や、その他の搭乗者に違和感が生じる場合があり、また、図1(A)、(B)の例のように、先方対象物60に対する注意喚起マーク70の重畳性が低下する場合もあり、この点も違和感の原因となり得る。
また、車両1のローリングは、前後軸(車両の中心(例えば重心)を通って、車両1の前後方向に延びる軸)を中心として車両1が左右に回転する、いわゆる横揺れが生じた状態であり、車両1の姿勢は、右傾姿勢(図1(C)参照)又は左傾姿勢(図1(D)参照)となる。
ローリングが生じると、路面4を基準とする実空間に設定されるXYZ直交座標系(第1の座標系)と、車両1の車体の姿勢に依存して変動する局所的なX1Y1Z1直交座標系(第2の座標系)との間にズレ(不一致)が生じる。このズレによって、画像の表示位置の変動が生じる。ローリング補正は、この変動を抑制する画像補正(基本的には、第2の座標系を第1の座標系に変換する座標変換補正)である。
図1(C)では、例えば、右側にハンドルを切ったことから、車両1の車体の左端部が路面4から浮き上がり、車両1の車体は右傾姿勢となっている。ローリング角はθcである。
図1(D)では、例えば、左側にハンドルを切ったことから、車両1の車体の右端部が路面4から浮き上がり、車両1の車体は左傾姿勢となっている。ローリング角はθdである。
図1(C)、(D)の上側において実線で示されるように、ローリングが生じる前は、注意喚起マーク(虚像)70が、先方対象物(例えば前方車両)60に重畳されて表示されているが、ローリングが生じると、破線で示されるように、注意喚起マーク(虚像)の位置が左右方向(XYZ直交座標系における車両1の幅方向(X方向))、及び、上下方向(XYZ直交座標系における車両1の高さ方向(Y方向))に移動する。
図1(C)では、左右方向の変位量(ヨーイング成分)をΔL1と表記し、上下方向の変位量をΔD3と表記している。図1(D)では、左右方向の変位量(ヨーイング成分)をΔL2と表記し、上下方向の変位量をΔD4と表記している。また、位置の移動が生じた後の注意喚起マーク(虚像)には、70’の符号を付している。
図1(C)、(D)における、左右方向の変位量(ヨーイング成分)ΔL1、ΔL2に関しては、車両1に搭乗する運転者(あるいは、その他の搭乗者)の視点(目)の高さ位置(XYZ直交座標系における車両1の高さ方向(Y方向)に沿う位置)が異なることによる変動ばらつきはない。
但し、図1(A)~(D)における上下方向の変位量ΔD1~ΔD4に関しては、視点高さ位置が異なると、変位量も変動することになり、よって、一律の補正量による画像補正では、位置補正の精度に限界がある。したがって、視認者の視点(目)の高さ位置を考慮して、補正量を可変に制御することが重要となる。
図2を参照する。図2は、表示制御装置の構成例、及び、表示制御装置を用いた表示システムの要部構成例を示す図である。
図2の表示システム(ここでは表示装置としてHUD装置を用いることを想定する)では、アイボックスEBの高さの位置(Y方向における位置)を、視認者(運転者等)の視点(目)の高さ位置に合わせて調整することができる。
図2では、標準位置のアイボックスEBを実線で示し、標準位置よりも高い位置(図中、「高」と表記)にあるアイボックスEB’の一部を破線で示し、標準位置よりも低い位置(図中「低」と表記)にあるアイボックスEB’’を一点鎖線で示している。なお、アイボックスEBは、立体的な形状を有するが、図2では、説明の便宜上、平面的に示している。
図2では、アイボックスEBは、複数の領域(Z1~Z9)に区分されており、視点(目)の位置は、その区分された各領域を単位として検出可能である。この構成によれば、視点(目)が位置する領域にのみスポットライティング(局所的画像投影)を実施することで光源の消費電力を削減できる。また、光学系(被投影部材としてのウインドシールド等を含む)による画像の歪みとは逆の歪みを画像に事前に与えるワーピングを、上記の区分された領域単位で実施する視点追従ワーピングを採用することで、電力消費を抑えつつ画像の歪みを抑制することができる。
視点(目)位置の検出は、例えば、カメラ15で、視認者の目(顔等であってもよい)を撮像して、視点位置検出部34にて画像処理等を実施することで判定(特定)することができる。図2の表示システムでは、視点(目)位置検出情報G1は、プロセッサ(表示制御装置)36に供給される。
視点(目)高さ位置は、例えば、実空間に設定されるXYZ直交座標系における座標を判定することで検出可能である。カメラ等によって視点(目)を撮像し、実空間における座標位置を高精度に特定することができる。言い換えれば、実空間における視点(目)の高さ位置を高分解能で、高精度に検出可能である。よって、高精度の画像補正が実施可能である。また、視点(目)高さ位置は、視点基準点NPを基準として、高/低を判定することができる。図2の例では、視点基準点NPは、例えば、標準位置のアイボックスEBの中央の領域Z5の中心(言い換えれば、アイボックスEBの中心)の高さ位置(Z方向の位置)に設定されている。
プロセッサ(表示制御装置)36は、画像表示を制御する制御部38を有する。制御部38は、車両姿勢情報取得部40と、視点位置情報取得部41と、画像補正を統括的に制御する補正制御部(画像補正制御部)43を有する。
補正制御部(画像補正制御部)43は、ピッチング・ローリング補正制御部42と、ワーピング制御部44と、を有する。なお、ピッチング・ローリング補正制御部42は、1つの補正制御部が、ピッチング補正及びローリング補正を共通に制御してもよく、ピッチング補正用の補正制御部とローリング補正用の補正制御部とを別々にもつ構成であってもよい。
ピッチング・ローリング補正制御部42は、視点(目)位置検出情報G1を参照しつつ、あるいは、さらに視点(目)位置検出情報G2も参照しつつ、視点高さ位置に応じた補正量を取得して、画像補正を実施する(詳細は後述する)。
次に、図3を参照する。図3は、図3(A)~(D)は、視点高さ位置に応じて、画像補正(ピッチング補正及びローリング補正の少なくとも一方を含む)の補正量を変化させる場合の例を示す図である。
図3(A)の例では、制御部(図2の符号38)は、視点位置情報取得部41により取得された視点高さ位置検出情報に基づく検出の結果として、視点高さ位置が標準位置の場合は、画像補正の補正量を、基準の補正量(言い換えれば、予め定められている標準の補正量)とし、標準位置よりも高い場合は、標準位置における補正量(基準の補正量)よりも大きくし、低い場合は、標準位置における補正量(基準の補正量)よりも小さくする。
図3(B)の例では、制御部38は、検出された視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変する。このとき、検出された視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、視点高さ位置がより高くなると画像補正の補正量を増大させ、検出された視点高さ位置が標準位置よりも低い場合は、視点高さ位置がより低くなると画像補正の補正量を減少させる。
図3(C)の例では、制御部38は、検出された視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変する場合、視点高さ位置が所定の高さ範囲外となる場合には、画像補正を停止する(言い換えれば、補正量を零とする)。
図3(D)の例では、制御部38は、一例として、検出された視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲である場合には、画像補正の補正量として、所定の固定値の補正量を設定し、検出された視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲である場合には、視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、視点高さ位置がより低くなると画像補正の補正量を減少させてもよい。
他の例としては、制御部38は、検出された視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲である場合には、画像補正の補正量として、所定の固定値の補正量を設定し、検出された視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲である場合には、視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変すると共に、視点高さ位置がより高くなると画像補正の補正量を増大させてもよい。
なお、図3(A)~(D)の各制御に使用可能な補正テーブルの具体例については後述する。
次に、図4を参照する。図4は、表示制御装置を備えるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置の構成例、及び、HUD装置を含む表示システムの構成例を示す図である。図3において、図2と共通する部分には同じ符号を付している。
図4において、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100は、例えば、車両1のダッシュボード7の内部に収納されている。HUD装置100は、光源部24(フラットパネルディスプレイ等を有する表示部22を含む)と、光学系としての平面ミラー26及び曲面ミラー(凹面鏡等)28と、曲面ミラー(凹面鏡等)28を回転駆動する回転機構(アクチュエータを含む)30と、曲面ミラーの回転を制御する曲面ミラー回転制御部31と、入力インタフェース(入力I/F)32と、視点位置制御部34と、プロセッサ(表示制御装置)36と、メモリ(記憶装置あるいは記憶部)50と、描画メモリ65と、画像処理部80と、を有する。
プロセッサ(表示制御装置)36は、先に図2で説明したとおり、画像表示を制御する制御部38を有し、この制御部38は、車両姿勢情報取得部40と、視点位置情報取得部41と、画像補正を統括的に制御する補正制御部(画像補正制御部)43と、を有する。補正制御部(画像補正制御部)43は、ピッチング・ローリング補正制御部42と、ワーピング制御部44と、を有する。
メモリ50は、補正テーブル52を有する。補正テーブル52は、ピッチング補正テーブル54と、ローリング補正テーブル56と、ワーピング補正テーブル58とを備える。なお、画像の補正の補正量を、補正テーブルを用いずに演算にて算出する場合には、メモリ50には、補正演算データ59が記憶される。
画像処理部80は、バス82と、画像生成部84と、プロセッサ(表示制御装置)36から供給される補正量の情報を用いて、画像データを補正する補正部(補正処理部)86と、補正後の画像データを光源部24に供給する出力バッファ88と、を有する。
また、図4の例では、視認者5(5’、5’’)の視点(目)や顔を撮像するカメラ15は、HUD装置100と共に、ダッシュボード7の内部に配置されている。
また、車両1の姿勢情報(ロール角、ピッチ角)を取得するために、ロール角センサ9及びピッチ角センサ11(これらは、例えば加速度センサにより構成される)が設けられる。これらのセンサによって検出されたロール角、ピッチ角の情報は、車両ECU13を経由して、車両姿勢情報G0として、HUD装置100の入力インタフェース(入力I/F)32に供給される。
視点位置検出部34から、視点高さ位置検出情報G1が入力I/F32に供給される。車両姿勢情報G0は、プロセッサ(表示制御装置)36の車両姿勢情報取得部40によって取得され、また、視点高さ位置検出情報G1は、視点位置情報取得部41によって取得される。取得された情報は、ピッチング補正やローリング補正の際の補正量の決定のために使用される。
ピッチング・ローリング補正制御部42は、補正量を決定するために、適宜、メモリ50内の補正テーブル52を参照可能である。補正テーブル52は、例えば、ルックアップテーブル(LUT)形式としてもよい。
また、図4の上側に示されるように、視認者(運転者や他の搭乗者)5の視点(目)6の高さ位置(Y方向の位置)は、視認者の身長や姿勢に応じて変動する。図3では、標準位置の視認者には符号5を付し、そのときの視点(目)には符号6を付している。標準位置よりも高い視点(目)には符号6’を付し、そのときの視認者には符号5’を付している。標準位置よりも低い視点(目)には符号6’’を付し、そのときの視認者には符号5’’を付している。
また、標準位置の視点(目)6に対応して、虚像表示面PS上に虚像Vが表示される。また、視点(目)6’に対応して、虚像表示面PS’上に虚像V’が表示される。また、視点(目)6’’に対応して、虚像表示面PS’’上に虚像V’’が表示される。言い換えれば、視点(目)位置が標準位置よりも高くなると、表示される虚像(画像)位置は低くなり、標準位置よりも低くなると、表示される虚像(画像)位置は高くなる。
視点(目)6(6’、6’’)の高さ位置の変化に対応して、曲面ミラー(凹面鏡等)28が回転機構31によって回転され、これによって曲面ミラー28の位置が適宜、変化する。
曲面ミラー28の位置の変化に対応して、アイボックスEBの高さ位置(Y方向の位置)が変化する。図4において、標準位置のアイボックスにはEBの符号を付し、標準位置よりも高いアイボックスにはEB’の符号を付し、標準位置よりも低いアイボックスにはEB’’の符号を付している。
このように、曲面ミラー28の位置情報(回転情報:回転数や回転角の情報)は、アイボックスの高さ位置に対応し、アイボックスの高さ位置は、視認者の視点(目)の高さ位置に対応している。
次に、図5を参照する。図5(A)は、補正テーブルの一例を示す図、図5(B)は、視点高さ位置の変動に対する画像補正量の変化率の設定例を示す図である。
補正テーブルは、例えば、ルックアップテーブル(LUT)形式で構築することができる。図5(A)の補正テーブル(LUT)は、車両姿勢情報(ピッチ角θp又はロール角θr)と、視点高さ位置検出情報と、をアドレス変数としてアクセスされ、それらの入力に対応する1つの補正量(補正量A~Wの何れか)が出力される。補正量A~Wの値に関しては、A>B>C・・・・>Wが成立する。
図5(A)では、視点(目)位置が標準位置であるときは、補正量Cが選択される。このときの視点高さ位置は「c」であり、この「c」が設計中心であり、言い換えれば、この「c」が、視点高さが、標準位置よりも高いか低いかを判定する基準閾値Sth1となる。
ここで、例えば、視点高さ位置の数値に関して、a>b>c>・・・・>wが成立する。検出された視点高さ位置がa又はbのときは、標準位置c(しきい値Sth1)よりも高いため、画像補正の補正量は、基準の補正量Cよりも大きいA又はBが出力される。
一方、検出された視点高さ位置がd~wのときは、標準位置c(しきい値Sth1)よりも低いため、画像補正の補正量は、基準の補正量Cよりも小さい補正量D~Wが出力される。
視点高さ位置が高いということは、ピッチングやローリングの中心軸から視点(目)までの距離が大きいということである。この場合は、車両の揺れ(姿勢変動)の影響が大きくなり、表示されている画像の、車両1の高さ方向における変化が大きくなり、画像の表示位置の変動が増大する傾向が生じる。よって、その大きな位置変動を効果的に抑制するべく、画像補正の補正量を増大させる。
一方、視点高さ位置が低くなると、車両1の揺れ(姿勢変動)の影響は小さくなるため、上記の大きな補正量を維持していては、オーバー補正となる可能性がある。よって、視点高さ位置の低下に応じて、画像補正の補正量も減少させるものである。
このような、視点高さ位置を考慮した画像補正を実施することで、視認者の違和感を抑制でき、また、先方対象物に対する画像の重畳性の低下を抑制することができる。
また、図5(A)の例では、検出された視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変すると共に、検出された視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、視点高さ位置がより高くなると画像補正の補正量を増大させ、検出された視点高さ位置が標準位置よりも低い場合は、視点高さ位置がより低くなると画像補正の補正量を減少させるようにしている。
検出された視点高さ位置の程度に対応させて、画像補正の補正量を、適応的に可変制御することで、車両1の姿勢変動に対応したより適切な画像補正(ピッチング補正やローリング補正)が可能となる。
次に、図5(B)を参照する。図5(B)では、横軸が曲面ミラーの回転数(図5(A)のa~w)であり、縦軸が、画像補正の補正量(図4(A)のA~W)である。
図示されるように、視点高さ位置がa~cの範囲では、視点高さ位置の変動量に対する補正量の変化率を示す特性線Q1の傾きは急峻であり、変化率が大きい。一方、視点高さ位置がc~wの範囲では、視点高さ位置の変動量に対する補正量の変化率を示す特性線Q2の傾きは緩やかであり、変化率が小さい。
言い換えれば、検出された視点高さ位置の程度に応じて、画像補正の補正量を可変する場合において、検出された視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲における、視点高さ位置の変動量に対する画像補正の補正量の変化率を第1の変化率(特性線Q1で示される変化率)とし、検出された視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲における、視点高さ位置の変動量に対する画像補正の補正量の変化率を第2の変化率(特性線Q2で示される変化率)とするとき、第1の変化率(特性線Q1で示される変化率)が、第2の変化率(特性線Q2で示される変化率)よりも大きく設定されている。
このように、視点高さ位置に応じて画像補正の補正量を可変に制御する際、車両姿勢変動の影響を受けやすい範囲(標準位置よりも視点が高い範囲)では、視点高さ位置の変動量に対する補正量の変化率を大きく設定し、大きな画像の位置変動に迅速に追従可能とし、これによって画像の表示位置が大きく変化することが効果的に防止される。
一方、標準位置よりも視点が低い場合は、画像の位置変動が小さくなるため、補正量をより小さくしてオーバー補正が生じないようにしつつ、小さな画像変動を、確実に抑制することができる。
次に、図6を参照する。図6(A)、(B)は、補正テーブルの他の例を示す図である。図6の補正テーブルは、基本的には図5(A)の補正テーブルと同様である。
但し、図6では、視点高さ位置が所定の高さ範囲外となる場合には、画像補正を停止する(補正量を零とする)という内容が追加されており、この点で図5(A)とは異なる。
図6(A)の補正テーブルでは、図6(A)の補正テーブルの内容に、視点高さ位置がx、y、zの場合(言い換えれば、視点(目)位置が標準位置を基準として低すぎる場合)の補正量のデータが追加されている。この場合の補正量は零である。言い換えれば、図6(A)では、視点高さ位置xを、補正停止しきい値Sth2とし、視点高さ位置がこの補正停止しきい値Sth2以下である場合には、補正量を零とする。
視点(目)高さ位置が低すぎる場合は、車両1の姿勢変動の影響も小さいことから、画像補正を停止しても影響は少ないと考えられる。また、小さい画像の位置変動に対応させて無理に画像補正を実施すると、その画像補正に伴う画像の細かな位置の変化が、かえって視認者に違和感を与えることもあり得る。これらの点を考慮して、画像補正は実施しないこととしたものである。
図6(B)の補正テーブルでは、さらに、視点高さ位置がγ、δの場合(言い換えれば、視点(目)位置が標準位置を基準として高すぎる場合)の補正量のデータが追加されている。この場合の補正量も零である。言い換えれば、図6(B)では、視点高さ位置δを、補正停止しきい値Sth3とし、視点高さ位置が、この補正停止しきい値Sth3以上である場合には、補正量を零とする。
視点(目)高さ位置が高すぎる場合は、車両1の姿勢変動の影響を大きく受けて画像の表示位置の変動が増大していることから、画像補正を行ったとしても、画像の位置変動の抑制効果が不十分となり、画像が不自然に変動するおそれがある。また、無理に画像補正を実施したとき、その画像補正に伴う画像の位置の不自然な変動が、かえって視認者に違和感を与えることもあり得る。これらの点を考慮して、画像補正は実施しないこととしたものである。
次に、図7を参照する。図7(A)、(B)は、画像補正テーブルのさらに他の例を示す図、図7(C)は、ルックアップテーブルの一例を示す図である。
図7(A)は、先に説明した図6(A)の変形例である。図7(A)では、画像補正の補正量の可変制御は、視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲(視点高さ位置d~w)にて実施し、標準位置(視点高さ位置c)よりも高い範囲では、補正量を所定の固定値とする(例えば、固定値は零を含む整数である)。
図7(A)の右上に示されるように、視点高さ位置a、bに対応する補正量は、α(αは、零を含む整数の固定値)に設定されている。
視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲で固定値の補正量αを使用することで、補正量を大きく切り替える必要がなくなり、制御部(図2の符号38)の負担(例えば、補正量を算出したり、取得したりする処理負担)を軽減することが可能である。
図7(B)では、図7(A)とは逆に、画像補正の補正量の可変制御は、視点高さ位置が標準位置よりも高い範囲にて実施し、標準位置よりも低い範囲では、補正量を所定の固定値とする(例えば、固定値は零を含む整数である)。
図7(B)に示されるように、視点高さ位置d~wに対応する補正量は、β(βは、零を含む整数の固定値)に設定されている。
視点高さ位置が標準位置よりも低い範囲で固定値の補正量を使用することで、細かな補正量の可変を頻繁に行う手間が省けることから、制御部38の負担(例えば、補正量を算出したり、取得したりする処理負担)を軽減することが可能である。
図6(A)、(B)の補正テーブルをルックアップテーブル(LUT)として利用する場合には、図6(C)に示すようにピッチ角/ロール角の情報と、視点高さ位置検出情報とをアドレス変数としてルックアップテーブル201に入力し、その入力に対応する補正量を、ルックアップ手Pブル201から出力させる。LUTを用いることで、補正量を容易に、かつ迅速に取得することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、HUD装置100のプロセッサ(表示制御装置)36が、視点追従スポットライティングを実施し、また、制御部38におけるワーピング補正制御部(図3の符号44)が、視点追従ワーピングを実施する。
先に図2を用いて説明したように、アイボックスEB内を、例えば、複数個の領域Z1~Z9に区分し、カメラ15によって視点(目)を撮像して画像処理を実施することで、視点(目)が、現在、どの領域にあるかを検出することができる。
その視点位置検出の結果に基づいて、視点(目)が位置する領域(その周辺を含めてもよい)に、局所的に画像の表示光を投光して光源部24の消費電力を抑え(視点追従スポットライティング)、また、各領域Z1~Z9を単位として、ワーピングパラメータ(光学系による歪みとは逆特性の歪みを事前に与える場合の歪み量(補正量)を決定するパラメータ)を切り替え(視点追従ワーピング)、視点位置に対応した適切なワーピングを実現する。
また、このときに得られた視点位置検出情報(複数の領域Z1~Z9の内の、どの領域に視点(目)が位置するかという情報)は、先の第2の実施形態における、視点高さ位置検出情報としても活用する。言い換えれば、カメラ15による撮像により得られた視点位置情報を、視点追従ライティング、視点追従ワーピング、視点高さ位置を考慮したピッチング補正/ローリング補正、に共通に使用する。
これによって、先の第2の実施形態において、ピッチング補正やローリング補正のために、単独で、視点高さ位置検出情報を取得する必要がなく、制御部38等の負担軽減が図れる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、制御部(図2、図3の符号36)は、画像補正の補正量の設定に際し、ピッチング補正とローリング補正とを区別して取り扱い、各補正に適した補正量を設定する。
例えば、先に示したような補正テーブル(LUT等)を、ピッチング補正用、ローリング補正用に、個別に用意してもよい。これによって、ピッチング、ローリングの各々に対して、適切な画像補正を実施することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、図8を参照する。図8は、画像補正処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS1では、車両の挙動情報(姿勢情報)を取得する。ステップS2では、車両の姿勢角(ピッチ角θp、ロール角θr等)の情報を取得する。ステップS3では、視点高さ位置を検出する。
ステップS4では、視点高さ位置が補正停止範囲外であるかが検出される。Yのときは、ステップS5にて、画像補正における補正量を取得する。このとき、ルックアップテーブルを参照してもよく、また、補正演算によって算出してもよい。
また、ステップS5において、視認者の視点高さ位置が標準位置よりも高いと検出される場合は、画像補正の補正量を、標準位置における補正量よりも大きくし、視点高さ位置が標準位置よりも低いと検出された場合は、画像補正の補正量を、標準位置における補正量よりも小さくして、画像の補正量を可変に制御する。
ステップS6では、取得された補正量を用いて画像補正を実施する。ステップS7では、画像補正後の画像データ(画像コンテンツ)に基づく画像描画処理を実施する。
ステップS4で、Nのときは、ステップS8に移行して補正量を零とし(言い換えれば、ピッチング補正及びローリング補正を実施しないこととし)、続いて、ステップS7に移行する。
なお、上記のステップS2にて、視点が標準位置にあると仮定して標準位置における補正量を仮設定しておき、ステップS5において、仮設定した補正量をそのまま使用できるか否かを判定して、不可の場合は、補正量を再取得(再設定)してもよい。このような変形は、適宜、なし得る。
以上説明したように、本発明によれば、車両のピッチングやローリングが生じた場合でも、位置変動の少ない画像を表示可能な、高性能な表示装置を実現することができる。表示装置は広義に解釈され、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置や、その他の表示器装置にも適用可能である。表示器装置としては、液晶表示装置やマイクロLED装置、その他の種々のディスプレイ装置を使用することができる。
また、表示制御装置として、HUD装置に搭載される表示制御ECUを用いることができるが、これに限定されるものではなく、車両ECUなど、HUD装置以外に搭載されているECUを利用することも可能である。
また、本明細書において、車両という用語は、広義に、乗り物としても解釈し得るものである。また、ナビゲーションに関する用語(例えば標識等)についても、例えば、車両の運行に役立つ広義のナビゲーション情報という観点等も考慮し、広義に解釈するものとする。また、HUD装置には、シミュレータ(例えば、航空機のシミュレータやゲーム装置としてのシミュレータ等)として使用されるものも含まれるものとする。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
1・・・車両(自車両)、2・・・被投影部材(反射透光部材、ウインドシールド等)、6・・・視認者の視点(目)、15・・・カメラ、28・・・曲面ミラー(凹面鏡等)、30・・・曲面ミラーの回転機構、31・・・曲面ミラー回転制御部、
32・・・入力インタフェース(I/F)、34・・・視点位置検出部、36・・・プロセッサ(表示制御装置)、38・・・表示部、40・・・車両姿勢情報取得部、41・・・視点位置情報取得部、42・・・ピッチング・ローリング補正制御部、43・・・補正制御部、44・・・ワーピング補正制御部、50・・・メモリ(記憶装置、記憶部)、52・・・補正テーブル、54・・・ピッチング補正テーブル、56・・・ローリング補正テーブル、58・・・ワーピング補正テーブル、80・・・画像処理部、86・・・補正部(補正処理部)

Claims (11)

  1. 車両に搭載され、画像を、前記車両に搭乗する視認者に視認させる表示装置の画像表示を制御する表示制御装置であって、
    前記車両の姿勢情報を取得する車両姿勢情報取得部と、
    前記視認者の視点高さ位置検出情報を取得する視点位置情報取得部と、
    前記車両のピッチングによる前記画像の表示位置の変動を抑制するように前記画像を補正するピッチング補正、及び、前記車両のローリングによる前記画像の表示位置の変動を抑制するように前記画像を補正するローリング補正の少なくとも一方を含む画像補正を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記視点位置検出情報に基づく検出の結果として、視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、前記画像補正の補正量を、前記標準位置における補正量よりも大きくし、低い場合は、前記標準位置における補正量よりも小さくする制御を実施する、
    表示制御装置。
  2. 前記制御部は、
    検出された視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い場合は、視点高さ位置がより高くなると前記画像補正の補正量を増大させ、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い場合は、視点高さ位置がより低くなると前記画像補正の補正量を減少させる、
    請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記制御部は、
    検出された視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変する場合において、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い範囲における、前記視点高さ位置の変動量に対する前記画像補正の補正量の変化率を第1の変化率とし、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い範囲における、前記視点高さ位置の変動量に対する前記画像補正の補正量の変化率を第2の変化率とするとき、
    前記第1の変化率を、前記第2の変化率よりも大きく設定する、
    請求項3に記載の表示制御装置。
  4. 前記制御部は、
    検出された視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変する場合、前記視点高さ位置が所定の高さ範囲外となる場合には、前記画像補正を停止する、
    請求項2又は3に記載の表示制御装置。
  5. 前記制御部は、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い範囲である場合には、前記画像補正の補正量として、所定の固定値の補正量を設定し、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い範囲である場合には、視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、視点高さ位置がより低くなると前記画像補正の補正量を減少させる、
    請求項1に記載の表示制御装置。
  6. 前記制御部は、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも低い範囲である場合には、前記画像補正の補正量として、所定の固定値の補正量を設定し、
    検出された視点高さ位置が前記標準位置よりも高い範囲である場合には、視点高さ位置の程度に応じて、前記画像補正の補正量を可変すると共に、視点高さ位置がより高くなると前記画像補正の補正量を増大させる、
    請求項1に記載の表示制御装置。
  7. 前記制御部は、
    アイボックス内の区分された複数の領域の各々を単位として、視点追従ワーピングを実施すると共に、その実施の際に得られた、前記視認者の視点が前記複数の領域の内のどの領域に位置するかを示す視点位置情報を、前記視点高さ位置検出情報としても使用する、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示制御装置。
  8. 前記制御部は、
    前記画像補正の補正量の設定に際し、
    前記ピッチング補正と前記ローリング補正とを区別して取り扱い、各補正に適した補正量を設定する、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の表示制御装置と、
    前記ピッチング補正、及び前記ローリング補正の少なくとも一方を含む画像補正を実施する補正部と、
    補正後の画像を表示する表示部と、
    を有する表示装置。
  10. 前記表示装置は、
    前記表示部に表示される画像の表示光を、前記車両に設けられる被投影部材に投影する光学系をさらに有し、前記運転者及び前記乗員の少なくとも一方に虚像を視認させる機能をもつヘッドアップディスプレイ装置である、
    請求項9に記載の表示装置。
  11. 車両に搭載される表示装置における画像表示制御方法であって、
    前記車両の、ピッチング及びローリングの少なくとも一方を含む姿勢情報を取得するステップと、
    前記視認者の視点高さ位置検出情報を取得するステップと、
    前記車両の姿勢の変動による前記表示装置が表示する画像の表示位置の変動を抑制する画像補正に関して、前記視認者の視点高さ位置が標準位置よりも高い場合は、画像補正の補正量を、前記標準位置における補正量よりも大きくし、視点高さ位置が前記標準位置よりも低い場合は、前記画像補正の補正量を、前記標準位置における補正量よりも小さくして、画像の補正量を可変に制御するステップと、
    前記表示装置が表示する画像を、前記可変に制御された補正量に従って補正するステップと、
    を含む、画像表示制御方法。
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