JP2022127076A - 光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体 - Google Patents

光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】小型化と広角化を図ることができる光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体を提供する。【解決手段】光ビームを出射する光源部と、前記光ビームを偏向走査する第1の光偏向面を有する第1の光偏向器と、を有し、前記第1の光偏向器は、前記第1の光偏向器の外部に位置する回動軸を中心として、前記光ビームに対して回動自在であり、前記第1の光偏向器は、前記第1の光偏向面と前記光ビームが平行となる回動位置に回動自在であり、前記平行となる回動位置において、前記第1の光偏向面と前記光ビームが干渉しない、ことを特徴とする光走査装置。【選択図】図13

Description

本発明は、光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体に関する。
例えば、車両、船舶、航空機等の移動体の運行では、広い角度範囲で対象物の位置情報を検出する技術が用いられる。このようなセンシング技術の1つとして、LiDAR(Light Detection and Ranging:光検出および測距)がある。LiDARは、光を用いたリモートセンシングであり、レーザ光源から出射されたレーザ光が対象物で反射されて検出器に戻るまでの時間から対象物までの距離を計測するTOF(Time of Flight:飛行時間)法が用いられている。レーザ光を、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーやポリゴンミラー等の走査手段によって広角度に走査する手段があり、これにより、広い角度範囲で対象物の位置情報を取得する。
特許文献1には、少なくとも1つのプロセッサを備えるLIDARシステムが記載されている。このLIDARシステムは、複数の光源から射出された光を1つの偏向器に入射させるものである。LIDARシステム(プロセッサ)では、少なくとも1つの光源からの光を用いた視野のスキャンにおいて光束を変動させ得るように少なくとも1つの光源を制御する。また、視野をスキャンするため少なくとも1つの光源からの光を偏向させるように少なくとも1つの光偏向器を制御する。また、視野の第1の部分のスキャンに関連した第1の検出反射を用いて、第1の部分内に第1の距離の第1の物体が存在すると決定する。また、視野の第2の部分内に第1の距離の物体が不在であると決定する。また、第1の反射を検出し、第2の部分内に物体が不在であると決定した後、視野の第1の部分の方へ投影されるよりも多くの光が視野の第2の部分の方へ投影されるように光源パラメータを変更する。また、視野の第2の部分における第2の検出反射を用いて、第1の距離よりも大きい第2の距離に第2の物体が存在すると決定する。
特表2019-535014号公報
しかしながら、特許文献1を含む従来の測距装置にあっては、小型化と広角に測距するシステムを同時に成立させることが難しかった。例えば、ベロダインのような光測距システムでは、360degという広角を測距する為にシステム全体を360degに回転させる手法をとっているが、この手法ではモータなどの機構を組み込むために大型化してしまう。イノビズのような複数の光源を用いて広角を実現する場合には、複数光源の配置や光路レイアウトのためにシステムが大型化してしまう。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、小型化と広角化を図ることができる光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体を提供することを目的とする。
本実施形態の光走査装置は、光ビームを出射する光源部と、前記光ビームを偏向走査する第1の光偏向面を有する第1の光偏向器と、を有し、前記第1の光偏向器は、前記第1の光偏向器の外部に位置する回動軸を中心として、前記光ビームに対して回動自在であり、前記第1の光偏向器は、前記第1の光偏向面と前記光ビームが平行となる回動位置に回動自在であり、前記平行となる回動位置において、前記第1の光偏向面と前記光ビームが干渉しない、ことを特徴とする。
本発明によれば、小型化と広角化を図ることができる光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体を提供することができる。
本実施形態による光走査装置の構成の一例を示す図である。 本実施形態による光走査装置における各種パラメータを示す図である。 本実施形態による物体検出装置の構成の一例を示す図である。 TOF方式による距離計測を実現する物体検出装置の機能ブロック図である。 本実施形態によるセンシング装置の構成の一例を示す図である。 本実施形態による移動体の一例としての自動車を示す図である。 比較例による光偏向器の一例を示す図である。 図7において光偏向器が0deg~360degの範囲で回転した際の走査角度範囲を示す図である。 光偏向器が0deg~360degの範囲で回転した際の偏向器角度と走査角度の関係を示す図である。 光ビームに対する第1の光偏向器の回動位置の一例を示す図である。 光ビームに対する第1の光偏向器の回動位置の他の例を示す図である。 図10、図11において第1の光偏向器が0deg~360degの範囲で回転した際の走査角度範囲を示す図である。 光ビームに対する第1の光偏向器の最適設置位置を説明するための図である。 Z軸方向に関して規格化した光ビームの空間プロファイルを示す図である。 第1の光偏向器に加えて第2の光偏向器を設けた場合の一例を示す図である。 第1の光偏向器のみを設ける場合における光源部の好ましい配置位置の一例を示す図である。 第1の光偏向器と第2の光偏向器を設ける場合における第2の光偏向器の好ましい配置位置の一例を示す図である。
以下、本実施形態による光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体の一例について説明する。本実施形態は、例えば、車両、船舶、航空機等の移動体、工場や倉庫等で用いられるロボット、各種ドローン等に搭載するセンシング装置に応用可能である。また、本実施形態は、三次元の計測装置等の光投射装置にも応用可能である。その他、本実施形態は、現在又は将来のあらゆる技術分野の光走査装置、物体検出装置、センシング装置及び移動体に適用可能である。
以下の説明におけるX軸方向とY軸方向とZ軸方向は、図中に示す矢線方向を基準とする。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は互いに直交する三次元空間を構成する。
図1は、本実施形態による光走査装置1の構成の一例を示す図である。
光走査装置1は、光源部10と、投光光学素子20と、光偏向器(走査ミラー)30とを有している。詳細は後述するが、本実施形態では、光偏向器30として、第1の光偏向器310と第2の光偏向器320(少なくとも第1の光偏向器310)を設けて、且つ、光偏向器の光偏向面、回動軸、光偏向器に入射する光ビームの配置等を工夫して光偏向角を増大させることができる。但し、図1では、あくまで一般的な構成・機能を持つ光偏向器30を描いて説明を行っている。
光源部10は、X軸方向に向けて、所定の角度で発散する光ビームを出射する。光源部10は、例えば、半導体レーザ(LD:Laser Diode)から構成することができる。あるいは、光源部10は、面発光レーザ(VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER))又はLED(Light Emitting Diode)等から構成することができる。このように、光源部10をどのように構成するかには自由度があり、種々の設計変更(代用)が可能である。
投光光学素子20は、光源部10からの光ビームを成形する。具体的に、投光光学素子20は、所定の角度で発散しながら入射する光ビームを略平行光に成形する。投光光学素子20は、例えば、発散光である光ビームをカップリングして略平行光に成形する共軸非球面レンズから構成することができる。なお、図1では、投光光学素子20を1枚のレンズで描いているが、投光光学素子20を複数枚のレンズから構成してもよい。
光偏向器30は、投光光学素子20からの光ビームを偏向走査する光偏向面31を有している。具体的に、光偏向器30は、光源部10と投光光学素子20によりX軸方向に出射された光ビームをX軸方向とZ軸方向を含むXZ平面の所定の走査範囲に偏向走査する。光偏向器30による走査範囲は、例えば、光偏向面31の角度を振動や回動(回転、揺動)で変えることにより設定される。図1では、上記の走査範囲における光偏向器30(光偏向面31)の基準位置を実線で描いており、光偏向器30(光偏向面31)の走査位置(例えば基準位置と走査両端位置の中間位置)を破線で描いている。
図2は、本実施形態による光走査装置1における各種パラメータを示す図である。
図2において、θは、光源部10からの光ビームの所定の角度(発散角)の半角を示している。光源部10からの光ビームの所定の角度(発散角)とその半角θは、光源部10からの光ビームのプロファイルにおいてピーク強度の1/eで表される強度となる角度(中心方向とピーク強度の1/eの強度となる方向がなす角度)で規定されている。光源部10からの光ビームの強度がガウス型の角度分布である場合、θまたは2θの中には、光源部10が出力する全光量の95%の光量が含まれている。このため、光源部10からの光量の損失を抑えるとともに、投光光学素子20の小型化を図ることができる。
図2において、aは、光偏向器30の光偏向面31のサイズの半幅を示している。ここで、光偏向器30の光偏向面31は、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形とすることができる。光偏向器30の光偏向面31が正方形の場合、光偏向面31のサイズは正方形の一辺の長さであり、その半分の長さが光偏向面31のサイズの半幅aとなる。光偏向器30の光偏向面31が長方形の場合、光偏向面31のサイズは長方形の長辺又は短辺の長さであり、その半分の長さが光偏向面31のサイズの半幅aとなる。光偏向器30の光偏向面31が円形の場合、光偏向面31のサイズは円形の直径であり、その半分の長さが光偏向面31のサイズの半幅aとなる。光偏向器30の光偏向面31が楕円形の場合、光偏向面31のサイズは楕円形の長径又は短径であり、その半分の長さが光偏向面31のサイズの半幅aとなる。
図2において、fは、投光光学素子20の焦点距離を示している。図2に示すように、光源部10の発光点と投光光学素子20の主平面の間隔は、投光光学素子20の焦点距離fと等しくなるように配置されている。これにより、光源部10からの光ビームが投光光学素子20で略平行光になるように成形される。
図2において、αは、光偏向器30の光偏向面31に対する光ビームの入射角を示している。αは、別言すると、光偏向器30の光偏向面31の法線と、光偏向器30の光偏向面31に入射する前の光ビームの中心光線(光軸)とのなす角度である。
図2において、投光光学素子20で成形された光ビームの光束径hは、以下の数式で表される。
h=2ftanθ
上記の光ビームが光偏向器30の光偏向面31に入射角αで入射しているが、このとき、光偏向器30の光偏向面31における光ビームの光束径は、以下の数式で表される。
h/cosα=2ftanθ/cosα
図3は、本実施形態による物体検出装置2の構成の一例を示す図である。物体検出装置2は、光走査装置1の光源部10と投光光学素子20と光偏向器30に加えて、受光光学系40と、受光光学素子50と、駆動基板60とを有している。
光偏向器30によって光ビームを走査する領域内に物体がある場合、光ビームが物体によって反射又は散乱する。物体によって反射又は散乱した光ビームは、受光光学系40を通って、受光光学素子50で受光される。受光光学素子50は、光源部10からの光ビームが検出領域に存在する物体にて反射又は散乱された光を検知し、その物体検知タイミングを決定する「物体検知部」として機能する。光源部10の発光タイミングと、受光光学素子(物体検知部)50による物体検知タイミングとに基づいて、物体の情報を検出することができる。あるいは、走査された光ビームが物体にて反射・散乱する光を検知して、光源部10から出射された光ビームの発光情報と検知した光の受光情報に基づいて、物体の情報を検出することもできる。駆動基板60は、光源部10及び受光光学素子50を駆動制御する。
受光光学系40は、例えば、レンズ系、ミラー系及びその他の受光光学素子50に光を集められる種々の構成の1つを採用することができる(受光光学系40の構成には自由度があり特定の構成に限定されない)。
受光光学素子50は、例えば、PD(Photo Diode)、APD(Avalanche Photo Diode)、ガイガーモードAPDであるSPAD(Single Photon Avalanche Diode)、TOF(Time of Flight)演算機能を画素毎に有するCMOS撮像素子(TOFセンサ)から構成することができる。
図4は、TOF方式による距離計測を実現する物体検出装置2の機能ブロック図である。図4に示すように、光源部10と受光光学素子50とを接続する構成要素として、波形処理回路70と、時間計測回路80と、測定制御部90と、光源駆動回路100とが設けられている。また、物体検出装置2は、画像取得部110と、画像処理部120と、情報複合部130とを有している。
波形処理回路70は、受光光学素子50が受光した光ビームに所定の波形処理を施して検出信号を出力する。時間計測回路80は、波形処理回路70からの検出信号に基づいて、光源部10の発光タイミングから受光光学素子50の物体検知タイミングまでの時間を計測し、その時間計測結果を出力する。測定制御部90は、時間計測回路80から入力した光源部10の発光タイミングから受光光学素子50の物体検知タイミングまでの時間計測結果(光源部10の発光タイミングと受光光学素子50の物体検知タイミング)に基づいて、検出領域に存在する物体の情報を検出する。また、測定制御部90は、検出した物体の情報に基づいて、光源駆動信号を出力する。光源駆動回路100は、測定制御部90からの光源駆動信号に基づいて、光源部10の発光を制御する。
光源部10をパルス発光させたタイミングから、物体を経由して返ってきた光ビームが受光光学素子50に到達するまでの時間を波形処理回路70、時間計測回路80を介して測定し、その値を光速と掛け合わせると、光が物体検出装置2から物体まで往復する距離が算出される。投光系と受光系は物体に対してほとんど同距離にあり、光源部10から物体までの距離と、物体から受光光学素子50までの距離とが略同一とみなせることを利用して、求めた往復の距離の半分を、物体検出装置2から物体までの距離として算出する。
画像取得部110は、例えば、撮像素子(CCD:Charge Coupled Device)から構成されており、検出領域に存在する物体の画像を取得する。画像処理部120は、画像取得部110が取得した物体の画像を処理して画像情報とする。情報複合部130は、画像処理部120による画像情報と、測定制御部90による物体の情報とを複合する。この複合情報は、例えば、検出領域に存在する測距対象物の画像と、当該測距対象物の距離情報(測距情報)とを複合したものであり、図示を省略したディスプレイに表示したり、図示を省略したメモリに記憶したりして使用することができる。
図5は、本実施形態によるセンシング装置3の構成の一例を示す図である。センシング装置3は、上述した物体検出装置2と、監視制御装置4とを有している。物体検出装置2と監視制御装置4は、電気的に接続されている。
図6は、本実施形態による移動体としての自動車5を示す図である。自動車(移動体)5にセンシング装置3が搭載(内蔵)されている。センシング装置3は、例えば、自動車5のバンパー付近やバックミラー近傍に取り付けられる。なお、図5では、監視制御装置4がセンシング装置3の内部に設けられているように描いているが、監視制御装置4をセンシング装置3とは別に自動車5に設けることも可能である。
監視制御装置4は、物体検出装置2の出力に基づいて、物体の有無、物体の移動方向及び物体の移動速度の少なくとも1つを含む情報を取得する。また、監視制御装置4は、物体検出装置2の出力に基づいて、物体の形状や大きさの決定、物体の位置情報の算出、移動情報の算出、物体の種類の認識等の処理を行う。そして、監視制御装置4は、物体の位置情報と移動情報の少なくとも1つに基づいて、移動体の移動(ここでは自動車5の走行)に関する制御を行う。例えば、自動車5の前方に障害物があると判断された場合には、自動運転技術によって自動ブレーキを掛けるほか、アラームを出したり、ハンドルを切ったり、ブレーキを踏んだりするための指令を出す。
図7A、図7Bは、比較例による光偏向器30’の一例を示す図である。光偏向器30’は、図示を省略した光源部及び投光光学素子からの光ビームを偏向走査する光偏向面31’を有している。図7A、図7Bにおいて、光偏向器30’の回動軸(回転軸、揺動軸)は、光偏向器30’の内部(中心)に存在してY軸方向に延びており、当該回動軸を中心として、光偏向器30’がY軸回りに回動自在となっている。図7Aは、光偏向器30’の光偏向面31’がXY平面に平行なときに光ビームと光偏向面31’の間隔が0以上となるような回動軸設定時を描いており、図7Bは、光偏向器30’の光偏向面31’がXY平面に平行なときに光ビームと光偏向面31’の間隔が0以下となるような回動軸設定時を描いている。
図7A、図7Bに描いた光偏向器30’の回動位置は、光偏向面31’が0deg基準の位置(光偏向面31’が光ビームと平行をなす位置)からY軸中心とした反時計回りに15deg回動した位置となっている。この場合、図7A、図7Bのいずれにおいても、光ビームを偏向・走査していることが分かる。
しかしながら、広角走査を目的とする光偏向器は、15degのみならず、0deg~360deg(-180deg~+180deg)の回動(回転、揺動)範囲において光を広く走査することが求められる。図7A、図7Bにおいて、光偏向器が0deg~360degの範囲で回転した際の走査角度範囲を図8A、図8Bに示す。またその際の偏向器角度と走査角度の関係を図9に示す。
図8A、図8Bにおいて、縦軸は光線の走査角度範囲を示しており、横軸は光偏向器の回転角度を示している。図9において、X軸方向と偏向器角度0degが一致しており、Z軸方向と走査角度0degが一致している。
図8A、図8Bに示すように、図7A、図7Bのいずれの回動軸設定時であっても、光偏向器の角度90deg付近(60degから120deg)で光線が走査されない現象が存在する。これは一般的に、光偏向器に入射する光ビームが光源から出射され、その後光ビームを所望の光学特性に成形する投光光学系を有することが多く(本実施形態でも投光光学素子20を設けている)、この場合、走査光ビームが投光光学系自体でケラレてしまう為に、走査角度90degは走査できないことに起因する。
さらに、図8Aでは走査角度-120deg付近(-90degから-150deg)で十分な走査ができておらず、図8Bでは-90deg付近(-60degから-120deg)で十分な走査ができていないことが分かる。これは、光ビームに対して光偏向器自体が遮蔽物となって外方向への光走査ができないことに起因する。
そこで、本実施形態では、光走査装置1の小型化を図りつつ、光ビームの走査範囲(走査角)を拡大するための工夫を行っている。具体的には、光偏向器30として、第1の光偏向器310を設けて、且つ、第1の光偏向器310の第1の光偏向面311、回動軸312、第1の光偏向器310に入射する光ビームの配置等を工夫して光偏向角を増大させている。
図10は、光ビームに対する第1の光偏向器310の回動位置の一例を示す図である。図11は、光ビームに対する第1の光偏向器310の回動位置の他の例を示す図である。図12は、図10、図11において第1の光偏向器310が0deg~360degの範囲で回転した際の走査角度範囲を示す図である。図13は、光ビームに対する第1の光偏向器310の最適設置位置を説明するための図である。
図10、図11に示すように、第1の光偏向器310は、光ビームを偏向走査する第1の光偏向面311を有している。第1の光偏向器310は、第1の光偏向器310の外部に位置する回動軸(回転軸、揺動軸)312を中心として、光ビームに対して回動自在(回転自在、揺動自在)となっている。図11には、第1の光偏向器310の回動範囲に亘り光ビームの偏向走査に使用する領域を偏向器範囲として描いている。具体的に、図11には、光ビームが走査される軸と光偏向面の法線を含む平面において、光ビームが光偏向面に入射する断面の光偏向が形成される部分を描いている。これは、第1の光偏向器310の外部に位置する回動軸312として定義することができる。
図10に示すように、第1の光偏向器310は、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる回動位置に回動自在である。そして、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる第1の光偏向器310の回動位置において、第1の光偏向面311と光ビームが干渉しない。具体的に、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる第1の光偏向器310の回動位置において、第1の光偏向面311と光ビームが間隔をおいて離れている(離間している)。別言すると、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる第1の光偏向器310の回動位置において、第1の光偏向面311と光ビームの間隔が、第1の光偏向器310の外部側を正として0以上となっている(あるいは0より大きくなっている)。
なお、第1の光偏向面311と光ビームが平行よりも少しずれている(例えば1°~3°程度傾いている)第1の光偏向器310の回動位置においても、第1の光偏向面311と光ビームが干渉しなくてもよい(両者が間隔をおいて離れていてもよい)。
このように、本実施形態の光走査装置1では、第1の光偏向器310が、第1の光偏向器310の外部に位置する回動軸312を中心として、光ビームに対して回動自在であり、第1の光偏向器310が、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる回動位置に回動自在であり、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる第1の光偏向器310の回動位置において、第1の光偏向面311と光ビームが干渉しないようにしている。光走査装置1に大幅な設計変更(部品点数の増加や配置転換)が不要なので、光走査装置1の小型化を図ることができる。また、第1の光偏向器310自体で光ビームがケラレることがないので、広角の投射光を実現する(光ビームの走査範囲(走査角)を拡大する)ことができる。
また、図12に示すように、走査角度90deg付近で発生する投光光学系自体に起因するケラレの他には走査不可領域が存在していない。つまり、図8Aの走査角度-120deg付近、及び、図8Bの-90deg付近で発生していた光偏向器自体が遮蔽物となることに起因する走査不可領域が存在していない。
図13に示すように、第1の光偏向面311と光ビームが平行となる回動位置における第1の光偏向面311と光ビームの間隔をD、光ビームの光束径をBとしたとき、次の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1)D≧B/2
条件式(1)を満足することで、第1の光偏向器310によるケラレをより効果的に抑制してゴーストを低減することができる。条件式(1)を満足しない場合、第1の光偏向器310によるケラレ防止効果が不十分となってゴーストが発生するおそれがある。
図14は、Z軸方向に関して規格化した光ビームの空間プロファイルを示す図である。図14において、横軸はZ軸方向位置(mm)を示しており、縦軸は規格化光ビーム強度を示している。
第1の光偏向器310に入射する光ビームのビーム径(光束径)Bは、図14に示すように規格化光ビーム強度の半値全幅で定義される。光走査装置において光利用効率の向上やゴーストを抑制するといった観点から、光路内での光ビームのケラレを抑制する必要がある。この場合、第1の光偏向面311と光ビームの間隔DをB/2以上とすることで、第1の光偏向器310でケラレる光ビームを抑制することが可能で、光利用効率の向上やゴーストを抑制した光走査装置1を提供することができる。
図15は、第1の光偏向器310に加えて(とは別に)第2の光偏向器320を設けた場合の一例を示す図である。
第2の光偏向器320は、光源部10及び投光光学素子20と、第1の光偏向器310との間に位置している。第2の光偏向器320は、光ビームを偏向走査する第2の光偏向面321を有している。第2の光偏向器320の第2の光偏向面321は、光源部10及び投光光学素子20からの光ビームを偏向走査して、第1の光偏向器310に導く。
第1の光偏向器310と第2の光偏向器320を併用することで、二軸の光走査装置1が提供可能となる。また、第1の光偏向器310の第1の光偏向面311による走査方向と第2の光偏向器320の第2の光偏向面321による走査方向は、互いに交差(直交)している。例えば、第1の光偏向器310がX軸方向の走査を実施して、第2の光偏向器320がY軸方向の走査を実施することができる。
このように、光源部10及び投光光学素子20からの光ビームは、第2の光偏向器320の第2の光偏向面321により走査された後に第1の光偏向器310の第1の光偏向面311により走査される。ここで、第2の光偏向器320の第2の光偏向面321による走査角は、第1の光偏向器310の第1の光偏光面311による走査角よりも小さいことが好ましい。第2の光偏向器320を通過した光ビームは第1の光偏向器310へと入射するが、その際、第2の光偏向器320で走査された光ビームはその走査角に応じて拡大されて第1の光偏向器310に入射することとなる。第1の光偏向器310に入射する光ビームの走査角は、第1の光偏向器310の第1の光偏光面311を小さくするために小さい方が好ましい。第1の光偏向器310の第1の光偏向面311はその走査安定性や周期から小さいほうが良い。また、第1の光偏向器310と第2の光偏向器320の順番と走査角を最適設定することで、光走査装置1のより一層の小型化が可能になる。
図16は、第1の光偏向器310のみを設ける場合における光源部10の好ましい配置位置の一例を示す図である。図16に示すように、光源部10は、第1の光偏向器310の第1の光偏向面311により走査される光ビームの走査軌跡平面外に位置している。これにより、第1の光偏向器310における走査範囲(走査角)を拡張するとともに、光源部10による走査光(光ビーム)のケラレを抑制することができる。
図17は、第1の光偏向器310と第2の光偏向器320を設ける場合における第2の光偏向器320の好ましい配置位置の一例を示す図である。図17に示すように、第2の光偏向器320は、第1の光偏向器310の第1の光偏向面311により走査される光ビームの走査軌跡平面外に位置している。これにより、第1の光偏向器310における走査範囲(走査角)を拡張するとともに、第2の光偏向器320による走査光(光ビーム)のケラレを抑制することができる。
このように、本実施形態では、例えば、LiDARに用いられる光走査装置において、走査素子(例えば第1の光偏向器)の素子中心と回動軸(回転軸、揺動軸)を異ならせて設けることで、走査素子自体によって光線(光ビーム)がケラレて投光範囲が低減するのを抑制することができる。また、走査素子(例えば第1の光偏向器)の偏向面(例えば第1の光偏向面)が入射する光ビームと平行になる状態を含めて回動するようにして、入射する光ビームと偏向面が平行となる状態で偏向面を光ビームが干渉しないように配置することで、光ビームの走査範囲(走査角)を拡大しつつ、光走査装置を小型化することができる。さらに、板状の走査素子(例えば第1の光偏向器)の表裏面(例えば第1の光偏向面のみならずその反対側に位置する面)を使うことで、光ビームの走査範囲をさらに拡大することができる。
1 光走査装置
2 物体検出装置
3 センシング装置
4 監視制御装置
5 自動車(移動体)
10 光源部
20 投光光学素子
30 光偏向器(走査ミラー)
31 光偏向面
40 受光光学系
50 受光光学素子(物体検知部)
60 駆動基板
70 波形処理回路
80 時間計測回路
90 測定制御部
100 光源駆動回路
110 画像取得部
120 画像処理部
130 情報複合部
310 第1の光偏向器
311 第1の光偏向面
312 回動軸(回転軸、揺動軸)
320 第2の光偏向器
321 第2の光偏向面

Claims (11)

  1. 光ビームを出射する光源部と、
    前記光ビームを偏向走査する第1の光偏向面を有する第1の光偏向器と、
    を有し、
    前記第1の光偏向器は、前記第1の光偏向器の外部に位置する回動軸を中心として、前記光ビームに対して回動自在であり、
    前記第1の光偏向器は、前記第1の光偏向面と前記光ビームが平行となる回動位置に回動自在であり、
    前記平行となる回動位置において、前記第1の光偏向面と前記光ビームが干渉しない、
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記平行となる回動位置において、前記第1の光偏向面と前記光ビームが間隔をおいて離れている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記平行となる回動位置における前記第1の光偏向面と前記光ビームの間隔をD、前記光ビームの光束径をBとしたとき、次の条件式(1)を満足する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
    (1)D≧B/2
  4. 前記光源部は、前記第1の光偏向器の前記第1の光偏向面により走査される前記光ビームの走査軌跡平面外に位置する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光走査装置。
  5. 前記光ビームを偏向走査する第2の光偏向面を有する第2の光偏向器をさらに有し、
    前記第1の光偏向器の前記第1の光偏向面による走査方向と前記第2の光偏向器の前記第2の光偏向面による走査方向は、互いに交差する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光走査装置。
  6. 前記光ビームは、前記第2の光偏向器の前記第2の光偏向面により走査された後に前記第1の光偏向器の前記第1の光偏向面により走査され、
    前記第1の光偏向器の前記第1の光偏向面による走査角は、前記第2の光偏向器の前記第2の光偏向面による走査角よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
  7. 前記第2の光偏向器は、前記第1の光偏向器の前記第1の光偏向面により走査される前記光ビームの走査軌跡平面外に位置する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光走査装置と、
    前記光源部からの前記光ビームが検出領域に存在する物体にて反射又は散乱された光を検知し、その物体検知タイミングを決定する物体検知部と、
    を有し、
    前記光源部の発光タイミングと前記物体検知タイミングに基づいて、前記物体の情報を検出することを特徴とする物体検出装置。
  9. 検出領域に存在する物体の画像を取得する画像取得部と、
    前記画像取得部が取得した物体の画像を処理して画像情報とする画像処理部と、
    前記画像情報と前記物体の情報を複合する情報複合部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の物体検出装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の物体検出装置と、
    前記物体検出装置の出力に基づいて、前記物体の有無、前記物体の移動方向及び前記物体の移動速度の少なくとも1つを含む情報を取得する監視制御装置と、
    を有することを特徴とするセンシング装置。
  11. 請求項10に記載のセンシング装置を搭載する移動体であって、
    前記監視制御装置は、前記物体の位置情報と移動情報の少なくとも1つに基づいて、前記移動体の移動に関する制御を行う、
    ことを特徴とする移動体。
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