JP2022120958A - 回転電機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】搭載対象に搭載する際のレイアウトの自由度が大きく、回転電機の冷却効率に優れた回転電機システムを提供する。【解決手段】回転電機システム10は、回転電機12を収納し且つヒートパイプ(44a~44d)の第1端(46a~46d)が挿入されたケーシング14と、ヒートパイプの第2端(48a~48d)に連結された放熱器16とを備える。ヒートパイプは熱媒体(82)を封入しており、放熱器16に連結された第2端では、この熱媒体から熱が奪取されることで該熱媒体が凝縮する。第1端は、ケーシング14の軸線方向に沿って離間した少なくとも2箇所で、該ケーシング14の内周面に沿って、且つ回転電機12の外周側で円弧状に湾曲している。また、放熱器16は、ケーシング14の軸線方向端部の近傍に配設される。【選択図】図1

Description

本発明は、ケーシングに収納された回転電機と、放熱器とを備える回転電機システムに関する。
回転電機は、回転軸を含み且つ永久磁石を保持したロータと、電磁コイルを含むステータとを備えるものとして周知である。なお、回転電機は、ロータの回転に伴って電磁コイルに発生した電流を取り出す場合には発電機となり、一方、電磁コイルに通電を行った際にロータと一体的に回転する回転軸から動力を得る場合にはモータとなる。近時、この種の回転電機を小型化しつつ出力を向上させることが要請されている。このためにはロータを高速回転させればよいと考えられるが、この場合、回転電機に発生する熱量が大きくなる。この熱に起因して永久磁石の磁束量が低減すると、回転電機の出力の低下を招く。
そこで、特許文献1に記載されるように、回転電機と、液相の冷却媒体とをケーシングに収納するとともに、冷却媒体によって回転電機を冷却することが試みられている。なお、冷却媒体は常温では液相であり、回転電機を冷却することで気相に変化する。気相となった冷却媒体の熱は、ケーシングに形成された流通路を流通する他の冷却媒体(冷却水等)によって奪取される。その結果、冷却媒体が凝縮して回転電機を再冷却可能な液相となる。
また、特許文献2には、ケーシング(特許文献2においていう「集熱ジャケット」)に複数本のヒートパイプを巻回することが提案されている。この場合、ヒートパイプに封入された冷却媒体が回転電機から熱を奪取し、気相に変化する。気相となった冷却媒体の熱は、ケーシングから離間した位置でヒートパイプの端部同士を集合させることによって設けられたヒートパイプ放熱部で放散される。これにより冷却媒体が液相に戻り、集熱ジャケットに巻回された部位(ヒートパイプ受熱部)に移動して回転電機を再冷却する。
特開2006-14522号公報 特開2017-38489号公報
特許文献1に記載されるように冷却媒体を他の冷却媒体で凝縮するためには、他の冷却媒体をケーシングに循環供給するための設備や機構が必要となる。この分、回転電機を含んだ回転電機システムの規模が大きくなり、また、ランニングコストが上昇する。
一方、特許文献2に記載されるヒートパイプにおいては、ヒートパイプ内に封入された冷却媒体中、熱源である回転電機で気相となった分がヒートパイプ中の主通路を通って放熱部に自発的に移動し、放熱部で液相となった分がヒートパイプ中のウィックを通って回転電機に自発的に移動する。このため、ヒートパイプ内の冷却媒体を凝縮するために他の冷却媒体を用いる必要はなく、他の冷却媒体を循環供給するための設備や機構も不要である。しかしながら、特許文献2の図2~図5に記載されるようにヒートパイプ放熱部を設けた場合、ヒートパイプ放熱部が、集熱ジャケットの直径方向外方に向かって延出する。従って、集熱ジャケットとヒートパイプを含んだ回転電機システムが大型となる。
回転電機システムの規模や形状が大であると、車両等の搭載対象に回転電機システムを搭載する際、該回転電機システムや、その他の搭載機器のレイアウトの自由度が低減する。このため、回転電機システムを可及的に小型化しつつ、冷却効率を向上させることが求められている。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、搭載対象に搭載する際のレイアウトの自由度が大きく、しかも、回転電機の冷却効率に優れた回転電機システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、略円筒形状をなすケーシングにステータとロータとを有する回転電機を収納した回転電機システムにおいて、
前記ケーシング内で前記回転電機を冷却した冷却媒体から熱を奪取して液相から気相へと相変化を起こす熱媒体が封入されるとともに、前記ケーシング内に挿入された第1端と、前記ケーシング外に露呈した第2端とを有する複数個のヒートパイプと、
前記第2端に連結され、前記ヒートパイプ内の前記熱媒体から熱を奪取して該熱媒体を凝縮するための放熱器と、
を備え、
複数個の前記ヒートパイプの前記第1端が、前記ケーシングの軸線方向に沿って互いに離間した少なくとも2箇所で、該ケーシングの内周面に沿って中心角が270°以下となるように円弧状に湾曲して前記回転電機の外周側に位置し、
前記放熱器が、前記ケーシングの軸線方向端部の近傍に配設されている回転電機システムが提供される。
本発明によれば、ヒートパイプ内の熱媒体から熱を奪取するための放熱器が、ケーシングの軸線方向端部の近傍に配設される。このため、回転電機システムがケーシングの直径方向外方に大きくなることが回避される。すなわち、回転電機システムの小型化を図ることができる。この分、搭載対象に回転電機システムを搭載するとき、該回転電機システムや、その他の機器の搭載箇所についての制約が少なくなる。すなわち、回転電機システムやその他の機器のレイアウトの自由度が向上する。
また、ケーシングには、回転電機を冷却するための冷却媒体が収納されるが、回転電機から熱を奪取した冷却媒体は、ヒートパイプ内の熱媒体によって速やかに冷却される。これに伴って熱媒体に伝達された熱は、放熱器を介して速やかに放散される。従って、熱媒体が速やかに冷却媒体を冷却可能な状態となる。このため、ロータを高速回転させた場合であっても、回転電機を効率よく冷却することができる。これにより、回転電機システムの小型化を図りつつ、回転電機の出力の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る回転電機システムの要部概略斜視図である。 前記回転電機システムを構成するケーシング内を、放熱器側から視認した概略正面図である。 前記回転電機システムの軸線方向に沿った概略平断面図である。 ヒートパイプの構成を説明する模式的断面図である。 ケーシングの軸線方向端部近傍でヒートパイプをケーシングの直径方向内方に折曲させた場合を示す概略平面図である。
以下、本発明に係る回転電機システムにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下における「左」、「右」は、特に図1及び図3における左方、右方を指称するが、これは説明を簡素化して理解を容易にするための便宜的なものであり、回転電機システムを実使用する際の方向を特定するものではない。一方、「下」及び「上」は、特に図1及び図2における下方及び上方を指称し、回転電機システムを搭載対象に搭載する際の下方及び上方とすることが好適な方向である。
図1~図3は、それぞれ、本実施の形態に係る回転電機システム10の要部概略斜視図、図1中の放熱器16側からケーシング14内を視認した概略正面図、軸線方向に沿った概略平断面図である。この回転電機システム10は、回転電機12と、回転電機12を収納したケーシング14と、放熱器16と、ケーシング14と放熱器16に橋架された第1パイプ群18a、第2パイプ群18bとを備える。すなわち、本実施の形態において、パイプ群は2組である。
回転電機12は、回転軸20を含んで構成されるロータ22と、該ロータ22の外周側を囲繞するステータ24とを備える。回転軸20の側周壁には、複数個の永久磁石26が、ステータ24に臨む面の磁極が交互に相違するようにして保持される。一方、ステータ24は、電磁鋼板(図示せず)にインシュレータ28が被せられるとともに、該インシュレータ28に電磁コイル30が巻回されることで構成される。ステータ24は略円環形状をなし、中心に形成された孔部に前記ロータ22が挿入される。このような構成は周知であることから、詳細な図示及び説明は省略する。
ケーシング14は、両端が開口端である本体部材32と、本体部材32の左開口に臨む第1キャップ部材34と、右開口に臨む第2キャップ部材36とを含んで構成される。回転軸20の左端は第1キャップ部材34から、右端は第2キャップ部材36から露呈するように延出する。ケーシング14の軸線中心線Lは、該ケーシング14の径中心と、回転軸20の径中心とを通る。なお、図2では、第2キャップ部材36を省略している。
本体部材32は、内径及び外径が、図3の左右方向である長手方向(軸線方向)にわたって略等径である略円筒形状をなす。なお、この場合、ケーシング14は、軸線方向が水平方向に沿って延在する横臥姿勢である。ステータ24と、ロータ22の永久磁石26は、横臥姿勢となった本体部材32内に収納される。このため、ロータ22の回転軸20も水平方向に沿って延在する。
ケーシング14には、液相有機物からなる冷却媒体40(図2参照)が収納される。ケーシング14が横臥姿勢であることから、冷却媒体40は、ケーシング14内の下方空間に滞留する。本体部材32の両開口に第1キャップ部材34、第2キャップ部材36が設けられているので、冷却媒体40がケーシング14内から漏洩することが防止される。なお、有機物の好適な具体例としては、エチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
ケーシング14の内周面には、その左端上方に、第1パイプ群18aを構成する第1ヒートパイプ44a及び第2ヒートパイプ44bの第1端46a、46bが配設される。また、右端上方に、第2パイプ群18bを構成する第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dの第1端46c、46dが配設される。すなわち、本実施の形態において、第1パイプ群18a、第2パイプ群18bは、それぞれ、互いに隣接する2本のヒートパイプが組み合わされて構成される。
第1パイプ群18aにおいて、第1ヒートパイプ44aの第1端46aは、ケーシング14内で、該ケーシング14の上方内周面に沿って円弧状に湾曲する。ここで、第1端46aによって形成される円弧の中心角α(図2参照)を360°としたときには、第1端46aの一部が冷却媒体40に浸漬されることになる。これを回避するべく、中心角αを270°以下に設定することが好ましい。その一方で、中心角αは鈍角であることが好ましい。この場合、第1ヒートパイプ44aによって凝縮された冷却媒体40を、ステータ24に対して広範囲で接触させることが可能となるからである。本実施の形態では、中心角αを約180°に設定した場合を例示している。この場合、第1端46aは略半円形状をなす。
第1ヒートパイプ44aは、本体部材32の側周壁における左開口近傍の、図1における左手前側に形成された第1二連孔50aの1つに通される。すなわち、第1ヒートパイプ44aの、第1端46a以外の部位は、ケーシング14から露呈するように延出する。該部位は、ケーシング14から露呈した直後に略90°折曲され、ケーシング14の軸線方向に対して略平行に延在しながら、放熱器16の、図1における右手前側に向かう。すなわち、第1ヒートパイプ44aの第2端48aは、放熱器16に臨む。
第2ヒートパイプ44bは、第1ヒートパイプ44aに隣接するとともに、該第1ヒートパイプ44aと同様の形状をなす。すなわち、第2ヒートパイプ44bの第1端46bは、ケーシング14の内部において、第1ヒートパイプ44aの第1端46aに隣接するように延在する。このため、第1ヒートパイプ44aと第2ヒートパイプ44bの第1端46a、46b同士は略同一位相となり、図2に示すように、ケーシング14を軸線方向から視認したときに重なり合う。
また、第2ヒートパイプ44bの、第1端46b以外の部位は、第1二連孔50aの残余の1つに通され、ケーシング14から露呈するように延出する。該部位は、第1ヒートパイプ44aと同様にケーシング14から露呈した直後に略90°折曲され、第1ヒートパイプ44aに対して隣接した状態を保ちつつ、ケーシング14の軸線方向に対して略平行に延在して放熱器16に向かう。放熱器16には、第2ヒートパイプ44bの第2端48bが臨む。
第2パイプ群18bにおいては、第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dが互いに隣接するとともに、互いに略同形状をなす。そして、第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dの各第1端46c、46dも、ケーシング14内で、該ケーシング14の上方内周面に沿って円弧状に湾曲するとともに、中心角αが好ましくは270°以下に設定される。図示の例では約180°であり、第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dの各第1端46c、46dは、第1ヒートパイプ44a及び第2ヒートパイプ44bの第1端46a、46bと同様に略半円形状をなす。
このように、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46dは全て、ケーシング14を構成する本体部材32の上方内周面に沿って、中心角αが約180°の半円形状をなしている。従って、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46d同士は略同一位相となり、図2に示すように、ケーシング14を軸線方向から視認したときに重なり合う。
なお、第1ヒートパイプ44a及び第2ヒートパイプ44b(第1パイプ群18a)の第1端46a、46bは、本体部材32の左開口近傍に位置する。これに対し、第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44d(第2パイプ群18b)の第1端46c、46dは、本体部材32の右開口近傍に位置する。すなわち、第1パイプ群18aの第1端46a、46bと、第2パイプ群18bの第1端46c、46dとは、ケーシング14内で互いに離間している。
第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dは、本体部材32の側周壁における右開口近傍に形成され、第1二連孔50aとの位相差が略180°である第2二連孔50bに通される。すなわち、第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dの、第1端46c、46d以外の部位もまた、ケーシング14から露呈するように延出する。該部位は、ケーシング14から露呈した直後に略90°折曲され、隣接状態を保ちつつ、ケーシング14の軸線方向に対して略平行に延在して放熱器16に向かう。第3ヒートパイプ44c及び第4ヒートパイプ44dの第2端48c、48dは、放熱器16の、図1における右奥側に臨む。
放熱器16は、例えば、板形状のアルミニウム合金からなるプレートフィン54と、該プレートフィン54の湾曲頂部に接合されるブレージングシート56とを有するとともに、これらプレートフィン54及びブレージングシート56が360°に亘って周回するように湾曲されることで、略円環形状をなす。また、最内周側には内側エンドリング58が配設されるとともに、外周側には外側エンドリング60が配設される。さらに、プレートフィン54及びブレージングシート56の一部が除去されることで、第3二連孔62a、第4二連孔62bが形成される。図1における右手前側の第3二連孔62aには、第1ヒートパイプ44a、第2ヒートパイプ44bの第2端48a、48bが嵌合及び接合される。一方、第3二連孔62aに対する位相差が略180°である第4二連孔62bには、第3ヒートパイプ44c、第4ヒートパイプ44dの第2端48c、48dが嵌合される。
以上の嵌合により、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第2端48a~48dに放熱器16が連結される。なお、図示しないステー等を介して、ケーシング14で放熱器16を支持するようにしてもよい。
このように構成される放熱器16は、この場合、ケーシング14の軸線方向端部の一つである右端の近傍に配設されている。そして、放熱器16には回転軸20が通される。ケーシング14の軸線中心線Lは、放熱器16の径中心Oを通る。すなわち、ケーシング14の径中心、回転軸20の径中心、放熱器16の径中心Oは、軸線中心線L上に並ぶ。このことから諒解されるように、放熱器16の径中心Oは、ケーシング14の軸線方向から視認したときに該ケーシング14の径中心に重なる。すなわち、放熱器16は、ケーシング14の軸線方向に沿って並列されている。
放熱器16の内径(内側エンドリング58の内径)は、ケーシング14の外径と略同等である。また、放熱器16の外径(外側エンドリング60の外径)は、ケーシング14の外径に比して若干大きく設定される。放熱器16の外径から内径を差し引いた差分は、隣接する第2端48a、48b同士、又は第2端48c、48d同士の直径の合計に比して若干大である程度である。
ここで、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの構成につき、図4に模式的に示した第1ヒートパイプ44aを参照して概略説明する。該図4に示すように、第1ヒートパイプ44a内には、その長手方向に沿って閉空間80が形成されている。この閉空間80に、熱媒体である作動液82が収納される。また、第1ヒートパイプ44a内には長手方向に沿ってウィック84が設けられており、このウィック84で閉空間80が区分されることにより、主通路86が形成される。なお、作動液82は、一般的には水であるが、これ以外の液体であってもよい。作動液82は、閉空間80に適宜の量で封入されており、該閉空間80に充満されてはいない。
図4には、第1ヒートパイプ44aの第1端46aに、気相(蒸気90)となった冷却媒体40が接触した状態を示している。この接触に伴い、作動液82に対し、冷却媒体40の蒸気90から熱が伝達される。これにより作動液82が気化して、蒸気92となる。蒸気92は、比較的高温である第1端46aから遠ざかるように、すなわち、この場合、第2端48aに向かって、主通路86に沿って移動する。一方、第2端48aでは、放熱器16(図1及び図3参照)からの放熱によって蒸気92から熱が奪取される。その結果、蒸気92が凝縮して液相の作動液82に戻る。液相となった作動液82は、毛細管力により、ウィック84を通って第1端46aに向かうように還流される。
第1ヒートパイプ44aにおける以上の構成、及び、作動液82ないし蒸気92の移動が、第2ヒートパイプ44b~第4ヒートパイプ44dについても同様であることは勿論である。なお、図1~図3に示すように、本実施の形態では、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dは、ケーシング14内に挿入された第1端46a~46dが円弧状に湾曲される。その一方で、ケーシング14外に露呈した部位は、放熱器16に連結される第2端48a~48dを含めて略直線的に延在する。
本実施の形態に係る回転電機システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
回転電機システム10は、車両や飛行機等の搭載対象に搭載され、例えば、内燃機関に組み込まれるとともに、放熱器16に通された回転軸20の先端に対して所定の部材(図示せず)が取り付けられる。ここで、回転電機システム10は、回転軸20が水平方向に沿って延在する姿勢で搭載対象に搭載される。従って、回転電機システム10は、ケーシング14が水平方向に沿って延在する横臥姿勢である。
この際、ケーシング14を、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46dが上方に臨む姿勢とする。この姿勢において、ケーシング14に予め収納された液相の冷却媒体40は、ケーシング14の下部空間に滞留する(図2参照)。このため、下方に位置する電磁コイル30が冷却媒体40に浸かる。なお、冷却媒体40が第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46dに接触することはない。
上記したように、この回転電機システム10では、ケーシング14の軸線方向に沿って放熱器16が並列されている。このため、放熱器16とケーシング14が互いに近接する。また、この回転電機システム10では、ケーシング14の軸線方向端部に放熱器16が配設されるとともに、該放熱器16の外径がケーシング14の外径に比してやや大きい程度である。しかも、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの、ケーシング14から露呈した部位は、ケーシング14の軸線方向に対して略平行に延在する。加えて、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46dと、第2端48a~48dとを、ケーシング14の直径方向外方で集合させて放熱部を設ける必要がない。以上のような理由から、回転電機システム10が、ケーシング14の直径方向外方に沿って大型となることが回避される。
このため、回転電機システム10の小型化を図ることができる。また、回転電機システム10が小型であるので、該回転電機システム10や、搭載対象に搭載されるそれ以外の機器の配設位置に対する制約が少なくなる。換言すれば、回転電機システム10や、その他の機器のレイアウトの自由度が向上する。この分、搭載対象の設計の自由度も向上する。また、放熱器16が略円環形状である(中空である)ことから、放熱器が円形状や四角形状等の中実なものである場合に比して軽量となるという利点もある。
回転電機システム10は、例えば、発電機として運転される。この場合、回転軸20に取り付けられた前記部材が回転付勢される。これに伴い、回転軸20、ひいてはロータ22が前記部材と一体的に回転する。放熱器16が円環形状であるために回転軸20を放熱器16に通すことができるので、放熱器16をケーシング14の軸線方向端部に配設したことで回転軸20が放熱器16に干渉することが回避される。このため、ロータ22が回転不能となることが防止される。
回転軸20が回転することにより、回転軸20に保持された複数個の永久磁石26が周回する。従って、ステータ24の電磁コイル30には、磁極が相違する永久磁石26が交互に対向する。これにより電磁コイル30に電流が誘起され、回転電機12が電力を発生する。電力は、図示しない端子から取り出され、外部負荷を付勢する電気エネルギとして活用される。
この過程において、電磁コイル30が熱を帯びる。換言すれば、電磁コイル30が熱源となる。ここで、下方に位置する電磁コイル30には、液相の冷却媒体40が接触している。このため、下方の電磁コイル30が冷却媒体40で冷却される。すなわち、一部の電磁コイル30の熱が冷却媒体40によって奪取される。電磁コイル30から熱を奪取した冷却媒体40は、気化して蒸気90(気相)となる。
蒸気90はケーシング14内を上昇し、ケーシング14の上方内周面に沿って湾曲した第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46dに接触する。これら第1端46a~46dでは、内部に封入された熱媒体としての作動液82(図4参照)が、気相の冷却媒体40から熱を奪取する。これにより蒸気90が冷却される結果、該蒸気90が液化する。すなわち、冷却媒体40が凝縮して液相に戻る。液相となった冷却媒体40は、図2に示すように、液滴94としてケーシング14内で滴下する。
液滴94は、例えば、上方に位置する電磁コイル30に接触する。これにより上方の電磁コイル30が冷却される。液滴94の一部は気化し、蒸気90として上昇した後に第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46dに接触する。なお、温度が比較的上昇していないインシュレータ28に接触した液滴94は、大部分が気化することなくケーシング14の下部空間に到達し、下方に位置する電磁コイル30を冷却する。いずれの場合も、以降は上記の気化と凝縮が繰り返される。
ケーシング14内において、第1パイプ群18aの第1端46a、46bと、第2パイプ群18bの第1端46c、46dとは互いに離間している(図1及び図3参照)。従って、冷却媒体40の蒸気90が広範囲にわたって拡散している場合であっても、第1端46a~46d内の作動液82によって蒸気90が冷却される。このため、冷却媒体40を効率よく液相に戻すことができる。また、これにより、ケーシング14内の広範囲にわたって液滴94が滴下する。従って、液相の冷却媒体40に浸かっていない上方の電磁コイル30が広範囲にわたって十分に冷却される。すなわち、第1パイプ群18aの第1端46a、46bと、第2パイプ群18bの第1端46c、46dとを互いに離間したことにより、電磁コイル30を効率的に冷却することができる。
従って、ロータ22を高速回転させた場合であっても、発熱に起因して永久磁石26の磁束量が低減することが回避される。このため、回転電機システム10の小型化を図りつつ、出力の向上を図ることができる。また、電磁コイル30が効率よく冷却されることから、該電磁コイル30の耐久性が向上する。すなわち、回転電機12の耐久性の向上を図ることもできる。
図4に模式的に示すように、第1端46a~46dの内部において発生した作動液82の蒸気92は、主通路86に沿って第2端48a~48dに向かって移動する。第2端48a~48dがケーシング14外に露呈しているので、この移動の途中、蒸気92がケーシング14の外部に排出されるに至る。ケーシング14の外部は該ケーシング14内に比して低温であるので、第2端48a~48dに至る途中で蒸気92を冷却することができる。
また、第2端48a~48dには放熱器16が連結されている(図1及び図3参照)。第2端48a~48dに到達した蒸気92の熱は、放熱器16を構成するプレートフィン54(図1参照)を介して大気に放散される。ここで、第2端48a~48dの外径に比して放熱器16の内径及び外径が十分に大きいので、プレートフィン54の表面積を可及的に大きくすることができる。また、蒸気92は、上記したように第2端48a~48dに到達するまでの間も冷却されている。以上のことが相俟って、放熱器16において蒸気92の熱が効率よく奪取され、これにより該蒸気92が速やかに冷却されて凝縮する。すなわち、図4に示すように、蒸気92が液相の作動液82に戻る。作動液82は、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44d内のウィック84に沿って、第1端46a~46dに戻る還流となる。
そして、第1端46a~46dでは、液相の作動液82が、気相の冷却媒体40(蒸気90)から熱を奪取することで気化し、蒸気92に変化する。以降は、蒸気92の第2端48a~48dへの移動、蒸気92の凝縮、液相の作動液82の第1端46a~46dへの還流が繰り返される。従って、冷却媒体40の気化及び凝縮も繰り返され、これにより回転電機12に対する冷却が継続される。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、ヒートパイプの本数は、回転電機12やケーシング14の形状の大小に応じて適宜設定することができる。回転電機12及びケーシング14が大きいときには、第1パイプ群18a、第2パイプ群18bを構成するヒートパイプを3本以上としてもよい。又は、複数本のヒートパイプの第1端同士(例えば、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第1端46a~46d同士)を、ケーシング14内で互いが離間するように配設してもよい。第1端の中心角同士を一致させる必要も特にない。
このように、本発明においては、ヒートパイプの本数や配設位置を任意に設定することができる。すなわち、回転電機システム10の設計の自由度が大きくなる。
また、図5に示すように、第1ヒートパイプ44a~第4ヒートパイプ44dの第2端48a~48dを、ケーシング14の右端近傍で該ケーシング14の直径方向内方に向かって折曲させた後、放熱器16に向かって直線的に延在するように再折曲するようにしてもよい。この場合、放熱器16の内径及び外径を一層小さくすることが可能となる。
さらに、放熱器16において、プレートフィン54に代替してコルゲートフィンを採用するようにしてもよい。
さらにまた、回転電機12をモータとして機能させるようにしてもよいことは勿論である。
10…回転電機システム 12…回転電機
14…ケーシング 16…放熱器
18a、18b…パイプ群 20…回転軸
22…ロータ 24…ステータ
26…永久磁石 30…電磁コイル
32…本体部材 40…冷却媒体
44a~44d…ヒートパイプ 46a~46d…第1端
48a~48d…第2端 54…プレートフィン
56…ブレージングシート 82…作動液
84…ウィック 86…主通路
90…冷却媒体の蒸気 92…作動液の蒸気
94…液滴

Claims (7)

  1. 略円筒形状をなすケーシングにステータとロータとを有する回転電機を収納した回転電機システムにおいて、
    前記ケーシング内で前記回転電機を冷却した冷却媒体から熱を奪取して液相から気相へと相変化を起こす熱媒体が封入されるとともに、前記ケーシング内に挿入された第1端と、前記ケーシング外に露呈した第2端とを有する複数個のヒートパイプと、
    前記第2端に連結され、前記ヒートパイプ内の前記熱媒体から熱を奪取して該熱媒体を凝縮するための放熱器と、
    を備え、
    複数個の前記ヒートパイプの前記第1端が、前記ケーシングの軸線方向に沿って互いに離間した少なくとも2箇所で、該ケーシングの内周面に沿って中心角が270°以下となるように円弧状に湾曲して前記回転電機の外周側に位置し、
    前記放熱器が、前記ケーシングの軸線方向端部の近傍に配設されている回転電機システム。
  2. 請求項1記載の回転電機システムにおいて、前記第1端が略半円形状をなす回転電機システム。
  3. 請求項1又は2記載の回転電機システムにおいて、前記ヒートパイプは、前記ケーシングの側周壁から該ケーシング外に延出し、前記ケーシングの軸線方向に略平行に前記放熱器まで延在する回転電機システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、2本以上の前記ヒートパイプが隣接配置された組み合わせを1組のパイプ群とするとき、互いに離間した少なくとも2組のパイプ群を有する回転電機システム。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、前記放熱器が略円環形状をなす回転電機システム。
  6. 請求項5記載の回転電機システムにおいて、前記ケーシングの径中心と前記放熱器の径中心とが略重なる回転電機システム。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、前記ケーシングが、軸線方向が水平方向に臨む横臥姿勢として搭載対象に搭載される回転電機システム。
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