JP2022123765A - アシストデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】アシスト力のサポートを要しない作業が含まれる場合においても、全体として作業者が作業を円滑に実施可能なアシストデバイスを提供すること。【解決手段】本発明の一実施形態では、作業者の上肢を着脱自在に支持しかつ該上肢にかかる重力に抗するアシスト力を発生させることが可能な上肢支持部を備え、アシストオフ時における前記上肢で作業可能な領域外に前記上肢支持部を移動保持可能となっている、アシストデバイスである。【選択図】図6

Description

本発明はアシストデバイスに関する。特に、本発明は、作業者に装着可能な装着型のアシストデバイスに関する。
近年、作業負荷軽減および作業環境改善等を図るために、作業者がアシストデバイスを装着した上で作業を行う手法の導入が積極的に行われている。かかるアシストデバイスは、その構成要素である上肢支持部に作業者の腕等の上肢を支持させた際に、上肢にかかる重力に抗するアシスト力を発生させる機能を有している。これにより、作業者は例えば重量が相対的に大きい重量物の運搬を円滑に行うことが可能となる。
特表2014-503320号公報 特開2017-159442号公報 特表2017-512666号公報
ここで、本願発明者は、従前のアシストデバイスには以下の点で改善する事項があることを新たに見出した。具体的には、作業者の作業内容、種類によっては、アシストデバイスの上肢支持部に作業者の腕等の上肢を支持させて上記アシスト力のサポートを要する作業(アシストオン作業)と、当該アシスト力のサポートを要しない作業(アシストオフ作業)とが含まれる場合があり得る。後者の作業の場合、同作業における上肢で作業可能な領域に上肢支持部が存在すると、アシスト力のサポートを要しない作業をかえって円滑に行うことが容易ではなくなる虞がある。
そこで、本発明は、アシスト力のサポートを要しない作業が含まれる場合においても、全体として作業者が作業を円滑に実施可能なアシストデバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
作業者の上肢を着脱自在に支持しかつ該上肢にかかる重力に抗するアシスト力を発生させることが可能な上肢支持部を備え、
アシストオフ時における前記上肢で作業可能な領域外に前記上肢支持部を移動保持可能となっている、アシストデバイスが提供される。
本発明の一実施形態に従えば、アシスト力のサポートを要しない作業が含まれる場合においても、全体として作業者が作業を円滑に実施可能である。
本発明の一実施形態に係るアシストオン時(重量物運搬時)のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時(重量物運搬時)のアシストデバイスを模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時(高所作業時)のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時(低姿勢作業時)のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスを模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスの上肢支持部の状態を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの上肢支持部の状態を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスの第1の好ましい態様を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの第1の好ましい態様を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの構成要素である弾性部材の引張長さの違いを模式的に示す上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの構成要素である弾性部材の引張長さの違いを模式的に示す詳細上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスの第2の好ましい態様を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの第2の好ましい態様を模式的に示した上面図である。
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態に係るアシストデバイスをより詳細に説明する。図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比等は実物とは異なり得る。
[アシストデバイスの基本的構成]
本発明の特徴部分を説明する前に、本発明の一実施形態に係るアシストデバイスの全体的な構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時(重量物運搬時)のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時(重量物運搬時)のアシストデバイスを模式的に示した上面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時(高所作業時)のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。図4は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時(低姿勢作業時)のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態に係るアシストデバイス100は、本体部10、連結部20、上肢支持部30、および軸支部40を備える。
本体部10は、作業者200の背面202側、具体的には作業者200の背面202と対向するように装着可能である。連結部20は、本体部10と上肢支持部30との間を連結するものであり、本体部10と上肢支持部30との間にて直列配置でおよび/または並列配置で少なくとも1つ供される。
上肢支持部30は、作業者200の上肢201を着脱自在に支持しかつ当該上肢201にかかる重力に抗するアシスト力を発生させることが可能なものである。本明細書でいう上肢とは、作業者の上腕、前腕、手等含むものを指す。具体的には、上肢支持部30は、電気式、液圧式、又は気圧式の加圧部材、又は圧縮バネ等の弾性部材を内部に備え、当該加圧部材又は弾性部材が上肢201を支持した際に上肢201にかかる重力とは略反対方向に上肢201に力を作用可能に構成されている。軸支部40は、連結部20と上肢支持部30とが回転可能に軸支接続された部分である。
アシストデバイス100が上記構成要素を備えることで、図1および図2に示すように、重量が相対的に大きい重量物300、例えば15kg以上20kg以下の重量物300の運搬時に、作業者200は、上肢201を上肢支持部30に支持させ、上肢201にかかる重力に抗するアシスト力のサポートを受けることで、当該重量物300を円滑に運搬することが可能となる。
同様に、図3および図4に示すように、作業者200は、アシストデバイス100により上肢201にかかる重力に抗するアシスト力のサポートを受けることで、高所作業や低姿勢作業を円滑に行うことが可能となる。
作業者200は、アシストデバイス100により上肢201にかかる重力に抗するアシスト力のサポートを受けることで、重筋作業を円滑に行うことが可能となる。
[本発明の特徴部分]
アシストデバイス100の上記の基本的構成を前提として、以下、本発明の特徴部分について説明する(図5および図6参照)。
図5は、本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスを模式的に示した側面図である。図6は、本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスを模式的に示した上面図である。
既述のように、従前のアシストデバイスでは、作業者の作業内容、種類によっては、アシストデバイスの上肢支持部に作業者の腕等の上肢を支持させて上記アシスト力のサポートを要する作業と、当該アシスト力のサポートを要しない作業とが含まれる場合があり得る。後者の作業の場合、アシスト力のサポートを要しない作業における上肢動作領域内にアシストデバイスの上肢支持部が存在すると、アシスト力のサポートを要しない作業をかえって円滑に行うことが容易ではなくなる虞がある。
そこで、本願発明者は、アシスト力のサポートを要しない作業が含まれる場合においても、全体として作業者が作業を円滑に実施可能とするための改善策について鋭意検討した。その結果、本願発明者は、図5および図6に示すように、「アシストオフ時における作業者200の上肢201で作業可能な領域X外の領域Yに上肢支持部30を移動保持させる」という技術的思想を有する本発明を案出するに至った。なお、本明細書でいう「アシストオフ時における上肢で作業可能な領域X」とは、アシストオフ時にアシストデバイスの補助を受けることなく軽作業等を上肢で実施できる領域を指す。本明細書でいう「アシストオフ時における作業者の上肢で作業可能な領域X外の領域Y」とは、アシストオフ時にアシストデバイスの補助を受けることなく軽作業等を上肢で実施できる領域を除く領域を指す。
かかる技術的思想によれば、アシストデバイス100の「アシストオフ」時における作業、即ちアシスト力のサポートを要しない作業(例えば通常姿勢での工具400を用いたネジ止め作業等の軽作業)を行う場合に、アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域Xに上肢支持部30が存在しない。本明細書でいう「通常姿勢での軽作業」とは、高所作業および重量物運搬作業に生じる上肢にかかる重力と比べて相対的に小さい重力ですむ姿勢での作業を指す。
この事は、作業開始時より「アシストオフ」時の作業を行う場合のみならず、「アシストオン」時の作業後に「アシストオフ」時の作業を行う場合にも同様のことが言える。具体的は、この場合にも、アシストオン時における上肢201の支持位置から、アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域X外の領域Yへと、上肢支持部30を移動保持させることが可能となり、それにより、アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域Xに上肢支持部30が存在しないこととなる。
これにより、アシストオフ時における作業、即ちアシスト力のサポートを要しない作業を上肢支持部30により阻害されることが回避可能となる。その結果、アシスト力のサポートを要しない作業が含まれる場合においても、全体として作業者200は作業を円滑に実施可能となる。
なお、本発明の一実施形態では更に、「アシストオフ」時の作業後に「アシストオン」時の作業(例えば上記の高所作業、重量物運搬作業等)を行うことができる。即ち、図5、6に示す状態から図1、図3又は図4に示す状態へと移行させることができる。具体的には、アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域X外の領域Yから、アシストオン時における上肢で作業可能な領域Zへと、上肢201を支持する上肢支持部30を移動可能となっている。なお、本明細書でいう「アシストオン時における上肢で作業可能な領域Z」とは、アシストデバイスの補助を受けながら重筋作業(上記の高所作業、重量物運搬作業等)を上肢で実施できる領域を指す。
これにより、アシストオン時における作業を上肢支持部30によって好適に実施することが可能となる。具体的には、上肢支持部30により阻害されることなくアシストオフ時における作業(例えば通常姿勢でのネジ止め作業等の軽作業)を行った後に、上肢支持部30のサポートの下、アシストオン時における作業としての高所作業、重量物運搬作業等を行うことができる。
以上の事からも、本発明の一実施形態では、アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域X外の領域Yと、アシストオン時における上肢201で作業可能な領域との間Zで、上肢支持部30を移動自在となっている。これにより、「アシストオン」時の作業(例えば上記の高所作業、重量物運搬作業等)と、「アシストオフ」時の作業(例えば通常姿勢でのネジ止め作業等の軽作業)とをいずれも、作業者200より適時必要なタイミングで実施可能である。
(アシストオフ時における上肢支持部30の移動保持の実現態様)
以下では、上記のアシストオフ時における上肢支持部30の移動保持の実現態様について説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスの上肢支持部の状態を模式的に示した上面図である。図8は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの上肢支持部の状態を模式的に示した上面図である。
図7に示すように、本発明の一実施形態では、アシストデバイス100は、上述の連結部20と上肢支持部30との軸支部40以外の部分で、連結部20と上肢支持部30とを接続する弾性部材50を更に備える。弾性部材50としては、引張バネ又はゴム部材等であることができる。なお、本明細書にて、連結部20と上肢支持部30とを接続する弾性部材をAと記載する場合もある。
具体的には、図7に示すように、連結部20は、レール部材21および軸支部40とは反対側のレール部材21の他端21b側に設けられた固定型パーツ22を有して成る。軸支部40は、連結部のレール部材21の一端21aと上肢支持部30の一端31とが回転可能に軸支接続された部分である。弾性部材50は、その一端51が上肢支持部30の他端32側と接続され、他端52が固定側パーツ22と接続されるように構成されている。
本発明の一実施形態では、かかる弾性部材50がアシストオフ時に上肢支持部30を連結部20側へと付勢可能となっている。これにより、アシストオフ時に弾性部材50により、上肢支持部30が連結部20側へと付勢され、それによってアシストオフ時に上肢201で作業可能な領域X外の領域Yに上肢支持部30を移動保持可能となる(図5および図6参照)。これにより、上述のように、上肢支持部30により阻害されることなくアシストオフ時の作業(例えば通常姿勢でのネジ止め作業等の軽作業)を行うことができる。
なお、アシストオフ時に上肢201で作業可能な領域X外の領域Yに上肢支持部30を好適に移動保持させる観点から、上肢支持部30が付勢される方向側にある連結部20は、上肢201の作業動作領域外に固定配置され得る。一例としては、かかる観点から、連結部20は作業者200の肩部203側に固定配置され得る(図6参照)。ここでいう「上肢の作業動作領域外」とは、アシストオン時およびアシストオフ時のいずれの時点でも上肢の作業動作が及ばない領域を指す。
又、アシストオフ時に上肢支持部30を連結部20側へと好適に付勢可能とするため、弾性部材50は、その少なくとも一端が上肢支持部30および連結部20の一方に固定接続され得る。図7および図8に示す態様では、弾性部材50の両端51、52が上肢支持部30の他端32側と連結部20の固定側パーツ22にそれぞれ固定接続されている。
一方、アシストオン時には、「アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域X外の領域Y」から「アシストオン時における上肢で作業可能な領域Z」へと上肢支持部30を移動させるために、図8に示すように、軸支部40を基点として上肢支持部30を連結部20から離れるように枢動させる。
具体的には、上肢支持部30に上肢201を支持させ、支持させた上肢201をアシストオン時における上肢で作業可能な領域Zへと枢動させることで、軸支部40を基点として上肢支持部30を連結部20から離れるように枢動させることが可能となる。これにより、上肢で作業可能な領域Zにて、作業者200はアシストオン時の作業(例えば上記の高所作業、重量物運搬作業等)を行うことができる。
(本発明の好ましい態様)
以下、本発明の好ましい態様について説明する。
上記のとおり、アシストオフ時における上肢支持部30の移動保持は弾性部材50を用いることで実現することができる。この点につき、上記のとおり、図7および図8に示すように、弾性部材50の両端51、52が上肢支持部30の他端32側と連結部20の固定側パーツ22にそれぞれ固定接続されている場合、以下の点で改善を更に図ることができる。
具体的には、弾性部材50として引張バネを用いる場合を例に採ると(図8参照)、アシストオン時には、「アシストオフ時における上肢201で作業可能な領域X外の領域Y」から「アシストオン時における上肢で作業可能な領域Z」まで上肢支持部30を枢動移動させるため、引張バネが引張される。
この際、弾性部材50の両端51、52が上肢支持部30の他端32側と連結部20の固定側パーツ22にそれぞれ固定接続されていると、引張された状態のバネの長さが相対的に長くなり、引張力が相対的に大きくなり得る。
その結果、上肢支持部30の連結部20側に対する付勢力が相対的に大きくなり得るため、上肢支持部30から上肢を取り外すと、その性質により上肢支持部30が勢い余って連結部20側へと枢動移動され得る。特に、連結部20が作業者200の肩部203側に固定配置されている場合、作業者の肩部20側への付勢力が相対的に大きくなり、その結果として、作業者の肩部20への負担が大きくなり得る。
かかる事項をふまえると、作業者への負担の低減を図る観点から、アシストオン時に引張される引張バネの引張力を相対的に低減させることが好ましい。
本願発明者はアシストオン時に引張バネの引張力の低減を図るための好ましい態様についても鋭意検討した。その結果、本願発明者は下記の2つの好ましい態様を更に新たに見出した。以下、その好ましい態様について説明する。
(第1の好ましい態様)
まず、第1の好ましい態様について説明する。第1の好ましい態様では、弾性部材50Aの一端51Aが上肢支持部30に固定されている場合を例に採る。これに限定されることなく、弾性部材50Aの一端が連結部20側に固定される態様を採ることもできる。
図9は、本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスの第1の好ましい態様を模式的に示した上面図である。図10は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの第1の好ましい態様を模式的に示した上面図である。図11は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの構成要素である弾性部材の引張長さの違いを模式的に示す上面図である。図12は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの構成要素である弾性部材の引張長さの違いを模式的に示す詳細上面図である。
一態様では、軸支部40を基点とした上肢支持部30の枢動動作の際に、弾性部材50Aの他端52Aが、軸支部40に近づくように連結部20にて位置変化可能となっていることが好ましい。なお、弾性部材50Aの一端が連結部20側に固定される態様では、弾性部材50Aの他端が、軸支部40に近づくように上肢支持部30にて位置変化可能となっていることが好ましい。
一例として、図7の態様と比べて図9の態様では、連結部20は、レール部材21、固定型パーツ22、可動型パーツ23、および固定型パーツ22と可動型パーツ23との間をつなぐ弾性部材50B(Bと記載する場合もある)を備える。
固定型パーツ22は、軸支部40とは反対側のレール部材21の他端21b側に設けられたものである。可動型パーツ23は、固定型パーツ22と軸支部40との間にてレール部材21に可動できるように設けられたものである。弾性部材50Aは、図7に示す弾性部材50に対応するものであり、その一端51Aが上肢支持部30の他端32側と接続され、他端52Aが可動型パーツ23と接続されるように構成されている。
又、弾性部材50Aは、アシストオフ時に上肢支持部30を連結部20の可動型パーツ23側へと付勢可能となっている。弾性部材50Bはアシストオフ時に可動型パーツ23を固定型パーツ22側へと付勢可能となっている。弾性部材50A、50Bとしては、引張バネ又はゴム部材等であることができる。
アシストオフ時には、弾性部材50Aが上記の特性を有するが故、弾性部材50Aが引張状態ではないことにより、上肢支持部30の他端32側と可動型パーツ23の端部23aとは近接した状態となっている。同様に、弾性部材50Bが上記の特性を有するが故、弾性部材50Bが引張状態ではないことにより、固定型パーツ22と可動型パーツ23とは近接した状態となっている。これにより、アシストオフ時に上肢201で作業可能な領域X外の領域Yに上肢支持部30を移動保持可能となる(図5および図6参照)。
一方、アシストオン時には、上肢支持部30に上肢201を支持させ、支持させた上肢201をアシストオン時における上肢で作業可能な領域Zへと枢動させることで、図10に示すように、軸支部40を基点として上肢支持部30を連結部20から離れるように枢動させることが可能となる。
この際、本態様では、弾性部材50Aの一端51Aは上肢支持部30の他端32側と接続され、他端52Aは可動型パーツ23と接続されているため、軸支部40を基点とした上肢支持部30の枢動動作の際に、弾性部材50Aの他端52Aと接続された可動型パーツ23が軸支部40に近づくように連結部20にて位置変化可能となっている。これに伴い、可動型パーツ23に一端が接続された弾性部材50Bが引張される。
これにより、図11および図12に示すように、弾性部材50の両端51、52が上肢支持部30の他端32側と連結部20の固定側パーツ22にそれぞれ固定接続されている場合(図7、図8参照)と比べて、弾性部材50Aの引張された状態のバネの長さが相対的に短くなり得る。その結果、アシストオン時に引張される引張バネの引張力を相対的に低減させることができる。なお、この場合、図11および図12に示す弾性部材50と弾性部材50Aとは同じバネ定数を有することを前提としている。
(第2の好ましい態様)
次に、第2の好ましい態様について説明する。第2の好ましい態様では、弾性部材50Cの一端51Cが連結部20に固定されている場合を例に採る。これに限定されることなく、弾性部材50Cの一端が上肢支持部30側に固定される態様を採ることもできる。
図13は、本発明の一実施形態に係るアシストオフ時のアシストデバイスの第2の好ましい態様を模式的に示した上面図である。図14は、本発明の一実施形態に係るアシストオン時のアシストデバイスの第2の好ましい態様を模式的に示した上面図である。
一態様では、上肢支持部30が長手方向に摺動可能な摺動部材34を更に有して成り、弾性部材50Cの他端52Cが摺動部材34に取り付けられていることが好ましい。なお、弾性部材50Cの一端が上肢支持部30側に固定される場合、連結部20が長手方向に摺動可能な摺動部材を更に有して成り、弾性部材50Cの他端52Cが当該摺動部材に取り付けられていることが好ましい。
一例として、図13の態様では、連結部20は、レール部材21および固定型パーツ22を備える。上肢支持部30は、リンク部材33および摺動部材34を備える。固定型パーツ22は、軸支部40とは反対側のレール部材21の他端21b側に設けられたものである。摺動部材34は、リンク部材33の両端33a、33b間で摺動可能に構成され、アシストオフ時に軸支部40とは反対側のリンク部材33の他端33b側に配置可能に構成されているものである。又、弾性部材50Cは、アシストオフ時に上肢支持部30を連結部20の固定型パーツ22側へと付勢可能となっている。弾性部材50Cとしては、引張バネ又はゴム部材等であることができる。
アシストオフ時には、弾性部材50Cが上記の特性を有するが故、弾性部材50Cが引張状態ではないことにより、弾性部材50Cの他端52Cが取り付けられた摺動部材34の端部34aと、弾性部材50Cの一端51Cが取り付けられた固定型パーツ22とは近接した状態となっている。これにより、アシストオフ時に上肢201で作業可能な領域X外の領域Yに上肢支持部30を移動保持可能となる(図5および図6参照)。
一方、アシストオン時には、上肢支持部30に上肢201を支持させ、支持させた上肢201をアシストオン時における上肢で作業可能な領域Zへと枢動させることで、図14に示すように、軸支部40を基点として上肢支持部30を連結部20から離れるように枢動させることが可能となる。
本態様では、弾性部材50Cの一端51Cが固定型パーツ22に取り付けられ、弾性部材50Cの他端52Cがリンク部材33の両端33a、33b間で摺動可能な摺動部材34に取り付けられている。そのため、軸支部40を基点とした上肢支持部30の枢動動作の際に、アシストオフ時に軸支部40とは反対側のリンク部材33の他端33b側に配置されていた摺動部材34が軸支部40に近づくようにリンク部材33にて位置変化可能となっている。
これにより、弾性部材50の両端51、52が上肢支持部30の他端32側と連結部20の固定側パーツ22にそれぞれ固定接続されている場合(図7、図8参照)と比べて、図14に示すように、弾性部材50Cの引張された状態のバネの長さが相対的に短くなり得る。その結果、アシストオン時に引張される引張バネの引張力を相対的に低減させることができる。なお、図13および図14に示す弾性部材50Cと図7、8に示す弾性部材50とは同じバネ定数を有することを前提としている。
以上の事からも、第1の好ましい態様および第2の好ましい態様のいずれにおいても、アシストオン時に引張される引張バネの引張力の低減化により、上肢支持部30の連結部20側に対する付勢力が相対的に小さくなり得る。そのため、上肢支持部30から上肢を取り外すと、その性質により上肢支持部30が勢い余ることなく連結部20側へと枢動移動され得る。その結果、連結部20が作業者200の肩部203側に固定配置されている場合においても、作業者の肩部20側への付勢力が相対的に小さくなり、作業者の肩部20への負担を低減することができる(図6参照)。
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計上の変更が可能である。
本発明の一実施形態に係るアシストデバイス100は、自動車の組立てにて好適に利用することができる。
100 アシストデバイス
10 本体部
20 連結部
21 レール部材
21a レール部材の一端
21b レール部材の他端
22 固定型パーツ
23 可動型パーツ
30 上肢支持部
31 上肢支持部の一端
32 上肢支持部の他端
33 リンク部材
33a リンク部材の一端
33b リンク部材の他端
34a 摺動部材の端部
40 軸支部
50、50A、50B、50C 弾性部材
51、51A、51C 弾性部材の一端
52、52A、52C 弾性部材の他端
200 作業者
201 作業者の上肢
202 作業者の背面
203 作業者の肩部
300 重量物
400 工具
X アシストオフ時における作業者の上肢で作業可能な領域
Y アシストオフ時における作業者の上肢で作業可能な領域X外の領域
Z アシストオン時における上肢で作業可能な領域

Claims (15)

  1. 作業者の上肢を着脱自在に支持しかつ該上肢にかかる重力に抗するアシスト力を発生させることが可能な上肢支持部を備え、
    アシストオフ時における前記上肢で作業可能な領域外に前記上肢支持部を移動保持可能となっている、アシストデバイス。
  2. アシストオン時における前記上肢の支持位置から、前記アシストオフ時における前記上肢で作業可能な領域外へと前記上肢支持部を移動保持可能となっている、請求項1に記載のアシストデバイス。
  3. 前記アシストオフ時における前記上肢で作業可能な領域外から、前記アシストオン時における前記上肢で作業可能な領域へと、該上肢を支持する前記上肢支持部を移動可能となっている、請求項1又は2に記載のアシストデバイス。
  4. 前記アシストオフ時における前記上肢で作業可能な領域外と、前記アシストオン時における前記上肢で作業可能な領域との間で、前記上肢支持部を移動自在となっている、請求項1~3のいずれかに記載のアシストデバイス。
  5. 前記作業者の背面側に装着可能な本体部と該本体部と前記上肢支持部との間を連結する少なくとも1つの連結部を更に備え、前記連結部と前記上肢支持部とが、回転可能に軸支されかつ該軸支部以外の部分で弾性部材Aを介して接続されており、および、前記弾性部材Aが前記アシストオフ時に前記上肢支持部を前記連結部側へと付勢可能となっている、請求項1~4のいずれかに記載のアシストデバイス。
  6. 前記連結部が前記上肢の作業動作領域外に固定配置されている、請求項5に記載のアシストデバイス。
  7. 前記連結部が前記作業者の肩部側に位置づけられる、請求項5又は6に記載のアシストデバイス。
  8. 前記弾性部材Aが引張バネ又はゴム部材である、請求項5~7のいずれかに記載のアシストデバイス。
  9. 前記弾性部材Aの少なくとも一端は前記上肢支持部および前記連結部の一方に固定されている、請求項5~8のいずれかに記載のアシストデバイス。
  10. 前記軸支部を基点とした前記上肢支持部の枢動動作の際に、前記弾性部材Aの他端が、前記軸支部に近づくように前記上肢支持部および前記連結部の他方にて位置変化可能となっている、請求項9に記載のアシストデバイス。
  11. 前記上肢支持部および前記連結部の前記他方が、固定型パーツ、可動型パーツ、および該固定型パーツと可動型パーツとの間をつなぐ弾性部材Bを更に備え、前記弾性部材Aの前記他端が前記可動型パーツに取り付けられている、請求項10に記載のアシストデバイス。
  12. 前記上肢支持部および前記連結部の前記他方が該他方の長手方向に摺動可能な摺動部材を更に有して成り、前記弾性部材Aの前記他端が前記摺動部材に取り付けられている、請求項10に記載のアシストデバイス。
  13. 前記アシストオフ時における作業が、重筋作業以外の通常姿勢時での軽作業である、請求項1~12のいずれかに記載のアシストデバイス。
  14. 前記アシストオン時における作業が重筋作業であり、該重筋作業が前記作業者の高所作業および15kg以上20kg以下の重量物の運搬作業の少なくとも一方の作業である、請求項2に従属する請求項13に記載のアシストデバイス。
  15. 自動車の組立てのために用いられる、請求項1~14のいずれかに記載のアシストデバイス。
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