JP2022122163A - サイホン排水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない部品点数で、迅速にサイホン力を発生させることができるサイホン排水システムを提供する。【解決手段】サイホン排水システム10は、水廻り器具20からの排水を流し、水平方向に延在する横引き管46と、横引き管46の排水方向下流側に設けられ、下方向に延在する竪管48と、横引き管46と竪管48との間に設けられ水平方向から下方向へ湾曲形成された落とし込み管32と、を備えている。落とし込み管32は、流路の中心軸32CLを境にして、湾曲の径方向内側の流路断面積Aが、湾曲の径方向外側の流路断面積Bよりも小さく設定されている。【選択図】図5

Description

本発明は、サイホン排水システムに関する。
近年、従来の勾配排水システムに代わるものとして、所謂サイホン排水システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。サイホン排水システムは、特許文献1に記載されるように、水廻り器具にサイホン排水管を接続し、サイホン排水管の垂下部をなす竪管部にて発生するサイホン力(負圧力)を利用して、水廻り器具からの排水効率を向上させるシステムである。
このサイホン排水システムにおいては、水廻り器具から排出された排水はサイホン排水管に流入し、サイホン排水管の水平部をなす横引き管部及びサイホン排水管の垂下部をなす竪管部を満たす。サイホン排水管の竪管部が排水で満たされると、竪管部内の排水は重力により落下し、竪管部の内部に竪管部における水頭差に対応する吸引力、即ちサイホン力が発生する。横引き管部内の排水は、前記サイホン力によって竪管部に向かって吸引され、サイホン排水管内が排水で満たされる所謂満流流れとなってサイホン排水管内を流下する。
このように、サイホン排水システムでは、横引き管部の下流側に配置された竪管部に排水が流れ込み、かつ竪管部が排水で満たされないとサイホン力が発生しないため、水廻り器具から排水がなされてからサイホン力が発生するまでタイムラグがあり、水廻り器具から迅速に排水を流すことが望まれる。
ここで、竪管側の径を横引き管側の径に比べて小さくすることで、竪管部内を満流にする時間を短縮するサイホン排水システムが知られている(特許文献1参照)。
特開2017―31670号公報
上記サイホン排水システムでは、横引き管の下流側に、径が徐々に縮径する継手、L字状のベント管(落とし込み管とも呼ばれる)を介して竪管が接続されており、部品点数を多く必要としている。
本発明は上記事実を考慮し、少ない部品点数で、迅速にサイホン力を発生させることができるサイホン排水システムの提供を目的とする。
請求項1に記載のサイホン排水システムは、水廻り器具からの排水を流し、水平方向に延在する横引き管と、前記横引き管部の排水方向下流側に設けられ、下方向に延在する竪管と、前記横引き管部と前記竪管との間に設けられ水平方向から下方向へ湾曲形成された落とし込み管と、を備え、前記落とし込み管は、流路の中心軸を境にして、湾曲の径方向内側の流路断面積が、湾曲の径方向外側の流路断面積よりも小さく設定された縮径部分を有している。
請求項1に記載のサイホン排水システムでは、横引き管部と竪管との間に設けられた湾曲する落とし込み管において、流路の中心軸を境にして、湾曲の径方向内側の流路断面積が、湾曲の径方向外側の流路断面積よりも小さく設定された縮径部分が設けられている。
このため、横引き管から落とし込み管に排水が流入した際に、湾曲の径方向内側の流路断面積と湾曲の径方向外側の流路断面積とが同一に設定された落とし込み管、言い換えれば、断面が真円の通常の流路を有する落とし込み管に比較して、落とし込み管の入り口側、即ち、排水方向上流側の端部側で水位が早く上昇して流路内が早く満流となる。これにより、落とし込み管に続く竪管も早く満流となり、サイホンの起動時間を短縮することが可能となる。
また、請求項1に記載のサイホン排水システムでは、従来技術のサイホン排水システムのように、横引き管の下流側に径が徐々に縮径する継手を必要としないので、従来技術のサイホン排水システムに比較して、システムの部品点数を削減することができる。
なお、「湾曲の径方向内側」は「湾曲の曲率中心に近い側」と言い換えることができ、「湾曲の径方向外側」は、「湾曲の曲率中心に遠い側」と言い換えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサイホン排水システムにおいて、前記縮径部分の流路断面積は、前記横引き管の流路断面積よりも小面積に設定されている。
請求項2に記載のサイホン排水システムでは、落とし込み管の流路断面積を、横引き管の流路断面積よりも小さく設定することで、落とし込み管を更に早く満流にすることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のサイホン排水システムにおいて、前記縮径部分は、流路に直角な断面で見たときに、前記流路の中心軸を境にして湾曲の径方向内側の管内壁が、前記湾曲の径方向内側へ向けて互いに近づく一対の傾斜面と、一方の前記傾斜面の端部と他方の前記傾斜面の端部とを繋ぐ連結面とを含んで構成され、前記流路の中心軸を境にして湾曲の径方向外側の管内壁が、前記中心軸を曲率中心とする円弧面を含んで構成されている。
請求項3に記載のサイホン排水システムの落とし込み管の縮径部分では、流路に直角な断面で見たときに、流路の中心軸を境にして湾曲の径方向内側の管内壁を、湾曲の径方向内側へ向けて互いに接近する一対の傾斜面と一方の傾斜面の端部と他方の傾斜面の端部とを繋ぐ連結面とを含んで構成し、流路の中心軸を境にして湾曲の径方向外側の管内壁を、中心軸を曲率中心とする円弧面を含んで構成するという簡単な構成で、湾曲の径方向内側の流路断面積を、湾曲の径方向外側の流路断面積よりも小さくすることができる。
なお、落とし込み管の湾曲の径方向内側の管内壁に、湾曲の径方向内側へ向けて互いに接近する一対の傾斜面を設けた場合、一方の傾斜面の端部と他方の傾斜面の端部とが互いに接続されると、接続部分がV字状の尖った谷底のような形状となり、谷底に排水中の異物が堆積し易くなる。
請求項3に記載の落とし込み管の縮径部分では、一対の傾斜面の一方の傾斜面の端部と他方の傾斜面の端部とが連結面で繋がれており、一方の傾斜面の端部と他方の傾斜面の端部とが離されている、言い換えれば、一対の傾斜面で形成される谷底が尖らずに広くなるので、排水中の異物が谷底に堆積し難くなり、また、仮に谷底に異物が滞留したとしても次の排水の勢いによって流されて除去され易くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のサイホン排水システムにおいて、前記縮径部分を流路に直角な断面で見たときに、前記一対の傾斜面は各々直線状とされ、前記傾斜面は、前記一対の傾斜面の中間部を通ると共に、流路の中心軸を通る仮想鉛直中心線と直交する仮想水平線に対して、30°を超え、45°以下の傾斜角度で傾斜している。
落とし込み管の縮径部分を流路に直角な断面で見たときの傾斜面の形状を直線状とし、一対の傾斜面の中間部を通ると共に、流路の中心軸を通る仮想鉛直中心線と直交する仮想水平線に対して30°を超え、45°以下の傾斜角度で傾斜面を傾斜させることで、サイホンの起動時間を短縮することが可能となる。なお、傾斜面の傾斜角度が30°以下になると、連結面を形成することが出来なくなる場合がある。
なお、「流路の中心軸を通る仮想鉛直中心線と直交する仮想水平線に対して30°を超え、45°以下」は、「仮想鉛直中心線に対して45°以上、60°未満」に言い換えることができる。
以上説明したように本発明のサイホン排水システムによれば、少ない部品点数で、迅速にサイホン力を発生させることができる、という優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係るサイホン排水システムの全体構成を示す概略図である。 落とし込み管の内部を示す流路の中心軸に沿った断面図である。 図2に示す落とし込み管を横引き管側接続部側から見た正面図である。 図2に示す落とし込み管を竪管側接続部側から見た下面図である。 図2に示す落とし込み管の中心軸に直角な断面図(図2の5-5線断面図)である。 (A)、(B)は傾斜面の端部を示す断面図(図3の6-6線断面図)である。 シミュレーション結果を示す表である。 (A)~(C)は、変形例に係る落とし込み管を示す断面図である。
図1~図6にしたがって、本発明の一実施形態に係るサイホン排水システム10を説明する。
各図において矢印X、Yで示す方向は水平面に沿う方向であり、互いに直交している。また、矢印Zで示す方向は鉛直方向(上下方向)に沿う方向である。各図において矢印X、Y、Zで示される各方向は、互いに一致するものとする。
<サイホン排水システム>
図1には、本実施形態に係るサイホン排水システム10の全体構成が概略図で示されている。本実施形態に係るサイホン排水システム10は、サイホン力を利用して水回り器具20からの排水を効率よく排出する排水システムである。
サイホン排水システム10は、複数階で構成された集合住宅に用いられ、排水を下方へ流す立て管12を備えている。この立て管12は、集合住宅の上下方向(鉛直方向)に延設され、集合住宅の各階のスラブ14を貫いている。
なお、立て管12は、建物内部において、スラブ14を貫通して複数階に亘って形成されたパイプスペースの中に配置されている。又は、立て管12は、建物の内外を仕切る外壁16の外側、例えば、メーターボックス等の中に配置してもよい。本実施形態のサイホン排水システム10は、集合住宅に好適に用いられるが、集合住宅以外の戸建て住宅、事務所ビル、商業ビル、工場等の各種の建物に用いることができる。
集合住宅の各階の各戸には、水回り器具20が設けられている。この水回り器具20は、一例としてキッチンのシンクであり、排水方向下流側にディスポーザー22、及び排水トラップ24が接続されている。排水トラップ24の排水方向下流側には、L字状に曲げられたL字配管部材26が配置されている。L字配管部材26は、排水トラップ24に接続されて鉛直方向に延びる鉛直部26A、スラブ14の上に水平方向に配置されて水平方向に延びる水平部26B、及び鉛直部26Aと水平部26Bとを繋ぐ湾曲部26Cを含んで構成されている。なお、水回り器具20は、浴槽、洗面器、洗濯機等の他の排水系統としてもよい。
L字配管部材26の排水方向下流側には、スラブ14の上に配置されて水平方向、言いかえれば鉛直方向に対して直角方向に延びる横引き管部材28が配置されている。L字配管部材26と横引き管部材28とは、継手30を介して接続されている。
横引き管部材28の排水方向下流側の端部には、湾曲した落とし込み管32が継手34を介して接続されている。落とし込み管32の下流側には、下方向に延びる竪管部材36が継手38を介して接続されている。なお、落とし込み管32の下流側は、スラブ14に形成された貫通孔14Aに挿入されている。
竪管部材36の排水方向下流側の端部は、立て管12の中間部に取付けられた合流継手40に継手42を介して接続されている。
本実施形態において、スラブ14の上に水平に配置されている配管部分、具体的にはL字配管部材26の水平部26B、横引き管部材28がサイホン排水管44の横引き管46とされている。なお、排水性能を確保する観点から、横引き管46には、継手30から継手34に向かって下向きに傾斜する水勾配を設けてもよい。本実施形態における「水平」とは、水勾配程度の傾斜を含むものとする。
また、本実施形態において、下方向に延びる竪管部材36が、サイホン排水管44の竪管48とされている。
<落とし込み管>
図2に示すように、本発明の落とし込み管の一例である落とし込み管32は、側面視で、略円弧形状に湾曲している。落とし込み管32は、一例として、硬質塩ビ等の合成樹脂で形成されている。
図2~4に示すように、落とし込み管32は、横引き管部材28側に継手34を接続するための直線状の横引き管側接続部32Aと、竪管部材36側に継手38を接続するための直線状の竪管側接続部32Bとを備え、横引き管側接続部32Aと竪管側接続部32Bとの間に円弧部32Cを備えている。
なお、横引き管側接続部32Aと継手34とは、一例として、ねじ込みより着脱可能に接続されている。また、竪管側接続部32Bと継手38とは、一例として、ねじ込みにより着脱可能に接続されている。
図2に示すように、本実施形態の落とし込み管32は、基本的には湾曲形成された円管であるが、図5(A)に示すように、その内壁面には、側面から見たときの湾曲の曲率半径内側(矢印RIN側)に、一対の傾斜面50が周方向に間隔を開けて形成されている。一対の傾斜面50は、図2に示すように、横引き管部材28側の端部から竪管部材36側に向けて形成されている。なお、本実施形態の落とし込み管32において、傾斜面50の形成されている部分が本発明の縮径部分に相当する。
なお、本実施形態の落とし込み管32では、一対の傾斜面50が、横引き管側接続部32Aの内壁面と円弧部32Cの内壁面に形成され、竪管側接続部32Bには形成されていないが、一対の傾斜面50は、竪管側接続部32Bにも形成されていてもよい。
落とし込み管32において、一対の傾斜面50は、円管の内壁面よりも径方向内側へ突出して形成されており、一方の傾斜面50の端部と他方の傾斜面50の端部との間には、連結面52が設けられている。なお、図5(B)で示す落とし込み管32のように、連結面52が無く、互いに近接する一方の傾斜面50の端部と他方の傾斜面50の端部とが接続されていてもよい。
図5(A)に示すように、本実施形態の落とし込み管32において、傾斜面50の形成されていない部分の内壁面(上記連結面52、及び竪管側接続部32Bの内壁面)は、落とし込み管32の中心軸32CLに直角な断面で見たときに、中心軸32CLを曲率中心とする円弧面であり、該円弧面の曲率半径は、落とし込み管32における傾斜面50の形成されていない部分の内径Dの1/2となっている。
また、本実施形態の落とし込み管32において、傾斜面50の形成されていない部分の内径Dは、排水方向上流側に接続されている横引き管部材28の内径と同一寸法とされている。
落とし込み管32は、流路の中心軸32CLを境にして湾曲した部分の径方向内側の内壁面に一対の傾斜面50が突出しているため、流路の中心軸32CLを境にして、湾曲した部分の径方向内側(矢印RIN)の流路断面積(左上がりの斜線部分)Aが、湾曲した部分の径方向外側(矢印ROUT)の流路断面積(右上がりの斜線部分)Bよりも小さくなっている。したがって、排水の流れる流路の断面積は、横引き管部材28から落とし込み管32へ流入する際に減少する。
なお、落とし込み管32において、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)は、一例として、横引き管部材28の流路断面積の70~80%の範囲内に設定することが好ましい。
図5(A)に示すように、本実施形態の傾斜面50は、流路に直角な断面で見て直線状に形成されている。一対の傾斜面50の中央部を通ると共に、中心軸32CLを通る仮想鉛直中心線FVCLと直交する仮想水平線FHLに対して、傾斜角度θで傾斜している。この傾斜角度θは、一例として、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)を、横引き管部材28の流路断面積の75%に設定したときに、30°を超え、45°以下に設定することが好ましい。
なお、傾斜面50は、排水が流入する横引き管部材28側の端部に、図6(A)に示すアール面取り50Aや、図6(B)に示すテーパー面50Bを形成し、排水が落とし込み管32へスムーズに流れ込むようにすることが好ましい。
(作用、及び効果)
本発明の実施形態に係るサイホン排水システム10では、水回り器具20から排水が排出されると、該排水は、ディスポーザー22、排水トラップ24、L字配管部材26、及び横引き管部材28を介して落とし込み管32へ流れ込む。
ここで、落とし込み管32は、傾斜面50の形成されている部分において、流路の中心軸32CLを境にして、湾曲の径方向内側の流路断面積Aが、湾曲の径方向外側の流路断面積Bよりも小さく設定されており、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)が、横引き管部材28の流路断面積よりも小さく設定されている。
そのため、本実施形態の落とし込み管32は、排水が流入した際に、流路の断面形状が真円とされた通常の流路(内径D)を有する落とし込み管に比較して、入り口側、言い換えれば、排水方向上流側の端部側(横引き管側接続部32A側)で水位が早く上昇して、落とし込み管32の流路内が早く満流となる。したがって、落とし込み管32に続く竪管48も早く満流となり、サイホンの起動時間を短縮することが可能となる。
本実施形態に係るサイホン排水システム10では、落とし込み管32の内壁面の形状を上記のように変更するという簡単な構成で、迅速にサイホンを起動することができ、また、従来技術のサイホン排水システムのように、横引き管の下流側に径が徐々に縮径する継手を必要としないので、従来技術のサイホン排水システム対比で部品点数を削減することができる。
なお、落とし込み管32において、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)と横引き管部材28の流路断面積との差が小さすぎると、サイホンの起動時間を短縮することができなくなるため、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)を横引き管部材28の流路断面積の80%以下とすることが好ましい。
また、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)と横引き管部材28の流路断面積との差が大きすぎると、横引き管部材28に対して落とし込み管32の流路面積が相対的に小さくなり過ぎて、サイホン力が発生しても、排水能力(単位時間当たりの排水量)が低下してしまう。このため、サイホンの起動時間を短縮することができなくなるため、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)を横引き管部材28の流路断面積の70%以上とすることが好ましい。
図3~図5(A)に示すように、本実施形態の落とし込み管32では、一方の傾斜面50と他方の傾斜面50との間に連結面52が設けられて谷底が広くなっているので、排水中の異物が谷底に堆積し難い。また、仮に谷底に異物が滞留したとしても、該異物は次の排水の勢いによって流されて除去され易くなる。
なお、一方の傾斜面50と他方の傾斜面50との間の谷底に排水中の異物が堆積しなければ、図5(B)に示すように、一方の傾斜面50と他方の傾斜面50との間に連結面52は設けられていなくてもよい。
傾斜面50の傾斜角度θは、一例として、傾斜面50の形成されている部分の流路断面積(流路断面積A+B)を、横引き管部材28の流路断面積の75%に設定したときに、30°を超え、45°以下に設定することが好ましいとした。傾斜面50の傾斜角度θを30°を超える角度にする理由は、傾斜角度θが30°以下になると、一方の傾斜面50と他方の傾斜面50とが接続されてしまい、谷底が尖って狭くなるからである。一方、傾斜角度θを45°以下に設定する理由は、傾斜角度θが45°を超えると、サイホンの起動時間を早くすることが出来なくなるためである。
(試験例)
図7の表1には、落とし込み管の傾斜面の形成されている部分の流路断面積を横引き管部材の流路断面積に対して75%に設定し、傾斜面の傾斜角度θを変更した場合の落とし込み管の流路断面形状が示されている。
表1に示すように、傾斜面の傾斜角度θを31°以上とすれば、一方の傾斜面と他方の傾斜面との間に連結面52を設けることができることが分かる。なお、傾斜角度θを30°にした場合、一方の傾斜面と他方の傾斜面とが互いに接続されてしまい、連結面52を設けることができなくなった。
また、落とし込み管の傾斜面の傾斜角度θを種々変更し、傾斜角度θと落とし込み管の竪管側の各部において、排水を流し始めてから満流になるまでの時間をシミュレーションにより求めた。満流を計測した部位は、落とし込み管の入り口の中心軸から下方へ63mmの計測部位、100mmの計測部位、及び150mmの計測部位の計三箇所である。
シミュレーションを行った結果、傾斜角度θが31°~45°の範囲内では、それ以外の場合に比較して、竪管内が満流になるまでの時間が短いことが判明した。これにより、傾斜面の傾斜角度θを31°~45°の範囲内とすることで、異物の堆積を抑制しつつ、サイホンの起動を早くできることが分かる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態の落とし込み管32では、断面で見て傾斜面50が直線形状であったが、図8(A)、(B)に示すように断面で見て傾斜面50は曲線形状であってもよい。
また、上記実施形態の落とし込み管32では、断面で見て、中心軸32CLを挟んで両側に傾斜面50が形成されていたが、図8(C)に示すように、傾斜面50は中心軸32CLの片側のみに設けられていてもよい。
上記実施形態の落とし込み管32では、上流側の端部から円弧部32Cの下流側の端部(または竪管側接続部32Bの下流側の端部)にかけて傾斜面50を設けたが、落とし込み管32の一部(一例として、円弧部32Cの長手方向中間部から下流側)に設けられていればサイホンの起動を早くすることが可能である。即ち、サイホンの起動時間を短くできれば、傾斜面50を形成する部位は落とし込み管32のどこでもよい。
10…サイホン排水システム、20…水回り器具、32…落とし込み管、46…横引き管、48…竪管、A…湾曲の径方向内側の流路断面積、B…湾曲の径方向外側の流路断面積、50…傾斜面(縮径部分)、52…連結面

Claims (4)

  1. 水廻り器具からの排水を流し、水平方向に延在する横引き管と、
    前記横引き管部の排水方向下流側に設けられ、下方向に延在する竪管と、
    前記横引き管部と前記竪管との間に設けられ水平方向から下方向へ湾曲形成された落とし込み管と、
    を備え、
    前記落とし込み管は、流路の中心軸を境にして、湾曲の径方向内側の流路断面積が、湾曲の径方向外側の流路断面積よりも小さく設定された縮径部分を有している、
    サイホン排水システム。
  2. 前記縮径部分の流路断面積は、前記横引き管の流路断面積よりも小面積に設定されている、
    請求項1に記載のサイホン排水システム。
  3. 前記縮径部分は、流路に直角な断面で見たときに、前記流路の中心軸を境にして湾曲の径方向内側の管内壁が、前記湾曲の径方向内側へ向けて互いに近づく一対の傾斜面と、一方の前記傾斜面の端部と他方の前記傾斜面の端部とを繋ぐ連結面とを含んで構成され、前記流路の中心軸を境にして湾曲の径方向外側の管内壁が、前記中心軸を曲率中心とする円弧面を含んで構成されている、
    請求項1または請求項2に記載のサイホン排水システム。
  4. 前記縮径部分を流路に直角な断面で見たときに、前記一対の傾斜面は各々直線状とされ、
    前記傾斜面は、前記一対の傾斜面の中央部を通ると共に、流路の中心軸を通る仮想鉛直中心線と直交する仮想水平線に対して、30°を超え、45°以下の傾斜角度で傾斜している、
    請求項3に記載のサイホン排水システム。
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