JP2022127334A - 細胞回収装置、細胞回収方法、プログラム - Google Patents

細胞回収装置、細胞回収方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】浮遊培養された細胞を分取する。【解決手段】細胞回収装置は、培養容器110と回収チャンネルとを有する培養装置100と、制御装置を備えている。培養装置100は、培養容器110に収容した液体培地CM内に浮遊した状態で細胞を培養する。制御装置は、対象細胞が液体培地CM内に浮遊する高さである浮遊高さが、回収チャンネルのインレット121であって培養容器110内からの細胞回収に用いられるインレット121の高さである回収高さに近づくように、培養装置100を制御する。【選択図】図2

Description

本明細書の開示は、浮遊培養で培養された細胞を回収する細胞回収装置、細胞回収方法、プログラムに関する。
多能性幹細胞を用いた創薬や再生医療の普及に当たっては、大量の細胞を一定以上の品質を維持しながら安定的に供給する培養技術が欠かせない。このため、近年、単層培養よりも一度に大量の細胞を培養可能な浮遊培養が注目されている。
また、培養した細胞を臨床応用する場合、培養した細胞を分取すること(sorting)が必要となる。例えば、幹細胞を培養する場合であれば、幹細胞から目的の細胞に分化した細胞を選択的に回収することが求められる。このような浮遊培養における分取技術は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、細胞塊を構成する分化前の幹細胞から分化後の血球系細胞を分離して回収することができる。
特開2019-162093号公報
特許文献1では、細胞(又は細胞塊)の大きさの違いに起因した浮遊位置の違いを利用して、目的の細胞を回収する。ただし、培養容器からオーバーフローさせた液体培地から目的の細胞を回収する構成が採用されているため、目的の細胞がそれ以外の細胞よりも高い位置に浮遊することが回収の前提となる。このため、特許文献1に記載の技術を用いたとしても任意の細胞を他の細胞から分離して回収できるわけではなく、回収可能な細胞は実質的に制限されている。
また、特定の細胞だけを回収可能か否かは細胞そのものによって決定されず、培養容器内の他の細胞との関係に依存してしまう。このため、培養環境に未知の細胞が含まれる場合には、目的の細胞だけを適切に回収できるとは限らない。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、浮遊培養された細胞を分取する技術を提供することである。
本発明の一態様に係る細胞回収装置は、培養容器と回収チャンネルとを有し、前記培養容器に収容した液体培地内に浮遊した状態で細胞を培養する培養装置と、前記細胞のうち回収対象である対象細胞が前記液体培地内に浮遊する高さである浮遊高さが、前記回収チャンネルのインレットであって前記培養容器内からの細胞回収に用いられるインレットの高さである回収高さに近づくように、前記培養装置を制御する制御装置と、を備える。
本発明の一態様に係る細胞回収方法は、培養装置が、培養容器に収容した液体培地内に浮遊した状態で細胞を培養し、制御装置が、前記細胞のうち回収対象である対象細胞が前記液体培地内に浮遊する高さである浮遊高さが、回収チャンネルのインレットであって前記培養容器内からの細胞回収に用いられるインレットの高さである回収高さに近づくように、前記培養装置を制御する。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、培養容器に収容した液体培地内に浮遊した状態で細胞を培養する培養装置を、前記細胞のうち回収対象である対象細胞が前記液体培地内に浮遊する高さである浮遊高さが、回収チャンネルのインレットであって前記培養容器内からの細胞回収に用いられるインレットの高さである回収高さに近づくように、制御する処理を実行させる。
上記の態様によれば、浮遊培養された細胞を分取することができる。
第1の実施形態に係る細胞回収装置1の全体構成を説明する概略構成図である。 第1の実施形態に係る培養装置100の構成を例示した図である。 第1の実施形態に係る制御装置10の構成を例示した図である。 第1の実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。 流速制御処理の一例を示すフローチャートである。 流速制御処理の別の例を示すフローチャートである。 流速制御処理の更に別の例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る培養装置200の構成を例示した図である。 回収チャンネルのインレット221を動かす構造について説明するための図である。 第2の実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る培養装置300の構成を例示した図である。 第3の実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る培養装置400の構成を例示した図である。 第5の実施形態に係る培養装置500の構成を例示した図である。 第6の実施形態に係る培養装置600の構成を例示した図である。 細胞の浮遊位置を確認する方法について説明するための図である。 第6の実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。 第7の実施形態に係る培養装置700の構成を例示した図である。 第7の実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。 第8の実施形態に係る培養装置800の構成を例示した図である。 第8の実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。
図1は、本実施形態に係る細胞回収装置1の全体構成を説明する概略構成図である。図2は、本実施形態に係る培養装置100の構成を例示した図である。図3は、本実施形態に係る制御装置10の構成を例示した図である。以下、図1から図3を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置1の構成について説明する。
細胞回収装置1は、液体培地内を浮遊する細胞から回収対象の細胞(以降、対象細胞と記す。)を分離して回収する装置、即ち、液体培地内を浮遊する細胞を分取する装置である。対象細胞は、特に限定しないが、例えば、幹細胞から特殊化した細胞タイプに分化した所定の細胞であってもよい。細胞回収装置1は、図1に示すように、細胞を培養する培養装置100と、培養装置100を制御する制御装置10を含んでいる。
なお、細胞回収装置1は、利用者端末2と通信してもよく、利用者端末2からの指示に従って細胞回収を行ってもよい。また、細胞回収装置1は、回収経過や回収結果などを利用者端末2へ通知してもよい。また、細胞回収装置1は、サーバ3と通信してもよく、細胞の回収に際して必要な情報をサーバ3から取得してもよい。
培養装置100は、細胞(例えば、細胞C1、細胞C2、細胞C3)を培養容器110に収容した液体培地CM内に浮遊した状態で培養し、培養容器110内から回収ノズル120に形成された回収チャンネルを経由して回収容器130へ対象細胞(例えば、細胞C2)を回収する装置である。より詳細には、培養装置100は、図2に示すように、培養容器110と、回収ノズル120と、回収容器130と、吸引装置140と、浮遊装置150と、カメラ160を備えている。
培養容器110は、細胞が浮遊する液体培地CMを収容する。培養容器110内では、後述する浮遊装置150の働きによって液体培地CMに上昇流が生じている。この上昇流により、細胞は、培養容器110内において液体培地CMに浮遊した状態で培養される。培養容器110は、例えば、バイオリアクターであってもよく、液体培地の交換(培地の回収と供給)のためのチャンネルや、pHや温度などを測定する各種センサが設けられてもよい。
培養容器110の形状は、円錐台形状である。より詳細には、上底の径が下底の径よりも大きい円錐台形状、いわゆる逆円錐台形状である。ただし、培養容器110の形状は、逆円錐台形状に限らない。培養容器110は、浮遊装置150との組み合わせで、培養容器110内に、高さ方向に流速差のある上昇流を発生することができればよい。即ち、培養容器110の形状は、高さ方向に上昇流の流速差を設けることができればよく、高さ方向に断面積が異なる形状であることが望ましい。逆円錐台形状のように、高さが高いほど断面積が大きくなる形状、つまり、高さが高いほど流速を遅くできる形状であることが特に望ましい。ただし、例えば、特開2018-201423号公報に記載されるように培養容器110の形状が設計されてもよく、培地内において上昇流が高さ方向に沿って不連続な速度を有してもよい。
回収ノズル120は、培養容器110から回収した細胞を回収容器130へ導くためのチャンネル(回収チャンネル)が形成されたノズルである。回収チャンネルのインレット121は、培養容器110内からの細胞回収に用いられる。インレット121は、培養容器110側面の既知の位置又は高さに形成されている。以降では、このインレット121の高さを、培養容器110内の細胞が培養容器110外へ回収されるときの高さという意味で、回収高さと記す。
なお、図2では、1つの回収ノズル120を図示したが、回収ノズル120の数は必ずしも1つに限らない。例えば、回収高さが同じ複数の回収ノズル120が培養容器110の側面から延びてもよい。即ち、複数の回収チャンネルのインレット121が、培養容器110の側面において、周方向に整列してもよい。
回収容器130は、培養容器110から回収した細胞を貯留する容器である。回収容器130には、培養容器110から選択的に回収した細胞を、細胞のサイズやその他の特徴によってさらに峻別するフィルタが設けられてもよい。即ち、細胞回収装置1は、後述する制御装置10による培養装置100の制御に加えて、回収容器130に設けられたフィルタの物理構造によって、対象細胞を他の物体から分離して回収してもよい。フィルタは、メッシュフィルタや中空糸フィルタなど、対象細胞とそれ以外の物体をサイズやその他の特徴によって峻別可能なものを用いればよい。
吸引装置140は、回収チャンネルのインレット121に吸引力を発生させるための装置である。吸引装置140は、細胞を回収容器130から回収ノズル120へ引き込むのに十分な吸引力を発生させることができればよい。吸引装置140は、例えば、回収容器130内の空気を吸引することで回収容器130に負圧を加える吸引ポンプであってもよい。また、吸引装置140は、例えば、ペリスタルティックポンプのような送液ポンプであってもよく、回収ノズル120の両端をそれぞれ培養容器110と回収容器130に収容された液体(培地)に浸した状態で培養容器110と回収容器130の間で回収ノズル120に作用してもよい。
吸引装置140は、制御装置10によって制御される。吸引装置140は、例えば、制御装置10からの信号を受信することで、動作を開始してもよく、さらに、制御装置10からの信号を受信することで、動作を停止してもよい。吸引装置140が動作することで、回収チャンネルのインレット121に吸引力が発生する。吸引装置140、インレット121に発生した吸引力で液体培地CMに浮遊している細胞を培養容器110から吸引し、吸引した細胞を、回収チャンネルを介して回収容器130へ出力する。
浮遊装置150は、培養容器110内の液体培地CMに上昇流を発生させて細胞を浮遊させる装置である。より詳細には、浮遊装置150は、例えば、特許文献1に記載されるような、培養容器110の下方から上方に向かって液体培地CMの螺旋流を噴出する装置である。ただし、浮遊装置150は、螺旋流を噴出する装置に限らず、浮遊装置150による上昇流の発生方法は特に限定しない。
浮遊装置150は、制御装置10によって制御される。浮遊装置150は、例えば、制御装置10からの信号を受信することで、動作を開始してもよく、さらに、制御装置10からの信号を受信することで、動作を停止してもよい。さらに、浮遊装置150は、例えば、制御装置10からの信号を受信することで、螺旋流の噴出量を変更してもよい。浮遊装置150が動作することで、培養容器110内の液体培地CMに上昇流が発生し、液体培地CMに細胞が浮遊する。
浮遊装置150は、高さが高いほど断面積が大きくなる逆円錐台形状の培養容器110と組み合わせて用いることで、培養容器110内の液体培地CMに、高さ方向に流速差のある上昇流を発生させる。より詳細には、高さが高いほど小さな流速を有する上昇流を発生させる。
培養容器110内において、細胞は、浮遊装置150によって生じる上昇流の流速とその細胞の沈降速度とが釣り合う位置に浮遊する。培養容器110内の上昇流の流速は、上述したように、高さ方向に異なり、高さが高いほど小さくなる。このため、細胞は、沈降速度に応じた高さに浮遊し、沈降速度が遅いほど高い位置に浮遊することになる。
細胞の終端沈降速度は、ストークスの式によって推定することが可能である。ストークスの式によれば、終端沈降速度は、細胞の直径や密度、液体培地CMの密度や粘度に依存する。特に、終端沈降速度は、細胞の直径の二乗に比例することから、細胞のサイズに支配的な影響を受ける。従って、培養装置100では、細胞は、培養容器110と浮遊装置150の組み合わせによって、細胞のサイズに応じた高さに浮遊し、細胞のサイズが小さいほど高い位置に浮遊することになる。
カメラ160は、対象細胞を撮影する撮影装置であり、撮像素子を含んでいる。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの二次元イメージセンサである。なお、カメラ160は、培養容器110内で液体培地CMに浮遊する細胞を識別できる程度の解像力があればよく、培養容器110内に存在する様々な細胞(細胞C1、細胞C2、細胞C3)の種類、細胞の変異、分化状態などを識別可能な解像力を有していることが望ましい。また、カメラ160は、撮影位置を適宜変更することができる。これにより様々な高さに浮遊する細胞を撮影することができる。
カメラ160は、制御装置10によって制御される。カメラ160は、例えば、制御装置10からの信号を受信することで、撮影動作を開始してもよい。カメラ160が取得した画像は、制御装置10へ出力される。
制御装置10は、対象細胞を回収するために培養装置100を制御する装置である。制御装置10は、対象細胞が液体培地CM内に浮遊する高さ(以降、浮遊高さと記す)が、回収チャンネルのインレット121の高さ(回収高さ)に近づくように、培養装置100を制御する。具体的には、制御装置10は、カメラ160で取得した画像に対する物体検出の結果に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、培養装置100を制御する。
上記の制御を実行するために、制御装置10は、さらに、カメラ160で取得した画像に対して物体検出を行ってもよい。物体検出には、深層学習によって得られた学習済みモデルを用いてもよく、その場合、学習済みモデルは少なくとも対象細胞を学習することが望ましい。学習済みモデルは、さらに、対象細胞以外の細胞や細胞以外の物体を学習することが望ましい。また、深層学習以外の機械学習によって得られた学習済みモデルを用いて物体検出が行われてもよく、対象細胞の形状などの既知の特徴量に基づいて対象細胞を検出するアルゴリズムが物体検出のために用いられてもよい。
物体検出により、対象細胞が検出された画像が特定され、さらに、その画像内における対象細胞の位置と大きさが特定される。その結果、対象細胞の位置と大きさが特定される。即ち、物体検出の結果には、少なくとも、対象細胞の位置情報と、対象細胞のサイズ情報とが含まれている。
ただし、物体検出は、制御装置10以外の装置、例えば、サーバ3で行われてもよい。制御装置10は、カメラ160で取得した画像をサーバ3に送信し、サーバ3からサーバ3で実行した物体検出の結果を受信してもよい。
細胞回収装置1では、制御装置10は、物体検出の結果に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、上昇流の流速を制御する。即ち、浮遊高さを制御する。浮遊高さが回収高さに十分に近づくと、制御装置10は、吸引装置140を作動して、インレット121の近くに浮遊している対象細胞を回収する。
なお、制御装置10は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上の非一時的なコンピュータ読取可能媒体と、を含んでいればよい。より具体的には、制御装置10は、例えば、図3に示すように、例えば、1つ以上のプロセッサ11と、1つ以上の記憶装置12と、入力装置13と、表示装置14と、通信装置15を備えていてもよく、それがバス16を通じて接続されていてもよい。
1つ以上のプロセッサ11のそれぞれは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などを含むハードウェアであり、1つ以上の記憶装置12に記憶されているプログラム12aを実行することで、プログラムされた処理を行う。また、1つ以上のプロセッサ11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などを含んでもよい。
1つ以上の記憶装置12のそれぞれは、非一時的なコンピュータ読取可能媒体であり、例えば、1つ又は複数の任意の半導体メモリを含み、さらに、1つ又は複数のその他の記憶装置を含んでもよい。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)、プログラマブルROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいる。RAMには、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが含まれてもよい。その他の記憶装置には、例えば、磁気ディスクを含む磁気記憶装置、光ディスクを含む光学記憶装置などが含まれてもよい。
入力装置13は、利用者が直接操作する装置であり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどである。表示装置14は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどである。ディスプレイには、タッチパネルが内蔵されてもよい。通信装置15は、有線通信モジュールであっても、無線通信モジュールであってもよい。
なお、図3に示す構成は、制御装置10のハードウェア構成の一例であり、制御装置10はこの構成に限定されるものではない。制御装置10は、汎用装置であっても、専用装置であってもよい。
図4は、本実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。図5は、流速制御処理の一例を示すフローチャートである。以下、図4及び図5を参照しながら、細胞回収装置1を用いて行われる細胞回収方法について具体的に説明する。
図4に示す細胞回収処理は、制御装置10のプロセッサ11が記憶装置12に格納されている細胞回収プログラムを実行することで、例えば、ユーザの開始指示や設定されたスケジュールに従って開始される。
細胞回収処理が開始されると、細胞回収装置1は、対象細胞を撮影し、画像を取得する(ステップS1)。ステップS1では、制御装置10がカメラ160を制御することで、カメラ160が、例えば、高さ方向に位置を変更しながら複数回画像を取得することで、対象細胞を撮影する。なお、対象細胞は、予め決められていてもよく、又は、取得した画像を用いて利用者が選択してもよい。
次に、細胞回収装置1は、ステップS1で取得した画像に対して物体検出を行う(ステップS2)。ステップS2では、制御装置10は、対象細胞を学習した学習済みモデルを用いて、物体検出を行う。これにより、対象細胞の位置と大きさが特定される。
その後、細胞回収装置1は、浮遊高さが回収高さに十分に近いか否かを判定する(ステップS3)。細胞回収装置1では、回収高さは予め既知である。このため、ステップS3では、制御装置10は、ステップS2の物体検出の結果に含まれる対象細胞の位置情報から浮遊高さを特定し、特定した浮遊高さと既知の回収高さとを比較して、その差が閾値以内か否かを判定する。
ステップS3で浮遊高さが回収高さに十分に近いと判定されると(ステップS3YES)、細胞回収装置1は、対象細胞を吸引する(ステップS4)。ステップS4では、制御装置10は、吸引装置140を制御することで、インレット121に吸引力を生じさせて、インレット121付近を浮遊する対象細胞を回収チャンネル内へ吸引する。
一方、ステップS3で浮遊高さが回収高さに十分に近くないと判定されると(ステップS3NO)、細胞回収装置1は、図5に示す流速制御処理を行う(ステップS5)。ステップS5では、制御装置10は、まず、ステップS2における物体検出の結果に基づいて沈降速度を推定する(ステップS11)。
ステップS11では、制御装置10は、ストークスの式を用いて沈降速度を推定してもよい。具体的には、制御装置10は、ステップS2で得られた対象細胞の大きさから対象細胞の直径を推定して、推定した直径を用いて沈降速度を推定してもよい。なお、ストークスの式に含まれるその他のパラメータ(例えば、細胞の密度、液体培地CMの密度、粘度)については、予め決められた値が用いられてもよい。
なお、ステップS11では、ステップS2で得られた対象細胞の大きさの代わりに対象細胞の位置を用いて沈降速度を推定してもよい。対象細胞は、沈降速度と上昇流の流速が釣り合った位置に浮遊することから、上昇流の各位置における流速が既知であれば、対象細胞の位置(浮遊位置)から沈降速度を推定可能である。
沈降速度が推定されると、制御装置10は、推定した沈降速度に応じて、上昇流の流速を調整する(ステップS12)。ステップS12では、制御装置10は、インレット121の高さ(回収高さ)における上昇流の流速が推定した沈降速度に近づくように、望ましくは、等しくなるように、浮遊装置150を制御する。
その後、細胞回収装置1は、流速制御により浮遊高さが回収高さに十分に近づくまで、ステップS1からステップS3及びステップS5の処理を繰り返す。そして、浮遊高さが回収高さに十分に近づくと、ステップS4の吸引処理を実行して、図4に示す細胞回収処理を終了する。
細胞回収装置1によれば、図4に示す細胞回収処理を実行することで、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を自動的に選択して回収することができる。即ち、細胞を分取することができる。特に、細胞回収装置1では、培養容器110の側面に設けられた回収チャンネルのインレット121から対象細胞を回収する構成が採用され、さらに、上昇流の流速を変更することでインレット121付近に浮遊する細胞を選択することができる。従って、細胞回収装置1によれば、他の細胞よりも高い位置に浮遊する場合にのみ対象細胞を回収可能な特許文献1に記載される装置とは異なり、液体培地CMに存在する他の物体との関係によらず、任意の細胞を回収可能である。また、液体培地CMに未知の物体が浮遊している場合であっても、対象細胞だけを自動的に回収することができる。
図6及び図7は、それぞれ流速制御処理の別の例を示すフローチャートである。以上では、制御装置10が図5に示す流速制御を行う例を示したが、制御装置10は、図5に示す流速制御の代わりに、図6又は図7に示す流速制御を行ってもよい。
制御装置10は、図6に示すように、ステップS5の流速制御において、まず、浮遊高さと回収高さを比較してもよい(ステップS21)。そして、制御装置10は、浮遊高さが回収高さよりも低いと判定した場合には(ステップS21YES)、上昇流の流速を上げ(ステップS22)、浮遊高さが回収高さよりも低くないと判定した場合には(ステップS21NO)、上昇流の流速を下げてもよい(ステップS23)。即ち、制御装置10は、図5に示す流速制御とは異なり、浮遊高さと回収高さとの比較結果に基づいて、上昇流の流速を増減するように浮遊装置150を制御してもよい。
細胞回収装置1では、制御装置10が図6に示す流速制御を繰り返すことで、浮遊位置が回収位置に近づくようにフィードバック制御が行われてもよい。図6に示す流速制御によれば、浮遊位置と回収位置の間に実際に生じる高さの差に基づいて流速が制御されるため、沈降速度を推定することなく、浮遊位置と回収位置を合わせ込むことが可能である。従って、細胞回収装置1は、図6に示す流速制御を行うことによっても、図5に示す流速制御を行う場合と同様に、任意の細胞を回収可能であり、対象細胞だけを回収することができる。
制御装置10は、図7に示すように、浮遊高さと回収高さを比較する前に、浮遊高さと回収高さの間の距離を算出してもよい(ステップS31)。その後、制御装置10は、浮遊高さと回収高さを比較し(ステップS32)、浮遊高さが回収高さよりも低いと判定した場合には(ステップS32YES)、ステップS31で算出した距離に応じて上昇流の流速を上げ(ステップS33)、浮遊高さが回収高さよりも低くないと判定した場合には(ステップS32NO)、ステップS31で算出した距離に応じて上昇流の流速を下げてもよい(ステップS34)。即ち、制御装置10は、浮遊高さと回収高さとの比較結果に基づいて、浮遊高さと回収高さの間の距離に応じて上昇流の流速を増減するように浮遊装置150を制御してもよい。より具体的には、距離が大きいほど、上昇流の流速の増減量を大きくしてもよい。
細胞回収装置1では、制御装置10が図7に示す流速制御を繰り返すことで、浮遊位置が回収位置に近づくようにフィードバック制御が行われてもよい。図7に示す流速制御によれば、浮遊位置と回収位置の間に実際に生じる高さの差に基づいて流速が制御されるため、沈降速度を推定することなく、浮遊位置と回収位置を合わせ込むことが可能である。また、図7に示す流速制御では、高さの差(つまり、距離)の大きさに応じて流速の増減量が調整されるため、図6に示す流速制御を行う場合よりも、短時間で浮遊位置と回収位置を合わせ込むことができる。
なお、以上では、浮遊高さが回収高さに十分に近いと判定すると(図4のステップS3YES)、直ちに吸引が行われる例を示したが、吸引前に人間による確認工程を設けてもよい。例えば、制御装置10は、ステップS3で浮遊高さが回収高さに十分に近いと判定すると、利用者による情報の入力を監視し、入力があるまで待機してもよい。この場合、利用者が、培養容器を目視で確認し浮遊高さと回収高さの関係を判断し、流速の増減についての指示を制御装置10へ入力することで、制御装置10が、浮遊装置150を制御して流速を微調整してもよい。制御装置10は、流速が微調整された後に、吸引装置140を制御して、対象細胞を回収してもよい。
[第2の実施形態]
図8は、本実施形態に係る培養装置200の構成を例示した図である。図9は、回収チャンネルのインレット221を動かす構造について説明するための図である。以下、図8及び図9を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置100の代わりに図8に示す培養装置200を備える点が、第1の実施形態に係る細胞回収装置1とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、細胞回収装置1と同様である。
培養装置200は、図8に示すように回収ノズル220が伸縮構造を有する点と、図9に示すように培養容器210の側面に回収ノズル220のインレット221を高さ方向に動かす構造であるスライダ222が設けられている点が、培養装置100とは異なっている。なお、スライダ222は、回収高さを調整する高さ調整装置の一例であり、スライダ222の位置は、制御装置10によって制御される。
図10は、本実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。以下、図10を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置を用いて行われる細胞回収方法について具体的に説明する。
図10に示す細胞回収処理は、制御装置10のプロセッサ11が記憶装置12に格納されている細胞回収プログラムを実行することで、例えば、ユーザの開始指示や設定されたスケジュールに従って開始される。
細胞回収処理が開始されると、細胞回収装置は、対象細胞を撮影して画像を取得し(ステップS41)、ステップS41で取得した画像に対して物体検出を行う(ステップS42)。ステップS41及びステップS42の処理は、図4のステップS1及びステップS2の処理と同様である。
その後、細胞回収装置は、浮遊高さが回収高さに十分に近いか否かを判定する(ステップS43)。細胞回収装置では、回収高さはスライダ222の位置によって定まるため、既知である。このため、ステップS43では、制御装置10は、ステップS42の物体検出の結果に含まれる対象細胞の位置情報から浮遊高さを特定し、特定した浮遊高さと既知の回収高さとを比較して、その差が閾値以内か否かを判定する。
ステップS43で浮遊高さが回収高さに十分に近いと判定されると(ステップS43YES)、細胞回収装置は、対象細胞を吸引する(ステップS44)。ステップS44の処理は、図4のステップS4の処理と同様である。
一方、ステップS43で浮遊高さが回収高さに十分に近くないと判定されると(ステップS43NO)、細胞回収装置は、インレット221の高さを制御する(ステップS45)。ステップS45では、制御装置10は、スライダ222を高さ方向に移動させて、回収高さを物体検出の結果に基づいて特定された浮遊高さに近づける。より望ましくは、制御装置10は、回収高さを浮遊高さに一致させる。インレット221の高さ制御が終了すると、細胞回収装置は、対象細胞を吸引する(ステップS44)。ステップS44の処理は、図4のステップS4の処理と同様である。
上述したように、制御装置10は、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、カメラ160で取得した画像に対する物体検出の結果に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、培養装置200を制御する。ただし、本実施形態は、物体検出の結果に基づいて浮遊高さが回収高さに近づくように、制御装置10が高さ調整装置であるスライダ222を制御する点が、第1の実施形態とは異なっている。即ち、第1の実施形態では、浮遊高さを調整することで浮遊高さを回収高さに近づけるのに対して、第2の実施形態では、回収高さを調整することで浮遊高さを回収高さに近づける。より具体的には、制御装置10は、物体検出の結果に基づいて、スライダ222が浮遊高さに近づく方向にインレット221を動かすように、スライダ222を制御する。
本実施形態に係る細胞回収装置によっても、図10に示す細胞回収処理を実行することで、第1の実施形態に係る細胞回収装置1と同様に、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を自動的に選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も同様である。
第1の実施形態では、浮遊高さを調整することで浮遊高さを回収高さに近づける例を、第2の実施形態では、回収高さを調整することで浮遊高さを回収高さに近づける例を、記載したが、これらを組み合わせて実行してもよい。即ち、浮遊高さと回収高さの両方を調整することで浮遊高さを回収高さに近づけてもよい。
[第3の実施形態]
図11は、本実施形態に係る培養装置300の構成を例示した図である。以下、図11を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置100の代わりに図11に示す培養装置300を備える点が、第1の実施形態に係る細胞回収装置1とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、細胞回収装置1と同様である。
培養装置300は、図11に示すように、回収ノズル320が培養容器310に向けられた高さの異なる複数のインレット(インレット321、インレット322、インレット323)を有する点と、複数のインレットの間で細胞回収に用いるインレットを切り替える切替弁324を有する点が、培養装置100とは異なっている。なお、切替弁324は、回収高さを調整する高さ調整装置の一例であり、切替弁324の開閉は、制御装置10によって制御される。
図12は、本実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。以下、図12を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置を用いて行われる細胞回収方法について具体的に説明する。
図12に示す細胞回収処理は、制御装置10のプロセッサ11が記憶装置12に格納されている細胞回収プログラムを実行することで、例えば、ユーザの開始指示や設定されたスケジュールに従って開始される。
細胞回収処理が開始されると、細胞回収装置は、対象細胞を撮影して画像を取得し(ステップS51)、ステップS51で取得した画像に対して物体検出を行い(ステップS52)、浮遊高さが回収高さに十分に近いか否かを判定する(ステップS53)。ステップS51からステップS53の処理は、図10のステップS41からステップS43の処理と同様である。
ステップS53で浮遊高さが回収高さに十分に近いと判定されると(ステップS53YES)、細胞回収装置は、対象細胞を吸引する(ステップS54)。ステップS54の処理は、図10のステップS44の処理と同様である。
一方、ステップS53で浮遊高さが回収高さに十分に近くないと判定されると(ステップS53NO)、細胞回収装置は、細胞回収に用いるインレットの切替を制御する(ステップS55)。ステップS55では、制御装置10は、ステップS52の物体検出の結果に基づいて、切替弁324が複数のインレットのうちの浮遊高さに最も近いインレット(例えば、インレット321)に細胞回収に用いるインレットを切り替えるように、切替弁324を制御する。インレットの切替制御が終了すると、細胞回収装置は、対象細胞を吸引する(ステップS54)。ステップS54の処理は、図10のステップS44の処理と同様である。
上述したように、制御装置10は、本実施形態においても第2の実施形態と同様に、カメラ160で取得した画像に対する物体検出の結果に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、培養装置300を制御する。また、制御装置10は、第2の実施形態と同様に、物体検出の結果に基づいて浮遊高さが回収高さに近づくように、制御装置10が高さ調整装置を制御する。即ち、回収高さを調整することで浮遊高さを回収高さに近づける。ただし、本実施形態は、物体検出の結果に基づいて浮遊高さが回収高さに近づくように、制御装置10が高さ調整装置である切替弁324を制御する点が、第2の実施形態とは異なっている。より具体的には、制御装置10は、物体検出の結果に基づいて、切替弁324が複数のインレットのうちの浮遊高さに最も近いインレットに細胞回収に用いるインレットを切り替えるように、切替弁324を制御する。
本実施形態に係る細胞回収装置によっても、図12に示す細胞回収処理を実行することで、第1の実施形態に係る細胞回収装置1及び第2の実施形態に係る細胞回収装置と同様に、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を自動的に選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も同様である。
本実施形態においても、浮遊高さと回収高さの両方を調整することで浮遊高さを回収高さに近づけてもよい。この点は、第2の実施形態と同様である。
[第4の実施形態]
図13は、本実施形態に係る培養装置400の構成を例示した図である。以下、図13を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置100の代わりに図13に示す培養装置400を備える点が、第1の実施形態に係る細胞回収装置1とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、細胞回収装置1と同様である。
培養装置400は、図13に示すように、カメラ160の代わりに顕微鏡170を備える点と、培養容器110に取り付ける再帰性反射部材180とを備える点が、培養装置100とは異なる。顕微鏡170は、培養容器110の外側から培養容器110内を撮影する撮影装置であり、例えば、対物レンズ171の先端が培養容器110の側面に向けて配置されている。なお、顕微鏡170は、位相差観察法で対象物を撮影する位相差顕微鏡である。ただし、顕微鏡170は、位相差顕微鏡に限らず、例えば、明視野観察法で対象物を撮影してもよい。
再帰性反射部材180は、顕微鏡170から出射した光が培養容器110の側面で受けるレンズ効果をキャンセルするために用いられる。再帰性反射部材180は、水平方向に沿って多数の微小な反射要素181が配列されたアレイを有している。反射要素181は、例えば、プリズムまたは球状のガラスビーズなどである。再帰性反射部材180は、入射した光を反射要素181で反射し、入射時と同じ光路を反対向きに進行させる。
培養容器110外から培養容器110内を撮影する場合、一般に、培養容器110の形状に画質が依存するが、顕微鏡170を再帰性反射部材180とともに利用することで、例えば、国際公開第2019/163167号などに記載されるように、培養容器110側面で生じるレンズ効果をキャンセルすることができる。従って、培養容器110外から安定した性能で培養容器110内の対象細胞を撮影することができる。
本実施形態に係る細胞回収装置によっても、図4に示す細胞回収処理を実行することで、第1の実施形態から第3の実施形態に係る細胞回収装置と同様に、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を自動的に選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も同様である。
[第5の実施形態]
図14は、本実施形態に係る培養装置500の構成を例示した図である。以下、図14を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置100の代わりに図14に示す培養装置500を備える点が、第1の実施形態に係る細胞回収装置1とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、細胞回収装置1と同様である。
培養装置500は、図14に示すように、カメラ160の代わりに、培養容器110の内側から培養容器110内を撮影する撮影装置の一例である、内視鏡510とビデオプロセッサ520と照明装置530を備える点が、培養装置100とは異なる。
培養装置500は、内視鏡510の先端部分が液体培地CM内に挿入された状態で培養容器110内の対象細胞を撮影する。より具体的には、培養装置500は、照明装置530で発生した照明光を内視鏡510の先端部分から液体培地CM内に向けて出射し、液体培地CM内の領域を照明する。さらに、培養装置500は、照明光で照明された領域からの光を内視鏡510に取り込み、内視鏡510に取り込まれた光を撮像素子で撮像信号に変換し、さらに、ビデオプロセッサ520で所定の信号処理を施す。これにより、培養装置500は、液体培地CM内の画像を取得する。
本実施形態に係る細胞回収装置によっても、図4に示す細胞回収処理を実行することで、第1の実施形態から第4の実施形態に係る細胞回収装置と同様に、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を自動的に選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も同様である。
[第6の実施形態]
図15は、本実施形態に係る培養装置600の構成を例示した図である。図16は、細胞の浮遊位置を確認する方法について説明するための図である。以下、図15及び図16を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置100の代わりに図15に示す培養装置600を備える点が、第1の実施形態に係る細胞回収装置1とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、細胞回収装置1と同様である。培養装置600は、図15に示すように、カメラ160を含まない点が、培養装置100とは異なっている。
第1の実施形態から第5の実施形態では、細胞回収装置は、撮影装置で取得した画像から対象細胞のサイズや浮遊高さなどの対象細胞の情報を取得した。これに対して、本実施形態では、細胞回収装置は、撮影装置を備えていないため、画像から対象細胞の情報を取得する代わりに、利用者から対象細胞の情報を取得する。
本実施形態では、利用者が入力装置13を用いて制御装置10に対象細胞の情報を入力すると、入力装置13が対象細胞の情報に関する入力情報を受け付けて、制御装置10は、入力装置13で受け付けた入力情報に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、培養装置600を制御する。なお、利用者が入力する対象細胞の情報に関する入力情報は、対象細胞のサイズ情報(例えば、対象細胞の直径)、対象細胞の位置情報(例えば、対象細胞の浮遊高さ)、浮遊高さと回収高さとの間の距離情報の少なくとも1つを含むことが望ましい。
培養容器110には、図16に示すように、目盛り111が設けられていてもよく、利用者は、培養容器110に設けられた目盛り111を利用して、対象細胞の浮遊高さや浮遊高さと回収高さ(インレット121の高さ)との間の距離を読み取ってもよい。
図17は、本実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。以下、図17を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置を用いて行われる細胞回収方法について具体的に説明する。
図17に示す細胞回収処理は、制御装置10のプロセッサ11が記憶装置12に格納されている細胞回収プログラムを実行することで、例えば、ユーザの開始指示や設定されたスケジュールに従って開始される。なお、図17に示す細胞回収処理は、画像取得と物体検出の代わりに、ステップS61において上述した入力情報を取得する点が、図4に示す細胞回収処理とは異なっている。
従って、制御装置10は、ステップS61で取得した入力情報に基づいて、ステップS64において浮遊高さが回収高さに近づくように、上昇流の流速を制御してもよい。その際、制御装置10は、入力情報に基づいて対象細胞の沈降速度を推定し、推定した沈降速度に応じて、上昇流の流速を制御してもよい。なお、沈降速度の推定には、入力情報に含まれる対象細胞のサイズ情報を用いてもよく、入力情報に含まれる対象細胞の位置情報を用いてもよい。また、制御装置10は、フィードバック制御によって浮遊高さを回収高さに近づけてもよい。例えば、入力情報に含まれる対象細胞の位置情報を用いて浮遊高さと回収高さを比較してもよく、比較結果に応じて上昇流の流速を制御してもよい。
本実施形態に係る細胞回収装置によれば、図17に示す細胞回収処理を実行することで、利用者が対象細胞に関する入力情報を入力するだけで、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も上述した実施形態と同様である。
[第7の実施形態]
図18は、本実施形態に係る培養装置700の構成を例示した図である。以下、図18を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置200の代わりに図18に示す培養装置700を備える点が、第2の実施形態に係る細胞回収装置とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、第2の実施形態に係る細胞回収装置と同様である。培養装置700は、図18に示すように、カメラ160を含まない点が、培養装置200とは異なっている。
本実施形態でも第6の実施形態と同様に、細胞回収装置は、撮影装置を備えていないため、画像から対象細胞の情報を取得する代わりに、利用者から対象細胞の情報を取得する。また、利用者が入力装置13を用いて制御装置10に対象細胞の情報を入力すると、入力装置13が対象細胞の情報に関する入力情報を受け付けて、制御装置10は、入力装置13で受け付けた入力情報に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、培養装置700を制御する。
図19は、本実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。以下、図19を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置を用いて行われる細胞回収方法について具体的に説明する。
図19に示す細胞回収処理は、制御装置10のプロセッサ11が記憶装置12に格納されている細胞回収プログラムを実行することで、例えば、ユーザの開始指示や設定されたスケジュールに従って開始される。なお、図19に示す細胞回収処理は、画像取得と物体検出の代わりに、ステップS71において上述した入力情報を取得する点が、図10に示す細胞回収処理とは異なっている。
従って、制御装置10は、ステップS71で取得した入力情報に基づいて、ステップS74において浮遊高さが回収高さに近づくように、高さ調整装置であるスライダ222(図9参照)を制御してもよく、より具体的には、ステップS74においてスライダ222が浮遊高さに近づく方向にインレット221を動かすように、スライダ222を制御してもよい。
本実施形態に係る細胞回収装置によれば、図19に示す細胞回収処理を実行することで、第6の実施形態に係る細胞回収装置と同様に、利用者が対象細胞に関する入力情報を入力するだけで、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も同様である。
本実施形態においても、浮遊高さと回収高さの両方を調整することで浮遊高さを回収高さに近づけてもよい。この点は、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様である。
[第8の実施形態]
図20は、本実施形態に係る培養装置800の構成を例示した図である。以下、図20を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置(以降、単に、細胞回収装置と記す。)の構成について説明する。
細胞回収装置は、培養装置300の代わりに図20に示す培養装置800を備える点が、第3の実施形態に係る細胞回収装置とは異なっている。細胞回収装置は、制御装置10を含む点については、第3の実施形態に係る細胞回収装置と同様である。培養装置800は、図20に示すように、カメラ160を含まない点が、培養装置300とは異なっている。
本実施形態でも第7の実施形態と同様に、細胞回収装置は、撮影装置を備えていないため、画像から対象細胞の情報を取得する代わりに、利用者から対象細胞の情報を取得する。また、利用者が入力装置13を用いて制御装置10に対象細胞の情報を入力すると、入力装置13が対象細胞の情報に関する入力情報を受け付けて、制御装置10は、入力装置13で受け付けた入力情報に基づいて、浮遊高さが回収高さに近づくように、培養装置800を制御する。
図21は、本実施形態に係る細胞回収処理の一例を示すフローチャートである。以下、図21を参照しながら、本実施形態に係る細胞回収装置を用いて行われる細胞回収方法について具体的に説明する。
図21に示す細胞回収処理は、制御装置10のプロセッサ11が記憶装置12に格納されている細胞回収プログラムを実行することで、例えば、ユーザの開始指示や設定されたスケジュールに従って開始される。なお、図21に示す細胞回収処理は、画像取得と物体検出の代わりに、ステップS81において上述した入力情報を取得する点が、図12に示す細胞回収処理とは異なっている。
従って、制御装置10は、ステップS81で取得した入力情報に基づいて、ステップS84において浮遊高さが回収高さに近づくように、高さ調整装置である切替弁324を制御してもよく、より具体的には、ステップS84において切替弁324が複数のインレットのうちの浮遊高さに最も近いインレットに細胞回収に用いるインレットを切り替えるように、切替弁324を制御してもよい。
本実施形態に係る細胞回収装置によれば、図21に示す細胞回収処理を実行することで、第6の実施形態及び第7の実施形態に係る細胞回収装置と同様に、利用者が対象細胞に関する入力情報を入力するだけで、液体培地内に浮遊している複数の物体から対象細胞を選択して回収することができる。また、任意の細胞を回収可能である点、対象細胞だけを回収することができる点も同様である。
本実施形態においても、浮遊高さと回収高さの両方を調整することで浮遊高さを回収高さに近づけてもよい。この点は、第2の実施形態、第3の実施形態、及び第7の実施形態と同様である。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態を変形した変形形態および上述した実施形態に代替する代替形態が包含され得る。つまり、各実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形することが可能である。また、1つ以上の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、新たな実施形態を実施することができる。また、各実施形態に示される構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよく、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加してもよい。さらに、各実施形態に示す処理手順は、矛盾しない限り順序を入れ替えて行われてもよい。即ち、本発明の細胞回収装置、細胞回収方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
上述した実施形態では、制御装置10が浮遊高さと回収高さが十分に近づいたと判断すると、細胞を回収する例を示したが、本格的な細胞回収前に、回収した細胞が対象細胞か否かを確認してもよい。例えば、制御装置10が浮遊高さと回収高さが十分に近づいたと判断すると、回収ノズルを用いて少量の細胞を回収し、回収した細胞を分析してもよい。分析には撮影装置を用いてもよく、回収した細胞を撮影した画像が解析されてもよい。分析結果から回収した細胞が対象細胞であることが確認された後に、本格的な細胞回収を実施してもよい。これにより、対象細胞をより確実に回収することができる。
上述した実施形態では、制御装置10が浮遊高さと回収高さが十分に近づいたと判断すると、細胞を回収する例を示したが、細胞回収装置は、回収時に対象細胞とは異なる細胞が回収チャンネル内に吸引されることを回避するための構造を有してもよく、回収開始前に、その構造を機能させてもよい。例えば、培養容器には容器内を仕切る可動構造が設けられていてもよく、回収開始前に、対象細胞が浮遊する高さ(≒回収高さ)と対象細胞以外の細胞が浮遊する高さの間に、可動構造を移動させてもよい。これにより、回収時に対象細胞以外の細胞が回収チャンネル内に意図せず吸引されてしまう可能性を低下させることができる。
上述した実施形態では、細胞又は細胞塊が上昇流によって浮遊する例を示したが、細胞又は細胞塊は、マイクロビーズなどの担体に接着した状態で担体とともに浮遊してもよい。即ち、培養装置は、細胞を浮遊した状態で培養するものであればよく、一般的な浮遊培養に限らず、担体浮遊培養で細胞を培養するものであってもよい。
上述した実施形態では、細胞の直径を唯一の変動要因として利用して沈降速度を推定する例を示したが、細胞の密度などのその他の情報を沈降速度の推定に利用してもよい。対象細胞の密度は、例えば、制御装置10が対象細胞を識別する情報を予めデータベースが構築されているサーバ3へ送信することで、サーバ3から取得してもよい。
なお、本明細書において、「AがBに近づく」とは、(1)Aが移動した結果としてAがBに近づくこと、(2)Bが移動した結果としてAがBに近づくこと、(3)AとBの両方が移動した結果としてAがBに近づくこと、の全てを意味している。即ち、AがBに近づくとは、AとBの間の距離が短くなるように状態が変化すればよく、「AとBが(互いに)近づく」と言い換えることができる。
1 細胞回収装置
10 制御装置
11 プロセッサ
12 記憶装置
12a プログラム
13 入力装置
100、200、300、400、500、600、700、800 培養装置
110、210、310 培養容器
120、220、320、 回収ノズル
121、221、321、322、323 インレット
150 浮遊装置
160 カメラ
170 顕微鏡
222 スライダ
324 切替弁
510 内視鏡
C1、C2、C3 細胞
CM 液体培地

Claims (20)

  1. 培養容器と回収チャンネルとを有し、前記培養容器に収容した液体培地内に浮遊した状態で細胞を培養する培養装置と、
    前記細胞のうち回収対象である対象細胞が前記液体培地内に浮遊する高さである浮遊高さが、前記回収チャンネルのインレットであって前記培養容器内からの細胞回収に用いられるインレットの高さである回収高さに近づくように、前記培養装置を制御する制御装置と、を備える
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  2. 請求項1に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、前記対象細胞を撮影する撮影装置を備え、
    前記制御装置は、前記撮影装置で取得した画像に対する物体検出の結果に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記培養装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  3. 請求項2に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、前記液体培地に上昇流を発生させて前記細胞を浮遊させる浮遊装置を備え、
    前記制御装置は、前記物体検出の結果に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記上昇流の流速を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  4. 請求項3に記載の細胞回収装置において、
    前記制御装置は、
    前記物体検出の結果に基づいて前記対象細胞の沈降速度を推定し、
    推定した前記沈降速度に応じて、前記上昇流の流速を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の細胞回収装置において、
    前記物体検出の結果は、前記対象細胞のサイズ情報、又は、前記対象細胞の位置情報を含む
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  6. 請求項2に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、前記回収高さを調整する高さ調整装置を備え、
    前記制御装置は、前記物体検出の結果に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記高さ調整装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  7. 請求項6に記載の細胞回収装置において、
    前記高さ調整装置は、前記インレットを高さ方向に動かす構造を備え、
    前記制御装置は、前記物体検出の結果に基づいて、前記高さ調整装置が前記浮遊高さに近づく方向に前記インレットを動かすように、前記高さ調整装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  8. 請求項6に記載の細胞回収装置において、
    前記回収チャンネルは、前記培養容器に向けられた高さの異なる複数のインレットを有し、
    前記高さ調整装置は、前記複数のインレットの間で細胞回収に用いるインレットを切り替える構造を有し、
    前記制御装置は、前記物体検出の結果に基づいて、前記高さ調整装置が前記複数のインレットのうちの前記浮遊高さに最も近いインレットに細胞回収に用いるインレットを切り替えるように、前記高さ調整装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  9. 請求項2に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、
    前記液体培地に上昇流を発生させて前記細胞を浮遊させる浮遊装置と、
    前記回収高さを調整する高さ調整装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記物体検出の結果に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記上昇流の流速と前記高さ調整装置とを制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  10. 請求項1に記載の細胞回収装置において、
    前記制御装置は、
    前記対象細胞の情報に関する入力情報を受け付ける入力装置を備え、
    前記入力装置で受け付けた入力情報に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記培養装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  11. 請求項10に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、前記液体培地に上昇流を発生させて前記細胞を浮遊させる浮遊装置を備え、
    前記制御装置は、前記入力情報に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記上昇流の流速を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  12. 請求項11に記載の細胞回収装置において、
    前記制御装置は、
    前記入力情報に基づいて前記対象細胞の沈降速度を推定し、
    推定した前記沈降速度に応じて、前記上昇流の流速を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  13. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の細胞回収装置において、
    前記入力情報は、前記対象細胞のサイズ情報、前記対象細胞の位置情報、前記浮遊高さと前記回収高さとの間の距離情報の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  14. 請求項10に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、前記回収高さを調整する高さ調整装置を備え、
    前記制御装置は、前記入力情報に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記高さ調整装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  15. 請求項14に記載の細胞回収装置において、
    前記高さ調整装置は、前記インレットを高さ方向に動かす構造を備え、
    前記制御装置は、前記入力情報に基づいて、前記高さ調整装置が前記浮遊高さに近づく方向に前記インレットを動かすように、前記高さ調整装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  16. 請求項14に記載の細胞回収装置において、
    前記回収チャンネルは、前記培養容器に向けられた複数のインレットを有し、
    前記高さ調整装置は、前記複数のインレットの間で細胞回収に用いるインレットを切り替える構造を有し、
    前記制御装置は、前記入力情報に基づいて、前記高さ調整装置が前記複数のインレットのうちの前記浮遊高さに最も近いインレットに細胞回収に用いるインレットを切り替えるように、前記高さ調整装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  17. 請求項10に記載の細胞回収装置において、
    前記培養装置は、さらに、
    前記液体培地に上昇流を発生させて前記細胞を浮遊させる浮遊装置と、
    前記回収高さを調整する高さ調整装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記入力情報に基づいて、前記浮遊高さが前記回収高さに近づくように、前記上昇流の流速と前記高さ調整装置とを制御する
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の細胞回収装置において、
    前記回収チャンネルのインレットは、前記培養容器の側面に形成されている
    ことを特徴とする細胞回収装置。
  19. 培養装置が、培養容器に収容した液体培地内に浮遊した状態で細胞を培養し、
    制御装置が、前記細胞のうち回収対象である対象細胞が前記液体培地内に浮遊する高さである浮遊高さが、回収チャンネルのインレットであって前記培養容器内からの細胞回収に用いられるインレットの高さである回収高さに近づくように、前記培養装置を制御する
    ことを特徴とする細胞回収方法。
  20. コンピュータに、
    培養容器に収容した液体培地内に浮遊した状態で細胞を培養する培養装置を、前記細胞のうち回収対象である対象細胞が前記液体培地内に浮遊する高さである浮遊高さが、回収チャンネルのインレットであって前記培養容器内からの細胞回収に用いられるインレットの高さである回収高さに近づくように、制御する
    処理を実行させることを特徴とするプログラム。
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