JP2022121041A - 超電導コイル - Google Patents

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Abstract

Figure 2022121041000001
【課題】熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる超電導コイルを提供する。
【解決手段】超電導コイル1は、テープ状を成す超電導線材20を巻回して形成された第1巻線部11と、第1巻線部11に隣接して重なり、超電導線材20を巻回して形成された第2巻線部12と、超電導線材20で形成され、第1巻線部11と第2巻線部12の最内周のターン同士を接続し、らせん状を成す渡り部13と、第1巻線部11と第2巻線部12と渡り部13でダブルパンケーキコイルが形成されており、渡り部13の少なくとも一方の幅広面に沿って設けられ、導電性を有する補強部14と、第1巻線部11または第2巻線部12の少なくとも一部を含浸する導電性樹脂部15を備える。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、超電導コイルに関する。
超電導線材には、超電導状態を維持できる電流、温度、磁場の範囲、いわゆる臨界電流、臨界温度、臨界磁場が存在する。したがって電気抵抗がほぼゼロといえども無限に電流が流せるわけではなく、いずれかの臨界値を超えると、常電導状態への転移現象、すなわちクエンチが発生する。このようなクエンチによる常電導転移領域のジュール熱の発生は、瞬時に超電導コイルを熱暴走させ、最悪の場合、焼損に至る危険性がある。そのため、クエンチに対する保護技術が不可欠である。
クエンチ保護に関する従来技術としては、例えば、超電導コイルと並列に保護抵抗を繋ぐ方法がある。この方法は、常電導状態に転移することで発生するコイルの電圧と温度の上昇を検出し、これをトリガーとして励磁電源を遮断するものである。遮断後は、超電導コイルと保護抵抗の閉回路となるため、室温部に配置した保護抵抗の発熱で超電導コイルの蓄積エネルギーが消費され、コイルに流れる電流を減衰させることができる。このような超電導コイルに使用する超電導線材としては、例えば、Bi2Sr2Ca2Cu3O10+x線材またはRE1B2C3O7線材といった高温超電導線材がある。
高温超電導線材を用いた超電導コイルでは、従来のNbTiなどの低温超電導線材に比べ、20K~50Kといった高い温度でも高い臨界電流密度を有するため、高温での高電流密度運転が可能となる。しかしながら、高電流密度運転時にクエンチが生じた場合、20K~50Kの温度範囲では、低温超電導線材を使ったマグネットの運転温度よりも比熱が大きいため、常電導転移領域の拡大が遅く、発熱密度も高くなる。そのため、従来技術のクエンチ保護方法では、検知する前に局所的に熱暴走が発生し、焼損してしまう。
ここで、超電導コイル内部の異なるターンの超電導線材同士がターン間で短絡されていれば、常電導に転移した部分に流れる電流を異なるターンの超電導線材に迂回させることができる。電流が迂回することで、常電導転移領域での局所的な発熱および熱暴走を抑制することができる。具体的には、例えば、超電導コイルの径方向に沿った巻線部の側面に超電導線材と電気的に接続された迂回路を設ける。この迂回路を介して異なるターンの超電導線材同士を短絡することができる。
また、2つの超電導コイルを軸方向に積層した際に、隣り合う超電導コイル同士を電気的に接続する方法として、内周部または外周部に、金属板などの導電性部材を隣り合う超電導コイルに跨って設ける技術が知られている。この技術では、通電時に、超電導コイル同士を接続する金属板でジュール熱が発生するデメリットがある。さらに、超電導コイルの冷却時に、超電導線材と金属板の接合面で集中応力が生じ、超電導線材が劣化してしまうというデメリットがある。そこで、超電導コイルの最内周で隣り合う超電導コイルの超電導線材同士を、らせん状に接続する渡り部を備える、いわゆるダブルパンケーキコイルが知られている。このダブルパンケーキコイルでは、渡り部がらせん状を成すことで、ジュール熱の発生を低減させることができる。また、集中応力により超電導線材が劣化してしまうリスクを低減させることができる。
特許第6486817号公報 特開2008-130785号公報 特開2013-41871号公報 特開2008-251933号公報 特開2018-101465号公報
迂回路の技術をダブルパンケーキコイルに適用することで熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる。しかしながら、最内周の渡り部の超電導線材は、他の部分における超電導線材と比較して、その幅広面が隣り合う超電導線材と対向する面積が小さくなってしまう。そのため、超電導線材の一部が常電導状態に転移した際に、径方向に電流が迂回する際の迂回路の断面積が小さくなる。よって、迂回路の電気抵抗値が大きくなり、超電導線材を流れる電流が径方向に充分に迂回できず、焼損するおそれがある。
また、渡り部における迂回路の抵抗値を小さくするためには、例えば、迂回路の抵抗率を小さくすることが考えられる。しかしながら、その場合には、渡り部以外のターンにおける迂回路の抵抗値も不要に小さくなってしまう。そのため、超電導コイルを励磁する際に、電流が迂回路に迂回されてしまい、励磁に要する時間が延びてしまう。よって、渡り部のみにおける迂回路の抵抗値を低減させる必要がある。
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる超電導コイルを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る超電導コイルは、テープ状を成す超電導線材を巻回して形成された第1巻線部と、前記第1巻線部に隣接して重なり、前記超電導線材を巻回して形成された第2巻線部と、前記超電導線材で形成され、前記第1巻線部と前記第2巻線部の最内周のターン同士を接続し、らせん状を成す渡り部と、前記第1巻線部と前記第2巻線部と前記渡り部でダブルパンケーキコイルが形成されており、前記渡り部の少なくとも一方の幅広面に沿って設けられ、導電性を有する補強部と、前記第1巻線部または前記第2巻線部の少なくとも一部を含浸する導電性樹脂部と、を備える。
本発明の実施形態により、熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる超電導コイルが提供される。
第1実施形態の超電導コイルを示す斜視図。 図1のII-II断面図。 超電導線材の構成を示す斜視図。 超電導コイルを内周側から見た状態を示す展開図。 超電導コイルの補強部を示す断面図。 絶縁性部材が設けられた超電導コイルの補強部を示す断面図。 第2実施形態の超電導コイルの補強部を示す断面図。 第3実施形態の超電導コイルの補強部を示す断面図。 第4実施形態の超電導コイルの補強部を示す断面図。 第5実施形態の超電導コイルの巻枠を示す平面図。 図10のXI-XI断面図。 第6実施形態の超電導コイルの巻枠を示す平面図。 図12のXIII-XIII断面図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、超電導コイルの実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態の超電導コイルについて図1から図6を用いて説明する。
図1の符号1は、第1実施形態の超電導コイルである。なお、以下に説明する超電導コイル1は、高温超電導線材または低温超電導線材のいずれに適用しても良く、いずれの線材においても高い効果を発揮する。ただし、以下の説明では、特に高い効果を発揮する高温超電導線材を用いた場合を例示する。
図1から図2に示すように、第1実施形態の超電導コイル1は、第1巻線部11と第2巻線部12と渡り部13と補強部14と導電性樹脂部15とを備える。
第1巻線部11および第2巻線部12は、テープ状を成す超電導線材20(図3)を巻回して形成される。なお、第2巻線部12は、第1巻線部11に隣接し設けられている。渡り部13は、超電導線材20で形成され、第1巻線部11と第2巻線部12の最内周のターン同士を接続する。この渡り部13は、第1巻線部11と第2巻線部12の最内周に沿って、らせん状に巻き回されている。
第1巻線部11と第2巻線部12は、超電導線材20が同心円状に巻回され、パンケーキ形状に形成されている。このようなコイルは、パンケーキコイルと呼ばれている。本実施形態では、第1巻線部11と第2巻線部12とが重なって設けられている。また、第1巻線部11と第2巻線部12のそれぞれの超電導線材20が内周側で渡り部13により接続されている。これら第1巻線部11と第2巻線部12と渡り部13で、ダブルパンケーキコイルが形成されている。なお、ダブルパンケーキコイルは、他のダブルパンケーキコイルと軸方向に重ねられても良い。
補強部14は、導電性を有する材料で形成され、渡り部13の導電性を補強する。また、補強部14は、渡り部13の少なくとも一方の幅広面に沿って設けられている。なお、渡り部13の両方の幅広面に補強部14を設けても良い。
例えば、補強部14を、超電導線材20(図3)で形成することができる。つまり、補強部14を形成する超電導線材20と、渡り部13を形成する超電導線材20とを共巻きにする。このようにすれば、補強部14が超電導状態であるときに、電流を渡り部13とともに補強部14を用いて流すことができる。
代替として、補強部14を、テープ状を成す常電導線材で形成することができる。つまり、補強部14を形成する常電導線材と、渡り部13を形成する超電導線材20とを共巻きにする。このようにすれば、補強部14が超電導状態であるときに、電流が渡り部13から補強部14へ流れることを抑制することができる。
例えば、補強部14を、はんだ、導電性を有する樹脂、導電性ペーストの少なくともいずれかを用いて渡り部13に接合することができる。なお、これらの導電性の材料を用いて、補強部14の幅広面の一部を、渡り部13に接合しても良いし、補強部14の幅広面の全部を、渡り部13に接合しても良い。これらの導電性の材料により補強部14と渡り部13を互いに固着させることで、補強部14と渡り部13の間の接触抵抗を低減させることができる。
代替として、補強部14を、渡り部13に直に接触させた状態で接合することができる。このようにすれば、接着用の材料を介在させないことで、補強部14と渡り部13の間の接触抵抗を低減させることができる。なお、補強部14の幅広面の一部を、渡り部13に直に接触させた状態で接合しても良いし、補強部14の幅広面の全部を、渡り部13に直に接触させた状態で接合しても良い。また、補強部14の幅広面の一部を、渡り部13に直に接触させた状態で接合し、補強部14の幅広面の他の部分を導電性の材料(接着用の材料)を用いて、渡り部13に接合しても良い。
導電性樹脂部15は、第1巻線部11または第2巻線部12の少なくとも一部を含浸する。導電性樹脂部15は、第1巻線部11と第2巻線部12を含浸した状態で固化されている。
導電性樹脂部15は、超電導線材20(図3)の一部が超電導状態から常電導状態に転移したときに、常電導状態に転移した部分の電流を異なるターンの超電導線材20に短絡させる迂回路30~35(図5から図6)を形成する。このようにすれば、常電導転移した部分を電流が迂回することで、常電導転移した部分での局所的な発熱または熱暴走を抑制することができる。
導電性樹脂部15は、カーボンブラック、炭素繊維、グラファイト、金属微粒子、金属酸化物、金属繊維、金属コートした微粒子、金属コートした合成繊維のうち、少なくともいずれかを含んでいる。このようにすれば、導電性樹脂部15により迂回路30~35(図5から図6)を形成することができる。
迂回路30~35(図5から図6)の抵抗値は、超電導線材20(図3)が超電導状態であるときの抵抗値より大きく、かつ超電導線材20が常電導状態であるときの抵抗値より小さくなるように設定される。このようにすれば、超電導線材20が常電導転移したときに迂回路30~35に電流を流すことができる。
補強部14の抵抗値は、超電導線材20(図3)が超電導状態であるときの抵抗値より大きく、かつ迂回路30~35(図5から図6)の抵抗値より小さくなるように設定される。このようにすれば、超電導線材20が常電導転移したときに迂回路30~35よりも多くの電流を補強部14に流すことができる。
次に、超電導コイル1の実施態様について具体的に説明する。図3に示すように、超電導コイル1で用いる超電導線材20には、例えば、一般的な薄膜状の多数の層が積層されたテープ状の超電導線材20(薄膜線材)を用いる。この超電導線材20は、例えば、レアメタル酸化物(RE酸化物)を含むREBCO線材などの線材である。
超電導線材20は、安定化層21と基板22と配向層23と中間層24と超電導層25と保護層26とを備える。ただし、超電導線材20を構成する各層の種類および数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて多くても少なくても良い。
安定化層21は、超電導線材20の表面全体を覆う層である。この安定化層21は、例えば、銅またはアルミニウムなどの良伝導性金属で形成される。安定化層21は、超電導層25に流れる過剰な通電電流が迂回される経路となって熱暴走を防止する。
基板22は、例えば、ニッケル基合金、ステンレスまたは銅などの高強度の金属材料で形成される。配向層23は、基板22の上に形成される。この配向層23は、例えば、中間層24を基板22の表面に配向させるマグネシウムなどで形成される。中間層24は、配向層23の上に形成される。この中間層24は、基板22と超電導層25の熱収縮の際に起因する熱歪みを防止する。
超電導層25は、中間層24の上に形成される。この超電導層25は、レアメタル酸化物(RE酸化物)で形成される。保護層26は、超電導層25の上に形成される。この保護層26は、例えば、銀、金または白金などで形成される。保護層26は、超電導層25に含まれる酸素が超電導層25から拡散することを防止し、超電導層25を保護している。
ここで、超電導線材20の2つの主面の向きについて説明する。超電導線材20には、2つの主面(幅広面)があり、超電導層25に近い主面を近位面27と称し、超電導層25から遠い主面を遠位面28と称する。超電導線材20と別の部材を接続する際は、近位面27で接続した方が、遠位面28で接続した場合と比較して、接続部分での抵抗値を小さくすることができる。
図1から図2に示すように、第1巻線部11と第2巻線部12は、超電導線材20が巻回されて形成される。第1巻線部11と第2巻線部12のそれぞれには、巻回軸中心を貫通する中央穴2(空間部)が設けられている。
ここで、それぞれの巻線部11,12の巻回軸と平行な方向をコイル軸方向3、超電導線材20を巻き回す方向をコイル周方向4、巻回により超電導線材20が積層される方向をコイル径方向5と呼ぶ。
巻線部11,12には、超電導線材20が巻回によって積層されることで巻線側面部が形成される。例えば、図2の超電導コイル1の上下の面が巻線側面部となっている。それぞれの巻線側面部は、絶縁板16で覆われている。また、超電導コイル1の内部にも、第1巻線部11と第2巻線部12とを隔てる絶縁板17が設けられている。
また、それぞれの巻線部11,12において、隣接する別のターンの超電導線材20同士の間隙のことを単にコイルターン間と呼ぶ。
図5に示すように、それぞれの巻線部11,12は、導電性樹脂部15に含浸され、固められている。導電性樹脂部15は、それぞれの巻線部11,12の内部の異なる位置の超電導線材20同士を電気的に接続する迂回路30として機能する。
この導電性樹脂部15には、例えば、導電性を持たない樹脂に導電性粉末を混入させたものを用いることができる。導電性樹脂部15に配合される導電性粉末の割合または種類を変更することにより、導電性樹脂部15の体積抵抗率を容易に調整することができる。
導電性粉末としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維またはグラファイトなどのカーボン系の粉末が用いられる。また、導電性粉末には、金属微粒子、金属酸化物、金属繊維またはウィスカーなどの金属系の粉末が用いられても良い。また、微粒子または合成繊維を金属コートすることで導電性粉末にしても良い。また、巻線部11,12の位置ごと(部分ごと)に異なる組成の導電性樹脂部15を使用しても良い。
迂回路30の抵抗値は、通常運転時、つまり巻線部11,12の超電導線材20(図3)が超電導状態であるときの抵抗値より大きく、かつ常電導転移時、つまり巻線部11,12の超電導線材20が常電導状態であるときの抵抗値より小さくなるように調整されることが好ましい。
また、隣り合う超電導線材20同士のターン間に入り込む導電性樹脂部15の量、または、巻線側面部をコーティングする導電性樹脂部15の量を調整することで、迂回路30の抵抗値を調整することができる。
図6に示すように、隣り合う超電導線材20同士が直接接触することを防ぐ目的で、隣接するターン間に絶縁性部材18を設けても良い。絶縁性部材18としては、例えば、ポリイミドなどにより形成された絶縁性のテープが好適に用いられる。テープ状の絶縁性部材18は、超電導線材20と共巻することにより、コイルターン間に挿入される。
図5に示すように、コイル径方向5に隣接する超電導線材20の間に、絶縁性部材18を設けずに、巻線部11,12を形成した場合は、絶縁性部材18を設けた場合(図6)と比較して、超電導線材20から導電性樹脂部15を介して隣り合う超電導線材20へ電流を迂回させる際の迂回路30の断面積R1が大きくなる。そのため、迂回路30の抵抗値を小さくすることができる。
図2に示すように、超電導コイル1の側面(上下面)には、絶縁板16が設けられている。これらの絶縁板16により、導電性樹脂部15(巻線部11,12)が、隣り合う他の超電導コイル1から絶縁される。なお、絶縁板16,17の材料としては、エポキシ樹脂または繊維強化プラスチックなどが好適に用いられる。
ここで、導電性樹脂部15を用いて迂回路30~35(図5から図6)を設けることで熱暴走またはクエンチが発生することを抑制できる効果について述べる。
超電導線材20は、通電電流の限界である臨界電流に近づくにつれ、徐々に外部磁場が侵入し、局所的に超電導状態が破壊され、その部分が常電導状態に転移する。この局所的な常電導転移に伴うフラックスフロー抵抗は、ジュール損失による熱を発生させる。そのため、超電導コイル1の温度の上昇などで抵抗が増大すると熱暴走またはクエンチを誘引する。
そこで、迂回路30~35を設けることで、超電導線材20の一部で常電導転移による局所的なフラックスフロー抵抗が発生したときに、コイル周方向4に流れていた電流の一部を、迂回路30~35を介して隣接する他のターンの超電導線材20に迂回させることができる。つまり、コイル周方向4に流れていた電流の一部を、コイル径方向5に迂回させることができる。
ここで、コイル周方向4に流れる電流は、迂回された分だけ減少する。つまり、コイル周方向4に流れていた電流値をIとし、迂回された電流値をIaとすると、コイル周方向4に流れる電流は、IからI-Iaに減少する。このとき、迂回路30の抵抗をRaとし、フラックスフロー抵抗をRとすると、コイル径方向5に迂回する電流値Iaは、R/(R+Ra)に比例する。
このように、フラックスフロー抵抗が増大するに伴い、より多くの電流がコイル径方向5に迂回することになる。よって、局所的に常電導状態に転移した常電導箇所に多量の電流が流れるのを未然に防止することができる。そのため、熱暴走またはクエンチが発生することを抑制することができる。
なお、迂回路30~35によりデメリットも生じる。例えば、コイルターン間を、迂回路30~35を介して電気的に接続すると、フラックスフロー抵抗が発生したときだけでなく、超電導コイル1を非通電状態から定格電流値まで励磁する際にも、電流の一部が、迂回路30~35を介して他のターンの超電導線材20に迂回してしまう。つまり、誘導電圧により電源から供給される電流の一部が、コイル径方向5に迂回してしまう。
超電導コイル1の励磁完了後は、誘導電圧が発生しないため、迂回路30~35に流れた電流は、徐々にコイル周方向4に流れ込むこととなり、設計した磁場の値に到達するまでの時間を要する。したがって、コイルターン間の抵抗を低くすればするほど、より多くの電流が励磁中に迂回してしまい、不要に励磁時間が長くなってしまう。
つまり、迂回路30~35の抵抗Raは、フラックスフロー抵抗の発生時に充分な量の電流が迂回路30~35へ転流できる程度に小さな抵抗で、かつ、超電導コイル1を非通電状態から定格電流値まで励磁する際に、不要に励磁時間が長くならない程度に大きな抵抗となるように設定することが好ましい。
なお、特に図示はしないが、本実施形態の超電導コイル1とは異なる態様として、2つのシングルパンケーキコイルを軸方向に積層させた超電導コイルが存在する。この場合、隣接するシングルパンケーキコイルの最内周同士または最外周同士に亘って金属板を架設し、電気的に接続する必要が生じる。この金属板は、架設される2つのシングルパンケーキコイルのうち、一方のシングルパンケーキコイルから流出した通電電流を、他方のシングルパンケーキコイルに流入させるものである。このような金属板は、例えば、銅、銀、金、インジウム、またはこれらの合金で好適に形成される。
金属板と超電導線材20を接続する方法としては、はんだ付けが一般的であり、これにより低抵抗で接続されると同時に、金属板と超電導線材20が機械的に固着される。ここで、金属板と超電導線材20が機械的に固着されると、冷却時の熱応力または通電時の電磁応力により金属板と超電導線材20の境界の一部に集中応力が生じ、超電導線材20が劣化するおそれが生じる。
そこで、このようなリスクを低減する方法として、本実施形態では、ダブルパンケーキ構造の超電導コイル1を用いている。図2に示すように、本実施形態の超電導コイル1の巻線部11,12(第1巻線部11および第2巻線部12)は、軸方向に超電導線材20の幅の大きさ程ずれて配置された2つの巻線部11,12と、これらの巻線部11,12の最内周同士を繋ぐように配置された渡り部13を備える。なお、第1巻線部11と第2巻線部12との間に絶縁板17が挿入されている。電流は、第1巻線部11の最外周から流入し、第1巻線部11の最内周で渡り部13を介して、第2巻線部12の最内周に流入し、第2巻線部12の最外周より流出する。
なお、理解を助けるために、第1巻線部11と第2巻線部12と渡り部13の3つの部分に分けて説明しているが、これらは、通常、第1巻線部11と第2巻線部12と渡り部13を形成するために、充分な長さの1本の超電導線材20を巻きまわして連続的に形成される。渡り部13と、第1巻線部11および第2巻線部12が互いの端部を境に別々の超電導線材20で形成されることを意味していない。
渡り部13をより詳細に説明する。図4は、超電導コイル1を中央穴2(内周側)から見たときの展開図である。なお、図2および図5は、図4の180°の位置の断面図にあたる。
図4に示すように、第1巻線部11の最内周ターンは、超電導コイル1の90°の位置から始まり、180°の位置、270°の位置、360°(0°)の位置の順に進み、再び90°の位置に戻る。このように、コイル周方向4に一周して終端となる。
第1巻線部11の最内周の終端である90°の位置から、第2巻線部12の内周側ターンの始端である270°の位置に亘って、超電導線材20が、コイル軸方向3にずれるように、らせん状に配置されている。この部分が、渡り部13となっている。
第2巻線部12の最内周ターンは、超電導コイル1の270°の位置から始まり、360°(0°)の位置、90°の位置、180°の位置の順に進み、再び270°の位置に戻る。このように、コイル周方向4に一周して、コイルの外周へと向かう。
なお、第1巻線部11、第2巻線部12、渡り部13を形成するために、充分な長さの超電導線材20を用意するのが難しい場合には、公知の方法、例えば、はんだ付けなどを用いて、複数本の超電導線材20同士を接続し、長さを延長した1本の超電導線材20を形成してもよい。
シングルパンケーキコイルを2つ積層し、最内周同士を金属板で接続する代わりに、ダブルパンケーキコイル(超電導コイル1)を用いることで、最内周の超電導線材20が熱応力または電磁応力で劣化するリスクを低減することができる。
また、ダブルパンケーキコイルは、第1巻線部11と第2巻線部12を接続するために、最内周で金属板を介した接続構造を必要としないため、金属板に電流が流れることによって生じるジュール熱が生じない利点もある。
次に、ダブルパンケーキコイル(超電導コイル1)における導電性樹脂部15への電流迂回挙動およびその課題について図5から図6を用いて詳述する。
図5は、超電導線材20のターン間に絶縁性部材18を挿入しない構成の例である。図6は、超電導線材20のターン間に絶縁性部材18を挿入した構成の例である。
いずれの構成であっても、渡り部13において電流の一部が隣り合うターンの超電導線材20へ迂回する場合と、渡り部13以外の部分において電流の一部が隣り合うターンの超電導線材20へ迂回する場合を比べると、渡り部13において迂回する場合の方が、迂回路32,34の断面積が小さいために、電流が迂回する際の抵抗が大きくなる。
例えば、図5に示すように、渡り部13以外の部分における超電導線材20は、隣り合う超電導線材20と幅方向にずれることなく配置されている。そのため、超電導線材20の幅広面全体を、迂回する電流が流れる迂回路30の断面積R1とできる。一方、渡り部13は、隣り合う超電導線材20の幅方向にずれて配置されている。そのため、迂回する電流が流れる迂回路31の断面積R2は、超電導線材20の幅広面の一部に限られてしまう。よって、渡り部13における迂回路31の抵抗値は、他の部分における迂回路30の抵抗値に比べて高くなる。
なお、図5から図6に示したように、回り込む迂回路32,35も考えられる。しかし、超電導線材20同士が幅方向に離れている分だけ、余計に迂回路32で電流が流れる距離が大きくなってしまい、その結果、迂回路32,35の抵抗値が増大してしまう。
このように、渡り部13は、隣り合う超電導線材20と幅方向にずれて配置されているために、迂回路31の断面積が小さくなったり、迂回路32の距離が大きくなったりしてしまう。そのため、迂回路31,32の抵抗値が大きくなってしまう。
図6の絶縁性部材18を設けた場合も同様に、渡り部13以外の部分における迂回路33を電流が流れるときの抵抗値よりも、渡り部13の部分における迂回路34を電流が流れるときの抵抗値の方が大きくなる。
このように、渡り部13における迂回路34の抵抗値が他の部分における迂回路33の抵抗値よりも大きくなってしまい、電流が充分に迂回できずに、超電導線材20が焼損するリスクがある。そこで、本実施形態では、補強部14を設けるようにしている。
なお、本実施形態は、超電導線材20のターン間に絶縁性部材18を挿入する構成でも、挿入しない構成でも、有利な効果を発揮するが、以下の説明では、超電導線材20のターン間に絶縁性部材18を挿入しない構成を例示する。
図5に示すように、渡り部13のコイル内周側に、補強部14が配置される。ここで、渡り部13を構成する超電導線材20の近位面27が補強部14と対向するように、補強部14を配置する。このようにすれば、渡り部13と補強部14の間の接続部分の抵抗値を低減することができる。
補強部14を構成する材料は、導電性の材料であれば何でも良いが、超電導線材20が超電導状態のときの抵抗値よりも高く、導電性樹脂部15により形成される迂回路30~35の抵抗値より低く設定されることが望ましい。
この条件を満たす材料として、例えば、銅、銀、金などの低抵抗の金属またはそれらの合金が好適に用いられる。
補強部14を構成する材料は、超電導体、または超電導線材20であっても良い。補強部14として超電導線材20を用いた場合には、常伝導金属を用いた場合に比べて補強部14の電気抵抗を小さくできるというメリットがある。この補強部14に用いる超電導線材20としては、巻線部11,12に使用する超電導線材20と同一の線材でも良いし、異なる線材でも良い。具体的な材質としては、図3に示したようなREBCO線材でも良いし、ビスマス系の超電導線材20を用いても良い。この超電導線材20の形状としては、厚さ0.1~0.2mm、幅2.0~12.0mmのものが好適に用いられる。
また、補強部14の形状としては、例えば、厚み0.1mm程度の金属テープとしても良い。この金属テープを巻線部11,12の巻線時に超電導線材20に共巻することで、渡り部13に沿って容易に配置することができる。
さらに、補強部14の形状としては、例えば、巻線部11,12の内径に合わせて曲げ加工した厚み1.0~5.0mm程度の金属プレートとしても良い。同様に、巻線部11,12の内径に合わせて加工した厚み1.0~5.0mm程度の金属製リングとしても良い。
また、補強部14と渡り部13は、境界面における集中応力を避けるために、これらは互いに機械的に固着していないことが望ましい。しかし、設計上発生し得る電磁応力が充分に小さく、集中応力による劣化のリスクが問題にならないと考えられる場合には、補強部14と渡り部13を機械的に固着しても良い。
補強部14と渡り部13を固着させる方法としては、はんだ、導電性樹脂、導電性ペーストなどを使用する。これらの導電性の部材により補強部14と渡り部13を固着させることで、補強部14と渡り部13の間の接触抵抗を低減することができる。
図5に示すように、渡り部13で常伝導転移が生じた際には、迂回路31に加えて、補強部14へ電流が迂回される。この補強部14は、渡り部13を流れる電流の一部が隣のターンに迂回する際の経路の抵抗を下げる作用はないものの、超電導線材20の安定化層21の断面積を大きくする作用があるため、実質的に渡り部13の抵抗を小さくする作用を奏する。
したがって、従来技術と比較して、充分な量の電流を、渡り部13から隣のターンの超電導線材20に迂回させることができる。そのため、超電導コイル1の熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる。
第1実施形態によれば、渡り部13の導電性が補強部14で補強され、第1巻線部11から第2巻線部12に向かって流れる電流の抵抗値を低減させることができる。そのため、熱暴走またはクエンチの発生を抑制可能な超電導コイル1を形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の超電導コイル1Aについて図7を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第2実施形態の超電導コイル1Aでは、渡り部13のコイル外周側に、補強部14が配置される。
第2実施形態によれば、渡り部13を流れる電流の一部が隣のターンへ迂回する際の経路に補強部14が配置されようになる。そのため、渡り部13を流れる電流の一部が隣のターンへ迂回する際の経路が、導電性樹脂部15のみで構成されている場合と比較して、その経路の抵抗値を小さくすることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の超電導コイル1Bについて図8を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第3実施形態の超電導コイル1Bには、渡り部13の内周側に設けられ、絶縁性を有する巻枠40を備える。
超電導コイル1Bが巻枠40を備えることで、補強部14の曲率をコイル内径に合わせることが容易となり、より確実に補強部14を渡り部13に沿わせることができる。
例えば、補強部14と渡り部13の曲率が大きく異なる場合には、両者の間に隙間ができてしまい、接触抵抗が増大する原因となり得る。そこで、第3実施形態では、補強部14の曲率を渡り部13の曲率、つまりコイル内径の曲率に合わせることで、両者をより隙間なく配置することができる。そのため、両者の接触抵抗を低減することができる。
第3実施形態によれば、超電導線材20が巻枠40に巻回されることにより、巻回軸中心を貫通する中央穴2(図1)を有するパンケーキコイルを形成することができる。そして、補強部14の曲率を渡り部13の曲率に合わせることができ、従来技術と比較して、充分な量の電流を、渡り部13から隣のターンの超電導線材20に迂回させることができる。その結果、超電導コイル1熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる。
なお、巻枠40の一部を導電性の部材で形成し、この導電性の部材で形成された部分を補強部14としても良い。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の超電導コイル1Cについて図9を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第4実施形態の超電導コイル1Cの巻枠40Cは、渡り部13に沿って設けられ、補強部14が嵌るように切り欠かれた切欠部41を備える。
例えば、巻枠40Cの外周面が、渡り部13に沿って、らせん状に切り欠かれて切欠部41が形成されている。
第4実施形態によれば、切欠部41により、確実に補強部14を渡り部13に沿わせることができる。例えば、補強部14と渡り部13の幅方向の位置がずれてしまうと、渡り部13を流れる電流の一部が補強部14に迂回する際の経路の断面積が小さくなってしまい、抵抗が大きくなってしまう。そこで、切欠部41を設けるようにし、補強部14の幅方向の位置を渡り部13の幅方向の位置と合わせることで、渡り部13を流れる電流の一部が補強部14に迂回する際の経路の抵抗を小さくすることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の超電導コイル1Dについて図10から図11を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図10から図11に示すように、第5実施形態の超電導コイル1Dでは、補強部14が、渡り部13の内周側の幅広面に沿って設けられ、巻枠40Dと組み合わされたリング形状の一部を成している。
第5実施形態の巻枠40Dでは、その周方向の一部を導電性の部材で形成し、この導電性の部材からなる部分を補強部14としている。つまり巻枠40Dの周方向の一部を補強部14で置き換えている。この第5実施形態では、巻枠40Dの周方向の半分が、補強部14に置き換えられている。なお、補強部14に置き換えられる部分は、少なくとも渡り部13に接触する部分であれば良い。
第5実施形態によれば、補強部14が巻枠40Dと組み合わされ、これに超電導線材20を巻き回すことで、リング形状の超電導コイル1を形成することができる。そして、渡り部13を流れる電流の一部が、補強部14を介して隣り合う超電導線材20へ流れる際の経路の断面積をさらに大きくすることができ、この経路の抵抗をさらに小さくすることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の超電導コイル1Eについて図12から図13を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図12から図13に示すように、第6実施形態の巻枠40Eでは、その周方向の一部、かつその径方向の一部の領域が、導電性の部材で形成され、この導電性の部材からなる部分が補強部14となっている。つまり巻枠40Eの周方向の一部が補強部14で置き換えられているとともに、巻枠40Eの断面視における一部の領域が補強部14で置き換えられている。
第6実施形態によれば、超電導コイル1Eの全周に亘って一体的なリング形状の巻枠40Eを設けて、その強度を向上させることができる。さらに、製造時に補強部14を配置する作業も行い易くなる。
超電導コイルを第1実施形態から第6実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。例えば、絶縁性部材18(図6)を設ける形態を各実施形態に適用しても良い。
なお、前述の第1から第6実施形態では、迂回路30~35、導電性樹脂部15、絶縁性部材18が設けられる超電導コイル1の形状として、いわゆるパンケーキ形状の超電導コイル1を例示したが、その他の態様であっても良い。例えば、鞍型、楕円型、立体型などの非円形形状コイルなどにも、前述の実施形態を適用することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、渡り部の少なくとも一方の幅広面に沿って設けられ、導電性を有する補強部を備えることにより、熱暴走またはクエンチの発生を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1(1A,1B,1C,1D,1E)…超電導コイル、2…中央穴、3…コイル軸方向、4…コイル周方向、5…コイル径方向、11…第1巻線部、12…第2巻線部、13…渡り部、14…補強部、15…導電性樹脂部、16,17…絶縁板、18…絶縁性部材、20…超電導線材、21…安定化層、22…基板、23…配向層、24…中間層、25…超電導層、26…保護層、27…近位面、28…遠位面、30~35…迂回路、40(40C,40D,40E)…巻枠、41…切欠部。

Claims (12)

  1. テープ状を成す超電導線材を巻回して形成された第1巻線部と、
    前記第1巻線部に隣接して重なり、前記超電導線材を巻回して形成された第2巻線部と、
    前記超電導線材で形成され、前記第1巻線部と前記第2巻線部の最内周のターン同士を接続し、らせん状を成す渡り部と、
    前記第1巻線部と前記第2巻線部と前記渡り部でダブルパンケーキコイルが形成されており、前記渡り部の少なくとも一方の幅広面に沿って設けられ、導電性を有する補強部と、
    前記第1巻線部または前記第2巻線部の少なくとも一部を含浸する導電性樹脂部と、
    を備える、
    超電導コイル。
  2. 前記導電性樹脂部は、前記超電導線材の一部が超電導状態から常電導状態に転移したときに、前記常電導状態に転移した部分の電流を異なるターンの前記超電導線材に短絡させる迂回路を形成する、
    請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記迂回路の抵抗値は、前記超電導線材が前記超電導状態であるときの抵抗値より大きく、かつ前記超電導線材が前記常電導状態であるときの抵抗値より小さくなるように設定される、
    請求項2に記載の超電導コイル。
  4. 前記補強部の抵抗値は、前記超電導線材が前記超電導状態であるときの抵抗値より大きく、かつ前記迂回路の抵抗値より小さくなるように設定される、
    請求項2または請求項3に記載の超電導コイル。
  5. 前記補強部は、前記超電導線材で形成される、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  6. 前記補強部は、テープ状を成す常電導線材で形成される、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  7. 前記補強部の少なくとも一部は、はんだ、導電性を有する樹脂、導電性ペーストの少なくともいずれかを用いて前記渡り部に接合されている、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  8. 前記補強部の少なくとも一部は、前記渡り部に直に接触した状態で接合されている、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  9. 前記導電性樹脂部は、カーボンブラック、炭素繊維、グラファイト、金属微粒子、金属酸化物、金属繊維、金属コートした微粒子、金属コートした合成繊維のうち、少なくともいずれかを含む、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  10. 前記渡り部の内周側に設けられ、少なくとも一部が絶縁性を有する巻枠を備える、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  11. 前記巻枠は、前記渡り部に沿って設けられ、前記補強部が嵌るように切り欠かれた切欠部を備える、
    請求項10に記載の超電導コイル。
  12. 前記補強部は、前記渡り部の内周側の幅広面に沿って設けられ、前記巻枠と組み合わされたリング形状の一部を成す、
    請求項10または請求項11に記載の超電導コイル。
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