JP2022126001A - 回転機構、飛行体、積載物の姿勢制御装置、方法 - Google Patents

回転機構、飛行体、積載物の姿勢制御装置、方法 Download PDF

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Abstract

【課題】飛行体の姿勢の変化による積載物の姿勢の変化を抑えるシステムを提供する。【解決手段】回転基準100と回転体101とを接続するリンクであって、ジョイントXA10とXC11を結ぶ直線とジョイントAB12とBC13を結ぶ直線が平行であり、ジョイントAB12とAD14を結ぶ直線とジョイントBY15とDY16を結ぶ直線が平行であり、ジョイントXA10とAB12を結ぶ直線とジョイントXC11とBC13を結ぶ直線が平行であり、ジョイントAB12とBY15を結ぶ直線とジョイントAD14とDY16を結ぶ直線が平行であるようにジョイントが配置された機構であって、リンクXに回転基準が接続され、あるいは、ジョイントXA10とXC11間に回転基準100があり、ジョイントBY15とジョイントDY16の線上に回転体101を接続する。【選択図】図8

Description

回転機構、ジンバル、および回転体の位置、姿勢の制御、および飛行体に関する。
近年ドローンと呼ばれる、飛行体を用いた配送を実現するための開発が進められている。
ドローンの多くは、機体の中心部付近に、制御用のコンピューターやバッテリー、センサーなどを備える構成である。飛行において重量のある構成物を機体の中心付近に置いたほうが、慣性モーメントが少なくなり、機体の運動に有利である。また、加速度センサーなど、飛行体の中心に置いたほうが制御、センシングにおいて有利である。
飛行体に積載物を取り付ける際の問題点や懸念事項は次のとおりである。積載物を飛行体に取り付けることで、重心が変化し、飛行体の飛行性能に悪影響を及ぼす。飛行体が姿勢を変化させることで、飛行体に接続した積載物の姿勢も変化してしまう。積載物の重さや形状は、積載物に応じて異なるため、専用の重心設計をした飛行体を用いるのは非効率である。そのため、前記積載物の姿勢変化を打ち消すための機構が必要である。
ドローンにジンバル機構を備え、ドローンと積載物をジンバル機構で接続することで、ドローンの姿勢変化による積載物の姿勢変化を打つ消す方法がある。しかし、ジンバル機構の回転中心が、ドローンの姿勢変化の回転中心と一致しない場合には、積載物の自重によってドローンを回転させる力が生じてしまい、ドローンはその力を打ち消すための姿勢変化をさせる力を発生させる必要が生じる。また、飛行体の姿勢変化によって積載物の位置も変化してしまうため、積載物の位置を制御する必要がある場合に、飛行体の制御が複雑になってしまう。
特開2019-059480
一般的なジンバルでは、ジンバルによる回転中心は、モーターや車軸、回転の出力軸のような物理的な回転軸、もしくはその延長線に制限される。
ジンバルをドローンに適用する場合では、一般的に、ドローンの回転中心は機体の内部に位置していることが多い。その為、上記の問題を解消するためにジンバルによる回転中心をドローンの姿勢変化の回転中心と一致させるためには、機体の中心に空間を有し、ジンバル機構を備えることができるような特殊な機体が必要である(特許文献1)。
そこで、本願発明では、回転基準に対する回転体の回転の中心の配置の自由度を高くできるような機構や装置を提供する。
また、飛行体に適用する場合では、飛行体に積載する積載物の飛行体の位置と姿勢に対する位置と姿勢を制御する機構を備えることで、重心位置の変化と積載物の姿勢変化を抑え、飛行効率、安定性を向上する。
リンク機構によって回転基準に対する回転体の回転中心を、機構構成物の外部に設定する。
リンクXとリンクAとはジョイントXAで接続され、
リンクAとリンクBとはジョイントABで接続され、
リンクBとリンクYとはジョイントBYで接続され、
リンクCはリンクX上のジョイントXCとリンクB上のジョイントBCで接続され、
リンクDはリンクA上のジョイントADとリンクY上のジョイントDYで接続され、
ジョイントXAとXCを結ぶ直線とジョイントABとBCを結ぶ直線が平行であり、
ジョイントABとADを結ぶ直線とジョイントBYとDYを結ぶ直線が平行であり、
ジョイントXAとABを結ぶ直線とジョイントXCとBCを結ぶ直線が平行であり、
ジョイントABとBYを結ぶ直線とジョイントADとDYを結ぶ直線が平行であるようにジョイントが配置された機構であって、
リンクXに回転基準が接続され、あるいは、リンクXが回転基準であり、
リンクYに回転体が接続され、あるいは、リンクYが回転体である回転機構とする。
ジョイントXAとXCと回転体の回転中心Oのリンク機構としての位置関係が、ジョイントABとBCとBYのリンク機構としての位置関係と同じである。
平行リンク機構を用いることで、回転の中心を空中の点に設定することができる。
リンクXは飛行体に接続される、あるいは、リンクXとは飛行体としてもよい。
リンクYは積載物に接続される、あるいは、リンクYとは積載物としてもよい。
前記回転機構の一つを第1の回転機構、もう一つを第2の回転機構とし、各構成要素を第1のリンクX、第2のリンクXのように呼ぶ。
第1のリンクYに第2のリンクXが接続された回転機構としてもよい。ここで、第1のリンクYが第2のリンクXであると考えてもよい。また、第1の回転機構の回転軸と第2の回転機構の回転軸は、その方向を一致させない。
第1の回転機構のジョイントXAとXCと回転体の回転中心Oのリンク機構としての位置関係が、第1の回転機構のジョイントABとBCとBYのリンク機構としての位置関係と同じであり、
第2の回転機構のジョイントXAとXCと回転体の回転中心Oのリンク機構としての位置関係が、第2の回転機構のジョイントABとBCとBYのリンク機構としての位置関係と同じである回転機構とする。
回転体、積載物がリンクYに対して、回転可能に接続されてもよい。例えば、リンクYを基準とした回転中心Oを通る回転軸で回転体が回転可能としてもよい。
リンクXあるいはリンクYあるいはその両方について、水平方向への移動を可能としてもよい。
リンクXに対してリンクYを回転させることができるように、アクチュエーターを備えてもよい。いずれかのジョイントを回転させる、あるいは、いずれかのリンクを傾けることができるようにすれば、回転機構によってリンクXに対してリンクYを回転させることができる。
リンクXの回転に対してリンクYが回転しないように制御してもよい。リンクXの回転を相殺するようにリンクYを回転させてもよい。
リンクXとリンクAuはジョイントXAuで接続され、
リンクXとリンクCuはジョイントXCuで接続され、
リンクXとリンクEはジョイントXEで接続され、

リンクBとリンクAuはジョイントAuBで接続され、
リンクBとリンクCuはジョイントBCuで接続され、
リンクBとリンクEはジョイントBEで接続され、

リンクBとリンクAdはジョイントAdBで接続され、
リンクBとリンクCdはジョイントBCdで接続され、
リンクBとリンクYはジョイントBYで接続され、

リンクDとリンクAdはジョイントAdDで接続され、
リンクDとリンクCdはジョイントCdDで接続され、
リンクDとリンクYはジョイントDYで接続され、

少なくともリンクAuとリンクAdまたはリンクCuとリンクCdのいずれかの組がリンクBに対して同じだけ回転するように接続された回転機構とする。
リンクXに回転基準が接続され、あるいは、リンクXが回転基準であり、
リンクYに回転体が接続され、あるいは、リンクYが回転体である回転機構とする。
回転体と回転基準は逆に割り当ててもよい。
リンクXは飛行体に接続される、あるいは、リンクXとは飛行体としてもよい。
リンクYは積載物に接続される、あるいは、リンクYとは積載物としてもよい。
前記各ジョイントは接続するリンクを少なくとも2軸方向に回転可能に接続し、
各ジョイント2軸は平行移動した位置関係とする。挙動としての回転の軸が平行移動の関係を構成できればよい。例えば2つの軸が交わっている場合は2軸の外積方向に回転していてもよい。
ジョイントの2つの回転軸方向の軸が直交する平面でそれぞれみたとき、
ジョイントXAuとジョイントAuBを通る直線とジョイントXCuとジョイントBCuを通る直線とジョイントXEとジョイントBEを通る直線とが平行であって、ジョイント間距離が同じであり、

ジョイントAdBとジョイントAdDを通る直線とジョイントBCdとジョイントCdDを通る直線とジョイントBYとジョイントDYを通る直線とが平行であって、ジョイント間距離が同じとする。
ジョイントの2つの回転軸方向の軸が直交する平面でそれぞれみたとき、
ジョイントAuBとジョイントBYの位置関係とジョイントXAuと回転中心Oの位置関係が同じとなるようにする。各ジョイントの回転軸が交わらない場合は、回転中心Oの回転軸も交わらず、ジョイントの回転軸を平行移動した回転軸となる。
回転機構のそれぞれの回転軸のいずれかのジョイントの回転軸でアクチュエーターなどで駆動する、あるいは回転体を回転させる力をいずれかのリンクに加えるような構成とすることで、能動的に回転機構による回転をさせることができる。駆動力を加えずに受動的に回転するようにしてもよい。

回転基準に対する回転体の回転の中心の配置の自由度を高くすることができる。一例は、回転基準に対する回転体の回転軸をモーターや車軸、回転の出力軸のような物理的な回転軸ではない回転軸で回転体を回転させることもできる。一例は、回転の中心を、回転機構を構成する物体の外部に備えることも可能となる。
飛行体に適用した場合には、回転体の回転中心を飛行体の内部の点に位置させることが可能となる。そのため、ジンバルなど積載物を回転させる仕組みを内部に搭載できないような飛行体においても、積載物の飛行体に対する回転の中心を飛行体の回転中心に合わせることが可能となる。
回転機構の構成図 回転中心をずらした形態 2軸の回転機構の構成例 2軸の回転機構の構成例2 リンクの一部を省略する例 片側を軸受けやモーターで接続する例 飛行体への適用例1 飛行体への適用例2 飛行体への適用例3 姿勢制御システム構成例 テイルシッタードローンへの適用例 リンクの配置変更例 回転機構の変形例 リンクの変形例 横向きでの取り付け例 カウンターウェイトの取り付け例 飛行体への接続部の例 適用例 適用例2 リンクYを2軸方向に回転させる別の例1 リンクYを2軸方向に回転させる別の例2 リンクDを無くした構成例
図1に本願回転機構の基本的な構成を示す。
リンクX1とリンクA2とはジョイントXA10で接続され、
リンクA2とリンクB3とはジョイントAB12で接続され、
リンクB3とリンクY6とはジョイントBY15で接続され、
リンクC4はリンクX1上のジョイントXC11とリンクB3上のジョイントBC13で接続され、
リンクD5はリンクA2上のジョイントAD14とリンクY6上のジョイントDY16で接続される。
ここで、ジョイントは、それぞれが平行な回転軸で接続されたリンクを回転可能である。いわゆる回り対偶と考えてもよい。
ジョイントの回転軸と垂直な平面でジョイントを見たとき、
ジョイントXA10とXC11を結ぶ直線とジョイントAB12とBC13を結ぶ直線が平行であり、
ジョイントAB12とAD14を結ぶ直線とジョイントBY15とDY16を結ぶ直線が平行であり、
ジョイントXA10とAB12を結ぶ直線とジョイントXC11とBC13を結ぶ直線が平行であり、
ジョイントAB12とBY15を結ぶ直線とジョイントAD14とDY16を結ぶ直線が平行であるようにジョイントを配置したリンク機構とする。ジョイントの位置は、奥行き方向に位置が変化しても、リンク機構においては等価である。
このような構成とすることによって、リンクY6はリンクX1に対して回転中心Oで回転することが可能となる。回転中心Oにジョイントなど回転させるための構成要素を配置することなくリンクY6を回転中心O周りに回転させることができる。ここで、リンクY6の回転軸は、ジョイントの回転軸と平行となる。図1の(a)と(b)に回転の様子の一例を示す。ただし、ここではリンクXがリンクYに対して回転中心O周りに回転しているように図示している。
図1に例示した構成に限らず、各ジョイントの位置の条件を満たす任意の変形をしてもよい。例えば、リンクD5をリンクC4よりも上側に配置してもよい。リンクA2とリンクC4の位置が入れ替わってもよい。
また、このときの回転中心Oの位置は、ジョイントの回転軸と垂直な平面でジョイントを見たとき、ジョイントXA10とXC11と回転中心Oの位置関係とジョイントAB12とBC13とBY15の位置関係と同じになるような回転中心Oの位置となる。すなわち、ジョイントAB12とBC13に対するジョイントBY15の位置を設計することで、任意の位置の回転中心Oを得ることができる。
リンクC4とリンクD5をジョイントCD17で接続してもよい。このとき、ジョイントAB12とAD14を結ぶ直線とジョイントBC13とCD17を結ぶ直線が平行となるようにする。このように、余剰となるジョイントを加えることで耐荷重性の向上が期待できる。また、図8のような構成としたとき、左右対称の構成とできて、バランス面などで有利である。
リンク同士の干渉を避けるように各リンクの配置を奥行方向、回転軸方向にずらして配置してもよい。図12の例では、リンクB3とリンクD5が干渉しないように、奥側と手前側に配置し、リンクY6を挟み込むような配置としている。こうすることで、リンクB3とリンクD5の可動範囲が広くとれるので、結果として回転機構の回転可能な範囲を大きくとれる。また、回転機構のサイズを縮小することができる。
図1では、それぞれのリンクを直線で構成したが、ジョイントの位置関係が前記の条件を満たしていれば、その形状は問わない。したがって、リンク同士の干渉を避けて、可動範囲を広くとるために曲げた構成にしたり、奥行方向の位置にジョイントを配置してもよい。
図2のように、ジョイントBY15、ジョイントDY16の位置を、ずらすことで回転中心Oの位置を変化させることができる。これによって、例えば飛行体100の底面にリンクX1を接続した際に、回転中心Oを底面よりも上に配置することができる。
この回転機構をさらに、もう一軸について回転させることで、リンクY6を回転機構の回転軸と回転機構を回転させる回転軸との2軸で回転させることができる。例えば、図1においては、リンクX1をジョイントXA10とXC11を結ぶ直線と平行な軸で回転させる。ここで、リンクX1を回転させる回転軸を回転中心Oを通る軸とすることで、リンクY6を回転中心O周りに2方向に回転させることができる。リンクX1と回転基準の接続方法の例は、回転基準に対してリンクX1が、前記リンクX1の回転軸に回転可能なようにモーターや軸受けなどで接続する。
リンクY6がジョイントBY15とDY16を結ぶ直線に平行な軸に回転可能に、回転部を備えてもよい。例えば、リンクY6と回転体とをBY15とDY16を結ぶ直線に平行な軸に回転可能なようにモーターや軸受けなどで接続する。
リンクY6と回転体とをジンバルで接続してもよい。ここでのジンバルとは、一般的な、例えばカメラの振れを防止するために用いられるような、回転軸がモーターで構成されるような通常のジンバルでよい。このような構成とすることで、回転体を、回転基準の姿勢変化によってその位置と姿勢を変化させないように制御可能となり、さらに、回転基準の向きや傾きの変化に影響せず、回転体自身の向きや傾きを変化させることができる。
回転体がリンクY6に対して平行移動できるように接続してもよい。リンクY6に対して回転体が平行移動できるようにすることで、回転体に対する振動を吸収したり、回転体の位置の調整が可能となる。
リンクY6と回転体あるいはリンクX1と回転基準の少なくともいずれかを防振部材で接続してもよい。防振部材の一例は、ゴムやダンパーなどである。
前記回転機構を2つ用いることで、2軸での回転を制御することができる。
説明のために前記回転機構の1つを第1の回転機構、もう1つを第2の回転機構とし、各構成要素を第1のリンクX、第2のリンクXのように呼ぶ。
第1のリンクYに第2のリンクXが接続された回転機構とする。ここで、第1のリンクYが第2のリンクXであると考えてもよい。また、第1の回転機構の回転軸と第2の回転機構の回転軸は、その方向を一致させない。例えば、第1の回転機構と第2の回転機構の回転軸を直交させる。
また、第1と第2の回転機構それぞれについて、ジョイントの回転軸と垂直な平面でジョイントを見たとき、
第1の回転機構のジョイントXAとXCと回転体の回転中心Oのリンク機構としての位置関係が、第1の回転機構のジョイントABとBCとBYのリンク機構としての位置関係と同じであり、
第2の回転機構のジョイントXAとXCと回転体の回転中心Oのリンク機構としての位置関係が、第2の回転機構のジョイントABとBCとBYのリンク機構としての位置関係と同じである回転機構とすることによって、第1の回転機構と第2の回転機構の回転軸が、回転中心Oを通るため、第2のリンクYを回転中心O周りに2方向に回転させることができる。
図3に2つの回転機構を組み合わせる際の例を示す。
図3の(a)は第1の回転機構の回転軸方向(z軸)から見たリンクを図示したものである。図3の(b-1)と(b-2)は第2の回転機構の回転軸方向(x軸)に見たリンクを図示したものである。第2の回転軸の接続例として、図3の(b-1)のように第1のリンクY300の上部に第2のリンクX301を接続する。第2のリンクX301を上部に備える構成とすることで、第2のリンクX301を回転中心Oに近づけることができるため、回転機構のサイズを抑えることができる。
当然図3の(b-2)のように、第2のリンクX301を第1のリンクY300の下部に接続してもよい。ただし、第2の回転機構の回転中心を回転中心Oにするために、ジョイントAB312とBC313を結ぶ直線とジョイントBYの垂直距離を大きくとる必要があり、回転機構のサイズが大きくなる場合がある。第2のリンクX301は例示した位置に限らず、任意の位置で取り付けてよい。
第1の回転機構の回転軸と第2の回転機構の回転機構を直交させることによって、第2のリンクY306を第1の回転機構と第2の回転機構の回転軸が交わる点を回転中心として、2方向に回転させることができる。これにより、本回転機構は2軸のジンバルと同等の機能を有することができる。
図4に別の構成例を示す。図4の(b-1)は第1の回転機構を第2の回転機構の横に設置したものである。図3の構成と比較して、例えば、第2の回転機構のリンクB303と第1の回転機構との干渉を避けるために、第2の回転機構のジョイントXA301とAB312の間隔を大きくとる必要がない。そのため、回転機構の高さ、長さを抑えることができる。図4において、第2のジョイントXA310をさらに回転中心Oに近づけることもできる。例えば、第1のリンクY300と第2のリンクX301の接続位置をさらに上部に配置する。図4の例では、第1のリンクY300を上方に延長することもできる。
図4の(b-2)は、第1の回転機構と同じ回転軸にリンクY400を回転させる第3の回転機構をさらに備え、第2の回転機構を両側で支える形としたものである。図4の(b-1)と比較して、接続箇所が増えるので、耐荷重の面で有利である。また、左右対称の構成とできるためバランス面でも有利である。図4の(b-1)と(b-2)は第1と第3の回転機構について、リンクY以外の図示を省略している。
第1の回転機構と第3の回転機構は、第2の回転機構によって接続されて同じ量だけ回転することとなるが、第1と第3の回転機構の対応するリンクの少なくともいずれかを1つのリンクとしてつなげてもよい。第1と第3の回転機構のリンクYの回転量に差が生じるような場合を防ぎ、第2の回転機構をねじるような力が加わることを防ぐ。
図5のように、図4の(b-2)における、第1と第3の回転機構のリンクの一部を省略することができる。例えば、第1のリンクB3を省略し、代わりにリンクC4をリンクD5とジョイントCD17で接続し、第3のリンクDを省略する。このとき、ジョイントCD17は第3のジョイントXA510とAD514を結ぶ直線と平行となるようにする。このとき、1つの回転機構を第1と第3の回転機構で構成しているものと考えてもよい。
図6のように、第2のリンク機構の片側を回転基準と、モーターや軸受け601など通常の回転可能な接続方法で接続してもよい。この際、回転軸は第1の回転機構の回転軸と同じとする。
本願回転機構を飛行体に適用する場合の例について、マルチコプター型のドローンを飛行体100として、ドローンに積載物101を搭載する場合を例にして説明する。ここで、飛行体を回転基準、積載物を回転体とする。ここで説明する構成は飛行体100、積載物101以外についても適用可能である。
飛行体100は、フライトコントローラー51、受信機52、モーター、プロペラ53を備える一般的なマルチロータータイプのドローンとして考える。自律飛行させる場合は受信機52は無くてもよい。
図7に飛行体100に回転機構を備える例を示す。既存の飛行体に本願回転機構を適用する場合、本願回転機構は、飛行体の底面、側面、上部などに接続することとなる。図7は飛行体100の側面に、リンクX1がx軸方向に回転可能に接続した例である。回転機構は、z軸方向にリンクY6を回転させることとなる。飛行体100の回転中心は、飛行体100の内部の点Oとする。
図7のようにリンクX1の回転軸は飛行体の回転中心Oを通るように接続する。これにより、リンクX1を回転させることによって、飛行体100のx軸方向の回転に対する、積載物101の回転を相殺することが可能となる。図7の各ジョイントはz軸方向に接続したリンクを回転可能とする。図7のx-y平面で見たとき、ジョイントBY15とDY16と回転中心Oが一直線上に位置するように、ジョイントBY15とDY16を配置する。これにより、飛行体のz軸の回転に対する、積載物の回転を相殺することが可能となる。
図8は、飛行体100に回転機構を備える別の例である。リンクX1を左側と右側とに分けて、飛行体100の両側にリンクX1を接続する構成となる。図8の例では、飛行体の左側にリンクA2が接続されたリンクX1が接続され、右側にリンクC4が接続されたリンクX1を接続する。2つのリンクX1はx軸方向の同軸で回転可能とする。
図7の構成と比較して、図8の構成は飛行体との接続箇所が増えるため耐荷重の面で有利である。また、左右対称の構成とできるためバランス面でも有利である。
図9にリンクX1の接続方法についての別の例を示す。リンクX1はx軸方向に回転中心Oを通る軸で回転可能に接続される。ここで、ジョイントXA10とXC11がリンクX1の回転軸上にない位置に設置することができる。この場合、リンクY6の回転中心を回転中心Oとするために、x-y平面で見たときのジョイントAB12とBC13とBY15の位置関係とジョイントXA10とXC11と回転中心Oの位置関係が同じになるようにする。図7のように、片側のみを接続する場合についても同様の構成とできる。
図9の構成では(a)と(b)のように、リンクX1の形状を変えることで、サイズの異なる飛行体100への適用が可能となる。そのため、適用先の飛行体100に応じて、リンクX1のみを取り換えるだけで回転機構の付け替えが可能となる。または、リンクX1のx軸方向の長さを可変とすることで種々のサイズの飛行体100に取り付け可能とできる。ジョイントBY15とDY16の位置を可変とすることによって、回転中心Oの位置を変えることができ、適用の際の自由度がより向上する。
図8と図9とでは、主にリンクA2とリンクC4の可動範囲が異なる。飛行体など、適用先の構成物の機能などを阻害しないように図8の構成と図9の構成を使い分けることができる。
図7と図8と図9の例では、積載物101を飛行体100の下部に備える形態を図示したが、積載物101は飛行体100の上部に取り付けてもよい。その場合は、回転機構を上下逆に取り付けたような構成としてよい。飛行体100の上部に積載物101を配置することで、例えば、天井をセンシングする場合のように飛行体の上方にセンサーなどを近づけたいときに有効である。
回転機構の駆動方法の例について説明する。
それぞれの回転機構のいずれかのジョイントをモーターなどによって駆動させるものとしてよい。また、ジョイントのいずれかに、ジョイントの回転量、回転角度を計測するセンサーを備えることで、回転体の姿勢を制御するためのシステムが、回転基準に対する回転体の姿勢を算出することができる。センサーの一例はロータリーエンコーダーやポテンショメーターなどである。モーターとしてサーボモーターのように目標角度に回転させるようなアクチュエーターを用いた場合は、その目標量を回転量として扱うこともできる。目標量を用いて回転量を算出してもよい。
アクチュエーターによって駆動可能なアームによって、それぞれの回転機構のいずれかのリンクを動かすようにしてもよい。
回転機構を複数用いる構成など複数の回転軸を有する構成においては、回転体と接続するリンクYもしくは、回転体を動かすように力を加えることで、その動きは回転中心O周りの回転運動となる。回転体が接続されたリンクのいずれかを2方向に駆動させることができれば、回転体の回転を回転軸O周りに制御することが可能となる。
アームによる駆動をする場合の構成例を図1に示す。リンクX1、もしくは回転基準にアーム30を駆動するアクチュエーター31を搭載し、リンクC4と駆動用リンク32で接続する。当然リンクC4以外を駆動するようにしてもよい。
2軸方向に回転する場合には、アーム30と駆動用リンク32とリンクC4との接続に球面対偶や回り滑り対偶を用いるなど、回転軸方向への位置変化にも対応させることで、例えば、図3のように1つの回転機構が別の回転機構によって回転する場合においても、アクチュエーター31を第1のリンクX1もしくは回転基準に設置することができる。
回転機構によるリンクYの回転量は、ジョイントに回転量を取得するセンサーを備えて取得してもよい。また、アームの回転に対するリンクYの回転量を算出してもよい。アームの長さと回転量と各ジョイント間の距離情報から、算出可能である。
一例として、アーム30の回転中心をジョイントXA10とXC11を通る直線上に配置し、駆動用リンクをXA10-XC11と平行にした場合アームの回転量がそのままリンクY6の回転量となるため計算負荷が少なくて済む。
図1における駆動用リンク32のジョイント間の長さを変化させる構成としてもよい。駆動用リンク32を伸縮可能にしたり、ジョイントの位置をスライダーで移動できるようにしてもよい。この場合、アーム30は固定するか、アーム30を無くして駆動用リンク32をリンクX1に接続するようにしてもよい。
回転体の姿勢制御の例について説明する。
姿勢制御システム50は、回転基準の姿勢変化に対して、回転体が一定の姿勢を保つように制御する。例えば、飛行体100の傾き変化に対して積載物101が水平状態を維持するように、積載物101を飛行体100に対して回転させる。水平に制御する以外にも、回転体が水平に対してその時々の目標姿勢になるように制御してもよい。
姿勢制御システム50は、各種センサーを用いて、回転基準、あるいは回転体の姿勢を算出することができる。回転基準と回転体のいずれかの姿勢が算出できれば、回転機構による回転量から、さらにもう一方の姿勢を算出することができる為、両方に姿勢算出手段を備える必要は必ずしもない。一般的に、加速度センサーや角速度センサーを用いることで姿勢を算出することができるが、姿勢制御システム50が姿勢を取得できればその手段は問わない。飛行体100に備える姿勢算出手段54によって算出した飛行体100の姿勢を姿勢制御システム50が受け取る構成としてもよい。
飛行体100が無線操縦される場合のように、回転基準の姿勢が、受信機52で受信した目標姿勢や目標回転速度に基づき制御される場合、姿勢制御システム50が受信機52の目標姿勢や目標回転速度を取得可能な構成とすることで、回転基準の姿勢を算出可能となる。特に目標姿勢を受信する場合は、回転体に対する回転基準の姿勢が、受信した目標姿勢になるように回転機構による回転をさせるアクチュエーターを制御すればよい。
また、受信機52をフライトコントローラー51に接続するような飛行体の場合、信号線を姿勢制御システム50につなぐのが容易であるため、エンドユーザーによる姿勢制御システム50の組み込みが容易となる。
飛行体100に適用した場合のシステム構成の例を図10に示す。飛行体100は、飛行制御を行うフライトコントローラー51と受信機52を備える。フライトコントローラー51は、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))などの1つ以上のプロセッサを有することができる。一般的なコンピューターと考えてもよい。また、フライトコントローラー51は、飛行体100の姿勢を算出する手段54を備える。一例は、加速度センサーや角速度センサーを含む一般的な構成としてよい。姿勢算出手段54は、少なくとも飛行体100の傾きを算出することができるものとする。受信機52は、操作者から飛行体100の傾きを指示するための信号をフライトコントローラー51に伝える。フライトコントローラー51は信号に基づき飛行体の姿勢を目標姿勢となるように各プロペラ53の回転速度を制御して、機体を傾けることで飛行体100を移動させる。自律制御する場合は、受信機52の代わりに自律制御用の制御装置を接続し指示信号をフライトコントローラー51に伝える構成としてもよいし、フライトコントローラー51に自律制御機能を備えるようにしてもよい。
姿勢制御システム50は、制御用コンピューター55と姿勢算出手段57と回転機構による回転をさせるためのアクチュエーター56を備える。制御用コンピューター55はプログラマブルプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))などの1つ以上のプロセッサを有することができる。一般的なコンピューターと考えてもよい。また、制御用コンピューター55は、フライトコントローラー51の一部として考えてもよく、積載物10の姿勢を制御する機能をフライトコントローラー51に組み込んでもよい。姿勢制御システム50の姿勢算出手段57は少なくとも積載物101の傾きを算出することができる。一例は、加速度センサーや角速度センサーを含む一般的な構成としてよい。また、飛行体100の姿勢算出手段54を用いてもよく、飛行体100の姿勢算出手段54が出力するセンサーの情報や傾き情報を姿勢制御システム50が受け取る構成としもよい。もしくはフライトコントローラー51が姿勢算出手段54から受け取った信号もしくは傾き情報、もしくはフライトコントローラー51が算出した傾き情報を姿勢制御システム50に伝えてもよい。姿勢制御システム50は、飛行体100の姿勢情報と回転機構で回転させている積載物101の回転量から積載物101の姿勢を算出できる。
駆動用アクチュエーター56は、目標の角度や位置まで駆動させる機能を備える。飛行体100の姿勢算出手段54を用いる場合は、各アクチュエーターの駆動量から飛行体100に対する積載物101の姿勢を算出することができるため、これらの情報をもとに積載物101の姿勢が算出可能である。姿勢制御システム50の制御用コンピューター55は、姿勢算出手段57から受け取った積載物101の傾きに基づき、その傾きが一定に保たれるように、例えば積載物の姿勢が水平に保たれるように駆動用アクチュエーターの駆動量を制御する。
姿勢制御システム50は、飛行体100の傾きの変化速度、すなわち角速度の情報を姿勢算出手段54から取得し、駆動用アクチュエーターの駆動速度を変化させてもよい。
また、飛行体100のフライトコントローラー51や受信機52、自律制御を制御するコンピューターから、飛行体100の目標姿勢情報や、未来の飛行体の姿勢情報を受け取ることで、飛行体の姿勢変化に対する、回転体の回転制御の遅れを軽減させるようにしてもよい。前記情報を用いた回転体の姿勢制御に対してフィードフォワード制御を加えるようにしてもよい。
飛行体100に対する積載物101の姿勢の制御は、一般的なジンバルに用いられている制御方法を用いることもできる。回転軸をモーターとして、モーターを駆動してジンバルに取り付けられたカメラを水平に保つ制御の場合は、モーターの代わりに本願回転機構を駆動させるアクチュエーターを駆動させるようにすればよい。
図7、もしくは図8もしくは図9の構成例をテイルシッター型の飛行体のように、ホバリング時と移動時とで機体の傾きが大きく変化する場合への適用例について示す。
図11の例に示すように、飛行体100が回転中心Oで飛行時の姿勢がx軸方向に90°変化する場合、本願回転機構が、x軸方向に回転可能に飛行体100に接続することで、ホバリング時(a)と移動時(b)双方の飛行体の姿勢に対して、積載物101を水平に保つ制御が可能となる。
ジョイントXA10-AB12間とジョイントXC11-BC13間の長さを飛行中に変更可能な構成としてもよい。図11の例では、飛行時100に飛行体底面とリンクB3の距離が長くなるため、その距離を縮めることで飛行時のサイズを抑えることができる。
回転機構の各ジョイント位置は変更可能な構成としてよい。一例は、ジョイント間のリンクの長さを変更可能とする。長さを変更可能な構成の一例は、リンクのジョイントを、動きをロック可能なスライダー上に配置する。別の一例は、リンクの一部をねじで構成して、ねじの締める程度によってジョイントの間隔を調整可能としてもよい。ジョイント間の距離を変更可能なように、ジョイント間をおねじとめねじで接続すると考えてもよい
ジョイント位置の候補を複数用意して、回転基準への接続時に、回転基準のサイズや回転中心Oの位置に応じて使用するジョイント位置を選択して回転機構を組み立て可能としてもよい。例えば、各リンクにジョイントとなる穴を複数設けて置き、飛行体のサイズや回転中心Oの位置に応じて使用する穴を選択し、ねじやリベットなどでリンク同士が穴を中心に回転可能に接続する。
特に、ジョイントABに対するジョイントBY、ジョイントADに対するジョイントDYの位置を変更可能とすることで、回転機構の回転中心Oの位置が変更可能となるため、様々な飛行体に適用可能となる。飛行体の付け替えも可能となる。
積載物100の向きをリンクYに対して変更可能なようにしてもよい。例えば、リンクYと積載物101を通常のジンバルで接続する。このような構成により、積載物の移動は、飛行体の移動によって制御され、積載物の向きはジンバルで制御することが可能となる。
マルチコプター型のなどの飛行体に搭載するカメラへの適用例においては、機体の姿勢変化によるカメラの姿勢変化2軸の回転について、本願回転機構を用いて相殺し、重力方向の回転軸の撮影方向の変更については飛行体の向きを変える飛行によって実現し、上下の撮影方向の変更については、リンクYとカメラを接続する回転軸によって変化可能とする構成としてよい。カメラが水平のときの撮影方向の向きの軸での回転については、撮影においては普通の場合、カメラを撮影方向の回転軸で傾ける必要がなく、本願回転機構で水平に保たれるため無くてもよい。したがって、カメラの撮影方向を変更するためには少なくとも撮影方向を上下方向に回転できるようにリンクYとカメラの接続軸を回転可能にするためのアクチュエーター1つを追加するだけでよい。
また、積載物101とリンクYを防振可能な部材や装置で接続してもよい。または、リンクXと飛行体100を防振可能な部材や装置で接続してもよい。
本願回転機構については、全てのジョイントを回り対偶で構成できるため、例えば、ボールジョイントのような球面対偶を使用する構成と比較して耐荷重の面で有利である。また、構成も比較的簡単にできる。
本願回転機構については、一般的なジンバルと比較して、カメラなどの回転させる対象、本願においては回転基準、飛行体がジンバル内部に収まるような構成にしなくてもよいので、全体のサイズを抑えることができる。
回転機構や各回転軸について、モーターやアクチュエーターなどで駆動しないような構成としてもよい。この場合、積載物の自重や揺れによって飛行体を引っ張る力は、回転機構や回転軸が受動的に回転することによって飛行体を回転させる力が生じなくなる。
リンクの形状の変形例について説明する。図8の形態において、回転体を2つのリンクYで挟むような構成としてもよい。図13に構成の一例を示す。リンクA2とリンクC4の形状が2方向に分岐するような形状として、分岐先で接続するリンクB3とリンクD5とリンクY6を2重にするような構成とする。図13の例では代表としてリンクA2側から見た構成例を図示している。分岐先のリンクの形状は同じとする必要はなく、共通の回転中心となるような構成とすればよい。
回転体との接続は、リンクYと回転体を接続する構成としてもよいし、ジョイントBY、DYで直接接続してもよい。リンクYをジョイントBY側とジョイントDY側に分離して、それぞれのリンクYを回転体に接続してもよい。回転体を直接ジョイントで接続する、もしくはリンクYを分離して接続した場合、リンクYが回転体を隠す範囲が少なくなるため、例えばカメラなどを回転体とする場合に、リンクが撮影の邪魔になることを防ぐ。
このような構成とすることで、回転体を回転機構の接続面に近づけることができ、小型化につなげることができる。本変形例は本願で例示する他の回転機構においても適用可能である。特に図4や図5、図6の第2の回転機構に適用することで、回転体の取り付け位置を回転機構の取り付け面や飛行体の底面に近づけることができる。
可動範囲を広くとるためのリンクの形状の一例を示す。図14に示すようにリンクBとリンクDについて、リンクXに近い方を下側に空間ができるような形状として、遠い方を空間の占有量を抑える形状とする。このような構成によって、リンクの干渉を抑えることが可能となり、回転機構の可動範囲を大きくすることが可能となる。また、ジョイントABとジョイントADの距離を近づけることができる為、回転機構の小型化も可能となる。
リンクBとリンクDの形状を図14のリンクD5のような、リンクの中心から上方に腕を伸ばしたような形状として、伸ばした部分に、ジョイントBY15,DY16の候補、例えば穴などを複数備えておいてもよい。これによって、ユーザーはジョイントAB12,AD14に対するジョイントBY15,DY16の位置を変更することができるので、適用先に応じて回転中心0の位置を調整可能となる。
本願回転機構を横向きに取り付ける例を図15に示す。図15の例では飛行体の上部と下部にリンクXを接続するような構成としたが、回転機構を取り付ける機体の側面に取り付けるようにしてもよい。このとき図9や図3などに示す回転機構を採用できる。回転体を回転機構による回転軸以外で回転するための回転軸をさらに加えてもよい。例えば、モーターなどで駆動可能な回転軸で回転体や飛行体と回転機構を接続する。飛行体の傾きを相殺する場合は、回転機構と回転体101を回転軸1501で接続する。飛行体100に対して水平方向の向きを変化させたい場合は、回転軸1502を備え、駆動可能とすればよい。
リンクAとリンクCの少なくともいずれかにカウンターウェイトを備えてもよい。図15の例ではリンクAにカウンターウェイト1500を備える。リンクCに分散して配置してもよい。カウンターウェイト1500によって、積載物101と回転軸0での回転モーメントを釣り合わせることで、回転機構によって積載物101を回転させる、または姿勢を維持させるときに必要な力を少なくすることができる。カウンターウェイト1500は、飛行体100や積載物101の構成物の一部を利用してもよい。例えば飛行体100のバッテリーやエンジン式の飛行体の場合は燃料格納部、コンピューターを用いることができる。特にバッテリーについては、一般的な飛行体では脱着可能な構成となっており、比較的重量がある構成物なので適している。カウンターウェイト1500の配置について、てこの原理により回転中心から遠ざけることでより重い積載物101と釣り合わせることができる。リンクAを長くしておく、あるいは変更可能とする、カウンターウェイト1500の接続位置の候補を複数用意するなど、カウンターウェイト1500の位置を変更可能な構成とすることで、様々な重量の積載物101に対応することができる。カウンターウェイト1500の重量を変えてもよい。
カウンターウェイト1500の位置の決め方の一例は、リンクAにカウンターウェイトを備える場合は、ジョイントXAまわりのカウンターウェイト1500の重力によるちからのモーメントが回転中心0まわりの積載物101の重力による力のモーメントと釣り合うようにすればよい。ここで、回転機構などの重さによる力のモーメントも考慮して計算してもよい。
回転機構と積載物101を回転軸1501で回転可能としてもよい。回転機構の回転軸と直交する回転軸1501とすることで、飛行体のもう一方の回転軸方向での傾きの変化を相殺することができる。また、回転機構と飛行体100を回転軸1502で回転可能としてもよい。
図8の例の場合においてもカウンターウェイト1500を配置してもよい。図16に配置例を示す。(a)の例では、カウンターウェイト1500をリンクA2とリンクC4両方の上方に備える。左右に配置することで、バランスを損なうことを防ぐことができる。(b)の例では、リンクA2とリンクC4の上部にジョイン1601を追加し、リンク1600を接続し、リンク1600にカウンターウェイト1500を備える。カウンターウェイトの数が1つで済むため、バッテリーなどが1つしかない場合にも適用可能となる。(c)のようにリンクY6を上方に延長してカウンターウェイト1500を配置してもよい。図16においては、積載物101を下部に配置する場合について例示したが、上部に配置する場合はカウンターウェイト1500の位置を下部に配置すればよい。また、積載物101を上部と下部に配置する場合では、リンクAとリンクCの少なくともいずれかが上部と下部とで共通している、もしくは上部と下部の回転が機械的に同じになるように接続されている場合は、積載物101のいずれかにカウンターウェイトを配置して、バランスをとるようにしてもよい。
飛行体への本願回転機構の取り付けについて例示する。図17(a:正面,b:上部)の例ように、飛行体への接続用の接続部1700を備える。本例の接続部1700は飛行体100の胴体を挟み込む形で固定する。接続部1700と飛行体100の胴体とはネジ1701で固定してよい。飛行体100の胴体にネジ穴を備えて固定してもよいし、ネジで挟むだけとしてもよい。このとき、ネジや胴体を固定できるように滑り止めのゴムなどを備えてもよい。胴体の固定位置を調整可能とすることで、飛行体100の回転中心と回転機構の回転中心をそろえるようにしてもよい。その際スペーサーを用いてもよい。固定方法はネジに限らずともよい。接続部1700と左右のリンクX1は同じ回転軸で回転可能に接続され、少なくともいずれかがモーターなどのアクチュエーターで回転駆動可能に接続する。接続部1700を飛行体の上からかぶせるような構成としてもよい。当然、機体の底面に接続するものとしてもよい。
図18にいくつかの適用例を示す。回転体をグリッパーやロボットハンドなど物をつかむ、接着、吸引する構成1801とすることで、飛行体が物体を拾うことができるようにしてもよい。例えば、物をつかんで運搬したり、ドアの取っ手などをつかんで開くといった操作が可能となる。グリッパー1801などを、本願回転機構を用いて飛行体100と接続することによって、飛行体100の姿勢変化に対するグリッパー1801の位置変化を抑える制御ができる為、物を掴むときや置くときの位置決めが容易となる利点がある。グリッパー1801などの姿勢は、水平など所定の姿勢を維持するように制御してもよいし(図18(a-1))、掴む対象1802や対象地点を向くように制御してもよい(図18(a-2))。グリッパーの姿勢が一定に保たれる制御、もしくは対象を向くように制御をすることによって、飛行体をユーザーが操縦して対象物を拾い上げる操作をする場合、ユーザーは飛行体の姿勢変化によるグリッパー部分の位置変化を考慮せずに操縦できるので、飛行体の操縦が容易になる。当然図示した形態以外の回転機構の形態を用いてもよい。例えば、図3や図4や図5などである。
回転体をクレーンやウインチとしてもよい。リンクYにワイヤーやひも、鎖を取り付けると考えてもよい。図18の(b)に例を示す。本願回転機構でリンクY6を回転させることで、ワイヤー1810などの揺れを制御することが可能となる。本願回転機構を用いた場合、ワイヤー1810などが引っ張られるとき、その向きを飛行体の中心を通るようにできる。例えば、ワイヤー1810をぴんと張ったときは、ワイヤー1810のなす直線の延長線が回転機構の回転中心0とした飛行体の中心を通る。このような構成、制御をすることによってワイヤーなどを引っ張る力によって飛行体を回転させる力が生じないようにできる。回転機構の回転中心0からリンクYのワイヤーなどの接続点1811、ウインチなどの繰り出し点1811への向きが、ワイヤーなどがリンクYを引っ張る方向と同じになるように制御するものとしてもよい。ウインチを用いる場合は、ワイヤーなどの繰り出し位置がリンクYにあればよく、ウインチの巻取り装置は飛行体側に配置してもよい。吊り荷側がウインチになる構成としてもよい。ワイヤー、ひも1810を飛行体の給電ケーブルとしてもよい。
回転体を、上に物を載せることができるような構成、例えば台や皿などにすることで、物を運搬できる構成としてもよい。図18の(c)に例を示す。飛行体100の上側に皿や台1830を回転機構で接続する。このような構成にすることで、例えばユーザーが台1830の上に置いた飲食物や荷物などの運搬物1831を飛行体に運ばせることができる。台1830を水平に保ったり、慣性力を打ち消すように台1830を傾けることができる為、例えば飲み物をこぼさないように運搬することが可能となる。台1830を飛行体100の上側に配置することで、対人で運搬物の積み下ろしをする場合に低い位置を飛行させる運用が可能となるため、飛行体100の墜落時の被害を抑えることができる。また、台1830を飛行体100の下側に配置する場合と比較して、台1830の上側に飛行体100や回転機構などの構成物がないため、ユーザーが台1830に物1831を置いたり取るときの邪魔にならない。また、運搬物1831の高さなどサイズ、空間的な制限がない。本例の構成において、飛行体100のプロペラなどの推進装置は、下側に配置してもよい。これにより台1830や回転機構が干渉することを防ぐことができる。また、プロペラガードなど人との接触時に被害を軽減する装置を備えてもよい。台、皿1830に穴を設ける、もしくは網状にしてもよい。空気の流れを妨げないようにすることで飛行への影響を軽減する。
飛行体と車輪やタイヤ、滑りやすい素材など、天井や壁面をなぞるように走行するための装置を本願回転機構で上向き、もしくは横向きもしくは両方に接続してもよい。図19の(d-1,d-2)に例を示す。車輪や滑りやすい素材などの接触部分を天井面などに、飛行体100の飛行によって押し付けながら走行装置1820を天井や壁面を走らせることができる。この際、走行装置1820の飛行体100に対する回転中心を本願回転機構によって、飛行体の回転中心と同じにすることで、複数の接触部分にかかる圧力分布を一定にできる。また、走行装置1820を走行、移動させる際に飛行体100の傾き変化によって、いずれかの接触部分が接触面から離れてしまうことを防ぐことが出る。これにより、例えば走行装置1820に備えるセンサーでの計測の誤差を軽減することができる。トンネルなどの壁面検査や橋の脚や裏側の検査での利用が期待できる。例えば、走行装置1820に打音検査機やカメラを備える。
リンクYを2軸方向に回転させる別の例を示す。
リンクX701とリンクAu702はジョイントXAu(710と810)で接続され、
リンクX701とリンクCu705はジョイントXCu(711と811)で接続され、
リンクX701とリンクE708はジョイントXE(712と812)で接続され、

リンクB704とリンクAu702はジョイントAuB(713と813)で接続され、
リンクB704とリンクCu705はジョイントBCu(717と817)で接続され、
リンクB704とリンクE708はジョイントBE(715と815)で接続され、

リンクB704とリンクAd703はジョイントAdB(716と816)で接続され、
リンクB704とリンクCd706はジョイントBCd(717と817)で接続され、
リンクB704とリンクY709はジョイントBY(719と819)で接続され、

リンクD707とリンクAd703はジョイントAdD(718と818)で接続され、
リンクD707とリンクCd706はジョイントCdD(721と821)で接続され、
リンクD707とリンクY709はジョイントDY(720と820)で接続され、

少なくともリンクAu702とリンクAd703またはリンクCu705とリンクCd706のいずれかの組がリンクB704に対して同じだけ回転するように接続された回転機構とする。
リンクX701に回転基準が接続され、あるいは、リンクXが回転基準であり、
リンクY709に回転体が接続され、あるいは、リンクYが回転体である回転機構とする。
回転体と回転基準は逆に割り当ててもよい。
リンクX701は飛行体に接続される、あるいは、リンクXとは飛行体としてもよい。
リンクY709は積載物に接続される、あるいは、リンクYとは積載物としてもよい。
前記各ジョイントは接続するリンクを少なくとも2軸方向に回転可能に接続し、
各ジョイントの2軸は平行移動した位置関係とする。挙動としての回転の軸が平行移動の関係を構成できればよい。例えば2つの軸が交わっている場合は2軸の外積方向に回転していてもよい。別の例では、複数の軸の取り方ができるような場合は代表の2軸が前記平行移動の関係を満たせばよい。
ジョイントの2つの回転軸方向の軸が直交する平面でそれぞれみたとき、
ジョイントXAu(710,810)とジョイントAuB(713,813)を通る直線とジョイントXCu(711,811)とジョイントBCu(714,814)を通る直線とジョイントXE(712,812)とジョイントBE(715,815)を通る直線とが平行であって、ジョイント間距離が同じであり、
ジョイントAdB(716,816)とジョイントAdD(718,818)を通る直線とジョイントBCd(717,817)とジョイントCdD(721,821)を通る直線とジョイントBY(719,819)とジョイントDY(720,820)を通る直線とが平行であって、ジョイント間距離が同じとする。
ジョイントの2つの回転軸方向の軸が直交する平面でそれぞれみたとき、
ジョイントAuB(713,813)とジョイントBY(719,819)の位置関係とジョイントXAu(710,810)と回転中心O(722,822)の位置関係が同じとなるようにする。各ジョイントの回転軸が交わらない場合は、回転中心Oの回転軸も交わらず、ジョイントの回転軸を平行移動した回転軸となる。
回転機構のそれぞれの回転軸のいずれかのジョイントの回転軸で、アクチュエーターなどで駆動する、あるいは回転体を回転させる力をいずれかのリンクに加えるような構成とすることで、能動的に回転機構による回転をさせることができる。駆動力を加えずに受動的に回転するようにしてもよい。
前記ジョイントの配置の条件を満たせば、各リンクの形状は問わない。例えば、リンク動きを妨げないように、曲がった形状することもできる。また、回転機構の動きを妨げないような、リンクやジョイントを追加してもよい。例えば、リンクAにあたる追加のリンクをもともとのリンクAとは異なる位置に追加することもできる。このとき追加したリンクはもともとのリンクAの配置やジョイントの条件と同じ条件を満たすこととなる。リンクC,リンクEも同様に追加してもよい。リンクやジョイントを追加することで、耐荷重の向上や回転機構の剛性向上が期待できる。
図20に実施例を示す。本実施例は、リンクYを2軸方向に回転させる例を図示するものである。リンクの形状や配置、ジョイントの配置や軸の取り方を制限するものではなく任意の変形を加えることもできる。例えば、よりリンクの可動範囲を大きくできるようにリンクの形状を変えてもよい。
図20の例では、リンクAu702とリンクAd703は1つのリンクとして、ジョイントAuB(713と813)とジョイントAdB(716と816)を1つのジョイントとしている。これにより、リンクAu702とリンクAd703はリンクB704に対して同じだけ回転するようになる。
図20の例では、xy平面で見たとき、各ジョイントの回転軸はz軸に平行である。yz平面で見たとき各ジョイントの回転軸はx軸に平行である。図20の例では、各ジョイントのz軸とx軸の回転軸は交わるようにしているが、交わらないような構成としてもよく、例えばすべてのz軸方向の回転軸を上に1cmずらすようにしてもよい。このとき、回転機構の回転中心Oz722も上に1cmずれることとなり、Oz722とOx822は交わらない。ジョイントのz軸とx軸方向の回転軸の向きの関係は同じ向きでなければよいが、垂直かそれに近い向き関係がよい。
図20の例では、xy平面、yz平面で見たときそれぞれの平面に置いて、ジョイントXAu(710,810)とジョイントAuB(713,813)を結ぶ直線は、ジョイントAuB(713,813)つまりジョイントAdB(716,816)とジョイントAdD(718,818)を結ぶ直線と平行としているが、少なくともいずれかの平面で平行でなくしてもよい。
図20の例では、z軸方向のジョイントの回転軸を見たとき、ジョイントXAu710とAuB713間、XE712とBE715間、XCu711とBCu714間の距離が同じで、それぞれを結ぶ直線は平行であり、
ジョイントAdB716(AuB713と同じ)とAdD718間、BY719とDY720間、BCd717とCdD721間の距離が同じで、それぞれを結ぶ直線は平行である。
x軸方向からジョイント回転軸を見たときも、z軸方向から回転軸を見たときと同様である。説明の簡単化のために、ここでは、z軸方向の回転軸XAu710の場合はx軸方向の回転軸XAu810のようにジョイントの符号は100加えたものに対応している。
z軸方向から見たときの回転機構による回転中心Oのz軸の回転軸Oz722は、ジョイントXAuz710から回転中心Oz722への方向と距離がジョイントAuBz713からBYz719への距離と方向と同じであるようなOz722となり、
x軸方向から見たときの回転機構による回転中心Oのx軸の回転軸Ox822は、ジョイントXAux810から回転中心Ox822への方向と距離がジョイントAuBx813からBYx819への距離と方向と同じであるようなOx822となる。ジョイントAuBからBYへの距離と方向によって回転機構の回転中心Oを設定可能となる。
図21に図20を変形した回転機構の例を示す。図21の例では、リンクAuとリンクAdを1つのリンクAu702としている。また、リンクCuとリンクCdを1つのリンクCd706としている。また、リンクE708とリンクD707をジョイントDE(723,823)で接続している。
このように、リンクAuとAd、リンクCuとCdの少なくとも1組を1つのリンクとすることで、部品点数の削減やジョイントの削減が可能となる。図21のジョイントDEのように、ジョイントを追加することで、耐荷重の向上や、回転機構を点対象の形に近づけるなどバランスの向上を期待できる。
図21と図20の例では、各ジョイントの位置を2軸の交点もしくは、2軸の位置に対する位置がそれぞれ同じとなる代表する点としたとき、リンクX701に備えるジョイントXAu(710,810),XCu(711,811),XE(712,812)の位置は三角形をなしている。図20のリンクY709は前記三角形の外に位置しているが、図21に例示するように内側に配置してもよい。
リンクYを2軸方向に回転させる別の例として、図1や図2などに示した1軸の回転機構において次のような変更をしたものとしてもよい。リンクXとリンクBとリンクDをそれぞれのリンクに接続されているリンクに対してさらにもう1軸方向に回転可能なようにジョイントの回転軸を追加して、その回転軸は、回転軸追加前の軸、即ち各ジョイントによる回転軸と一致しない回転軸とする。また、リンクYとリンクBとリンクDとを接続するジョイントについてももう1軸方向に回転可能とする。さらに、リンクXと、少なくともリンクBとリンクDいずれかと接続されるリンクEを備える。リンクEがリンクXの回転によってリンクBとリンクD少なくともいずれかを引っ張る、押し出す働きをすることで、リンクB,Dを追加した回転軸方向に回転可能とする。追加したリンクEの姿勢は、リンクAに対して平行を保つようにジョイントで接続することで、追加した回転軸についてもリンクXに対するリンクB,Dの回転が同じとなる。これによって、追加した軸方向の回転についても、リンクYを追加前の回転軸と同様に動作させることが可能となる。
図1を例にした場合では、リンクXとリンクBとリンクDが例えば、x軸方向に回転可能とするようにすべてのジョイントでx軸方向にも回転可能なように回転軸を追加する。また、リンクXとリンクBをリンクEで接続する。リンクEを接続するジョイントは、他のジョイントのz軸の位置と異なる位置にするのが望ましい。また、リンクEと、リンクBとリンクDいずれかが接続されていない場合は、リンクEと接続されていないリンクBまたはDと、リンクYと、リンクAとリンクCとを接続するジョイントは立体的に見て一直線上に位置しないようにするのが望ましい。
ここまでで示した2軸の回転機構においても、図18に示したようなアームやワイヤーや運搬用の台を回転体として備えるようにしてもよい。また、いずれかのリンクにカウンターウェイトを備えて、能動的に回転させる際のトルクを削減したり、トルクを加えないときの定常位置を調節可能にしてもよい。
回転機構の変形例を次に示す。前記リンクDを無くした構成とする。リンクDを接続していたジョイントもなくしてもよい。このとき、リンクYの位置はジョイントBYの位置について、回転中心O回りで回転可能に接続され、リンクYの姿勢はジョイントBY回りに、回転中心Oの回転と独立して回転可能となる。本変形は図1や図2に例示されるような回転機構に適用することができる。図3と図4と図5と図6のように第1の回転機構に第2の回転機構が接続される場合の例では、第2の回転機構のリンクDをなくすことで適用可能である。図15と図16のようにカウンターウェイト1500を備える形態でも適用可能である。
本変形例の基本的な構成は次のようになる。
リンクX1とリンクA2とはジョイントXA10で接続され、
リンクA2とリンクB3とはジョイントAB12で接続され、
リンクB3とリンクY6とはジョイントBY15で接続され、
リンクC4はリンクX1上のジョイントXC11とリンクB3上のジョイントBC13で接続され、
ジョイントの回転軸と垂直な平面でジョイントを見たとき、
ジョイントXA10とXC11を結ぶ直線とジョイントAB12とBC13を結ぶ直線が平行であり、
ジョイントXA10とAB12を結ぶ直線とジョイントXC11とBC13を結ぶ直線が平行であるようにジョイントを配置したリンク機構とする。
回転中心0とジョイントBY15を結ぶ直線とジョイントXA10とAB12を結ぶ直線が平行になるようにジョイントBY15を配置する。
飛行体への適用例では、特に図18(b)のように飛行体にワイヤーなどを接続する場合、ワイヤーの引っ張りに対して、その力が回転中心Oを通る、もしくは近くを通るため、引っ張りによる機体の姿勢変化を抑えることができる。また、図18(b)の場合と比較してリンクD5がないため構成をより簡単化できる。図20と図21の形態に適用する場合も、同様にリンクD707を無くした形態としてよい。このときリンクD5と接続されていたジョイントやリンクもなくしてもよい。例えば、リンクAd702,リンクCd706、およびこれらを接続するジョイントを無くしてもよい。
2軸で回転させる場合は図8のようにリンクX1を回転可能にしてもよいし、少なくともジョイントXA10とジョイントXC11をもう一軸方向に回転可能にしてもよい。
リンクDを無くした構成例では、リンクAとリンクC、リンクYの少なくとも一部は柔軟な素材を用いてもよい。例えば、ひもや糸やワイヤー、鎖であってもよい。また、このようにした場合、柔軟な素材にしたリンクを接続するジョイントを無くしてもよい。柔軟な素材がジョイントの働きをすることとなる。リンクXに対して、リンクYが引っ張られることによって、柔軟な素材としたリンクAとリンクCが引っ張られ回転機構として機能することとなる。図20と図21の形態へ適用した例では、リンクEについて同様に柔軟な素材を用いてもよい。
リンクAとリンクCを柔軟な素材とする場合では、その長さの合計がリンクXと接続するその2つのリンクとの接続点間の長さより短くしてもよい。これにより、リンクAとリンクCがねじれることを防ぐことができる。
飛行体への適用例について示す。飛行体にワイヤーなどを接続する場合の例を図22に示す。図8の例において、リンクD5とジョイントAD14とジョイントDY16とジョイントCD17を無くした構成と考えてもよい。ここでは、リンクY6をワイヤーやロープ、ひもなどとする。ロープの先に吊り荷を接続してもよいし、地面やウインチなどに接続して飛行体の飛行範囲を制限してもよい。ジョイントの少なくともいずれかをアクチュエーターなどで能動的に回転可能として、リンクY6の揺れを制御してもよい。
図22の(a)は回転体1の回転中心2200と回転機構の回転中心0を一致させている。飛行体への適用例では、ロープの引っ張りによる張力の方向が回転体の回転中心2200のほうを向くため、引っ張りによる機体の姿勢変化を抑えることができる。また、引っ張りによらず飛行体が任意の姿勢をとることができる。
図22の(b)は回転体1の回転中心2200よりも回転機構による回転中心0を低い位置に設置している。図22の(b)の例では、飛行体をリンクX1として、ジョイントXA10、XC11はリンクA2、C4を奥行方向にも回転可能としている。飛行体に適用する例では、飛行体の底面に回転機構を取り付け可能である。ロープなどをプロペラに巻き込みにくくできる。回転中心0は回転体の回転中心2200より低い位置に設置することとなるが、回転中心0と回転中心2200は近づけるのが望ましい。
図22の(c)は回転体1の回転中心2200よりも高い位置に回転機構の回転中心0を設置している。リンクY6となる、ロープなどを引っ張った場合、回転体1である飛行体はその張力によって引っ張った方向に傾くような回転をする力が生じる。機体の傾き方向に飛行する飛行体をロープなどで定点に固定するような構成では、飛行体がロープなどで引っ張られることで、飛行体は引っ張り方向に傾くこととなる。その結果、飛行体はロープなどが緩む方向に飛行することとなる。マルチローター型の飛行体の場合は、プロペラガードの外側などに接続することで、回転機構の回転中心0を高い位置に配置できる。
リンクA2とリンクC4はロープやひもなどで構成してもよい。この場合ジョイントXA10、XC11、AB12、BC13は無くてもよい。リンクX1となる飛行体とリンクB3を2つのロープやひもなどで平行四辺形をなすように接続すればよく、さらにリンクB3にリンクY6を接続すればよい。リンクY6をロープやひもとする場合はジョイントBY15はなくてもよい。ロープやひもとリンクとの接続は結ぶだけでも良いため、リンクB3となる棒状のものと2本のひもやロープがあれば簡単に構成可能である。リンクY6がひもやロープの場合はリンクB3にリンクYとなるロープやひもを結べばよい。リンクY6を厳密に回転中心0回りに回転させる必要がない場合は、前述のように平行四辺形をなすように接続する必要はなく、四角形をなせばよい。もちろん平行四辺形に近いほうが望ましい。
リンクDを無くした構成例では、少なくともリンクA2とC4が少なくとも2方向に回転可能であればよい。ジョイントXA10とXC11において、2軸方向に回転するようにしてもよいし、図8の例のように、リンクX1がもう1軸方向に接続されてもよい。回転機構が受動的に回転される場合では、3軸方向に回転してもよい。即ち、前記のように柔軟な素材で接続されてもよいし、3軸のジョイントで接続してもよい。
ロープなどの他に、給電用の電線や、通信用のケーブルを用いてもよい。ワイヤーやロープなどを巻き取ることで飛行体を回収することが可能となり、巻取りによって生じる張力によって機体の姿勢変化を抑えるとこができる。飛行の効率化や、巻取りによる墜落などのリスクを抑えることができる。飛行体によって荷網をけん引するような場合にも、活用可能である。また、ロープなどの部分にダンパやばね、弾性体を備えてもよい。たるんだロープに張力がかかるようになる際に飛行体に急激に力がかかってしまうのを防ぐことができる。
各ジョイントの可動範囲を制限してもよい。例えば、飛行体の場合は、プロペラなどの駆動部分にリンクが当たらないように、回転機構の回転範囲を制限してもよい。リンクの可動範囲を制限するストッパーを設けるようにしてもよい。
マルチローター型のドローンに適用する場合では、本体とローターを接続する腕の部分が接続しやすい場合が多い。
回転機構を積載物側に備えてもよい。ロープなどで積載物を吊るす場合、ロープの揺れなどに対して積載物の姿勢を制御することができる。例えば、水平を維持するように制御する。
ここまでに示した適用例に限らず、本願回転機構はその他の、ものの回転にも利用することができる。例えば、操舵時のタイヤの向きを変える回転に用いることも可能である。回転基準をタイヤ、回転体を車両本体側とすることで、タイヤ内に操舵用の回転軸となる部材や構造を設けなくても、タイヤの内部、つまりタイヤの蹴面上に操舵に関するタイヤの回転軸を設けることができる。ここで、リンクXをタイヤ、リンクYを車体と考えてもよい。また、逆に割り当ててもよい。
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示であり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。また、本願回転機構を有する装置として実施すると考えてもよい。
本願実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、本願実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する構成に置き換えてもよい。
ドローンによる荷物の運搬やカメラによる撮影、センサーなどの計測装置といった、積載物の姿勢を水平に保ちたい場合に利用可能である。特に、回転体をステレオカメラなど複数のカメラやセンサーで構成された観測装置とすることで、機体の姿勢変化による回転体の位置変化を抑えることができるため、激しい機体の移動に伴う姿勢変化による観測装置の振れを抑え、映像など観測結果の振れを抑えることができる。複眼映像は後からの補正が難しいので本願発明の活用が効果的である。
三次元マッピングなどのセンシングでの利用においては、機体の傾きによる計測装置の傾きや位置変化を考慮したセンシング位置の補正をする必要がなくなるため、計算処理の簡単化と誤差の削減が可能となる。
0 回転中心O
1 リンクX
2 リンクA
3 リンクB
4 リンクC
5 リンクD
6 リンクY
10 ジョイントXA
11 ジョイントXC
12 ジョイントAB
13 ジョイントBC
14 ジョイントAD
15 ジョイントBY
16 ジョイントDY
17 ジョイントCD
30 アーム
31 アクチュエーター
32 駆動用リンク
33 回転機構
50 姿勢制御システム
51 フライトコントローラー
52 受信機
53 モーター・プロペラ
54 姿勢算出手段
55 制御用コンピューター
56 駆動用アクチュエーター
57 姿勢算出手段
100 飛行体
101 積載物
300 第2の回転機構を接続する第1の回転機構のリンクY
301 第2のリンクX
302 第2のリンクA
303 第2のリンクB
304 第2のリンクC
305 第2のリンクD
306 第2のリンクY
310 第2のジョイントXA
311 第2のジョイントXC
312 第2のジョイントAB
313 第2のジョイントBC
314 第2のジョイントAD
315 第2のジョイントBY
316 第2のジョイントDY
317 第2のジョイントCD
400 第3の回転機構のリンクY
501 第1の回転機構と第3の回転機構のリンクX
502 第3のリンクA
505 第3のリンクD
510 第3のジョイントXA
514 第3のジョイントAD
516 第3のジョイントDY
601 軸受け、もしくはモーター
602 回転基準への接続部材

701 リンクX
702 リンクAu
703 リンクAd
704 リンクB
705 リンクCu
706 リンクCd
707 リンクD
708 リンクE
709 リンクY

710 ジョイントXAuz
711 ジョイントXCuz
712 ジョイントXEz
713 ジョイントAuBz
714 ジョイントBCuz
715 ジョイントBEz
716 ジョイントAdBz
717 ジョイントBCdz
718 ジョイントAdDz
719 ジョイントBYz
720 ジョイントDYz
721 ジョイントCdDz
722 回転中心Oz
723 ジョイントDEz

810 ジョイントXAux
811 ジョイントXCux
812 ジョイントXEx
813 ジョイントAuBx
814 ジョイントBCux
815 ジョイントBEx
816 ジョイントAdBx
817 ジョイントBCdx
818 ジョイントAdDx
819 ジョイントBYx
820 ジョイントDYx
821 ジョイントCdDx
822 回転中心Ox
823 ジョイントDEx

1500 カウンターウェイト
1501 回転軸
1502 回転軸
1600 リンク
1601 ジョイント
1700 接続部
1701 ネジ
1801 グリッパー、つかむ装置
1802 つかむ対象物
1810 ひも、ワイヤーなど
1811 接続点、繰り出し点
1820 走行装置
1830 台、皿
1831 運搬物
2200 飛行体の回転中心または重心

Claims (8)

  1. リンクXとリンクAとはジョイントXAで接続され、
    リンクAとリンクBとはジョイントABで接続され、
    リンクBとリンクYとはジョイントBYで接続され、
    リンクCはリンクX上のジョイントXCとリンクB上のジョイントBCで接続され、
    リンクDはリンクA上のジョイントADとリンクY上のジョイントDYで接続され、
    ある平面から見たとき、
    ジョイントXAとXCを結ぶ直線とジョイントABとBCを結ぶ直線が平行であり、
    ジョイントABとADを結ぶ直線とジョイントBYとDYを結ぶ直線が平行であり、
    ジョイントXAとABを結ぶ直線とジョイントXCとBCを結ぶ直線が平行であり、
    ジョイントABとBYを結ぶ直線とジョイントADとDYを結ぶ直線が平行であるようにジョイントが配置された機構であって、
    リンクXに回転基準が接続され、あるいは、リンクXが回転基準であり、
    リンクYに回転体が接続される、あるいは、リンクYが回転体である回転機構。
  2. 前記回転基準に対して、前記回転体が前記回転機構による回転軸以外の少なくとももう1軸に対して回転可能である請求項1の回転機構。
  3. 請求項1に記載の第1の前記回転機構と第2の前記回転機構を備え、
    前記第1の回転機構の前記リンクYに前記第2の回転機構の前記リンクXが接続され、あるいは、前記第1の回転機構のリンクYとは前記第2の回転機構のリンクXであり、
    前記第2の回転機構の前記リンクYに前記回転体が接続される、あるいは、リンクYが回転体である回転機構。
  4. 前記第1の回転機構のリンクYの前記第1の回転機構のリンクXに対する回転軸と、
    前記第2の回転機構のリンクYの前記第2の回転機構のリンクXに対する回転軸とが交わる
    請求項3に記載の回転機構。
  5. リンクXとリンクAuはジョイントXAuで接続され、
    リンクXとリンクCuはジョイントXCuで接続され、
    リンクXとリンクEはジョイントXEで接続され、
    リンクBとリンクAuはジョイントAuBで接続され、
    リンクBとリンクCuはジョイントBCuで接続され、
    リンクBとリンクEはジョイントBEで接続され、
    リンクBとリンクAdはジョイントAdBで接続され、
    リンクBとリンクCdはジョイントBCdで接続され、
    リンクBとリンクYはジョイントBYで接続され、
    リンクDとリンクAdはジョイントAdDで接続され、
    リンクDとリンクCdはジョイントCdDで接続され、
    リンクDとリンクYはジョイントDYで接続され、
    少なくともリンクAuとリンクAdまたはリンクCuとリンクCdのいずれかの組がリンクBに対して同じだけ回転するように接続され、
    前記各ジョイントは接続するリンクを少なくとも2軸方向に回転可能に接続し、
    ジョイントの2つの回転軸方向の軸が直交する平面でそれぞれみたとき、
    ジョイントXAuとジョイントAuBを通る直線とジョイントXCuとジョイントBCuを通る直線とジョイントXEとジョイントBEを通る直線とが平行であって、ジョイント間距離が同じであり、

    ジョイントAdBとジョイントAdDを通る直線とジョイントBCdとジョイントCdDを通る直線とジョイントBYとジョイントDYを通る直線とが平行であって、ジョイント間距離が同じであり、
    リンクXに回転基準が接続され、あるいは、リンクXが回転基準であり、
    リンクYに回転体が接続され、あるいは、リンクYが回転体である回転機構。
  6. 前記回転体とは計測装置である、請求項1から請求項5いずれかの回転機構。
  7. 前記回転基準とは飛行体であり、前記回転体とは積載物である、請求項1から請求項6いずれかの回転機構。
  8. 前記回転基準とは飛行体であり、前記回転体とは積載物である、請求項1から請求項7いずれかの回転機構。

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