JP2022124634A - イソプレン製造用触媒及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、気相接触酸化脱水素反応によって、高選択率、高収率でイソプレンを製造できる触媒を提供することを目的とする。特にイソアミレンを原料として気相接触酸化脱水素反応によってイソプレンを製造する触媒であって、工業的使用に特に適した触媒を提供するものである。【解決手段】下記式(1)で表される組成を有することを特徴とするイソプレン製造用触媒。Mo12Bia1Feb1Coc1Nid1Xe1Yf1Zg1Oh1(1)(式中Xはセリウム等であり、Yはホウ素等であり、Zはセシウム等であり、a1~g1はそれぞれ、0<a1≦7、0<b1≦10、0≦c1≦10、0≦d1≦10、0≦e1≦5、0≦f1≦5、0≦g1≦2であり、また1≦b1/a1≦3である。)【選択図】なし
Description
本発明は、高収率に目的物を得られる新規触媒に関するものであり、特にイソプレンを酸化的に製造する際に、高収率を実現するものである。
オレフィンの接触酸化脱水素によりイソプレンを製造する研究は多年にわたり行われている。特にイソアミレン等の炭素数5の炭化水素を原料にしてイソプレンを製造する方法に関しては、その収率や触媒活性を改善する手段として多くの報告がなされている。
そのなかで特許文献1にはモリブデン、ビスマスを含む複合金属酸化物触媒の元素の比を変化させることにより、触媒が高い触媒活性と選択率を持ち長期にわたり反応を継続できると記載されている。
さらに特許文献2にはモリブデン、ビスマスを含む複合金属酸化物触媒にチタン、および/またはジルコニウムを添加することで高収率にイソプレンを製造できるとの記載がある。
また、特許文献3にはモリブデン、ビスマスを含む複合金属酸化物触媒のなかのアルカリ金属、特にカリウムの添加量を砕石かすることで高収率な触媒を得る方法が記載されている。
加えて特許文献4には酸化亜鉛を主成分とする固体触媒を用いてイソプレンを製造する方法が記載されている。
そのなかで特許文献1にはモリブデン、ビスマスを含む複合金属酸化物触媒の元素の比を変化させることにより、触媒が高い触媒活性と選択率を持ち長期にわたり反応を継続できると記載されている。
さらに特許文献2にはモリブデン、ビスマスを含む複合金属酸化物触媒にチタン、および/またはジルコニウムを添加することで高収率にイソプレンを製造できるとの記載がある。
また、特許文献3にはモリブデン、ビスマスを含む複合金属酸化物触媒のなかのアルカリ金属、特にカリウムの添加量を砕石かすることで高収率な触媒を得る方法が記載されている。
加えて特許文献4には酸化亜鉛を主成分とする固体触媒を用いてイソプレンを製造する方法が記載されている。
しかしながらこれらの検討は、未知の金属元素の添加や、複数ある金属元素の添加比を粗く変更したにすぎず、十分に金属添加比の最適化がなされたとは言えない。
加えて、上記のような手段をもって改良をはかっても、イソアミレン等の炭素数5の炭化水素を原料にしてイソプレンを製造する方法において、さらなる収率向上や触媒活性の改善が求められている。例えば、目的生成物の収率は、製造に要するイソアミレン等の原料の使用量を左右し製造コストに多大な影響を与える。また、触媒活性は目的生成物を製造する際の反応浴温度を左右し、活性の低い触媒を使用した場合には目的生成物の収量を保つために反応浴温度を上げざるを得ない。すると、触媒が熱的ストレスを受けることとなり、選択率や収率の低下が引き起こされ、触媒寿命の低下を招くことにもなる。
加えて、上記のような手段をもって改良をはかっても、イソアミレン等の炭素数5の炭化水素を原料にしてイソプレンを製造する方法において、さらなる収率向上や触媒活性の改善が求められている。例えば、目的生成物の収率は、製造に要するイソアミレン等の原料の使用量を左右し製造コストに多大な影響を与える。また、触媒活性は目的生成物を製造する際の反応浴温度を左右し、活性の低い触媒を使用した場合には目的生成物の収量を保つために反応浴温度を上げざるを得ない。すると、触媒が熱的ストレスを受けることとなり、選択率や収率の低下が引き起こされ、触媒寿命の低下を招くことにもなる。
本発明は、気相接触酸化脱水素反応によって、高選択率、高収率でイソプレンを製造できる触媒を提供することを課題とする。特にイソアミレンを原料として気相接触酸化脱水素反応によってイソプレンを製造する触媒であって、工業的使用に特に適した触媒を提供するものである。
オレフィンの脱水素反応において、原料の炭素数や構造は脱水素反応に対する反応性に大きく影響しているため、必要な触媒組成が異なることは明らかである。
原料化合物の炭素数が増えると反応途中に触媒上で異性化反応が進行し、選択率が低下する。これを防ぐためには多数ある触媒組成の中で異性化を進行しやすい金属元素の比を工夫する必要がある。加えて、イソアミレンのような側鎖のある炭化水素は、脱水素反応が進行する際に側鎖が立体障害となって反応を阻害するため脱水素反応の転化率が低下する傾向にある。これを防ぐためには触媒の反応点である金属元素の比を工夫したり、反応点へ酸素を運搬する役割を担っている金属元素の比を工夫するなどの方法が考えられる。このように、触媒の組成については各原料に応じて最適な元素の組合せや最適な比があり、本発明の発明者らは鋭意検討の結果、最適な組成範囲を見出したものである。
本発明者らの研究によれば、モリブデン、ビスマス、鉄を必須成分として含む特定の触媒組成において上記課題が解決され、特にイソアミレンを原料として気相接触酸化脱水素反応によってイソプレンを製造する場合に、触媒性能、寿命、工業的使用に優れ、高収率で目的物を製造することができることが見出された。
原料化合物の炭素数が増えると反応途中に触媒上で異性化反応が進行し、選択率が低下する。これを防ぐためには多数ある触媒組成の中で異性化を進行しやすい金属元素の比を工夫する必要がある。加えて、イソアミレンのような側鎖のある炭化水素は、脱水素反応が進行する際に側鎖が立体障害となって反応を阻害するため脱水素反応の転化率が低下する傾向にある。これを防ぐためには触媒の反応点である金属元素の比を工夫したり、反応点へ酸素を運搬する役割を担っている金属元素の比を工夫するなどの方法が考えられる。このように、触媒の組成については各原料に応じて最適な元素の組合せや最適な比があり、本発明の発明者らは鋭意検討の結果、最適な組成範囲を見出したものである。
本発明者らの研究によれば、モリブデン、ビスマス、鉄を必須成分として含む特定の触媒組成において上記課題が解決され、特にイソアミレンを原料として気相接触酸化脱水素反応によってイソプレンを製造する場合に、触媒性能、寿命、工業的使用に優れ、高収率で目的物を製造することができることが見出された。
即ち、本発明は、以下1)~7)に関する。
1)
下記式(1)で表される組成を有することを特徴とするイソプレン製造用触媒。
Mo12Bia1Feb1Coc1Nid1Xe1Yf1Zg1Oh1 (1)
(式中Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Niはニッケル、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Yはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Zはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、a1~g1は各成分の原子比率を表し、h1は触媒成分の酸化度で決定される数値であり、a1~g1はそれぞれ、0<a1≦7、0<b1≦10、0≦c1≦10、0≦d1≦10、0≦e1≦5、0≦f1≦5、0≦g1≦2であり、また1≦b1/a1≦3である。)
2)
上記式(1)において、Zはセシウムであり、かつ0<g1≦2である上記1)に記載のイソプレン製造用触媒。
3)
上記式(1)において、1≦b1/a1≦2.5である上記1)又は2)に記載のイソプレン製造用触媒。
4)
上記式(1)において、e1の範囲が0<e1≦5である上記1)乃至3)のいずれか一項に記載のイソプレン触媒
5)
不活性担体に担持された上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のイソプレン製造用触媒。
6)
上記不活性担体がシリカ及び/又はアルミナである上記5)に記載の触媒。
7)
上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の触媒を用いたイソプレンの製造方法。
1)
下記式(1)で表される組成を有することを特徴とするイソプレン製造用触媒。
Mo12Bia1Feb1Coc1Nid1Xe1Yf1Zg1Oh1 (1)
(式中Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Niはニッケル、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Yはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Zはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、a1~g1は各成分の原子比率を表し、h1は触媒成分の酸化度で決定される数値であり、a1~g1はそれぞれ、0<a1≦7、0<b1≦10、0≦c1≦10、0≦d1≦10、0≦e1≦5、0≦f1≦5、0≦g1≦2であり、また1≦b1/a1≦3である。)
2)
上記式(1)において、Zはセシウムであり、かつ0<g1≦2である上記1)に記載のイソプレン製造用触媒。
3)
上記式(1)において、1≦b1/a1≦2.5である上記1)又は2)に記載のイソプレン製造用触媒。
4)
上記式(1)において、e1の範囲が0<e1≦5である上記1)乃至3)のいずれか一項に記載のイソプレン触媒
5)
不活性担体に担持された上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のイソプレン製造用触媒。
6)
上記不活性担体がシリカ及び/又はアルミナである上記5)に記載の触媒。
7)
上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の触媒を用いたイソプレンの製造方法。
本発明の触媒は、気相接触酸化脱水素反応において、高選択率を維持し、収率向上に非常に有効である。特にはイソアミレン等を原料にしてイソプレンを製造する場合に有用である。
なお、本明細書中、上記気相接触酸化脱水素反応は単に酸化反応と表現する場合もある。
なお、本明細書中、上記気相接触酸化脱水素反応は単に酸化反応と表現する場合もある。
[触媒組成]
本発明のイソプレン製造用触媒は、上記式(1)で表される組成を有する。
上記式(1)中Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Niはニッケル、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Yはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Zはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。なお本発明における組成は活性成分を意味し、別途不活性担体としては炭化珪素、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ムライト、アランダム、ステアタイト等を用いることができる。
上記式(1)におけるXとしては、Ca、Mg、Ceが好ましく、Caが特に好ましい。
上記式(1)におけるYとしては、P、As,Sbが好ましく、Pが特に好ましい。
上記式(1)におけるZとしては、K、Rb、Csが好ましく、K、Csが更に好ましく、Csが特に好ましい。
本発明のイソプレン製造用触媒は、上記式(1)で表される組成を有する。
上記式(1)中Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Niはニッケル、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Yはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Zはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。なお本発明における組成は活性成分を意味し、別途不活性担体としては炭化珪素、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ムライト、アランダム、ステアタイト等を用いることができる。
上記式(1)におけるXとしては、Ca、Mg、Ceが好ましく、Caが特に好ましい。
上記式(1)におけるYとしては、P、As,Sbが好ましく、Pが特に好ましい。
上記式(1)におけるZとしては、K、Rb、Csが好ましく、K、Csが更に好ましく、Csが特に好ましい。
上記式(1)中a1~g1は各成分の原子比率を表し、h1は触媒成分の酸化度で決定される数値であり、a1~g1はそれぞれ、0<a1≦7、0<b1≦10、0≦c1≦10、0≦d1≦10、0≦e1≦5、0≦f1≦5、0≦g1≦2であり、また1≦b1/a1≦3である。
a1の下限は望ましい順に、0.50であり、0.80であり、1.0であり、1.2であり、1.3であり、1.4であり、1.5であり、最も望ましくは1.6であり、a1の上限は望ましい順に、5.0であり、4.0であり、3.0であり、2.4であり、2.0であり、最も望ましくは1.8である。すなわちa1の最も好ましい範囲は、1.6≦a1≦1.8である。
b1の下限は望ましい順に、0.50であり、1.0であり、1.4であり、1.6であり、最も望ましくは1.7であり、b1の上限は望ましい順に、7.0であり、6.0であり、5.0であり、4.0であり、3.0であり、2.8であり、2.6であり、2.4であり、2.2であり、2.1であり、最も望ましくは1.9である。すなわちb1の最も好ましい範囲は、1.7≦b1≦1.9である。
c1の下限は望ましい順に、1.0であり、2.0であり、3.0であり、4.0であり、5.0であり、5.3であり、5.6であり、6.0であり、6.4であり、6.6であり、6.8であり、最も望ましくは7.0であり、c1の上限は望ましい順に、9.0であり、8.0であり、7.8であり、最も望ましくは7.5である。すなわちc1の最も好ましい範囲は、7.0≦c1≦7.5である。
d1の下限は望ましい順に、0.20であり、0.40であり、0.50であり、0.60であり、最も望ましくは0.70であり、d1の上限は望ましい順に、9.0であり、8.0であり、7.0であり、6.0であり、5.0であり、4.0であり、3.7であり、3.0であり、2.7であり、2.3であり、2.0であり、1.5であり、1.0であり最も望ましくは0.90である。すなわちd1の最も好ましい範囲は、0.70≦d1≦0.90である。
e1の下限は望ましい順に、0.10であり、0.20であり、0.30であり、最も望ましくは0.40であり、e1の上限は望ましい順に、4.0であり、3.0であり、2.0であり、1.5であり、1.1であり、0.90であり、最も望ましくは0.60である。すなわちe1の最も好ましい範囲は、0.40≦e1≦0.60である。
f1の上限は望ましい順に、4.0であり、3.0であり、2.0であり、1.5であり、1.0であり、最も望ましくは0.90ある。なおf1の下限は0であり、Yは含有しない、すなわちf1=0が本発明の触媒の最も好ましい組成である。
g1の下限は望ましい順に、0.020であり、0.050であり、0.090であり、0.10であり、0.11であり、0.13であり、最も望ましくは0.14であり、g1の上限は望ましい順に、1.5であり、1.0であり0.90であり、0.80であり、0.50であり、0.40であり0.30であり、0.20であり、最も望ましくは0.16である。すなわちg1の最も好ましい範囲は、0.14≦g1≦0.16である。
a1の下限は望ましい順に、0.50であり、0.80であり、1.0であり、1.2であり、1.3であり、1.4であり、1.5であり、最も望ましくは1.6であり、a1の上限は望ましい順に、5.0であり、4.0であり、3.0であり、2.4であり、2.0であり、最も望ましくは1.8である。すなわちa1の最も好ましい範囲は、1.6≦a1≦1.8である。
b1の下限は望ましい順に、0.50であり、1.0であり、1.4であり、1.6であり、最も望ましくは1.7であり、b1の上限は望ましい順に、7.0であり、6.0であり、5.0であり、4.0であり、3.0であり、2.8であり、2.6であり、2.4であり、2.2であり、2.1であり、最も望ましくは1.9である。すなわちb1の最も好ましい範囲は、1.7≦b1≦1.9である。
c1の下限は望ましい順に、1.0であり、2.0であり、3.0であり、4.0であり、5.0であり、5.3であり、5.6であり、6.0であり、6.4であり、6.6であり、6.8であり、最も望ましくは7.0であり、c1の上限は望ましい順に、9.0であり、8.0であり、7.8であり、最も望ましくは7.5である。すなわちc1の最も好ましい範囲は、7.0≦c1≦7.5である。
d1の下限は望ましい順に、0.20であり、0.40であり、0.50であり、0.60であり、最も望ましくは0.70であり、d1の上限は望ましい順に、9.0であり、8.0であり、7.0であり、6.0であり、5.0であり、4.0であり、3.7であり、3.0であり、2.7であり、2.3であり、2.0であり、1.5であり、1.0であり最も望ましくは0.90である。すなわちd1の最も好ましい範囲は、0.70≦d1≦0.90である。
e1の下限は望ましい順に、0.10であり、0.20であり、0.30であり、最も望ましくは0.40であり、e1の上限は望ましい順に、4.0であり、3.0であり、2.0であり、1.5であり、1.1であり、0.90であり、最も望ましくは0.60である。すなわちe1の最も好ましい範囲は、0.40≦e1≦0.60である。
f1の上限は望ましい順に、4.0であり、3.0であり、2.0であり、1.5であり、1.0であり、最も望ましくは0.90ある。なおf1の下限は0であり、Yは含有しない、すなわちf1=0が本発明の触媒の最も好ましい組成である。
g1の下限は望ましい順に、0.020であり、0.050であり、0.090であり、0.10であり、0.11であり、0.13であり、最も望ましくは0.14であり、g1の上限は望ましい順に、1.5であり、1.0であり0.90であり、0.80であり、0.50であり、0.40であり0.30であり、0.20であり、最も望ましくは0.16である。すなわちg1の最も好ましい範囲は、0.14≦g1≦0.16である。
前記式(1)中、a1とb1は1≦b1/a1≦3という関係を満たす。
b1/a1の上限は好ましい順に2.8、2.5、2.3、2.0、1.5、1.3、であり、特に好ましくは1.2である。従って、b1/a1の最も好ましい範囲は、1≦b1/a1≦1.2である。
b1/a1の上限は好ましい順に2.8、2.5、2.3、2.0、1.5、1.3、であり、特に好ましくは1.2である。従って、b1/a1の最も好ましい範囲は、1≦b1/a1≦1.2である。
[担持について]
触媒調製後に予備焼成を行った予備焼成粉体を不活性担体に担持させた触媒は、本発明の触媒として特に効果の優れたものである。なお本発明における不活性担体とは原料及び生成物に活性を持たない担体であり、例えば一般的に公知である反応条件におけるイソアミレンの転化率が3.0%以下であることが挙げられる。
不活性担体の材質としてはアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカアルミナ、炭化ケイ素、炭化物、ステアタイトおよびこれらの混合物など公知の物を使用でき、さらにその粒径、吸水率、機械的強度、各結晶相の結晶化度や混合割合なども特に制限はなく、最終的な触媒の性能、成形性や生産効率等を考慮して適切な範囲を選択されるべきである。なお、シリカ等上記成分は、不活性担体中の90質量%以上が好ましく、更に好ましくは95質量%以上である。
担体と予備焼成粉体の混合の割合は、各原料の仕込み質量により、下記式より担持率として算出される。
担持率(質量%)=(成形に使用した予備焼成粉体の質量)/{(成形に使用した予備焼成粉体の質量)+(成形に使用した担体の質量)}×100
上記担持率としての好ましい上限は、80質量%であり、さらに好ましくは60質量%である。
また好ましい下限は、20質量%であり、さらに好ましくは30質量%である。すなわち担持率として最も好ましい範囲は、30質量%以上60質量%以下である。
なお不活性担体としては、シリカ及び/又はアルミナが好ましく、シリカとアルミナの混合物が特に好ましい。
なお、担持に際して、バインダーを使用するのが好ましい。使用できるバインダーの具体例としては、水やエタノール、メタノール、プロパノール、多価アルコール、高分子系バインダーのポリビニールアルコール、無機系バインダーのシリカゾル水溶液等が挙げられるが、エタノール、メタノール、プロパノール、多価アルコールが好ましく、エチレングリコール等のジオールやグリセリン等のトリオール等が好ましく、グリセリンの濃度5質量%以上の水溶液が好ましい。グリセリン水溶液を適量使用することにより成型性が良好となり、機械的強度の高い、高性能な触媒が得られる。これらバインダーの使用量は、予備焼成粉末100質量部に対して通常2~60質量部であるが、グリセリン水溶液の場合は10~30質量部が好ましい。担持に際してバインダーと予備焼成粉末は成型機に交互に供給しても、同時に供給してもよい。なお具体的な担持方法の例は以下触媒の製造方法において記載する。
触媒調製後に予備焼成を行った予備焼成粉体を不活性担体に担持させた触媒は、本発明の触媒として特に効果の優れたものである。なお本発明における不活性担体とは原料及び生成物に活性を持たない担体であり、例えば一般的に公知である反応条件におけるイソアミレンの転化率が3.0%以下であることが挙げられる。
不活性担体の材質としてはアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカアルミナ、炭化ケイ素、炭化物、ステアタイトおよびこれらの混合物など公知の物を使用でき、さらにその粒径、吸水率、機械的強度、各結晶相の結晶化度や混合割合なども特に制限はなく、最終的な触媒の性能、成形性や生産効率等を考慮して適切な範囲を選択されるべきである。なお、シリカ等上記成分は、不活性担体中の90質量%以上が好ましく、更に好ましくは95質量%以上である。
担体と予備焼成粉体の混合の割合は、各原料の仕込み質量により、下記式より担持率として算出される。
担持率(質量%)=(成形に使用した予備焼成粉体の質量)/{(成形に使用した予備焼成粉体の質量)+(成形に使用した担体の質量)}×100
上記担持率としての好ましい上限は、80質量%であり、さらに好ましくは60質量%である。
また好ましい下限は、20質量%であり、さらに好ましくは30質量%である。すなわち担持率として最も好ましい範囲は、30質量%以上60質量%以下である。
なお不活性担体としては、シリカ及び/又はアルミナが好ましく、シリカとアルミナの混合物が特に好ましい。
なお、担持に際して、バインダーを使用するのが好ましい。使用できるバインダーの具体例としては、水やエタノール、メタノール、プロパノール、多価アルコール、高分子系バインダーのポリビニールアルコール、無機系バインダーのシリカゾル水溶液等が挙げられるが、エタノール、メタノール、プロパノール、多価アルコールが好ましく、エチレングリコール等のジオールやグリセリン等のトリオール等が好ましく、グリセリンの濃度5質量%以上の水溶液が好ましい。グリセリン水溶液を適量使用することにより成型性が良好となり、機械的強度の高い、高性能な触媒が得られる。これらバインダーの使用量は、予備焼成粉末100質量部に対して通常2~60質量部であるが、グリセリン水溶液の場合は10~30質量部が好ましい。担持に際してバインダーと予備焼成粉末は成型機に交互に供給しても、同時に供給してもよい。なお具体的な担持方法の例は以下触媒の製造方法において記載する。
[触媒の製造方法等について]
本発明の触媒やその予備焼成粉体を構成する各元素の出発原料としては特に制限されるものではないが、例えばモリブデン成分の原料としては三酸化モリブデンのようなモリブデン酸化物、モリブデン酸、パラモリブデン酸アンモニウム、メタモリブデン酸アンモニウムのようなモリブデン酸またはその塩、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸のようなモリブデンを含むヘテロポリ酸またはその塩などを用いることができる。
本発明の触媒やその予備焼成粉体を構成する各元素の出発原料としては特に制限されるものではないが、例えばモリブデン成分の原料としては三酸化モリブデンのようなモリブデン酸化物、モリブデン酸、パラモリブデン酸アンモニウム、メタモリブデン酸アンモニウムのようなモリブデン酸またはその塩、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸のようなモリブデンを含むヘテロポリ酸またはその塩などを用いることができる。
ビスマス成分の原料としては硝酸ビスマス、炭酸ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマスのようなビスマス塩、三酸化ビスマス、金属ビスマスなどを用いることができる。これらの原料は固体のままあるいは水溶液や硝酸溶液、それらの水溶液から生じるビスマス化合物のスラリーとして用いることができるが、硝酸塩、あるいはその溶液、またはその溶液から生じるスラリーを用いることが好ましい。
その他の成分元素の出発原料としては、一般にこの種の触媒に使用される金属元素のアンモニウム塩、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、次炭酸塩、酢酸塩、塩化物、無機酸、無機酸の塩、ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸の塩、硫酸塩、水酸化物、有機酸塩、酸化物またはこれらの混合物を組み合わせて用いればよいが、アンモニウム塩および硝酸塩が好適に用いられる。
これら活性成分を含む化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。スラリー液は、各活性成分含有化合物と水とを均一に混合して得ることができる。スラリー液における水の使用量は、用いる化合物の全量を完全に溶解できるか、または均一に混合できる量であれば特に制限はない。乾燥方法や乾燥条件を勘案して、水の使用量を適宜決定すれば良い。通常、スラリー調製用化合物の合計質量100質量部に対して、100質量部以上2000質量部以下である。水の量は多くてもよいが、多過ぎると乾燥工程のエネルギーコストが高くなり、又完全に乾燥できない場合も生ずるなどデメリットが多い。
上記各成分元素の供給源化合物のスラリー液は上記の各供給源化合物を、(イ)一括して混合する方法、(ロ)一括して混合後、熟成処理する方法、(ハ)段階的に混合する方法、(ニ)段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、および(イ)~(ニ)を組み合わせた方法により調製することが好ましい。ここで、上記熟成とは、「工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度などの特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行などをはかる操作」のことをいう。なお、本発明において、上記の一定時間とは、5分以上24時間以下の範囲をいい、上記の一定温度とは室温以上の水溶液ないし水分散液の沸点以下の範囲をいう。このうち最終的に得られる触媒の活性及び収率の面で好ましいのは(ハ)段階的に混合する方法であり、更に好ましいのは段階的に母液に混合する各原料は全溶した溶液とする方法であり、最も好ましいのはモリブデン原料を調合液またはスラリーとした母液に、アルカリ金属溶液、硝酸塩の各種混合液を混合する方法である。ただし、この工程で必ずしもすべての触媒構成元素を混合する必要はなく、その一部の元素または一部の量を以降の工程で添加してもよい。
本発明において、必須活性成分を混合する際に用いられる攪拌機の攪拌翼の形状は特に制約はなく、プロペラ翼、タービン翼、パドル翼、傾斜パドル翼、スクリュー翼、アンカー翼、リボン翼、大型格子翼などの任意の攪拌翼を1段あるいは上下方向に同一翼または異種翼を2段以上で使用することができる。また、反応槽内には必要に応じてバッフル(邪魔板)を設置しても良い。
次いで、このようにして得られたスラリー液を乾燥する。乾燥方法は、スラリー液が完全に乾燥できる方法であれば特に制約はないが、例えばドラム乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、蒸発乾固などが挙げられる。これらのうち本発明においては、スラリー液を短時間に粉末又は顆粒に乾燥することができる噴霧乾燥が特に好ましい。噴霧乾燥の乾燥温度はスラリー液の濃度、送液速度等によって異なるが、概ね乾燥機の出口における温度が70℃以上150℃以下である。
上記のようにして得られた触媒前駆体は、そのまま触媒として使用しても良いが、1回以上の焼成工程を経ることが好ましく、焼成工程の前後に必要に応じ成形工程を設けても良い。成形工程には公知の方法が適用でき、例えば押出成形、打錠成形、不活性担体へのコーティング方法などが挙げられる。
成形は、シリカ等の担体に担持する担持成形と、担体を使用しない非担持成形のいずれの成形方法も採用できる。具体的な成形方法としては、例えば、打錠成形、プレス成形、押出成形、造粒成形等が挙げられる。成形品の形状としては、例えば、円柱状、リング状、球状等が運転条件を考慮して適宜選択可能であるが、球状担体、特にシリカやアルミナ等の不活性担体に触媒活性成分を担持した、平均粒径3.0mm以上10.0mm以下、好ましくは平均粒径3.0mm以上8.0mm以下の担持触媒であるとよい。担持方法としては転動造粒法、遠心流動コーティング装置を用いる方法、ウォッシュコート方法等が広く知られており、予備焼成粉末が担体に均一に担持できる方法で有れば特に限定されないが、触媒の製造効率等を考慮した場合、転動造粒法が好ましい。具体的には、固定円筒容器の底部に、平らな、あるいは凹凸のある円盤を有する装置で、円盤を高速で回転させることにより、容器内にチャージされた担体を、担体自体の自転運動と公転運動の繰り返しにより激しく撹拌させ、ここに予備焼成粉体を添加することにより粉体成分を担体に担持させる方法である。なお、担持に際して、バインダーを使用するのが好ましい。使用できるバインダーの具体例としては、水やエタノール、メタノール、プロパノール、多価アルコール、高分子系バインダーのポリビニールアルコール、無機系バインダーのシリカゾル水溶液等が挙げられるが、エタノール、メタノール、プロパノール、多価アルコールが好ましく、エチレングリコール等のジオールやグリセリン等のトリオール等がより好ましく、グリセリンの濃度5質量%以上の水溶液がさらに好ましい。グリセリン水溶液を適量使用することにより成型性が良好となり、機械的強度の高い、高性能な触媒が得られる。これらバインダーの使用量は、予備焼成粉末100質量部に対して通常2~60質量部であるが、グリセリン水溶液の場合は15~50質量部が好ましい。担持に際してバインダーと予備焼成粉末は成型機に交互に供給しても、同時に供給してもよい。また、成形に際しては、公知の添加剤、例えば、グラファイト、タルク等を少量添加してもよい。なお、成形において添加される成形助剤、細孔形成剤、担体はいずれも、原料を何らかの別の生成物に転換する意味での活性の有無にかかわらず、本発明における活性成分の構成元素として考慮しないものとする。
予備焼成方法や予備焼成条件または本焼成方法や本焼成条件は特に限定されず、公知の処理方法および条件を適用することができる。予備焼成や本焼成は、通常、空気等の酸素含有ガス流通下または不活性ガス流通下で、200℃以上600℃以下、好ましくは300℃以上550℃以下で、0.5時間以上、好ましくは1時間以上40時間以下で行う。ここで、不活性ガスとは、触媒の反応活性を低下させない気体のことをいい、具体的には、窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。尚、触媒を使用して不飽和アルデヒド、及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際の反応条件等に応じて、特に本焼成における最適な条件は異なり、本焼成工程の工程パラメーターすなわち雰囲気中の酸素含有率、最高到達温度や焼成時間等の変更を行うことは当業者にとって公知であるため、本発明の範疇に入るものとする。また、本焼成工程は前述の予備焼成工程よりも後に実施されるものとし、本焼成工程における最高到達温度(本焼温度)は、前述の予備焼成工程における最高到達温度(予備焼成温度)よりも高いものとする。焼成の手法は流動床、ロータリーキルン、マッフル炉、トンネル焼成炉など特に制限はなく、最終的な触媒の性能、機械的強度、成形性や生産効率等を考慮して適切な範囲を選択されるべきである。
本発明の触媒は、イソプレンを製造する為の触媒として使用される。イソプレンを製造するような発熱反応のプロセスでは、実プラントにおいては反応により生じる発熱で触媒自身が劣化するのを防ぐ目的で、反応管入口側から反応管出口側に向けて活性が高くなるよう異なる触媒種を多層で充填することが当業者にとっては公知である。本発明の触媒は、反応管入り口側および反応管出口側、およびその中間の触媒層のいずれでも使用できるが、たとえば反応管の最も出口側、すなわち反応管内の全触媒層の中で最も高活性な触媒に用いることが最も好ましい。なお、多層充填においては、2層又は3層充填が特に好ましい態様である。
また、イソアミレンを出発原料とし、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化して、イソプレンを製造する際に好適に使用できる。本発明の製造方法において原料ガスの流通方法は、通常の単流通法でもあるいはリサイクル法でもよく、一般に用いられている条件下で実施することができ特に限定されない。たとえば出発原料物質としてのイソアミレンが常温で1~10容量%、好ましくは4~9容量%、分子状酸素が3~20容量%、好ましくは4~18容量%、水蒸気が0~60容量%、好ましくは4~50容量%、二酸化炭素、窒素等の不活性ガスが20~80容量%、好ましくは30~60容量%からなる混合ガスを反応管中に充填した本発明の触媒上に250~450℃で、常圧~10気圧の圧力下で、空間速度(GHSV)50~5000h-1で導入し反応を行う。
イソアミレン転化率が低い反応浴温度および反応条件で触媒を運転する場合、商業プラントでは一般にリサイクル法で運転を行う。リサイクル法とは、反応器を通過した生成ガスおよび/または生成液の一部または全部より、生成物および副生成物を一定量除去した後のガス成分(リサイクルガス)を、再度反応器に流通反応させるプロセスのことを意味し、リサイクルガスはその他原料ガスと混合されて必要に応じ適宜加温されるプロセスを含む。後述する実施例で示すような、リサイクル法を使用しない(単流通法)での選択率とは、リサイクル法における収率と同義であり、それゆえ本発明における高収率とは、ワンパスにおける選択率が高いことを含む。この収率または選択率のいずれで触媒の性能を判断するかは、精製系含めた後工程の能力や実プラントのキャピタルコストおよびオペレーションコスト含めた総合的な判断によるため、プラント毎により判断基準は異なるものではあるが、一般的には転化率が55%以上、85%以下の範囲であればリサイクル法にコストメリットがある場合がある。なお、以下に示す実施例においては、選択率は収率を転化率で除して求めることができる。
上記方法では、高濃度でイソアミレンガスを含有する。ここでいう高濃度とは、原料ガス中のイソアミレン濃度が、5容量%以上、好ましくは7容量%以上、より好ましくは8容量%以上20容量%以下、さらに好ましくは9容量%以上15容量%以下をいう。このようにイソアミレン濃度が高められることによって、イソプレンの生産性が高まる。一方、原料ガス中のイソアミレン濃度を増加させると、触媒への負荷量は増大し、従来以上に触媒の劣化は加速されることになる。特に、従来触媒においては劣化が大きく、イソプレンを長期にわたって安定して製造することができないという問題があった。しかしながら、本発明の複合触媒を用いることによって、上記問題が解決できることが判明した。
本発明において触媒活性の向上とは、特に断りがない限り同じ反応浴温度で触媒反応を行って比較をしたときに原料転化率が高いことを指す。
本発明において収率が高いとは、特に断りがない限り、イソアミレン等の原料にして酸化反応を行った場合には、対応するイソプレンの収率が高いことを指す。
本発明において触媒活性成分の構成元素とは、特に断りがない限り、上記触媒製造工程において使用するすべての元素を指すが、本焼工程の最高温度以下にて消失、昇華、揮発、燃焼する原料およびその構成元素は、触媒の活性成分の構成元素に含めないものとする。また、成形工程における成形助剤や担体に含まれるケイ素およびその他の無機材料を構成する元素も、触媒の活性成分の構成元素として含まれないものとする。
本発明においてホットスポット温度とは、多管式反応管内の長軸方向に熱電対を設置し、測定される触媒充填層内の温度分布の最高温度であり、反応浴温度とは反応管の発熱を冷却する目的で使用される熱媒の設定温度である。上記温度分布の測定の点数には特に制限はないが、例えば触媒充填長を均等に10から1000に分割する。
本発明において収率が高いとは、特に断りがない限り、イソアミレン等の原料にして酸化反応を行った場合には、対応するイソプレンの収率が高いことを指す。
本発明において触媒活性成分の構成元素とは、特に断りがない限り、上記触媒製造工程において使用するすべての元素を指すが、本焼工程の最高温度以下にて消失、昇華、揮発、燃焼する原料およびその構成元素は、触媒の活性成分の構成元素に含めないものとする。また、成形工程における成形助剤や担体に含まれるケイ素およびその他の無機材料を構成する元素も、触媒の活性成分の構成元素として含まれないものとする。
本発明においてホットスポット温度とは、多管式反応管内の長軸方向に熱電対を設置し、測定される触媒充填層内の温度分布の最高温度であり、反応浴温度とは反応管の発熱を冷却する目的で使用される熱媒の設定温度である。上記温度分布の測定の点数には特に制限はないが、例えば触媒充填長を均等に10から1000に分割する。
原料として使用するイソアミレンとはペンテンの分岐異性体、すなわち2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、3-メチル-1-ブテンのことを指し、これらのうちの1種類のみを使用しても良く、混合物であっても良い。
本発明のイソプレン製造用触媒は、その性能から、(i)ホットスポット温度の低減および(ii)活性の向上(iii)コーク等の閉塞物質の生成抑制という点で、反応プロセスを長時間安定に保つという効果も期待できる。
以下実施例において、本願発明を更に詳細に説明する。ただし、本願発明はこれらに限定されるものではない。
[酸化反応]
触媒1をステンレス鋼反応管に充填し、イソアミレン(2-メチル-2-ブテン)濃度5体積%、酸素濃度7体積%、窒素濃度88体積%、反応管内の全触媒に対する全ガスの重量空間速度(WHSV)0.2hr-1、反応浴の温度が400℃の条件で酸化反応を行った。
また、転化率、収率は以下の式に従って算出した。
転化率(%)=(反応したイソアミレンのモル数)/(供給したイソアミレンのモル数)×100
収率(%)=(生成したイソプレンのモル数)/(供給したイソアミレンのモル数)×100
触媒1をステンレス鋼反応管に充填し、イソアミレン(2-メチル-2-ブテン)濃度5体積%、酸素濃度7体積%、窒素濃度88体積%、反応管内の全触媒に対する全ガスの重量空間速度(WHSV)0.2hr-1、反応浴の温度が400℃の条件で酸化反応を行った。
また、転化率、収率は以下の式に従って算出した。
転化率(%)=(反応したイソアミレンのモル数)/(供給したイソアミレンのモル数)×100
収率(%)=(生成したイソプレンのモル数)/(供給したイソアミレンのモル数)×100
[実施例1]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部と硝酸カルシウム5.6質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄34.3質量部、硝酸コバルト98.9質量部及び硝酸ニッケル11.0質量部を60℃に加温した純水79.4質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス38.9質量部を60℃に加温した純水41.3質量部に硝酸(60質量%)9.9質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒1を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs:Ca=12:1.7:1.8:7.2:0.80:0.15:0.50)
得られた触媒1を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部と硝酸カルシウム5.6質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄34.3質量部、硝酸コバルト98.9質量部及び硝酸ニッケル11.0質量部を60℃に加温した純水79.4質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス38.9質量部を60℃に加温した純水41.3質量部に硝酸(60質量%)9.9質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒1を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs:Ca=12:1.7:1.8:7.2:0.80:0.15:0.50)
得られた触媒1を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[実施例2]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム3.7質量部を純水33.3質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄38.1質量部、硝酸コバルト98.9質量部及び硝酸ニッケル11.0質量部を60℃に加温した純水78.5質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス20.6質量部を60℃に加温した純水21.8質量部に硝酸(60質量%)5.2質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒2を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:7.2:0.80:0.40)
得られた触媒2を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム3.7質量部を純水33.3質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄38.1質量部、硝酸コバルト98.9質量部及び硝酸ニッケル11.0質量部を60℃に加温した純水78.5質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス20.6質量部を60℃に加温した純水21.8質量部に硝酸(60質量%)5.2質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒2を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:7.2:0.80:0.40)
得られた触媒2を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[実施例3]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄28.6質量部、硝酸コバルト98.9質量部、硝酸ニッケル11.0質量部及び硝酸セリウム20.5質量部を60℃に加温した純水84.3質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス34.3質量部を60℃に加温した純水36.4質量部に硝酸(60質量%)8.7質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒3を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs:Ce=12:1.5:1.5:7.2:0.80:0.15:1.0)
得られた触媒3を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄28.6質量部、硝酸コバルト98.9質量部、硝酸ニッケル11.0質量部及び硝酸セリウム20.5質量部を60℃に加温した純水84.3質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス34.3質量部を60℃に加温した純水36.4質量部に硝酸(60質量%)8.7質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒3を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs:Ce=12:1.5:1.5:7.2:0.80:0.15:1.0)
得られた触媒3を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[実施例4]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄36.2質量部、硝酸コバルト98.9質量部及び硝酸ニッケル11.0質量部を60℃に加温した純水77.4質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス29.8質量部を60℃に加温した純水31.6質量部に硝酸(60質量%)7.6質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒4を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.3:1.9:7.2:0.80:0.15)
得られた触媒4を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄36.2質量部、硝酸コバルト98.9質量部及び硝酸ニッケル11.0質量部を60℃に加温した純水77.4質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス29.8質量部を60℃に加温した純水31.6質量部に硝酸(60質量%)7.6質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒4を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.3:1.9:7.2:0.80:0.15)
得られた触媒4を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[実施例5]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄43.9質量部、硝酸コバルト94.8質量部及び硝酸ニッケル8.2質量部を60℃に加温した純水77.8質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス32.1質量部を60℃に加温した純水34.0質量部に硝酸(60質量%)8.2質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒5を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.4:2.3:6.9:0.60:0.15)
得られた触媒5を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄43.9質量部、硝酸コバルト94.8質量部及び硝酸ニッケル8.2質量部を60℃に加温した純水77.8質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス32.1質量部を60℃に加温した純水34.0質量部に硝酸(60質量%)8.2質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒5を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.4:2.3:6.9:0.60:0.15)
得られた触媒5を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[実施例6]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄51.5質量部、硝酸コバルト97.5質量部及び硝酸ニッケル6.9質量部を60℃に加温した純水82.6質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス38.9質量部を60℃に加温した純水41.3質量部に硝酸(60質量%)9.9質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒6を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:2.7:7.1:0.50:0.15)
得られた触媒6を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.4質量部を純水12.6質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄51.5質量部、硝酸コバルト97.5質量部及び硝酸ニッケル6.9質量部を60℃に加温した純水82.6質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス38.9質量部を60℃に加温した純水41.3質量部に硝酸(60質量%)9.9質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒6を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:2.7:7.1:0.50:0.15)
得られた触媒6を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[比較例1]
60℃に加温した純水24.3質量部に硝酸(60質量%)5.8質量部を加え硝酸ビスマス22.9質量部を溶解させた(母液1)。次に、硝酸カリウム4.8質量部、硝酸第二鉄114.4質量部及び硝酸コバルト75.6質量部を母液1に溶解させた。そしてリン酸(85質量%)を5.4質量部母液1に加えた。ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した少量の純水に完全溶解させ母液1に徐々に加えた。出来上がったスラリー液がゲル化するまで加熱撹拌を行い、作成したゲルを皿中に入れ130℃、16時間の条件で乾燥した。得られた乾燥粉体を430℃、16時間の条件で予備焼成した。その後、再度540℃、3時間の条件で本焼成し触媒7を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:K:P=12:1.0:6.0:5.5:1.0:1.0)
得られた触媒7を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
60℃に加温した純水24.3質量部に硝酸(60質量%)5.8質量部を加え硝酸ビスマス22.9質量部を溶解させた(母液1)。次に、硝酸カリウム4.8質量部、硝酸第二鉄114.4質量部及び硝酸コバルト75.6質量部を母液1に溶解させた。そしてリン酸(85質量%)を5.4質量部母液1に加えた。ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した少量の純水に完全溶解させ母液1に徐々に加えた。出来上がったスラリー液がゲル化するまで加熱撹拌を行い、作成したゲルを皿中に入れ130℃、16時間の条件で乾燥した。得られた乾燥粉体を430℃、16時間の条件で予備焼成した。その後、再度540℃、3時間の条件で本焼成し触媒7を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:K:P=12:1.0:6.0:5.5:1.0:1.0)
得られた触媒7を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
[比較例2]
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム0.92質量部を純水8.3質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄45.8質量部、硝酸コバルト81.1質量部及び硝酸ニッケル52.2質量部を60℃に加温した純水94.9質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス57.2質量部を60℃に加温した純水60.7質量部に硝酸(60質量%)14.6質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒8を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:2.5:2.4:5.9:3.8:0.10)
得られた触媒8を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム100質量部を60℃に加温した純水380質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム0.92質量部を純水8.3質量部に溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄45.8質量部、硝酸コバルト81.1質量部及び硝酸ニッケル52.2質量部を60℃に加温した純水94.9質量部に溶解させ、母液1に滴下して加えた。続いて硝酸ビスマス57.2質量部を60℃に加温した純水60.7質量部に硝酸(60質量%)14.6質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ母液1に滴下して加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、4時間の条件で予備焼成した。その後、再度500℃、4時間の条件で本焼成し触媒8を得た。(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:2.5:2.4:5.9:3.8:0.10)
得られた触媒8を上記[酸化反応]に記載の方法でイソアミレンの酸化脱水素反応を行った。得られた反応後のガスを分析した結果を表1に示す。
本発明の触媒を使用することにより、イソアミレンを出発原料としてイソプレンを製造する場合に、高い収率を得ることが可能である。
Claims (7)
- 下記式(1)で表される組成を有することを特徴とするイソプレン製造用触媒。
Mo12Bia1Feb1Coc1Nid1Xe1Yf1Zg1Oh1 (1)
(式中Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Niはニッケル、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Yはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Zはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、a1~g1は各成分の原子比率を表し、h1は触媒成分の酸化度で決定される数値であり、a1~g1はそれぞれ、0<a1≦7、0<b1≦10、0≦c1≦10、0≦d1≦10、0≦e1≦5、0≦f1≦5、0≦g1≦2であり、また1≦b1/a1≦3である。) - 前記式(1)において、Zはセシウムであり、かつ0<g1≦2である請求項1に記載のイソプレン製造用触媒。
- 前記式(1)において、1≦b1/a1≦2.5である請求項1又は2に記載のイソプレン製造用触媒。
- 前記式(1)において、e1の範囲が0<e1≦5である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のイソプレン触媒
- 不活性担体に担持された請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイソプレン製造用触媒。
- 前記不活性担体がシリカ及び/又はアルミナである請求項5に記載の触媒。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の触媒を用いたイソプレンの製造方法。
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