JP2022128225A - 計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 - Google Patents

計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 Download PDF

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】原版と基板との相対位置を精度よく計測するために有利な技術を提供する。【解決手段】第1部材と第2部材との相対位置を計測する計測装置は、前記第1部材に設けられた第1マークと前記第2部材に設けられた第2マークとが撮像視野内に収まっている状態で、前記第1マークおよび前記第2マークを撮像する撮像部と、前記撮像部で取得された第1画像における前記第1マークの位置と、前記撮像部で取得された第2画像における前記第2マークの位置とに基づいて、前記第1部材と前記第2部材との相対位置を求める処理部と、を備え、前記撮像部は、第1撮像条件を用いて前記第1画像を取得し、前記第1撮像条件とは異なる第2撮像条件を用いて前記第2画像を取得する。【選択図】図2

Description

本発明は、計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法に関する。
原版のパターンを基板に転写するリソグラフィ装置として、例えば、露光装置やインプリント装置を挙げることができる。露光装置は、感光材が塗布された基板に投影光学系を介して原版のパターンを投影することにより、原版のパターンに対応する潜像パターンを基板上の感光材に形成する。インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材に原版(モールド)を接触させた状態で当該インプリント材を硬化させることにより、原版のパターンに対応するインプリント材のパターンを基板上に形成する。このようなリソグラフィ装置においては、原版と基板との位置合わせが重要である。特許文献1には、インプリント装置において、原版(モールド)と基板とをインプリント材を介して接触させ、その状態で原版と基板との位置合わせを行う方法が記載されている。
特開2011-181944号公報
リソグラフィ装置における原版と基板との位置合わせでは、原版および基板に設けられた複数種類のマークを検出することにより、原版と基板との相対位置を計測する計測装置が用いられる。しかしながら、当該複数種類のマークは、例えば、マークを構成する材料(材質)、マークの形状、マークの厚みなどが互いに異なることがある。また、複数種類のマークの中には、膜が上に堆積されているマークもある。この場合、複数種類のマークにおける光の反射率が互いに異なりうるため、複数種類のマークについて計測装置で検出される光量に差が生じ、その差によっては、原版と基板との相対位置を精度よく計測することが困難になりうる。
そこで、本発明は、原版と基板との相対位置を精度よく計測するために有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての計測装置は、第1部材と第2部材との相対位置を計測する計測装置であって、前記第1部材に設けられた第1マークと前記第2部材に設けられた第2マークとが撮像視野内に収まっている状態で、前記第1マークおよび前記第2マークを撮像する撮像部と、前記撮像部で取得された第1画像における前記第1マークの位置と、前記撮像部で取得された第2画像における前記第2マークの位置とに基づいて、前記第1部材と前記第2部材との相対位置を求める処理部と、を備え、前記撮像部は、第1撮像条件を用いて前記第1画像を取得し、前記第1撮像条件とは異なる第2撮像条件を用いて前記第2画像を取得する、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、原版と基板との相対位置を精度よく計測するために有利な技術を提供することができる。
インプリント装置の構成を示す概略図 計測部の構成の一例を示す図 計測部の構成の一例を示す図 光源部の構成例を示す図 瞳面における光強度分布と検出開口との関係を示す図 干渉縞を説明するための図 回折格子の構成例を示す図 撮像視野内におけるモールドのマークおよび基板のマークを模式的に示す図 原版側マーク、基板側マークおよび干渉縞を共通の撮像条件で撮像した場合に得られる画像内の各マークの明度(理想的な特性)を示す図 原版側マーク、基板側マークおよび干渉縞を共通の撮像条件で撮像した場合に得られる画像内の各マークの明度(実際の特性)を示す図 モールドと基板との位置合わせを示すフローチャート 撮像部で得られた画像からマークの位置を決定する方法を説明するための図 照明光の強度に対する原板側マークおよび基板側マークの画像を示す図 物品の製造方法を説明するための図
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
以下の実施形態では、リソグラフィ装置として、原版(モールド)を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置を例示して説明するが、それに限られるものではない。例えば、原版(部材)を用いて基板上の組成物を平坦化する平坦化装置、基板を露光して当該基板上に原版(マスク)のパターンを転写する露光装置などの他のリソグラフィ装置においても本発明を適用することができる。
<インプリント装置の実施形態>
本発明に係るインプリント装置の実施形態について説明する。インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。例えば、インプリント装置は、基板上にインプリント材を供給し、凹凸のパターンが形成されたモールド(型)を基板上のインプリント材に接触させた状態で当該インプリント材を硬化させる。そして、モールドと基板との間隔を広げて、硬化したインプリント材からモールドを剥離(離型)することで、基板上にインプリント材のパターンを形成することができる。このような一連の処理は「インプリント処理」と呼ばれ、基板における複数のショット領域の各々について行われる。
インプリント材には、硬化用のエネルギが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始材とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマ成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコータやスリットコータにより基板上に膜状に付与される。あるいは、液体噴射ヘッドにより、液滴状、あるいは複数の液滴が繋がってできた島状または膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
[インプリント装置]
図1は、本実施形態のインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、モールド7(型)を保持する型保持部4と、基板8を保持して移動可能なステージ5とを備えうる。また、インプリント装置1は、照射部2と、計測部3(計測装置)と、供給部6と、制御部12とを備えうる。なお、本実施形態のインプリント装置1は、光をインプリント材に照射することにより当該インプリント材を硬化させる光硬化法を採用するものとする。また、図1では、基板8の表面に平行な面内において互いに直交する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向としている。以下の説明において「X軸方向」と記載されている場合、それは+X方向および-X方向を含むものとして定義されうる。「Y軸方向」および「Z軸方向」についても同様である。
モールド7は、通常、石英など紫外線を透過させることが可能な材料で作製されており、基板側の面において基板側に突出した一部の領域(パターン領域7a)には、基板上のインプリント材に転写されるべき凹凸パターンが形成される。また、基板8としては、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板8としては、具体的に、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、石英ガラスなどである。また、インプリント材の付与前に、必要に応じて、インプリント材と基板との密着性を向上させるために密着層を設けてもよい。
型保持部4は、真空吸着力や静電力などによりモールド7を保持する原版保持部である。型保持部4は、モールド7を保持する型チャックと、当該型チャックをZ軸方向に駆動することによりモールド7をZ軸方向に駆動する型駆動機構とを含みうる。型駆動機構は、例えば、モールド3と基板上のインプリント材とを接触させる接触処理、および/または、硬化したインプリント材からモールド3を剥離する離型処理において、モールド7をZ軸方向に駆動してモールド7と基板8との間隔を変更する。接触処理は、モールド7を基板上のインプリント材に押し付ける押型処理として理解されてもよい。また、型保持部4は、モールド7のパターン領域7aと基板8のショット領域との形状差を低減させるためにモールド7を変形させる変形機構や、モールド7を傾けるチルト機構、モールド7をX軸方向およびY軸方向に駆動する駆動機構などを含んでもよい。
ステージ5は、真空吸着力や静電力などにより基板8を保持する基板保持部であり、X軸方向およびY軸方向に移動可能に構成される。ステージ5は、例えば、基板8を保持する基板チャックと、基板チャックを駆動することにより基板8をX軸方向およびY軸方向に駆動する基板駆動機構とを含みうる。また、ステージ5は、Z方向およびθ方向(Z軸周りの回転方向)に基板8を駆動する駆動機構や、基板8を傾けるチルト駆動機構などを含んでもよい。
ここで、本実施形態のインプリント装置1では、接触処理および/または離型処理においてモールド7と基板8との間隔を変更する動作は、型保持部4によりモールド3をZ軸方向に駆動することで行われうるが、それに限られるものではない。例えば、当該動作を、ステージ5により基板8をZ軸方向に駆動することで行われてもよいし、型保持部4およびステージ5の双方によりモールド7と基板8とを相対的にZ軸方向に駆動することで行われてもよい。また、本実施形態のインプリント装置1では、モールド7と基板8との位置合わせは、ステージ5により基板8をX軸方向およびY軸方向に駆動することで行われうるが、それに限られるものではない。例えば、当該位置合わせは、型駆動部4によりモールド7をX軸方向およびY軸方向に駆動することで行われてもよいし、型保持部4およびステージ5の双方によりモールド7と基板8とを相対的にX軸方向およびY軸方向に駆動することで行われてもよい。
照射部2(硬化部)は、インプリント処理の際、モールド7と基板8上のインプリント材とが接触している状態で、基板8上のインプリント材にモールド7を介して光(例えば紫外線)を照射することにより当該インプリント材を硬化させる。照射部2は、光(紫外線)を射出する光源と、当該光源から射出された光を基板上のインプリント材に対して所定の形状で均一に照射するための複数の光学素子とを有しうる。例えば、照射部2による光の照射領域(照射範囲)は、モールド7のパターン領域7aの面積と同程度、または、パターン領域7aの面積よりもわずかに大きい面積とすることができる。これは、照射領域を必要最小限とすることで、光の照射で生じる熱に起因してモールド7または基板8が膨張し、インプリント材のパターンに位置ずれや歪みが発生することを抑えるためである。加えて、基板8等で反射された紫外線が供給部6に到達して供給部6内に残留したインプリント材が硬化してしまうことで、供給部6による後の動作に異常が生じることを防止するためでもある。光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、各種エキシマランプ、エキシマレーザまたは発光ダイオードなどが採用可能である。なお、光源の種類、数または波長などは、被受光体であるインプリント材の特性に応じて適宜選択されうる。
計測部3(計測装置)は、第1部材(モールド7または型保持部4)に設けられた第1マークと第2部材(基板8またはステージ5)に設けられた第2マークとを光学的に検出することにより、第1部材と第2部材との相対位置を計測する。本実施系形態の場合、計測部3は、第1マークと第2マークとを撮像視野内に収まっている状態で第1マークおよび第2マークを撮像する撮像部25(撮像素子)を含み、撮像部25で得られた画像に基づいて第1部材と第2部材との相対位置を計測する。計測部3は、第1部材に設けられた第3マークと第2部材に設けられた第4マークとが重なり合うことにより生成される干渉縞を撮像部25により撮像し、それにより得られた画像に基づいて第1部材と第2部材との相対位置を計測してもよい。
本実施形態では、モールド7を第1部材、モールド7に設けられたマーク10を第1マークおよび/または第3マーク、基板8を第2部材、基板8(ショット領域)に設けられたマーク11を第2マークおよび/または第4マークとして説明する。計測部3の構成および各マークの構成/配置の詳細については後述する。また、インプリント装置1は、モールド7のマーク10および基板8のマーク11の位置に応じて、マーク10およびマーク11が撮像視野内に収まるようにX軸方向およびY軸方向に計測部3を駆動する駆動機構を備えてもよい。当該駆動機構は、計測部3の焦点をマークの位置に合わせるためにZ軸方向に計測部3を駆動するように構成されてもよい。
供給部6(吐出部、ディスペンサ)は、基板8上にインプリント材9(例えば未硬化樹脂)を供給する。本実施形態の場合、インプリント材9は、紫外線の照射によって硬化する性質を有する光硬化性のインプリント材であるが、半導体デバイスの種類などにより適宜選択されうる。なお、図1ではインプリント装置1の内部に供給部6があるが、供給部6をインプリント装置1の内部に設置せずに、インプリント装置1の外部に設けてもよい。供給部6が外部に設けられた場合、供給部6により予めインプリント材9が供給された基板8をインプリント装置1の内部に導入する構成となる。この構成によれば、インプリント装置1の内部でインプリント材を基板8上に供給する工程がなくなるため、インプリント装置1のスループットの点で有利になりうる。
制御部12は、例えばCPU(プロセッサ)やメモリなどを有するコンピュータによって構成され、インプリント装置1の各部を制御することによりインプリント処理を制御する。具体的には、制御部12は、照射部2、計測部3、型保持部4、ステージ5、および供給部6と電気的に接続され、各部に制御指令を送信したり、各部から情報を取得したりすることにより、インプリント処理を制御しうる。例えば、制御部12は、計測部3で計測されたモールド7と基板8との相対位置の情報を取得し、その情報に基づいて型保持部4および/またはステージ5を制御することにより、モールド7と基板8との位置合わせを行う。なお、X軸方向およびY軸方向にモールド7と基板8とを相対的に駆動する駆動機構(型保持部4および/またはステージ5)と、計測部3と、制御部12とを備える装置は、モールド7と基板8との位置合わせ装置として理解されてもよい。
次に、インプリント装置1によるインプリント処理について説明する。インプリント処理は、ステージ5により保持された基板8における複数のショット領域の各々に対して行われ、例えば、供給工程、接触工程、位置合わせ工程、硬化工程および離型工程を含みうる。供給工程では、インプリント処理を行う対象ショット領域が供給部6の下方に配置されるようにステージ5を移動させ、供給部6により対象ショット領域上にインプリント材9を供給する。接触工程では、対象ショット領域がモールド7の下方に配置されるようにステージ5を移動させた後、型保持部4によりモールド7を駆動してモールド7と基板8との間隔を狭めることにより、モールド7と基板上のインプリント材9とを接触させる。位置合わせ工程では、計測部3によりモールド7と基板8との相対位置を計測し、その計測結果(相対位置の情報)に基づいて、X軸方向およびY軸方向におけるモールド3と基板8との位置合わせを行う。位置合わせ工程では、計測部3の計測結果に基づいて、モールド7のパターン領域7aと基板8のショット領域との形状差が低減するように、前述の変形機構を用いてモールド7を変形させてもよい。硬化工程では、照射部2により基板上のインプリント材9に光(紫外線)を照射することで当該インプリント材9を硬化させる。離型工程では、型保持部4によりモールドMを駆動してモールド7と基板8との間隔を広げることにより、硬化したインプリント9からモールド7を剥離する。このようなインプリント処理を複数のショット領域の各々に対して行うことにより、インプリント材9の硬化物のパターンを各ショット領域上に形成することができる。
[計測部の構成例]
計測部3(計測装置)の構成例について説明する。図2は、本実施形態の計測部3の構成の一例を示す図である。計測部3は、検出光学系21(検出部)、照明光学系22(照明部)、処理部26、および光源制御部28を有しうる。
照明光学系22は、光源部23から射出された光を、レンズ27aにより平行光にした後、プリズム24などを用いて検出光学系21と同じ光軸上へ導き、撮像視野内におけるマーク10およびマーク11をレンズ27bを介して照明する。光源部23は、例えばハロゲンランプやLED、半導体レーザ(LD)、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどを含み、インプリント材9を硬化させる光(紫外線)の波長を含まない光(例えば可視光線、赤外線)を射出するように構成されうる。光源制御部28は、光源部23を制御する。本実施形態の場合、検出光学系21および照明光学系22は、それらを構成する光学部材の一部(具体的には、プリズム24およびレンズ27b)を共有するように構成されている。また、プリズム24は、検出光学系21および照明光学系22の瞳面もしくはその近傍に配置されている。
検出光学系21は、照明光学系22によって照明されたモールド7のマーク10および基板8のマーク11の像を、レンズ27bとプリズム24とレンズ27cを介して撮像部25(撮像素子)の撮像面上に形成(結像)する。また、マーク10およびマーク11が回折格子をそれぞれ有する場合、検出光学系21は、それらの回折格子が重なり合って回折光同士が干渉することにより発生する干渉縞(モアレ縞)を撮像部25の撮像面上に形成(結像)する。干渉縞(モアレ縞)の光強度は、モールド7(マーク10)および基板8(マーク11)の回折効率に依存する。また、回折効率は、照明光の波長に応じて周期的に変化するものである。したがって、照明光の波長には、干渉縞を撮像面に効率よく形成することができる波長と、干渉縞を撮像面に形成することが困難な波長とがある。干渉縞の形成が困難な波長の照明光は、撮像部25で得られる画像のノイズとなりうる。なお、撮像部25の撮像素子としては、CCDセンサやCMOSセンサなどが用いられる。
処理部26は、例えばCPUやメモリなどを有するコンピュータで構成される。処理部26は、撮像視野内に含まれるマーク10およびマーク11の撮像により撮像部25で得られた画像(画像データ)を取得し、その画像に基づいて、モールド7(マーク10)と基板8(マーク11)との相対位置を求める。これにより、インプリント装置1の制御部12は、計測部3(処理部26)で計測されたモールド7と基板8との相対位置を示す情報に基づいて、モールド7と基板8との位置合わせを制御することができる。なお、処理部26は、インプリント装置1の制御部12の一部として構成されてもよい。
ここで、プリズム24は、2つの光学部材を張り合わせて構成されており、その貼り合せ面に、照明光学系22の瞳面における周辺部分の光を反射するための反射膜24aを有する。この反射膜24aは、検出光学系21の瞳の大きさ、或いは検出NAを規定する開口絞りとしても機能しうる。プリズム24は、貼り合せ面に半透膜を有するハーフプリズムであってもよい。或いは、プリズム24に代えて、表面に反射膜を有する板状の光学素子が採用されてもよい。さらに、照明光学系22の瞳における中央領域の光を反射し、周辺領域の光を透過させるように反射膜24aを構成し、光源部23および撮像部25の位置を入れ替えてもよい。
また、照明光学系22の瞳面における光強度分布、および検出光学系21の検出NAを定める位置は、プリズム24の位置でなくてもよい。例えば、図3に示すように、検出光学系21および照明光学系22に、それぞれ個別の開口絞り29a~29bを設けてもよい。この構成では、開口絞り29aの開口形状によって検出光学系21の検出NAが決定され、開口絞り29bの開口形状により照明光学系22の瞳面における光強度分布が決定される。この構成におけるプリズム24としては、2つの光学部材の貼り合せ面に半透膜を有するハーフプリズム等が用いられる。
次に、光源部23の構成例について説明する。図4は、光源部23の構成例を示す図である。光源部23は、複数の光源30a~30dを含みうる。複数の光源30a~30dの各々としては、例えば半導体レーザ(LD)が使用されうるが、LED、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプやナトリウムランプなどが使用されてもよいし、それらの組み合わせた光源が使用されてもよい。また、複数の光源30a~30dは、各光源から射出される光の波長が互いに異なるように構成されうる。例えば、第1光源30aは、第1波長の光を射出し、第2光源30bは、第1波長とは異なる第2波長の光を射出する。第1光源30aは、第1波長帯域の光を射出し、第2光源30bは、第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を射出すると理解されてもよい。なお、特定の波長(帯域)における光強度を上げるために、特定の複数の光源で同じ波長(帯域)を射出するように構成してもよい。また、光源と波長(帯域)の数は4つに限られるものではない。
光学系31a~31dは、例えばレンズであり、複数の光源30a~30dの各々に対応して設けられている。光学系31a~31dの各々は、複数の光源30a~30dの各々から放出された光を所望の状態(形状)に整形する。光学系31a~31dを通過した光は、光学素子32a~32dで反射または透過されて、1つの光束として合成される。各光学素子32a~32dとしては、ダイクロイックミラーやハーフミラーなどが用いられうる。各光源30a~30dから射出される光の波長帯域が例えば光源間で50nm程度以上互異なる場合には、各光源30a~30dからの光を合成する各光学素子32a~32dとしてダイクロイックミラーを用いることができる。一方、各光源30a~30dから射出される光の波長帯域が光源間で同じまたは近傍であり、各光源30a~30dからの光をダイクロイックミラーで効率よく合成することができない場合には、各光学素子32a~32dとしてハーフミラーが用いられてもよい。
図4に示す例では、複数の光源30a~30dからの光が1つずつ合成されているが、例えば、複数の光源30a~30dからの光が2つずつ合成されて複数の合成光が生成された後に、複数の合成光が合成されてもよい。光源30a~30dの種類や波長、およびスペースを考慮して合成の仕方を選択することができる。また、複数の光源30a~30dには、各光源を制御(駆動)する光源制御部28が接続されている。光源制御部28は、複数の光源30a~30dの駆動電流や印加電圧を制御することによって、各光源の出力エネルギー(光源から射出される光の強度)を個別に制御することができる。なお、光源制御部28は、インプリント装置1の制御部12の一部として構成されてもよい。また、複数の光源30a~30dの各々に対して光源制御部28が個別に設けられてもよい。
光学素子32a~32dによって合成された光は、調整部34によって光強度が調整される。調整部34は、例えばNDフィルタを含みうる。NDフィルタは、それを通過する光の強度を調整する素子であり、例えば石英に付与した金属膜の種類や膜厚によってNDフィルタの透過率が決定されうる。調整部34は、透過率が互いに異なる複数のNDフィルタを備え、それらから選択される1つのNDフィルタを光路に配置することによって光の強度を調整してもよい。また、調整部34は、光が通過する部分に応じて透過率が変化するように構成されたNDフィルタを含む場合、当該NDフィルタのうち目的とする光強度に応じた部分を光路に配置することにより光の強度を調整してもよい。ここで、調整部34は、NDフィルタを用いずに、各光源部30a~30dの駆動電流を制御することによって光の強度を調整してもよいし、NDフィルタと各光源30a~30dの駆動電流の制御との組み合わせによって光の強度を調整してもよい。
調整部34を通過した光は、拡散板35を通過した後にファイバ36に導かれる。各光源30a~30dとして半導体レーザが用いられる場合、各光源30aから射出される光の波長帯域が数nmと狭いため、干渉によって観察される像にノイズ(スペックルノイズ)が発生しうる。このようなスペックルノイズは、拡散板35を回転させて時間的に波形の状態を変化させることによって低減することができる。また、ファイバ36から射出される光が、光源部23から射出される光となる。
なお、調整部34のNDフィルタは、複数の光源30a~dの各々に対して個別に設けられてもよい。この場合、NDフィルタは、各光源30a~30dから射出された光が他の光と合成される前の各光路内に設けられうる。NDフィルタとしては、光が通過する位置によって透過率が変化する方式のフィルタが用いられるとよい。また、透過率が互いに異なる波長の光を透過させる複数の波長フィルタを用意し、それらのうちから選択された波長フィルタを光源部23とモールド7との間の光路に配置する波長選択部を備えてもよい。また、光学素子32a~32dによって合成された光を回折格子で分光し、分光された光の光量分布に対して、場所によって透過光量が変化するNDフィルタ等で光量分布を調整して、各波長の光量を調整してもよい。
図5は、計測部3の照明光学系22の瞳面における光強度分布(IL1~IL4)と、検出光学系21の瞳面における検出開口NAとの関係を示す図である。図5に示す例では、照明光学系22の瞳面における光強度分布は、円形状の光強度分布である第1極IL1と、第2極IL2と、第3極IL3と、第4極IL4とを含む。各極は、各極内において光強度のピークを有する。この構成により、照明光学系22は、マーク10およびマーク11における回折格子の計測方向(周期方向)に対して垂直な方向から斜入射する光と、当該計測方向に平行な方向から斜入射する光とによって、マーク10およびマーク11を照明することができる。
図2に示すように、開口絞りとして機能する反射膜24aを照明光学系22の瞳面に配置したり、図3に示すように、開口絞り29bを照明光学系22の瞳面に配置したりすることで、1つの光源部23から複数の極(IL1~IL4)を形成することができる。このように複数の極(ピーク)を有する瞳強度分布を形成する場合には、複数の光源部を必要としないため、検出部50を簡略化又は小型化することができる。
[干渉縞の検出原理]
次に、モールド7のマーク10(回折格子)と基板8のマーク11(回折格子)とで形成される干渉縞(モアレ縞)の発生原理、および、干渉縞を用いてモールド7(マーク10)と基板8(マーク11との相対位置の計測方法について説明する。図6(a)は、モールド7のマーク10における回折格子41の一例を示しており、図6(b)は、基板8のマーク11における回折格子42の一例を示している。回折格子41および回折格子42は、互いに対して周期パターン(格子)の周期(格子ピッチ)が僅かに異なるように構成されうる。この2つの回折格子41~42を互いに近づけて重ね合わせると、2つの回折格子41~42からの回折光同士の干渉によって、2つの回折格子41~42の周期差を反映した周期を有するパターン、いわゆる干渉縞(モアレ縞)が現れる。干渉縞の位相(明暗の位置)は、2つの回折格子41~42の相対位置に応じて変化するため、干渉縞を検出することにより、回折格子41と回折格子42との相対位置、即ち、モールド7と基板8との相対位置を求めることができる。
具体的には、格子ピッチが僅かに異なる回折格子41と回折格子42とを重ね合わせると、これら2つの回折格子41~42からの回折光が重なり合うことで、図6(c)に示すように、周期の差を反映した周期を有する干渉縞が発生する。上述したように、干渉縞の位相(明暗の位置)は、回折格子41と回折格子42との相対位置に応じて変化する。例えば、回折格子41と回折格子42とを相対的にX軸方向にずらすと、図6(c)に示す干渉縞は、図6(d)に示す干渉縞に変化する。このように干渉縞の位相は、回折格子41と回折格子42との相対位置を実際にずらした量より大きな周期で変化する。そのため、計測部3では、回折格子41と回折格子42との実際の位置ずれ量を拡大して検出し、モールド7と基板8との相対位置を高精度に検出することができる。
ここで、干渉縞を検出するために、2つの回折格子41~42を明視野で検出する(2つの回折格子41~42をZ軸方向から照明し、2つの回折格子41~42でZ軸方向に回折される回折光を検出する)場合を考える。この場合、検出光学系21は、各回折格子41~42からの0次光も検出してしまう。0次光は、干渉縞のコントラストを低下させる要因となるため、計測部3は、0次光を検出しない構成、即ち、回折格子41~42を斜入射で照明する暗視野の構成を有することが好ましい。暗視野の構成でも干渉縞を検出することができるように、回折格子41~42のうち一方を、図7(a)(c)に示すようなチェッカーボード状の回折格子(第1回折格子)とし、他方を、図7(b)(d)に示すような回折格子(第2回折格子とするとよい。図7(a)(c)に示す第1回折格子は、計測方向と平行な方向(第1方向)と、計測方向に垂直な方向(第2方向)との双方にそれぞれ周期をもつ回折格子である。一方、図7(b)(d)に示す第2回折格子は、計測方向と平行な方向(第1方向)のみにおいて、図7(a)(c)に示す第1回折格子のX軸方向における周期とは異なる周期をもつ回折格子である。なお、第1方向と第2方向とは、垂直に限られず、互いに異なっていれば計測が可能とある。
図5に示す第1極IL1および第2極IL2からの光は、図7(a)~(b)に示す第1回折格子および第2回折格子に照射されると、第1回折格子よってY軸方向に回折するとともにX軸方向にも回折する。さらに、周期が僅かに異なる第2回折格子によってX軸方向に回折した光は、X軸方向の相対位置情報を有する干渉縞として検出光学系21の瞳上の検出領域(NA)に入射し、撮像部25で撮像(検出)される。これにより、処理部26は、撮像部25で得られた干渉縞の画像から、X軸方向(計測方向)における2つの回折格子の相対位置を求めることができる。
同様に、図5に示す第3極IL3および第4極IL4からの光は、図7(c)~(d)に示す第1回折格子および第2回折格子に照射されると、第1回折格子よってX軸方向に回折するとともにY軸方向にも回折する。さらに、周期が僅かに異なる第2回折格子によってY軸方向に回折した光は、Y軸方向の相対位置情報を有する干渉縞として検出光学系21の瞳上の検出領域(NA)に入射し、撮像部25で撮像(検出)される。これにより、処理部26は、撮像部25で得られた干渉縞の画像から、Y軸方向(計測方向)における2つの回折格子の相対位置を求めることができる。
このように、図7(a)~(b)に示す回折格子の相対位置の検出においては、第1極IL1および第2極IL2からの光が使用され、第3極IL3および第4極IL4からの光は使用されない。一方、図7(c)~(d)に示す回折格子の相対位置の検出においては、第3極IL3および第4極IL4からの光が使用され、第1極IL1および第2極IL2からの光は使用されない。上述した暗視野の構成は、図7(a)~(b)に示す回折格子の組と、図7(c)~(d)に示す回折格子の組とを、撮像部25の撮像視野内に配置して同時(一度)に2つの軸方向の相対位置を検出する場合に特に有用である。
[撮像部によるマークの撮像]
次に、計測部3の撮像部25により撮像視野内で撮像されるモールド7のマーク10および基板8のマーク11の構成例について説明する。図8は、モールド7と基板8とを近づけたとき(例えば、モールド7と基板上のインプリント材とを接触させたとき)に撮像部25により撮像視野内で撮像されるモールド7のマーク10および基板8のマーク11を模式的に示す図である。図8では、撮像部25の撮像視野Aが示されており、撮像部25は、当該撮像視野A内における各マークを一括に(一度に)撮像することが可能である。図8に示す例では、撮像部25の撮像視野A内に原版側マーク51(第1マーク)、基板側マーク52(第2マーク)、および干渉縞53~54が含まれている。
原版側マーク51は、モールド7と基板8との相対位置を粗計測するためにモールド7に設けられた粗計測用のマークであり、モールド7のマーク10の一部を構成する。一方、基板側マーク52は、モールド7と基板8との相対位置を粗計測するために基板8に設けられた粗計測用のマークであり、基板8のマーク11の一部を構成する。計測部3の処理部26は、撮像部25に原版側マーク51と基板側マーク52とを撮像させることにより得られた画像(画像データ)に基づいて、原版側マーク51と基板側マーク52との距離D1(相対位置)を求める。例えば、処理部26は、原版側マーク51および基板側マーク52のそれぞれについて幾何的な中心位置を求め、原版側マーク51の中心位置と基板側マーク52の中心位置との差を距離D1として求めることができる。また、原版側マーク51と基板側マークとは、所定の基準距離だけY軸方向に離間するように設計されている。そのため、処理部26は、この基準距離と距離D1との差を、モールド7と基板8との相対位置のずれ(即ち、目標相対位置からのずれ)として求めることができる。このように、計測部3(処理部26)は、原版側マーク51と基板側マーク52を用いて、モールド7と基板8との相対位置のラフな計測(粗計測)を行うことができる。
干渉縞53~54の各々は、モールド7と基板8との相対位置を精密に計測するための精密計測用のマークである。干渉縞53~54の各々は、モールド7のマーク10の一部を構成する原版側の回折格子(第3マーク)と、基板8のマーク11の一部を構成する基板側の回折格子(第4マーク)とが重なり合うことにより形成されうる。前述したように、原版側の回折格子と基板側の回折格子とは、計測方向(Y軸方向)の周期(格子ピッチ)が互いに微小に異なるため、それらを重ね合わせるとY軸方向に干渉縞(モアレ縞)が形成される。計測部3の処理部26は、撮像部25に干渉縞53~54を撮像させることにより得られた画像(画像データ)に基づいて、原版側の回折格子と基板側の回折格子との相対位置、即ち、モールド7と基板8との相対位置を求めることができる。干渉縞53~54の各々では、モールド7(原版側の回折格子)と基板8(基板側の回折格子)との相対位置が変化すると、その変化量より大きい量で変化する。そのため、計測部3(処理部26)は、原版側マーク51および基板側マーク52を用いる場合より、モールド7と基板8との相対位置を精密に計測することができる。
また、干渉縞53と干渉縞54とは、原版側の回折格子と基板側の回折格子との周期の大小関係が異なっており、それらの回折格子の相対位置が変化したときの干渉縞の位相(明暗の位置)のシフト方向が異なる。例えば、干渉縞53については、原版側の回折格子の周期の方が基板側の回折格子の周期よりも微小に大きいため、モールド7に対して基板8が相対的に+Y方向へシフトすると、干渉縞53の位相(明暗の位置)は+Y方向へシフトする。一方、干渉縞54については、原版側の回折格子の周期の方が基板側の回折格子の周期よりも微小に小さいため、モールド7に対して基板8が相対的に+Y方向へシフトすると、干渉縞54の位相(明暗の位置)は-Y方向へシフトする。このように2種類の干渉縞53~54を用いることにより、計測部3(処理部26)は、2種類の干渉縞53~54における位相差D2に基づいて、モールド7と基板8との相対位置をより精密に計測することができる。
ここで、モールド7(原版側の回折格子)と基板8(基板側の回折格子)との相対位置が干渉縞53~54の位相の周期分だけずれている場合、干渉縞53~54からは、当該相対位置における干渉縞の位相の周期分のずれを認識(検出)することができない。そのため、本実施形態では、図8に示すように、干渉縞53~54より低い精度でモールド7と基板8との相対位置を求めることができる粗計測のマークとして、原版側マーク51および基板側マーク52が用いられている。このような粗計測マークを用いることにより、モールド7と基板8との相対位置における干渉縞の位相の周期分のずれを認識(特定、検出)することができる。これを概念的に説明すると、例えば、モールド7と基板8との相対位置が2桁の値で表されるとすると、十の位の値が、原版側マーク51および基板側マーク52を用いて求められ、一の位の値が、干渉縞53~54を用いて求められうる。
[計測部による計測処理について]
次に、計測部3によるモールド7と基板8との相対位置の計測処理について説明する。前述したように、計測部3(処理部26)は、撮像視野A内に含まれる原版側マーク51、基板側マーク52および干渉縞53~54を撮像部25に撮像させ、それにより得られた画像に基づいて、モールド7と基板8との相対位置を計測する。しかしながら、原版側マーク51、基板側マーク52および干渉縞53~54では、例えば、マークを構成する材料(材質)、マークの形状、マークの厚み、マークの上に堆積される膜の有無や種類が互いに異なることがある。この場合、マーク51~54の反射率が互いに異なり、撮像部25で得られた画像内におけるマーク51~54の明度差が生じるため、その明度差の大きさによっては、各マーク51~54の位置を精度よく検出することが困難になりうる。即ち、モールド7と基板8との相対位置を精度よく計測することが困難になりうる。このことについて、図9~図10を参照しながら説明する。
図9~図10は、撮像視野A内における原版側マーク51、基板側マーク52および干渉縞53~54を共通の(同一の)撮像条件で撮像した場合に得られる画像内の各マーク51~54の明度を示す図である。図9は理想的な特性を表しており、図10は実際の特性を表している。図9~図10において、縦軸は、撮像部25で得られる画像内における各マーク51~54の明度を、当該画像内の最大明度を100%として示している。最大明度とは、例えば、画像内の各画素の明度をRGB256諧調(0~255)で表した場合において、明度が255(真っ白)となる画素の明度のことである。一方、横軸は、撮像視野A内における各マーク51~54を照明する照明光の強度を、照明光の最大強度を100%として示している。照明光の最大強度とは、例えば、計測部3(光源部23)から射出することができる照明光の強度の最大値のことである。照明光の強度の調整は、例えば、光源部23に含まれる調整部34(NDフィルタ34を用いて行われうる。
ここで、撮像部25の撮像条件は、例えば、撮像視野A内の各マーク51~54を照明する照明光の強度、各マーク51~54を照明する照明光の波長、および撮像部25(撮像素子)の電荷蓄積時間の少なくとも1つを含む。本実施形態では、撮像部25の撮像条件として、照明光の強度を用いる例を説明する。また、明度の許容範囲とは、撮像部25で得られた画像に基づいて処理部26で決定(算出)される各マークの位置の誤差を目標範囲に収めることができる明度の範囲であり、本実施形態では40~95%の範囲に設定されている。
図9に示す理想的な特性では、マーク51~54の反射率が同程度であり、撮像部25で得られた画像内におけるマーク51~54の明度差が比較的小さい。そのため、撮像視野A内のマーク51~54について共通の撮像条件(例えば、照明光の強度が60%)を用いたとしても、画像内における全てのマーク51~54の明度を許容範囲内に収めることができる。しかしながら、実際には、図10に示すように、マーク51~54の反射率が互いに異なるため、撮像部25で得られた画像内におけるマーク51~54の明度差が比較的大きい。この場合、撮像視野A内のマーク51~54について共通の撮像条件(照明光の強度)を用いてしまうと、画像内において明度が許容範囲内に収まらないマークが生じうる。例えば、図10に示す例では、画像内における原版側マーク51の明度が許容範囲に収まるように撮像条件を設定した場合(例えば、照明光の強度を20~40%にした場合)、画像内における基板側マーク52の明度を許容範囲に収まることができない。一方、画像内における基板側マーク52の明度が許容範囲に収まるように撮像条件を設定した場合(例えば、照明光の強度を80~100%にした場合)、画像内における原版側マーク51の明度を許容範囲に収まることができない。
そこで、本実施形態の計測部3は、撮像視野内における2以上のマークについて撮像部25の撮像条件を変更する。具体的には、計測部3の撮像部25は、撮像視野A内に収まっている原版側マーク51(第1マーク)および基板側マーク52(第2マーク)を第1撮像条件で撮像することで第1画像を取得する。また、撮像部25は、撮像視野A内に収まっている原版側マーク51および基板側マーク52を、第1撮像条件とは異なる第2撮像条件で撮像することで第2画像を取得する。そして、計測部3の処理部26は、第1画像における原版側マーク51の位置を求め、第2画像における基板側マーク52の位置を求める。これにより、原版側マーク51および基板側マーク52の各々について、撮像部25で得られる画像内の明度を調整することができるため、原版側マーク51の位置および基板側マーク52の位置をそれぞれ精度よく求めることができる。即ち、モールド7(原版側マーク51)と基板8(基板側マーク52)との相対位置を精度よく求めることができる。ここで、第1撮像条件は、撮像部25で得られる第1画像内における原版側マーク51の明度が許容範囲に収まるように設定されうる。また、第2撮像条件は、撮像部25で得られる第2画像内における基板側マークの明度が当該許容範囲内に収まるように設定されうる。第1撮像条件および第2撮像条件は、共通の明度の許容範囲を用いて、実験やシミュレーションなどにより事前に設定されうる。
図11は、本実施形態に係るモールド7と基板8との位置合わせを示すフローチャートである。当該位置合わせは、計測部3によるモールド7と基板8との相対位置の計測処理を含みうる。図11のフローチャートの各工程は、制御部12および/または計測部3の処理部26によって行われうる。
ステップS1~S6は、原版側マーク51および基板側マーク52を用いた粗計測の結果に基づいて、モールド7と基板8との相対位置を制御する工程である。
ステップS1では、処理部26は、撮像視野A内における各マーク51~54を撮像部25に第1撮像条件で撮像させることにより第1画像を取得する。次いで、ステップS2では、処理部26は、ステップS1で取得された第1画像における原版側マーク51の位置を決定(算出)し、決定した原版側マーク51の位置の情報をメモリに記憶する。
ステップS3では、処理部26は、撮像視野A内における各マーク51~54を撮像部25に第2撮像条件で撮像させることにより第2画像を取得する。第2画像は、第1画像と共通の撮像素子(撮像部25の撮像素子)を用いて得られる。また、第2画像を得るための撮像部25による撮像(即ち、ステップS3)は、第1画像を得るための撮像部25による撮像(即ちは、ステップ1)と異なるタイミングで行われる。次いで、ステップS4では、処理部26は、ステップS3で取得された第2画像における基板側マーク52の位置を決定(算出)し、決定した基板側マーク52の位置の情報をメモリに記憶する。
ステップS5では、処理部26は、ステップS2で決定された原版側マーク51の位置と、ステップS4で決定された基板側マーク52の位置とに基づいて、モールド7と基板8(ショット領域)との相対位置を決定する。ステップS6では、制御部12は、ステップS5で決定されたモールド7と基板8との相対位置に基づいて、モールド7と基板8とのラフな位置合わせを行う。
ステップS7~S10は、干渉縞53~54を用いた精密計測の結果に基づいて、モールド7と基板8との相対位置を制御する工程である。
ステップS7では、処理部26は、撮像視野A内における各マーク51~54を撮像部25に第3撮像条件で撮像させることにより第3画像を取得する。第3撮像条件は、撮像部25で得られる第3画像内における干渉縞53~54の明度が許容範囲内に収まるように設定された撮像条件であり、第1撮像条件および第2撮像条件の少なくとも一方と異なりうる。第3撮像条件は、第1撮像条件および第2撮像条件と共通の明度の許容範囲を用いて、実験やシミュレーションなどにより事前に設定されうる。ステップS8では、処理部26は、ステップS7で取得された第3画像における干渉縞53~54に基づいて、モールド7と基板8(ショット領域)との相対位置を決定する。ステップS9では、制御部12は、ステップS8で決定されたモールド7と基板8との相対位置に基づいて、モールド7と基板8との精密な位置合わせを行う。
ここで、上記のステップS2およびS4において、撮像部25で得られた画像からマークの位置を決定する方法について説明する。ここでは、テンプレート画像を用いてマークの位置を決定する例について説明する。テンプレート画像は、例えば、撮像部25で得られる画像内における各マークの寸法、形状および位置を規定する基準画像(設計画像)であり、撮像部25で得られた画像とテンプレート画像とを比較することにより、マークの位置を決定することができる。
上記のステップS2では、図12(a)に示すテンプレート画像T1が用いられる。テンプレート画像T1には、原版側マーク51の寸法、形状および位置を規定する規定マークM1が含まれる。処理部26は、撮像部25で得られた第1画像とそれに対応するテンプレート画像T1とを比較し、第1画像内における各マーク51~54の各々について、規定マークM1に対する相関度を求める。相関度とは、第1画像に含まれる原版側マーク51の寸法および形状が、規定マークM1の寸法および形状に近似している度合いを示す指数であり、公知の画像処理技術を用いて算出されうる。これにより、処理部26は、第1画像内におけるマーク51~54のうち、規定マークM1に対する相関度が閾値以上(例えば80%以上)および/または当該相関度が最も高いマークを、原版側マーク51として特定することができる。そして、処理部26は、図12(b)に示すように、特定した原版側マーク51と規定マークM1との位置ずれ量PD1を求めることにより、規定マークM1の位置と位置ずれ量PD1とに基づいて、原版側マーク51の位置を決定することができる。
同様に、上記のステップS4では、図12(c)に示すテンプレート画像T2が用いられる。テンプレート画像T2には、基板側マーク52の寸法、形状および位置を規定する規定マークM2が含まれる。処理部26は、撮像部25で得られた第2画像とそれに対応するテンプレート画像T2とを比較し、第2画像内における各マーク51~54の各々について、規定マークM2に対する相関度を求める。相関度とは、第2画像に含まれる基板側マーク52の寸法および形状が、規定マークM2の寸法および形状に近似している度合いを示す指数であり、公知の画像処理技術を用いて算出されうる。これにより、処理部26は、第2画像内におけるマーク51~54のうち、規定マークM2に対する相関度が閾値以上(例えば80%以上)および/または当該相関度が最も高いマークを、基板側マーク52として特定することができる。そして、処理部26は、図12(d)に示すように、特定した基板側マーク52と規定マークM2との位置ずれ量PD2を求めることにより、規定マークM2の位置と位置ずれ量PD2とに基づいて、基板側マーク52の位置を決定することができる。
図13は、撮像条件としての照明光の強度に対する原板側マーク51および基板側マーク52の画像を示している。図13(a)は、原版側マーク51の画像を示し、図13(b)は、基板側マーク52の画像を示している。画像における各マークの明度が飽和している場合または微弱である場合には、テンプレート画像に対して、各マーク画像が相対的に見かけ上、大きくなったり小さくなったりする。そのため、相関度が閾値以上とならずマークの位置ずれ量(PD1、PD2)を検出することが困難となりうる。つまり、ステップS2およびS4において、照明光の強度によっては、相関度が閾値以上となるマークを検出(特定)することができない場合がある。この場合、照明光の強度を変更しながら、相関度が閾値以上となるマークを特定することができた条件、即ち、マークの位置ずれ量を検出することができた条件で位置ずれ量(PD1、PD2)を算出するとよい。換言すると、照明光の強度が互いに異なるが複数の条件の各々で画像を取得し、相関度が閾値以上となるマークを特定することができた条件、即ち、マークの位置ずれ量を検出することができた条件を、第1撮像条件または第2撮像条件として設定するとよい。
例えば、図10に示すように、原板側マーク51について、照明光の強度を5[%]、20[%]、40[%]、60[%]、80[%]、100[%]とする各撮像条件で撮像部25に画像を取得させる。図10の例では、照明光の強度が20[%]、40[%]とする各撮像条件で取得された画像において、原版側マーク51の明度が許容範囲内に収まっている。そのため、原版側マーク51の明度が許容範囲内に収まる1つの条件(一例として40[%]の条件)を第1撮像条件として設定しうる。同様に、基板側マーク52について、照明光の強度を5[%]、20[%]、40[%]、60[%]、80[%]、100[%]とする各撮像条件で撮像部25に画像を取得させる。図10の例では、照明光の強度が80[%]、100[%]とする各撮像条件で取得された画像において、基板側マーク52の明度が許容範囲内に収まっている。そのため、基板側マーク52の明度が許容範囲内に収まる1つの条件(一例として100[%]の条件)を第2撮像条件として設定しうる。
また、複数種類の第1撮像条件、および複数種類の第2撮像条件が設定されてもよい。例えば、図10の例では、画像における原版側マーク51の明度が許容範囲内に収まる照明光の強度(20[%]、40[%])を、複数種類の第1条件として設定してもよい。この場合、処理部26は、ステップS1において、複数種類の第1撮像条件の各々で撮像部25に撮像視野A内の各マーク51~54を撮像させることにより複数の第1画像を取得する。そして、ステップS2において、複数の第1画像に基づいて原版側マーク51の位置を決定する。一例として、複数の第1画像の各々から算出された原版側マーク51の位置を平均化することにより、原版側マーク51の位置を決定してもよいし、複数の第1画像を合成した画像(合成画像)から原版側マーク51の位置を決定してもよい。
同様に、画像における基板側マーク52の明度が許容範囲内に収まる照明光の強度(80[%]、100[%])を、複数種類の第2条件として設定してもよい。この場合、処理部26は、ステップS3において、複数種類の第2撮像条件の各々で撮像部25に撮像視野A内の各マーク51~54を撮像させることにより複数の第2画像を取得する。そして、ステップS4において、複数の第2画像に基づいて基板側マーク52の位置を決定する。一例として、複数の第2画像の各々から算出された基板側マーク52の位置を平均化することにより、基板側マーク52の位置を決定してもよいし、複数の第2画像を合成した画像(合成画像)から基板側マーク52の位置を決定してもよい。
各マークの最適な撮像条件は、モールド7および基板8に設けられたマークの種類や組み合わせによって決まる。そのため、モールド7および基板8の種類ごとに、複数種類のマークのそれぞれの撮像条件(照明光の強度、照明光の波長、NDフィルタ34の設定、撮像部25(撮像素子)の電荷蓄積時間)のデータを予めデータベースとしてメモリに記憶しておいてもよい。実際に計測する際には、モールド7および基板8の種類と当該データベースとに基づいて、撮像条件を決定することができる。また、決定した撮像条件の近辺を計測し、その計測結果に基づいて最適な撮像条件を決定することもできる。この場合、決定した最適な撮像条件により当該データベースを更新するとよい。このようにデータベースを用いることで、同じモールド7および基板8に設けられたマークの種類や組み合わせの計測を行う場合においては、最適な撮像条件を算出するための計測時間を短くすることが可能となる。
ここで、ステップS1およびS3の撮像は、型保持部4およびステージ5を停止させた状態(駆動制御しない状態)で行うとよい。これにより、型保持部4およびステージ5の振動の影響による計測誤差を低減することができる。また、上述の照明光の強度のパターンにより撮像条件を増やしてもよい。この場合、平均化効果により、計測処理中の型保持部4およびステージ5の振動の影響による計測誤差をより低減することができる。
以上のような処理によれば、粗計測のマーク間の検出光量の差が大きい場合でも、モールド7と基板8との相対位置を精度よく計測(算出)することができる。そして、制御部12は、この粗計測の計測結果に基づいて、モールド7と基板8との相対位置が目標相対位置になるように、型保持部4および/またはステージ5によってモールド7と基板8との位置合わせを精度よく制御することができる。
また、計測部3では、粗計測を用いた位置合わせにおいてモールド7と基板8との相対位置が精密計測の計測レンジ内(干渉縞の1周期分の計測範囲)に収まった場合に精密計測に移行する。精密計測における干渉縞53~54を撮像するための第3撮像条件は、粗計測の撮像条件(第1撮像条件、第2撮像条件)と同様に、実験やシミュレーションなどで事前に設定されるとよい。例えば、図10の例では、照明光の強度が40[%]、60[%]とする各撮像条件で取得された画像において、干渉縞53~54の明度が許容範囲内に収まっている。そのため、画像における干渉縞53~54の明度が許容範囲内に収まる1つの条件(図10では、一例として80[%]または100[%]の条件)を第3撮像条件として設定してもよい。また、画像における干渉縞53~54の明度が許容範囲内に収まる複数の条件を複数種類の第3撮像条件として設定してもよい。計測部3は、精密計測への移行時に撮像条件を切り替えて計測する。制御部12は、この精密計測の計測結果に基づいて、モールド7と基板8との相対位置が目標相対位置になるように、型保持部4および/またはステージ5によってモールド7と基板8との位置合わせを精度よく制御することができる。
上述したように、本実施形態の計測部3は、第1撮像条件を用いて撮像部25に第1画像を取得させ、次いで、第1撮像条件とは異なる第2撮像条件を用いて撮像部25に第2画像を取得させる。そして、第1画像における原版側マーク51の位置と第2画像における基板側マーク52の位置とに基づいて、モールド7と基板8との相対位置を求める。これにより、原版側マーク51と基板側マーク52とで反射率に差が生じている場合であっても、それらのマーク51~52の各々の位置を正確に求め、モールド7と基板8との相対位置を精度よく計測することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板上に供給(塗布)されたインプリント材に上記のインプリント装置(インプリント方法)を用いてパターンを形成する工程と、かかる工程でパターンが形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
インプリント装置を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図14(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウェハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図14(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図14(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギとして光を型4zを通して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図14(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図14(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図14(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:インプリント装置、3:計測部(計測装置)、4:型保持部、5:ステージ、7:モールド、8:基板、12:制御部、21:検出光学系、22:照明光学系、23:光源、26:処理部、28:光源制御部

Claims (11)

  1. 第1部材と第2部材との相対位置を計測する計測装置であって、
    前記第1部材に設けられた第1マークと前記第2部材に設けられた第2マークとが撮像視野内に収まっている状態で、前記第1マークおよび前記第2マークを撮像する撮像部と、
    前記撮像部で取得された第1画像における前記第1マークの位置と、前記撮像部で取得された第2画像における前記第2マークの位置とに基づいて、前記第1部材と前記第2部材との相対位置を求める処理部と、
    を備え、
    前記撮像部は、第1撮像条件を用いて前記第1画像を取得し、前記第1撮像条件とは異なる第2撮像条件を用いて前記第2画像を取得する、ことを特徴とする計測装置。
  2. 前記第1撮像条件は、前記撮像部で得られる前記第1画像内における前記第1マークの明度が許容範囲に収まるように設定され、
    前記第2撮像条件は、前記撮像部で得られる前記第2画像内における前記第2マークの明度が前記許容範囲に収まるように設定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記撮像部は、前記第1画像を得るための撮像と、前記第2画像を得るための撮像とを互いに異なるタイミングで行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測装置。
  4. 前記第1画像および前記第2画像は、前記撮像部における共通の撮像素子を用いて得られる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 前記第1撮像条件と前記第2撮像条件とは、マークを照明する照明光の強度、マークを照明する照明光の波長、および前記撮像部の電荷蓄積時間の少なくとも1つにおいて互いに異なる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測装置。
  6. 前記第1マークおよび前記第2マークは、前記撮像視野内における互いに異なる位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の計測装置。
  7. 前記撮像部は、前記第1部材に設けられた第3マークと前記第2部材に設けられた第4マークとが重なり合うことにより生成される干渉縞を撮像し、
    前記処理部は、第3撮像条件を用いて前記撮像部で得られた第3画像における前記干渉縞に基づいて、前記第1部材と前記第2部材との相対位置を求め、
    前記第3撮像条件は、前記第1撮像条件および前記第2撮像条件の少なくとも一方と異なる、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の計測装置。
  8. 前記第1撮像条件は、前記撮像部で得られる前記第1画像内における前記第1マークの明度が許容範囲に収まるように設定され、
    前記第2撮像条件は、前記撮像部で得られる前記第2画像内における前記第2マークの明度が前記許容範囲に収まるように設定される、
    前記第3撮像条件は、前記撮像部で得られる前記第3画像内における前記干渉縞の明度が前記許容範囲に収まるように設定される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の計測装置。
  9. 前記撮像部は、前記第1マークと前記第2マークと前記干渉縞とが撮像視野内に収まっている状態で、前記第1マーク、前記第2マークおよび前記干渉縞を撮像する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の計測装置。
  10. 原版のパターンを基板上に転写するリソグラフィ装置であって、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の計測装置と、
    前記計測装置での計測結果に基づいて、前記原版と前記基板との位置合わせを制御する制御部と、
    を備え、
    前記計測装置は、前記第1部材としての前記原版と、前記第2部材としての前記基板との相対位置を計測する、ことを特徴とするリソグラフィ装置。
  11. 請求項10に記載のリソグラフィ装置を用いて基板上にパターンを形成する形成工程と、
    前記形成工程でパターンが形成された前記基板を加工する加工工程と、を含み、
    前記加工工程で加工された前記基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品の製造方法。
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