JP2022125647A - 電力供給システム及びプログラム - Google Patents

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Kohei Tomita
兵衛 田村
Hyoe Tamura
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Abstract

【課題】複数の電力供給先を含む複合施設に電力を供給する電力供給システムにおいて、入居者が専有部に設置した蓄電池を連携させて有効活用することが可能な電力供給システム及びプログラムを提供する。【解決手段】電力供給システムにおいて、管理装置2は、消費電力の情報から、入居者に課する電気料金を算出する電気料金算出部201と、自らの所有に係る蓄電池から他の専有部、共用部に電力を供給した入居者に対して還元する還元料金を算出する還元料金算出部202と、買電量に基づいて、電気事業者に支払う買電料金を算出し、あるいは電気事業者からの買電料金の請求額を記憶する買電料金算出部203を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の電力供給先を含む複合施設に電力を供給する電力供給システム及びプログラムに関する。
近年、蓄電池や太陽電池等の分散型電源を備え、電力系統とも連系する電力供給システムが普及している。その中で、複数の電力供給先(以下、入居者ともいう)を含む複合施設に電力を供給する電力供給システムとして、一括受電を行うときに電気料金の低減を実現するためのものが知られている(例えば、特許文献1)。また、このようなシステムにおいて、入居者の各々に請求する電気料金と、複合施設の所有者に対する還元料金とを算出することも公知となっている(例えば、特許文献2)。
このような電力供給システムによれば入居者の各々に請求する電気料金を低廉に設定でき、複合施設の所有者に対しても還元料金を還元できるので、分散型電源による自家発電(または給電)のメリットを、入居者と複合施設の所有者の両方に供与することが可能になる。
特開2017-17779号公報 特開2020-198696号公報
ところで、上記のような複合施設において、入居者個人が自己の専有部において使用する目的で蓄電池を設置するようなことが考えられる。この場合には、複合施設に設置されている蓄電池の総容量は増加するものの、個人設置の蓄電池分についてはあくまで入居者個人において利用されるにすぎず、一括受電を行う複合施設の電力供給システムと連携した利用はできない。
しかしながら、個人設置の蓄電池分の容量も複合施設の電力供給システムと連携して用いることができれば、一括受電事業者(即ち複合施設の所有者)からするとシステムにおける蓄電池の容量が増加することにもなり、これを有効活用することで、より効率的な電力供給制御を行うことが可能になる。
一方、個人で蓄電池を設置した入居者からすると、自己の蓄電池(の容量)を自らのために利用しつつ、余剰の電力容量が生じている場合にはそれをシステム側に売電できるようになっていると、蓄電池の容量を無駄なく活用することができる。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、複数の電力供給先を含む複合施設に電力を供給する電力供給システムにおいて、入居者が専有部に設置した蓄電池を電力供給システムと連携させて有効活用することが可能な技術を提供する。
前記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。即ち、複数の電力供給先を含む複合施設の電力供給システムであって、
前記複数の電力供給先に電力を供給可能な分散型電源と、
少なくとも前記電力供給先のいずれかが個別に備える一以上の第一蓄電池と、
電力系統、前記分散型電源、及び前記複数の電力供給先の各々と電力の授受が可能に接続される分電装置と、
前記分電装置と前記電力系統との間で授受される電力の値を取得する第一電力値取得手段と、
前記分電装置と前記複数の電力供給先の各々との間で授受される電力の値を取得する第二電力値取得手段と、
前記分電装置と前記分散型電源との間で授受される電力の値を取得する第三電力値取得手段と、
前記分電装置と前記電力供給先の各々との電力の授受及び前記電力系統との電力の授受及び前記分散型電源との電力の授受、並びに前記分散型電源の発電及び/又は充放電に係る電力、を制御する電力制御手段と、
前記の各電力値取得手段によって取得される電力値に基づいて、前記複数の電力供給先の各々に請求する電気料金および前記第一蓄電池を備える前記電力供給先に対する還元料金を算出する料金管理手段と、
を備えること特徴とする、電力供給システムである。
ここで、「電力供給先」には、複合施設におけるいわゆる入居者の専有部の他、施設の共用部も含まれる。また、「分散型電源」としては、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーによる発電設備、燃料電池、蓄電池などを例示することができる。また、「電力の値を取得する」ことには、電力計を用いて直接的に電力を測定すること以外に、所定のデータに基づいて電力値を算出することも含まれる。例えば、システム内の他の箇所に設置された電力計から得た計量値に基づいて、所定箇所の電力値を算出することも、ここでいう電力値を取得することに該当する。
これによれば、入居者個人が専有部に蓄電池を設置する場合であっても、当該専有部に設置した蓄電池から分電装置を介して他の電力供給先(即ち、他の入居者の専有部や施設の共用部)へ電力を供給することが可能になる。そして、入居者が専有部に設置した蓄電池から他の電力供給先へ供給した電力量が計測されるとともに当該供給電力量に基づいて還元料金が算出されるため、蓄電池を個人設置した入居者は還元料金を収益として得ることが可能になる。一方、複合施設の所有者(一括受電事業者)にとっては、自らの負担に拠らずに、システムで管理する蓄電池の総容量を増やすことが可能になる。
なお、前記分散型電源には、前記施設の共用に供される発電設備及び第二蓄電池が含まれていてもよい。これによれば、例えば太陽光発電などで発電した電力を低廉な価格で各入居者へ供給するとともに、電力需要以上の発電量がある場合に第二蓄電池に電力を充電しつつ、発電量以上の電力需要がある場合には、第二蓄電池からの電力を入居者へ供給するといったことが可能になる。
また、前記料金管理手段は、前記の各電力値取得手段によって取得される電力値と、予め設定される、前記電力系統から前記電力供給先に供給される電力の単価である第一電力単価と、前記発電設備から前記電力供給先に供給される電力の単価である第二電力単価と、前記第二蓄電池から前記電力供給先に供給される電力の単価である第三電力単価と、前記第一蓄電池を備える前記電力供給先から他の前記電力供給先に供給される電力の単価である第四電力単価と、に基づいて前記電気料金を算出するようにしてもよい。より具体的には、取得される電力値を所定期間積算した電力量と、前記の各電力単価を乗ずることで、前記電気料金を算出するようにしてもよい。
これによれば、前記電力系統から、前記電力供給先に供給される電力と、前記分散型電源から前記電力供給先に供給される電力と、前記第一蓄電池を備える前記電力供給先から
他の前記電力供給先に供給される電力と、の間で電力単価に差を持たせたうえで、一括受電事業者と入居者とがいずれもが損をせずに利益を享受することが可能な電気料金を算出することができる。なお、上記の第一から第四電力単価のいずれか又は全てが同一の価格であっても構わない。
また、前記第二電力単価は、前記第一電力単価よりも安価に設定されていてもよい。これによれば、蓄電池を個人所有する入居者は、より低廉な電力で蓄電池を充電するとともに、当該充電された電力を自らの専有部の負荷のために放電することで、電力系統から供給される電力を使用することに比べてコストを抑えることが可能になる。
また、前記料金管理手段は、予め設定される前記第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先に対して供給される電力の買取単価である第五電力単価と、前記還元料金算出の対象となる前記第一蓄電池を備える前記電力供給先から他の前記電力供給先に対して供給される電力量と、に基づいて前記還元料金を算出するようにしてもよい。また、前記第四電力単価は、前記第五電力単価以上、かつ前記第一電力単価以下、に設定されていてもよい。このようにすれば、当該蓄電池を所有する入居者と蓄電池を所有しない入居者と一括受電事業者のいずれもが損をせずに利益を享受することが可能な還元料金及び電気料金を算出することができる。
また、前記第二電力単価は、前記第五電力単価よりも安価に設定されていてもよい。これによれば、蓄電池を個人所有する入居者は、発電された低廉な電力で蓄電池を充電するとともに、当該充電に係る電力の買電単価よりも高価な単価で、他の電力供給先に電力を供給することができるため、その差額により利益を得ることができる。
また、前記料金管理手段は、前記複合施設において前記電気料金が課される全ての前記電力供給先へ供給された電力量の総和に対する、前記電気料金算出の対象となる前記電力供給先への供給電力量の比率、に基づいて求める料金算出用電力量を用いて、前記電力供給先それぞれの前記電気料金を算出してもよい。これによると、複合施設の共用部などに係る電力も各入居者の電力消費比率に基づき案分して入居者に課すことができる。
また、前記第一蓄電池については、それぞれ他の前記電力供給先への電力供給を停止すべき残容量の下限閾値である外部供給停止残量が予め設定されており、前記電力制御手段は、前記第一蓄電池の残容量が前記外部供給停止残量以下となった場合に、当該第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先への電力供給を停止する制御を行うものであってもよい。
これによれば、個人所有の蓄電池については、例えば、当該蓄電池の所有者が定める任意の残容量を確保しつつ余剰分については他の電力供給先に供給することで、これによる利益を得ることが可能になる。即ち、個人所有に係る蓄電池の電力はその所有者が自らの裁量で自由に確保して使用することができるため、個人所有の蓄電池を電力供給システムと連携させることで不利益を生じることがないようにできる。
また、前記第一蓄電池については、それぞれ所定期間内において他の前記電力供給先への供給を許容する電力量の上限閾値である外部供給制限電力量が、予め設定されており、前記電力制御手段は、所定期間内における前記第一蓄電池から他の電力供給先へ供給された電力量が前記外部供給制限電力量以下の場合に、当該第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先への電力供給を停止する制御を行うものであってもよい。
これによれば、個人所有の蓄電池については当該蓄電池の所有者が定める任意の量だけ、他の電力供給先に供給するような制御を行うことができる。即ち、個人所有に係る蓄電
池の電力はその所有者が自らの裁量で他の電力供給先に供給する電力量を自由に決定することができるため、個人所有の蓄電池を電力供給システムと連携させることで不利益を生じることがないようにできる。
また、前記第一蓄電池については、それぞれ他の前記電力供給先への電力供給を許容する時間帯である電力供給許可時間が予め設定されており、前記電力制御手段は、前記電力供給許可時間内に限り、当該第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先へ電力を供給する制御を行うものであってもよい。
これによれば、個人所有の蓄電池については当該蓄電池の所有者が定める任意の時間帯に限り、他の電力供給先に電力を供給するような制御を行うことができる。即ち、個人所有に係る蓄電池の電力はその所有者が自らの裁量で他の電力供給先に電力を供給する時間帯を決定することができるため、個人所有の蓄電池を電力供給システムと連携させることで不利益を生じることがないようにできる。
また、前記第二電力値取得手段には、前記第一蓄電池と授受される電力の値のみを取得する個別蓄電用電力値取得手段が含まれるようにしてもよい。このような電力値取得手段によれば、より精度よく第一蓄電池と授受される電力の量を計測することができる。
また、前記第一蓄電池および/または前記分散型電源には、電動自動車に搭載された蓄電池が含まれていてもよい。これによれば、いわゆるV2H(Vehicle to Home)を導入したシステムとすることができる。
また、本発明はコンピュータを上記の電力制御手段及び/又は料金管理手段として機能させるためのプログラム、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。
なお、上記構成及び処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、複数の電力供給先を含む複合施設に電力を供給する電力供給システムにおいて、入居者が専有部に設置した蓄電池を電力供給システムと連携させて有効活用することが可能な技術を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施例に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、実施例1に係る管理装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は、実施例1に係る蓄電池コントローラによる電力制御処理の一例を示す第1のフローチャートである。 図4は、実施例1に係る蓄電池コントローラによる電力制御処理の一例を示す第2のフローチャートである。 図5は、実施例1に係る電力供給システムによる1日の電力制御の一例を示す図である。 図6は、実施例1に係る蓄電池コントローラによる電力制御処理の一例を示す第3のフローチャートである。 図7は、実施例1の変形例に係る処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、実施例1の他の変形例に係る処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、実施例2に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。
<適用例>
以下、図面を参照して、本発明の適用例について説明する。図1は、本発明が適用可能な電力供給システム1のブロック図を示す。図1において、各ブロックを連結する実線は電力線を示しており、各ブロックを連結する破線は通信線(無線通信も含む)を示している。本適用例に係る電力供給システム1は、集合住宅1aに対して適用されることを前提としている。この場合、集合住宅1aは、複数の電力供給先を含む複合施設の一例である。また、太陽電池、風力発電機、いわゆるV2H(Vehicle to Home)に係る電源や蓄電池等の分散型電源を備えることを前提としている。
図1において、電力供給システム1は、電力系統3と電気的に繋がっている。そして、分散型電源による供給電力が、複数の電力供給先における消費電力より少なく、電力が不足する場合には、例えば電力系統3から買電することが可能となっている。また、分散型電源による供給電力が、複数の電力供給先における消費電力より多い場合には、余剰の電力を例えば電力系統3に余剰売電することが可能となっている。これらの電力系統3と授受される電力は、親スマートメータ4によって測定されるようになっている。電力系統3は、いわゆる小売電気事業者であってもよいし、一般電気事業者であってもよい。また、買電先の電力系統3と余剰売電先の電力系統3は異なる電気事業者であってもよいし、同一の電気事業者であってもよい。また、親スマートメータ4も、買電用のスマートメータと、余剰売電用のスマートメータが別個に設けられる構成となっていてもよい。
また、電力供給システム1は、集合住宅1aの外部において、集合住宅1a内のシステムと通信可能に構成された管理装置2を有している。本適用例では、集合住宅1a内のシステムと管理装置2とは、LTEルータ6を介した無線通信が可能となっている。この管理装置2は、より具体的には、電力供給システム1の運営主体である管理会社によってクラウド上に備えられたサーバ装置であってもよい。しかしながら、管理装置2は、電力供給システム1において、集合住宅1a内のシステムとの間で情報の授受が可能とされていればよく、有線通信で繋がっていてもよく、必ずしもクラウド上に備えられたものでなくともよい。なお、管理装置2には、後述するように集合住宅1aにおいて使用された電力から、電力供給先の各々に対して請求する電気料金と、還元すべき還元料金を算出する機能を有している。
また、電力供給システム1の複数の電力供給先としては、専有部120a、120b、120c・・・が想定されている。この専有部120a、120b、120c・・・は、例えば、集合住宅1aにおける各部屋(以下、入居者ともいう。)である。また、専有部120a、120b、120c・・・における負荷12a、12b、12c・・は、集合住宅1aの各部屋における電気製品等である。
なお、図1に示すように、専有部120aには蓄電池121a及び蓄電池パワコン122aが設けられている。このように、各入居者は独自に蓄電設備を自己の専有部内に設けることが可能となっている。
また、集合住宅1aには、専有部120a、120b、120c・・・の他に共用部13が存在する。この共用部13は、集合住宅1aにおける共用部分であり、共用部13の負荷としては、例えば廊下や玄関の照明13aや、停電時等に予め接続しておいた電気製品へ自動で電力を供給可能にする特定負荷分電盤13b等が考えられる。専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13には、各々スマートメータ11a、11b、
11c・・・、18が備えられており、専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13に供給される電力を測定可能となっている。
ここで、専有部120a、120b、120c・・・に対して設けられるスマートメータ11a、11b、11c・・・は、第一分電盤9から専有部120a、120b、120c・・・に供給される電力のみならず、専有部120a、120b、120c・・・から第一分電盤9に対して送電される電力も計測可能に構成されている。これにより、専有部120aの入居者のように、独自に設置した蓄電池121a(蓄電池パワコン122a)を電力供給システム1と連携させて用いることが可能となっている。
また、電力供給システム1には、分散型電源として、蓄電池14と太陽電池15が備えられている。蓄電池14には充放電電圧を昇降させる双方向のDC/DCコンバータ及び、蓄電池の充放電に係る電圧の直流/交流を変換するDC/ACコンバータを含む蓄電池パワコン16が接続されている。蓄電池パワコン16から出力される電力は、スマートメータ19aによって測定される。一方、太陽電池15には太陽電池15の発電電圧を調整するDC/DCコンバータ、山登り法によるMPPT制御を行うための制御回路、太陽電池15の出力電圧の直流/交流を変換するDC/ACコンバータを含む太陽電池パワコン17が接続されている。太陽電池パワコン17から出力される電力は、スマートメータ19aによって測定される。太陽電池パワコン17は、蓄電池パワコン16とも電気的に繋がれており、太陽電池15で発電した電力を直接、蓄電池14に充電することが可能となっている。なお、本実施例において、蓄電池14と太陽電池15とが一体化した分散型電源を使用しても構わない。
そして、管理装置2において、親スマートメータ4、スマートメータ11a、11b、11c・・・、18、19a、19bによって測定される電力量に基づいて、各入居者に請求する電気料金が算出される。さらに、本適用に係る電力供給システム1においては、蓄電池121aを備える専有部120aの入居者のように、自らの蓄電池を有する入居者が、当該蓄電池に充電した電力を他の専有部120b、120c・・・、又は共用部13に対して供給した場合には、スマートメータ11aによって当該供給分の電力量を測定することができる。このため、専有部120aの入居者(具体的には蓄電池121a)から電力が供給された場合に、当該入居者に対して還元する料金を算出することも可能となる。
このように、本適用例に係る電力供給システム1によれば、複数の電力供給先を含む複合施設に電力を供給する電力供給システムにおいて、入居者が専有部に設置した蓄電池を電力供給システムと連携させて有効活用することが可能となる。
<実施例1>
以下では、図面を参照して、本発明の実施例についてより詳細に説明する。
図1に示す電力供給システム1において、蓄電池パワコン16と太陽電池パワコン17とは、分散型電源用の第二分電盤10に接続されている。そして、第二分電盤10は各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13に電力を分電する第一分電盤9に接続されている。第一分電盤9は、親スマートメータ4を介して電力系統3と接続されている。また、第一分電盤9は、スマートメータ11a、11b、11c・・・、18を介して、各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13(のコンセント)に接続されている。ここで、第一分電盤9及び第二分電盤10は、本実施例において分電装置を構成する。親スマートメータ4は本実施例において第一電力値取得手段に相当する。スマートメータ11a、11b、11c・・・、18は本実施例において第二電力値取得手段に相当する。スマートメータ19a、19bは本実施例において第三電力値取得手
段に相当する。
これにより、太陽電池15で発電された電力及び、蓄電池14から放電された電力は、各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13に供給可能となっている。また、専有部120aの蓄電池121aから放電された電力は、後述する設定に応じて、他の専有部120b、120c・・・及び共用部13に供給可能となっている。
その際、各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13における負荷による消費電力が、蓄電池14、太陽電池15の分散型電源による供給電力、及び設定に応じて蓄電池121aから放電される電力より多い場合には、電力系統3から買電されることで不足分が補充される。また、各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13における負荷による消費電力(蓄電池121aへの充電も含む)が、太陽電池15による発電電力より少ない場合には、蓄電池14への充電容量を超える余剰分を電力系統3へ余剰売電することが可能になっている。
スマートメータ11a、11b、11c・・・、18、によって測定された専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13の入出力電力、並びにスマートメータ19aで測定された蓄電池パワコン16の入出力電力、スマートメータ19bで測定された太陽電池パワコン17から第二分電盤10への出力電力の情報は、ゲートウェイ8c、ハブ7を介して蓄電池コントローラ5に提供される。ここで、蓄電池コントローラ5は本実施例において電力制御手段に相当する。また、親スマートメータ4で測定された電力系統3からの買電量、電力系統3への余剰売電量も蓄電池コントローラ5に提供される。また、太陽電池パワコン17におけるMPPT制御の状態、太陽電池15の端末電流値、電圧値等の情報、蓄電池14、蓄電池121aにおける蓄電量等の情報も、ゲートウェイ8a、8b、8d及び、ハブ7を介して蓄電池コントローラ5に提供される。
蓄電池コントローラ5では、各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13における消費電力、太陽電池15における発電量、蓄電池14及び蓄電池121aにおける蓄電量、一括受電事業者(以下、オーナーともいう)による電力マネジメントの方針、電力取引市場価格等に基づいて、蓄電池パワコン16及び蓄電池パワコン122aの入出力電力、電力系統3からの買電量、電力系統3への余剰売電量等を制御する。
同様に、スマートメータ11a、11b、11c・・・、18、によって測定された専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13の入出力電力、並びにスマートメータ19aで測定された蓄電池パワコン16の入出力電力、スマートメータ19bで測定された太陽電池パワコン17から第二分電盤10への出力電力の情報は、ゲートウェイ8c、ハブ7、LTEルータ6を介して管理装置2にも提供される。同様に、親スマートメータ4で測定された電力系統3からの買電量、電力系統3への余剰売電量も管理装置2にも提供される。さらに、太陽電池パワコン17におけるMPPT制御の状態、太陽電池15の端末電流値、電圧値等の情報、蓄電池14、蓄電池121aにおける蓄電量等の情報も、ゲートウェイ8a、8b、8d及び、ハブ7、LTEルータ6を介して管理装置2に提供される。なお、実施例において、電力系統3からの買電量、電力系統3への余剰売電量の情報は、スマートメータから管理装置2に提供されるのではなく、電力事業者からの請求情報より取得されるようにしてもよい。
(管理装置と料金計算について)
図2には、管理装置2の機能の一部を示すブロック図を示す。図2に示すように、管理装置2内は、専有部120a、120b、120c・・・及び、共用部13における消費電力の情報から、専有部120a、120b、120c・・・の入居者に課する電気料金を算出する電気料金算出部201を有する。また、蓄電池121aを備える専有部120
aの入居者のように、自らの所有に係る蓄電池から他の専有部、共用部に電力を供給した入居者に対して還元する還元料金を算出する還元料金算出部202を有する。さらに、電力系統3からの買電量に基づいて、電力系統3に係る電気事業者に支払う買電料金を算出し、あるいは電気事業者からの買電料金の請求額を記憶する買電料金算出部203を有するようにしてもよい。なお、管理装置2のハード構成は一般的なサーバ装置と同一であることから、ここでは説明は省略する。
電気料金算出部201は、一括受電事業者が各専有部の入居者に対して請求する電気料金を算出するが、この際には各入居者に対して供給した電力の調達先毎に設定される単価(円/kWh)と、それぞれの電力調達先から供給された電力量に基づいて、電気料金が算出される。電力の単価について、具体的には、電力系統3から調達されて各電力供給先に供給される電力の単価である第一電力単価と、太陽電池15から供給される電力の単価である第二電力単価と、蓄電池14から供給される電力の単価である第三電力単価と、蓄電池121aから供給される電力の単価である第四電力単価、が設定される。そして、スマートメータによって計測された、調達先毎の電力の授受の量と、上述の単価を乗じて、各入居者に請求される電気料金が決定される。なお、第一電力単価は、電力系統3からの調達価格と同一の単価としてもよいが、これに施設の管理コストを上乗せした価格としてもよい。
また、還元料金算出部は、一括受電事業者が入居者の所有に係る蓄電池から電力の供給を受けた場合には、当該蓄電池の所有者たる入居者へ還元すべき料金を算出する。この際には、予め設定される個人所有の蓄電池からの買取単価(入居者からみると売電単価)である第五電力単価と、供給された電力量とを乗じて、各入居者に対して還元されるべき還元料金が決定される。
そして、各入居者への電気料金の請求分については、還元料金分を相殺したうえで、請求するようにしてもよい。例えば、専有部120aの入居者に請求される電気料金は、次のような計算式(1)により算出される。
電気料金=(第一電力単価×電力系統3からの供給電力分)+(第二電力単価×太陽電池15からの供給電力分)+(第三電力単価×蓄電池14からの供給電力分)+(第四電力単価×他の専有部の蓄電池から供給された電力分)-(第五電力単価×蓄電池121aから供給した電力分)・・・(1)
なお、上記の各電力単価は、一括受電事業者により自由に定められるが、以下のような単価設定をすることが考えられる。例えば、太陽光発電に係る第二電力単価は、電力系統3から調達する電力の入居者への供給単価である第一電力単価、及び、入居者所有の蓄電池121aからの買取単価である第五電力単価よりも安価に設定しておくとよい。
このようにすれば、例えば、蓄電池121aを設置する入居者が、太陽電池15から調達した電力を蓄電池121aに充電し、夜間に放電して消費することで、支払う電気料金を削減することができる。さらに、蓄電池121aを設置する入居者は、太陽電池15から調達した電力を蓄電池121aに充電し、当該蓄電池121aの電力を他の入居者や共用部へ、充電時よりも高い単価で売電できるので、差額で利益を得ることができる。
さらに、入居者所有の蓄電池121aから他の電力供給先へ供給される電力の単価である第四電力単価は、第五電力単価以上、かつ第一電力単価以下、に設定しておくとよい。このようにしておくことで、一括受電事業者と、専有部120b、120cの居住者のように蓄電池を所有しない入居者が、蓄電池121aから電力を調達することで損をしないようにできる。
また、第二電力単価は、入居者が従前、電気事業者に支払っていた一般電気料金の単価より低い額としてもよい。このことで、全ての入居者は従来、電気事業者の一般電気料金の単価に基づく電気料金を電気事業者に支払っていたところ、分散型電源による電力供給に基づき、より低廉な電気料金を支払えば済むというメリットを享受できる。
また、各専有部120a、120b、120c・・・の電気料金の算出の根拠となる供給電力量については、各専有部において消費された正味の電力量ではなく、共用部13へ供給された電力量を含めた料金算出用電力量が用いられる。料金算出用電力量は、例えば、電気料金が課される各専有部120a、120b、120c・・・において消費された電力量の総和に対する、個々の専有部における消費電力の比率を、集合住宅1aの各専有部120a、120b、120c・・・及び共用部13において消費された電力量の総和に乗ずることで求めればよい。なお、深夜間に電力系統3から比較的安価な電力の供給をうけて、蓄電池14への充電を行うのであれば、当該蓄電池14の充電時に供給された電力量も前記共用部13の電力量に上乗せして、料金算出用電力量を求めてもよい。
(システムの電力制御)
なお、本実施例においては、できる限り太陽電池15の発電電力で集合住宅1aの電力消費を賄い、電力系統3から調達する電力量を減少させることで電気料金を低廉にすることがオーナー及び需要者にとって望ましい。この為に、太陽電池15の発電電力が余剰となる場合には、可能な限り蓄電池14に充電し、可能な限り蓄電池14の充電率を高めることが考えられる。これにより、電力系統3への余剰売電を低減するとともに、分散型電源からの電力供給の不足が生じることを抑制し、停電時における電源の確保に寄与することができる。本実施例における蓄電池コントローラ5はそのような方針の下で、集合住宅1aの電力制御を行う。
図3及び図4は、本実施例における電力供給システム1を用いた蓄電池に係る電力制御処理の一例を示すフローチャートである。以下、図3及び図4を用いて処理の流れについて説明する。まず、図3に示すように、蓄電池コントローラ5は、太陽電池15による発電電力(以下PPVとする)が、集合住宅1a全体の使用電力(以下、Pとする)よりも大きいか否かを判断する(S101)。
ここで、PPV>Pと判断すれば、さらに、蓄電池14の残容量(以下、CCRとする)が蓄電池14の満充電容量(以下、CCFとする)未満か否かを判断する(S102)。ここで、CCR<CCFと判断すれば、太陽電池15から太陽電池パワコン17及び蓄電池パワコン16を介して蓄電池14へ電力を供給し、蓄電池14の充電が行われる(S103)。さらに、蓄電池コントローラ5は、PPVからPを減じた値が、蓄電池14の最大充電電力値(以下、PCCとする)未満か否かを判断する(S104)。
ここで、PPV-P<PCCであると判断すると(例えば、PPV=10kw、P=8kw、PCC=4kwのような場合)、蓄電池コントローラ5は専有部120a、120b、120c・・・における全ての蓄電池への充電を停止し(S105)、一連のフローを一旦終了する。
一方、ステップS102において、CCR<CCFではないと判断した場合には、太陽電池15から蓄電池14への電力供給、即ち蓄電池14の充電を停止し(ステップS106)、ループL1の処理へと進む。また、ステップS104において、PPV-P<PCCではないと判断した場合(例えば、PPV=20kw、P=10kw、PCC=4kwのような場合)にも、ループL1の処理へと進む。
ループL1では、全ての専有部の蓄電池に対して、ステップS107以降の処理が繰り
返し実行される。ステップS107では、専有部に設置されている蓄電池(例えば120aにおける121a)の残容量(以下、CnRとする)、が、満充電容量(以下、CnFとする)未満か否かが判断する(S107)。ここで、CnR<CnFであると判断すれば、太陽電池15から太陽電池パワコン17、分電装置、各専有部の蓄電池パワコン(例えば122a)を介して専有部の蓄電池(例えば121a)に電力が供給され、専有部の蓄電池の充電が行われる(S108)。一方、ステップS107で、CnR<CnFではないと判断すれば、各専有部への充電を停止する(S109)。そして、全ての専有部の蓄電池に対してループL1の処理が実行されると、一連のフローが一旦終了する。
引き続き、図4に基づいて、ステップS101においてPPV>Pではないと判断された場合のフローについて説明する。蓄電池コントローラ5は、ステップS101でPPV>Pではないと判断した場合には、CCRが、蓄電池14の所定のパラメータである停電時用残容量(以下、CCEとする)より大きいか否かを判断する(S111)。ここで、CCR>CCEであると判断すれば、蓄電池14に充電されていた電力を放電して、各電力供給先に供給する(S112)。さらに蓄電池コントローラ5は、PPVからPを減じた値が蓄電池14の最大放電電力値(以下、PCDとする)未満か否かを判断する(S113)。ここで、PPV-P<PCDであると判断した場合には、蓄電池コントローラ5は専有部120a、120b、120c・・・における全ての蓄電池の放電を停止し(S114)、一連のフローを一旦終了する。
一方、ステップS111において、CCR>CCEではないと判断した場合には、蓄電池14からの放電を停止し(S115)、ループL2の処理へと進む。また、ステップS113において、PPV-P<PCDではないと判断した場合にもループL2の処理へと進む。
ループL2では、全ての専有部の蓄電池に対して、ステップS116以降の処理が繰り返し実行される。ステップS116では、蓄電池コントローラ5は、CnRが専有部の蓄電池それぞれに対して予め設定されるパラメータである外部供給停止残量(以下、CnORとする)より大きいか否かを判断する(S116)。なお、CnORは、他の専有部及び共用部への電力供給を停止すべき残容量の下限閾値である。CnORは例えば蓄電池パワコンなどを介して、蓄電池の所有者が自由に設定可能となっていてもよく、季節要因(例えば、夏季には夜間のエアコン用電力として大きめに設定しておくなど)、当日のスケジュール(夜間不在予定の日は、小さめに設定しておくなど)に応じて、蓄電池の電量を効率的に利用できるような値を設定するとよい。
ステップS116で、CnR>CnORであると判断すると、蓄電池コントローラ5は各専有部の蓄電池パワコン(例えば122a)を介して専有部の蓄電池(例えば121a)の電力を放電し、第一分電盤9を介して、他の専有部及び共用部13に対して電力の供給を行う(S117)。
一方、ステップ116でCnR>CnORではないと判断した場合には、CnRが、専有部の蓄電池それぞれに対して予め設定されるパラメータである停電時用残容量(以下、CnEとする)より大きいか否かを判断する(ステップS118)。ここで、CnR>CnEであると判断した場合には、蓄電池コントローラ5は、蓄電池の放電を行うものの、他の専有部及び共用部13に対する電力供給については停止する(S119)。一方、ステップS118でCnR>CnEではないと判断した場合には、専有部の蓄電池の放電を停止する(S120)。そして、全ての専有部の蓄電池に対してループL2の処理が実行されると、一連のフローが一旦終了する。
蓄電池コントローラ5は上述のようなフローを随時繰り返し実行することによって、電
力供給システム1における電力制御を行う。図5に、このような電力制御についての、仮定の1日の制御例を示す。図5に示すように、蓄電池コントローラ5は太陽電池15において発電された電力PPVを、施設全体の消費電力に優先的に充当し、余剰が生じれば、共用部蓄電池の充電、専有部蓄電池の充電、電力系統3への売電、の順に充当する。そして、太陽電池15の発電量が施設全体の消費電力に満たなければ、共用部蓄電池の放電、専有部蓄電池の放電、電力系統3からの買電、の順で電力を調達する。これにより、電力系統3から調達する電力量をできる限り減少させ、全体として電気料金を低廉にすることを可能にしている。
(停電時の制御)
なお、上記の制御例は、電力系統3と電力供給システム1が連系している通常時の例であったが、停電時における制御処理の一例を図6に示す。図6に示すように、蓄電池コントローラ5が行う処理は通常時の場合とほぼ同じであり、ステップS211及び、ループL3内におけるステップS218で、CcR及びCnRが、(停電時用の残容量ではなく)0よりも大きい値か否かを判断するという点において異なっている。即ち、蓄電池コントローラ5は、停電時においては蓄電池に残容量がある限りは蓄電池の電力を放電する制御を行う。なお、蓄電池に停電時用残容量をパラメータとして設定せずに、通常時の制御であっても、蓄電池の残容量がある限りは放電を続ける、というような制御を行うことも可能である。
(変形例1)
また、上記実施例1では、ステップS116において他の専有部及び共用部への電力供給を停止すべきか否かを、外部供給停止残量(CnOR)に基づいて判定していたが、他の指標を用いてこのような判断を行ってもよい。具体的には、例えば、所定期間内における他の専有部及び共用部への電力供給を許容する電力量の上限閾値である外部供給制限電力量(以下、CnOLとする)を指標としてもよい。図7に、このような指標により、他の専有部及び共用部への電力供給を停止すべきか否かを判断する場合の処理の例を示す。図7では実施例1と同じ処理については、実施例1と同じ符号を用いている。図7に示すように、蓄電池コントローラ5が行う処理は実施例1の場合とほぼ同じであり、ループL4内におけるステップS316が異なっている。ステップS316では、専有部の蓄電池が所定時間内(例えば、00:00~24:00の24時間内)で他の専有部及び共用部に供給した電力量(以下、CnOとする)がCnOLより少ないか否かを判断する。そして、CnO<CnOLであると判断した場合には、ステップS117に進み、CnO<CnOLでないと判断した場合にはステップS118に進むようにすればよい。
(変形例2)
また、他の専有部及び共用部への電力供給を停止すべきか否かを判断する場合の指標として、さらに他の例を示す。具体的には、他の専有部及び共用部への電力供給を許容する時間帯である電力供給許可時間内か否かで判断することができる。図8に、このような指標により、他の専有部及び共用部への電力供給を停止すべきか否かを判断する場合の処理の例を示す。図8では実施例1と同じ処理については、実施例1と同じ符号を用いている。図8に示すように、蓄電池コントローラ5が行う処理は実施例1の場合とほぼ同じであり、ループL5内におけるステップS416が異なっている。ステップS416では、現在時刻(以下、Tとする)が、外部供給開始時間(以下、TnSとする)以後、外部供給終了時間(以下、TnEとする)以前であるか否かを判断する。そして、nS≦T≦TnEだと判断した場合には、ステップS117に進み、nS≦T≦TnEでないと判断した場合には、ステップS118に進むようにすればよい。
以上のように、複合施設の消費電力が分散型電源の電力供給量を上回っている場合に、専有部の蓄電池から、他の専有部及び共用部への電力供給をするか否かを、様々な指標により決定できるようにしておくことで、蓄電池を備える入居者のニーズに応じた柔軟な電
力制御を行うことができる。また、例示した各指標はそれぞれ単独で用いるのみならず、組み合わせて用いることも可能であり、いずれか2つ或いは全ての条件を満たした場合に、外部への電力供給を行うようにしてもよい。
<実施例2>
上記の実施例1の電力供給システム1では、専有部に設けられた蓄電池との連携が可能な構成となっていたが、専有部に設けられた蓄電池に代えて、又はそれに加えて、電動自動車に搭載された蓄電池を含む構成としてもよい。即ち、V2Hを備えた電力供給システムとすることができる。以下で、このような電力供給システム900について説明する。
図9は、本実施例に係る電力供給システム900の概略構成を示すブロック図である。図9において、各ブロックを連結する実線は電力線を示しており、矢印の方向は電力が送電される向きを表している。本実施例に係る電力供給システム900は、集合住宅901に対して適用されることを前提としている。実施例1と同様に、集合住宅901は、電力系統960と電気的に繋がっている。そして、太陽電池940及び蓄電池930(以下、まとめて分散型電源という)による供給電力が、複数の電力供給先における消費電力より少なく、電力が不足する場合には、電力系統960から買電することが可能となっている。また、分散型電源による供給電力が、複数の電力供給先における消費電力より多い場合には、余剰の電力を電力系統960に余剰売電することが可能となっている。なお、電力系統960と集合住宅901との間で授受される電力は、スマートメータ951で測定される。
電力供給システム900の複数の電力供給先としては、専有部910a、910b、・・・910n・・・910xが想定されている。これらは、例えば、集合住宅901における各部屋(以下、入居者ともいう。)である。また、専有部910a、910b、・・・910n・・・910xにおける負荷911a、911b、・・・911n・・・911xは、集合住宅901の各部屋における電気製品等である。また、電力供給先には共用部920の負荷(図示せず)も含まれる。
そして、これら複数の電力供給先、分散型電源及び電力系統960において授受される電力は、分電装置950に送電されて、ここで適宜分散のうえ配電される。このようにして配電される電力及び分電装置950に送電される電力は、スマートメータ915a、915b・・・915n・・・915x、921、931、941によって測定される。
なお、図9には示されていないが、本実施例に係る電力供給システム900においても、各スマートメータによって測定された電力の情報は、ゲートウェイ、ハブを介して蓄電池コントローラに送られる。また、同様の情報は料金算出手段を含む管理装置(図示せず)に提供される。
本実施例に係る電力供給システム900では、図9に示すように、専有部910aが蓄電池912aを、専有部910bが蓄電池912bを備えているが、これを備えない専有部(例えば、専有部910n、専有部910x)も存在する。さらに、専有部910aは電気自動車(Electric Vehicle:EV)913a、及び充放電器(EVパワコン)914aを備えている。同様に専有部910nもEV913n及び充放電器914nを備えている。EV913a及びEV913nは、各々蓄電池を備えており、EV913aは充放電器914aを介して専有部910aとの電力の授受が可能に構成されている。
なお、分電装置950とEV913aとの電力の授受については、蓄電池912aとの電力の授受と同様に処理するとよい。例えば、電力制御及び電気料金・還元料金の算出に
ついては、EV913aに搭載された蓄電池の容量の分だけ専有部910aに設置された蓄電池912aの容量が増加したものとして処理することも可能である。また、EV913a独自の停電(+走行用)残容量、外部供給停止残量を設定可能に構成してもよい。
以上のような電力供給システム900によれば、本発明をいわゆるV2Hと組み合わせた電力供給システムに適用することが可能になる。
<その他>
上記各例は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明はその技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記の実施例においては、複数の電力供給先を有する複合施設として、集合住宅1aを例示したが、本発明の対象となる複合施設は集合住宅には限られない。例えば、共同オフィス、工業団地等も対象となる。また、上記の実施例においては分散型電源の例として、太陽電池を例示したが、本発明の対象となる分散型電源は太陽電池に限られない、風力発電装置、地熱発電装置、バイオマス発電装置等の他の電源装置も含まれる。
また、上記各例では、1つの専有部につき一のスマートメータを設置していたが、これ以外の構成とすることも可能である。例えば、1つの専有部につき、当該専有部の負荷の消費電力を測定するスマートメータと、当該専有部の蓄電池との電力の授受を測定するスマートメータを設けるような構成としてもよい。これであれば、蓄電池との電力の授受をより精度よく測定することが可能になる。また、電力系統との電力の授受を測定する親スマートメータについても、買電用と余剰売電用を別途設ける構成としてもよい。
また、逆に一部のスマートメータを省略するような構成とすることも可能である。具体的には、例えば上記実施例1のスマートメータ19aを省略する構成としたうえで、蓄電
池パワコン16と第二分電盤10とで授受される電力の値については、その他の各スマートメータから取得される電力値に基づいて算出することで求めてもよい。また、スマートメータはパワコンに内蔵される構成であってもよい。これらのような構成により、スマートメータを省略してシステムのコストを低減させることが可能になる。
また、上記実施例2に係る電力供給システムにおいて、電気自動車(の蓄電池)は、各専有部の蓄電池と並列に設置されていたが、これを共用部の蓄電池と並列に設けることも可能である。この場合、電気料金については、例えば、契約によって特定の専有部の入居者と特定の充放電器を紐づけて、当該特定の充放電器との電力の授受に基づいて、電気料金・還元料金の算出を行うようにしてもよい。また、EVの蓄電池の充放電の制御は、専有部の蓄電池と同様に処理するのであっても良いし、共用部の蓄電池と同様に処理するのでもよい。
また、上記実施例2においては電気自動車を例に説明を行ったが、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)などの他の電動自動車を組み合わせた電力供給システムとすることも可能である。
<付記>
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
(発明1)
複数の電力供給先(120a、120b、120c・・・)を有する複合施設の電力供給システム(1)であって、
前記複数の電力供給先に電力を供給可能な分散型電源(14、15)と、
少なくとも前記電力供給先のいずれかが個別に備える一以上の第一蓄電池(121a)
と、
電力系統(3)、前記分散型電源、及び前記複数の電力供給先の各々と電力の授受が可能に接続される分電装置(9)と、
前記分電装置と前記電力系統との間で授受される電力の値を取得する第一電力値取得手段(4)と、
前記分電装置と前記複数の電力供給先の各々との間で授受される電力の値を取得する第二電力値取得手段(11a、11b、11c・・・)と、
前記分電装置と前記分散型電源との間で授受される電力の値を取得する第三電力値取得手段(19a、19b)と、
前記分電装置と前記電力供給先の各々との電力の授受及び前記電力系統との電力の授受及び前記分散型電源との電力の授受、並びに前記分散型電源の発電及び/又は充放電に係る電力、を制御する電力制御手段(5)と、
前記の各電力値取得手段によって取得される電力値に基づいて、前記複数の電力供給先の各々に請求する電気料金および前記第一蓄電池を備える前記電力供給先に対する還元料金を算出する料金管理手段(2)とを備えること特徴とする、電力供給システム。
1、900・・・電力供給システム
1a、901・・・集合住宅
2・・・管理装置
3、960・・・電力系統
4・・・親スマートメータ
5・・・蓄電池コントローラ
6・・・LTEルータ
7・・・ハブ
8a、8b、8c、8d・・・ゲートウェイ
9・・・第一分電盤
10・・・第二分電盤
11a、11b、11c、18、19a、19b、915a、915b、915n、915x、921,931、941、951・・・スマートメータ
120a、120b、120c、910a、910b、910n、910x・・・専有部
121a、912a、912b・・・専有部蓄電池
12a、12b、12c、911a、911b、911n、911x・・・専有部負荷
13・・・共用部
14、930・・・蓄電池
15、940・・・太陽電池
16・・・蓄電池パワコン
17・・・太陽電池パワコン
913a、913n・・・電気自動車
914a、914n・・・充放電器

Claims (15)

  1. 複数の電力供給先を有する複合施設の電力供給システムであって、
    前記複数の電力供給先に電力を供給可能な分散型電源と、
    少なくとも前記電力供給先のいずれかが個別に備える一以上の第一蓄電池と、
    電力系統、前記分散型電源、及び前記複数の電力供給先の各々と電力の授受が可能に接続される分電装置と、
    前記分電装置と前記電力系統との間で授受される電力の値を取得する第一電力値取得手段と、
    前記分電装置と前記複数の電力供給先の各々との間で授受される電力の値を取得する第二電力値取得手段と、
    前記分電装置と前記分散型電源との間で授受される電力の値を取得する第三電力値取得手段と、
    前記分電装置と前記電力供給先の各々との電力の授受及び前記電力系統との電力の授受及び前記分散型電源との電力の授受、並びに前記分散型電源の発電及び/又は充放電に係る電力、を制御する電力制御手段と、
    前記の各電力値取得手段によって取得される電力値に基づいて、前記複数の電力供給先の各々に請求する電気料金および前記第一蓄電池を備える前記電力供給先に対する還元料金を算出する料金管理手段と、
    を備えることを特徴とする、電力供給システム。
  2. 前記分散型電源には、前記施設の共用に供される発電設備及び第二蓄電池が含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 前記料金管理手段は、
    前記の各電力値取得手段によって取得される電力値と、
    予め設定される、前記電力系統から前記電力供給先に供給される電力の単価である第一電力単価と、前記発電設備から前記電力供給先に供給される電力の単価である第二電力単価と、前記第二蓄電池から前記電力供給先に供給される電力の単価である第三電力単価と、前記第一蓄電池を備える前記電力供給先から他の前記電力供給先に供給される電力の単価である第四電力単価と、に基づいて前記電気料金を算出することを特徴とする、請求項2に記載の電力供給システム。
  4. 前記第二電力単価は、前記第一電力単価よりも安価に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の電力供給システム。
  5. 前記料金管理手段は、
    予め設定される、前記第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先に対して供給される電力の買取単価である第五電力単価と、前記還元料金算出の対象となる前記第一蓄電池を備える前記電力供給先から他の前記電力供給先に対して供給される電力量と、に基づいて前記還元料金を算出することを特徴とする、請求項3又は4に記載の電力供給システム。
  6. 前記第四電力単価は、前記第五電力単価以上、かつ前記第一電力単価以下、に設定されていることを特徴とする、請求項5に記載の電力供給システム。
  7. 前記第二電力単価は、前記第五電力単価よりも安価に設定されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の電力供給システム。
  8. 前記料金管理手段は、前記複合施設において前記電気料金が課される全ての前記電力供
    給先へ供給された電力量の総和に対する、前記電気料金算出の対象となる前記電力供給先への供給電力量の比率、に基づいて求める料金算出用電力量を用いて、前記電力供給先それぞれの前記電気料金を算出することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力供給システム。
  9. 前記第一蓄電池については、それぞれ他の前記電力供給先への電力供給を停止すべき残容量の下限閾値である外部供給停止残量が予め設定されており、
    前記電力制御手段は、前記第一蓄電池の残容量が前記外部供給停止残量以下となった場合に、当該第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先への電力供給を停止する制御を行うことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の電力供給システム。
  10. 前記第一蓄電池については、それぞれ所定期間内において他の前記電力供給先への供給を許容する電力量の上限閾値である外部供給制限電力量が、予め設定されており、
    前記電力制御手段は、所定期間内における前記第一蓄電池から他の電力供給先へ供給された電力量が前記外部供給制限電力量以上である場合に、当該第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先への電力供給を停止する制御を行うことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電力供給システム。
  11. 前記第一蓄電池については、それぞれ他の前記電力供給先への電力供給を許容する時間帯である電力供給許可時間が予め設定されており、
    前記電力制御手段は、前記電力供給許可時間内に限り、当該第一蓄電池を備える電力供給先から他の前記電力供給先へ電力を供給する制御を行うことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の電力供給システム。
  12. 前記第二電力値取得手段には、前記第一蓄電池と授受される電力の値のみを取得する個別蓄電用電力値取得手段が含まれる、ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の電力供給システム。
  13. 前記第一蓄電池および/または前記分散型電源には、電動自動車に搭載された蓄電池が含まれる、ことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の電力供給システム。
  14. コンピュータを請求項1から13のいずれか一項に記載の電力供給システムにおける電力制御手段として機能させるためのプログラム。
  15. コンピュータを請求項1から13のいずれか一項に記載の電力供給システムにおける料金管理手段として機能させるためのプログラム。
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