JP2022125785A - ホイールローダ - Google Patents

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Yoko Tsukada
昌則 一野瀬
Masanori Ichinose
進也 井村
Shinya Imura
芳明 堤
Yoshiaki Tsutsumi
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Abstract

【課題】バケットを装着した掘削作業時に不要な予備操作を行う必要が無く、フォークを装着した作業時において、複雑な操作を要すること無くフォークを略水平に保った状態で下降させることができるホイールローダを提供する。【解決手段】ホイールローダ1は、リフトアーム2に装着されるフォーク15と、リフトアーム2の上昇時にフォーク15をチルト方向、リフトアーム2の下降時にフォーク15をダンプ方向に回動させるリンク機構と、メインポンプ21から供給される圧油により駆動されるとともに、リフトアーム2を介してフォーク15を昇降させるリフトシリンダ7と、メインポンプ21から供給される圧油により駆動されるとともに、リンク機構を介してフォーク15を回動させるアタッチメントシリンダ8と、リフトアーム2を所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、フォーク15をチルト方向に回動させるようにアタッチメントシリンダ8への圧油の流量を制御するコントローラ33とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ホイールローダに関し、特に各種アタッチメントを装着できるホイールローダに関する。
ホイールローダは、通常、アタッチメントとしてバケットを装着している。この場合、上昇時にバケットをチルト方向、下降時にバケットをダンプ方向に回動させるリンク機構(Zリンク機構)を用いることが一般的である。一方、ホイールローダのアタッチメントには、掘削作業を行うバケットの他に、積荷の昇降作業を行うフォークを用いることもある。この場合、昇降によらずにフォークを水平に保つリンク機構(パラレルリンク機構)を用いることが一般的である。従って、アタッチメントの種類に応じてリンク機構を付け替える必要がある。しかしながら、アタッチメントの種類に応じてリンク機構を付け替えるのは手間もコストもかかる問題がある。
この問題を解決するため、例えば特許文献1に記載のように、パラレルリンク機構のような動作が可能な平行リンク的モーション機構(以下、「平行リンク的モーション機構」という)にバケットを装着して作業できるホイールローダが提案されている。この特許文献1に記載のホイールローダでは、平行リンク的モーション機構にバケットが装着され、バケットのチルト角が所定の閾値以上である場合には、リフトアーム上昇時に、リフトアームの角度変化に応じてバケットのチルト角が調整される。このようにすることで、平行リンク的モーション機構にバケットを装着した場合でも、リフトアーム上昇時のバケットチルト操作なしで、荷こぼれなく上昇させることができる。
特許第5037561号公報
しかし、上述のホイールローダは、バケットのチルト角調整制御を実行するには、バケットが地上水平にある姿勢から掘削作業を行う際に、バケットのチルト角を所定の閾値以上とするために、リフトアームを上昇させる操作と同時にバケットをチルトさせる予備操作を行う必要があり、操作が複雑になると考えられる。すなわち、ホイールローダの場合、積荷の昇降作業よりもバケットを装着して掘削作業を行う頻度が高いため、上述のホイールローダを使用して掘削作業を行うと、複雑な予備操作を頻繁に行わなくてはならない。
本発明の目的は、バケットを装着した掘削作業時に不要な予備操作を行う必要が無く、フォークを装着した作業時において、複雑な操作を要すること無くフォークを略水平に保った状態で下降させることができるホイールローダを提供することにある。
本発明に係るホイールローダは、リフトアームに着脱可能に装着されるアタッチメントとしてのフォークと、前記リフトアームの上昇時に前記フォークをチルト方向、前記リフトアームの下降時に前記フォークをダンプ方向にそれぞれ回動させるリンク機構と、メインポンプから供給される圧油により駆動されるとともに、前記リフトアームを介して前記フォークを昇降させるリフトシリンダと、前記メインポンプから供給される圧油により駆動されるとともに、前記リンク機構を介して前記フォークを回動させるアタッチメントシリンダと、前記リフトアームを所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、前記フォークをチルト方向に回動させるように、前記アタッチメントシリンダへの圧油の流量を制御する制御装置と、を備えることを特徴としている。
本発明に係るホイールローダでは、リフトアームの上昇時にフォークをチルト方向、リフトアームの下降時にフォークをダンプ方向にそれぞれ回動させるリンク機構であるZリンク機構を備える。このZリンク機構にフォークを装着した状態で、リフトアームを所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、制御装置がフォークをチルト方向に回動させるようにアタッチメントシリンダへの圧油の流量を制御することにより、フォークを略水平に保ちながら下降させることができ、積荷を落下させるリスクを回避することができる。しかも、操作が簡単であり、オペレータの熟練を要する必要がなく、オペレータへの負担も少ない。その結果、Zリンク機構にフォークを装着する場合において、簡単な操作でフォークを略水平に保った状態で下降させることが可能になる。
本発明によれば、バケットを装着した掘削作業時に不要な予備操作を行う必要が無く、フォークを装着した作業時において、複雑な操作を要すること無くフォークを略水平に保った状態で下降させることができる。
第1実施形態に係るホイールローダの側面図である。 第1実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。 第1実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。 第1実施形態に係るホイールローダのアタッチメントをフォークにした場合の側面図である。 第1実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。 第2実施形態に係るホイールローダの側面図である。 第2実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。 第2実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。 第2実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。 第3実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。 第3実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。 第3実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。 第4実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。 第4実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。 第4実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。 リフトアーム高さとフォーク爪先角度との関係図である。
以下、図面を参照して本発明に係るホイールローダの実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複説明は省略する。また、以下の説明では、上下、左右、前後の方向及び位置は、ホイールローダの通常の使用状態、すなわち車輪が地面に接地する状態を基準とする。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係るホイールローダの側面図であり、図2は第1実施形態に係るホイールローダの油圧回路図であり、図3は第1実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。本実施形態のホイールローダ1は、リフトアーム2、アタッチメントとしてのバケット3、車輪4、フロントボディ11、リアボディ12等を備えている。リアボディ12は、運転室5及びエンジン室6等を有する。運転室5には、電気リフトレバー16と、電気アタッチメントレバー(図示せず)とが設けられており、オペレータはこれらのレバーを操作することでホイールローダ1の荷役装置等を動作させる。
より具体的には、ホイールローダ1は、フロントボディ11の前部に取り付けられるとともに昇降可能な左右一対のリフトアーム2と、リフトアーム2に着脱可能に装着されるバケット3と、メインポンプ21から供給される圧油により駆動されるとともに、リフトアーム2を介してバケット3を昇降させる一対のリフトシリンダ7と、メインポンプ21から供給される圧油により駆動されるとともに、ベルクランク9等を介してバケット3を回動させるアタッチメントシリンダ8と、を備えている。
バケット3は、リフトアーム2に回動可能に連結されたベルクランク9及びベルクランク9とバケット3とを接続するアタッチメントリンク10を介して、車体に基端が取り付けられたアタッチメントシリンダ8に取り付けられている。アタッチメントシリンダ8の伸縮によりバケット3の向きが上下する。なお、アタッチメントとしては、バケット3のほか、例えばフォーク15(図4参照)等が挙げられる。
リフトシリンダ7は、メインポンプ21から供給される圧油によって駆動される油圧アクチュエータであり、伸縮動作でリフトアーム2を上下方向に回動させる。具体的には、メインポンプ21によって圧油がリフトシリンダ7のボトム室に供給されると、リフトシリンダ7のロッド7aが伸長し、これによってリフトアーム2は上方向に回動する(すなわち、リフトアーム2が上昇する)。一方、圧油がリフトシリンダ7のロッド室に供給されると、ロッド7aが縮退し、これによってリフトアーム2は下方向に回動する(すなわち、リフトアーム2が下降する)。このようなリフトアーム2の昇降に伴い、リフトアーム2の先端に装着されたバケット3も昇降する。
アタッチメントシリンダ8は、メインポンプ21から供給される圧油によって駆動される油圧アクチュエータであり、伸縮動作でバケット3をチルト方向又はダンプ方向に回動させる。具体的には、メインポンプ21によって圧油がアタッチメントシリンダ8のボトム室に供給されると、アタッチメントシリンダ8のロッド8aが伸長し、これによってバケット3はチルト方向に回動する。一方、圧油がアタッチメントシリンダ8のロッド室に供給されると、ロッド8aが縮退し、これによってバケット3はダンプ方向に回動する。本実施形態において、「チルト」とは、上方向に傾動すること、より具体的にはバケット3が上方に向かいつつ後傾方向に回動することを意味する。一方、「ダンプ」とは、下方向に傾動すること、より具体的にはバケット3が下方に向かいつつ前傾方向に回動することを意味する。
リフトアーム2とフロントボディ11との間には、リフト角センサ13が設けられている。リフト角センサ13は、リフトアーム2とフロントボディ11との相対角度を検出し、検出した結果をコントローラ33(後述する)に出力する。また、リフトアーム2とベルクランク9との間には、ベルクランク角センサ14が設けられている。ベルクランク角センサ14は、リフトアーム2とベルクランク9の相対角度を検出し、検出した結果をコントローラ33に出力する。
本実施形態では、リフトアーム2、ベルクランク9、アタッチメントリンク10、リフトシリンダ7、及びアタッチメントシリンダ8は総称してリンク機構と呼ばれる。このリンク機構は、アタッチメントシリンダ8を動作させずにリフトシリンダ7のみを動作させた場合に、リフトアーム2の上昇につれて少なくとも一定区間においてバケット3の爪先が上向きになり、リフトアーム2の下降につれて少なくとも一定区間においてバケット3が下向きになる。このようなリンク機構は、Zリンク機構と呼ばれており、ホイールローダ1のアタッチメントとしてバケット3を装着する場合に多く使われるが、本実施形態ではフォーク15を装着する場合にも使われている。
図4は図1のホイールローダのアタッチメントをフォークにした場合(言い換えれば、フォーク15を装着した場合)の図である。図4に示すように、フォーク15の爪先がフロントボディ11に対してなす角度(ホイールローダ1が水平面上にある場合には水平面に対してなす角度)を、フォーク爪先角度αとする。フォーク爪先角度αは、上述のリフト角センサ13及びベルクランク角センサ14の検出結果から演算される。
リフトアーム2にフォーク15を装着した場合、リフトアーム2が昇降するときにフォーク15を略水平状態に保つ必要がある。特に下降するとき、上述したように、リフトシリンダ7のみを動作させるとフォーク15が下向きになるので、積荷を落下させる可能性がある。これを防ぐため、リフトシリンダ7とアタッチメントシリンダ8とを同時に動作させなくてはならない。例えばリフトアーム2の下降時には、リフトシリンダ7を縮退しながらアタッチメントシリンダ8を伸長させる。しかし、このような操作は複雑であり、オペレータの熟練を要するだけでなく、オペレータへの負担も大きい。
そこで、本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、Zリンク機構にフォーク15を装着する場合において、簡単な操作でフォーク15を略水平に保った状態で下降できることを見出した。以下、それを詳細に説明する。
図2に示すように、メインポンプ21は、エンジン(図示せず)によって駆動されており、リフトシリンダ用コントロールバルブ23を介してリフトシリンダ7への圧油、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24を介してアタッチメントシリンダ8への圧油をそれぞれ供給する。リフトシリンダ用コントロールバルブ23及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は、それぞれパイロット圧によって動作する比例弁である。リフトシリンダ用コントロールバルブ23は、メインポンプ21とリフトシリンダ7とをつなぐ管路に設けられ、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は、メインポンプ21とアタッチメントシリンダ8とをつなぐ管路に設けられている。リフトシリンダ7とアタッチメントシリンダ8とは、メインポンプ21に対し互いにパラレルに接続されている。
リフトシリンダ用コントロールバルブ23は(R)、(N)、(L)、(F)の4位置をもち、リフトシリンダ7への圧油の流れを制御する。(R)位置ではリフトシリンダ7のボトム室にメインポンプ21からの圧油を導くことでロッド7aが伸長し、(N)位置ではボトム室及びロッド室をメインポンプ21及びタンク22と遮断することでロッド7aが停止し、(L)位置ではロッド室に圧油を導くことでロッド7aが縮退する。(F)位置では、ボトム室及びロッド室をタンク22と連通させるので、自重でロッド7aが縮退する。
一方、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は(T)、(N)、(D)の3位置をもち、アタッチメントシリンダ8への圧油の流れを制御する。(T)位置ではアタッチメントシリンダ8のボトム室にメインポンプ21からの圧油を導くことでロッド8aが伸長し、(N)位置ではボトム室及びロッド室をメインポンプ21及びタンク22と遮断することでロッド8aが停止し、(D)位置ではロッド室に圧油を導くことでロッド8aが縮退する。
また、図3に示すように、本実施形態のホイールローダ1は、リフトシリンダ7及びアタッチメントシリンダ8を含むホイールローダ1の各構成部分を制御するコントローラ33を更に備えている。コントローラ33は、特許請求の範囲に記載の「制御装置」に相当するものであって、例えば演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、演算のためのプログラムを記録した二次記憶装置としてのROM(Read Only Memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によって各判定、各演算、各指令等の制御処理を行う。なお、図3において一点鎖線は電気信号、破線はパイロット圧を示す。
コントローラ33には、リフト角センサ13、ベルクランク角センサ14のそれぞれにより検出された角度の他、電気リフトレバー16により操作された操作量が電気信号として入力されるように各配線が接続されている。また、コントローラ33からは、パイロットバルブ32に対してリフトアーム2の操作量に対応した信号、バケット3の操作量に対応した信号が出力されるように各配線が接続されている。
また、コントローラ33は、リフトシリンダ用コントロールバルブ23及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24をそれぞれ制御する。具体的には、コントローラ33は、パイロットバルブ32(後述する)を介してリフトシリンダ用コントロールバルブ23及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24を遮断したり、開口したりする制御を行う。また、コントローラ33は、パイロットバルブ32を介して、リフトシリンダ用コントロールバルブ23及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積をそれぞれ制御する。
図3に示すように、コントローラ33は、フォーク爪先角度演算部33aとバルブ指令演算部33bとを有する。フォーク爪先角度演算部33aは、リフト角センサ13及びベルクランク角センサ14から出力された検出結果に基づいて、幾何学計算でフォーク爪先角度αを演算し、演算した結果をバルブ指令演算部33bに出力する。なお、フォーク爪先角度αは、上述したように、フォーク15の爪先がフロントボディ11に対してなす角度である。
バルブ指令演算部33bは、フォーク爪先角度演算部33aから出力されたフォーク爪先角度αと、電気リフトレバー16から出力された操作信号とに基づいて、パイロットバルブ32への指令を演算し、演算した結果をパイロットバルブ32に出力する。パイロットバルブ32は、パイロットポンプ31からの圧油の圧力を制御し、リフトシリンダ用コントロールバルブ23及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24を動作させるパイロット圧を生成するためのバルブである。
そして、パイロットバルブ32が、バルブ指令演算部33bの出力に従ってリフトアーム2の上昇パイロット圧をリフトシリンダ用コントロールバルブ23に作用する場合、リフトシリンダ用コントロールバルブ23は(R)位置となる。このとき、メインポンプ21からの圧油はリフトシリンダ7のボトム室に導かれ、リフトシリンダ7を伸長させる。これによって、リフトアーム2は上昇する。
一方、パイロットバルブ32が、バルブ指令演算部33bの出力に従ってリフトアーム2の下降パイロット圧をリフトシリンダ用コントロールバルブ23に作用する場合、リフトシリンダ用コントロールバルブ23は(L)位置となる。このとき、メインポンプ21からの圧油はリフトシリンダ7のロッド室に導かれ、リフトシリンダ7を縮退させる。これによって、リフトアーム2は下降する。
また、パイロットバルブ32が、バルブ指令演算部33bの出力に従ってチルトパイロット圧をアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24に作用する場合、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は(T)位置となる。このとき、メインポンプ21からの圧油はアタッチメントシリンダ8のボトム室に導かれ、アタッチメントシリンダ8を伸長させる。これによって、フォーク15はチルトする。
一方、パイロットバルブ32が、バルブ指令演算部33bの出力に従ってダンプパイロット圧をアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24に作用する場合、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は(D)位置となる。このとき、メインポンプ21からの圧油はアタッチメントシリンダ8のロッド室に導かれ、アタッチメントシリンダ8を縮退させる。これによって、フォーク15はダンプする。
以下、図5を参照してホイールローダ1に関するパラレル下降の制御処理を説明する。
図5は第1実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。本実施形態のパラレル下降は、電気リフトレバー16の操作に応じてリフトアーム2が下降する際に、フォーク15を略水平に保つためのアタッチメントシリンダ8の動作をコントローラ33によって自動で行うものである。図5に示すパラレル下降の制御処理は、例えば運転室5に設けられた開始ボタン(図示せず)が押されることにより開始される。パラレル下降中、オペレータは電気リフトレバー16のみをリフトアーム2の下降方向に操作し、それによってリフトシリンダ7が動作し、その動作にあわせてアタッチメントシリンダ8が自動で動作される。
そして、アタッチメントシリンダ8を作動させずにリフトシリンダ7のみを縮退させることによりリフトアーム2を下降させた場合、後述する図16に示すように、リンク機構の形状で決まる所定上限高さから所定下限高さまでの間で、フォーク15の爪先が下向きになる。この爪先の下向きによる積荷の落下を防止するため、パラレル下降時には、リフトアーム2の高さが少なくとも所定上限高さから所定下限高さまでの間でアタッチメントシリンダ8を伸長させて、フォーク15の爪先をチルトさせる必要がある。
図16はリフトアーム高さとフォーク爪先角度との関係図である。図16において、横軸はリフトアーム高さを示し、縦軸はフォーク爪先角度αを示す。図16に示すように、リフトアーム2が所定上限高さから所定下限高さまでの間で、フォーク爪先角度αがマイナスになっていく。従って、フォーク15を装着した場合、該所定上限高さから所定下限高さまでの間にフォーク15の爪先が下向きになる。これによって、上述したように積荷を落下させる可能性がある。これを防止するために、フォーク15の爪先をチルトさせる必要がある。なお、所定上限高さ及び所定下限高さは、少なくともリフトアーム2の長さL1、ベルクランク9の長さL2、アタッチメントリンク10の長さL3(図1参照)によって決定される。
図5に示すように、パラレル下降の制御処理が開始されると、フォーク爪先角度演算部33aは、上述したように、リフト角センサ13及びベルクランク角センサ14から出力された検出結果に基づいて、幾何学計算でフォーク爪先角度αを演算する(ステップS11参照)。
ステップS11に続くステップS12では、コントローラ33は、その時点のフォーク爪先角度αをフォーク爪先角度目標値αに設定する。その後のステップでは、フォーク爪先角度目標値αを保持しながらリフトアーム2の下降を実行できるように、各制御が行われる。
ステップS12に続くステップS13では、電気リフトレバー16の操作量に応じてリフトシリンダ用コントロールバルブ23が(L)位置になる操作が行われる。具体的には、バルブ指令演算部33bは、電気リフトレバー16の下降操作量に応じた指令を演算し、演算した結果をパイロットバルブ32に出力する。パイロットバルブ32は、バルブ指令演算部33bの指令に従って、リフトアーム2の下降パイロット圧をリフトシリンダ用コントロールバルブ23に作用させる。これによって、リフトシリンダ用コントロールバルブ23は(L)位置になり、リフトアーム2が下降を始める。
ステップS13に続くステップS14では、フォーク爪先角度演算部33aは、リフト角センサ13及びベルクランク角センサ14から出力された検出結果に基づいて、フォーク爪先角度αを再び演算する。
ステップS14に続くステップS15では、コントローラ33は、その時点のフォーク爪先角度αがフォーク爪先角度目標値αと等しいか否かを判定する。フォーク爪先角度αがフォーク爪先角度目標値αと等しいと判定された場合、制御処理はステップS19に進む。一方、等しくないと判定された場合、制御処理はステップS16に進む。
ステップS16では、コントローラ33は、その時点のフォーク爪先角度αとフォーク爪先角度目標値αの差が0より大きいか否かを更に判定する。フォーク爪先角度αとフォーク爪先角度目標値αの差が0より大きいと判定された場合、制御処理はステップS17に進む。
ステップS17では、バルブ指令演算部33bはパイロットバルブ32にダンプするための指令を演算し、演算した指令をパイロットバルブ32に出力する。パイロットバルブ32は、バルブ指令演算部33bの指令に従って、ダンプパイロット圧をアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24に作用させる。これによって、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は(D)位置になり、フォーク15がダンプする。
一方、ステップS16において、フォーク爪先角度αとフォーク爪先角度目標値αの差が0より小さいと判定された場合、制御処理はステップS18へ進む。ステップS18では、バルブ指令演算部33bはパイロットバルブ32にチルトするための指令を演算し、演算した指令をパイロットバルブ32に出力する。パイロットバルブ32は、バルブ指令演算部33bの指令に従って、チルトパイロット圧をアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24に作用させる。これによって、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24は(T)位置になり、フォーク15がチルトする。
ステップS15、S17及びS18に続くステップS19では、コントローラ33は電気リフトレバー16の操作が終了しているか否かを判定する。終了していないと判定された場合、制御処理はステップS13に戻り、上記ステップS13~S18が繰り返し実行される。一方、ステップS19で電気リフトレバー16の操作が終了すると判定された場合、一連の制御処理は終了する。
本実施形態に係るホイールローダ1では、Zリンク機構にフォーク15を装着した状態で、リフトアーム2を所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、コントローラ33がフォーク15をチルト方向に回動させるようにアタッチメントシリンダ8への圧油の流量を制御することにより、フォーク15を略水平に保ちながら下降させることができるので、積荷を落下させるリスクを回避することができる。しかも、オペレータは電気リフトレバー16をリフトアーム2の下降方向に操作するだけで該パラレル下降を実行できるので、オペレータの熟練を要する必要がなく、オペレータへの負担も少なく、経験の浅いオペレータでも簡単に操作することができる。その結果、Zリンク機構にフォーク15を装着する場合、簡単な操作でフォーク15を略水平に保った状態で下降させることができる。
更に、一つのリンク機構(Zリンク機構)でバケット3を装着した場合及びフォーク15を装着した場合の双方に対応できるので、従来のアタッチメントごとにリンク機構を付け替える必要がなく、コスト削減を期待することができる。
なお、以上ではリフトアーム2の下降時について説明したが、リフトアーム2の上昇時についても同様にフォーク15を略水平に保つ制御を行うことができる。その詳細な説明を省略する。
[第2実施形態]
次に、図6~図9を参照してホイールローダの第2実施形態を説明する。本実施形態のホイールローダ1は、フォーク爪先角度演算部33aに代えてバルブ必要開口面積演算部33cを備える点において、上述の第1実施形態と相違する。すなわち、第1実施形態では、フォーク爪先角度αを基にフォーク15を制御するが、第2実施形態ではアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積を基にフォーク15を制御する。以下、上述の第1実施形態との相違点のみを説明する。
図6は第2実施形態に係るホイールローダの側面図である。図6に示すように、ホイールローダ1はリフトシリンダストロークセンサ18を備えている。リフトシリンダストロークセンサ18は、リフトシリンダ7に設けられている。
図7は第2実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。図7に示すように、メインポンプ21の吐出側にはメインポンプ圧力センサ25が設けられている。また、アタッチメントシリンダ8のボトム側にはアタッチメントシリンダボトム側圧力センサ26、そのロッド側にはアタッチメントシリンダロッド側圧力センサ27がそれぞれ設けられている。
図8は第2実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。本実施形態のコントローラ33は、バルブ必要開口面積演算部33cとバルブ指令演算部33bとを有する。バルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダストロークセンサ18、メインポンプ圧力センサ25、アタッチメントシリンダボトム側圧力センサ26、及びアタッチメントシリンダロッド側圧力センサ27によって検出された結果に基づいて、フォーク15のチルト方向への回動に必要なアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積を演算する。
本実施形態では、バルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダ7のストローク及びストローク伸縮速度を参照してアタッチメントシリンダ8の要求ストローク伸縮速度を求め、求めた要求ストローク伸縮速度に基づいて、フォーク15のチルト方向への回動に必要なアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積を更に演算する。これは、フォーク15を略水平に保った状態でリフトアーム2を下降させるとき、リフトシリンダ7のストロークが決まれば、アタッチメントシリンダ8の要求ストロークが一意に決まるからである。従って、バルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダ7のストロークとそれを微分して求まるストローク伸縮速度から、アタッチメントシリンダ8の要求ストローク伸縮速度を求めることができる。更に、バルブ必要開口面積演算部33cは、アタッチメントシリンダ8の要求ストローク伸縮速度からアタッチメントシリンダ8に流入する必要な流量を算出し、算出された必要な流量とアタッチメントシリンダ8内の圧力とメインポンプ21の吐出圧力とに基づいて、フォーク15のチルト方向への回動に必要なアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積を演算することができる。
なお、リフトシリンダ7のストロークは、リフトシリンダストロークセンサ18を介して得ることができる。アタッチメントシリンダ8内の圧力は、アタッチメントシリンダボトム側圧力センサ26及びアタッチメントシリンダロッド側圧力センサ27の検出結果に基づいて演算することができる。メインポンプ21の吐出圧力は、メインポンプ圧力センサ25を介して得ることができる。
一方、バルブ指令演算部33bは、バルブ必要開口面積演算部33cによって演算されたアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積に基づいて、パイロットバルブ32への指令を演算し、演算した指令をパイロットバルブ32に出力する。
図9は第2実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。本実施形態のパラレル下降は、電気リフトレバー16の操作に応じてリフトアーム2が下降する際に、フォーク15を略水平に保つためのアタッチメントシリンダ8の動作をコントローラ33によって自動で行うものである。図9に示すパラレル下降の制御処理は、例えば運転室5に設けられた開始ボタン(図示せず)が押されることにより開始される。パラレル操作中、オペレータは電気リフトレバー16のみをリフトアーム2の下降方向に操作し、それによってリフトシリンダ7が動作し、その動作にあわせてアタッチメントシリンダ8が自動で動作される。
なお、アタッチメントシリンダ8を作動させずにリフトシリンダ7のみを縮退させることによりリフトアーム2を下降させた場合、リンク機構の形状で決まる所定上限高さから所定下限高さまでの間で、フォーク15の爪先が下向きになる。この爪先の下向きによる積荷の落下を防止するため、パラレル下降時には、リフトアーム2の高さが少なくとも所定上限高さから所定下限高さまでの間でアタッチメントシリンダ8を伸長させて、フォーク15の爪先をチルトさせる必要がある。ここで、所定上限高さおよび所定下限高さは、少なくともリフトアーム2の長さL1、ベルクランク9の長さL2、アタッチメントリンク10の長さL3(図1参照)によって決定される。図16にリフトアーム高さとフォーク爪先角度αの関係の一例を示す。
図9に示すように、パラレル下降の制御処理が開始されると、電気リフトレバー16の操作量に応じてリフトシリンダ用コントロールバルブ23が(L)位置になる操作が行われる(ステップS21参照)。具体的には、バルブ指令演算部33bは、電気リフトレバー16の下降操作量に応じた指令を演算し、演算した結果をパイロットバルブ32に出力する。パイロットバルブ32は、バルブ指令演算部33bの指令に従って、リフトアーム2の下降パイロット圧をリフトシリンダ用コントロールバルブ23に作用させる。これによって、リフトシリンダ用コントロールバルブ23は(L)位置になり、リフトアーム2が下降を始める。
ステップS21に続くステップS22では、バルブ必要開口面積演算部33cは、上述したように、フォーク15のチルト方向への回動に必要なアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積を演算し、演算した結果をバルブ指令演算部33bに出力する。
ステップS22に続くステップS23では、バルブ指令演算部33bは、バルブ必要開口面積演算部33cにより演算されたアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の開口面積に基づいてパイロットバルブ32への指令を演算し、演算した結果をパイロットバルブ32に出力する。パイロットバルブ32は、バルブ指令演算部33bの指令に従って、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の位置を制御する。そして、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24の位置に対応して、フォーク15はチルト又はダンプする。
ステップS23に続くステップS24では、コントローラ33は電気リフトレバー16の操作が終了しているか否かを判定する。終了していないと判定された場合、制御処理はステップS21に戻り、上記ステップS21~S23が繰り返し実行される。一方、ステップS24で電気リフトレバー16の操作が終了すると判定された場合、一連の制御処理は終了する。
本実施形態に係るホイールローダ1によれば、第1実施形態と同様に、Zリンク機構にフォークを装着する場合において、簡単な操作でフォーク15の略水平を保ちながらリフトアーム2を下降させることができる。更に、フィードフォワード的に制御するため、遅れが少ないという効果も得られる。
なお、以上ではリフトアーム2の下降時について説明したが、リフトアーム2の上昇時についても同様にフォーク15を略水平に保つ制御を行うことができる。その詳細な説明を省略する。
[第3実施形態]
次に、図10~図12を参照してホイールローダの第3実施形態を説明する。本実施形態のホイールローダ1は、アタッチメントシリンダ8を伸長させる手法において、上述の第1実施形態と相違する。すなわち、第1実施形態では、アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24を介してアタッチメントシリンダ8の伸長を行うが、第3実施形態では、リフトシリンダ7が縮退する際に流出される圧油を用いてアタッチメントシリンダ8の伸長を行う。以下、上述の第1実施形態との相違点のみを説明する。
図10は第3実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。図10に示すように、リフトシリンダ7のボトム室とアタッチメントシリンダ8のボトム室をつなぐ管路上には、ON/OFF(すなわち、連通又は遮断)弁である切換弁28とチェック弁29とがそれぞれ設けられている。また、リフトシリンダ7のボトム室と切換弁28との間を分岐してタンク22へ導く管路上には、電磁比例弁である比例弁42が設けられ、リフトシリンダ7のロッド室とタンク22との間の管路上には、ON/OFF弁である第2開閉弁41が設けられている。更に、アタッチメントシリンダ8のロッド室とタンク22との間の管路上には、ON/OFF弁である第1開閉弁40が設けられている。
通常時において、切換弁28、比例弁42、第1開閉弁40、及び第2開閉弁41は閉弁しており、コントローラ33は、リフトシリンダ用コントロールバルブ23及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24を介してリフトシリンダ7及びアタッチメントシリンダ8の動作を制御する。
一方、パラレル下降を行う際に、コントローラ33はリフトシリンダ用コントロールバルブ23、及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24をどちらも(N)位置にし、メインポンプ21の吐出流量を少なくする。更に、コントローラ33は切換弁28、第1開閉弁40、第2開閉弁41、及び比例弁42をそれぞれ開弁するように制御する。このとき、リフトシリンダ7の縮退に伴いリフトシリンダ7のボトム室から流出する圧油は、一部が切換弁28及びチェック弁29を通ってアタッチメントシリンダ8のボトム室に導かれ、アタッチメントシリンダ8を伸長させることができる。残りの圧油は、比例弁42を通ってタンク22へと戻される。そして、コントローラ33は、タンク22に戻る流量を比例弁42で制御することで、アタッチメントシリンダ8への流量を制御する。
また、リフトシリンダ7のロッド室は第2開閉弁41を介してタンク22とつながっており、必要な流量をタンク22から吸入する。更に、アタッチメントシリンダ8のロッド室は第1開閉弁40を介してタンク22とつながっており、ロッド室から排出された圧油はタンク22へと戻される。
図11は第3実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。図11に示すように、コントローラ33のバルブ指令演算部33bは、パイロットバルブ32に加えて、切換弁28、第1開閉弁40、第2開閉弁41及び比例弁42にも指令を出力する。
図12は第3実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。本実施形態のパラレル下降の制御処理は、例えば運転室5に設けられた開始ボタン(図示せず)が押され、電気リフトレバー16がリフトアーム2の下降方向に操作されることによって開始される。パラレル下降の制御処理中、オペレータは電気リフトレバー16の操作を行う必要がなく、自動でフォーク15を略水平に保ちながらリフトアーム2を下降させる。
なお、アタッチメントシリンダ8を作動させずにリフトシリンダ7のみを縮退させることによりリフトアーム2を下降させた場合、リンク機構の形状で決まる所定上限高さから所定下限高さまでの間で、フォーク15の爪先が下向きになる。この爪先の下向きによる積荷の落下を防止するため、パラレル下降時には、リフトアーム2の高さが少なくとも所定上限高さから所定下限高さまでの間でアタッチメントシリンダ8を伸長させて、フォーク15の爪先をチルトさせる必要がある。ここで、所定上限高さおよび所定下限高さは、少なくともリフトアーム2の長さL1、ベルクランク9の長さL2、アタッチメントリンク10の長さL3(図1参照)によって決定される。図16にリフトアーム高さとフォーク爪先角度αの関係の一例を示す。
図12に示すように、電気リフトレバー16がリフトアーム2の下降方向に操作されると、パラレル下降の制御処理が開始される。ステップS31では、フォーク爪先角度演算部33aは、リフト角センサ13及びベルクランク角センサ14から出力された検出結果に基づいて、幾何学計算でフォーク爪先角度αを演算する。
ステップS31に続くステップS32では、コントローラ33は、その時点のフォーク爪先角度αをフォーク爪先角度目標値αに設定する。その後のステップでは、フォーク爪先角度目標値αを保持しながらリフトアーム2の下降を実行できるように、各制御が行われる。
ステップS32に続くステップS33では、バルブ指令演算部33bは、切換弁28、第1開閉弁40、第2開閉弁41、及び比例弁42を開弁させる指令をこれらの弁に出力する。このとき、比例弁42の開口面積は予め決められた所定の値とする。さらに、バルブ指令演算部33bはリフトシリンダ用コントロールバルブ23、及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24をどちらも(N)位置にする指令を、パイロットバルブ32に出力する。従って、リフトシリンダ7のボトム室とアタッチメントシリンダ8のボトム室とが連通され、負荷の大きいリフトシリンダ7は縮退する方向、負荷の小さいアタッチメントシリンダ8は伸長する方向に動き始める。また、このとき、リフトシリンダ7のロッド室、アタッチメントシリンダ8のロッド室はそれぞれタンク22と連通しているので、必要な流量が流出又は流入する。これらの動作により、リフトアーム2が下降を始める。
ステップS33に続くステップS34では、フォーク爪先角度演算部33aは、リフト角センサ13及びベルクランク角センサ14から出力された検出結果に基づいて、フォーク爪先角度αを再び演算する。
ステップS34に続くステップS35では、コントローラ33は、その時点のフォーク爪先角度αがフォーク爪先角度目標値αと等しいか否かを判定する。フォーク爪先角度αがフォーク爪先角度目標値αと等しいと判定された場合、制御処理はステップS39に進む。一方、等しくないと判定された場合、制御処理はステップS36に進む。
ステップS36では、コントローラ33は、その時点のフォーク爪先角度αとフォーク爪先角度目標値αとの差が0より大きいか否かを更に判定する。フォーク爪先角度αとフォーク爪先角度目標値αとの差が0より大きいと判定された場合、制御処理はステップS37に進む。
ステップS37では、バルブ指令演算部33bは、フォーク爪先角度演算部33aの演算結果に基づいて比例弁42に開口面積を大きくする指令を演算し、演算した結果を比例弁42に出力する。これによって、リフトシリンダ7のボトム室からタンク22に戻る流量が多くなるので、アタッチメントシリンダ8のボトム室に導かれる流量が減り、フォーク15をチルトさせる量が少なくなる。
一方、ステップS36において、フォーク爪先角度αとフォーク爪先角度目標値αとの差が0より小さいと判定された場合、制御処理はステップS38に進む。ステップS38では、バルブ指令演算部33bは、フォーク爪先角度演算部33aの演算結果に基づいて比例弁42に開口面積を小さくする指令を演算し、演算した結果を比例弁42に出力する。これによって、リフトシリンダ7のボトム室からタンク22に戻る流量が少なくなるので、アタッチメントシリンダ8のボトム室に導かれる流量が増え、フォーク15をチルトさせる量が多くなる。
ステップS35、S37及びS38に続くステップS39では、コントローラ33は電気リフトレバー16の操作が終了しているか否かを判定する。終了していないと判定された場合、制御処理はステップS33に戻り、上記ステップS33~S38が繰り返し実行される。一方、ステップS39で電気リフトレバー16の操作が終了すると判定された場合、一連の制御処理は終了する。
本実施形態に係るホイールローダ1によれば、第1実施形態と同様に、Zリンク機構にフォークを装着する場合において、簡単な操作でフォーク15の略水平を保ちながらリフトアーム2を下降させることができる。更に、アタッチメントシリンダ8を伸長させるのに、メインポンプ21からの圧油を使わないため、燃費向上を図ることができる。
[第4実施形態]
次に、図13~図15を参照してホイールローダの第4実施形態を説明する。本実施形態のホイールローダ1は、フォーク爪先角度演算部33aに代えてバルブ必要開口面積演算部33cを備える点において、上述の第3実施形態と相違する。本実施形態のバルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダ7のストローク及びストローク伸縮速度を参照してアタッチメントシリンダ8の要求ストローク伸縮速度を求め、フォーク15のチルト方向への回動に必要な比例弁42の開口面積を演算する。以下、上述の第3実施形態との相違点のみを説明する。
なお、本実施形態のホイールローダ1は、上述の第2実施形態と同様にリフトシリンダストロークセンサ18を備えている(図6参照)。
図13は第4実施形態に係るホイールローダの油圧回路図である。図13に示すように、本実施形態では、上述の第2実施形態と同様に切換弁28、チェック弁29、比例弁42、第2開閉弁41及び第1開閉弁40がそれぞれ設けられるほか、更にリフトシリンダ7のボトム側にリフトシリンダボトム側圧力センサ43が設けられている。
図14は第4実施形態に係るホイールローダのブロック構成図である。図14に示すように、本実施形態のコントローラ33は、バルブ必要開口面積演算部33cとバルブ指令演算部33bとを有する。バルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダストロークセンサ18、及びリフトシリンダボトム側圧力センサ43によって検出された結果に基づいて、フォーク15のチルト方向への回動に必要な比例弁42の開口面積を演算する。
ここで、フォーク15のチルト方向への回動に必要な比例弁42の開口面積の演算を説明する。フォーク15を略水平に保ったままリフトアーム2を下降するとき、リフトシリンダ7のストロークが決まれば、アタッチメントシリンダ8の要求ストロークが一意に決まる。このため、バルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダストロークセンサ18から得られるリフトシリンダ7のストロークとそれを微分して求めるストローク伸縮速度から、アタッチメントシリンダ8の要求ストローク伸縮速度を求めることができる。更に、バルブ必要開口面積演算部33cは、アタッチメントシリンダ8の要求ストローク伸縮速度からアタッチメントシリンダ8に流入する必要な流量を算出し、算出された必要流量とリフトシリンダ7のボトム室から流出する流量との差分から、比例弁42を通ってタンク22へ戻される流量を算出する。また、バルブ必要開口面積演算部33cは、リフトシリンダボトム側圧力センサ43から、比例弁42に接続されるリフトシリンダ7のボトム側の圧力が得られる。そして、バルブ必要開口面積演算部33cは、算出された比例弁42を通ってタンクへ戻される流量と、リフトシリンダ7のボトム側の圧力とに基づいて、フォーク15のチルト方向への回動に必要な比例弁42の開口面積を演算することができる。
一方、バルブ指令演算部33bは、バルブ必要開口面積演算部33cによって演算された比例弁42の開口面積に基づいて、比例弁42への指令を演算し、演算した指令を比例弁42に出力する。
図15は第4実施形態のホイールローダに関するパラレル下降のフローチャートである。本実施形態のパラレル下降の制御処理は、例えば運転室5に設けられた開始ボタン(図示せず)が押され、電気リフトレバー16がリフトアーム2の下降方向に操作されることにより開始される。パラレル下降中、オペレータはレバー操作を行う必要がなく、自動でフォーク15を略水平に保ちながらリフトアーム2を下降させる。
なお、アタッチメントシリンダ8を作動させずにリフトシリンダ7のみを縮退させることによりリフトアーム2を下降させた場合、リンク機構の形状で決まる所定上限高さから所定下限高さまでの間で、フォーク15の爪先が下向きになる。この爪先の下向きによる積荷の落下を防止するため、パラレル下降時には、リフトアーム2の高さが少なくとも所定上限高さから所定下限高さまでの間でアタッチメントシリンダ8を伸長させて、フォーク15の爪先をチルトさせる必要がある。ここで、所定上限高さおよび所定下限高さは、少なくともリフトアーム2の長さL1、ベルクランク9の長さL2、アタッチメントリンク10の長さL3(図1参照)によって決定される。図16にリフトアーム高さとフォーク爪先角度αの関係の一例を示す。
図15に示すように、電気リフトレバー16がリフト下降方向に操作されると、パラレル下降の制御処理が開始される。
ステップS41では、バルブ指令演算部33bは、切換弁28、第1開閉弁40、及び第2開閉弁41を開弁する指令をこれらの弁に出力する。さらに、バルブ指令演算部33bはリフトシリンダ用コントロールバルブ23、及びアタッチメントシリンダ用コントロールバルブ24をどちらも(N)位置にする指令を、パイロットバルブ32に出力する。これによって、リフトシリンダ7のボトム室とアタッチメントシリンダ8のボトム室とが連通され、負荷の大きいリフトシリンダ7は縮退する方向、負荷の小さいアタッチメントシリンダ8は伸長する方向に動き始める。また、このとき、リフトシリンダ7のロッド室、アタッチメントシリンダ8のロッド室はそれぞれタンク22と連通しているので、必要な流量が流出又は流入する。これらの動作により、リフトアーム2が下降を始める。
ステップS41に続くステップS42では、バルブ必要開口面積演算部33cは、上述したようにフォーク15のチルト方向への回動に必要な比例弁42の開口面積を演算する。
ステップS42に続くステップS43では、バルブ指令演算部33bは、バルブ必要開口面積演算部33cによって演算された比例弁42の開口面積に基づいて比例弁42への指令を演算し、演算した指令を比例弁42に出力する。これによって、比例弁42の開口面積が制御される。その結果、アタッチメントシリンダ8のボトム室に導かれる圧油の流量が制御され、フォーク15をチルトさせる量が調整される。
ステップS43に続くステップS44では、コントローラ33は電気リフトレバー16の操作が終了しているか否かを判定する。終了していないと判定された場合、制御処理はステップS41に戻り、上記ステップS41~S43が繰り返し実行される。一方、ステップS44で電気リフトレバー16の操作が終了すると判定された場合、一連の制御処理は終了する。
本実施形態に係るホイールローダ1によれば、上述の第3実施形態と同様に、Zリンク機構にフォークを装着する場合において、簡単な操作でフォーク15の略水平を保ちながらリフトアーム2を下降させることができる。更に、リフトシリンダ7の縮退と同時にアタッチメントシリンダ8の伸長が始まり、フォーク15の爪先をチルト方向に動かすことで、制御の遅れによりフォーク15の爪先が下向きになるのを防止でき、荷物を落下させるリスクを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 ホイールローダ
2 リフトアーム
3 バケット(アタッチメント)
4 車輪
5 運転室
6 エンジン室
7 リフトシリンダ
7a ロッド
8 アタッチメントシリンダ
8a ロッド
9 ベルクランク
10 アタッチメントリンク
11 フロントボディ
12 リアボディ
13 リフト角センサ
14 ベルクランク角センサ
15 フォーク(アタッチメント)
16 電気リフトレバー
18 リフトシリンダストロークセンサ
21 メインポンプ
22 タンク
23 リフトシリンダ用コントロールバルブ
24 アタッチメントシリンダ用コントロールバルブ
25 メインポンプ圧力センサ
26 アタッチメントシリンダボトム側圧力センサ
27 アタッチメントシリンダロッド側圧力センサ
28 切換弁
29 チェック弁
31 パイロットポンプ
32 パイロットバルブ
33 コントローラ
33a フォーク爪先角度演算部
33b バルブ指令演算部
33c バルブ必要開口面積演算部
40 第1開閉弁
41 第2開閉弁
42 比例弁
43 リフトシリンダボトム側圧力センサ
α フォーク爪先角度
α フォーク爪先角度目標値

Claims (6)

  1. リフトアームに着脱可能に装着されるアタッチメントとしてのフォークと、
    前記リフトアームの上昇時に前記フォークをチルト方向、前記リフトアームの下降時に前記フォークをダンプ方向にそれぞれ回動させるリンク機構と、
    メインポンプから供給される圧油により駆動されるとともに、前記リフトアームを介して前記フォークを昇降させるリフトシリンダと、
    前記メインポンプから供給される圧油により駆動されるとともに、前記リンク機構を介して前記フォークを回動させるアタッチメントシリンダと、
    前記リフトアームを所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、前記フォークをチルト方向に回動させるように、前記アタッチメントシリンダへの圧油の流量を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするホイールローダ。
  2. 前記リフトシリンダのボトム室又はロッド室に前記メインポンプからの圧油を導くことで前記リフトシリンダを伸縮させるリフトシリンダ用コントロールバルブと、
    前記アタッチメントシリンダのボトム室又はロッド室に前記メインポンプからの圧油を導くことで前記アタッチメントシリンダを伸縮させるアタッチメントシリンダ用コントロールバルブと、
    を更に備え、
    前記制御装置は、前記リフトシリンダ用コントロールバルブ及び前記アタッチメントシリンダ用コントロールバルブを制御する請求項1に記載のホイールローダ。
  3. 前記リフトシリンダのボトム室と前記アタッチメントシリンダのボトム室とを連通又は遮断する切換弁と、
    前記リフトシリンダのボトム室からタンクへの圧油の流量を制御する比例弁と、
    前記アタッチメントシリンダのロッド室と前記タンクとを連通又は遮断する第1開閉弁と、
    前記リフトシリンダのロッド室と前記タンクとを連通又は遮断する第2開閉弁と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記リフトアームを所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、前記切換弁、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁をそれぞれ開弁し、前記フォークのチルト方向への回動に必要な前記比例弁の開口面積を演算し、演算された前記比例弁の開口面積に基づいて前記比例弁への指令を演算し、演算された指令を前記比例弁に出力する請求項1又は2に記載のホイールローダ。
  4. 前記リフトシリンダ用コントロールバルブ及び前記アタッチメントシリンダ用コントロールバルブを動作させるパイロット圧を生成するパイロットバルブを更に備え、
    前記制御装置は、フォーク爪先角度を演算するフォーク爪先角度演算部と、前記フォーク爪先角度演算部により演算されたフォーク爪先角度に基づいて前記パイロットバルブへの指令を演算するバルブ指令演算部とを有し、
    前記バルブ指令演算部は、演算された指令を前記パイロットバルブに出力する請求項2に記載のホイールローダ。
  5. 前記リフトシリンダ用コントロールバルブ及び前記アタッチメントシリンダ用コントロールバルブを動作させるパイロット圧を生成するパイロットバルブを更に備え、
    前記制御装置は、前記リフトアームを所定上限高さから所定下限高さまで下降させるとき、前記フォークのチルト方向への回動に必要な前記アタッチメントシリンダ用コントロールバルブの開口面積を演算するバルブ必要開口面積演算部と、前記バルブ必要開口面積演算部により演算された前記アタッチメントシリンダ用コントロールバルブの開口面積に基づいて前記パイロットバルブへの指令を演算するバルブ指令演算部とを有し、
    前記バルブ指令演算部は、演算された指令を前記パイロットバルブに出力する請求項2に記載のホイールローダ。
  6. 前記所定上限高さ及び前記所定下限高さは、少なくとも前記リンク機構を構成するベルクランク、アタッチメントリンク及び前記リフトアームの長さによって決定される請求項1~5のいずれか一項に記載のホイールローダ。
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