JP2022124970A - パウチ - Google Patents

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和弘 多久島
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【課題】 取り出し口を折り曲げ易いパウチを提供する。【解決手段】 おもて面フィルム1と裏面フィルム2の間に収容部11を有するパウチであって、第1縁部4と、第1縁部4と対向する第2縁部5と、第1縁部4と第2縁部5の間に延びる2つの側縁部と、各側縁部に沿って延びる側縁部シール部と、側縁部の少なくともいずれか一方から、側縁部と交差する方向に突出する取出口部30と、を有し、取出口部30は、収容部11に連続する取出口空間32を囲む取出口シール部31と、取出口シール部31に設けられ、側縁部シール部の延伸方向に沿って延びる貫通部(ミシン目33)と、を有し、貫通部が、側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にある。【選択図】 図1

Description

本発明は、開封した後の再封が可能なパウチに関する。
従来、内容物を取り出した後、再封が可能なパウチが用いられている。再封には、チャックやジッパーとも呼ばれる咬合具を用いることが多い。一般的なチャック付きパウチは、袋の上部にチャックテープが配置され、使用時はチャックを開封して内容物を取り出し、再びチャックを閉じることで保存容器として扱われる(特許文献1参照)。チャックテープ部から内容物を取り出すメリットは、取り出し方法の自由度の高さや、袋の開口が大きいことにある。袋を傾けて開口部から豪快に取り出す、袋に手指を入れて内容物を直接掴む、スプーンなどの器具を入れて内容物を取り出すなど、使用者側の自由度が高い。
特開2020-142820号公報
しかしながら、従来のチャック付きパウチでは、チャック部分に内容物が引っ掛かる等、内容物を取り出しにくい場合がある。また、チャックは概ね袋の上部に設けられていることが多いため、内容物からの距離が遠く、取り出し難い場合がある。さらに、チャック部から固形物を取り出す場合は、内容物を指で摘まむなどして触れる機会もある。そこで、内容物に触れることなく取り出すために、パウチの側部の内容物に近い部位に取出し口を設けることが考えられる。しかし、このような取出し口を用いた場合、簡易に再封することが難しいという問題がある。
そこで、本発明は、取り出し口を折り曲げ易いパウチを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
おもて面フィルムと裏面フィルムの間に収容部を有するパウチであって、
第1縁部と、
前記第1縁部と対向する第2縁部と、
前記第1縁部と前記第2縁部の間に延びる2つの側縁部と、
各前記側縁部に沿って延びる側縁部シール部と、
前記側縁部の少なくともいずれか一方から、前記側縁部と交差する方向に突出する取出口部と、を有し、
前記取出口部は、前記収容部に連続する取出口空間を囲む取出口シール部と、前記取出口シール部に設けられ、前記側縁部シール部の延伸方向に沿って延びる貫通部と、を有し、
前記貫通部が、前記側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にある、パウチを提供する。
また、本発明のパウチは、
前記貫通部を切込み部とし、前記切込み部と連結部が繰り返し配置されたミシン目を有し、前記ミシン目は、前記側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にあってもよい。
また、本発明のパウチの、
前記貫通部は、前記取出口シール部の端部から前記取出口部の中央に向かって延びる切込みであってもよい。
また、本発明のパウチの、
前記貫通部は、前記側縁部に沿って延び、前記取出口シール部の端部に達しない切込みであってもよい。
また、本発明のパウチの、
前記取出口シール部は、前記側縁部シール部の延伸方向と交差する方向に延びる取出口シール部第1部分、取出口シール部第2部分を有し、
前記貫通部は、前記取出口シール部第1部分、前記取出口シール部第2部分にそれぞれ形成されていてもよい。
また、本発明のパウチの、
前記取出口部は、前記取出口シール部に連接し、前記側縁部シール部の延伸方向に沿って延びる突出シール部と、を有し、
前記突出シール部の内縁が、前記側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にあってもよい。
また、本発明のパウチの、
前記取出口シール部は、前記側縁部シール部の延伸方向と交差する方向に延びる取出口シール部第1部分、取出口シール部第2部分を有し、
前記突出シール部は、前記取出口シール部第1部分、前記取出口シール部第2部分にそれぞれ連接されていてもよい。
本発明によれば、取り出し口を折り曲げ易いパウチを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図である。 取出し口を含む部分の部分平面図である。 図1に示すA-A線に対応する断面図である。 内容物を充填し、封止した後のパウチの正面図である。 開封予定線39に沿って、取出口シール部第3部分31c側を切り取った状態を示す図である。 折り曲げ線Sにおいて取出口部30全体を収容部11側に折り曲げた状態を示す図である。 取出口部の変形例を示す部分平面図である。 取出口部の変形例を示す部分平面図である。 取出口部の変形例を示す部分平面図である。 取出口部の変形例を示す部分平面図である。 比較例における取出口部を示す部分平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<パウチの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図である。図2は、取出し口を含む部分の部分平面図である。図1に示した本実施形態のパウチは、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)のパウチを示したものである。図1に示すように、本実施形態のパウチは、平面視において長方形状の本体部10と横向き台形状の取出口部30が一体に連接された形状である。本実施形態のパウチは、本体部10において、互いに対向する第1縁部4と第2縁部5と、第1縁部4と第2縁部5の間に延びる第1側縁部6と第2側縁部7と、を含む。
本明細書において、長方形とは、四隅が直角の長方形だけでなく、長方形の四隅が面取りされて、外に凸の円弧状となったもの等、略長方形と考えられるものも含む概念である。また、台形についても、四隅が面取りされて、外に凸の円弧状となったもの等、略台形と考えられるものも含む概念である。また、本明細書において、パウチは、内容物が充填されていない状態のパウチに限らず、内容物が充填されている状態のパウチも含む概念である。また、本実施形態のパウチは、第2縁部5側に、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bを備えた底部ガセット部9を有している。底部ガセット部9を備えているため、第1縁部4側を上方、第2縁部5側を下方として載置することによりパウチを自立させることができる。
本実施形態のパウチは、略長方形状の部分に台形状の部分が連接されたおもて面フィルム1と、おもて面フィルム1と同一形状の裏面フィルム2と、略長方形状の底面フィルム3の3枚の積層フィルムを用いて構成されている。本実施形態のパウチは、おもて面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3の3枚のフィルムが所定の箇所においてヒートシール(熱融着)等により接合されることにより形成される。図1、図2はおもて面フィルム1が位置する正面側から見た状態を示している。裏面フィルム2が位置する背面側から見た状態は、正面側から見た状態と対称であるので、背面図は省略している。おもて面フィルム1と裏面フィルム2は、説明の便宜上、「おもて」と「裏」を定めたものである。おもて面フィルム1と裏面フィルム2は、互いに対称であるため、どちらを「おもて」として、どちらを「裏」としてもよい。
底面フィルム3は、折込部3aにおいて2つ折りされており、折込部3aを境界にして第1部分と第2部分とに区分される。底面フィルム3には、側縁を切り欠くように4つの半円弧状の切り欠き部が設けられており、2対の切り欠き部は、2つ折りしたときにそれぞれ対応する位置に設けられている。この切り欠き部を介して、後述する第2底部シール部15bが形成される。また、折込部3aは、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bの境界でもある。
<各シール部>
本実施形態のパウチは、図1に示すように、底部シール部15と、第1側縁部シール部16と、第2側縁部シール部17と、を備え、第1縁部4側は未シールで内容物の充填のための開口が形成されている。底部シール部15は、第1底部シール部15a、第2底部シール部15bと、を含んでいる。
第1側縁部シール部16、第2側縁部シール部17は、おもて面フィルム1と裏面フィルム2がシールされて接合されたものである。第1側縁部シール部16は、第1側縁部6(図1における本体部10の左端)を含むように、第1側縁部6に沿って形成されており、第2側縁部シール部17は、第2側縁部7(図1における右端)を含むように、第2側縁部7に沿って形成されている。第1側縁部シール部16、第2側縁部シール部17のシール幅は、例えば5mm以上30mm以下とすることが好ましい。本実施形態では、第1側縁部シール部16、第2側縁部シール部17のシール幅は6mm程度である。なお、シール幅とは、シール部が延びる方向と直交する方向における幅である。
2つの側縁部シール部のうち取出口部30が連接されている側である第1側縁部シール部16は、取出口部30より第1縁部4側に位置する第1側縁部シール部第1部分16aと、取出口部30より第2縁部5側に位置する第1側縁部シール部第2部分16bに分けられる。
底部シール部15は、折込部3aより第2縁部5側(図1における下側)に形成されるシール部であり、第1底部シール部15aと、第2底部シール部15bで構成されている。第1底部シール部15aは、おもて面フィルム1と底面フィルム3の第1部分、および、裏面フィルム2と底面フィルム3の第2部分がシールされたものである。第2底部シール部15bは、おもて面フィルム1と裏面フィルム2がシールされたものである。図1に示すように、第1側縁部6、第2側縁部7に形成された第2底部シール部15bは、内側が円弧状の半円形状となっている。
<底部ガセット部>
底面フィルム3の第1部分と、おもて面フィルム1の底面フィルム3の第1部分に対応する部分が、第1底部シール部15aにより接合されて、第1ひだ部9aが形成されている。また、底面フィルム3の第2部分と、裏面フィルム2の底面フィルム3の第2部分に対応する部分が、第1底部シール部15aにより接合されて、第2ひだ部9bが形成されている。そして、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bとで、底部ガセット部9が形成されている。図1の正面図においては、折込部3aより下方において、第1ひだ部9aが見える状態となっている。
<収容部>
第1縁部4側の開口を介して内容物が収容された後、図1において14aと示されている第1縁部シール予定部(二点鎖線より上側)に第1縁部シール部14が形成され、パウチが封止される(図4参照)。第1縁部シール部14は、第1縁部4に沿って第1側縁部シール部16から第2側縁部シール部17に亘って形成される。収容部11は、第1側縁部シール部16の内縁と、第2側縁部シール部17の内縁と、第1底部シール部15aの内縁と、第1縁部シール部14の内縁と、で画成されている。したがって、第1側縁部シール部16の内縁、第2側縁部シール部17の内縁、第1底部シール部15aの内縁、第1縁部シール部14の内縁は、収容部11の外縁となる。図4は、内容物を充填し、封止した後のパウチの正面図である。なお、図示の都合上、内容物は省略してある。
<内容物>
内容物としては、特に限定されないが、固形状の物品であることが好ましい。例えば、タブレット状の物品を内容物とすることができる。また、個包装された物品であってもよい。また、内容物は食品であっても、非食品であってもよい。
<開閉機構>
次に、開閉機構について説明する。図1に示すように、本実施形態のパウチでは、第1縁部4に沿ってパウチの開封および再封が可能な開閉機構である咬合具20が形成されている。図3は、図1に示すA-A線に対応する断面図である。図1、図3に示すように、パウチは、収容部11の第1縁部4寄りに、相互に咬合する第1部材と第2部材とからなる開閉自在な咬合具20を開閉機構として備える。本実施形態では、雄部材21を第1部材、雌部材22を第2部材として説明していくが、雌部材22を第1部材、雄部材21を第2部材としてもよい。図1に示すように、平面視で帯状の咬合具20は、第1縁部4に沿って設けられている。本実施形態では、咬合具20の長手方向が、第1縁部4に平行になるように設けられている。
図3(b)に示すように、雄部材21は帯状の第1基部21aと、第1基部21aの一方の側に雄型咬合部21bを備え、第1基部21aの他方の側はおもて面フィルム1の内面に接合されている。雌部材22は帯状の第2基部22aと、第2基部22aの一方の側に雌型咬合部22bを備え、第2基部22aの他方の側は裏面フィルム2の内面に接合されている。
このような、第1縁部4に沿って形成された咬合具20は、いわゆるチャック(ジッパー)として用いることができ、収容部11を開封したり、再封したりすることが可能となる。なお、咬合具20の接合面は図3に限定されるものではなく、第1基部21aは裏面フィルム2の内面に接合され、第2基部22aはおもて面フィルム1の内面に接合されていてもよい。
咬合具20の材料としては、おもて面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3として用いられる積層フィルムのシーラント層と相溶性を有する樹脂を用いることができる。咬合具20は、図3に示すように雄部材21と雌部材22からなり、雄部材21はおもて面フィルム1に、雌部材22は裏面フィルム2にヒートシールにより接合される。このとき、雄部材21と雌部材22の間に遮熱板(図示省略)を介在させることにより、雄部材21と雌部材22の熱融着を防止する。
<取出口部>
上記のような咬合具20側の開口からも内容物を取り出すことができるが、内容物を取り出す際に、咬合具20に引っ掛かる場合もある。咬合具20はパウチの上部となる第1縁部4側に設けられているため、内容物からの距離が遠く、取り出し難い場合がある。また、咬合具20を通して固形物を取り出す場合は、内容物を指で摘まむ等して触れる機会もある。そこで、本実施形態では、内容物に触れることなく取り出すことができるよう、咬合具20側の開口とは別の、第1側縁部6の内容物に近い位置に取出口部30を設けている。取出口部30について説明する。取出口部30は、上記の開閉機構である咬合具20を用いずに、簡易に内容物を取り出し、再封するための機構である。上述のように、取出口部30は、第1側縁部6から、第1側縁部6と交差する方向(図1における左側)に突出するようにして設けられている。取出口部30は、収容部11に連続する取出口空間32を囲む取出口シール部31と、取出口シール部31の延伸方向と交差する方向に沿って設けられ、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にあるか、第1側縁部シール部16の外縁よりも外側(図1、図2における左側)にあるミシン目33(33a、33b)と、を有している。
取出口シール部31は、取出口空間32の三方を囲むようにして、取出口部30の縁部に沿って形成されている。取出口空間32の三方とは、取出口空間32の四方のうち収容部11側以外の三方を意味する。図2(a)に示すように、取出口シール部31は、第1縁部4側の縁部に沿った取出口シール部第1部分31aと、第2縁部5側の縁部に沿った取出口シール部第2部分31bと、第1側縁部6から最も離れた側の縁部に沿った取出口シール部第3部分31cと、に区分できる。取出口シール部第1部分31a、取出口シール部第2部分31bの、収容部11側の端部は、それぞれ第1側縁部シール部16の内縁まで達している。
また、本実施形態では、貫通部の一形態であるミシン目33として、第1縁部4側に位置する第1ミシン目33aと第2縁部5側に位置する第2ミシン目33bを有している。第1ミシン目33aは、取出口シール部第1部分31aに形成されている。具体的には、第1ミシン目33aは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上に形成されている。第2ミシン目33bは、取出口シール部第2部分31bに形成されている。具体的には、第2ミシン目33bは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上に形成されている。
ミシン目33は、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にある。図2の例では、ミシン目33として、第1ミシン目33aと第2ミシン目33bを有する。第1ミシン目33aは、取出口シール部第1部分31aに形成されている。第1ミシン目33aは、第1側縁部シール部16の外縁よりも外側(図1、図2における左側)にあってもよい。第2ミシン目33bは、取出口シール部第2部分31bに形成されている。第2ミシン目33bは、第1側縁部シール部16の外縁よりも外側にあってもよい。ミシン目33は、取出口シール部31のシール幅の縁から縁まで形成されている。ミシン目33としては、図2に示すように、第1ミシン目33aと第2ミシン目33bの両方が形成されていてもよいし、いずれか一方のみが形成されていてもよい。
図2(b)は、図2(a)におけるB部分の拡大図である。図2(b)は、第1ミシン目33aを含む範囲を示している。一般に、ミシン目は、切り込まれて貫通している切込み部と、切り込まれておらず基材が連結している連結部が、交互に配置された構造となっている。図2(b)の例では、ミシン目の切込み部が3つ、連結部が4つ配置された状態を示している。
図2(b)に示すように、第1ミシン目33aを構成する全ての切込み部の長さおよび幅は同一である。切込み部の長さとは、第1ミシン目33aの延伸方向(図1、図2における上下方向)の長さである。切込み部の幅とは、第1ミシン目33aに延伸方向と交差する方向(図1、図2における左右方向)の長さである。図2に示すように、切込み部の長さは全てL1であり、切込み部の幅は全てL5である。また、第1ミシン目33aを構成する全ての切込み部の長さも同一である。連結部の長さとは、第1ミシン目33aの延伸方向(図1、図2における上下方向)の長さである。連結部の長さは全てL2である。第1ミシン目33aは、取出口シール部第1部分31aの幅方向における一部に形成されていてもよいが、本実施形態では、取出口シール部第1部分31aの全幅に亘って形成されている。
図2(b)の例では、取出口シール部第1部分31aの全幅に亘って第1ミシン目33aが設けられている。ここで、取出口シール部第1部分31aの全幅とは、取出口シール部第1部分31aの長手方向に交差する方向の全範囲を意味する。すなわち、取出口シール部第1部分31aの外縁から内縁の全範囲を意味する。図2(b)の例では、取出口シール部第1部分31aの外縁においても内縁においても連結部が位置している。そして、取出口シール部第1部分31aの外縁における連結部の長さはL3であり、取出口シール部第1部分31aの内縁縁における連結部の長さはL4である。このとき、長さL3、長さL4はいずれも、連結部の基本の長さL2以下となる。
ミシン目は、切込み部と連結部が短い単位で交互に配置されているため、取出口シール部第1部分31aの外縁および内縁との関係において必ずしも同じ位置に形成されるとは限らない。場合によっては、取出口シール部第1部分31aの外縁、内縁に切込み部が形成されることもある。すなわち、取出口シール部第1部分31aの全幅に亘って第1ミシン目33aを形成した場合に、取出口シール部第1部分31aの外縁、内縁に本来の長さL1よりも短い切込み部、本来の長さL2よりも短い連結部が形成されることもある。したがって、取出口シール部第1部分31aの外縁、内縁に本来の長さL1以下の長さの切込み部、本来の長さL2以下の長さの連結部が形成されている場合は、取出口シール部第1部分31aの全幅に亘って第1ミシン目33aが形成されている、と言える。
なお、第1ミシン目33aについての上記長さや幅を示すL1、L2、L5は、適宜設定可能である。ただし、切込み部の長さL1は、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上5mm以下であることがより好ましい。また、連結部の長さL2は、1mm以上6mm以下であることが好ましく、1mm以上4mm以下であることがより好ましい。また、切込み部の幅L5は、0.1mm以上1mm以下であることが好ましく、0.2mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。取出口シール部第2部分31bにおける第2ミシン目33bについても、第1ミシン目33aと同様な態様で形成することができる。ミシン目33が形成されることによりミシン目33を通る仮想的な折り曲げ線Sが規定される。図2において折り曲げ線Sを二点鎖線で示す。折り曲げ線Sは実際に形成されている線ではないが、ミシン目33と第1側縁部シール部16の外縁の位置関係から実際に折り曲げられることになる線である。本実施形態では、折り曲げ線Sは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上となる。
図4の例では、収容部11に内容物(固形物など)の充填後、第1縁部シール部14で封止する。第1縁部4と咬合具20の間に形成された開封予定線12からパウチを開封することにより、収容部11が咬合具20により開閉可能となる。さらに、取出口部30に形成された開封予定線39からパウチを開封し、取出口部30の折り曲げによりパウチを再封することができる。開封予定線12、開封予定線39は、図1、図4において一点鎖線で示している。
<フィルムの詳細>
パウチのおもて面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3としては、積層フィルムを用いることができる。積層フィルムは、少なくとも、外側から、基材層、シーラント層を含む積層体である。例えば、積層フィルムは、外側から順に、基材層、印刷層、他の層(例えばバリア層)、シーラント層を積層して形成されている。シーラント層は、パウチの最内面を構成する層である。印刷層、他の層は必須ではない。また、これらの各層を積層するために接着剤層を用いることもできる。
例えば、基材層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを用いることができる。厚みは、10μm~50μm程度である。基材層は、二軸延伸されていることが好ましい。
また、積層フィルムは、複数の基材層を備えていてもよい。複数の基材層として第1基材層、第2基材層を備えることができる。第1基材層、第2基材層としては、上記材料の中から、適宜組み合わせて採用することができる。例えば、最外層である第1基材層としてポリエチレンテレフタレートを用い、内層(シーラント層側)である第2基材層としてポリアミドを用いることができる。第2基材層は、一方の側縁から他方の側縁に向かって延伸されている。第2基材層としては、例えば、バリア性に優れたMXD(メタキシレンジアミン)を含む、ユニチカ株式会社製「エンブレム(登録商標)NC」を用いることができる。また、第2基材層として、ユニチカ株式会社製「エンブレット(登録商標)PC」や、ユニチカ株式会社製「エンブレット(登録商標)PCBC」などのポリエステルを用いてもよい。第1基材層と第2基材層は、例えばドライラミネート法を用いて積層することができる。
印刷層は、商品内容を表示したり美感を付与したりカット部分を表示したりするために設けられる。印刷層は、バインダーと顔料を含む印刷インキにより形成される。シーラント層は、積層フィルムのうち、製袋してパウチとするときの最も容器の内方となる側に配置される。シーラント層の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂などが採用できる。シーラント層の厚みは、30μm以上150μm以下である。シーラント層は未延伸であることが好ましい。
積層フィルムは、他の層を含んでいてもよい。他の層は、基材層の外側に設けられていてもよいし、基材層とシーラント層の間に設けられていてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性など、必要とされる機能に応じて、適切なものが選択される。例えば、他の層がガスバリア層の場合、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層が設けられる。蒸着層は、基材層に積層してもよいし、シーラント層に蒸着してもよい。その他にも、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの芳香族ポリアミドなどの、ガスバリア性を有する樹脂層を設けてもよい。各層は、ドライラミネート法や溶融押し出し法などを用いて積層することができる。
本実施形態に係るパウチでは、積層フィルムが金属箔を含むことが好ましい。金属箔を含む層構成の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。もちろん以下に限定されるものではない。また、以下では、金属箔としてアルミニウム箔を用いた例を示しているが、アルミニウム箔以外の金属箔を用いてもよい。また、各層の厚みについても限定されるものではない。
・ポリエチレンテレフタレート(PET)12μm/印刷層(インキ)/接着剤/アルミニウム(ALM)箔7μm/接着剤/LLDPE120μm
・ポリエチレンテレフタレート(PET)12μm/印刷層(インキ)/接着剤/アルミニウム(ALM)箔7μm/接着剤/延伸ナイロン(ONY)15μm/接着剤/無延伸ポリプロピレン(CPP)70μm
・印刷層(インキ)/紙(坪量50g/m2)/PE15μm/アルミニウム(ALM)箔6μm/AC/PE40μm/PEフィルム30μm
金属箔を含まない積層フィルムの層構成の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。金属箔を含まない積層フィルムは、内容物が小さく軽い場合に用いられる。
・セロハン#300/印刷層(インキ)/AC/PE15μm/アルミニウム(ALM)箔7μm/AC/PE15μm/PEフィルム30μm
・延伸ポリプロピレン(OPP)25μm/印刷層(インキ)/接着剤/蒸着無延伸ポリプロピレン(VMCPP)30μm
<開封予定線>
図1に示したように、本実施形態では、第1縁部4と咬合具20の間に開封予定線12が形成されている。開封予定線12は、第1縁部4、咬合具20に平行に形成されている。また、取出口部30に開封予定線39が形成されている。開封予定線39は、取出口シール部第3部分31cの内縁より収容部11側に、第1側縁部6と平行に形成されている。開封予定線12、開封予定線39は、基材層を貫通し、且つ、シーラント層を貫通しないハーフカット線である。ハーフカット線の場合、開封予定線12は、刃物を用いて形成してもよいし、レーザー加工により形成してもよい。また、ハーフカット線の場合、開封予定線12、開封予定線39は、連続的に延びる線であってもよいし、断続的に延びる線であってもよい。また、開封予定線12は、パウチの第1側縁部6から第2側縁部7に至るように設けてもよい。
開封予定線12は、直進カット性フィルムで実現されていてもよい。直進カット性フィルムは、一方の方向に直線状に引き裂くことが可能なフィルムである。直進カット性フィルムは、MD方向(フィルムの流れ方向)における引張強度がTD方向(MD方向と直交する方向)における引張強度より大きくなっている。開封予定線12を直進カット性フィルムで実現する場合には、基材層およびシーラント層の少なくともいずれかに直進カット性フィルムを用いる。基材層に直進カット性フィルムを用いる場合、基材層として、例えば、ユニチカ株式会社製のエンブレット(登録商標)PCやエンブレム(登録商標)NCを用いることができる。なお、エンブレット(登録商標)PCのMD方向における引張強度は200MPaであり、TD方向における引張強度は180MPaである。また、シーラント層に直進カット性フィルムを用いる場合、シーラント層として、例えば、東洋紡株式会社製のDC061を用いることができる。
直進カット性フィルムで開封予定線を実現する場合、第1縁部4に沿った方向であれば、どの位置であっても開封することができる。このため、表示がなされていない場合には、どこから切るべきかの判断が難しい。そこで、直進カット性フィルムで開封予定線を実現する場合、開封予定線の表示を印刷により行う。例えば、図1に二点鎖線で示した開封予定線の位置に、実際に線を印刷する等して、開封予定線12の位置を定めることができる。
また、本実施形態では、開封を容易にするために、開封予定線12に加えて、開封開始手段13を設けている。本実施形態では、開封開始手段13として、ノッチとも呼ばれる切り込みを、第1側縁部6、第2側縁部7の両方に設けている。具体的には、開封予定線12の延長線上に形成している。ノッチとしては、切込みに限らず切り欠きであってもよい。開封開始手段13は、第1側縁部6、第2側縁部7のいずれか一方にのみ設けてもよい。なお、開封予定線12のみで容易に開封できる場合は、開封開始手段13を設けなくてもよい。
開封予定線12として、ハーフカット線、直進カット性フィルム、印刷表示がない場合であっても、ノッチのような開封開始手段13が、第1側縁部6、第2側縁部7の少なくとも一方に形成されている場合は、開封開始手段13を通って第1縁部4および咬合具20と平行な線が開封予定線として定義される。
<使用方法>
図4に示したような本実施形態に係るパウチの使用方法について説明する。まず、開封予定線12に沿って、第1縁部4側を切り取り、パウチを開封する。続いて、咬合具20の嵌合を外す。すなわち、雄部材21と雌部材22の嵌合を外すことにより、収容部11に開口を形成する。そして、この開口から、例えば固形物状の内容物を取り出すことができる。そして、パウチを再封する。すなわち雄部材21と雌部材22を嵌合させて、開口を閉じる。
上記のように、第1縁部4側の開口から内容物を取り出すとともに、咬合具20を用いた再封もできるが、本実施形態に係るパウチでは、第1側縁部6側に連接された取出口部30から内容物を取り出すこともできる。取出口部30を用いる場合、まず、開封予定線39に沿って、取出口シール部第3部分31c側を切り取り、取出口空間32に繋がる開口を形成する。そして、この開口から、例えば固形物状の内容物Nを取り出すことができる。図5は、開封予定線39に沿って、取出口シール部第3部分31c側を切り取った状態を示す図である。図5に示すように、取出口部30の開口から内容物Nを取り出すことができる。
内容物が収容部11内に残り、保管しておく場合には、第1側縁部シール部16の外縁に位置する直線において、取出口部30全体を収容部11側に折り曲げる。図6は、折り曲げ線Sにおいて取出口部30全体を収容部11側に折り曲げた状態を示す図である。これにより、取出口空間32に繋がる開口を閉じて、パウチを再封することができる。上述のように、ミシン目33は、第1側縁部シール部16の外縁に位置する直線上に位置している。このため、ミシン目33上において、取出口部30を折り曲げ易くなる。また、おもて面フィルム1、裏面フィルム2として用いられる積層フィルムが金属箔を含んでいることにより、折り曲げた後に戻り難くなる。すなわち、デッドホールド性が高くなる。このため、取出口部30が収容部11側に折り曲げられた状態が継続し、取出口空間32に繋がる開口を塞いでおくことができる。
<取出口部の変形例>
次に、取出口部の変形例について説明する。図7は、取出口部の変形例を示す部分平面図である。図7に示す各変形例の取出口部は、図2に示した取出口部と同じ範囲を示している。図7(a)に示す変形例の取出口部30Bは、図2に示した取出口部30における取出口シール部第1部分31aと取出口シール部第2部分31bの幅が、取出口シール部第3部分31cの幅よりも大きいものである。すなわち、図7(a)に示す変形例の取出口部30Bは、取出口シール部第1部分31aと取出口シール部第2部分31bの幅がより大きい点で図2に示した取出口部30と異なる。
図7(b)に示す変形例の取出口部30Cは、貫通部の一形態として、図2に示したミシン目33に代えて切込み34を有する。切込み34は、ノッチと呼ばれることもある。図7(b)の例では、切込み34として、第1切込み34aと第2切込み34bを有する。第1切込み34aは、取出口シール部第1部分31aに形成されている。第1切込み34aは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にあることが好ましい。第2切込み34bは、取出口シール部第2部分31bに形成されている。第2切込み34bは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にあることが好ましい。すなわち、切込み34は、取出口シール部31の外縁から、第1縁部4と第2縁部5を結ぶ方向における取出口部30の中央に向かって延びている。
図7(c)に示す変形例の取出口部30Dは、貫通部の一形態として、図2に示したミシン目33に代えて切込み35を有する。図7(c)の例では、切込み35として、第1切込み35aと第2切込み35bを有する。第1切込み35aは、取出口シール部第1部分31aに形成された単一の切込みである。第1切込み35aは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にあることが好ましい。第2切込み35bは、取出口シール部第2部分31bに形成された単一の切込みである。第2切込み35bは、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にあることが好ましい。切込み35は、取出口シール部31の縁まで達していない。切込み35としては、図7(b)に示すように、第1切込み35aと第2切込み35bの両方が形成されていてもよいし、いずれか一方のみが形成されていてもよい。
図8は、取出口部の他の変形例を示す部分平面図である。図8における各変形例は、いずれも突出シール部を有する点が図7に示した各変形例と異なっている。突出シール部36は、その内縁すなわち収容部11側の縁が、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上となる位置に形成されている。図8においては、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にある直線を折り曲げ線Sとして二点鎖線で示している。折り曲げ線Sは、仮想的な線であるが、突出シール部36の内縁が位置しているため、より折り曲げ易くなっている。突出シール部36の内縁は、図8に示すように、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上に位置することが好ましいが、第1側縁部シール部16の外縁に位置する直線より外側にあってもよい。
図8(a)に示す変形例の取出口部30Eは、突出シール部を1つだけ有する点で図2に示した取出口部30と異なる。図8(a)の例では、突出シール部36は、取出口シール部第1部分31aに連接されている。具体的には、取出口シール部第1部分31aから、第1側縁部シール部16の延伸方向に沿って第2縁部5側に突出している。
第1側縁部6に沿った方向における突出シール部36の高さL13は、6mm以上40mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。突出シール部36の高さL13が小さ過ぎると、取出口部30を折り曲げ難くなり、突出シール部36の高さL13が大き過ぎると、収容部11と取出口空間32を繋ぐ空間が狭くなり、内容物が通り難くなる。なお、突出シール部36の高さL13は、その内縁(収容部11側)と取出口シール部第1部分31aの内縁との分岐点から突出シール部36の最も第2縁部5寄りの位置までの、第1側縁部6に沿った方向における距離である。
図8(b)に示す変形例の取出口部30F、図8(c)に示す変形例の取出口部30Gにおける突出シール部36は、図8(a)に示した変形例の取出口部30Eと同一サイズ、同一形状であり同一の位置関係で配置されている。すなわち、図8(b)に示す変形例の取出口部30F、図8(c)に示す変形例の取出口部30Gは、それぞれ、図7(b)に示す変形例の取出口部30C、図8(c)に示す変形例の取出口部30Dに、突出シール部36が付加された形態となっている。
図9は、取出口部の変形例を示す部分平面図である。図9における各変形例は、いずれも突出シール部を2つ有する点が図7、図8に示した各変形例と異なっている。図9における各変形例では、突出シール部37として、第1縁部4側に位置する第1突出シール部37aと第2縁部5側に位置する第2突出シール部37bを有している。第1突出シール部37aは、取出口シール部第1部分31aに連接されている。具体的には、第1突出シール部37aは、取出口シール部第1部分31aから、第1側縁部シール部16の延伸方向に沿って第2縁部5側に突出している。第2突出シール部37bは、取出口シール部第2部分31bに連接されている。具体的には、第2突出シール部37bは、取出口シール部第2部分31bから、第1側縁部シール部16の延伸方向に沿って第1縁部4側に突出している。
突出シール部37は、その内縁すなわち収容部11側の縁が、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上となる位置に形成されている。図9においても、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にある直線を折り曲げ線Sとして二点鎖線で示している。折り曲げ線Sは、仮想的な線であるが、突出シール部37の内縁が位置しているため、折り曲げ易くなっている。突出シール部37の内縁は第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上に位置することが好ましいが、第1側縁部シール部16の外縁に位置する直線より外側にあってもよい。
第1側縁部6に沿った方向における突出シール部37の高さL11は、3mm以上20mm以下であることが好ましく、5mm以上10mm以下であることがより好ましい。突出シール部37の高さL11が小さ過ぎると、取出口部30を折り曲げ難くなり、突出シール部37の高さL11が大き過ぎると、収容部11と取出口空間32を繋ぐ空間が狭くなり、内容物が通り難くなる。なお、突出シール部37の高さL11は、第1突出シール部37aの場合、その内縁(収容部11側)と取出口シール部第1部分31aの内縁との分岐点から第1突出シール部37aの最も第2縁部5寄りの位置までの、第1側縁部6に沿った方向における距離である。また、第1突出シール部37aと第2突出シール部37bの最短距離をL14とした場合、L11/L14=3/45以上20/45以下であることが好ましく、5/45以上10/45以下であることがより好ましい。
第1側縁部6の延伸方向に交差する方向における突出シール部37の幅L12は、3mm以上15mm以下であることが好ましく、4mm以上10mm以下であることがより好ましい。突出シール部37の幅L12が小さ過ぎると、取出口部30を折り曲げ難くなり、突出シール部37の幅L12が大き過ぎると、折り曲げ後に取出口部30が戻り易くなる。なお、突出シール部37の幅L12は、第1側縁部6に沿った方向に交差する方向における突出シール部37の最大幅である。また、取出口部30の取出口シール部第3部分31cの外縁と第1側縁部6の距離L15は、取出口部30の本体部10からの突出幅となる。この場合、L12/L15=3/30以上15/30以下であることが好ましく、4/30以上10/30以下であることがより好ましい。
図10は、取出口部の変形例を示す部分平面図である。図10における各変形例は、いずれも突出シール部を2つ有する点で図9に示した各変形例と同じであるが、突出シール部の形状が図9に示した各変形例と異なっている。
図10に示す各変形例では、突出シール部38として、第1縁部4側に位置する第1突出シール部38aと第2縁部5側に位置する第2突出シール部38bを有している。図10における各変形例では、突出シール部38として、第1突出シール部38aと第2突出シール部38bを有する。第1突出シール部38aは、取出口シール部第1部分31aに連接されている。具体的には、第1突出シール部38aは、取出口シール部第1部分31aから、第1側縁部シール部16の延伸方向に沿って第2縁部5側に突出している。第2突出シール部38bは、取出口シール部第2部分31bに連接されている。具体的には、第2突出シール部38bは、取出口シール部第2部分31bから、第1側縁部シール部16の延伸方向に沿って第1縁部4側に突出している。突出シール部38の内縁は、突出シール部37の内縁と同様、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上に位置することが好ましい。ただし、第1側縁部シール部16の外縁に位置する直線より外側にあってもよい。図10の例では、突出シール部38は、収容部11側の内縁と、第1側縁部6と第2側縁部7を結ぶ方向に延びる縁と、の2つの縁を有し、それ以外は、取出口シール部第1部分31a、取出口シール部第2部分31bに連接されている。
<実施例1>
基材層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、中間層としてアルミニウム(ALM)箔、シーラント層として厚み100μmの直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを用いた。具体的には、まず、基材層となる厚み12μmのPETフィルムの内面側に印刷層を形成した。印刷層としては、開封予定線12の位置を示す線分の印刷も含まれている。その後、接着剤層を介して印刷層側の面と厚み7μmのALM箔を貼り合わせた。さらに、接着剤層を介してALM箔側の面と厚み100μmのLLDPEフィルムを貼り合わせた。この結果、ポリエチレンテレフタレート(PET)12μm/印刷層(インキ)/接着剤/アルミニウム(ALM)箔7μm/接着剤/LLDPE100μmの層構成となる積層フィルムである包装材料が得られた。接着剤層は、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との硬化物である。包装材料は金属箔であるアルミニウム箔を含んでいる。
得られた包装材料である積層フィルムを、140mm×240mmの長方形部分と高さ30mm×下底68mmの台形部分が連接された形状に切り出して、図1に示したような、おもて面フィルム1と裏面フィルム2を形成した。おもて面フィルム1と裏面フィルム2には、開封予定線12、39として基材層のみを貫通するハーフカット線を形成した。続いて、積層フィルムを、140mm×80mmに切り出して底面フィルム3を形成した。さらに、シーラント層であるLLDPEと相溶性を有するポリプロピレン製の咬合具20を用意した。第1縁部4と第2縁部5を結ぶ方向における咬合具20の幅は13mmとした。雄部材21と雌部材22の間に遮熱板(図示省略)を介在させてヒートシールして、おもて面フィルム1の内面側に雄部材21、裏面フィルム2の内面側に雌部材22をそれぞれ接合した。
続いて、おもて面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3を用いて実施形態に係るパウチ(第1縁部シール部14が形成されていない状態のパウチ)を形成した。パウチの全体構成は図1に示したような形態とし、取出口部は、図9(a)に示した取出口部30Hの形態とした。すなわち、第1ミシン目33a、第2ミシン目33bを形成するとともに、第1突出シール部37a、第2突出シール部37bを形成した。その後、第1縁部4側から収容部11に内容物としてタブレット型入浴剤を充填した。
そして、第1縁部シール部14を形成して、図4に示すパウチを形成した。第1縁部シール部14のシール幅を10mm、第1底部シール部15aと第2縁部5の距離が最短となる位置のシール幅を6mm、第1側縁部シール部16、第2側縁部シール部17のシール幅を6mmとした。折込部3aからパウチの第2縁部5までの距離は40mm、第1縁部4と第2縁部5を結ぶ方向における咬合具20の中心から第1縁部4までの距離は30mm、第1縁部4と第2縁部5の距離は240mm、第1側縁部6と第2側縁部7の距離は140mm、取出口部30の第1側縁部6からの突出幅L15を30mmとした。
<実施例2>
取出口部を、図2に示したような、ミシン目33を有する取出口部30の形態とした以外は、実施例1と同様にして、本実施形態に係るパウチを形成した。
<比較例1>
取出口部を、図11(a)に示したような、貫通部および突出シール部のない形態とした以外は、実施例2と同様にして、本実施形態に係るパウチを形成した。
<比較例2>
取出口部を、図11(b)に示したような、貫通部を有さず、突出シール部の位置を変更した形態とした以外は、実施例1と同様にして、本実施形態に係るパウチを形成した。図11(b)の比較例では、突出シール部が第1側縁部シール部16を延長したものとなっている。このため、図11(b)の比較例では、突出シール部の収容部11から遠い側の縁が、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上にある。したがって、突出シール部の内縁は、第1側縁部シール部16の外縁より内側(収容部11側)にある。
<比較例3>
取出口部を、図11(c)に示したような、貫通部を有さず、突出シール部の位置を変更した形態とした以外は、実施例1と同様にして、本実施形態に係るパウチを形成した。図11(c)の比較例では、突出シール部の内縁が第1側縁部シール部16の内縁を延長したものとなっている。このため、図11(c)の比較例では、突出シール部の収容部11から遠い側の縁が、第1側縁部シール部16の外縁より外側にある。したがって、突出シール部の内縁は、第1側縁部シール部16の外縁より内側(収容部11側)にある。
<折り曲げ試験>
実施例と比較例のパウチについて、折り曲げ試験を行った。まず、開封予定線39に沿って、取出口シール部第3部分31c側を切り取り、取出口空間32に繋がる開口を形成した。その後、第1側縁部シール部16の外縁と同一直線上を折り曲げ線として、取出口部を収容部11側に折り曲げて再封(リクローズ)した。そして、取出口部を延ばして開口から内容物を取り出し可能な状態とした後、再び取出口部を収容部11側に折り曲げて再封した。このようにして、取出口部を収容部11側に折り曲げて再封する作業を繰り返して行った。そして、3回目、12回目の再封状態すなわち折り曲げた状態で放置し、取出口部の状態を目視確認した。この際、取出口部が戻らない場合を〇、取出口部がやや戻る場合を△、取出口部が戻ってしまう場合を×として評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2022124970000002
表1に示したように、貫通部の一形態であるミシン目と、2つの突出シール部の内縁が、側縁部シール部の外縁と同一直線上にある実施例1では、3回目、12回目の両方において、取出口部が戻らず、良好な結果が得られた。また、貫通部の一形態であるミシン目が、側縁部シール部の外縁と同一直線上にある実施例5では、3回目では取出口部が戻らなかったが、12回目では第1縁部4と第2縁部5側を結ぶ方向における取出口部の中央部分がやや戻った。一方、貫通部の一形態であるミシン目が形成されていない比較例1~3では、3回目、12回目の両方において、取出口部が戻ってしまい、良好な結果が得られなかった。この結果より、貫通部の一形態であるミシン目が側縁部シール部の外縁と同一直線上にある突出シール部パウチは、取出口部を再封した状態を実現できていることが確認された。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、底面フィルム3を備え、底部ガセット部9を設けるようにしたが、必ずしも底部ガセット部を設ける必要はなく、おもて面フィルム1、裏面フィルム2により収容部11が構成される形態であってもよい。
また、上記実施形態では、第1縁部4に沿ってパウチの開封および再封が可能な開閉機構である咬合具20を設けたが、咬合具20を設けなくてもよい。本発明のパウチでは、側縁部の少なくともいずれか一方から、側縁部と交差する方向に突出する取出口部を備えている。この取出口部が再封可能であるため、咬合具20がなくてもパウチの再封が可能となる。
また、上記実施形態では、側縁部として第1側縁部6と第2側縁部7を有し、第1側縁部6側に取出口部を設けるようにしたが、第2側縁部7側に取出口部を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、おもて面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3を、それぞれ3枚の別体のフィルムとしてパウチを構成するようにしたが、2枚や1枚のフィルムで構成してもよい。例えば、おもて面フィルム1と底面フィルム3と裏面フィルム2が連設された1枚のフィルムを用いてもよいし、おもて面フィルム1を構成するフィルムと、裏面フィルム2と底面フィルム3が連設されたフィルムの計2枚のフィルムを用いてもよい。おもて面フィルム1と底面フィルム3と裏面フィルム2が連設された1枚のフィルムを用いた場合、第2縁部5においてシール部を形成せず、1枚のフィルムを第2縁部5で2回、折込部3aで1回折り返すことにより、底部ガセット部9を形成することができる。この場合、第1縁部4側の開口から内容物を充填した後、第1縁部シール部14を形成してパウチを封止する。
1・・・おもて面フィルム
2・・・裏面フィルム
3・・・底面フィルム
3a・・・折込部
4・・・第1縁部
5・・・第2縁部
6・・・第1側縁部
7・・・第2側縁部
9・・・底部ガセット部
9a・・・第1ひだ部
9b・・・第2ひだ部
10・・・本体部
11・・・収容部
12、39・・・開封予定線
14・・・第1縁部シール部
14a・・・第1縁部シール予定部
15・・・底部シール部
15a・・・第1底部シール部
15b・・・第2底部シール部
16・・・第1側縁部シール部
16a・・・第1側縁部シール部第1部分
16b・・・第1側縁部シール部第2部分
17・・・第2側縁部シール部
20・・・咬合具(開閉機構)
21・・・雄部材
21a・・・第1基部
21b・・・雄型咬合部
22・・・雌部材
22a・・・第2基部
22b・・・雌型咬合部
30・・・取出口部
31・・・取出口シール部
32・・・取出口空間
33・・・ミシン目
34、35・・・切込み
36、37、38・・・突出シール部

Claims (7)

  1. おもて面フィルムと裏面フィルムの間に収容部を有するパウチであって、
    第1縁部と、
    前記第1縁部と対向する第2縁部と、
    前記第1縁部と前記第2縁部の間に延びる2つの側縁部と、
    各前記側縁部に沿って延びる側縁部シール部と、
    前記側縁部の少なくともいずれか一方から、前記側縁部と交差する方向に突出する取出口部と、を有し、
    前記取出口部は、前記収容部に連続する取出口空間を囲む取出口シール部と、前記取出口シール部に設けられ、前記側縁部シール部の延伸方向に沿って延びる貫通部と、を有し、
    前記貫通部が、前記側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にある、パウチ。
  2. 前記貫通部を切込み部とし、前記切込み部と連結部が繰り返し配置されたミシン目を有し、前記ミシン目は、前記側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にある、請求項1に記載のパウチ。
  3. 前記貫通部は、前記取出口シール部の端部から前記取出口部の中央に向かって延びる切込みである、請求項1に記載のパウチ。
  4. 前記貫通部は、前記側縁部に沿って延び、前記取出口シール部の端部に達しない切込みである、請求項1に記載のパウチ。
  5. 前記取出口シール部は、前記側縁部シール部の延伸方向と交差する方向に延びる取出口シール部第1部分、取出口シール部第2部分を有し、
    前記貫通部は、前記取出口シール部第1部分、前記取出口シール部第2部分にそれぞれ形成されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパウチ。
  6. 前記取出口部は、前記取出口シール部に連接し、前記側縁部シール部の延伸方向に沿って延びる突出シール部と、を有し、
    前記突出シール部の内縁が、前記側縁部シール部の外縁と同一直線上または外側にある、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のパウチ。
  7. 前記取出口シール部は、前記側縁部シール部の延伸方向と交差する方向に延びる取出口シール部第1部分、取出口シール部第2部分を有し、
    前記突出シール部は、前記取出口シール部第1部分、前記取出口シール部第2部分にそれぞれ連接されている、請求項6に記載のパウチ。
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